JP2003206285A - 新規な1,1,3,3−テトラフルオロ−1H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピラン系化合物及びそれらの製造方法 - Google Patents

新規な1,1,3,3−テトラフルオロ−1H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピラン系化合物及びそれらの製造方法

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JP2003206285A
JP2003206285A JP2001401370A JP2001401370A JP2003206285A JP 2003206285 A JP2003206285 A JP 2003206285A JP 2001401370 A JP2001401370 A JP 2001401370A JP 2001401370 A JP2001401370 A JP 2001401370A JP 2003206285 A JP2003206285 A JP 2003206285A
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Japan
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tetrafluoro
pyran
naphtho
formula
methyl
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JP2001401370A
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Gen Ko
原 高
Mitsuharu Shimoda
光春 下田
Naoto Takechi
直人 武知
Yasushi Fukai
靖 深井
Tadao Nakaya
忠雄 仲矢
Tatsuro Ishitobi
達郎 石飛
Yukinori Noguchi
幸紀 野口
Akio Tajima
晶夫 田島
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Taiho Kogyo Co Ltd
Kanto Denka Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Taiho Kogyo Co Ltd
Kanto Denka Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機蛍光物質、染料等を製造するための利用が
期待される有用な中間体化合物である新規な1,1,
3,3−テトラフルオロ−1H,3H−ナフト〔1,8
−c,d〕ピラン化合物類、及びそれらの製造方法を提
供すること。 【解決手段】1,1,3,3−テトラフルオロ−6−シ
アノメチル−1H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピ
ランを:4−ハロゲノ−1,8−ナフタル酸を原料とし
て;新規な1,1,3,3−テトラフルオロ−6−ハロ
ゲノ−1H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピラン
と;新規な1,1,3,3−テトラフルオロ−6−メチ
ル−1H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピラン;及
び新規な1,1,3,3−テトラフルオロ−6−ハロゲ
ノメチル−1H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピラ
ンを経由して製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な1,1,
3,3−テトラフルオロ−1H,3H−ナフト〔1,8
−c,d〕ピラン化合物類、及びそれらの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】本発明に係る1,1,3,3−テトラフ
ルオロ−1H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピラン
化合物類は新規であり、従ってそれらの化合物を製造す
るための方法も新規である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、下記
一般式(1)で示される新規な1,1,3,3−テトラ
フルオロ−1H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピラ
ン化合物とそれらの製造方法を提供することである。
【0004】
【化10】
【0005】即ち、本発明は、1,1,3,3−テトラ
フルオロ−1H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピラ
ンの6位にハロゲン基、メチル基、ハロゲノメチル基ま
たはシアノメチル基を有する化合物に関するものであ
る。本発明によって提供される式(6)で示されるシア
ノメチル基を有する新規な1,1,3,3−テトラフル
オロ−1H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピラン化
合物は、活性メチレン基を有することから各種化合物と
の反応性に富み、分子内にフッ素原子を有する有機蛍光
物質、染料等を製造するための利用が期待される有用な
中間体化合物である。また式(3)あるいは式(8)で
示されるハロゲン置換基を有する1,1,3,3−テト
ラフルオロ−1H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピ
ラン化合物、及び式(4)で示されるメチル基を有する
1,1,3,3−テトラフルオロ−1H,3H−ナフト
〔1,8−c,d〕ピラン化合物、及び式(5)あるい
は式(9)で示されるハロゲノメチル基を有する新規な
1,1,3,3−テトラフルオロ−1H,3H−ナフト
〔1,8−c,d〕ピラン化合物は、式(6)の前駆体
として有用であるばかりでなく、反応活性なハロゲン原
子やメチル基、及びハロゲノメチル基を有することから
分子内にフッ素原子を有する医農薬、機能性材料等の中
間体としての利用が期待される有用な化合物である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等が、式(6)
で示される新規な1,1,3,3−テトラフルオロ−6
−シアノメチル−1H,3H−ナフト〔1,8−c,
d〕ピランを、式(2)で示される4−ハロゲノ−1,
8−ナフタル酸を原料として、式(3)で示される新規
な1,1,3,3−テトラフルオロ−6−ハロゲノ−1
H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランと式(4)
で示される新規な1,1,3,3−テトラフルオロ−6
−メチル−1H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピラ
ン及び式(5)で示される新規な1,1,3,3−テト
ラフルオロ−6−ハロゲノメチル−1H,3H−ナフト
〔1,8−c,d〕ピランを経由して製造する方法を見
出した。
【0007】本発明の新規化合物の具体的な製造方法に
ついて下記一連の式を参照して以下に示す。
【0008】
【化11】
【0009】式(2)で示される4−ハロゲノ−1,8
−ナフタル酸は、試薬として容易に入手可能な4−ハロ
ゲノ−1,8−ナフタル酸無水物から加水分解により容
易に製造できる化合物である。
【0010】式(2)で示される4−ハロゲノ−1,8
−ナフタル酸を原料として、式(3)で示される新規な
1,1,3,3−テトラフルオロ−6−ハロゲノ−1
H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランを製造する
方法としては、式(2)で示される4−ハロゲノ−1,
8−ナフタル酸のカルボキシル基を四フッ化硫黄でフッ
素化する方法がある。
【0011】式(2)で示される4−ハロゲノ−1,8
−ナフタル酸は、無溶媒、あるいはジクロロメタン、ク
ロロホルム等の塩素系溶媒やフッ化水素溶媒で希釈して
使用するのが好ましい。その使用量は、好ましくは原料
1gに対して0〜20ミリリットルである。フッ素化剤
である四フッ化硫黄の使用量は、好ましくは原料に対し
て2.0〜15.0倍モル量である。四フッ化硫黄との
反応には触媒を用いるのが好ましい。その触媒として
は、フッ化水素、BF3、AsF3、PF5、TiF4等が
使用できる。その使用量は、好ましくは原料に対して
0.01〜1.0倍モル量である。
【0012】この反応は常圧下でも行えるが、加熱する
場合は加圧下で行うのが好ましい。反応圧力は、0〜2
0MPaの範囲内が好ましい。反応温度は、−40〜3
20℃の範囲内が好ましい。反応時間は、好ましくは2
〜150時間である。反応終了後は、通常の後処理、精
製を行うことにより、高収率で式(3)で示される1,
1,3,3−テトラフルオロ−6−ハロゲノ−1H,3
H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランを製造することが
できる。
【0013】次に、式(3)で示される1,1,3,3
−テトラフルオロ−6−ハロゲノ−1H,3H−ナフト
〔1,8−c,d〕ピランの6位のハロゲン原子をメチ
ルで置換することにより、式(4)で示される新規な
1,1,3,3−テトラフルオロ−6−メチル−1H,
3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランを製造すること
ができる。このメチル化反応については、メチル銅、メ
チルマグネシウムブロミド、メチルリチウムなどのメチ
ル金属試薬を用いて、直接に式(3)の化合物に反応さ
せることによりメチル化することができるが、反応の収
率など経済性から考慮すると、金属触媒を用いるメチル
金属試薬と式(3)の化合物とのカップリング反応が推
奨される。また式(3)で示される化合物の6位のハロ
ゲン原子Yは、塩素、臭素あるいはヨウ素であることが
取り扱い上好ましく、収率が高く、推奨される。
【0014】式(3)で示される1,1,3,3−テト
ラフルオロ−6−ハロゲノ−1H,3H−ナフト〔1,
8−c,d〕ピランを溶媒中、金属触媒の存在下、攪拌
下、所定温度、所定時間でメチル金属試薬と反応させる
ことにより、式(4)で示される新規な1,1,3,3
−テトラフルオロ−6−メチル−1H,3H−ナフト
〔1,8−c,d〕ピランを製造することができる。本
反応は水分を嫌う反応であるため、反応容器内を窒素等
の乾燥不活性ガス雰囲気として反応を行うことが好まし
い。
【0015】金属触媒としては、0価または2価のPd
系触媒あるいはNi系触媒が使用できる。Pd系とNi
系触媒の使用量は、好ましくは式(3)で示される1,
1,3,3−テトラフルオロ−6−ハロゲノ−1H,3
H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランに対して0.00
01〜0.1倍モル量である。
【0016】メチル金属試薬としては、メチル亜鉛、メ
チルマグネシウムブロミド、メチルリチウム、メチル銅
化合物、メチルボラン化合物、メチルアルミニウム化合
物などが使用できる。その使用量は、式(3)で示され
る1,1,3,3−テトラフルオロ−6−ハロゲノ−1
H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランに対して
0.5〜5倍モル量が好ましく、特に好ましくは0.8
〜2倍モル量である。
【0017】このカップリング反応の溶媒としては、ジ
エチルエーテル、3級ブチルメチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどのエーテル系溶媒と、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ヘキサン、ペンタンなどの炭化水素系溶
媒が使用できる。その使用量は、好ましくは原料1gに
対して1〜100ミリリットルである。
【0018】反応温度としては−60〜150℃が好ま
しい。反応時間は、混合時間も含めて0.5〜48時間
が好ましい。反応終了後は、通常の後処理、精製を行う
ことにより、メチル化した式(4)で示される新規な
1,1,3,3−テトラフルオロ−6−メチル−1H,
3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランを製造すること
ができる。
【0019】次に、式(4)で示される1,1,3,3
−テトラフルオロ−6−メチル−1H,3H−ナフト
〔1,8−c,d〕ピランのメチル基をハロゲン化剤と
反応させて直接モノハロゲン化することにより、式
(5)で示される新規化合物である1,1,3,3−テ
トラフルオロ−6−ハロゲノメチル−1H,3H−ナフ
ト〔1,8−c,d〕ピランを製造することができる。
上記ハロゲン化剤としては、ベンジル位をハロゲン化さ
せる通常のハロゲン化剤を使用でき、例えば、ハロゲン
分子、N−ハロゲノイミド類、次亜ハロゲン酸t−ブチ
ル等が挙げられる。
【0020】この直接モノハロゲン化反応の収率、次工
程〔式(6)の化合物の製造〕の収率及び経済性を考慮
すると、式(5)で示される1,1,3,3−テトラフ
ルオロ−6−ハロゲノメチル−1H,3H−ナフト
〔1,8−c,d〕ピランのハロゲノメチル基のハロゲ
ンは臭素原子であることが、取扱い上好ましく、推奨さ
れる。
【0021】そこで、式(5)におけるハロゲン原子が
臭素原子である1,1,3,3−テトラフルオロ−6−
ブロモメチル−1H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕
ピラン〔式(9)の化合物〕の製造方法を以下に説明す
る。
【0022】式(4)で示される1,1,3,3−テト
ラフルオロ−6−メチル−1H,3H−ナフト〔1,8
−c,d〕ピランから式(9)で示される新規化合物で
ある1,1,3,3−テトラフルオロ−6−ブロモメチ
ル−1H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランを製
造する方法としては、光や過酸化物触媒の存在下で臭素
化剤と、溶媒中、攪拌下、所定温度、所定時間で反応さ
せる方法がある。
【0023】臭素化剤としては、臭素、N−ブロモコハ
ク酸イミド(NBS)、次亜臭素酸t−ブチル等が使用
できる。その使用量は、好ましくは原料に対して0.3
〜5倍モル量である。過酸化物としては、アゾビスイソ
ブチロニトリル(AIBN)や過酸化ベンゾイル等が使
用できる。その使用量は、原料に対して0〜0.2倍モ
ル量である。溶媒としては、ベンゼン、シクロヘキサ
ン、テトラクロロエチレン等が使用できる。その使用量
は、好ましくは原料1gに対して1〜20ミリリットル
である。反応温度は、0〜150℃の範囲であるのが好
ましい。反応時間は、好ましくは0.5〜5時間であ
る。反応終了後は、通常の後処理、精製を行うことによ
り、式(9)で示される新規化合物である1,1,3,
3−テトラフルオロ−6−ブロモメチル−1H,3H−
ナフト〔1,8−c,d〕ピランを製造することができ
る。
【0024】式(5)で示される1,1,3,3−テト
ラフルオロ−6−ハロゲノメチル−1H,3H−ナフト
〔1,8−c,d〕ピランを原料とし、式(6)で示さ
れる新規化合物である1,1,3,3−テトラフルオロ
−6−シアノメチル−1H,3H−ナフト〔1,8−
c,d〕ピランを製造する方法としては、式(5)の化
合物を溶媒中、攪拌下、所定温度、所定時間でシアノ化
剤と反応させる方法がある。
【0025】溶媒としては、ジメチルスルホキシド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリド
ン、アセトン、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等が使用できる。これらの使用
量は、好ましくは原料1gに対して1〜100ミリリッ
トルである。シアノ化剤としては、シアン化ナトリウ
ム、シアン化カリウム、テトラアルキルアンモニウムシ
アニド等が使用できる。その使用量は、好ましくは原料
1gに対して1〜2倍モル量である。シアノ化の反応温
度は、−50〜150℃の範囲であるのが好ましい。反
応時間は、好ましくは0.1〜5時間である。反応終了
後、通常の後処理、精製を行うことにより、式(6)で
示される新規化合物である1,1,3,3−テトラフル
オロ−6−シアノメチル−1H,3H−ナフト〔1,8
−c,d〕ピランを製造することができる。シアノ化反
応の収率及び経済性を考慮すると、式(5)で示される
1,1,3,3−テトラフルオロ−6−ハロゲノメチル
−1H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランのハロ
ゲノメチル基のハロゲンは臭素であることが、取扱い上
好ましく、推奨される。
【0026】式(9)で示される1,1,3,3−テト
ラフルオロ−6−ブロモメチル−1H,3H−ナフト
〔1,8−c,d〕ピランを原料として、これから式
(6)で示される新規化合物である1,1,3,3−テ
トラフルオロ−6−シアノメチル−1H,3H−ナフト
〔1,8−c,d〕ピランを製造する方法としては、式
(9)の化合物を溶媒中、攪拌下、所定温度、所定時間
でシアノ化剤と反応させる方法がある。
【0027】溶媒としては、ジメチルスルホキシド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリド
ン、アセトン、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等が使用できる。これらの使用
量は、好ましくは原料1gに対して1〜100ミリリッ
トルである。シアノ化剤としては、シアン化ナトリウ
ム、シアン化カリウム、テトラアルキルアンモニウムシ
アニド等が使用できる。その使用量は、好ましくは原料
1gに対して1〜2倍モル量である。シアノ化の反応温
度は、−50〜150℃の範囲であるのが好ましい。反
応時間は、好ましくは0.1〜5時間である。反応終了
後、通常の後処理、精製を行うことにより、式(6)で
示される新規化合物である1,1,3,3−テトラフル
オロ−6−シアノメチル−1H,3H−ナフト〔1,8
−c,d〕ピランを製造することができる。
【0028】以下に本発明の実施例を示すが、本発明の
新規化合物類の製造方法はこれらの実施例に記載された
もののみに限定されるものではない。
【0029】
【実施例】実施例11,1,3,3−テトラフルオロ−6−ブロモ−1H,
3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランの製造 1Lナス型フラスコに濃度1.8mol/Lの水酸化ナ
トリウム水溶液300mLを入れて60℃に加熱した。
そこへ攪拌しながら4−ブロモ−1,8−ナフタル酸無
水物61.6g(0.222mol)を30分間掛けて
少しずつ添加した後、3時間攪拌を続けた。反応溶液を
冷却した後、不溶物を濾別分離し、濾液に塩酸を加え、
pH≦1になるように濾液の酸性度を調整した。析出し
た4−ブロモ−1,8−ナフタル酸の結晶を濾別し、室
温で48時間前後減圧乾燥した。4−ブロモ−1,8−
ナフタル酸の収量は、59.5gであった(収率90
%)。
【0030】次にウオークインドラフト内に設置された
攪拌機、ガス導入管、ガス放棄管、温度計、冷却(加
熱)浴を備えたステンレス製オートクレーブ装置の容器
(容積500mL)に、窒素雰囲気下、4−ブロモ−
1,8−ナフタル酸29.5g(0.1mol)を仕込
み、密閉し、容器自身を−40℃以下に冷却した。ガス
導入管より無水HF150g、次いでSF4120g
(1.1mol)を仕込み密閉した。攪拌下、80℃で
50時間反応させた。さらに100℃で46時間反応さ
せた。反応終了後、40℃まで冷却し、ガス成分及び無
水フッ化水素をアルカリスクラバーへと放棄し、さらに
窒素ガスで容器内を十分置換した。容器内の反応生成物
をジクロロメタン(300mL)で抽出し、飽和NaH
CO3水溶液200mLで中和処理した。有機相は分取
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾別した後、エバポレ
ーターでジクロロメタンを減圧留去した。得られた粗生
成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
して1,1,3,3−テトラフルオロ−6−ブロモ−1
H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランを白色結晶
として得た。収量は23.2gであった(収率72
%)。
【0031】生成物の構造は、核磁気共鳴分析等で確認
した。核磁気共鳴分析〔VARIAN社製Gemini
200〕の結果は以下の通りである。1 H−NMR(溶媒:CDCl3,標準物質:テトラメチ
ルシラン) δ 8.40〜8.46ppm (m,1H,Ar) 7.88〜8.03ppm (m,2H,Ar) 7.76〜7.84ppm (m,2H,Ar19 F−NMR(溶媒:CDCl3,標準物質:CFC
3) δ −57.73ppm (s,2F,ArC 2O) −57.45ppm (s,2F,ArC 2O) 実施例21,1,3,3−テトラフルオロ−6−メチル−1H,
3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランの製造 温度計、滴下ロート、コンデンサーを備えた500mL
三口フラスコに窒素雰囲気下、1,1,3,3−テトラ
フルオロ−6−ブロモ−1H,3H−ナフト〔1,8−
c,d〕ピラン26.4g(0.082mol)と
〔1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン〕
パラジウム(II)ジクロリド2.0g(0.0027
mol)、及び脱水THF160mLを仕込んだ。5℃
前後に冷却して攪拌下、メチルグリニャール試薬(CH
3MgI、3.0M、エチルエーテル溶液)54.8m
L(0.16mol)を滴下した。滴下後40〜50℃
に加熱し3時間攪拌した。反応終了後、0℃で飽和食塩
水100mLをゆっくり滴下した。ベンゼン300mL
を加えた後、有機相を分取して飽和食塩水で洗浄した。
有機相は無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾別してエバポ
レーターで溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、
1,1,3,3−テトラフルオロ−6−メチル−1H,
3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランを得た(収率8
7%)。
【0032】生成物の構造は、核磁気共鳴分析等で確認
した。核磁気共鳴分析〔VARIAN社製Gemini
200〕の結果は以下の通りである。1 H−NMR(溶媒:CDCl3,標準物質:テトラメチ
ルシラン) δ 8.22ppm (d,J=8.2Hz,1H,A
) 7.93ppm (d,J=7.3Hz,1H,Ar
) 7.82ppm (d,J=7.3Hz,1H,Ar
) 7.71ppm (dd,J1=8.2Hz,J2=7.
9Hz,1H,Ar) 7.52ppm (d,J=7.3Hz,1H,ArC
) 2.77ppm (s,3H,ArC 319 F−NMR(溶媒:CDCl3,標準物質:CFC
3) δ −57.31ppm (s,2F,ArC 2O) −57.11ppm (s,2F,ArC 2O) 実施例31,1,3,3−テトラフルオロ−6−ブロモメチル−
1H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランの製造 加熱浴、温度計及び冷却凝縮管を備えた500mL三つ
口フラスコに1,1,3,3−テトラフルオロ−6−メ
チル−1H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピラン1
8.3g(0.071mol)、N−ブロモコハク酸イ
ミド13.3g(0.075mol)とベンゼン(脱水
品、水分量0.03%以下)100mL及び過酸化ベン
ゾイル0.9g(0.0036mol)とを仕込み、攪
拌しながら加熱して3時間還流させた。反応終了後、反
応液を氷浴で冷却し、コハク酸イミドを濾別した。濾液
は3%のNaOH水溶液100mLで洗浄後、有機相を
分取し、300mLの水で洗浄した。有機相は無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、濾別した後、エバポレーターで濃
縮した。濃縮の際に、結晶として析出した目的物は濾過
してさらにへキサンで洗浄した。その濾液と洗浄液を合
わせて減圧濃縮した。得られた残さをシリカゲルカラム
クロマトグラフィーによって精製した。晶析とカラム精
製両方を合わせて、目的物の1,1,3,3−テトラフ
ルオロ−6−ブロモメチル−1H,3H−ナフト〔1,
8−c,d〕ピランが白色結晶として19.1g得られ
た(収率80%)。
【0033】生成物の構造は、核磁気共鳴分析等で確認
した。核磁気共鳴分析〔VARIAN社製Gemini
200〕の結果は以下の通りである。1 H−NMR(溶媒:CDCl3,標準物質:テトラメチ
ルシラン) δ 8.39ppm (d,J=8.4Hz,1H,A
) 7.99ppm (d,J=7.4Hz,1H,Ar
) 7.81〜7.91ppm (m,2H,Ar) 7.71〜7.81ppm (m,1H,Ar) 4.95ppm (s,2H,Ar 2Br)19 F−NMR(溶媒:CDCl3,標準物質:CFC
3) δ −58.82ppm (s,2F,ArC 2O) −58.47ppm (s,2F,ArC 2O) 実施例41,1,3,3−テトラフルオロ−6−シアノメチル−
1H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランの製造 良く乾燥した500mLナスフラスコに、テトラエチル
アンモニウムシアニド((C254NCN)8.5g
(0.054mol)と脱水ジクロロメタン380mL
を仕込んだ。室温で攪拌下、15g(0.045mo
l)の1,1,3,3−テトラフルオロ−6−ブロモメ
チル−1H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランを
脱水ジクロロメタン60mLに溶解した溶液を約10分
掛けて加えた。さらに10分間攪拌した後、水150m
Lを加え20分間攪拌し反応を終了させた。有機相を分
取して飽和食塩水で2回(100mL/回)洗浄した。
その有機相は無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾別してエ
バポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すること
により、6.3gの1,1,3,3−テトラフルオロ−
6−シアノメチル−1H,3H−ナフト〔1,8−c,
d〕ピランが白色結晶として得られた(収率50%)。
【0034】生成物の構造は、核磁気共鳴分析等で確認
した。核磁気共鳴分析〔VARIAN社製Gemini
200〕の結果は以下の通りである。1 H−NMR(溶媒:CDCl3,標準物質:テトラメチ
ルシラン) δ 8.17ppm (d,J=8.4Hz,1H,A
) 7.92〜8.11ppm (m,2H,Ar) 7.79〜7.92ppm (m,2H,Ar) 4.24ppm (d,J=0.8Hz,2H,Ar
2CN)19 F−NMR(溶媒:CDCl3,標準物質:CFC
3) δ −58.86ppm (s,2F,ArC 2O) −58.55ppm (s,2F,ArC 2O)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下田 光春 群馬県渋川市1497番地 関東電化工業株式 会社渋川工場内 (72)発明者 武知 直人 群馬県渋川市1497番地 関東電化工業株式 会社渋川工場内 (72)発明者 深井 靖 群馬県渋川市1497番地 関東電化工業株式 会社渋川工場内 (72)発明者 仲矢 忠雄 神奈川県藤沢市桐原町9番地 タイホー工 業株式会社中央研究所内 (72)発明者 石飛 達郎 神奈川県藤沢市桐原町9番地 タイホー工 業株式会社中央研究所内 (72)発明者 野口 幸紀 神奈川県藤沢市桐原町9番地 タイホー工 業株式会社中央研究所内 (72)発明者 田島 晶夫 神奈川県藤沢市桐原町9番地 タイホー工 業株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4C062 HH57

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示される1,1,
    3,3−テトラフルオロ−1H,3H−ナフト〔1,8
    −c,d〕ピラン化合物。 【化1】
  2. 【請求項2】 下記式(2)の4−ハロゲノ−1,8−
    ナフタル酸をフッ素化することにより下記式(3)の
    1,1,3,3−テトラフルオロ−6−ハロゲノ−1
    H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランを製造する
    方法。 【化2】
  3. 【請求項3】 式(2)の4−ハロゲノ−1,8−ナフ
    タル酸をフッ素化することにより得た下記式(3)の
    1,1,3,3−テトラフルオロ−6−ハロゲノ−1
    H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランを、メチル
    化することにより下記式(4)の1,1,3,3−テト
    ラフルオロ−6−メチル−1H,3H−ナフト〔1,8
    −c,d〕ピランを製造する方法。 【化3】
  4. 【請求項4】 式(2)の4−ハロゲノ−1,8−ナフ
    タル酸をフッ素化した後、式(3)の1,1,3,3−
    テトラフルオロ−6−ハロゲノ−1H,3H−ナフト
    〔1,8−c,d〕ピランをメチル化して得た下記式
    (4)の1,1,3,3−テトラフルオロ−6−メチル
    −1H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランをモノ
    ハロゲン化することにより、下記式(5)の1,1,
    3,3−テトラフルオロ−6−ハロゲノメチル−1H,
    3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランを製造する方
    法。 【化4】
  5. 【請求項5】 式(2)の4−ハロゲノ−1,8−ナフ
    タル酸をフッ素化した後の式(3)の1,1,3,3−
    テトラフルオロ−6−ハロゲノ−1H,3H−ナフト
    〔1,8−c,d〕ピランをメチル化して式(4)の
    1,1,3,3−テトラフルオロ−6−メチル−1H,
    3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランを得、さらにそ
    のメチル基をモノハロゲン化して得た下記式(5)の
    1,1,3,3−テトラフルオロ−6−ハロゲノメチル
    −1H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランをシア
    ノ化することにより、下記式(6)の1,1,3,3−
    テトラフルオロ−6−シアノメチル−1H,3H−ナフ
    ト〔1,8−c,d〕ピランを製造する方法。 【化5】
  6. 【請求項6】 下記式(7)の4−ブロモ−1,8−ナ
    フタル酸をフッ素化することにより下記式(8)の1,
    1,3,3−テトラフルオロ−6−ブロモ−1H,3H
    −ナフト〔1,8−c,d〕ピランを製造する方法。 【化6】
  7. 【請求項7】 式(7)の4−ブロモ−1,8−ナフタ
    ル酸をフッ素化して得た式(8)の1,1,3,3−テ
    トラフルオロ−6−ブロモ−1H,3H−ナフト〔1,
    8−c,d〕ピランを、メチル化することにより下記式
    (4)の1,1,3,3−テトラフルオロ−6−メチル
    −1H,3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランを製造
    する方法。 【化7】
  8. 【請求項8】 式(7)の4−ブロモ−1,8−ナフタ
    ル酸をフッ素化した後、式(8)の1,1,3,3−テ
    トラフルオロ−6−ブロモ−1H,3H−ナフト〔1,
    8−c,d〕ピランをメチル化して得た下記式(4)の
    1,1,3,3−テトラフルオロ−6−メチル−1H,
    3H−ナフト〔1,8−c,d〕ピランのメチル基をモ
    ノブロモ化することにより下記式(9)の1,1,3,
    3−テトラフルオロ−6−ブロモメチル−1H,3H−
    ナフト〔1,8−c,d〕ピランを製造する方法。 【化8】
  9. 【請求項9】 式(7)の4−ブロモ−1,8−ナフタ
    ル酸をフッ素化した後の式(8)の1,1,3,3−テ
    トラフルオロ−6−ブロモ−1H,3H−ナフト〔1,
    8−c,d〕ピランをメチル化して式(4)の1,1,
    3,3−テトラフルオロ−6−メチル−1H,3H−ナ
    フト〔1,8−c,d〕ピランを得、さらにそのメチル
    基をモノブロモ化して得た下記式(9)の1,1,3,
    3−テトラフルオロ−6−ブロモメチル−1H,3H−
    ナフト〔1,8−c,d〕ピランをシアノ化することに
    より、下記式(6)の1,1,3,3−テトラフルオロ
    −6−シアノメチル−1H,3H−ナフト〔1,8−
    c,d〕ピランを製造する方法。 【化9】
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