JP4093842B2 - ハロゲン化アダマンタン類の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、機能性材料や電子材料の原料として有用なハロゲン化アダマンタン類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アダマンタン誘導体は耐熱性に優れ、透明性が高い特徴を有することから耐熱性高分子等の高機能性材料や半導体用レジスト等の電子材料に応用することが期待されている化合物である。アダマンタン骨格に計4つ存在する橋頭位(一位、三位、五位、及び七位)は、反応性の高い部位であり、ここの少なくとも一箇所にハロゲン原子が導入されたハロゲン化アダマンタン類は、このような種々のアダマンタン誘導体を合成する原料として重要である。
【0003】
こうしたハロゲン化アダマンタン類を製造する方法としては、アダマンタンとクロロスルホン酸とを、20℃の温度で特定の割合で混合し反応させる方法が報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
【非特許文献1】
「テトラヘドロンレターズ(Tetrahedron Letters)」、(英国)、1972年、第31巻、p.3191−3192
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方法は、反応に長時間が必要である上、アダマンタン骨格における橋頭位以外の炭素原子にもハロゲン化が進行し、該橋頭位以外の炭素原子もハロゲン化された副生物(以下、これら副生ハロゲン化アダマンタン類とも称する)が生成する問題があった。特に、この副生ハロゲン化アダマンタン類の生成は、ハロゲン化の反応時間を長時間とし、上記橋頭位に多数のハロゲン原子を導入した高次ハロゲン化アダマンタン類の製造を試みた場合には、より顕著に発生していた。例えば、上記方法により、アダマンタンとクロロスルホン酸とを1:17の比率で混合して反応させた場合、100時間後では、1、3、5−トリクロロアダマンタンが70%程度の選択率で生成する一方で、橋頭位以外の6位の炭素原子がハロゲン化された1、3、6−トリクロロアダマンタンも10%程度副生していた。
【0006】
しかして、これらの副生ハロゲン化アダマンタン類は、所望するアダマンタン誘導体を合成する際には不純物発生の原因になり、しかも、これらはハロゲン原子の置換した位置が異なる異性体であるため、その性状は近似しており分離も簡単ではない。したがって、これら副生ハロゲン化アダマンタン類の発生を低減させ、前記目的とする橋頭位がハロゲン化されたハロゲン化アダマンタン類を高い選択率で製造できる方法を開発することが大きな課題であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、アダマンタンと濃硫酸とを混合し、得られた混合液をハロスルホン酸と混合して、アダマンタンとハロスルホン酸との反応をその反応当初から濃硫酸の反応媒体中で実施することにより、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、一般式(1)
【0009】
【化3】
【0010】
(式中、R1は水素原子またはアルキル基である。)
で示されるアダマンタン類と濃硫酸とを混合し、得られた混合液をハロスルホン酸と混合することにより、一般式(2)
【0011】
【化4】
【0012】
(式中、R2はアルキル基またはハロゲン原子であり、R3,R4およびR5は、水素原子またはハロゲン原子であり、R2,R3,R4およびR5の少なくとも一つはハロゲン原子である。)
で示されるハロゲン化アダマンタン類を製造することを特徴とするハロゲン化アダマンタン類の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明において、反応原料のアダマンタンは、アダマンタンの無置換体だけでなく、1位がアルキル基で置換されたものであっても良い。すなわち、一般式(1)
【0014】
【化5】
【0015】
(式中、R1は水素原子またはアルキル基である。)
で示されるアダマンタン類である。ここで、R1のアルキル基としては、特に制限されるものではないが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖状のものが好ましい。
【0016】
こうしたアダマンタン類としては、具体的には、アダマンタン、1−メチルアダマンタン、1−エチルアダマンタン、1−プロピルアダマンタン、1−ブチルアダマンタン等が挙げられ、無置換体であるアダマンタンを使用するのが特に好ましい。
【0017】
本発明で使用するハロスルホン酸は、
XSO3H
(式中、Xはハロゲン原子を示す。)
で示される化合物である。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。こうしたハロスルホン酸としては、具体的には、クロロスルホン酸、ブロモスルホン酸、ヨードスルホン酸等が挙げられ、入手の容易さから特にクロロスルホン酸が好ましい。
【0018】
本発明では、まず、上記一般式(1)で示されるアダマンタン類(以下、単に原料アダマンタン類とも称する)と濃硫酸とを混合する。その上で、得られたアダマンタン類と濃硫酸との混合液をハロスルホン酸と混合し、該アダマンタン類とハロスルホン酸とを反応させる。このようにして、アダマンタンとハロスルホン酸とを、反応の当初から濃硫酸の反応媒体中で反応させることにより、一般式(2)
【0019】
【化6】
【0020】
(式中、R2はアルキル基またはハロゲン原子であり、R3,R4およびR5は、水素原子またはハロゲン原子であり、R2,R3,R4およびR5の少なくとも一つはハロゲン原子である。)
で示されるハロゲン化アダマンタン類が、高い反応性、且つ高い選択率で生成される。これに対して、原料アダマンタン類とハロスルホン酸とを無溶媒で反応させたり、ジクロロメタン等の有機溶媒を反応媒体として反応を行った場合、副生ハロゲン化アダマンタン類の発生量が増加し、上記目的物の選択率が低下する。
【0021】
一般式(2)で示されるハロゲン化アダマンタン類において、ハロゲン原子は、R2,R3,R4およびR5の少なくとも一つに導入されていれば良い。原料アダマンタン類がR1が水素原子の無置換体である場合は、上記反応により、まず、一位の橋頭位にハロゲン原子が導入された1−ハロゲン化アダマンタンが生じる。次いで、該反応が継続されると、三位、五位、及び七位の橋頭位が順に高次ハロゲン化されていき、1,3−ジハロゲン化アダマンタン、1,3,5−トリハロゲン化アダマンタン等が順次生成していくのが一般的である。
【0022】
他方、アダマンタン類がR1がアルキル基のアルキル基置換体である場合は、上記反応により、まず、三位の橋頭位にハロゲン原子が導入された1−アルキル−3−ハロゲン化アダマンタンが生じる。次いで、該反応が継続されると、前記と同様に高次にハロゲン化されていき、1−アルキル−3,5−ジハロゲン化アダマンタン、1−アルキル−3、5、7−トリハロゲン化アダマンタンが順次生成していくのが一般的である。
【0023】
本発明では、原料アダマンタン類としてアダマンタンを用い、1−ハロゲン化アダマンタン、1,3−ジハロゲン化アダマンタン、および1,3,5−トリハロゲン化アダマンタンから選ばれる少なくとも一種を製造する態様が、目的物の有用性および効果の顕著性の観点から最も効果的である。
【0024】
本発明において、アダマンタン類と混合する濃硫酸は、H2SO4の濃度が90質量%以上のものをいう。好適には、上記濃度が95質量%以上のものを用いた場合に特に顕著に効果が発揮される。
【0025】
濃硫酸の使用量は、特に制限されるものではないが、目的とするハロゲン化アダマンタン類の選択性向上の効果を高めるためには、アダマンタン類の使用量よりも等モル以上、一般には1〜50倍モル量とすることが好ましい。目的とするハロゲン化アダマンタン類がより高次にハロゲン化されたものであるほど、濃硫酸の使用量は多くするのが、目的物の選択性向上の観点から好ましく、モノハロゲン化アダマンタン類を得る場合であれば、原料アダマンタン類に対して1倍モル量以上、特に、1〜6倍モル量を使用するのが好ましく、ジハロゲン化アダマンタン類を得る場合であれば、原料アダマンタン類に対して1.5倍モル量以上、特に、2〜10倍モル量を使用するのが好ましく、さらに、トリハロゲン化アダマンタン類を得る場合であれば、原料アダマンタン類に対して2倍モル量以上、特に、3〜20倍モル量を使用するのが好ましい。
【0026】
本発明の方法において、ハロスルホン酸は、アダマンタン類と濃硫酸との混合液と混合した際において、該混合液に水が含有されていると、これと等モル量が反応して分解してしまう。したがって、本発明においてハロスルホン酸は、上記濃硫酸等に起因して、上記混合液に含まれてしまう水のモル量以上は使用することが必要である。さらに、目的とするハロゲン化アダマンタン類をより高収率で生成させるためには、上記水により分解される量は除いた上で、該目的のハロゲン化アダマンタン類に導入されるハロゲン原子の数に対して2倍モル量以上、より好ましくは2〜4倍モル量使用するのが望ましい。したがって、ハロスルホン酸は、このように水により分解される量は除いた上で、例えば、モノハロゲン化アダマンタン類を得る場合であれば、原料アダマンタン類に対して2倍モル量以上、特に、2〜4倍モル量を使用するのが好ましく、ジハロゲン化アダマンタン類を得る場合であれば、原料アダマンタン類に対して4倍モル量以上、特に、4〜8倍モル量を使用するのが好ましく、さらに、トリハロゲン化アダマンタン類を得る場合であれば、原料アダマンタン類に対して6倍モル以上、特に、6〜12倍モル量を使用するのが好ましい。
【0027】
本発明において、原料アダマンタン類と濃硫酸とを混合する方法は、任意の方法を選んでよい。例えば、攪拌下で濃硫酸に原料アダマンタン類を投入してもよく、原料アダマンタン類に濃硫酸を注ぎ込んだ後攪拌してもよい。原料アダマンタン類と濃硫酸を混合する際の温度は、特に制限されるものではないが、濃硫酸による原料アダマンタン類の酸化反応によりタールが生成する危険性があり、これを防ぐためには30℃以下が好ましい。
【0028】
このようにして混合した混合液は、通常、原料アダマンタン類の濃硫酸懸濁液になる。なお、こうした形態の混合液において、原料アダマンタン類の一部はアダマンタノール類に酸化される場合があるが、該アダマンタノール類も原料アダマンタン類と同様にハロスルホン酸によるハロゲン化反応を受けるため、問題なく反応を実施することができる。
【0029】
上記により得られた原料アダマンタン類と濃硫酸との混合液へのハロスルホン酸の混合は、如何なる方法により行っても良いが、通常は、上記原料アダマンタン類の濃硫酸懸濁液にハロスルホン酸を滴下する方法により行うのが好ましい。この際、急激な発熱を伴う反応を抑えるため、懸濁液を5℃以下に冷却することがより好ましい。ハロスルホン酸の滴下は、攪拌状態や反応容器の冷却能力を考慮し、反応により発生する熱を継続的に除去可能な滴下速度で実施するのが好ましい。
【0030】
原料アダマンタン類の濃硫酸懸濁液へのハロスルホン酸の滴下が終了した後等、前記混合液とハロゲン化アダマンタン類との混合が終了した後において、反応液の温度は、特に制限されるものではないが、反応を速やかに進行させるため、および目的物よりも高次にクロロ化された化合物の生成を抑制するために、特定の温度範囲を選択することが好ましい。例えば、モノハロゲン化アダマンタン類を得る場合であれば、0〜15℃の温度範囲で反応を行うのが好ましく、ジハロゲン化アダマンタン類を得る場合であれば、15〜35℃の温度範囲で反応を行うのが好ましく、さらに、トリハロゲン化アダマンタン類を得る場合であれば、35〜80℃の温度範囲で反応を行うことが好ましい。また、ジハロゲン化アダマンタン類やトリハロゲン化アダマンタン類等の高次ハロゲン化アダマンタン類を製造する場合は、それよりも低次のハロゲン化アダマンタン類を得るのに好適な上記したような反応温度による所定時間の反応を順次経た後に、該目的物を得るのに好適な反応温度に昇温して所定時間の反応を遂行する段階的な反応を行うのが有効である。
【0031】
混合液へのハロゲン化アダマンタン類の混合が終了した後の反応時間は、特に制限されるものではないが、モノハロゲン化アダマンタン類であれば、通常、30分以上は必要で、特に、1〜12時間とするのが好ましく、ジハロゲン化アダマンタン類であれば、通常、1時間以上は必要で、特に、3〜24時間とするのが好ましく、さらに、トリハロゲン化アダマンタン類であれば、通常、3時間以上は必要で、特に、6〜48時間とするのが好ましい。
【0032】
以上の反応により生成したハロゲン化アダマンタン類を反応液より取り出す方法は、制限なく既存の方法を採用することができる。例えば、反応液に氷水を加えてハロスルホン酸を分解し、クロロホルム等のハロゲン系有機溶媒などからなる抽出溶媒を加えて十分攪拌した後分液し、水洗、溶媒を留去して乾燥することにより単離することができる。さらに、純度を高めるため、必要に応じて、活性炭処理や晶析、カラム精製など他の精製手段を併用してもよい。
【0033】
以上の反応に用いる設備は、ハロスルホン酸が水分と反応して分解し酸性ガスを発生するのを防ぐため、大気との接触を断つ構造を有するものであるのが好ましい。また、設備内部は、あらかじめ窒素等の不活性ガスで十分置換・乾燥しておき、反応中は密閉するか窒素等の不活性ガスを通気することにより反応を実施するのが望ましい。
【0034】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、アダマンタン骨格の橋頭位がハロゲン化された一般式(2)で示されるハロゲン化アダマンタン類を、高い反応性で得ることができる。その反応の選択性は極めて高く、より高収率で高純度の上記目的とするハロゲン化アダマンタン類を得ることができる。
【0035】
本発明の方法により得られたハロゲン化アダマンタンは、アダマンタノールやアミノアダマンタンなどの誘導体とすることで、例えば、耐熱性高分子等の機能性材料やレジスト等の電子材料などの原料として有効に使用することができる。
【0036】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に述べるが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
【0037】
実施例1
濃度が96質量%の濃硫酸10.0g(0.10mol)、アダマンタン5.0g(0.037mol)を100mlの三つ口フラスコに入れ、攪拌下温度を0℃まで冷却し、窒素ガスを通じて乾燥させた。次に、T字管につなぎ換えて窒素をフローしたまま、温度を10℃以下に保ったままクロロスルホン酸25.9g(0.22mol)を1ml/分の滴下速度で滴下した。懸濁状の反応液の温度を12℃で2時間保持し、その後30分かけて徐々に26℃まで温度を上げ、そのまま12時間ゆるやかに攪拌した。
【0038】
懸濁状である反応溶液にクロロホルムを加えて、氷水下冷水を滴下し、クロロホルム相を分液し、10質量%水酸化ナトリウム水溶液で洗い、水洗した。その後、へキサンと溶媒置換してろ過し、活性炭を加えて再度ろ過し、溶媒留去、乾燥させて7.4g(収率98%)の白色の固体を得た。
【0039】
この白色固体をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、1,3−ジクロロアダマンタンが97%、他のジロロアダマンタン類(1,4−ジクロロアダマンタンを主とする橋頭位以外の炭素原子がクロロ化されているジロロアダマンタン類)が0.8%であった。
【0040】
比較例1
実施例1において、濃硫酸の代わりにクロロホルム10gを添加して同様に実施したところ、7.3g(収率97%)の白色の固体を得た。
【0041】
得られた固体の分析結果は、1,3−ジクロロアダマンタンが89%、他のジクロロアダマンタン類が4%であった。
【0042】
比較例2
実施例1において、濃硫酸を添加せずに同様に実施したところ、7.3g(収率93%)の白色の固体を得た。
【0043】
得られた固体の分析結果は、1,3−ジクロロアダマンタンが94%、他のジクロロアダマンタン類が3%であった。
【0044】
実施例2
実施例1において、濃硫酸の添加量を20.0g(0.20mol)とし、クロロスルホン酸の添加量を43.1g(0.37mol)とし、26℃の反応温度での反応を遂行した後、さらに、反応温度を40分かけて60℃まで徐々に上げて12時間攪拌した以外は、同様に実施したところ、8.2g(収率93%)の淡褐色の固体を得た。
【0045】
得られた固体の分析結果は、1,3,5−トリクロロアダマンタンが83%、他のトリクロロアダマンタン類(1,3,6−トリクロロアダマンタンを主とする橋頭位以外の炭素原子がクロロ化されているトリロロアダマンタン類)が5%であった。
【0046】
比較例3
実施例2において、濃硫酸の代わりにクロロホルム20gを添加して還流するまで温度を上げた以外は同様に実施したところ、7.8g(収率88%)の淡褐色の固体を得た。
【0047】
得られた固体の分析結果は、1,3,5−トリクロロアダマンタンが67%、他のトリクロロアダマンタン類が16%であった。
【0048】
実施例3
実施例1において、クロロスルホン酸の量を12.9g(0.11mol)とし、反応条件を8℃8時間とした以外は同様に実施したところ、6.2g(収率99%)の白色の固体を得た。
【0049】
得られた固体の分析結果は、1−クロロアダマンタンが97%、2−クロロアダマンタンが0.5%であった。
【0050】
比較例4
実施例3において、濃硫酸の代わりにクロロホルム10gを添加して同様に実施したところ、6.1g(収率98%)の白色の固体を得た。
【0051】
得られた固体の分析結果は、1−クロロアダマンタンが92%、2−クロロアダマンタンが3%であった。
【0052】
実施例4
実施例1において、アダマンタン5.0g(0.037mol)を、1−メチルアダマンタン5.5g(0.037mol)に変える以外、同様に実施したところ、7.8g(収率97%)の白色の固体を得た。
【0053】
得られた白色固体の分析結果は、1−メチル−3,5−ジクロロアダマンタンが96%、他のメチルジクロロアダマンタン類(1−メチル−3,6−ジクロロアダマンタンを主とする橋頭位以外の炭素原子がクロロ化されているメチルジロロアダマンタン類)が0.8%であった。
【0054】
比較例5
実施例4において、濃硫酸の代わりにクロロホルム10gを添加して同様に実施したところ、7.7g(収率96%)の白色の固体を得た。
【0055】
得られた白色固体の分析結果は、1−メチル−3,5−ジクロロアダマンタンが90%、他のメチルジクロロアダマンタン類が4%であった。
【0056】
実施例5
実施例1において、クロロスルホン酸をブロモスルホン酸35.4g(0.22mol)に変える以外は、同様に実施したところ、10.4g(収率96%)の白色の固体を得た。
【0057】
得られた白色固体の分析結果は、1,3−ジブロモアダマンタンが94%、他のジブロモアダマンタン類(1,4−ジブロモアダマンタンを主とする橋頭位以外の炭素原子がブロモ化されているジブロモアダマンタン類)が0.8%であった。
【0058】
比較例6
実施例5において、濃硫酸の代わりにクロロホルム10gを添加して同様に実施したところ、10.3g(収率95%)の白色の固体を得た。
【0059】
得られた白色固体の分析結果は、1,3−ジブロモアダマンタンが89%、他のジブロモアダマンタン類が4%であった。
Claims (2)
- 一般式(1)で示されるアダマンタン類としてアダマンタンを用い、一般式(2)で示されるハロゲン化アダマンタン類として1−ハロゲン化アダマンタン、1,3−ジハロゲン化アダマンタン、および1,3,5−トリハロゲン化アダマンタンから選ばれる少なくとも一種を製造することを特徴とする請求項1記載のハロゲン化アダマンタン類の製造方法。
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