JP3641836B2 - (ペルフルオロアルコキシ)ビフェニルジアゾニウム化合物及びその製造中間体並びにペルフルオロアルキル化方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は各種の有機化合物のペルフルオロアルキル化に有用な新規な(ペルフロオロアルコキシ)ビフェニルジアゾニウム化合物、その中間体および有機化合物のペルフルオロアルキル化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機化合物のペルフロオロアルキル化方法として、例えばフェノール化合物をトリフルオロメチル化して(トリフルオロメチル)フェニルエーテル化合物を合成する方法としては、
(1) フェノール化合物をメチル化して、メチルフェニルエーテル化合物とした後、選択的に側鎖の塩素化を行なって(トリクロロメチル)フェニルエーテル化合物とし、続いて触媒(五塩化アンチモン)の存在下、フッ化水素でハロゲン交換反応を行なう方法[アンゲバンテ・ヘミー・インターナショナル・エディション・イングリッシュ(Angew.Chem.Int.Ed.Engl.),16巻,735ページ(1977)参照。]、
(2) フェノール化合物を過剰の四塩化炭素およびフッ化水素とオートクレーブ中、高温で加熱する方法[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.),44巻,2907ページ(1979)参照。]、
(3) フェノール化合物を(CF3)2S(OCF3)2と反応させる方法[インオーガニック・ケミストリー(Inorg.Chem.),17巻,2173ページ(1978)参照。]、
(4) フェノールをチオホスゲンと反応させてフェニルチオクロロギ酸エステル(C6H5OCSCl)に誘導した後、六フッ化モリブデン(MoF6)で処理する方法[フレンチ・デマンデ(Fr.Demande)2,214,674(1974): ケミカル・アブストラクト(Chem.Abstr.),82巻,155,757(1975)参照。]、並びに
(5) フェノールを二硫化炭素および沃化メチルと反応させて、フェニルキサンテート(C6H5OCSSCH3)とし、続いて、これにフッ化水素−ピリジン混合物と1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインとを作用させる方法[テトラヘドロン・レター(Tetrahedron Lett.),33巻,4173ページ(1992)参照。]が知られている。
【0003】
また、スルホン酸から誘導される(トリフルオロメチル)スルホナート化合物として(トリフルオロメチル)トリフルオロメタンスルホナートを合成する方法は、
(6) トリフルオロメタンスルホン酸を低温で電気分解して得られる過酸化物(CF3SO2OOSO2CF3)を分解する方法[インオーガニック・ケミストリー(Inorg.Chem.),4巻,1010ページ(1965)参照。]、
(7) トリフルオロメタンスルホン酸とフルオロスルホン酸との混合物を加熱する方法[シンセシス(Synthesis),1976年,319ページ及びインオーガニック・アンド・ニュークリア・ケミストリー・レターズ(Inorg.Nucl.Chem.Letters),16巻,195ページ(1980)参照。]、
(8) トリフルオロメタンスルホン酸に酸化銀又は硝酸銀を作用させて得られるトリフルオロメタンスルホン酸銀と沃化トリフルオロメタンとをオートクレーブ中、高温で反応させる方法[テトラヘドロン・レター(Tetrahedron Lett.),40巻,3865ページ(1979)参照。]、
(9) トリフルオロメタンスルホン酸に、2−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニルとフッ素ガスを反応させて得られるS−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホナート、又はその3,7−ジニトロ誘導体を加熱する方法[ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)、115巻、2156ページ(1993)参照。]が知られている。
【0004】
また、アルキルアルコールをトリフルオロメチル化してアルキル(トリフルオロメチル)エーテルを合成する方法としては、
(10) メタノール又はエタノール中、−75℃でヒドロキシルアミンとトリフルオロニトロソメタンを反応させて生成したトリフルオロメタンジアゾヒドロキシドを−50〜−55℃で分解させてメチル又はエチル(トリフルオロメチル)エーテルを得る方法[ジャーナル・オブ・ジェネラル・ケミストリー(J.General Chem.)USSR、38巻、685ページ(1968)参照。]が知られている。
また、アルキル(トリフルオロメチル)エーテルの合成法として、
(11)アルキルトリフルオロメタンスルホナート又は活性化されたアルキルブロミドにトリス(ジメチルアミノ)スルホニウムトリフルオロメトキシド[ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)、107巻、4565ページ(1985)参照。]を作用させる方法[ジャーナル・オブ・カルボハイドラート・ケミストリー(J.Carbohydrate Chem.)、4巻、545ページ(1985)及び日本化学会第67春季年会講演予稿集II、3 C2 34、767ページ(1994年)参照。]が知られている。
【0005】
しかしながら、従来法の(1)、(4)、及び(5)は、多段階の反応工程を必要とし、かつ毒性の強い塩素ガス、フッ化水素、チオホスゲン、六フッ化モリブデン、二硫化炭素等を用いなければならないこと、(2)は、毒性の強いフッ化水素を用いた高温、高圧の反応条件を必要とする上に、(トリフルオロメチル)フェニルエーテル自身の収率が低いこと(10%)、(3)では、用いる(CF3)2S(OCF3)2の合成が極めてやっかいで、かつその合成には毒性の強い物質(フッ素ガス、塩素ガス、フルオロホスゲン等)を取り扱わなければならないこと、(6)では、用いるスルホン酸が限定される上、爆発の危険性の高い過酸化物を、注意深く制御しながら、分解させなければならないこと、さらに反応条件に限定を受ける低温での電気分解を用いなければならないこと、(7)では用いるスルホン酸が限定される上に、目的物の収率が非常に低く、多くの副生成物が生成して分離が困難なこと、また、超強酸性条件下高温で長時間の反応時間を必要とすること、(8)では高価な銀塩を用いなければならないこと、(9)では毒性の強いフッ素ガスを用いなければならない上に、スルホン酸が超強酸に限られること等の重大な欠陥がある。このため、これらの従来法は汎用で有用なトリフルオロメチル化合物の合成法とはなり得ない。
また、従来法の(10)では、非常に毒性の強いガスであるトリフルオロニトロソメタンを使用しなくてはならないこと、また不安定な中間体であるトリフルオロメタンジアゾヒドロキシドの分解反応を用いるので反応の制御が困難であること等の問題がある。さらにこの反応は溶媒分子との反応であるため、適用範囲が極めて狭く汎用のトリフルオロメチル化法とは言いがたい。
(11)の方法は、目的とする(トリフルオロメチル)エーテル化合物の他に、かなりのモノフッ化物が副生するため、分離・精製に問題がある。また、(11)の方法で用いられるトリス(ジメチルアミノ)スルホニウムトリフルオロメトキシドは、毒性の強いフルオロホスゲンを原料として合成しなくてはならない。よって、(11)の方法はトリフルオロメチル化合物の有用な製造方法とは言いがたい。
【0006】
一方、有用なトリフルオロメチル化剤としてS−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩及びその類縁化合物が発表されているが[ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.),115巻,2156ページ(1993)及び特開平3−197479号参照。]、これをフェノール化合物のトリフルオロメチル化に用いると、収率が非常に低いという欠点がある(後記比較例1参照)。
なお、炭素数2個以上のペルフルオロアルキル化剤として、(ペルフルオロアルキル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート(FITS試薬)及びその類縁体が知られているが、通常、フェノールと反応させても(ペルフルオロアルキル)フェニルエーテルは得られず、核置換が起きてo−及びp−(ペルフルオロアルキル)フェノールの混合物が得られる[ケミストリー・レター(Chem.Lett.),1981年,1663ページ参照。]。従って(ペルフルオロアルキル)フェニルエーテルの製法とはなり得ないという重大な欠陥がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題および課題を解決するための手段】
本発明者らは以上に述べた如き従来の方法の問題点を解決すべく、新しい発想で鋭意研究を重ねた結果、合成が容易でかつ各種の有機化合物のペルフルオロアルキル化を効率よく達成できる、全く新規な化合物およびそれらの製造中間体を見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】
すなわち本発明は一般式:
【化4】
(式中、Rfは炭素数1〜10のペルフルオロアルキル基であり、R1、R2、R3およびR4は独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基から成るジアルキルアミノ基、又は炭素数6〜16のアリール基であり、X-はブレンステッド酸の共役塩基である。)
で表わされる新規な(ペルフルオロアルコキシ)ビフェニルジアゾニウム塩を要旨とする。
【0009】
本発明はまた、一般式
【化5】
(式中、Rfは炭素数1〜10のペルフルオロアルキル基であり、R1、R2、R3およびR4は独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基から成るジアルキルアミノ基、又は炭素数6〜16のアリール基である。)
で表わされる新規な(ペルフルオロアルコキシ)ビフェニルジアゾニウムスルホナート、をも要旨とする。
【0010】
本発明はさらに一般式(I)または(II)によって表される上記化合物の中間体である一般式:
【化6】
(式中、Rfは炭素数1〜10のペルフルオロアルキル基であり、Rはニトロ基又はアミノ基であり、R1、R2、R3およびR4は独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基から成るジアルキルアミノ基、又は炭素数6〜16のアリール基である。)
で表わされる新規な(ペルフルオロアルコキシ)ビフェニル化合物をも要旨とする。
【0011】
前記一般式(I)で表わされる(ペルフルオロアルコキシ)ビフェニルジアゾニウム塩及び前記一般式(II)で表わされる(ペルフルオロアルコキシ)ビフェニルジアゾニウムスルホナートは、有機合成化学分野において、各種の有機化合物にペルフルオロアルキル基を導入するための試剤(以下「ペルフルオロアルキル化剤」という)として有用であり、特に、有機化合物中の酸素原子に対するペルフルオロアルキル化剤として有用なものである。以下本発明を詳細に説明する。
【0012】
前記一般式(I)、(II)及び(III)で表わされる本発明の化合物のR1〜R4の炭素数1〜4のアルキル基としては、CH3、C2H5、CH2CH2CH3、CH(CH3)2、CH2(CH2)2CH3、CH2CH(CH3)2、C(CH3)3等の直鎖又は分岐状のアルキル基があげられ、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、CH3O、C2H5O、CH3CH2CH2O、(CH3)2CHO、CH3(CH2)2CH2O、(CH3)2CHCH2O、(CH3)3CO等の直鎖又は分岐状のアルコキシ基があげられ、炭素数1〜4のアルキル基から成るジアルキルアミノ基としては、(CH3)2N、(C2H5)2N、(CH3CH2CH2)2N、(CH3CH2CH2CH2)2N、(CH3CH2CH2CH2)(CH3)N、(CH3)2CH(CH3)N等の直鎖又は分岐状のアルキル基から成るジアルキルアミノ基があげられ、炭素数6〜16のアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ブチルフェニル基、ハロフェニル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、(トリフルオロメトキシ)フェニル基、(ペルフルオロエトキシ)フェニル基、(ペルフルオロブトキシ)フェニル基、(ペルフルオロオクチルオキシ)フェニル基、(ペルフルオロデシルオキシ)フェニル基等のアリール基があげられる。
【0013】
前記一般式(I)で表わされる本発明の化合物のX-はブレンステッド酸の共役塩基であり、例えば、
【化7】
等のブレンステッド酸の共役塩基を例示することができる。
【0014】
前記一般式(I)で表わされる本発明の化合物は、例えば下記の反応式iに示す工程に従って製造することができる。
【化8】
(式中、Rf、R1、R2、R3、R4、およびX-は前記に同じであり、HXはブレンステッド酸であり、A及びA’は独立に臭素原子又は沃素原子であり、Mは金属原子である。)
【0015】
[i−1工程]
本工程は、前記一般式(IV)のニトロ化合物と前記一般式(V)のペルフルオロアルコキシ化合物とを銅の存在下、反応させて前記一般式(III−1)のニトロビフェニル化合物を製造するものである。
本工程で用いられる式(IV)で表わされるニトロ化合物はそれ自体既知で工業的に入手容易な化合物であり、又は該既知の化合物の製造と同様にして容易に製造される化合物である。このような化合物として例えば、
【化9】
【化10】
等を例示できる。
また、前記一般式(V)で表わされるペルフルオロアルコキシ化合物は、それ自体既知で工業的に入手容易な化合物であり、又は該既知の化合物の製造と同様にして製造される化合物である。例えば、
【化11】
【化12】
等が例示される。
【0016】
本工程は、溶媒を用いずに反応を行なうことができる。また、通常の溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、イソプロピルベンゼン、イソプロピルトルエン、ニトロベンゼン等の芳香族化合物、スルホラン、ジメチルスルホラン、ジメチルホルムアミド、ピリジン、ルチジン等の極性溶媒等を用いて反応を行なうこともできる。
反応温度は、一般に100℃〜250℃の範囲内から選ぶことができるが、収率よく反応を進行させるためには、150℃〜220℃の範囲で行なうのが好ましい。
式(IV)のニトロ化合物に対する式(V)のペルフルオロアルコキシ化合物の使用量は、通常、式(IV)の化合物1モルに対して式(V)のペルフルオロアルコキシ化合物を0.5〜2モル、特に、0.8〜1.5モルの範囲内で用いるのが適当である。
また、銅は一般に銅粉を用いるが好ましく、その使用量は、式(IV)のニトロ化合物1モルに対し、1〜10グラム原子、特に、2〜7グラム原子の範囲内で用いるのが適当である。
【0017】
[i−2工程]
本工程は、i−1工程で得られる前記一般式(III−1)で表わされるニトロビフェニル化合物を還元剤を用いて還元し、前記一般式(III−2)で表わされるアミノビフェニル化合物を製造するものである。
【0018】
本工程で用いる還元剤としては、ニトロ基の還元剤として通常用いられるSn/HCl等の還元剤を用いることができる。反応を収率よく行なうためには溶媒を用いるのが好ましく、たとえば、メタノール、エタノール等のアルコール溶媒が好ましい。
還元剤の使用量は、原料のニトロビフェニル化合物が消費される量を適宜選択する。反応温度は、一般に室温から150℃の範囲から選ぶことができるが、収率よく反応を進行させるためには、50℃〜100℃で行なうのが好ましい。
【0019】
[i−3工程]
本工程はi−2工程から得られる前記一般式(III−2)で表わされるアミノビフェニル化合物を前記一般式(VI)で表わされるニトロソ化合物と、又は前記一般式(VII)のMNO2/HXで表される亜硝酸金属塩/ブレンステッド酸と反応させることによって前記一般式(I)で表わされる(ペルフルオロアルコキシ)ビフェニルジアゾニウム塩を製造するものである。
【0020】
本工程で用いられる一般式(VI)で表わされるニトロソ化合物は工業的に入手容易な化合物であり、又は、該既知の化合物の製造と同様にして、容易に製造される化合物である。たとえば、BF4NO、AsF6NO、PF6NO、SbF6NO、SbF4NO、AsF4NO、AlCl4NO、SbF5ClNO、FNO、ClNO、BrNO、INO、HOSO2ONO、FSO2ONO、ClSO2ONO、CH3SO2ONO、CH3OSO2ONO、CF3SO2ONO、C6H5SO2ONO、C4F9SO2ONO、CF3COONO等を例示することができる。
本工程で用いる一般式(VI)で表わされるニトロソ化合物の使用量は、一般式(III−2)で表わされるアミノビフェニル化合物1モルに対して、通常、0.8〜2モル、好ましくは0.9〜1.5モルの範囲内で用いる。
ニトロソ化合物との反応は、溶媒を用いるのが好ましく、溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素等を用いるのが特に好ましい。
ニトロソ化合物との反応温度は、一般に−100℃〜50℃の範囲から選ぶことができるが、収率よく反応を進行させるためには、−80℃〜室温の範囲で行なうのが好ましい。
また、本工程で用いられる前記一般式(VII)のMNO2/HXで表される亜硝酸金属塩/ブレンステッド酸は、通常、芳香族アミノ化合物をジアゾ化するために用いられる反応試剤であり、MNO2/HXとしては、例えばNaNO2/HCl、KNO2/HCl、NaNO2/HBF4、KNO2/HBF4、NaNO2/HPF6、NaNO2/H2SO4等が好適に用いられる。反応は溶媒を用いるのが好ましく、溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール等の極性溶媒又はこれらの混合物を用いるのが好ましい。反応温度は−20℃〜+20℃、好ましくは−10℃〜+10℃である。一般的な反応操作としては、用いる溶媒に前記一般式(VII)のブレンステッド酸であるHXと前記一般式(III−2)で表されるアミノビフェニル化合物を溶解させた後、その混合液に前記一般式(VII)の亜硝酸金属塩であるMNO2を加える。前記一般式(III−2)の化合物1モルに対して、前記のHXの使用量は、通常、等モル又は等モル以上であり、また、前記のMNO2の使用量は0.8モル〜5モル、好ましくは0.9モル〜2モルである。
【0021】
前記一般式(II)で表わされる(ペルフルオロアルコキシ)ビフェニルジアゾニウムスルホナートは、例えば、下記に反応式iiに示す工程に従って製造することができる。
【化13】
(式中、R1、R2、R3、R4、RfおよびX-は前に定義した通りである。)
【0022】
[ii工程]
本工程は、前記一般式(I)の(ペルフルオロアルコキシ)ビフェニルジアゾニウム塩をスルホン化剤と反応させて前記一般式(II)で表わされる(ペルフルオロアルコキシ)ビフェニルジアゾニウムスルホナートを製造するものである。
【0023】
本工程で用いるスルホン化剤としては、例えば、発煙硫酸が好適に用いられる。スルホン化剤の使用量は、前記一般式(I)の(ペルフルオロアルコキシ)ビフェニルジアゾニウム塩が消費される量を適宜選択する。
本反応を行なうに当っては、溶媒を用いる必要は必らずしもないが、反応を温和に進行させるためには、硫酸、クロロ硫酸、フロロ硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸等を用いてもよい。
反応温度は、−30℃〜+50℃の範囲から選ぶことができるが、収率よく反応を進行させるためには、−10℃〜室温の範囲で行なうのが好ましい。
【0024】
前記一般式(III−1)で表わされるニトロビフェニル化合物の中で、R1がアルコキシ基又はジアルキルアミノ基である場合は、例えば、下記の反応式iiiに示す工程に従っても製造することができる。
【化14】
(式中、R2、R3、R4及びMは前記と同じであり、R5はフッ素原子又は塩素原子であり、R6、R7及びR8は同一の又は異なった炭素数1〜4のアルキル基であり、R9はR6O基又はR7R8N基である。)
【0025】
[iii工程]
本工程は、前記一般式(III−3)のハロニトロビフェニル化合物を、前記一般式(VIII)で表わされるアルコキシド化合物又は前記一般式(IX)で表わされるアミン化合物と反応させることによって前記一般式(III−4)で表わされるニトロビフェニル化合物を製造するものである。
【0026】
本工程で用いられる前記一般式(III−3)のハロニトロビフェニル化合物は、前述した[i−1]工程で製造されるものであり、例えば、
【化15】
等が例示される。
【0027】
前記一般式(VIII)で表わされるアルコキシド化合物としては、例えば、CH3ONa、CH3OK、CH3OLi、C2H5ONa、C2H5OK、CH3CH2CH2ONa、(CH3)2CHONa、CH3(CH2)2CH2ONa、(CH3)2CHCH2ONa、(CH3)3CONa、(CH3)3COK等を例示することができる。アルコールR6OH(R6は前記と同じ)に水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の塩基を作用させることにより、容易に前記一般式(VIII)で表わされるアルコキシド化合物を発生させることができる。
【0028】
また、前記一般式(IX)で表わされるアミン化合物としては、(CH3)2NH、(C2H5)2NH、(CH3CH2CH2)2NH、[CH3(CH2)2CH2]2NH、(CH3)(C2H5)NH、[(CH3)2CH](CH3)NH、[CH3(CH2)2CH2](C2H5)NH、[(CH3)2CHCH2](C3H7)NH等を例示することができる。
【0029】
本工程で用いる一般式(VIII)で表わされるアルコキシド化合物の使用量は、通常、一般式(III−3)で表わされるハロニトロビフェニル化合物1モルに対して、0.8モル〜10モル、経済的かつ収率の観点からは1モル〜2モルが好ましい。
また、一般式(IX)で表わされるアミン化合物の使用量は、通常、一般式(III−3)で表わされるハロニトロビフェニル化合物1モルに対して、0.8モル〜10モル、経済的かつ収率の観点からは1モル〜5モルが好ましい。反応温度は0〜200℃、好ましくは室温〜150℃である。
本工程は、必ずしも溶媒を必要とはしないが、反応効率の点から溶媒を用いるのが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール、ピリジン、ルチジン、コリジン等のピリジン化合物、水、又はこれらの混合物等の溶媒を用いることができる。前記一般式(VIII)で表わされるアルコキシド化合物を用いる場合は、収率よく反応を進行させるためには、アルコキシド化合物(R6OM)の共役酸であるアルコール(R6OH)を溶媒として用いるのが好ましい。
【0030】
前記一般式(III−1)で表わされるニトロビフェニル化合物のうち、R4がハロゲン原子である場合は、例えば、下記の反応式ivによっても製造することができる。
【化16】
(式中、Rf、R1、R2およびR3は前記と同じであり、R10はハロゲン原子である。)
【0031】
[iv工程]
本工程は、前記一般式(III−5)で表わされる化合物をハロゲン化剤でハロゲン化することによって、前記一般式(III−6)で表わされるハロゲン化されたニトロビフェニル化合物を製造するものである。
【0032】
前記一般式(III−5)で表わされる化合物は、前述の[i−1工程]によって製造されるものであり、例えば、
【化17】
等を例示することができる。
【0033】
本工程で用いられるハロゲン化剤は、芳香核をハロゲン化するために、通常、有機合成化学で用いられるハロゲン化剤を挙げることができ、工業的に入手容易である。例えば、Cl2/Fe、Br2/Fe、I2/SO3−H2SO4を代表例として示すことができ、また、特に、フッ素化剤としては、N−フルオロピリジニウム塩、N−フルオロ−3,5−ジクロロピリジニウム塩、N−フルオロ−2,6−ジクロロピリジニウム塩、N−フルオロペンタクロロピリジニウム塩、N−クロロメチル−N−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシク[2.2.2]オクタン塩等が例示できる。ハロゲン化剤の使用量は、その種類により異なるので一概には言えないが、原料である前記一般式(III−5)の化合物が消費される量を適宜選択すればよい。
本反応は必ずしも溶媒を用いなくてもよいが、用いる場合は、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン等のハロゲン化溶媒、アセトニトリルやプロピオニトリル等のニトリル溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール溶媒、硫酸等を用いることができる。反応温度は、ハロゲン化剤及び反応条件によって異なるので、一概には言えないが、0℃〜200℃の範囲内で選ぶことができる。
【0034】
前記一般式(III−1)で表わされるニトロビフェニル化合物のうち、R4が炭素数1〜4のアルコキシ基である場合は、例えば、下記の反応式vによっても製造することができる。
【化18】
(式中、R1、R2、R3、R6、R10、MおよびRfは前に定義した通りである。)
【0035】
[v工程]
本工程は、触媒の存在下、又は非存在下に、前記一般式(III−6)で表わされるハロゲン化されたニトロビフェニル化合物を前記一般式(VIII)で表わされるアルコキシド化合物と反応させることによって、前記一般式(III−7)で表わされるアルコキシニトロビフェニル化合物を製造するものである。
【0036】
本工程で用いられる前記一般式(III−6)の化合物は、前述の[i−1工程]、[iii工程]、又は[iv工程]によって製造される。また、本工程で用いられる前記一般式(VIII)で表されるアルコキシド化合物は、[iii工程]で前述した通り、工業的に入手容易な化合物である。必要により、本工程で用いられる触媒は、代表例として銅粉や沃化銅、臭化銅等の銅塩を挙げることができる。
【0037】
前記一般式(VIII)で表わされるアルコキシド化合物の使用量は、通常、前記一般式(III−6)の化合物1モルに対して、0.8モル〜10モル、経済的かつ収率の観点から1〜5モルが好ましい。また、本工程で用いられる触媒の量は、いわゆる触媒量でもよいが、反応を効率と収率よく進行させるためには、前記一般式(III−6)の化合物1モルに対して、0.3〜2モル、好ましくは、0.5〜1.5モルである。
本反応は溶媒中で行なうのが好ましく、好適な溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール溶媒、ピリジン、ルチジン、コリジン等のピリジン溶媒、又はこれらの混合物等を例示することができる。収率よく前記一般式(III−7)の化合物を得るためには、アルコール溶媒の選択に当って、用いる前記一般式(VIII)のアルコキシド化合物(R6OM)の共役酸であるアルコール(R6OH)を選択するのが望ましい。反応温度は、室温〜200℃の範囲内を選ぶことができるが、収率よく反応を進行させるためには、50℃〜180℃の範囲が好ましい。
【0038】
前記一般式(III−2)で表わされるアミノビフェニル化合物は、次の反応式viに示す工程に従っても製造することができる。
【化19】
(式中、R1、R2、R3、R4、Rf及びAは前記と同じ)
【0039】
[vi工程]
本工程は、触媒の存在下に、前記一般式(X)で表わされるアニリン化合物と前記一般式(XI)で表わされるホウ酸化合物とを反応させて、前記一般式(III−2)で表わされるアミノビフェニル化合物を製造するものである。
【0040】
本工程で用いられる前記一般式(X)のアニリン化合物は工業的に入手容易な化合物であり、又は、該既知化合物の製造と同様にして容易に製造される化合物である。例えば、
【化20】
等を例示することができる。
【0041】
また、本工程で用いられる前記一般式(XI)で表わされるホウ酸化合物は、通常のホウ酸化合物の製造法[例えば、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.),82巻,3053ページ(1960)参照。]と同様にして容易に製造される化合物であり、例えば、
【化21】
等を例示することができる。
【0042】
本工程で用いられる触媒としては、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス[1,2−ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタン]パラジウム(0)等の0価のパラジウム錯体が好適に用いられる。
本工程で用いられる前記一般式(XI)で表わされるホウ酸化合物の使用量は、前記一般式(X)で表わされるアニリン化合物1モルに対して、通常、0.8〜5モル、経済的かつ収率よく反応を進行させるためには、1〜3モルが好ましい。また、本工程で用いられる触媒の使用量は、いわゆる触媒量で十分であるが、反応を収率よくかつ経済的に行なうには、前記一般式(X)で表わされるアニリン化合物1モルに対して、0.01モル〜0.3モル、好ましくは0.02モル〜0.2モルを使用する。
本工程は溶媒を用いるのが好ましく、溶媒としては例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノール等のアルコール;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類、又は、これらの混合溶媒が例示される。反応温度は40℃〜200℃の範囲内で行なうことができるが、収率よく反応を進行させるためには、60℃〜150℃が好ましい。
また、本工程は、反応条件を温和にするために中和剤として塩基の存在下に行ってもよい。塩基としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基;ピリジン、ピコリン、ルチジン、コリジン、トリエチルアミン、ブチルアミン等の有機塩基が好適に用いられる。塩基の使用量は、前記一般式(XI)で表されるホウ酸化合物1モルに対して0.4モル〜5モル、好ましくは、0.5モル〜2モルである。
【0043】
前記一般式(I)で表わされる(ペルフルオロアルコキシ)ビフェニルジアゾニウム塩は、下記の反応式viiに従っても製造される。
【化22】
[式中、Rf、R1、R2、R3、R4およびX-は前記と同じであり、(X')-はX-とは異なるブレンステッド酸の共役塩基であり、Yは水素原子、アルカリ金属原子又は四級アンモニウム残基である。]
【0044】
[vii工程]
本工程は、前記一般式(I−1)で表わされるジアゾニウム塩に、前記一般式(XII)で表わされる化合物を作用させることによって、対陰イオン交換反応を起こさせるものである。
【0045】
本工程で用いられる前記一般式(I−1)のジアゾニウム塩は、前述の[i−3工程]によって製造されるものであり、例えば、
【化23】
【化24】
等を例示することができる。
【0046】
本工程で用いられる前記一般式(XII)の化合物は、工業的に入手容易な化合物であり、例えば、H2SO4、ClSO3H、CF3SO3H、HBF4、HSbF6、HCl、NaBF4、KBF4、LiBF4、CeBF4、NaSbF6、(CH3)4NBF4、(C4H9)4NBF4、(C6H5CH2)(CH3)3NBF4、NaPF6、NaAsF6、NaOSO2CF3、NaOSO2C4F9、NaOSO2C8F17、NaOSO2CH2CF3、NaCl、NaBr、(C4H9)4NF、(CH3)4NCl、(C2H5)4NBr、(C4H9)4NBr、(C4H9)4NI、NaOCOCF3、(C6H5CH2)(C2H5)3NOSO2CH3等を例示することができる。また、前記一般式(XII)の化合物の使用量は、前記一般式(I−1)の化合物1モルに対し、0.8モルから大過剰の範囲内で選ぶことができるが、経済的及び収率の点から1モル〜10モルが好ましい。
本工程の反応は必らずしも溶媒を必要としないが、前記一般式(XII)の化合物が固体である場合は、溶媒を用いるのが好ましく、たとえば、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化溶媒等が好適に用いられる。反応温度は−30℃〜+50℃の範囲内で選ぶことができるが、収率よく反応を進行させるためには、0℃〜室温が好ましい。
【0047】
本発明は一般式(I)または(II)によって表される化合物をペルフルオロアルキル化剤として用いる有機化合物のペルフルオロアルキル化方法をも要旨とする。
有機化合物としてはアルコール類、フェノール類、スルホン酸類、硫酸モノエステル類、カルボン酸類、又は、これらの塩類等を挙げることができる。
【0048】
本発明によるペルフルオロアルキル化は以下のようにして行う。ペルフルオロアルキル化剤1モルに対して、有機化合物の使用量は0.2モルから大過剰であるが、経済性及び収率の点から0.5モル〜10モルが好ましい。用いる有機化合物が液体の場合は、溶媒を兼ねることができるが、反応混合物が液体とならない場合は溶媒を用いるのが好ましい。用いる溶媒は、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロトリフルオロエタン等のハロゲン化アルカン;ベンゼン、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、トルエン、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル等の芳香化合物;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、スルホラン、ニトロメタン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等を例示することができる。
用いる有機化合物が酸の場合、又は、本発明のペルフルオロアルキル化剤を用いて有機化合物をペルフルオロアルキル化した際に酸が生成する場合は、酸を中和することができる塩基の存在下に反応を行ってもよい。塩基としては、通常の化学反応に用いられる塩基が挙げられるが、中でも、ピリジン、ピコリン、ルチジン、コリジン、ジブチルピリジン、ジ−t−ブチルピリジン、クロロピリジン、フルオロピリジン、ジクロロピリジン等のピリジン又はその誘導体;アンモニア、メチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のアミン;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の金属水酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム等の金属水素化物;水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の水酸化アンモニウム化合物等が好ましく用いられる。
【0049】
本発明によるペルフルオロアルキル化反応は、光の照射下、又は、非照射下で行われる。光照射のための光源としては、活性な180〜400nmの波長の光を少なくとも含む光を発する低圧又は高圧水銀灯、白熱灯等の一般に光化学反応において用いられる光源を用いることができる。反応温度は、光照射下の場合は、−100℃〜+60℃、好ましくは、−80℃〜+40℃の範囲であり、光の非照射下の場合は、−10℃〜+200℃、好ましくは、室温〜+150℃の範囲である。
【0050】
また、本発明の前記一般式(I)で表される(ペルフルオロアルコキシ)ビフェニルジアゾニウム塩のX-部分がスルホン酸陰イオン、硫酸モノエステル陰イオン、又は、カルボン酸陰イオンの場合は、X-部分が有機化合物としてのスルホン酸類、硫酸モノエステル類、又はカルボン酸類とみなすことができる。この場合、本発明の(ペルフルオロアルコキシ)ビフェニルジアゾニウム塩を加熱、又は、光照射することにより、X-部分であるスルホン酸陰イオン、硫酸モノエステル陰イオン、又は、カルボン酸陰イオンのペルフルオロアルキル化反応を起こさせて、(ペルフルオロアルキル)スルホン酸エステル、(ペルフルオロアルキル)硫酸エステル、又は、(ペルフルオロアルキル)カルボン酸エステルを得ることができる(後記実施例56参照)。この場合のペルフルオロアルキル化反応では溶媒を用いなくてもよいが、温和な条件下で反応を起こさせるには溶媒を用いることが好ましい。用いる溶媒は前述の溶媒を例示することができ、また、光照射下の場合の光源及び反応温度も前述と同様である。
【0051】
【実施例】
実施例1
【化25】
【0052】
アルゴン雰囲気下、ジムロート冷却管を取り付けた反応容器に2−(トリフルオロメトキシ)ヨードベンゼン36.0g(125mmol)、2−ブロモニトロベンゼン20.2g(100mmol)、銅粉[アルドリッチ(Aldrich)社 カッパー・ブロンズ(Copper bronze)使用]20g(314ミリグラム原子)を入れた。反応容器を190℃の油浴につけ、撹拌下3時間加熱、放冷後、反応混合物にジエチルエーテルを加えてからセライトを用いて瀘過し、銅粉を取り除いた。
瀘過液を濃縮して得られる油状物を、酢酸エチル:ヘキサン(1:5)を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的とする2−ニトロ−2'−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル17.8g(収率63%)を得た。物性値は表1に示した。
【0053】
実施例2
【化26】
【0054】
2−(トリフルオロメトキシ)ヨードベンゼン90g(0.31mol)、2−ブロモ−4−フルオロニトロベンゼン55g(0.25mol)、銅粉80g(1.26グラム原子)を実施例1と同様に反応させた後、実施例1と同様にシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製することにより、目的とする5−フルオロ−2−ニトロ−2'−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル43.9g(収率61%)を得た。物性値は表1に示した。
【0055】
実施例3
【化27】
【0056】
2−(トリフルオロメトキシ)ヨードベンゼン12.6g(44mmol)、2−ブロモ−5−t−ブチルニトロベンゼン10.0g(39mmol)、銅粉8g(126ミリグラム原子)を実施例1と同様に反応させた後、実施例1と同様にシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製することにより、目的とする4−t−ブチル−2−ニトロ−2'−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル5.3g(収率40%)を得た。物性値は表1に示した。
【0057】
実施例4
【化28】
【0058】
アルゴン雰囲気下、ナトリウムメトキシド2.85g(53mmol)をメタノール60mlに懸濁し、これに5−フルオロ−2−ニトロ−2'−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル4.51g(15mmol)のメタノール(30ml)溶液を加えた。反応混合物を6時間加熱還流後、放冷し、水中に注ぎ、これをジエチルエーテルを用い抽出した。有機層を水洗後飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤を瀘去した後、瀘液を減圧下濃縮し、目的とする5−メトキシ−2−ニトロ−2'−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル4.66g(粗収率99%)を得た。この粗結晶は、酢酸エチル:ヘキサン(1:10)を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。精製後の収率は93%であった。物性値は表2に示した。
【0059】
実施例5
【化29】
【0060】
5−フルオロ−2−ニトロ−2'−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル0.60g(2mmol)のエタノール4ml溶液中にジメチルアミン水溶液(50%)0.63ml(6mmol)を加え、室温で24時間撹拌した。反応液に水を加えてから、塩化メチレンで抽出し、有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を瀘去し、瀘液を減圧下濃縮した。
得られた残渣を、展開溶媒に酢酸エチル:ヘキサン(1:5)を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的とする5−ジメチルアミノ−2−ニトロ−2'−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル0.62g(収率95%)を得た。物性値は表2に示した。
【0061】
実施例6
【化30】
【0062】
アルゴン雰囲気下、ドライアイス−アセトンを入れた冷却管を取りつけた反応容器に、2−ニトロ−2'−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル15.0g(53mmol)と鉄粉0.5gを入れ140℃に加熱した。これに臭素12.7g(80mmol)を一度に加え、そのまま20分間加熱した後、放冷した。
反応混合物にジエチルエーテルを加えた後、6N塩酸で洗浄し、引続き、水、10%チオ硫酸水素ナトリウム、および飽和食塩水で順次洗浄し、最後に無水硫酸ナトリウムで乾燥、乾燥剤を瀘去後、減圧下濃縮し、2−ニトロ−5'−ブロモ−2'−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル17.1g(粗収率89%)得た。精製は酢酸エチル:ヘキサン(1:10)を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより行なった。物性値は表2に示した。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
実施例7
【化31】
【0066】
2−ニトロ−2'−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル7.1g(25mmol)のエタノール125ml溶液に、濃塩酸50mlとスズ粉6.3gを加えた後、2時間加熱還流した。放冷後、反応液を氷水中にあけ、これを10%水酸化ナトリウム水溶液で中和してから、ジエチルエーテルで数回抽出した。有機層を水、さらに飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤を瀘去し、瀘液を減圧下濃縮することにより、2−アミノ−2'−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル5.94g(収率94%)を得た。物性値は表4に示した。
【0067】
実施例8〜12
実施例7と同様の操作で、表3に示す反応条件下に種々のニトロビフェニル化合物の還元を行ない、アミノビフェニル化合物を得た。反応条件および結果を表2に示した。得られたアミノビフェニル化合物の物性値は表4および5に示した。
【0068】
【表3】
【0069】
実施例13
【化32】
【0070】
アルゴン雰囲気下、モレキュラーシーブ3Aを用いて乾燥しておいたメタノール30mlを入れた反応容器中にナトリウム2.1g(90mmol)を加えて反応液内でナトリウムメトキシドを生成させた。これに、蒸留したコリジン30mlと、減圧下加熱し十分乾燥されたヨウ化第一銅5.8g(30mmol)を加え、撹拌下、2−アミノ−5’−ブロモ−2’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル10.0g(30mmol)のコリジン(50ml)溶液を加えた。反応液を140℃の油浴につけ、このまま21時間加熱還流した。
放冷後反応液に酢酸エチルを加えて希釈した後、セライトを用いて瀘過して不溶物を除き、瀘液の溶媒を留去した。得られた残渣を酢酸エチル:ヘキサン(1:5)を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的とする2−アミノ−5’−メトキシ−2’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル5.8g(収率68%)を得た。物性値は表6に示した。
【0071】
実施例14
【化33】
2,6−ジブロモアニリン6.28g(25.0mmol)、2−(トリフルオロメトキシ)フェニルホウ酸20.6g(100mmol)と炭酸水素ナトリウム8.40g(100mmol)をジメトキシエタン250mlと水25mlの混合溶媒に懸濁させ、アルゴン雰囲気下にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム2.89g(2.5mmol)を加えて、36時間加熱還流した。放冷後、ジエチルエーテルで抽出し、有機層を水洗し、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥して濃縮した。
これをジエチルエーテル:ヘキサン(20:1から10:1)を展開溶媒として、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的とする2,6−ビス[2’−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アニリンを9.43g(91%)得た。物性値は表6に示した。
【0072】
実施例15
【化34】
【0073】
2,6−ジブロモ−4−メチルアニリン3.22g(12.1mmol)、2−(トリフルオロメトキシ)フェニルホウ酸10.0g(48.6mmol)を炭酸水素ナトリウム4.08g(48.6mmol)とジメトキシエタン120mlと水12mlの混合溶媒に懸濁し、アルゴン雰囲気下にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.40g(1.21mmol)を加えて、36時間、加熱還流した。放冷後、ジエチルエーテルで抽出し、有機層を水洗し、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥して、濃縮した。これをジエチルエーテル:ヘキサン(20:1から5:1)を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的とする2,6−ビス[2’−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−4−メチルアニリンを4.81g(93%)得た。物性値は表6に示した。
【0074】
【表4】
【0075】
【表5】
【0076】
【表6】
【0077】
実施例16
【化35】
【0078】
2−アミノ−2'−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル5.06g(20mmol)の塩化メチレン30ml溶液を−35℃に冷却し、ここにニトロソニウムテトラフルオロボラート2.34g(20mmol)を加えた。撹拌下、45分間かけて室温まで昇温し、さらに室温で15分間撹拌した。反応液にジエチルエーテルを加えた後、析出している結晶を濾取した。この粗結晶を、アセトニトリル−ジエチルエーテルを用いて再結晶し、6.03g(収率86%)の2−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−2’−ジアゾニウムテトラフルオロボラートを得た。物性値を表10に示した。
【0079】
実施例17〜31
実施例16と同様の操作で、表7〜9に示すアミノビフェニル化合物とニトロソ化合物を用い、表4に示す反応条件下に反応を行ない種々のビフェニルジアゾニウム塩を得た。反応条件と結果を表7〜9に示した。得られたビフェニルジアゾニウム塩の物性値は表10〜15に示した。
【0080】
【表7】
【0081】
【表8】
【0082】
【表9】
【0083】
実施例32
【化36】
【0084】
アルゴン雰囲気下に、20%発煙硫酸(SO3−H2SO4)3.36mlを反応容器に入れ、氷浴で冷却しながら、2−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−2’−ジアゾニウムトリフルオロメタンスルホナート3.31gを少しづつ加えた。氷浴冷却下で9.5時間撹拌した。
その後、反応容器に冷却管を取り付けた後、氷浴冷却下のまま、反応液に、撹拌しながらジエチルエーテル(約15ml)、メタノール(6.6ml)、続いて多量のジエチルエーテルを加えた。室温で静置した後、下層のオイル層を残して上澄液をデカンテーション法で取り除いた。新しくジエチルエーテルを追加し、撹拌後上澄液を同様にして取り除いた。この操作を数回くり返した。得られた残渣に少量のメタノール、続いて多量のテトラヒドロフランを加えて析出した結晶を瀘別した。白色結晶として2−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−2'−ジアゾニウム−5−スルホナート2.31g(84%)を得た。物性値を表16に示した。
【0085】
実施例33
【化37】
【0086】
ナトリウムトリフルオロメタンスルホナート977mg(5.7mmol)のアセトニトリル10ml溶液を−20℃に冷却し、ここに2−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−2’−ジアゾニウムテトラフルオロボラート2.0g(5.7mmol)を加え、撹拌しながら2時間かけて室温まで昇温した。
反応混合物に塩化メチレンを加えてから、不溶物を吸引濾過により取り除き、瀘液を減圧下濃縮した。残渣はジエチルエーテルで洗浄して結晶化させ、いったん瀘取した後、さらに塩化メチレン−ジエチルエーテルを用いて再結晶により精製した。こうして、2−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−2’−ジアゾニウムトリフルオロメタンスルホナート2.13g(収率90%)を得た。物性値を表16に示した。
【0087】
実施例34
【化38】
2−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−2’−ジアゾニウムテトラフルオロボラート704mg(2mmol)のアセトニトリル4ml溶液に、室温で撹拌しながらナトリウムヘキサフルオロアンチモナート517mg(2mmol)を加え、さらに室温で1時間撹拌した。
反応液内に生じた不溶物を吸引瀘過により取り除き、瀘過液を熱をかけずに減圧下濃縮した。残渣をジエチルエーテルで洗浄した後、塩化メチレンを加え、不溶物を減圧瀘過して取り除いた。瀘液の溶媒を減圧下留去した後、残渣を少量のアセトニトリルと、塩化メチレン−ジエチルエーテルを用いて再結晶により精製し、2−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−2’−ジアゾニウムヘキサフルオロアンチモナート709mg(収率71%)を得た。物性値を表10に示した。
【0088】
【表10】
【0089】
【表11】
【0090】
【表12】
【0091】
【表13】
【0092】
【表14】
【0093】
【表15】
【0094】
【表16】
【0095】
実施例35
以下の実施例は本発明のペルフルオロアルキル化剤を用いて有機化合物をペルフルオロアルキル化する例を示す。
【化39】
【0096】
アルゴン雰囲気下、反応容器にp−トルエンスルホン酸(1水和物)190mg(1mmol)、ピリジン81μl(1mmol)、塩化メチレン4mlを入れ、溶解した。この溶液中に2−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−2’−ジアゾニウムヘキサフルオロアンチモナート501mg(1mmol)を加え、室温で3時間、その後塩化メチレン還流下、3時間撹拌した。
放冷後、反応液に標準物質としてベンゾトリフロリド61μl(0.5mmol)を加えて19F−NMRで定量したところ、目的とするトリフルオロメチルp−トルエンスルホナートが79%の収率で生成していた。生成物の単離は常法に従って行ない、そのスペクトルデータは以下に示す。本生成物は油状体であった。
19F−NMR(CDCl3;内部標準CFCl3):54.4ppm(s).
1H−NMR(CDCl3):7.90(2H,d,J=8Hz),7.43(2H,d,J=8Hz),2.50(3H,s,CH3).
IR(neat):1598,1411,1226,1160,1087,945,814,749,664,572,548cm-1.
Mass(m/e):240(M+).
【0097】
実施例36〜58
本発明の種々のペルフルオロアルキル化剤を用いて実施例35と同様にして種々の有機化合物のペルフルオロアルキル化を行った。それらの反応条件、収率および19F−NMRによる分析の結果を表17〜21にまとめて示す。なお実施例56はペルフルオロアルキル化剤のアニオン部分をペルフルオロアルキル化した例である。
【0098】
【表17】
【0099】
【表18】
【0100】
【表19】
【0101】
【表20】
【0102】
【表21】
【0103】
実施例59
【化40】
パイレックス製の試験管に2−フェニルエチルアルコール0.5mlと2−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−2’−ジアゾニウムヘキサフルオロアンチモナ−ト100mg(0.2mmol)を入れて、この混合物を水浴冷却下に、400Wの高圧水銀灯で1時間照射した。得られた反応混合液を19F−NMRで分析したところ、0.088mmolの2−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−2’−ジアゾニウムヘキサフルオロアンチモナートが未反応で残り、0.044mmolの2−フェニルエチル(トリフルオロメチル)エーテル(変換収率39%)が生成していた。
【0104】
比較例1
【化41】
【0105】
アルゴン雰囲気下、40℃でフェノール1ml中に、S−(トリフルオロメチル)−3,7−ジニトロジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホナート148mg(0.3mmol)を加えた後、撹拌しながら80℃で1.5時間加熱した。
放冷後反応液にアセトニトリルを加えて均一溶液とした後、標準物質としてベンゾトリフロリド18μl(0.15mmol)を加え19F−NMRで定量したところ、目的とする(トリフルオロメチル)フェニルエーテルが13%の収率で生成していた。
【0106】
【発明の効果】
本発明の(ペルフルオロアルコキシ)ビフェニルジアゾニウム塩又は(ペルフルオロアルコキシ)ビフェニルジアゾニウムスルホナートを用いれば、アルコール、フェノール化合物やスルホン酸化合物等の有機化合物を温和な条件下一段階で容易にペルフロオロアルキル化することができる。
Claims (5)
- 請求項1又は2に記載の化合物をペルフルオロアルキル化剤として用いる有機化合物のペルフロオロアルキル化方法。
- 有機化合物がアルコール類、フェノール類、スルホン酸類、硫酸モノエステル類、カルボン酸類、又はこれらの塩類である請求項4に記載の方法。
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