JP4065689B2 - 2−アダマンタノンの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医農薬中間体や電子材料原料等として有用な2−アダマンタノンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
2−アダマンタノンは、電子材料の原料や医農薬中間体として有用な化合物である。例えば、アルキルアダマンチルエステル化合物を原料として得られるレジストは、半導体製造プロセスにおけるドライエッチング耐性が高いことが報告され(例えば特開平5−265212号公報)、半導体用レジスト材料としての可能性が注目されている。しかして、2−アダマンタノンは、上記アルキルアダマンチルエステル化合物の原料として重要な化合物である。
【0003】
こうした半導体用レジスト材料の原料としての用途から、2−アダマンタノンには、高純度化の要求が高くなっている。また、電子材料等の分野においては競争が激しく、製造コスト低減の要求も厳しくなっている。すなわち、2−アダマンタノンは、廉価な原材料を用いて簡便な方法で高純度の製品を得ることがきわめて重要となっている。
【0004】
従来、2−アダマンタノンを得る方法としては、アダマンタンを濃硫酸で酸化した後、水蒸気蒸留により精製する方法が知られている(オーガニックシンセシス1973年53号8ページ、特開平11−189564号公報)。
【0005】
また、2−アダマンタノールは、硫酸中で容易に不均化反応を起こし、1対1のアダマンタンと2−アダマンタノンを生成し、さらに、1−アダマンタノールは、硫酸中で転位反応を起こし、容易に上記2−アダマンタノールを生成するため、これらアダマンタノール類を原料に用いて、上記濃硫酸によるアダマンタンの酸化反応と同様の反応を実施することも知られている(例えば、テトラヒドロン1968年24巻5361〜5368ページ等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これらのアダマンタンの硫酸酸化により2−アダマンタノンを得る方法は、比較的高い収率で2−アダマンタノンが得られるものの、不揮発性のタール分が多量に生成するものであった。特に、アダマンタンの消費量が減少する反応の終息域において、収率を向上させるために反応温度を高めると、不揮発性のタール分の生成量が高まり大きな問題になっていた。このタール分は、水蒸気蒸留や特願2000−129295のような特別な抽出法を採用し精製しなければならず、操作の煩雑化を招いていた。
【0007】
一方、上記濃硫酸を用いずに2−アダマンタノンを得る方法として、ヒドロキシフタルイミド等を触媒としてアダマンタンを酸素酸化する方法等も知られている(特開平10−309469号公報等)が、収率が30%程度と低く満足のいくものではなかった。
【0008】
以上の背景から、不揮発性のタール分を発生させることなく、高収率、且つ高純度で2−アダマンタノンを製造する方法を開発することが大きな課題であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の問題を解決するために鋭意研究を行ってきた。その結果、アダマンタン、1−アダマンタノール、及び2−アダマンタノールから選ばれる少なくとも1種を濃硫酸中で酸化反応させるに際して、反応途中に、反応液にアルコールを添加することにより、上記の課題が解決できることを見出し本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、アダマンタン、1−アダマンタノール、及び2−アダマンタノールから選ばれる少なくとも1種を濃硫酸中で酸化させて2−アダマンタノンを製造する方法において、反応途中に、反応液にアルコールを添加することを特徴とする2−アダマンタノンの製造方法である。
【0011】
即ち、本発明は、上記方法により2−アダマンタノン製造した後、得られた2−アダマンタノンと、(1)アルキルリチウム、(2)グリニヤール試薬、並びに(3)ハロゲン化アルキル化合物および金属リチウムから選ばれる少なくとも一種のアルキル化試薬と反応させてアルキルアダマンチルアルコキシド化合物を得、次いで、該アルキルアダマンチルアルコキシド化合物と酸ハロゲン化物又は酸無水物とを反応させることを特徴とするアルキルアダマンチルエステル化合物の製造方法も提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の方法は、反応原料に、アダマンタン、1−アダマンタノール、及び2−アダマンタノール(以下、これらの原料を、アダマンタン等とも総称する)の何れを用いても濃硫酸中での反応により、2−アダマンタノンを良好に生成させることができる。すなわち、まず、2−アダマンタノールは、濃硫酸中で容易に、酸化されたり、1対1のモル比の不均化反応を起こし、アダマンタンと上記目的物である2−アダマンタノンを生成する。また、1−アダマンタノールは、硫酸中では容易に転位反応を起こし、上記2−アダマンタノールに転換される。さらに、アダマンタンは、濃硫酸中で、これら1−アダマンタノールや2−アダマンタノールに容易に酸化される。
【0013】
したがって、上記原料の何れを用いても、最終的には、上記2−アダマンタノールから2−アダマンタノンが生成する反応が生じ、反応液中に該目的化合物が蓄積されていく。
【0014】
無論、これらの2種以上を混合して反応に供しても、2−アダマンタノンは良好に生成していく。
【0015】
本発明において、濃硫酸は、90〜100質量%のものをいう。あまり濃度が高いとタール分の生成量が多くなり、あまり濃度が低いと酸化力が低下する傾向があるため、好適には95%〜98%の濃硫酸が使用される。これらの濃硫酸は試薬もしくは工業的に入手容易なものが何等制限なく使用でき、濃度の高いものは、発煙硫酸等を濃度の低い硫酸に加えることで調整することもできる。
【0016】
本発明において使用される濃硫酸の量は特に制限はないが、大過剰に使用しても使用量に見合った効果が得られるわけではなく、あまり使用量が少ないと酸化力が低下し、アダマンタン等の反応原料を懸濁させる能力が低下するため、該アダマンタン等に対して3倍量〜500倍量、好適には5倍量〜300倍量で使用される。
【0017】
こうした2−アダマンタノンを得る酸化反応は、無溶媒中で行うことも可能であるが、有機溶媒中で実施することも可能である。本発明において使用される溶媒については、水と相溶せず、反応を阻害せず、アダマンタン、1−アダマンタノール、2−アダマンタノールを溶解させる有機溶媒が何等制限無く使用できる。これらの有機溶媒の種類を具体的に例示すると、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;ジメチルカーボネート等のカーボネート類等を挙げる事ができる。
【0018】
これらの中でも、特に高い収率が期待できる、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類が好適に採用される。
【0019】
本発明におけるこれらの有機溶媒の使用量は、特に制限は無いが、あまり量が多いと、一バッチあたりの収量が小さくなるため経済的ではなく、あまり量が少ないとアダマンタン等を溶解させることができずに反応速度が低下するため、通常、反応液全体に対して、アダマンタン等の量が0.1〜60質量%、好ましくは1〜50質量%となるように有機溶媒を使用することが好ましい。
【0020】
本発明の最大の特徴は、こうしたアダマンタン等から2−アダマンタノンを得る反応において、反応途中に、反応液にアルコールを添加することにある。それにより、不揮発性のタール分の生成を大幅に低減することが可能になる。
【0021】
すなわち、上記製造方法において、反応途中に不揮発性のタール分が生成する原因は、反応途中に、前記反応機構から反応液中に共存することになる1−アダマンタノールと2−アダマンタノンとが副反応しケタールが形成されることに起因すると考えられる。つまり、このケタールが、2−アダマンタノンを生成する反応を阻害し、高い熱エネルギーを与える等すると活発に重合して多量のタール分を生成させると推察される。
【0022】
これに対して、上記の如く反応液にアルコールを添加すると、該アルコールの作用によりこのケタールが分解されてタール分の生成が抑制され、また、上記ケタールの分解物は、2−アダマンタノンや1−アダマンタノールであるため、前記目的物の収率を大きく高める。したがって、本発明によれば、精製工程の煩雑化につながるタール分はほとんど生成させることなく、目的とする2−アダマンタノンを高収率、かつ高選択率で生成させることが実現できる。
【0023】
使用するアルコールとしては、公知のものが特に制限なく使用できるが、好適には、炭素数1〜6のアルキル基、アラルキル基を持つ、第1級アルコール、第2級アルコール、第3級アルコールが良好である。具体的に例示すると、メタノール、エタノール、1−プロパノール、n−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェニルプロピルアルコール等の第1級アルコール類;イソプロパノール、s−ブタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール等の第2級アルコール類;t−ブタノール、トリフェニルメチルアルコール等の第3級アルコール類が挙げられる。
【0024】
これらの中でも、反応性および経済性から、メタノール、エタノール、1−プロパノール、n−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、イソプロパノール、s−ブタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、t−ブタノール、トリフェニルメチルアルコール等が好適であり、特に、t−ブタノール等の第3級アルコール類が最も好ましい。
【0025】
これらアルコールの添加量は特に制限はないが、あまり量が多いと副反応を助長し、あまり少ないとケタールを分解しきれないため、原料のアダマンタン等の使用量1モルに対して0.01モル〜10モル、好ましくは0.02モル〜5モル、更に好ましくは0.03モル〜2モルであるのが良い。
【0026】
本発明において、上記反応液にアルコールの添加する時期は、反応を終了するまでの途中であればいつでも良い。反応初期においては、濃硫酸によりアルコールが酸化され、副反応を起こすおそれがあるため、2−アダマンタノン生成の終息域で反応液にアルコールを添加し、反応を継続させるのが好ましい。具体的には、反応液中のアダマンタン濃度がガスクロマトグラフィー等による測定で2質量%以下、好適には1質量%以下になった後、すなわち、反応液中のアダマンタン濃度が上記値になってからガスクロマトグラフィー等による測定では確認できない状態までの間に添加するのが好ましい。
【0027】
反応液が、反応液中において、アダマンンが確認できない状態にまで至った時は、できるだけ速くアルコールを添加するのが好ましいが、反応液の温度を70℃以下、好適には60℃以下に保っている場合においては、タール分の生成速度は僅かずつであるため、極端に長時間が経過した後でなければ本発明の効果は十分に発揮される。好適には、前記アダマンタンが確認できない状態に至ってから後、5時間以内、より好適には2時間以内にアルコールを添加するのが望ましい。
【0028】
本発明において、反応液にアルコールを添加した後の期間を含め、反応温度は、特に制限は無いが、あまり温度が高いとタール分の副生を助長し、あまり温度が低いと反応速度が小さくなるため、通常、10℃〜80℃、好ましくは20℃〜70℃の範囲で行われるのが良い。また、特開平11−189564号公報に記載のように昇温方法を決めて行うとより良い効果が得られる。特に、反応液にアルコールを添加した後は30〜50℃の反応温度を設定するのが、タール分の生成をさらに低減させる観点から好ましい。本発明では、このように反応液にアルコールを添加した後において穏かな温度条件としても、ケタールの分解により2−アダマンタノンの収率は極めて高い値を達成することができ有利である。
【0029】
反応液にアルコールを添加した後において、反応の最終的な終点は、反応液中の1−アダマンタノールの濃度をガスクロマトグラフィー等による測定で確認し、該化合物の濃度が3質量%以下、好ましくは2質量%以下に低下した時とすれば良い。一般には、反応液にアルコールを添加した後、0.5〜5時間、好適には1〜2時間保持するのが好ましい。また、全体の反応時間は特に制限は無いが、使用する硫酸濃度或いは反応温度により異なるため一概には言えないが、通常0.5〜100時間あれば十分である。
【0030】
反応圧力は、常圧、減圧、加圧のいずれの状態でも実行可能であり、反応液は攪拌下で行うことが好ましい。
【0031】
本発明を実施する操作手順としては、反応途中にアルコールを添加する以外は特に制限はなく、如何なる手順により実施しても良い。通常は、反応容器に所定の濃度に調整した濃硫酸を仕込み、次いで、所定量のアダマンタン等を加え、温度等の諸反応条件を設定して反応を行うのが一般的である。
【0032】
反応液からの2−アダマンタノンの単離精製方法としては、特に制限はなく公知の方法が採用される。本発明においては、反応液中にはタール分はほとんど含有されていないため、水蒸気蒸留等の煩雑な精製操作を行わなくても、簡単な手法により高純度の2−アダマンタノンを得ることができる。例えば、反応後の反応液を氷にあけ、析出する結晶をろ過や遠心分離することも可能であるし、溶媒により抽出し、洗浄、溶媒留去、乾燥後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶などの処理により分離精製することもできる。
【0033】
本発明において、このようにして得られた2−アダマンタノンは、例えば医薬中間体、フォトレジスト用モノマーの原料、フォトクロミック化合物の原料、塗料、接着剤、粘着剤、膜、吸着材などの材料の原料など種々の工業用材料として有用に使用できる。例えば、アルキルアダマンチルエステル化合物を製造する際の原料として使用するのが好ましい。
【0034】
アルキルアダマンチルエステル化合物は、例えば、これを原料として製造されるレジストにおいて、半導体製造プロセスでのドライエッチング耐性が高いことが知られており(例えば特開平5−265212号公報)、半導体レジスト材料としての将来性が注目されている。本発明で得られた2−アダマンタノンは、タール分等が生じ難かったことに起因して純度が極めて高いため、上記アルキルアダマンチルエステル化合物の製造原料として使用した場合、該化合物が収率良く、高純度に得られるという有利な効果が発揮される。
【0035】
以下、2−アダマンタノンからアルキルアダマンチルエステル化合物を得る反応について説明する。
【0036】
本発明において、上記2−アダマンタノンを用いてのアルキルアダマンチルエステル化合物の製造は、該2−アダマンタノンと、(1)アルキルリチウム、(2)グリニヤール試薬、並びに(3)ハロゲン化アルキル化合物および金属リチウムから選ばれる少なくとも一種のアルキル化試薬とを反応させてアルキルアダマンチルアルコキシド化合物を得、次いで、該アルキルアダマンチルアルコキシド化合物と酸ハロゲン化物又は酸無水物とを反応させる方法により行うのが好ましい。
【0037】
この反応で使用するアルキル化試薬としては、(1)アルキルリチウム、(2)グリニヤール試薬、並びに(3)ハロゲン化アルキル化合物および金属リチウム(すなわち、両者の組み合わせ)から選ばれる少なくとも一種であれば特に限定されず、導入したいアルキル基の種類に応じた各種化合物が適宜用いられる。
【0038】
アルキル化試薬として好適に使用できる化合物を具体的に例示すれば、アルキルリチウムとしては、メチルリチウム、エチルリチウム、ブチルリチウム等が;グリニヤール試薬としては、臭化メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム等が;ハロゲン化アルキルとしては、ヨウ化メチル、臭化エチル等が挙げられる。
【0039】
これらアルキル化試薬と2−アダマンタノンとを反応させてアルキルアダマンチルアルコキシド化合物を得る方法は特に限定されず、例えば、2−アダマンタノンに対してほぼ等モルまたは小過剰のアルキル化試薬を有機溶媒中で反応させることにより好適に行うことができる。このときの溶媒としては、該アルキル化剤と反応しない溶媒であれば公知の有機溶媒が制限なく使用できる。好適に使用できる有機溶媒を例示すれば、ジエチルエーテル、テトラハイドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;ヘキサン、トルエン等の炭化水素系溶媒などが挙げられる。
【0040】
また、上記反応の反応条件は特に限定されないが、アルキル化試薬の使用量は、2−アダマンタノン1モルに対して、0.9〜1.5モル、特に1.0〜1.3モルであるのが好適である。ただし、アルキル化試薬として、上記(3)のハロゲン化アルキル化合物と金属リチウムとの組み合わせを使用する場合においては、これら各試薬の好適な使用量は、それぞれ2−アダマンタノン1モルに対して、0.8〜2.0モルおよび1.5〜2.5グラム原子、特に1.0〜1.2モルおよび1.8〜2.0グラム原子である。
【0041】
また、反応温度は特に限定されず用いるアルキル化剤の種類により適宜決定すればよいが、上記(1)または(2)のアルキル化試薬を用いる場合には通常20〜80℃で行われる。また、上記(3)のアルキル化試剤を用いる場合において、ハロゲン化アルキルとしてヨウ化物を用いる場合は、−80〜20℃で反応させるのが好適であり、臭化物や塩化物を用いる場合には0〜100℃で反応させるのが好適である。さらに、反応時間は用いるアルキル化剤の種類にもよるが、通常、0.5〜24時間である。
【0042】
このようにして得られたアルキルアダマンチルアルコキシド化合物は、一般には単離することなく酸ハロゲン化物又は酸無水物との反応に使用させる。このとき使用する酸ハロゲン化物又は酸無水物としては、目的物とするアルキルアダマンチルエステル化合物の種類に応じて対応する構造の酸ハロゲン化物又は酸無水物を使用すればよい。
【0043】
好適に使用できる酸ハロゲン化物を例示すれば、アセチルクロリド、メタクリル酸クロリド、塩化ベンゾイル等が挙げられる。一方、好適に使用できる酸無水物を例示すれば、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物等が挙げられる。
【0044】
アルキルアダマンチルアルコキシド化合物と酸ハロゲン化物又は酸無水物との反応方法は特に限定されず、公知の方法が使用できる。例えば、溶媒の存在下で両者を混合することにより好適に行うことができる。このとき、酸ハロゲン化物の使用量は、アルキルアダマンチルアルコキシド化合物1モルに対して、0.9〜2.0モル、特に1.0〜1.3モル使用であるのが好適である。
【0045】
なお、酸ハロゲン化物を過剰量使用する場合には、過剰量の酸ハロゲン化物1モルに対して1モル以上の3級アミン化合物を加えておくことも可能であり、特に目的とするアルキルアダマンチルエステル化合物が酸に対して不安定な場合には、このような量の3級アミン化合物を添加するのがより好適である。このとき3級アミン化合物としては、特に限定されないが、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロ[2.2.2.]オクタン等が使用できる。
【0046】
酸無水物の使用量としてはアルキルアダマンチルアルコキシド化合物1モルに対して、0.8〜2.0モル、特に0.9〜1.3モル使用であるのが好適である。
【0047】
また、反応温度および反応時間は、酸ハロゲン化物又は酸無水物の種類にもよるが、酸ハロゲン化物を使用するときは一般には20℃〜100℃で0.5時間〜24時間反応させればよい。他方、酸無水物を使用するときは反応速度と重合防止の兼ね合いから0℃〜40℃で0.5時間〜6時間反応させることが好ましい。
【0048】
このようにして得られたアルキルアダマンチルエステル化合物は、例えば水洗、乾燥、溶媒留去等の通常の後処理を行い、通常の精製方法、例えばシリカゲルカラムクロマトグラフィー、蒸留、再結晶などの方法を用いることにより単離することができる。
【0049】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何等制限されることはない。
【0050】
実施例1
96%濃硫酸184gにアダマンタン13.6gを加えて、激しく攪拌しながら50℃に加熱し、5時間反応し、その後、60℃まで加熱した。60℃に加熱した後において、30分ごとに反応液をサンプリングし、反応液中のアダマンタン濃度を測定したところ、20時間反応後、アダマンタンがガスクロマトグラフィー(以下GCと称す)で1質量%以下になっていることが確認できたため、30℃に冷却し、tert−ブチルアルコールを1.48g(仕込んだアダマンタン1モルに対して0.1モルに相当する量)添加した。30℃で1時間攪拌し、1−アダマンタノールがGCで2質量%以下になっていることを確認し、冷却した。
【0051】
その後、400gの氷に反応液をあけ、ジクロロメタン400mlで抽出したところ、ジクロロメタンに不溶の固形物の析出はわずかであることを目視で確認し、飽和炭酸水素ナトリウム水と10%食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥してからジクロロメタンを留去した。淡黄色結晶の2−アダマンタノンが13.2g(収率88%)得られ、ドデカンを内部標準としてGC分析したところ、純度が96.1%であった。
【0052】
実施例2
実施例1において、1−アダマンタノール15.2gを96%濃硫酸161g中で50℃、17時間反応させ、アダマンタンがGC上1質量%以下になっていることを確認してから、tert−ブチルアルコールを1.48g添加した以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0053】
その結果、ジクロロメタン抽出時にジクロロメタンに不溶の固形物はまったく見られず、淡黄色結晶の2−アダマンタノン13.5g(収率90%)が得られ、純度が97.7%であった。
【0054】
実施例3
実施例1において、2−アダマンタノール15.2gを、96%濃硫酸163g中で50℃、15時間反応させ、アダマンタンがGC上1質量%以下になっていることを確認してから、tert−ブチルアルコールを1.48g添加した以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0055】
その結果、ジクロロメタン抽出時にジクロロメタンに不溶の固形物はまったく見られず、淡黄色結晶の2−アダマンタノン13.6g(収率91%)が得られ、純度が97.8%であった。
【0056】
実施例4〜10
実施例1において、tert−ブチルアルコールの代わりに表1に示したアルコールを、仕込んだアダマンタン1モルに対して0.1モルに相当する量添加した以外は実施例1と同様の操作を行った。何れの実施例においても、ジクロロメタン抽出時にジクロロメタンに不溶の固形物はまったく見られないか、見られてもわずかの析出量であった。
【0057】
上記の結果を表1に示した。
【0058】
【表1】
Figure 0004065689
【0059】
実施例11
実施例1において、tert−ブチルアルコールの使用量を11.8g(仕込んだアダマンタン1モルに対して0.8モルに相当する量)とする以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0060】
その結果、ジクロロメタン抽出時にジクロロメタンに不溶の固形物はわずかにしか析出せず、淡黄色結晶の2−アダマンタノン12.4g(収率85%)が得られ、純度が96.5%であった。
【0061】
比較例1
96%濃硫酸184gにアダマンタン13.6gを加えて、激しく攪拌しながら50℃に加熱し、5時間反応し、その後、60℃まで過熱した。60℃に加熱した後において、30分ごとに反応液をサンプリングし、反応液中のアダマンタン濃度を測定したところ、20時間反応後、アダマンタンがGCで1質量%以下になっていることが確認し、さらに70℃まで加熱し3時間攪拌し、1−アダマンタノールがGCで2質量%以下になっていることを確認し、冷却した。
【0062】
その後、400gの氷に反応液をあけ、ジクロロメタン400mlで抽出した。その時、ジクロロメタンに不溶のタール状の固形物が大量に析出した。その後、飽和炭酸水素ナトリウム水と10%食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥してからジクロロメタンを留去した。淡黄色結晶の2−アダマンタノンが9.75g(収率65%)得られ、ドデカンを内部標準としてGC分析したところ、純度が88.0%であった。
【0063】
比較例2
96%濃硫酸163gに1−アダマンタノール15.2gを加えて、激しく攪拌しながら50℃に加熱し、15時間反応し、その後、60℃で3時間、70℃で2時間攪拌し、1−アダマンタノールがGCで2質量%以下になっていることを確認し、冷却した。
【0064】
その後、400gの氷に反応液をあけ、ジクロロメタン400mlで抽出した。その時、ジクロロメタンに不溶の固形物が大量に析出した。その後、飽和炭酸水素ナトリウム水と10%食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥してからジクロロメタンを留去した。淡黄色結晶の2−アダマンタノンが10.5g(収率70%)得られ、ドデカンを内部標準としてGC分析したところ、純度が94.8%であった。
【0065】
実施例11
実施例1で得られた2−アダマンタノン7.5g(50mmol)をテトラハイドロフラン25mLに溶解し、あらかじめ調整した臭化メチルマグネシウムのテトラハイドロフラン溶液(1mol/L)50mLを40℃以下で滴下した。GCで反応の進行を確認し、反応液にトリエチルアミン1.25g(12.5mmol)とメタクリル酸クロリド7.5g(75mmol)を加え、50℃で3時間攪拌した。
【0066】
GCで反応の進行を確認し、水5mLを加えて反応を停止した。その後、テトラハイドロフランを減圧留去したのちヘプタン50mLを加え、1N塩化アンモニウム水溶液、10%水酸化ナトリウム水溶液、イオン交換水で順次洗浄した。その後、ヘプタンを減圧留去することにより粗生成物を得た。該粗生成物にジエチレングリコール0.75gを加えてから減圧蒸留(92℃/0.4mmHg)したところ、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート7.06g(収率60%)が得られた。
【0067】
実施例12
実施例2で得られた2−アダマンタノン7.5g(50mmol)をテトラハイドロフラン25mLに溶解し、臭化エチル6g(55mmol)を加えた。溶液を激しく攪拌しながら金属リチウムを0.1gずつ、溶液の温度が30℃を超えないように加え、合計0.75g(85mmol)を加えた。反応の進行をGCで確認し、目視で金属リチウムが消失したことを確認してから反応液にメタクリル酸クロリド5g(50mmol)を加えた。
【0068】
GCで反応が十分に進行したのを確認してから反応液にメタノール1.5mLと5%水酸化ナトリウム水溶液1.5mLを加えて室温で1時間攪拌し、反応を停止した。その後有機溶媒を減圧留去した後、ヘキサンを100mL加え、得られた溶液を10%水酸化ナトリウム水溶液、20%食塩水で順次洗浄した。その後、ヘキサンを減圧留去して粗生成物を得、イソプロパノールから再結晶して2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート5.21g(収率42%)を得た。
【0069】
実施例13
実施例3で得られた2−アダマンタノン7.5g(50mmol)をテトラハイドロフラン25mLに溶解し、あらかじめ調整した臭化メチルマグネシウムのテトラハイドロフラン溶液(1mol/L)50mLを40℃以下で滴下した。GCで反応の進行を確認し、反応液にアクリル酸無水物5.34g(51mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。
【0070】
GCで反応の進行を確認し、メタノール1.5mLと5%水酸化ナトリウム水溶液1.5mLを10℃以下で加えて1時間攪拌し、有機層を分離した。有機層をさらに10%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した後、溶媒を留去することにより粗生成物を得た。該粗生成物を減圧蒸留(85℃/0.3mmHg)したところ、2−メチル−2−アダマンチルアクリレート7.38g(収率60%)が得られた。
【0071】
実施例14
実施例2と同様の実験で得られた2−アダマンタノン7.5g(50mmol)をテトラハイドロフラン25mLに溶解し、臭化エチル6g(55mmol)を加えた。溶液を激しく攪拌しながら金属リチウムを0.1gずつ、溶液の温度が30℃を超えないように加え、合計0.75g(85mmol)を加えた。反応の進行をGCで確認し、目視で金属リチウムが消失したことを確認してから反応液にアクリル酸無水物5.34g(51mmol)を加えた。
【0072】
GCで反応が十分に進行したのを確認してから反応液にメタノール1.5mLと5%水酸化ナトリウム水溶液1.5mLを加えて室温で1時間攪拌し、反応を停止した。その後、有機層を分離し、有機層をさらに10%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した後、有機溶媒を減圧留去し、残渣を減圧蒸留して2−エチル−2−アダマンチルアクリレート7.43g(収率64%)を得た。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、アダマンタン等を酸化して2−アダマンタノンを製造するに際して、不揮発性のタール分の発生を大きく抑制することができる。したがって、水蒸気蒸留等の煩雑な精製操作を行わなくても、ろ過や再結晶等の簡単な分離精製操作により、反応液から高純度の2−アダマンタノンを得ることができる。
【0074】
また、2−アダマンタノンの収率もきわめて高く、工業上極めて有用である。

Claims (4)

  1. アダマンタン、1−アダマンタノール、及び2−アダマンタノールから選ばれる少なくとも1種を濃硫酸中で酸化させて2−アダマンタノンを製造する方法において、反応途中に、反応液にアルコールを添加することを特徴とする2−アダマンタノンの製造方法。
  2. 2−アダマンタノン生成の終息域で反応液にアルコールを添加し、反応を継続することを特徴とする請求項1に記載の2−アダマンタノンの製造方法。
  3. 2−アダマンタノンの生成の終息域が、反応液中のアダマンタン濃度が2質量%以下になった後である請求項2に記載の2−アダマンタノンの製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の製造方法によって2−アダマンタノンを製造した後、得られた2−アダマンタノンと、(1)アルキルリチウム、(2)グリニヤール試薬、並びに(3)ハロゲン化アルキル化合物および金属リチウムから選ばれる少なくとも一種のアルキル化試薬とを反応させてアルキルアダマンチルアルコキシド化合物を得、次いで、該アルキルアダマンチルアルコキシド化合物と酸ハロゲン化物又は酸無水物とを反応させることを特徴とするアルキルアダマンチルエステル化合物の製造方法。
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