JP2002284755A - 新規な含フッ素アントラセン化合物及びそれらの製造方法 - Google Patents
新規な含フッ素アントラセン化合物及びそれらの製造方法Info
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Abstract
意義な広範な用途を有する新規な含フッ素アントラセン
化合物類及びそれらの製造方法を提供すること。 【解決手段】下記一般式(I)で示される新規な含フッ
素アントラセン化合物: 【化9】 ただし、式(I)において、YはH,F,Cl,Br,
IまたはCNである。これらの一群の含フッ素アントラ
セン化合物は、入手容易な9,10−ジブロモアントラ
センを出発原料として誘導することができる。
Description
ントラセン化合物類、及びそれらの製造方法に関する。
本発明による新規化合物は、有機蛍光物質、液晶材料、
染料等の前駆体として有用であり、その他の各種中間体
として工業的に有意義な広範な用途が期待されるもので
ある。
は新規であり、従ってそれらの化合物を製造するための
方法も新規である。
的に有意義な含フッ素有機化合物である下記一般式
(I)で示される新規な含フッ素アントラセン化合物と
その製造方法を提供することである。
Cl,Br,IまたはCNである。即ち、本発明は以下
の式(VII)で示される新規な9−シアノメチル−1
0−(トリフルオロメチル)アントラセン、その前駆体
である式(V)で示される9−メチル−10−(トリフ
ルオロメチル)アントラセン、及び式(VI)で示され
る9−ハロゲノメチル−10−(トリフルオロメチル)
アントラセン〔9位のハロゲノメチル基のハロゲン原子
はF,Cl,BrまたはIである。〕に関するものであ
る。本発明によって提供される式(VII)で示される
9−シアノメチル−10−(トリフルオロメチル)アン
トラセンは、活性メチレン基を有することから各種化合
物との反応性に富み、トリフルオロメチル基を有する有
機蛍光物質、染料、液晶材料等を製造するための利用が
期待される有用な中間体化合物である。また、式(V)
で示される9−メチル−10−(トリフルオロメチル)
アントラセン、及び式(VI)で示される9−ハロゲノ
メチル−10−(トリフルオロメチル)アントラセン
は、式(VII)の9−シアノメチル−10−(トリフ
ルオロメチル)アントラセンの前駆体として有用である
ばかりでなく、反応活性なメチル基やハロゲン原子を有
することからトリフルオロメチル基を有する医農薬、機
能性材料等の中間体として利用が期待される有用な化合
物である。
I)で示される新規な9−シアノメチル−10−(トリ
フルオロメチル)アントラセンを、式(II)で示され
る9,10−ジブロモアントラセンを原料として、式
(III)で示される9−ブロモ−10−メチルアント
ラセンと式(IV)で示される9−メチルアントラセン
−10−カルボン酸と(V)で示される新規な9−メチ
ル−10−(トリフルオロメチル)アントラセン、及び
式(VI)で示される新規な9−ハロゲノメチル−10
−(トリフルオロメチル)アントラセンとを経由して製
造する方法を見出した。
ついて以下に説明する。式(II)で示される9,10
−ジブロモアントラセンは、アントラセンを直接臭素化
することにより容易に製造することが可能であり、試薬
としても市販されており入手可能な化合物である。
アントラセンを原料として、式(III)で示される9
−ブロモ−10−メチルアントラセンを製造する方法と
しては、例えば、不活性ガス雰囲気下で式(II)の化
合物から有機金属化合物を調製して、これにハロゲン化
メチルを反応させることにより製造することができる。
アントラセンの1つのブロモ基を、溶媒中、攪拌下、所
定温度、所定時間で有機リチウム試薬と反応させること
により、有機リチウム化合物を含む溶液を調製し、その
溶液とハロゲン化メチルとを攪拌下、所定温度、所定時
間で反応させることによって、式(III)で示される
9−ブロモ−10−メチルアントラセンを製造すること
ができる。本反応は水分を嫌う反応であるために、反応
容器内を窒素等の乾燥不活性雰囲気として実施するのが
好ましい。
は、アルキルリチウム、フェニルリチウムが使用でき
る。有機リチウム試薬の量は、好ましくは原料に対して
0.8〜1.1倍モル量である。
一般には極低温で行う必要があるが、この基質の場合は
温度が低すぎるとリチオ化反応が進行しない。よって、
この場合のリチオ化反応温度としては−20〜80℃の
範囲が好ましい。この反応のための溶媒としては、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒
やベンゼン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒が使用でき
る。その使用量は、好ましくは原料1gに対して1〜1
00ミリリットルである。
にハロゲン化メチルを添加し反応させる。ハロゲン化メ
チルとしては、臭化メチル、ヨウ化メチルが使用でき
る。その使用量は、原料に対して1〜5倍モル量であ
る。ハロゲン化メチルとの反応は−50〜30℃の範囲
で行うのが好ましい。反応時間は、0.5〜5時間であ
るのが好ましい。反応終了後、通常の後処理、精製を行
うことにより、式(III)で示される9−ブロモ−1
0−メチルアントラセンを製造することができる。
−10−メチルアントラセンを原料として式(IV)で
示される9−メチルアントラセン−10−カルボン酸を
製造する方法としては、不活性ガス雰囲気下で式(II
I)の化合物から有機金属化合物を調製して、これに炭
酸ガスを反応させることにより製造することができる。
−メチルアントラセンのブロモ基を溶媒中、攪拌下、所
定温度、所定時間で有機リチウム試薬あるいは金属マグ
ネシウムと反応させることにより、有機金属化合物を含
む溶液を調製し、その溶液と二酸化炭素を攪拌下、所定
温度、所定時間で反応させることによって、式(IV)
で示される9−メチルアントラセン−10−カルボン酸
を製造することができる。本反応は水分を嫌う反応であ
るために、反応容器内を窒素等の乾燥不活性雰囲気とし
て実施するのが好ましい。
は、アルキルリチウム、フェニルリチウムが使用でき
る。有機リチウム試薬及び金属マグネシウムの使用量
は、好ましくは原料に対して1〜2倍モル量である。
エーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒やベ
ンゼン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒が使用できる。そ
の使用量は、好ましくは原料1gに対して1〜100ミ
リリットルである。
一般には極低温で行う必要があるが、この基質の場合は
温度が低すぎるとリチオ化反応が進行しない。よって、
この場合のリチオ化反応温度としては−20〜80℃の
範囲が好ましい。金属マグネシウムを作用させる場合に
は−30〜200℃が好ましい。
二酸化炭素と反応させるが、その二酸化炭素は炭酸ガス
(気体)を有機金属化合物を含む溶液の気液界面上に吹
込んでもよいし、あるいはドライアイス(固体)と反応
させてもよい。その使用量は原料に対して1〜20モル
倍量となるようにする。二酸化炭素との反応は−50〜
30℃の温度で行うのが好ましい。反応時間は、0.5
〜5時間が好ましい。反応終了後、室温以下の温度で希
硫酸、希塩酸等を滴下し、通常の後処理後、精製を行う
ことにより、式(IV)で示される9−メチルアントラ
セン−10−カルボン酸を製造することができる。
トラセン−10−カルボン酸を四フッ化硫黄でフッ素化
することにより、式(V)で示される新規なアントラセ
ン化合物である9−メチル−10−(トリフルオロメチ
ル)アントラセンを製造することができる。
るいはジクロロメタン、クロロホルム等の塩素系溶媒や
フッ化水素溶媒で希釈して使用するのが好ましい。その
溶媒使用量は、好ましくは原料1gに対して0〜20ミ
リリットルである。フッ素化剤である四フッ化硫黄の使
用量は、好ましくは、原料に対して2.0〜6.0倍モ
ル量である。四フッ化硫黄との反応には触媒を用いるの
が好ましい。その触媒としては、フッ化水素、BF3、
AsF3、PF5、TiF4等が使用できる。その使用量
は、好ましくは、原料に対して0.01〜1.0倍モル
量である。
場合は加圧下で行うのが好ましい。反応圧力は0〜20
MPaの範囲であるのが好ましい。反応温度は−30〜
180℃であるのが好ましい。反応時間は、好ましくは
1〜24時間である。反応終了後は、通常の後処理、精
製を行うことにより、式(V)で示される新規なアント
ラセン化合物である9−メチル−10−(トリフルオロ
メチル)アントラセンを製造することができる。
0−(トリフルオロメチル)アントラセンのメチル基を
ハロゲン化剤と反応させて直接モノハロゲン化すること
により、式(VI)で示される新規なアントラセン化合
物である9−ハロゲノメチル−10−(トリフルオロメ
チル)アントラセンを製造することができる。上記ハロ
ゲン化剤としては、ベンジル位をハロゲン化させる通常
のハロゲン化剤を使用でき、例えば、ハロゲン分子、N
−ハロゲノイミド類、次亜ハロゲン酸t−ブチル等が挙
げられる。この直接モノハロゲン化反応の収率、次工程
〔式(VII)の化合物の製造〕の収率及び経済性等を
考慮すると、式(VI)で示される9−ハロゲノメチル
−10−(トリフルオロメチル)アントラセンのハロゲ
ノメチル基のハロゲンは臭素原子であることが、取扱い
上好ましく、推奨される。
素原子である9−ブロモメチル−10−(トリフルオロ
メチル)アントラセン〔式(VIII)で示される化合
物〕の製造方法を以下に説明する。
(トリフルオロメチル)アントラセンから式(VII
I)で示される新規な9−ブロモメチル−10−(トリ
フルオロメチル)アントラセンを製造する方法として
は、光や過酸化物触媒の存在下で臭素化剤と溶媒中、攪
拌下、所定温度、所定時間で反応させる方法がある。
ク酸イミド(NBS)、次亜臭素酸t−ブチル等が使用
できる。その使用量は、好ましくは原料に対して0.9
〜1.5倍モル量である。過酸化物としてはアゾビスイ
ソブチロニトリル(AIBN)や過酸化ベンゾイル等が
使用できる。その使用量は、好ましくは原料に対して
0.1倍モル量以下である。溶媒としては、ベンゼン、
シクロヘキサン、テトラクロロエチレン等が使用でき
る。その使用量は、好ましくは原料1gに対して1〜2
0ミリリットルである。反応温度は、0〜150℃の範
囲であるのが好ましい。反応時間は、好ましくは0.5
〜5時間である。反応終了後は、通常の後処理、精製を
行うことにより、式(VIII)で示される新規なアン
トラセン化合物である9−ブロモメチル−10−(トリ
フルオロメチル)アントラセンを製造することができ
る。
−10−(トリフルオロメチル)アントラセンを原料と
して、これから式(VII)で示される新規な9−シア
ノメチル−10−(トリフルオロメチル)アントラセン
を製造する方法としては、式(VI)の化合物を極性溶
媒中、攪拌下、所定温度、所定時間でシアノ化剤と反応
させる方法がある。
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリ
ドン、アセトン等が使用できる。その使用量は、好まし
くは原料1gに対して1〜100ミリリットルである。
シアノ化剤としてはシアン化ナトリウム、シアン化カリ
ウム、シアン化銅(I)等が使用できる。その使用量
は、好ましくは原料に対して1〜2倍モル量である。シ
アノ化の反応温度は、0〜200℃の範囲であるのが好
ましい。反応時間は、好ましくは0.5〜5時間であ
る。反応終了後、通常の後処理、精製を行うことによ
り、式(VII)で示される新規なアントラセン化合物
である9−シアノメチル−10−(トリフルオロメチ
ル)アントラセンを製造することができる。シアノ化反
応の収率及び経済性等を考慮すると、式(VI)で示さ
れる9−ハロゲノメチル−10−(トリフルオロメチ
ル)アントラセンのハロゲノメチル基のハロゲンは臭素
原子であることが、取扱い上好ましく、推奨される。
ル−10−(トリフルオロメチル)アントラセンを原料
として、これから式(VII)で示される新規な9−シ
アノメチル−10−(トリフルオロメチル)アントラセ
ンを製造する方法としては、式(VIII)の化合物を
極性溶媒中、攪拌下、所定温度、所定時間でシアノ化剤
と反応させる方法がある。
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリ
ドン、アセトン等が使用できる。その使用量は、好まし
くは原料1gに対して1〜100ミリリットルである。
シアノ化剤としてはシアン化ナトリウム、シアン化カリ
ウム、シアン化銅(I)等が使用できる。その使用量
は、好ましくは原料に対して1〜2倍モル量である。シ
アノ化の反応温度は、0〜200℃の範囲であるのが好
ましい。反応時間は、好ましくは0.5〜5時間であ
る。反応終了後、通常の後処理、精製を行うことによ
り、式(VII)で示される新規なアントラセン化合物
である9−シアノメチル−10−(トリフルオロメチ
ル)アントラセンを製造することができる。
す。本発明における新規化合物類の製造方法は実施例に
記載された具体的な態様及び詳細事項にのみに限定され
るものではない。
造 実施例1 冷却浴、温度計及び圧力平衡管付き滴下ロートを備えた
1Lガラス製フラスコに窒素雰囲気下、9,10−ジブ
ロモアントラセン29.9g(89.0ミリモル)とジ
エチルエーテル160ml及びベンゼン140mlとを
仕込んだ。2〜4℃に冷却し、攪拌下、n−ブチルリチ
ウムのヘキサン溶液(1.54M)59.6ml(9
1.8ミリモル)を30分かけて滴下した。滴下終了
後、同じ温度でさらに30分間攪拌を続けた。その溶液
中に攪拌下、ヨウ化メチル18.9g(133ミリモ
ル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、室温下でさ
らに2時間攪拌した。反応終了後、約0℃で塩化アンモ
ニウム飽和水溶液200mlを添加して30分間攪拌
し、析出した結晶を濾取して乾燥した。濾液の有機相を
分取し、水相はベンゼン200mlで抽出して有機相と
混合した。混合有機相は飽和食塩水300mlで洗浄
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウム
を濾別後、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をジ
クロロメタン−シクロヘキサン混合溶媒で再結晶し、濾
過により得られた結晶と共に乾燥して9−ブロモ−10
−メチルアントラセンの黄色固体を得た。LC純度99
%、収量21.9g(収率91%)であった。
した。核磁気共鳴分析〔VARIAN社製:Gemin
i 200〕の結果は以下の通りである。1 H−NMR(溶媒:CDCl3、標準物質:テトラメチ
ルシラン) δ 8.52〜8.65ppm(m,2H,ArH) 8.24〜8.38ppm(m,2H,ArH) 7.45〜7.68ppm(m,4H,ArH) 3.09ppm(s,3H,CH 3)9−メチルアントラセン−10−カルボン酸の製造 実施例2 冷却浴、ガス吹込管、温度計及び圧力平衡管付き滴下ロ
ートを備えた500mLガラス製フラスコに窒素雰囲気
下、9−ブロモ−10−メチルアントラセン15.9g
(58.6ミリモル)とジエチルエーテル110ml及
びベンゼン110mlとを仕込んだ。2〜4℃に冷却
し、攪拌下、n−ブチルリチウムのへキサン溶液(1.
54M)40.2ml(62.0ミリモル)を30分か
けて滴下した。滴下終了後、同じ温度でさらに30分間
攪拌を続けた。次に、気液界面上に炭酸ガスを0.1リ
ットル/分の流量で2時間吹込んだ。この反応は発熱反
応であるので、液温が10℃以下となるように注意して
吹込んだ。反応終了後、攪拌下、5%塩酸200mlを
約0℃で添加して30分間攪拌し、析出した結晶を濾取
して乾燥した。濾液の有機相を分取し、水相は酢酸エチ
ル200mlで抽出して有機相と混合した。混合有機相
は飽和食塩水300mlで洗浄後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、硫酸マグネシウムを濾別後、溶媒を減圧留
去した。得られた粗生成物を酢酸エチル溶媒で再結晶
し、先に濾過により得られた結晶と共に乾燥して9−メ
チルアントラセン−10−カルボン酸の黄色固体を得
た。LC純度99%、収量12.4g(収率90%)で
あった。
た。核磁気共鳴分析〔VARIAN社製:Gemini
200〕の結果は以下の通りである。1 H−NMR(溶媒:CDCl3、標準物質:テトラメチ
ルシラン) δ 8.26〜8.38ppm(m,2H,ArH) 8.14〜8.23ppm(m,2H,ArH) 7.45〜7.62ppm(m,4H,ArH) 3.12ppm(s,3H,CH 3)9−メチル−10−(トリフルオロメチル)アントラセ
ンの製造 実施例3 ウォークインドラフト内に設置された攪拌機、ガス導入
管、ガス放棄管、温度計、冷却(加熱)浴を備えた20
0mlステンレス製オートクレーブ装置の容器内に窒素
雰囲気下、9−メチルアントラセン−10−カルボン酸
10.0g(42.3ミリモル)を仕込み、密閉し、−
50℃に冷却した。ガス導入管より無水フッ化水素50
g、次いで四フッ化硫黄18.3g(169.4ミリモ
ル)を仕込み、密閉した。攪拌下、液温を80℃まで加
熱し、さらに約80℃の条件下で5時間攪拌を続けた。
反応終了後、30℃前後で、ガス成分及び無水フッ化水
素をアルカリスクラバーへと放棄し、さらに窒素ガスを
容器内に十分に置換した。容器内のオイル状物をベンゼ
ン100mlで抽出し、飽和炭酸カリウム水溶液100
mlで洗浄した。有機相は無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、硫酸ナトリウムを濾別後、溶媒を減圧留去した。得
られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
により精製して9−メチル−10−(トリフルオロメチ
ル)アントラセンを黄色固体として得た。LC純度98
%、収量8.9g(収率81%)であった。
た。核磁気共鳴分析〔VARIAN社製:Gemini
200〕の結果は以下の通りである。1 H−NMR(溶媒:CDCl3、標準物質:テトラメチ
ルシラン) δ 8.43〜8.58ppm(m,2H,ArH) 8.28〜8.40ppm(m,2H,ArH) 7.45〜7.65ppm(m,4H,ArH) 3.14ppm(s,3H,CH 3)19 F−NMR(溶媒:CDCl3,標準物質:CFC
l3) δ −47.22ppm(s,3F,CF 3)9−ブロモメチル−10−(トリフルオロメチル)アン
トラセンの製造 実施例4 加熱浴、温度計及び冷却凝縮管を備えた200mlガラ
ス製フラスコに9−メチル−10−(トリフルオロメチ
ル)アントラセン9.3g(35.7ミリモル)とベン
ゼン60mlとN−ブロモコハク酸イミド7.27g
(40.9ミリモル)、及び過酸化ベンゾイル0.17
g(0.7ミリモル)とを仕込み、攪拌しながら昇温し
て2時間加熱還流した。反応終了後、反応液を5℃以下
まで冷却し、コハク酸イミドを濾別した。濾液は5%水
酸化ナトリウム水溶液100ml及び飽和食塩水50m
lで洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、硫酸ナトリ
ウムを濾別後、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して
9−ブロモメチル−10−(トリフルオロメチル)アン
トラセンを黄色固体として得た。LC純度99%、収量
11.8g(収率98%)であった。
た。核磁気共鳴分析〔VARIAN社製:Gemini
200〕の結果は以下の通りである。1 H−NMR(溶媒:CDCl3、標準物質:テトラメチ
ルシラン) δ 8.51〜8.62ppm(m,2H,ArH) 8.32〜8.46ppm(m,2H,ArH) 7.55〜7.75ppm(m,4H,ArH) 5.48ppm(s,2H,CH 2Br)19 F−NMR(溶媒:CDCl3,標準物質:CFC
l3) δ −47.53ppm(s,3F,CF 3)9−シアノメチル−10−(トリフルオロメチル)アン
トラセンの製造 実施例5 加熱浴、温度計及び圧力平衡管付き滴下ロートを備えた
100mlガラス製フラスコに窒素雰囲気下、N,N−
ジメチルホルムアミド10mlとシアン化銅(I)0.
58g(6.5ミリモル)を仕込み、攪拌しながら13
5℃に加熱した。約135℃で攪拌下、予め9−ブロモ
メチル−10−(トリフルオロメチル)アントラセン
2.0g(5.9ミリモル)をN,N−ジメチルホルム
アミド10mlに溶解してあった溶液を滴下ロートより
速やかに添加した。さらに約135℃の条件下で1時間
攪拌後、室温まで冷却し、氷水100ml中に注いだ。
これにベンゼンも100mlを加えて30分間攪拌した
後、不溶物を減圧濾過により濾別し、濾液の有機相を分
取した。有機相を水(50ml×3回)で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、硫酸ナトリウムを濾別した。
溶媒を減圧留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにより精製して9−シアノモメチ
ル−10−(トリフルオロメチル)アントラセンを黄色
固体として得た。LC純度99%、収量1.0g(収率
59%)であった。
た。核磁気共鳴分析〔VARIAN社製:Gemini
200〕の結果は以下の通りである。1 H−NMR(溶媒:CDCl3、標準物質:テトラメチ
ルシラン) δ 8.53〜8.65ppm(m,2H,ArH) 8.18〜8.30ppm(m,2H,ArH) 7.60〜7.76ppm(m,4H,ArH) 4.65ppm(s,2H,CH 2CN)19 F−NMR(溶媒:CDCl3,標準物質:CFC
l3) δ −47.49ppm(s,3F,CF 3)
Claims (6)
- 【請求項1】 下記一般式(I)で示されるアントラセ
ン化合物: 【化1】 ただし、式(I)において、YはH,F,Cl,Br,
IまたはCNである。 - 【請求項2】 下記式(II)の9,10−ジブロモア
ントラセンから下記式(III)の9−ブロモ−10−
メチルアントラセンを経て得られた下記式(IV)の9
−メチルアントラセン−10−カルボン酸に、四フッ化
硫黄をフッ素化剤として反応させることにより下記式
(V)の9−メチル−10−(トリフルオロメチル)ア
ントラセンを製造する方法: 【化2】 - 【請求項3】 下記式(V)の9−メチル−10−(ト
リフルオロメチル)アントラセンのメチル基をモノハロ
ゲン化することにより下記式(VI)の9−ハロゲノメ
チル−10−(トリフルオロメチル)アントラセンを製
造する方法。 【化3】 ただし、式(VI)において、XはF,Cl,Brまた
はIである。 - 【請求項4】 下記式(VI)の9−ハロゲノメチル−
10−(トリフルオロメチル)アントラセンのハロゲノ
メチル基をシアン化物イオンと反応させることにより下
記式(VII)の9−シアノメチル−10−(トリフル
オロメチル)アントラセンを製造する方法: 【化4】 ただし、式(VI)において、XはF,Cl,Brまた
はIである。 - 【請求項5】 下記式(V)の9−メチル−10−(ト
リフルオロメチル)アントラセンのメチル基をモノブロ
モ化することにより下記式(VIII)の9−ブロモメ
チル−10−(トリフルオロメチル)アントラセンを製
造する方法。 【化5】 - 【請求項6】 下記式(VIII)の9−ブロモメチル
−10−(トリフルオロメチル)アントラセンのブロモ
メチル基をシアノ化することにより下記式(VII)の
9−シアノメチル−10−(トリフルオロメチル)アン
トラセンを製造する方法。 【化6】
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---|---|---|---|
JP2001087873A JP4801270B2 (ja) | 2001-03-26 | 2001-03-26 | 新規な含フッ素アントラセン化合物及びそれらの製造方法 |
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- 2001-03-26 JP JP2001087873A patent/JP4801270B2/ja not_active Expired - Lifetime
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