JP4050915B2 - 2−アダマンタノンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医農薬中間体や電子材料原料等として有用な2−アダマンタノンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
2−アダマンタノンは、電子材料の原料や医農薬中間体として有用な化合物である。例えば、アルキルアダマンチルエステル化合物を原料として得られるレジストは、半導体製造プロセスにおけるドライエッチング耐性が高いことが報告され(例えば特開平5−265212号公報)、半導体用レジスト材料としての可能性が注目されている。しかして、2−アダマンタノンは、上記アルキルアダマンチルエステル化合物の原料として重要な化合物である。
【0003】
また、電子材料等の分野においては競争が激しく、製造コスト低減の要求も厳しくなっている。すなわち、2−アダマンタノンは、廉価な原材料を用いて簡便な方法で高収率の製品を得ることがきわめて重要となっている。
【0004】
従来、2−アダマンタノンを得る方法としては、アダマンタンを濃硫酸で酸化した後、水蒸気蒸留により精製する方法が知られている(オーガニックシンセシス1973年53号8ページ、特開平11−189564号公報)。該方法により2−アダマンタノンを47〜48%で得ている。また、特開平11−189564号公報によれば、前記硫酸酸化法において、反応系40〜60℃で30分以上保持した後、60〜90℃まで昇温し、反応することで高収率で2−アダマンタノンを得ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらのアダマンタンの硫酸酸化により2−アダマンタノンを得る方法は、比較的高い収率で2−アダマンタノンが得られるものの、今一歩十分ではなく、さらに収率を向上させることが望まれていた。特に、上記特開平11−189564号公報による方法は、タール分等の副生物の生成をより低く抑えるために前段の反応を下限である40℃近くに設定して行うと、反応性が大きく低下し、そのため、反応性を高めるため、硫酸濃度を90質量%を超えるような値に高めると上記副生物の生成が一機に増加し、より高い収率で上記2−アダマンタノンを生成させることは実現できなかった。
【0006】
以上の背景から、より高収率、且つ高純度で2−アダマンタノンを製造する方法を開発することが大きな課題であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の問題を解決するために鋭意研究を行ってきた。その結果、アダマンタンを特定濃度の濃硫酸中で酸化反応させるに際して、反応系の温度を特定の温度で段階的に昇温して反応させることにより上記の課題が解決できることを見出し本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、アダマンタンを硫酸により酸化して2−アダマンタノンを生成させる2−アダマンタノンの製造方法において、硫酸濃度が98.5〜100質量%であり、且つ反応系を30〜40℃の温度範囲に10時間以上を保持した後、45〜55℃まで昇温して3時間以上保持し、さらに60〜90℃に昇温して反応させることを特徴とする2−アダマンタノンの製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の方法における反応原料のアダマンタンは試薬もしくは工業的に入手容易なものが何等制限なく使用できる。
【0010】
本発明において、硫酸は、98.5〜100質量%の濃度で使用する。このように極めての高濃度の濃硫酸中で、前記アタマンタンの硫酸酸化を実施すると、前記したようにタール分等の副生物の発生量が増大するが、本発明では、後述する特定の範囲での3段階の昇温条件で反応を遂行することにより、上記副生物の生成を抑えて極めて高い収率で2−アダマンタノンを製造することが可能になる。これらの硫酸は試薬もしくは工業的に入手容易なものが何等制限なく使用でき、発煙硫酸、無水硫酸、クロロスルホン酸等を濃度の低い硫酸に加えることで調整することもできる。
【0011】
ここで、硫酸濃度が、98.5質量%より低いときには、酸化力が小さすぎ反応開始時の30℃〜40℃の温度範囲での反応性が大きく低下し、上記目的物の収率が大きく低下する。なお、無水硫酸存在下の状態やクロロスルホン酸存在下の状態ではタール分の生成量やクロロアダマンタンの生成量が多くなる傾向があるため、これを勘案し、さらに、酸化力をより高いものにしようとすると、硫酸濃度は、好適には99質量%〜99.9質量%であるのが好適である。
【0012】
本発明において使用される硫酸の量は特に制限はないが、大過剰に使用しても使用量に見合った効果が得られるわけではなく、あまり使用量が少ないと酸化力が低下し、アダマンタンの反応原料を懸濁させる能力が低下するため、該アダマンタンに対して3倍量〜500倍量、好適には5倍量〜300倍量で使用される。
【0013】
こうした2−アダマンタノンを得る反応は、無溶媒中で行うことも可能であるが、有機溶媒中で実施することも可能である。本発明において使用される溶媒については、水と相溶せず、反応を阻害せず、アダマンタンを溶解させる有機溶媒が何等制限無く使用できる。これらの有機溶媒の種類を具体的に例示すると、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;ジメチルカーボネート等のカーボネート類等を挙げる事ができる。
【0014】
これらの中でも、特に高い収率が期待できる、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類が好適に採用される。
【0015】
本発明におけるこれらの有機溶媒の使用量は、特に制限は無いが、あまり量が多いと、一バッチあたりの収量が小さくなるため経済的ではなく、あまり量が少ないとアダマンタンを溶解させることができずに反応速度が低下するため、通常、反応液全体に対して、アダマンタンの量が0.1〜60質量%、好ましくは1〜50質量%となるように有機溶媒を使用することが好ましい。
【0016】
本発明の最大の特徴は、反応温度の昇温条件を次のように行うことにある。すなわち、30〜40℃の温度範囲に10時間以上(以下、該条件下で起こる反応を単に「1段目反応」ともいう。)保持した後、45〜55℃まで昇温し3時間以上保持し(以下、該条件下で起こる反応を単に「2段目反応」ともいう。)、さらに60〜90℃に昇温(以下、該条件下で起こる反応を単に「3段目反応」ともいう。)して反応を行う。これらの温度範囲以外の温度条件で反応を行うとタール分の副生を助長する。
【0017】
本発明において、上記昇温条件は、1段目反応が33〜37℃、2段目反応が48〜52℃、3段目反応が62〜75℃の範囲で行うのがより好ましい。
【0018】
本発明において、1段目反応の反応時間は10時間以上行わなければ、タール抑制効果は少ないが、あまり長時間おこなっても反応速度が低下し、反応が頭打ちとなるため、10〜40時間、好ましくは15〜30時間も行えば良い。さらに、好ましくはガスクロマトグラフィー(以下GCと称す)などの分析機器により、反応液中のアダマンタンの存在量が、該化合物の仕込み量に対して10質量%以下になったことを確認し、2段目反応に移行すると良い。
2段目反応の反応時間は3時間以上行わなければタール抑制効果はないが、あまり長時間おこなっても反応速度が低下し、反応が頭打ちとなるため、3〜10時間、好ましくは5〜8時間も行えば良い。さらに、好ましくはGCなどの分析機器により、アダマンタンの仕込み量に対して、アダマンタンの存在量が0.1質量%以下、1−アダマンタノールの存在量が15〜25質量%になったことを確認し、3段目反応に移行すると良い。
【0019】
3段目反応の反応時間は、GCなどの分析機器により、アダマンタンの仕込み量に対して、アダマンタンの存在量が0.1質量%以下、1−アダマンタノールの存在量が3質量%以下になったことを確認し、反応を終了するのが好ましい。一般には、3段目反応の反応時間は、0.5〜24時間、より好適には1〜12時間の範囲から採択される。
【0020】
各反応工程において、温度は、前記特定されたそれぞれの設定範囲内で複数段に設けてもよく、また、該設定範囲内でゆっくりと昇温させるなどして、その保持時間の要件を満足させても良い。
【0021】
1段目反応を終えた後、その上限の温度から2段目反応の下限の温度に達するまで、および2段目反応を終えた後、その上限の温度から3段目反応の下限の温度に達するまでの昇温時間は、できるだけ短時間の方が反応速度促進の観点から好ましい。この間の昇温時間は3時間以内、より好ましくは1時間以内とするのが良好である。
【0022】
反応圧力は、常圧、減圧、加圧のいずれの状態でも実行可能であり、反応液は攪拌下で行うことが好ましい。
【0023】
本発明を実施する操作手順としては、如何なる手順により実施しても良い。通常は、反応容器に所定の濃度に調整した濃硫酸を仕込み、次いで、所定量のアダマンタンを加え、温度等の諸反応条件を設定して反応を行うのが一般的である。
【0024】
反応液からの2−アダマンタノンの単離精製方法としては、特に制限はなく公知の方法が採用される。例えば、反応後の反応液を氷にあけ、析出する結晶をろ過や遠心分離することも可能であるし、溶媒により抽出し、洗浄、溶媒留去、乾燥後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの処理により分離精製することもできる。
【0025】
しかしながら、工業的規模において高純度の2−アダマンタノンを得るためには、安価に簡便に処理することが好ましい。
【0026】
以下、2−アダマンタノンの精製方法について説明する。
【0027】
本発明において、上記方法によって得られた2−アダマンタノンは活性炭処理、もしくは再結晶、再沈殿やリスラリー処理(以下再結晶等と称す)、もしくは連続して二つの方法をあわせることにより高純度の2−アダマンタノンを得ることが好ましい。
【0028】
この方法で使用される活性炭の種類には特に制限がなく、工業的に入手容易なもの、試薬など何等制限なく使用される。使用される活性炭の形状についても特に制限がなく粒状、粉末などの一般的なものが使用されるが、不純物を吸着する速度が速いことから粉末状のものを使用することがより好ましい。使用される活性炭量は、使用量が多いほど不純物除去については適しているが、2−アダマンタノンも吸着されるため、あまり量が多いと低収量となるため経済的ではなく、あまり使用量が少ないと不純物に対する効果が低下するため、2−アダマンタノンにたいして0.1〜50質量%、好ましくは1〜30質量%で使用すると良い。活性炭処理は通常2−アダマンタノンの有機溶媒溶液中で行われる。使用される有機溶媒を具体的に例示すると、メタノール、エタノール等のアルコール類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラハイドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ジメチルカーボネート等のカーボネート類、クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;等を挙げる事ができる。
【0029】
これらの中でも、特に高い収率が期待できる、ニトリル類、アルコール類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、エステル類、芳香族炭化水素類、カーボネート類等が好適に採用される。
【0030】
これらの有機溶媒の使用量は、特に制限は無いが、あまり量が多いと、一バッチあたりの収量が小さくなるため経済的ではなく、あまり量が少ないと攪拌等に支障をきたすため、通常2−アダマンタノンの濃度が0.1〜60重量%、好ましくは1〜50重量%となるように有機溶媒を使用することが好ましい。
【0031】
本発明における活性炭処理における処理温度は特に制限はなく、有機溶媒が蒸発しないような措置を講ずれば、溶媒の還流下で行うことも可能である。
【0032】
本発明における硫酸酸化により得られる2−アダマンタノンは再結晶等により不純物を除去し、結晶として取り出すことが好ましい。再結晶等で使用する有機溶媒は試薬、入手容易な工業原料が何等制限なく使用できる。使用される有機溶媒を具体的に例示すると、メタノール、エタノール等のアルコール類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラハイドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ジメチルカーボネート等のカーボネート類、クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;等を挙げる事ができる。
【0033】
これらの中でも、特に高い収率が期待できる、ニトリル類、アルコール類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、エステル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、カーボネート類等が好適に採用される。再結晶、リスラリーについてはこれらの有機溶媒のうち1種もしくは2種以上混合することも可能である。再沈殿についてはこれらの有機溶媒に水を加えることで行われる。これらの有機溶媒の使用量は、特に制限は無いが、あまり量が多いと、一バッチあたりの収量が小さくなるため経済的ではなく、あまり量が少ないと攪拌等に支障をきたすため、通常2−アダマンタノンの濃度が0.1〜60重量%、好ましくは1〜50重量%となるように有機溶媒を使用することが好ましい。
【0034】
上記の活性炭処理された2−アダマンタノンの有機溶媒溶液を連続して、本発明の再結晶等を行うことにより、より高純度の2−アダマンタノンを得ることができ、好ましい。
【0035】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何等制限されることはない。
【0036】
実施例1
96.0%濃硫酸1569gに30%発煙硫酸675gを加え、99.23%の濃硫酸にし、アダマンタン204gを加えて、激しく攪拌しながら35℃に加熱し、30分ごとに反応液をサンプリングし、反応液中のアダマンタン濃度をGCで測定したところ、24時間反応後、アダマンタンの仕込み量に対して、該アダマンタンの存在量が8質量%以下になっていることが確認できたため、昇温速度1℃/分で50℃まで加熱した。
【0037】
該温度下で30分ごとに反応液をサンプリングしたところ、6時間後、GCによる測定で、アダマンタンの仕込み量に対して、該アダマンタンの存在量が0.1質量%以下、1−アダマンタノールの存在量が18質量%になっていることが確認できたため、その後、昇温速度1℃/分で65℃まで加熱し、30分ごとに反応液をサンプリングし、7時間後、GCによる測定で、アダマンタンの仕込み量に対して、該アダマンタンの存在量が0.1質量%以下、1−アダマンタノールの存在量が2.6質量%になっていることが確認できたため、30℃に冷却した。
【0038】
その後、1200gの氷に反応液をあけ、ジクロロメタン1950mlで2回抽出し、有機層を1N−水酸化ナトリウム水と10%食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥してからジクロロメタンを留去した。
淡黄色結晶の2−アダマンタノンが202.5g(収率90%)得られた。
【0039】
実施例2〜3
実施例1において、表1に示した反応条件以外は実施例1と同様の条件で反応を実施した。結果を表1に併記した。
【0040】
【表1】
【0041】
実施例4
実施例1において、30%発煙硫酸の代わりにクロロスルホン酸300gを使用し、99.1%濃硫酸とした以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、淡黄色結晶の2−アダマンタノンが202.5g(収率90%)得られた。この結晶のGC純度は99.1%で、1−クロロアダマンタンが0.1%であった。
【0042】
比較例1
1段目反応を5時間、2段目反応を5時間、3段目反応を20時間とした以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0043】
その結果、淡黄色結晶の2−アダマンタノンが108g(収率48%)得られた。
【0044】
比較例2
1段目反応を24時間、2段目反応を1時間、3段目反応を10時間とした以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0045】
その結果、淡黄色結晶の2−アダマンタノンが141.8g(収率63%)得られた。
比較例3
98.0%濃硫酸149.6gにアダマンタン13.6g加え、激しく攪拌しながら35℃に加熱した。24時間後、反応液をサンプリングし、GCで確認したところ、アタマンタンの仕込み量に対して、該アダマンタンの存在量が39質量%、1−アダマンタノールの存在量が42質量%であった。
【0046】
次いで、昇温速度1℃/分で50℃まで加熱し、24時間攪拌し、反応液をサンプリングし、GCで確認したところ、アタマンタンの仕込み量に対して、該アダマンタンの存在量が3質量%、1−アダマンタノールの存在量が22質量%であった。この際にアダマンタンが大量に昇華し、反応容器の壁にこびりついていた。
【0047】
その後、昇温速度1℃/分で60℃まで加熱し、24時間攪拌し、反応液をサンプリングし、GCで確認したところ、アタマンタンの仕込み量に対して、該アダマンタンの存在量が0.1質量%以下、1−アダマンタノールの存在量が2質量%であっため、30℃に冷却し、100gの氷にあけ、ジクロロメタン130mlで2回抽出し、有機層を1N−水酸化ナトリウム水と10%食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥してからジクロロメタンを留去した。
【0048】
淡黄色結晶の2−アダマンタノンが7.5g(収率50%)得られた。
【0049】
比較例4
98.0%濃硫酸149.6gにアダマンタン13.6g加え、激しく攪拌しながら80℃に加熱した。5時間後、反応液をサンプリングし、GCで確認したところ、アタマンタンの仕込み量に対して、該アダマンタンの存在量が0.1%以下、1−アダマンタノールの存在量が2.1質量%であったため、30℃に冷却し、100gの氷にあけ、ジクロロメタン130mlで2回抽出し、有機層を1N−水酸化ナトリウム水と10%食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥してからジクロロメタンを留去した。
【0050】
淡黄色結晶の2−アダマンタノンが3.45g(収率23%)得られた。
【0051】
比較例5
98.0%濃硫酸149.6gにアダマンタン13.6g加え、激しく攪拌しながら50℃に加熱した。5時間後、反応液をサンプリングし、GCで確認したところ、アタマンタンの仕込み量に対して、該アダマンタンの存在量が30質量%、1−アダマンタノールの存在量が35質量%であった。
【0052】
次いで、昇温速度1℃/分で60℃まで加熱し、24時間攪拌し、反応液をサンプリングし、GCで確認したところ、アタマンタンの仕込み量に対して、該アダマンタンの存在量が0.1質量%以下、1−アダマンタノールの存在量が2.9質量%であったため30℃に冷却し、100gの氷にあけ、ジクロロメタン130mlで2回抽出し、有機層を1N−水酸化ナトリウム水と10%食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥してからジクロロメタンを留去した。
【0053】
淡黄色結晶の2−アダマンタノンが9.75g(収率65%)得られた。
【0054】
比較例6
25%発煙硫酸149.6gにアダマンタン13.6g加え、激しく攪拌しながら35℃に加熱した。5時間後、反応液をサンプリングし、GCで確認したところ、アタマンタンの仕込み量に対して、該アダマンタンの存在量が0.1質量%以下、1−アダマンタノールの存在量が10質量%であった。
【0055】
次いで、昇温速度1℃/分で50℃まで加熱し、2時間攪拌し、反応液をサンプリングし、GCで確認したところ、アタマンタンの仕込み量に対して、該アダマンタンの存在量が0.1%以下、1−アダマンタノールの存在量が0.8質量%であったため30℃に冷却し、100gの氷にあけ、ジクロロメタン130mlで2回抽出し、有機層を1N−水酸化ナトリウム水と10%食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥してからジクロロメタンを留去した。
【0056】
淡黄色結晶の2−アダマンタノンが0.75g(収率5%)しか得られなかった。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、アダマンタンを硫酸酸化して2−アダマンタノンを製造するに際して、極めて高い収率で高純度の該目的化合物を得ることができるため、工業上極めて有用である。
Claims (2)
- アダマンタンを硫酸により酸化して2−アダマンタノンを生成させる2−アダマンタノンの製造方法において、硫酸濃度が98.5〜100質量%であり、且つ反応系を30〜40℃の温度範囲に10時間以上保持した後、45〜55℃まで昇温して3時間以上保持し、さらに60〜90℃に昇温して反応させることを特徴とする2−アダマンタノンの製造方法。
- 30〜40℃の温度に保持する反応工程を終えた後、45〜55℃の温度に保持する反応工程に達するまでの昇温時間、および該45〜55℃の温度に保持する反応工程を終えた後、60〜90℃で反応させる反応工程に達するまでの昇温時間が、それぞれ3時間以内である請求項1記載の2−アダマンタノンの製造方法。
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