JP5623835B2 - ジカルボニル化合物、その中間体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
[式(1−3)中、X1及びX2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子を示す。]
[式(1−4)中、X1及びX2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子を示す。]
[式(1−1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を示す。]
[式(1−2)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を示す。]
[式(2−1)中、R11及びR12はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を示す。]
[式(2−2)中、R13及びR14はそれぞれ独立に、−SO2R15で表される基(式中、R15は、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、4−メチルフェニル基又は2−ニトロフェニル基を示す。)を示す。]
[式中、Raは置換基を有していてもよいアルキル基である。]
[式中、Rbは置換基を有していてもよいアルキル基である。]
500mLナスフラスコに、和光純薬工業(株)製の炭酸バリウム(4.0g,20.3mmol)、和光純薬工業(株)製の四塩化炭素(175mL)を加えた。脱気し、フラスコ内を窒素雰囲気とした後に、2時間還流した。還流終了後、室温まで降温し、和光純薬工業(株)製のデュレン(9.001g,67.1mmol)、和光純薬工業(株)製のN−ブロモコハク酸イミド(47.04g,268mmol)を加え、ハロゲンランプにより加熱、光照射しながら、1時間還流した。反応終了後50℃まで降温し、ろ過することで副生するコハク酸イミドを除去した。ろ液を回収し、0℃に冷却し一昼夜放置することで、式(a−2)で表される化合物の粗結晶を得た。得られた粗結晶に和光純薬工業(株)製のクロロホルムを徐々に加え、加熱しながら完全に溶解させた後、室温で再結晶を行うことで、式(a−2)で表される化合物を8.665g得た。(収率:29%)
300mLの2ツ口ナスフラスコに、式(a−2)で表される化合物(8.058g,17.9mmol)を加え、シグマ−アルドリッチ製のn−ブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(濃度:40%、46.49g,71.7mmol)と水(23g)との混合物が入った100mL滴下ロートを取り付け、300mL2ツ口ナスフラスコ部分を窒素置換した。続いて、300mL2ツ口ナスフラスコに東京化成工業(株)製のアセチル酢酸エチル(4.680mL,36.7mmol)と和光純薬工業(株)製の塩化メチレン(70mL)を加え、攪拌しながら加熱し、還流を確認した後に、n−ブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を15分かけてゆっくりと滴下し、滴下終了後、1時間還流した。TLC(薄層クロマトグラフィー,Thin−Layer Chromatography)により反応の終了を確認後(展開溶媒:ヘキサン/ジエチルエーテル(4/1)、Rf=0.4)、塩化メチレン(30mL)を用いて生成物の抽出操作を行った。有機層を回収し、ヤマト科学(株)製のロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去し、純水(30mL)を加え、和光純薬工業(株)製のジエチルエーテル(30mL×2)を用いて分液した。更に、有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、和光純薬工業(株)製の硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。ろ過により硫酸ナトリウムを除去し、ヤマト科学(株)製のロータリーエバポレーターにより溶媒を除去後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル:富士シリシア化学(株)製、展開溶媒:ヘキサン/ジエチルエーテル(3/1→1/1))により精製し、純粋な式(a−3)で表される化合物(3.539g)を得た。(収率:51%)
式(a−3)で表される化合物(3.217g,8.324mmol)、和光純薬工業(株)製の酢酸(16.2mL)及び和光純薬工業(株)製の塩酸(濃度37%、17.0mL)を100mLナスフラスコに加え脱気し、窒素雰囲気で、15時間還流した。その後室温まで冷却し、純水290mL及び和光純薬工業(株)製のジエチルエーテル100mLを加えた。分液して有機層を回収後、水層に対して、和光純薬工業(株)製のジエチルエーテル(50mL×2)を用いて抽出操作を行った。回収した有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液100mL、純粋100mL、飽和食塩水100mLで洗浄した。和光純薬工業(株)製の硫酸ナトリウムにより有機層を乾燥後、ヤマト科学(株)製のロータリーエバポレーターにより溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル:富士シリシア化学(株)製、展開溶媒:ヘキサン/ジエチルエーテル(3/1))により精製し、純粋な式(a−4)で表される化合物(1.522g)を得た。(収率:76%)
式(a−4)で表される化合物(0.4074g,1.681mmol)を30mLナスフラスコに加え、窒素置換した。続いて和光純薬工業(株)製の塩化メチレン(6.0mL)、シグマ−アルドリッチ製のm−クロロ過安息香酸(1.238g,5.380mmol)を加え、室温にて50時間攪拌した。その後和光純薬工業(株)製のクロロホルム30mLを加え反応液を希釈し、NaHSO3水溶液(濃度4%、20mL)、水酸化ナトリウム水溶液(濃度0.3mol/L,20mL)、純水20mL、飽和食塩水20mLの順で反応液を洗浄した。有機層に和光純薬工業(株)製の硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、ろ過し、ヤマト科学(株)製のロータリーエバポレーターにより溶媒を除去後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル:富士シリシア化学(株)製、展開溶媒:ヘキサン/ジエチルエーテル(1/1))により精製することで純粋な式(a−5)で表される化合物(0.4518g)を得た。(収率:98%)
式(a−5)で表される化合物(0.0784g,0.2858mmol)をすり付き試験管に加え、窒素置換した。試験管に三津和化学薬品(株)製の塩化ガリウム(0.0151g,0.08574mmol)と和光純薬工業(株)製の塩化メチレン(5mL)を加え、室温で10分間攪拌した。その後、東京化成工業(株)製の臭素(0.0589mL,1.143mmol)を加え、室温で7時間攪拌した。TLCにより反応の終了を確認後(展開溶媒:ヘキサン/ジエチルエーテル(4/1)、Rf=0.5)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液5.0mLを加えてクエンチし、和光純薬工業(株)製の塩化メチレン(4mL×2)を用いて水層の抽出操作を行った。得られた有機層を、飽和食塩水5mLで洗浄し、和光純薬工業(株)製の硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。ろ過後、ヤマト科学(株)製のロータリーエバポレーターにより溶媒を除去し、PTLC(分取TLC,Preparative TLC)(展開溶媒:ヘキサン/ジエチルエーテル(4/1))により精製し、純粋な式(a−6)で表される化合物(0.0726g)を得た。(収率:59%)
式(a−6)で表される化合物(0.0726g,0.168mmol)、ナカライテスク(株)のメタノール(3.0mL)、関東化学(株)製のDMF(1.9mL)、純水(0.3mL)をすり付き試験管に加え、65℃に加熱した。式(a−6)で表される化合物が完全に溶解したのを確認後、関東化学(株)製の水酸化カリウム(0.0548g,0.8401mmol)を加え、65℃で2時間、室温で29時間攪拌した。TLCにより原料の消失を確認後(展開溶媒:ヘキサン/ジエチルエーテル(4/1)、Rf=0.5)、減圧下、100℃に加熱して溶媒を除去し、和光純薬工業(株)製のジエチルエーテル(15.0mL)、純水(10mL)を加え、残渣を完全に溶解させた。分液して、有機層を取り出し、水槽には和光純薬工業(株)製のジエチルエーテル(10.0mL×3)を加えて抽出操作を行い、回収した有機層を合わせ、飽和食塩水(10mL)で洗浄した。和光純薬工業(株)製の硫酸ナトリウムを加えて有機層を乾燥後、ヤマト科学(株)製のロータリーエバポレーターにより溶媒を除去し、式(a−7)で表される化合物の粗生成物を得た。該粗生成物を精製し、式(a−7)で表される化合物を得た。
式(a−6)で表される化合物から、実施例1−6と同様の方法により、式(a−7)で表される化合物の粗生成物を得た。得られた粗生成物をすり付き試験管に加え、窒素置換した。次いで、シグマ−アルドリッチ(株)製のヘキサメチルリン酸トリアミド(2.0mL)、シグマ−アルドリッチ(株)製のよう化メチルトリフェノキシホスフォニウム(0.330g,0.7225mmol)を加え、75℃にて5時間半攪拌した。TLCにより反応の終了を確認後(展開溶媒:ヘキサン、Rf=0.5)、反応液を室温まで冷却し、水酸化カリウム水溶液(濃度:2mol/L)16mLを加えて反応液を希釈した。その後、シクロヘキサン(8mL×3)により抽出を行い、有機層を純水15mL、飽和食塩水15mLにより洗浄した。和光純薬工業(株)製の硫酸ナトリウムを加えて有機層を乾燥後、ヤマト科学(株)製のロータリーエバポレーターにより溶媒を除去した。その後カラムクロマトグラフィー(シリカゲル:富士シリシア化学(株)製、展開溶媒:ヘキサン)により精製し、式(a−8−1)で表される化合物と式(a−8−2)で表される化合物との混合物(以下、場合により「化合物(a−8)」と称する。)(0.029g)を得た。該混合物の1H−NMRを測定したところ、式(a−8−1)で表される化合物のピークと、式(a−8−2)で表される化合物のピークは、ほぼ完全に一致した。収率:55%。
オートクレーブに、実施例1−7で得られた化合物(a−8)(0.062g,0.20mmol)と東京化成工業(株)製のパラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(23mg,0.02mmol)を入れ、脱気した関東化学(株)製のN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)、(株)ゴードー製のメタノール(1mL)、和光純薬工業(株)製のトリエチルアミン(0.25mL)を加え、一酸化炭素ガス(2MPa)で3回置換した。COガスを4.5MPaまで導入し、120℃で加熱攪拌した。15時間後、TLC(展開溶媒:ヘプタン/クロロホルム(1/4)、Rf=0.43)及びGCMSにて反応追跡したところ、原料が若干残存しているが反応の進行を確認した。反応溶液を濃縮し、得られた残渣をPTLC(展開溶媒:ヘプタン/クロロホルム(1/4))で精製し、微黄色結晶の式(a−9−1)で表される化合物と式(a−9−2)で表される化合物との混合物(以下、場合により「化合物(a−9)」と称する。)を15.1mg得た。(収率:28.1%)
反応容器に実施例1−8で得られた化合物(a−9)(0.015g,0.055mmol)、和光純薬工業(株)製の水酸化カリウム、(株)ゴードー製のメタノール(0.15mL)、純水(0.15mL)を入れ、加熱還流下した。4時間後、TLC(展開溶媒:ヘプタン/クロロホルム(1/4)、Rf=0)で反応追跡したところ、原料の消失を確認した。また、反応系内に黒褐色の不溶物を確認した。室温まで放冷後、不溶物をろ去した。得られた母液を一旦濃縮し、メタノールを留去した。得られた残渣に純水を2mL加え、溶解し、氷冷下、塩酸(濃度:1mol/l)を滴下し、pH=2.0に調整した。晶析した結晶をメンブランフィルターでろ取した。得られた湿結晶を80℃で4時間乾燥し、式(a−10−1)で表される化合物と式(a−10−2)で表される化合物との混合物(以下、場合により「化合物(a−10)」と称する。)である黒色結晶を8.3mg得た。(収率:61.9%)
反応容器に式(a−5)で表される化合物(0.4518mg,1.647mmol)とエタノール(12.3mL)を加え、80℃に加熱して式(a−5)で表される化合物を完全に溶解させた。その後、和光純薬工業(下部)製の水酸化カリウム(純度:86%,0.5910g,9.059mmol)と水(2.3mL)を加え、80℃で6時間攪拌させた。次に、反応液を室温まで下げ、50時間攪拌し、更に50℃で9時間攪拌した。TLCにより反応の終了を確認後(展開溶媒:ヘキサン/ジエチルエーテル(1/1)、Rf=0.2)、エタノールを除去し、ジエチルエーテルで抽出したところ、式(b−1)で表される化合物の白色結晶が0.1633g得られた。(収率:52%)
試験管を窒素置換し、和光純薬工業(株)製の塩化メチレン0.5mL、キシダ化学(株)製のジメチルスルホキシド(0.0512ml,0.7204mmol)を加えた。−78℃まで冷却し、東京化成工業(株)製のオキサリルクロリド(0.0610mL,0.7204mmol)を加えて30分攪拌した。続いて、式(b−1)で表される化合物(57.1mg,0.3001mmol)のジメチルスルホキシド(0.5ml)を調製し、反応溶液に滴下し、2時間攪拌した。その後、関東化学(株)製のトリエチルアミン(0.1255ml,0.9004mmol)を加え室温にて1時間攪拌した。反応溶液を塩化メチレン(2mL)で希釈後、純水(2mL)を加え、塩化メチレンで抽出した。抽出した有機層を飽和食塩水(2mL)で洗浄し、和光純薬工業(株)製の硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶液をろ過後、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/ジエチルエーテル=3/1)で精製することにより、式(b−2)で表される化合物が39.1mg得られた。(収率:70%)
反応容器に式(b−2)で表される化合物(65.2mg,0.35mmol)と和光純薬工業(株)製のクロロホルム(5mL)を加え、トリエチルアミン(100μL,0.72mmol)を加え、容器を氷冷して0℃まで下げた。次に、氷冷しながら無水トリフルオロメタンスルホン酸(140μL,0.54mmol)を加え、そのまま3時間攪拌した。TLCにより反応の終了を確認後(展開溶媒:ヘキサン/ジエチルエーテル(4/1)、Rf=0.4)、反応溶液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/ジエチルエーテル=4/1)で精製することにより、式(b−3)で表される化合物が135.5mg得られた。(収率:86%)
オートクレーブに式(b−3)で表される化合物(90.1mg,0.20mmol)と東京化成工業(株)製のパラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(23.1mg,0.020mmol)を入れ、脱気した関東化学(株)製のN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)、(株)ゴードー製のメタノール(1mL)、和光純薬工業(株)製のトリエチルアミン(0.25mL)を加え、一酸化炭素ガス(2MPa)で3回置換した。COガスを4.5MPaまで導入し、120℃で加熱攪拌した。15時間後、TLC(展開溶媒:ヘプタン/クロロホルム(1/3)、Rf=0.35)及びGCMSにて反応追跡したところ、原料が若干残存しているが反応の進行を確認した。反応溶液を濃縮し、得られた残渣をPTLC(展開溶媒:ヘプタン/クロロホルム(1/3))で精製し、式(b−4)で表される化合物を23.8mg得た。(収率:44%)
反応容器に式(b−4)で表される化合物(23.8mg,0.088mmol)、和光純薬工業(株)製の水酸化カリウム(50mg,0.89mmol)、(株)ゴードー製のメタノール(0.15mL)、純水(0.15mL)を入れ、加熱還流した。4時間後、TLC(展開溶媒:ヘプタン/クロロホルム(1/3)、Rf=0)で反応追跡したところ、原料の消失を確認した。室温まで放冷後、得られた母液を一旦濃縮し、メタノールを留去した。得られた残渣に純水を2ml加え、溶解し、氷冷下、塩酸(濃度:1mol/L)を滴下し、pH=2.0に調整した。晶析した結晶をメンブランフィルターでろ取した。得られた湿結晶を50℃で3時間乾燥し、式(b−5)で表される化合物の結晶を6.4mg得た。(収率:73%)
Claims (7)
- 金属触媒存在下における下記式(1−3)又は(1−4)で表されるジハロゲン化合物と一酸化炭素との反応を経て、下記式(1−1)又は(1−2)で表されるジカルボニル化合物を得る、ジカルボニル化合物の製造方法。
[式(1−3)中、X1及びX2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子を示す。]
[式(1−4)中、X1及びX2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子を示す。]
[式(1−1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を示し、前記置換基はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキシ基からなる群より選択される。]
[式(1−2)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を示し、前記置換基はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキシ基からなる群より選択される。]
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