JP4014856B2 - ジハロゲン化アダマンタンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、機能性材料や電子材料の原料として有用なジハロゲン化アダマンタンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アダマンタン誘導体は耐熱性に優れ透明性が高い特徴を有することから耐熱性高分子等の高機能性材料や半導体用レジスト等の電子材料に応用することが期待されている化合物である。中でもジハロゲン化アダマンタンは、二つの官能基をもつ種々のアダマンタン誘導体を合成する原料として重要である。
【0003】
種々のハロゲン化アダマンタン類をアダマンタンから合成する方法としては、ハロゲン化アルミニウムの存在下でハロゲン化アルカンを作用させる方法[Synth. Commun.19(9-10)1697-1704(1989)]や、コバルト塩の存在下ハロゲン化アルカンを反応させる方法[RU2125551(1999)]などが報告されている。しかしながら、これらの方法は、通常、モノハロゲン化体、ジハロゲン化体及びトリハロゲン化体等の混合物として得られ、このうち主生成物として得られるのは一般にモノハロゲン化アダマンタンであり、ジハロゲン化アダマンタンの収率は低い。
【0004】
ジハロゲン化アダマンタンを選択的に得る方法として、アダマンタンとハロスルホン酸とを、20℃の温度で混合し反応させる方法[Tetrahedron Letters 31,3191-3192(1972)]が報告されている。しかしながら、上記方法は、反応当初において反応が激しく、ハロスルホン酸を十分な量で使用するとトリハロゲン化体まで反応が進行し易く、今一歩満足できる収率でジハロゲン化アダマンタンを得ることができないものであった。例えばアダマンタンとクロロスルホン酸とを1:8のモル比で仕込み10時間程度反応させた場合において、1,3−ジクロロアダマンタンのガスクロマトグラフィーによる収率は80%以下になっている。
【0005】
この他、ジハロゲン化アダマンタンを選択的に得る方法としては、ハロゲン化鉄を用いる方法[Zh.Org.Khim.22(3)540-542(1986)およびHelv.Chim.Acta. 68(5)1196-1203(1985)]等が報告されているが、このような金属化合物を用いる方法は、製品中に金属が混入する可能性が高く、電子デバイス等金属が性能に悪影響を及ぼすような用途に使用するには高度な精製が必要となり満足できないものであった。
【0006】
また、これらの高収率でジハロゲン化アダマンタンが製造される方法を用いても、生成物中には中間体であるモノハロゲン化アダマンタンが数%以上混入することを避けることはできない。高純度のジハロゲン化アダマンタンを得るためにはモノハロゲン化アダマンタンとの分離が不可欠であるが、これら二つの化合物はその化学的性質が極めて類似しており、一般にクロマトグラフィーによる分離が行われている。しかしながら、クロマトグラフィーによる分離法は一度に少量しか処理できないため、生産性が低く時間がかかり、多量の化合物の製造には不向きであるという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上の背景にあって本発明は、金属及び金属塩を使用することなく、温和な条件で高収率で高純度のジハロゲン化アダマンタンを製造する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、アダマンタンとハロスルホン酸とを特定の温度条件で反応させることにより、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、1位がアルキル基で置換されていても良いアダマンタンとハロスルホン酸とを反応させてジハロゲン化アダマンタンを製造するに際して、−5〜15℃の温度で第一段目の反応を行い、次いで、17〜35℃の温度で第二段目の反応を行うことを特徴とするジハロゲン化アダマンタンの製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において、反応原料として用いるアダマンタンは、無置換体を用いるのが一般的であるが、1位がアルキル基で置換されたものであっても良い。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜4の直鎖状のものが好ましく、特にメチル基がより好ましい。
【0011】
本発明で使用するハロスルホン酸は、
XSO3H
(式中、Xはハロゲンを示す。)
で示される化合物である。ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。具体的にはハロスルホン酸として、クロロスルホン酸、ブロモスルホン酸、ヨードスルホン酸等が挙げられ、入手の容易さから特にクロロスルホン酸が好ましい。
【0012】
本発明では、上記1位がアルキル基で置換されていても良いアダマンタン(以下、単にアダマンタン類とも称する)とハロスルホン酸とを反応させてジハロゲン化アダマンタンを生成させる。ここで、アダマンタン類が無置換体である場合、生成するジハロゲン化アダマンタンは、1,3−ジハロゲン化アダマンタンが主になる。通常は、該1,3−ジハロゲン化アダマンタン以外に、他のジハロゲン化アダマンタンも少量生成する。
【0013】
他方、アダマンタン類が1位のアルキル基置換体である場合、生成するジハロゲン化アダマンタンは、1−アルキル−3,5−ジハロゲン化アダマンタンが主になる。通常は、該1−アルキル−3,5−ジハロゲン化アダマンタン以外に、他のアルキルジハロゲン化アダマンタンも少量生成する。
【0014】
本発明において、アダマンタン類とハロスルホン酸の仕込割合は、特に制限されるものではないが、ハロスルホン酸の量があまり少ないと反応が十分に進行しなくなるため、ハロスルホン酸の仕込割合はアダマンタン類に対して2倍モル量以上であるのが好ましい。収率をより向上させるため、および後述するように有機溶媒を使用せずに反応を遂行する場合において、反応媒体として十分な量とするために、ハロスルホン酸の仕込割合は、アダマンタン類に対して5〜15倍モル量、最も好適には8〜12倍モル量であるのが好ましい。
【0015】
アダマンタン類とハロスルホン酸との混合は、如何なる方法により行っても良いが、通常は、アダマンタン類またはその有機溶液に、ハロスルホン酸を滴下することにより行うのが好ましい。
【0016】
本発明の最大の特徴は、上記アダマンタン類とハロスルホン酸とを反応させるに際して、まず、−5〜15℃の温度で第一段目の反応を行い、次いで、17〜35℃の温度で第二段目の反応を行うことにある。このように反応温度を違えた特徴的な二段階反応を行うことにより、トリハロゲン化アダマンタン等の生成量は大きく抑えられ、目的とするジハロゲン化アダマンタンをより選択的に得ることが可能になる。
【0017】
すなわち、アダマンタン類とハロスルホン酸との反応は、まず、アダマンタン類がモノハロゲン化され(以下、この反応をモノハロゲン化反応ともいう)、ハロゲン化が進むと、ジハロゲン化体が生成し(以下、この反応をジハロゲン化反応ともいう)、さらにハロゲン化反応が進むと、トリハロゲン化体、テトラハロゲン化体が順次生成していく。この反応において、反応温度が、−5〜15℃である場合、モノハロゲン化の反応は進行するが、モノハロゲン化体がジハロゲン化体等に高次ハロゲン化される反応はほとんど進行せず、該ジハロゲン化反応は、反応温度が17℃を超えると活発に進行し始める。
【0018】
しかして、上記反応を、反応開始当初から、17℃以上の温度で実施すると、該反応開始当初においてジハロゲン化体まで反応が急速に進行し、さらにトリハロゲン化体までハロゲン化反応が一気に進行し易い状態になる。したがって、かかる方法では、トリハロゲン化体の生成量が多くなり、ジハロゲン化アダマンタンを満足できる収率で得ることが困難になる。
【0019】
これに対して、前記の如く反応の温度を二段階に設定し、反応開始当初において反応を穏かに進行させると、前記二段目の反応で温度を17℃以上に設定しても、ジハロゲン化体が生成した後、トリハロゲン化への反応は僅かずつしか進行せず、ジハロゲン化アダマンタンをより高収率で得ることが可能になる。
【0020】
モノハロゲン化反応は、反応温度が5℃より低くなると進行が遅くなるため、本発明において、第一段目の反応温度は、5〜15℃にするのがより好ましい。第一段目の反応温度が、−5℃より低い場合、モノハロゲン化反応はほとんど進行しなくなる。
【0021】
なお、アダマンタン類とハロスルホン酸とを混合する段階では、液温は、安定性の面から5℃以下にするのが好ましい。
【0022】
上記第一段目の反応は、仕込んだアダマンタン類のほとんどがモノハロゲン化されるまで実施するのが好ましい。反応時間としては、通常30分以上、好適には1時間〜3時間であるのが一般的である。
【0023】
また、本発明において、第二段目の反応温度は、ジハロゲン化アダマンタンを特に高収率とする観点からは、17〜25℃とするのが好適である。第二段目の反応温度が、35℃より高い場合、ジハロゲン化アダマンタンがトリハロゲン化される反応が活発に進行するようになる。
【0024】
この第二段目の反応は、ジハロゲン化反応が十分に進行するまで行うことが必要であるが、あまり長すぎても、トリハロゲン化アダマンタンが徐々に生成してくるため、1時間〜24時間、好適には3時間〜8時間であるのが好ましい。
【0025】
なお、所望により、これらの第一段目および第二段目のそれぞれの反応段階において、温度は、前記特定された範囲内において複数の温度に変化させても良い。また、各反応段階において、反応圧力は、特に制限されるものではないが、通常は常圧で行うのが一般的である。
【0026】
本発明において、上記の二段階反応は、有機溶媒中で実施しても良いが、有機溶媒の不存在下で実施するのが特に好ましい。すなわち、ハロスルホン酸は、アダマンタン類やジハロゲン化アダマンタンに対する溶解度は極めて小さいのに対して、モノハロゲン化アダマンタンに対する溶解度は大きいという特異な溶解性状を有している。したがって、有機溶媒を使用せず、反応試剤であるハロスルホン酸を反応媒体としても利用すれば、該ハロスルホン酸が有する上記特異な溶解性状により、以下のようにジハロゲン化アダマンタンはより選択的に、高純度で得ることが可能になる。
【0027】
すなわち、アダマンタン類とハロスルホン酸を仕込むと、反応液は当初、懸濁状態であるが、第一段目の反応により、モノハロゲン化アダマンタンが生成してくると、該生成物は、ハロスルホン酸に良く溶解するため反応液は透明な均一溶液に変化する。そして、生成したモノハロゲン化アダマンタンは、ハロスルホン酸の溶液中でジハロゲン化体にスムーズに反応していくが、生成したジハロゲン化アダマンタンは、前記の如くハロスルホン酸に対して溶解度が極めて小さいためその大部分は析出し、反応液は再び懸濁状態を呈してくる。このように析出状態になると、ジハロゲン化アダマンタンのトリハロゲン化体への反応性は著しく低下するため、該第二段目の反応において、トリハロゲン化アダマンタンの生成量を大きく低下させることができる。
【0028】
また、前記第一段目の反応において、モノハロゲン化反応が進行すると、反応液が懸濁状態から均一溶液に変化することは、第一段目の反応の終期を目視で簡単に確認することが可能であり、第一段目の反応が不十分な状態で第二段目の反応に移行し、トリハロゲン化アダマンタンの生成量を増加させたり、必要以上に第一段目の反応を長く実施するようなことが防止できる。
【0029】
さらに、第一段目の反応において、生成したジハロゲン化アダマンタンが反応液中に析出してくることは、該目的物の単離に極めて有利である。すなわち、アダマンタン類とハロスルホン酸を反応させる等してジハロゲン化アダマンタンを生成させた場合、常法に従えば、該目的物の単離は、クロマトグラフィー等の煩雑な精製手段により、物理化学的性質が近似するモノハロゲン化アダマンタンと分離するのが一般的である。
【0030】
これに対して、上記の如く有機溶媒の不存在下で反応を実施して、目的物であるジハロゲン化アダマンタンを反応液中に生成させた場合、該反応液には前述の如くトリハロゲン化アダマンタンの生成量は著しく抑制されており、且つ未反応のモノハロゲン化アダマンタンは反応液中に溶解しているため、液をろ過することにより、ジハロゲン化アダマンタンを簡単に高純度で分離することができる。
【0031】
ろ過は、窒素雰囲気下で実施するのが好ましく、反応液の温度もあまり高いとトリハロゲン体化への反応が進行する可能性があり、またジハロゲン化アダマンタンの溶解度が増加し収量が減少する懸念もあるため、前記第二段目の反応温度で特定する温度と同じ範囲で実施するのが好ましい。
【0032】
以上により得られたジハロゲン化アダマンタンの析出物は、必要に応じてさらに水洗、溶媒抽出、晶析する等してより高純度に精製しても良い。
【0033】
なお、本発明の反応を、有機溶媒中で実施する場合、該有機溶媒としては、ハロスルホン酸との反応性を有さないものであれば制限なく使用できる。具体的には、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒を使用するのが好ましい。
【0034】
有機溶媒の使用量は、特に制限されるものではないが、反応物を十分に溶解し、かつ釜収率を著しく低下させないため、アダマンタン類の重量に対して5倍量〜20倍量とすることが好ましい。
【0035】
このように有機溶媒を使用した場合、第二段目の反応を終えた時点で、通常、生成したジハロゲン化アダマンタンは液中に溶解している。この反応液からのジハロゲン化アダマンタンの単離は、氷水を加えてハロスルホン酸を分解した後、水からジハロゲン化アダマンタンを含む有機溶媒を分液し、水洗、溶媒を留去して乾燥、晶析する方法により行うのが好ましい。
【0036】
以上の反応に用いる設備は、ハロスルホン酸が水分と反応して分解し酸性ガスを発生するのを防ぐため、大気との接触を断つ構造を有するものであるのが好ましい。また、設備内部は、あらかじめ窒素等の不活性ガスで十分置換・乾燥しておき、反応中は密閉するか窒素等の不活性ガスを通気することにより反応を実施するのが望ましい。
【0037】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、金属及び金属塩を使用することなく、温和な条件で高収率で高純度のジハロゲン化アダマンタンを製造することができる。
【0038】
本発明の方法により得られたジハロゲン化アダマンタンは、加水分解等によりアダマンタンジオールとし、また、アンモノリシス等によりジアミノアダマンタンとすることで、耐熱性高分子等の機能性材料やレジスト等の電子材料などの原料として有効に使用することができる。
【0039】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に述べるが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
【0040】
実施例1
アダマンタン5.0g(0.037mol)を100mlの三つ口フラスコに入れ、窒素ガスを通じて乾燥させた。次に、T字管につなぎ換えて窒素をフローしたまま、温度を0℃まで冷却し、クロロスルホン酸43.1g(0.37mol)を滴下した。懸濁状となった反応液の温度を10℃まで上げて、第一段目の反応を開始させると、反応液から発泡が始まった。発泡が収まるまでそのままの温度を維持すると、2時間後反応液は透明な均一溶液となった。
【0041】
温度を20℃まで上げ、第二段目の反応を開始させると穏やかに発泡が再開し、このまま5時間反応させた。懸濁状となった反応溶液を、窒素雰囲気下ろ過分離し、得られた固体を氷水に注ぎ、クロロホルムで抽出し、へキサンと溶媒置換してろ過し、活性炭を加えて再度ろ過し、溶媒留去、乾燥させて7.0g(収率93%)の白色の固体を得た。
【0042】
この白色固体をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、1,3−ジクロロアダマンタンが94%であった。
【0043】
比較例1
実施例1において、アダマンタン5.0g(0.037mol)にクロロスルホン酸を20℃で滴下した後、その温度で7時間反応させて反応を終えた以外は、同様に実施したところ、5.6g(収率75%)の白色の固体を得た。
【0044】
得られた白色固体の分析結果は、1,3−ジクロロアダマンタンが78%であった。
【0045】
実施例2
実施例1において、第一段目の反応温度を15℃にし、その反応時間を、反応液が透明で均一な状態となった1時間とする以外は、同様に実施したところ、6.7g(収率89%)の白色の固体を得た。
【0046】
得られた白色固体の分析結果は、1,3−ジクロロアダマンタンが91%であった。
【0047】
実施例3
実施例1において、第二段目の反応温度を30℃にし、その反応時間を3時間とする以外は、同様に実施したところ、6.8g(収率90%)の白色の固体を得た。
【0048】
得られた白色固体の分析結果は、1,3−ジクロロアダマンタンが89%であった。
【0049】
実施例4
実施例1において、クロロスルホン酸の使用量を25.9g(0.22mol)にし、 第二段目の反応時間を8時間に変える以外は、同様に実施したところ、6.5g(収率86%)の白色の固体を得た。
【0050】
得られた白色固体の分析結果は、1,3−ジクロロアダマンタンが92%であった。
【0051】
実施例5
実施例1において、アダマンタン5.0g(0.037mol)を、1−メチルアダマンタン5.5g(0.037mol)に変える以外、同様に実施したところ、7.2g(収率90%)の白色の固体を得た。
【0052】
得られた白色固体の分析結果は、1−メチル−3,5−ジクロロアダマンタンが90%であった。
【0053】
実施例6
実施例1において、クロロスルホン酸43g(0.37mol)を、ブロモスルホン酸59.6g(0.37mol)に変える以外は、同様に実施したところ、9.5g(収率88%)の白色の固体を得た。
【0054】
得られた白色固体の分析結果は、1,3−ジブロモアダマンタンが92%であった。
【0055】
実施例7
アダマンタン5.0g(0.037mol)を100mlの三つ口フラスコに入れ、窒素ガスを通じて乾燥させた。次に、T字管につなぎ換えて窒素をフローしたまま、脱水ジクロロメタン50mlを加え、温度を0℃まで冷却し、クロロスルホン酸43.1g(0.37mol)を滴下した。懸濁状の反応液の温度を10℃まで上げて第一段目の反応を開始させると反応液から発泡が始まった。そのままの温度を2時間維持した。
【0056】
温度を20℃まで上げ第二段目の反応を開始させると穏やかに発泡が再開し、このまま5時間反応させた。反応溶液を氷水に注ぎ、室温になるまで攪拌した。溶媒を追加して2回抽出し、これらを合わせて1回水洗後、溶媒を留去した。へキサンに溶解してろ過し、活性炭を加えて再度ろ過し、溶媒留去、乾燥させて6.8g(収率90%)の白色の固体を得た。
【0057】
この白色固体をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、1,3−ジクロロアダマンタンが89%であった。
【0058】
比較例2
アダマンタン5.0g(0.037mol)を100mlの三つ口フラスコに入れ、窒素ガスを通じて乾燥させた。次に、T字管につなぎ換えて窒素をフローしたまま、2−クロロ−2−メチルプロパン50ml及び塩化アルミニウム1.0gを加え8時間還流した。反応溶液を氷水に注ぎ、室温になるまで攪拌した。溶液をろ過し、クロロホルムを加えて2回抽出し、これらを合わせて1回水洗後、溶媒を留去した。へキサンに溶解してろ過し、活性炭を加えて再度ろ過し、溶媒留去、乾燥させて5.3gの白色の固体を得た。
【0059】
この白色固体をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、1−クロロアダマンタンが90%、1,3−ジクロロアダマンタンが5%であった。
Claims (5)
- 1位がアルキル基で置換されていても良いアダマンタンとハロスルホン酸とを反応させてジハロゲン化アダマンタンを製造するに際して、−5〜15℃の温度で第一段目の反応を行い、次いで、17〜35℃の温度で第二段目の反応を行うことを特徴とするジハロゲン化アダマンタンの製造方法。
- 第一段目の反応および第二段目の反応を、有機溶媒の不存在下で実施する請求項1記載のジハロゲン化アダマンタンの製造方法。
- 第一段目の反応を、反応液が均一溶液になるまで行う請求項2記載のジハロゲン化アダマンタンの製造方法。
- 第二段目の反応により得られた反応液をろ過することによりジハロゲン化アダマンタンを分離することを特徴とする請求項2または請求項3記載のジハロゲン化アダマンタンの製造方法。
- ハロスルホン酸の仕込割合が、1位がアルキル基で置換されていても良いアダマンタンに対して5〜15倍モル量である請求項1〜4の何れかに記載のジハロゲン化アダマンタンの製造方法。
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