JPH05140086A - ハロゲノチオフエノールの製造方法および精製方法 - Google Patents

ハロゲノチオフエノールの製造方法および精製方法

Info

Publication number
JPH05140086A
JPH05140086A JP4021099A JP2109992A JPH05140086A JP H05140086 A JPH05140086 A JP H05140086A JP 4021099 A JP4021099 A JP 4021099A JP 2109992 A JP2109992 A JP 2109992A JP H05140086 A JPH05140086 A JP H05140086A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
halogenothiophenol
water
chlorothiophenol
solvent
mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4021099A
Other languages
English (en)
Inventor
Michio Suzuki
道夫 鈴木
Nobuyuki Kitagishi
信之 北岸
Satoshi Kimura
聡 木村
Akiyuki Fujisawa
映志 藤澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd filed Critical Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Priority to JP4021099A priority Critical patent/JPH05140086A/ja
Publication of JPH05140086A publication Critical patent/JPH05140086A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C323/00Thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides substituted by halogen, oxygen or nitrogen atoms, or by sulfur atoms not being part of thio groups
    • C07C323/01Thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides substituted by halogen, oxygen or nitrogen atoms, or by sulfur atoms not being part of thio groups containing thio groups and halogen atoms, or nitro or nitroso groups bound to the same carbon skeleton
    • C07C323/09Thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides substituted by halogen, oxygen or nitrogen atoms, or by sulfur atoms not being part of thio groups containing thio groups and halogen atoms, or nitro or nitroso groups bound to the same carbon skeleton having sulfur atoms of thio groups bound to carbon atoms of six-membered aromatic rings of the carbon skeleton

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 工業的に有利に高収率にてハロゲノチオフェ
ノールを製造する方法およびハロゲノチオフェノール類
から4−ハロゲノチオフェノールを精製する方法。 【構成】 モノハロゲノベンゼンを、溶媒中または溶媒
を用いることなく、触媒の存在下、一塩化硫黄と反応さ
せてジハロゲノジフェニルポリスルフィドを得、つい
で、該ポリスルフィドを還元するハロゲノチオフェノー
ルの製造方法、および4−ハロゲノチオフェノールを含
むハロゲノチオフェノール類の混合物から水、水溶性有
機溶媒、または水溶性有機溶媒と水との混合液を用いて
4−ハロゲノチオフェノールの再結晶を行なう4−ハロ
ゲノチオフェノールの精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬、農薬または電子工
業薬品を製造する際の原料として有用な化合物であるハ
ロゲノチオフェノールの製造方法および精製方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ハロゲノチオフェノールの製法として
は、従来から種々の方法が知られている。例えば、
(1)米国特許第3,331,205号および米国特許第
3,474,139号には、チオフェノールを塩素化して
クロロベンゼンスルフェニルクロリドを得、ついで亜鉛
を用いて還元し、クロロチオフェノールを得る方法、
(2)英国特許第1,183,696号および米国特許第
3,326,981号には、モノクロロベンゼンをスルホ
ン化し、ついで塩素化して得られるクロロベンゼンスル
ホニルクロライドを亜鉛で還元する方法、(3)ジャー
ナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.
Chem.)26,4047(1961)には、クロロア
ニリンをジアゾ化し、キサントゲン酸カリウムと反応さ
せ、ついで加水分解してクロロチオフェノールを得る方
法、および(4)ツュルナル・オルガニケスコイ・キミ
イ(Zh.Org.Khim.)11(5),1132(197
5)には、パラジクロロベンゼンと硫化水素を500〜
600℃で反応させてパラクロロチオフェノールを得る
方法が記載されている。
【0003】しかしながら、前記した公知方法は、各
々、以下のような欠点を有している。 (1)の方法は、塩素化に際して有害な四塩化炭素を溶
媒として使用し、工程数も多く、工業的に有利な方法と
は言い難い。 (2)の方法は、工程数が多く、還元に際してスルホニ
ルクロライド1モルに対し、亜鉛を3.3モル使用する
ため、亜鉛を含む廃水が多量に発生し、工業的に有利な
方法とは言い難い。 (3)の方法は、容積効率が悪く、多量のガスの発生を
伴うためにその制御に細心の注意を要するという欠点を
有している。 (4)の方法は、収率、転化率が低く、高温反応である
ため、装置の点からしても工業的に満足すべきものとは
言い難い。
【0004】また、ハロゲノチオフェノールは、一般
に、2−、3−および4−ハロゲノチオフェノール類の
混合物として得られる。このうち、4−ハロゲノチオフ
ェノールが医薬、農薬、電子工業薬品等の製造原料とし
て特に有用であり、これらハロゲノチオフェノール類の
混合物から、4−ハロゲノチオフェノールを単離・精製
する方法が従来から種々提案されているが、未だ満足す
るものは見当たらない。
【0005】例えば、本出願人も特開平1−32114
3号において、4−ハロゲノベンゼンスルホニルクロラ
イドおよび2−ハロゲノベンゼンスルホニルクロライド
を含む反応液を有機溶媒と水との混合液に添加し、4−
ハロゲノベンゼンスルホニルクロライドのみを晶析さ
せ、ついで、亜鉛と鉱酸で還元し純度99.5%以上の
4−ハロゲノチオフェノールを製造する方法を開示して
いる。しかし、この方法では晶析用の溶媒として水と有
機溶媒との混合液を使用するので、大量に製造する場合
にハロゲノベンゼンスルホニルクロライドを含む反応液
を長時間水と接触させることとなり、ハロゲノベンゼン
スルホニルクロライドが加水分解を受けてハロゲノベン
ゼンスルホン酸に変化し、その結果、得られる4−ハロ
ゲノチオフェノールの収量が減少するため、さらに改良
が必要である。
【0006】また、蒸留による精製では、例えば、4−
クロロチオフェノールの沸点が205〜207℃で、2
−クロロチオフェノールの沸点が205〜206℃であ
り、両者の沸点が非常に近似しているため、これらを収
率よく分離精製することは極めて困難である。
【0007】さらに、クロロチオフェノールの異性体の
中で、4−クロロチオフェノールのみが昇華するという
性質を利用した4−クロロチオフェノールの昇華による
精製が提案されているが、4−クロロチオフェノールの
含有量が多い場合、昇華に長時間を要し、工業上不適当
であり、昇華性のない4−ブロモチオフェノールの場合
は昇華による精製を行うことができない。
【0008】さらにまた、米国特許第3,474,139
号にはチオフェノールを塩素化し、ついで還元すると4
−クロロチオフェノールを85%および2−クロロチオ
フェノールを15%含むクロロチオフェノール混合物が
得られると記載されている。しかしながら、このような
2−クロロチオフェノールの含有量が多いクロロチオフ
ェノールを前記特開平1−321143号における比較
例で記載されているようにヘキサンで再結晶を行うと、
4−クロロチオフェノールはヘキサンによく溶けるた
め、4−クロロチオフェノールの回収率が低くなるとい
う欠点を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、このよ
うな事情に鑑み、ハロゲノチオフェノールの製造におけ
る上記従来法の種々の欠点を改善し、従来よりも少ない
工程数で、高収率で、かつ重金属を含む廃水の発生が少
ない工業的に有利なハロゲノチオフェノールの製造方法
について鋭意検討を重ねた。その結果、ある種の触媒存
在下、モノハロゲノベンゼンと一塩化硫黄を反応させ、
ジハロゲノジフェニルポリスルフィドを合成し、ついで
これを還元することによりハロゲノチオフェノールが工
業的に有利に製造できることを見出した。
【0010】また、本発明者らは、かくして得られたハ
ロゲノチオフェノール類の混合物から4−ハロゲノチオ
フェノールを分離・精製する際の上記種々の欠点を改善
し、高純度で、高回収率で、かつ工業的に有利に4−ハ
ロゲノチオフェノールを分離・精製する方法について鋭
意検討を重ねた。その結果、4−ハロゲノチオフェノー
ルが常温で固体であること、また水溶性有機溶媒単独ま
たは水単独あるいは水溶性有機溶媒および水の混合溶媒
に難溶性であること、および異性体である2−ハロゲノ
チオフェノールと3−ハロゲノチオフェノールが常温で
液体であることを利用し、異性体を含むハロゲノチオフ
ェノール類を水溶性有機溶媒単独または水単独あるいは
水溶性有機溶媒および水の混合溶媒を用いて再結晶する
ことにより、高回収率かつ高純度で、工業上有利に4−
ハロゲノチオフェノールが得られることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)モノハ
ロゲノベンゼンを、溶媒中または溶媒を用いずに、触媒
の存在下、一塩化硫黄と反応させ、式(II):
【化3】 [式中、Xは塩素または臭素、およびyは2以上の整数
を意味する]で示されるジハロゲノジフェニルポリスル
フィドを得、ついで、該ポリスルフィドを還元すること
を特徴とする式(I):
【化4】 [式中、Xは前記と同じ]で示されるハロゲノチオフェ
ノールの製造方法、および(2)4−ハロゲノチオフェ
ノールを含むハロゲノチオフェノール類の混合物から
水、水溶性有機溶媒、または水溶性有機溶媒と水との混
合液を用いて4−ハロゲノチオフェノールを再結晶する
ことを特徴とする4−ハロゲノチオフェノールの精製方
法を提供するものである。
【0012】本発明によれば、従来のハロゲノチオフェ
ノールの製造方法と比較して、より少ない工程数で、収
率よく、かつ重金属を含む廃液の生成が少ない、工業的
に有利な方法にてハロゲノチオフェノールを製造するこ
とができる。本発明のような、モノハロゲノベンゼンか
らジハロゲノジフェニルポリスルフィドを得、ついでそ
れを還元してハロゲノチオフェノールを得る方法は新規
な方法である。また、本発明によれば、4−ハロゲノチ
オフェノールの精製にて、例えば、4−ハロゲノチオフ
ェノールを85%含み、2−ハロゲノチオフェノールを
15%含むハロゲノチオフェノール混合物から99.7
%以上という高純度の4−ハロゲノチオフェノールを得
ることができる。
【0013】本発明の方法によりハロゲノチオフェノー
ルを製造するには、まず、モノハロゲノベンゼンを、溶
媒中または溶媒を用いることなく、触媒の存在下、一塩
化硫黄(S2Cl2)と反応させてジハロゲノジフェニル
ポリスルフィドを得る。
【0014】この反応に用いる溶媒としては、モノハロ
ゲノベンゼンおよび一塩化硫黄を均一に溶解するもので
あれば、特に限定するものではなく、例えば、酢酸エチ
ル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ギ酸エチ
ル等のエステル類、スルホラン、ジメチルスルホキシド
等の有機硫黄酸化物類、ジエチレングリコールジメチル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル類、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロ
ゲノベンゼン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のア
ミド類が挙げられる。好ましくは、酢酸エチル、テトラ
ヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドまたはス
ルホランであり、また、原料のモノハロゲノベンゼン自
体を溶媒として使用することもできる。溶媒の使用量
は、モノハロゲノベンゼン自体を溶媒とする場合を除
き、一塩化硫黄1重量部に対して通常0.01〜3重量
部であり、好ましくは0.05〜1重量部である。
【0015】用いる触媒としては、塩化亜鉛、塩化第二
鉄、塩化アルミニウム、四塩化チタン、三塩化ビスマ
ス、四塩化ジルコニウム、三塩化アンチモン、五塩化ア
ンチモン、四塩化錫、二塩化錫、塩化銅、塩化鉛等のル
イス酸、亜鉛、鉄、アルミニウム、チタン、ビスマス、
ジルコニウム、カドミウム、銅、鉛等の金属粉末あるい
は金属粒およびヨウ素が挙げられる。塩化亜鉛、塩化第
二鉄、三塩化ビスマス、四塩化ジルコニウム、四塩化チ
タン、亜鉛、鉄、チタンおよびヨウ素が好ましい。触媒
の使用量は一塩化硫黄1モルに対し、通常0.001〜
1モル、好ましくは0.01〜0.3モルである。触媒量
が0.001モルよりも少ないと反応に長時間を要し、
1モル以上を用いてもそれに見合った効果が得られず、
経済上得策ではない。
【0016】モノハロゲノベンゼンの使用量は一塩化硫
黄1モルに対して、通常1〜20モル、好ましくは1.
5〜5モルである。モノハロゲノベンゼンの使用量が1
モルより少ないと一塩化硫黄が過剰になり、副反応生成
物が増加し、20モルより多いと容積効率が悪く経済的
に不利である。
【0017】該反応は、通常、10〜130℃、好まし
くは、50〜110℃にて、1〜10時間、好ましく
は、3〜7時間実施する。10℃より低い温度では反応
に長時間を要し、130℃より高い温度では副反応生成
物が増加するために好ましくない。
【0018】かかる反応によって得られる式(II)のジハ
ロゲノジフェニルポリスルフィドはジ、トリ、テトラお
よび他の高次スルフィドの1種またはそれ以上の混合物
であって、本発明においては、それらを分離することな
く、還元剤を用いて還元することができ、これによりハ
ロゲノチオフェノールを得る。
【0019】ここで用いる還元剤としては、芳香族ジス
ルフィドを還元することができる通常の還元剤であれば
いずれであってもよい。例えば、亜鉛末、鉄粉等の金属
粉と塩酸、硫酸等の鉱酸を用い、常法に従って還元を行
なう。該還元反応は、モノハロゲノベンゼンと一塩化硫
黄との反応終了後、その反応液中に、これら還元剤を添
加して引続き行うことができる。
【0020】例えば、還元剤として亜鉛末および塩酸を
使用する場合、その亜鉛末の使用量は一塩化硫黄1モル
に対して、通常1〜4モル、好ましくは1.5〜3.0モ
ルであり、塩酸の使用量は、通常2〜8モル、好ましく
は3〜6モルである。該還元反応は、20〜100℃、
好ましくは20〜70℃にて、0.5〜5時間、好まし
くは1〜3時間行う。
【0021】つぎに、このようにして得られたハロゲノ
チオフェノール類の混合物から4−ハロゲノチオフェノ
ールを単離・精製するには、水、水溶性溶媒、または水
溶性溶媒と水との混合溶媒を用いて再結晶することによ
り行う。なお、本発明の精製方法は本発明の製造方法に
よる反応液中のハロゲノチオフェノール類に限らず、あ
らゆる種類のハロゲノチオフェノール類の混合物からの
4−ハロゲノチオフェノール、例えば、4−クロロチオ
フェノール、4−ブロモチオフェノール等の分離・精製
に適用できる。
【0022】本発明の精製方法で用いる水溶性有機溶媒
としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル等のエーテル類が挙げら
れる。溶媒の使用量は仕込みハロゲノチオフェノール1
重量部に対して0.5〜30重量部、好ましくは1〜5
重量部である。溶媒の使用量が0.5重量部よりも少な
いと得られる4−ハロゲノチオフェノールの純度が低く
なり、30重量部よりも多いと容積効率が悪くなり経済
的に不利である。
【0023】本発明の精製方法で用いる溶媒としては、
上記の水溶性有機溶媒の他、水単独または水と上記水溶
性有機溶媒との混合溶媒を用いることも可能である。混
合溶媒を用いる場合の水/水溶性有機溶媒の混合比は、
特に限定されるものではなく、ハロゲノチオフェノール
類の組成および水溶性有機溶媒に対する溶解度を勘案し
て適宜決定し、混合する。
【0024】仕込みハロゲノチオフェノール類を溶媒に
溶解させる温度は通常30〜100℃であり、好ましく
は40〜70℃である。30℃よりも低い温度では溶解
させるための溶媒量が多くなり、その結果、回収率が低
下する。100℃以上ではハロゲノチオフェノールが酸
化され易くなり、純度および回収率が低下する。上記で
得られたハロゲノチオフェノール類の溶液を冷却するこ
とにより4−ハロゲノチオフェノールのみが析出し、高
純度の4−ハロゲノチオフェノールを得ることができ
る。冷却温度としては−10〜30℃の範囲、好ましく
は0〜15℃の範囲が適温である。−10℃より低い温
度では、冷却を効率的に行うのに経済的に有利でなく、
また30℃より高い温度では回収率が悪くなる。このよ
うにして得られた4−ハロゲノチオフェノールを、例え
ば、乾燥または蒸留することにより容易に高純度の4−
ハロゲノチオフェノールを製造することができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例1 温度計、冷却器、撹拌機および滴下ロートを備えたフラ
スコに一塩化硫黄169g(1.25モル)、塩化亜鉛
20.4g(0.14モル)および酢酸エチル45gを仕
込み、80℃に加熱し、滴下ロートよりモノクロロベン
ゼン238g(2.5モル)を加え、その温度で6時間撹
拌を続け、20℃まで冷却してジクロロジフェニルポリ
スルフィドを得た。ついで、35%塩酸522g(5.
2モル)と亜鉛末176g(2.7モル)を加え、70
℃にて1時間撹拌した。その後、反応液を濾過し、有機
層を分液し、濃縮し、110℃(30mmHg)で減圧
蒸留してクロロチオフェノール224.2g(収率62.
0%)を得た。ガスクロマトグラフ分析の結果、得られ
たクロロチオフェノール中には4−クロロチオフェノー
ル(含量85.0%)と2−クロロチオフェノール(含
量14.8%)が存在した。3−クロロチオフェノール
は存在しなかった。条件および結果をまとめて表1に示
す。また、中間体のジクロロジフェニルポリスルフィド
を高速液体クロマトグラフィー/質量分析計(LC/M
S)で分析したところ、m/e=286、318、35
0、382および414のマススペクトルを有する式
(II)においてYが2以上の化合物の混合物であること
が判明した。
【0026】実施例2〜8 表1および表2に示した量のモノクロロベンゼン、一塩
化硫黄、触媒および溶媒を用いて所定の温度で反応を行
い、表1および表2に示した量の亜鉛末と35%塩酸を
用いて実施例1と同じように還元を行なってクロロチオ
フェノールを得た。条件および結果を表1および表2に
示す。
【0027】実施例9 実施例1で用いたと同様なフラスコに一塩化硫黄135
g(1.0モル)、塩化亜鉛16.4g(0.12モル)
と酢酸エチル40gを仕込み、80℃に加熱し、滴下ロ
ートよりモノブロモベンゼン314g(2.0モル)を
加え、その温度にて6時間撹拌を続け、20℃まで冷却
してジブロモジフェニルポリスルフィドを得た。つい
で、35%塩酸458g(4.4モル)と亜鉛末140
g(2.2モル)を加え、70℃にて1時間撹拌を維持
した。その後、該反応液を濾過し、有機層を分液し、濃
縮し、120℃(20mmHg)で減圧蒸留してブロモ
チオフェノール228.8g(有姿収率60.5%)を得
た。ガスクロマトグラフィー分析の結果、得られたブロ
モチオフェノール中には4−ブロモチオフェノール8
9.8%と2−ブロモチオフェノール10.0%が存在し
た。3−ブロモチオフェノールは存在しなかった。条件
および結果をまとめて表2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】実施例10 温度計、冷却器、撹拌機および滴下ロートを備えたフラ
スコ中、実施例1にて得られた4−クロロチオフェノー
ル(含量85.0%)と2−クロロチオフェノール(含
量14.8%)を含むクロロチオフェノール混合物10
0.0gに、メタノール140gと水25gとからなる
混合液を加え、60℃に加熱して溶解した。ついで、該
溶液を5℃まで冷却し、析出した結晶を濾過し、メタノ
ール20gで洗浄した。得られた固体を減圧下で乾燥
し、4−クロロチオフェノール79.5gを得た。ガス
クロマトグラフィーで分析すると、4−クロロチオフェ
ノールの純度は99.8%であり、回収率は93.3%で
あった。2−クロロチオフェノールの含量は0.1%で
あった。条件および結果をまとめて表3に示す。
【0031】実施例11〜18 表3および表4に示した組成のハロゲノチオフェノール
混合物を別途調製し各種組成の再結晶用溶媒を用いて所
定の温度にて再結晶を行い、乾燥させ、4−ハロゲノチ
オフェノールを得た。条件および結果を表3および表4
に示す。
【0032】実施例19 実施例9にて得られたブロモチオフェノールを原料と
し、表4に示してある組成にて実施例10の操作に従っ
て、4−ブロモチオフェノールを得た。結果を表4に示
す。
【0033】実施例20 実施例10で用いたのと同様なフラスコに、実施例1と
同様に反応させて得られた4−クロロチオフェノール
(含量86.5%)と2−クロロチオフェノール(含量
13.2%)を含むクロロチオフェノール100.0gと
水150gを加え、60℃に加熱した。フラスコ内の液
は2層に分離していたが、撹拌しながら冷却し結晶を析
出させ、更に5℃まで冷却し濾過し、水500gで洗浄
した。得られた固体を減圧下で乾燥することにより、8
2.2gの4−クロロチオフェノールを得た。ガスクロ
マトグラフィーで分析すると、4−クロロチオフェノー
ルの純度は99.5%であり、回収率は94.6%であっ
た。2−クロロチオフェノールの含量は0.4%であっ
た。条件および結果を表4に併せて示す。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】比較例1 温度計、冷却器、撹拌機および滴下ロートを備えたフラ
スコ中、実施例1にて得られた4−クロロチオフェノー
ル(含量85.0%)と2−クロロチオフェノール(含
量14.8%)を含むクロロチオフェノール100.0
gに、n−ヘキサン100gを加え、60℃に加熱して
溶解させた。ついで、該溶液を−10℃まで冷却し、濾
過し、n−ヘキサン25gで洗浄し、得られた固体を減
圧下で乾燥し、クロロチオフェノール47.6gを得
た。得られたクロロチオフェノールをガスクロマトグラ
フィーで分析すると、4−クロロチオフェノールの純度
は99.7%であり、回収率は55.7%であった。2−
クロロチオフェノールの含量は0.3%であった。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、溶媒中または溶媒を用
いることなく触媒存在下、モノハロゲノベンゼンと一塩
化硫黄を反応させ、ついで、得られた反応生成物を還元
する工程からなる極めて簡単な操作により、ハロゲノチ
オフェノールを簡易かつ工業上有利に製造することがで
きる。また、本発明によれば、高純度、高回収率にて4
−ハロゲノチオフェノールを精製することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 319/06 9049−4H 319/28 9049−4H // C07B 61/00 300 (72)発明者 藤澤 映志 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1 住 友精化株式会社第1研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノハロゲノベンゼンを、溶媒中または
    溶媒を用いることなく、触媒の存在下、一塩化硫黄と反
    応させ、式(II): 【化1】 [式中、Xは塩素または臭素、およびyは2以上の整数
    を意味する]で示されるジハロゲノジフェニルポリスル
    フィドを得、ついで、該ポリスルフィドを還元すること
    を特徴とする式(I): 【化2】 [式中、Xは前記と同じ]で示されるハロゲノチオフェ
    ノールの製造方法。
  2. 【請求項2】 反応溶媒が酢酸エチルまたはスルホラン
    である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 触媒がルイス酸である請求項1記載の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 ルイス酸が塩化亜鉛、塩化鉄、塩化ジル
    コニウムおよび塩化ビスマスからなる群から選ばれる少
    なくとも1種の化合物である請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 触媒が亜鉛または鉄の金属粉末あるいは
    金属粒である請求項1記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 触媒がヨウ素である請求項1記載の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 4−ハロゲノチオフェノールを含むハロ
    ゲノチオフェノール類の混合物から、水、水溶性有機溶
    媒、または水溶性有機溶媒と水との混合液を用いて4−
    ハロゲノチオフェノールを再結晶することを特徴とする
    4−ハロゲノチオフェノールの精製方法。
  8. 【請求項8】 ハロゲノチオフェノール類がクロロチオ
    フェノールまたはブロモチオフェノールである請求項7
    記載の精製方法。
  9. 【請求項9】 水溶性有機溶媒がアルコール類またはエ
    ーテル類である請求項7記載の精製方法。
  10. 【請求項10】 アルコール類がメタノール、エタノー
    ルまたはイソプロパノールである請求項9記載の精製方
    法。
  11. 【請求項11】 エーテル類がテトラヒドロフランであ
    る請求項9記載の精製方法。
JP4021099A 1991-09-26 1992-02-06 ハロゲノチオフエノールの製造方法および精製方法 Pending JPH05140086A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4021099A JPH05140086A (ja) 1991-09-26 1992-02-06 ハロゲノチオフエノールの製造方法および精製方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24744491 1991-09-26
JP3-247444 1991-09-26
JP4021099A JPH05140086A (ja) 1991-09-26 1992-02-06 ハロゲノチオフエノールの製造方法および精製方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05140086A true JPH05140086A (ja) 1993-06-08

Family

ID=26358118

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4021099A Pending JPH05140086A (ja) 1991-09-26 1992-02-06 ハロゲノチオフエノールの製造方法および精製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05140086A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001070680A1 (fr) * 2000-03-21 2001-09-27 Sumitomo Seika Chemicals Co., Ltd. Procede de preparation d'un 4-bromothioanisole
EP2210884A2 (en) 2005-03-28 2010-07-28 Toyama Chemical Co., Ltd. Process for production of 1-(3-(2-(1-benzothiophen-5-yl)-ethoxy)propionic acid and 1-(3-(2-(1-benzothiophen-5-yl)-ethoxy)propyl)azetidin-3-ol as well as salts thereof

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001070680A1 (fr) * 2000-03-21 2001-09-27 Sumitomo Seika Chemicals Co., Ltd. Procede de preparation d'un 4-bromothioanisole
US7041853B2 (en) 2000-03-21 2006-05-09 Sumitomo Seika Chemicals Co., Ltd. Process for producing 4-bromothioanisole
EP2210884A2 (en) 2005-03-28 2010-07-28 Toyama Chemical Co., Ltd. Process for production of 1-(3-(2-(1-benzothiophen-5-yl)-ethoxy)propionic acid and 1-(3-(2-(1-benzothiophen-5-yl)-ethoxy)propyl)azetidin-3-ol as well as salts thereof
EP2248809A1 (en) 2005-03-28 2010-11-10 Toyama Chemical Co., Ltd. Alkyl-3-[2-(benzo[b]thiophen-5-yl)-ethoxy]-propanoates as intermediates in the production of Azetidin-3-ol derivatives
US7951963B2 (en) 2005-03-28 2011-05-31 Toyama Chemical Co., Ltd. Process for production of 1-(3-(2-(1-benzothiophen-5-yl)-ethoxy)propyl)azetidin-3-ol or salts thereof
EP2348022A1 (en) 2005-03-28 2011-07-27 Toyama Chemical Co., Ltd. Process for production of 1-(3-(2-(1-benzothiophen-5-yl)ethoxy)propyl)azetidin-3-ol or salts thereof
US8273902B2 (en) 2005-03-28 2012-09-25 Toyama Chemical Co., Ltd. Process for production of 1-(3-(2-(1-benzothiophen-5-yl)-ethoxy)propyl)azetidin-3-ol or salts thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4014856B2 (ja) ジハロゲン化アダマンタンの製造方法
JP2003064033A (ja) 核フッ素化芳香族の改良製法
JP3337728B2 (ja) 2‐アセチルベンゾ[b]チオフェンの製造方法
JP3223586B2 (ja) 2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンの製造法
KR0142667B1 (ko) 티오펜-2,5-디카르복실산 디에스테르, 테트라하이드로 티오펜-2,5-디카르복실산 디에스테르 및 디벤족사졸릴 티오펜의 제조방법
JPH05140086A (ja) ハロゲノチオフエノールの製造方法および精製方法
US4675447A (en) Method for preparation of alkylsulfonyl alkylchlorobenzenes
JPS59122456A (ja) ジシクロヘキシルジスルフイドの製造法
JPH08245558A (ja) 芳香族またはヘテロ芳香族スルフィド化合物の製造方法
US4788012A (en) Process for the preparation of benzyl trifluoromethyl sulfide
JPH0578308A (ja) 4−フエニルチオベンゼンチオールの製造方法
JP3641836B2 (ja) (ペルフルオロアルコキシ)ビフェニルジアゾニウム化合物及びその製造中間体並びにペルフルオロアルキル化方法
KR950008208B1 (ko) 메르캅토벤조에이트의 제조방법
JPH05117225A (ja) オルソベンゼンジチオール類の製造方法
JPH0625151A (ja) オルソベンゼンジチオール類の製造方法
JP2002114719A (ja) パラジクロロベンゼンの製造方法
US4061688A (en) Liquid phase fluorination process
GB2305915A (en) 2-Chloro-4-methylphenol preparation
JPH06737B2 (ja) アルキル―〔3クロロフェニル〕―スルホンの製造方法
JPH0453860B2 (ja)
US4978796A (en) N-alkylpyrrolidone solvents for preparation of aromatic thiols
JP3225361B2 (ja) 芳香族フッ素化合物の製造方法、及びその原料となる含フッ素ベンゼンスルフィン酸誘導体
JPH0674250B2 (ja) チオカルバメ−ト誘導体の製法
JPH082864B2 (ja) 4―ハロゲノチオフェノールの製造方法
JPH05186418A (ja) ハロゲノチオフェノールの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040709

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041005