JP3172566B2 - ハロゲン化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)トリアルキルアンモニウム、これを配位子とするパラジウム錯体及びこれを触媒とするフッ化ベンゾイル化合物の製造法 - Google Patents

ハロゲン化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)トリアルキルアンモニウム、これを配位子とするパラジウム錯体及びこれを触媒とするフッ化ベンゾイル化合物の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なハロゲン化(m
−ジフェニルホスフィノベンジル)トリアルキルアンモ
ニウム、これを配位子とするパラジウム錯体、及びこの
パラジウム錯体を触媒として使用するフッ化ベンゾイル
化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種有機合成反応の触媒とし
て使用される多くの遷移金属錯体が報告されており、そ
の中でも、ルテニウム、パラジウム、ロジウム等の遷移
金属に三級ホスフィン化合物を配位させた錯体には、有
機合成の触媒として優れたものが多い。そして、近年、
更にその性能を高めるための研究がなされ、新しい構造
をもつホスフィン化合物が数多く開発されている(例え
ば、Organometallics,1983,11
38〜1144頁)。
【0003】しかしながら、これらの錯体を用いても、
反応基質、反応条件等によっては、必ずしも満足する結
果が得られない場合があった。例えば、有機溶媒に溶解
性の悪い試薬を用いる反応においては、通常、金属錯体
触媒と相間移動触媒を併用するが、この場合、両触媒と
も低濃度であるため、触媒効率が悪いという欠点があっ
た。
【0004】具体的には、各種化合物の合成中間体とし
て有用なフッ化ベンゾイル化合物の合成法として、ヨウ
化ベンゼンにトリフェニルホスフィンを配位子とするパ
ラジウム錯体の存在下で、一酸化炭素とフッ化セシウム
を反応させてカルボニル化する方法が知られているが
(J.Organometallic Chemist
ry,334,1987,205〜211頁)、この方
法は収率の点で工業的方法として満足できるものではな
かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、多
種の有機合成反応、特に、フッ化セシウムのような有機
溶媒に難溶な試薬を用いる反応においても触媒効率の高
い金属錯体触媒を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】斯かる実情において、本
発明者は鋭意研究を行った結果、トリフェニルホスフィ
ンの1つのフェニル基に四級アンモニウムメチルを導入
したハロゲン化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)
トリアルキルアンモニウムを配位子とするパラジウム錯
体が上記目的にかなった触媒効率を有すること、そして
これを触媒として使用すればフッ化ベンゾイル化合物を
工業的有利に製造できることを見出し、本発明を完成し
た。
【0007】すなわち、本発明は、次の一般式(1)
【0008】
【化5】
【0009】(式中、R1 、R2 及びR3 は同一又は異
って、炭素数1〜4のアルキル基を、Xはハロゲン原子
を示す)で表わされるハロゲン化(m−ジフェニルホス
フィノベンジル)トリアルキルアンモニウムを提供する
ものである。
【0010】更に、本発明は、上記(1)式のハロゲン
化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)トリアルキル
アンモニウムを配位子とする次の一般式(2)
【0011】
【化6】
【0012】(式中、R1 、R2 及びR3 は同一又は異
って、炭素数1〜4のアルキル基を、X及びYはハロゲ
ン原子を示す)で表わされるパラジウム錯体を提供する
ものである。
【0013】更にまた、本発明は、上記(2)式のパラ
ジウム錯体を触媒として使用するフッ化ベンゾイル化合
物の製造法を提供するものである。
【0014】一般式(1)及び(2)の化合物におい
て、R1 、R2 及びR3 の炭素数1〜4のアルキル基と
しては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、
n−ブチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等
が挙げられる。
【0015】本発明のハロゲン化(m−ジフェニルホス
フィノベンジル)トリアルキルアンモニウム(1)(以
下、三級ホスフィン化合物と称する)の具体例として
は、臭化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)トリメ
チルアンモニウム、ヨウ化(m−ジフェニルホスフィノ
ベンジル)トリメチルアンモニウム、臭化(m−ジフェ
ニルホスフィノベンジル)ブチルジメチルアンモニウ
ム、ヨウ化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)ブチ
ルジメチルアンモニウム、塩化(m−ジフェニルホスフ
ィノベンジル)ジブチルメチルアンモニウム、臭化(m
−ジフェニルホスフィノベンジル)ジブチルメチルアン
モニウム、塩化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)
トリブチルアンモニウム、臭化(m−ジフェニルホスフ
ィノベンジル)トリブチルアンモニウム、ヨウ化(m−
ジフェニルホスフィノベンジル)トリブチルアンモニウ
ム、臭化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)エチル
ジメチルアンモニウム、臭化(m−ジフェニルホスフィ
ノベンジル)ジメチルプロピルアンモニウム、臭化(m
−ジフェニルホスフィノベンジル)ジブチルエチルアン
モニウム、臭化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)
ジブチルプロピルアンモニウム、ヨウ化(m−ジフェニ
ルホスフィノベンジル)ジエチルメチルアンモニウム、
ヨウ化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)ジエチル
プロピルアンモニウム等を挙げることができる。
【0016】本発明の三級ホスフィン化合物(1)は、
例えば次の方法1又は方法2によって製造される。 方法1:
【0017】
【化7】
【0018】(式中、X′は塩素原子又は臭素原子を示
し、R1 、R2 及びR3 は前記と同じものを示す)
【0019】m−ブロモ安息香酸(5)に塩化チオニ
ル、五塩化リン、塩化オキサリル等のハロゲン化剤を反
応せしめて酸クロリドとした後、二級アミン(11)を
反応せしめてm−ブロモ安息香酸アミド(6)とする。
二級アミンとしてはジメチルアミン、ジエチルアミン、
ジプロピルアミン、ジブチルアミン等が挙げられる。m
−ブロモ安息香酸アミド(6)を水素化リチウムアルミ
ニウム等の還元剤で還元して(m−ブロモベンジル)ジ
アルキルアミン(7)とする。(m−ブロモベンジル)
ジアルキルアミン(7)にブチルリチウムを作用させた
後、塩化ジフェニルホスフィン(12)を反応せしめて
(m−ジフェニルホスフィノベンジル)ジアルキルアミ
ン(8)とする。次いで、(m−ジフェニルホスフィノ
ベンジル)ジアルキルアミン(8)にヨウ化アルキル
(13)を反応せしめればヨウ化(m−ジフェニルホス
フィノベンジル)トリアルキルアンモニウム(1a)が
得られる。更に(1a)に、硫酸及びトリオクチルアミ
ンの存在下、臭化ナトリウム又は塩化ナトリムウを反応
させて、(1a)のヨウ素イオンを臭素イオン又は塩素
イオンに変換すれば(1b)の化合物が得られる。 方法2:
【0020】
【化8】
【0021】(式中、R1 、R2 及びR3 は前記と同じ
ものを示す)
【0022】方法1と同様にして製造した(m−ジフェ
ニルホスフィノベンジル)ジアルキルアミン(8)を過
酸化水素等で酸化してホスフィンオキシド(9)とした
後、ヨウ化アルキル(13)を反応せしめてヨウ化(m
−ジフェニルホスホリルベンジル)トリアルキルアンモ
ニウム(10)となし、これをトリクロロシラン等で還
元してヨウ化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)ト
リアルキルアンモニウム(1a)を得る。
【0023】方法1においては、R3 がブチル基の場合
には、化合物(8)にヨウ化ブチルを反応させると優先
的に四級ホスホニウム塩が生成されるので、方法2によ
って行うのが好ましい。
【0024】本発明のパラジウム錯体(2)は、例えば
次の方法a又は方法bによって製造される。
【0025】
【化9】
【0026】(式中、Qは1,5−シクロオクタジエ
ン、ベンゾニトリル、アセトニトリル、エチレン又は塩
化アンモニウムを示し、R1 、R2 、R3 、X及びYは
前記と同じものを示し、nはQが1,5−シクロオクタ
ジエンのときは1を示し、Qがベンゾニトリル、アセト
ニトリル、エチレン又は塩化アンモニウムのときは2を
示す)
【0027】パラジウム化合物(14)にその2当量の
三級ホスフィン化合物(1)を塩化メチレン等の溶媒中
で反応せしめてパラジウム錯体(2)を製造する。
【0028】パラジウム化合物としては、PdBr
2(1,5−シクロオクタジエン)、PdCl2(1,5
−シクロオクタジエン)、PdI2(1,5−シクロオ
クタジエン)、PdCl2(C65CN)2、PdCl2
(CH3CN)2、PdCl2(C242、PdCl
2(NH4Cl)2等が挙げられ、これらは、「実験化学
講座」18、第4版、391〜412頁に記載の方法に
準じて製造される。
【0029】
【化10】
【0030】(式中、R1 、R2 、R3 及びXは前記と
同じものを示す) 臭化パラジウムナトリウム(15)にその2当量の三級
ホスフィン化合物(1)をメタノール等の有機溶媒中で
反応させ、次いでヨウ化カリウムで処理してパラジウム
錯体(2′)を製造する。臭化パラジウムナトリウムの
代りに塩化パラジウムナトリウムを使用しても同様に行
うことができる。
【0031】このパラジウム錯体(2)を用いる本発明
のフッ化ベンゾイル化合物の製造法は次の反応式によっ
て示される。
【0032】
【化11】
【0033】(式中、Aは水素原子、ハロゲン原子、シ
アノ基、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を示し、
Zはハロゲン原子を示し、Mはリチウム、ナトリウム、
カリウム又はセシウムを示す)
【0034】すなわち、ハロゲン化ベンゼン化合物
(3)に、パラジウム錯体(2)の存在下、一酸化炭素
及びフッ化物(15)を反応せしめてフッ化ベンゾイル
化合物(4)を製造する方法である。
【0035】ハロゲン化ベンゼン化合物(3)として
は、例えば臭化ベンゼン、ヨウ化ベンゼン、1,4−二
臭化ベンゼン、1−塩化−4−ヨウ化ベンゼン、1−臭
化−4−ヨウ化ベンゼン、p−メチル臭化ベンゼン、p
−メトキシ臭化ベンゼン、p−シアノ臭化ベンゼン等が
挙げられる。
【0036】フッ化物(15)としては、例えばフッ化
リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化
セシウム等が挙げられる。
【0037】本発明方法は、ハロゲン化ベンゼン化合物
(3)、フッ化物(15)、パラジウム錯体(2)と、
ジメチルホルムアミド、トルエン、ジオキサン、ピリジ
ン、アセトニトリル等の有機溶媒をオートクレーブに仕
込み、一酸化炭素ガスを吹き込むことによって行われ
る。
【0038】パラジウム錯体はハロゲン化ベンゼン化合
物の1/5000〜1/10倍モル、特に1/1000
〜1/50倍モルが好ましい。またフッ化物は、ハロゲ
ン化ベンゼン化合物の1〜5倍モル、特に1〜2倍モル
を使用するのが好ましい。
【0039】反応温度は50〜140℃、特に90〜1
10℃、反応時間は0.5〜20時間、特に1〜5時
間、一酸化炭素圧は0.5〜10atm 、特に1〜2atm
が好ましい。
【0040】
【発明の効果】本発明のハロゲン化(m−ジフェニルホ
スフィノベンジル)トリアルキルアンモニウムを配位子
とするパラジウム錯体は多種の有機合成反応に対し高い
触媒効率を有するものであり、これを触媒として用いれ
ばフッ化ベンゾイル化合物を工業的有利に製造すること
ができる。
【0041】
【実施例】次に実施例を挙げて説明する。
【0042】実施例1 (m−臭化ベンジル)ジメチルアミンの合成:アルゴン
雰囲気下、m−臭化安息香酸100g(0.5モル)の
ベンゼン300mlの混合溶液に、塩化チオニル43ml
(0.6モル)を15分で滴下した。この溶液を2時間
還流した後、塩化チオニルをベンゼンとともに共沸除去
し、室温まで放冷した。ここへジエチルエーテル200
ml加え、氷冷しながらジメチルアミン100ml(1.5
モル)とジエチルエーテル100mlの混合溶液を1時間
で滴下し、室温で5時間攪拌した。この溶液を10%水
酸化ナトリウム水溶液(100ml×3回)及び水(20
0ml×2回)で洗浄し、エーテル層を濃縮後、減圧蒸留
によって無色透明の液体の(m−臭化安息香酸)ジメチ
ルアミドを93.3g(収率81.9%)得た。b.
p.127〜130℃(1mmHg)。次にアルゴン雰囲気
下、水素化リチウムアルミニウム15.8g(0.4モ
ル)を無水ジエチルエーテル300mlに入れ氷冷しなが
ら攪拌した。ここへ上述のようにして得た(m−臭化安
息香酸)ジメチルアミド93.3g(0.4モル)のジ
エチルエーテル100ml溶液を1時間かけて滴下した。
この溶液を1時間還流した後、再び氷冷し、10%水酸
化ナトリウム水溶液100mlを30分で滴下した。この
溶液を水(100ml×2回)で洗浄し、濃縮後、減圧蒸
留によって無色透明の液体の(m−臭化ベンジル)ジメ
チルアミンを72.1g(収率82.3%)得た。 b.p.50〜65℃(1mmHg)。
【0043】実施例2 (m−ジフェニルホスフィノベンジル)ジメチルアミン
の合成:アルゴン雰囲気下、テトラヒドロフラン(TH
F)100mlに実施例1で得た(m−臭化ベンジル)ジ
メチルアミン23.5g(0.11モル)を溶かし、溶
液を−70℃以下に冷却した。温度を−70℃以下に保
ちながら、この溶液にn−ブチルリチウム74.5ml
(0.12モル)を1時間かけて滴下した。更に、そこ
へ塩化ジフェニルホスフィン25.0g(0.12モ
ル)及びジエチルエーテル30mlの混合溶液を−70℃
以下で1時間かけて滴下した。その後2時間かけて昇温
させ、10℃で、トリ(n−プロピル)アミン28.7
g(0.20モル)を滴下して1時間攪拌した。この溶
液に2モル/lの水酸化ナトリウム100mlを1時間か
けて滴下した。有機層を分別し、それに無水硫酸ナトリ
ウムを加えて脱水した。この溶液をろ過した後濃縮し、
真空ポンプを用いた減圧蒸留により粘性のある黄色の液
体の(m−ジフェニルホスフィノベンジル)ジメチルア
ミンを29.2g(収率83.1%)得た。 b.p.170〜180℃(1mmHg)。1 H-NMR(270MHz,CDCl3,δ):2.13(s,6H),3.32(s,2H),7.13
〜7.40(14H)13 C-NMR(270MHz,CDCl3,δ):45.1(s),63.9(s),128〜13931 P-NMR(270MHz,CDCl3,δ):−4.83
【0044】実施例3 ヨウ化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)トリメチ
ルアンモニウムの合成:アルゴン雰囲気下、トルエン4
0mlに実施例2で得た(m−ジフェニルホスフィノベン
ジル)ジメチルアミン3.62g(11.3ミリモル)
を溶解し、溶液を0℃以下に氷冷した。溶液を0℃以下
に保ち、ヨウ化メチル0.8ml(12.8ミリモル)を
加えて3時間攪拌した。その後、吸引ろ過をして白色沈
澱をすばやくとり出し、ヘキサン20mlで洗浄した。こ
れをアセトニトリルで再結晶、次いで1時間減圧乾燥
し、無色の板状結晶のヨウ化(m−ジフェニルホスフィ
ノベンジル)トリメチルアンモニウムを4.75g(収
率91.3%)得た。 分解温度181〜185℃。1 H-NMR(270MHz,CDCl3,δ):3.31(s,9H),4.87(s,2H),7.23
〜7.79(14H)13 C-NMR(270MHz,CDCl3,δ):52.9(s),68.9(s),128〜14031 P-NMR(270MHz,CDCl3,δ):−5.42
【0045】実施例4 臭化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)トリメチル
アンモニウムの合成:トルエン20mlに実施例3で合成
したヨウ化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)トリ
メチルアンモニウム0.843g(1.83ミリモル)
を加えた。この溶液に攪拌下1モル/lの硫酸2ml
(2.00ミリモル)、トリ(n−オクチル)アミン
0.8ml(1.83ミリモル)及び水40mlをこの順序
で加え、80℃の油浴下で10分間攪拌した。分液によ
り水層をとり出し、ここへ臭化ナトリウムを10g加え
た。これを塩化メチレンで再結晶し、次いで1時間減圧
乾燥し、無色の板状結晶の臭化(m−ジフェニルホスフ
ィノベンジル)トリメチルアンモニウムを0.706g
(収率94.8%)得た。 分解温度205〜210℃。1 H-NMR(270MHz,CDCl3,δ):3.31(s,9H),4.88(s,2H),7.23
〜7.79(14H)13 C-NMR(270MHz,CDCl3,δ):52.9(s),68.9(s),128〜14031 P-NMR(270MHz,CDCl3,δ):−5.40
【0046】実施例5 ヨウ化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)n−ブチ
ルジメチルアンモニウムの合成:アルゴン雰囲気下、ア
セトニトリル7mlに実施例3で得た(m−ジフェニルホ
スフィノベンジル)ジメチルアミン3.01g(9.4
2ミリモル)を溶かし攪拌した。この溶液にヨウ化n−
ブチル1.7ml(14.9ミリモル)を加えて室温(2
0℃)で15時間攪拌した。その後、吸引ろ過で白色沈
澱をとり出し、ジエチルエーテル及びヘキサンで洗浄し
た。これをアセトニトリルで再結晶、次いで1時間減圧
乾燥し、無色の板状結晶のヨウ化(m−ジフェニルホス
フィノベンジル)n−ブチルジメチルアンモニウムを
3.52g(収率74.3%)得た。 分解温度170〜175℃。1 H-NMR(270MHz,CDCl3,δ):0.92(t,3H,J=7.08Hz),1.29
(m,2H,J=7.42Hz),1.72(m,2H),3.24(s,6H),3.45(m,2H),
4.85(s,2H),7.24〜7.84(m,14H)13 C-NMR(270MHz,CDCl3,δ):13.7(s),19.4(s),24.7(s),5
0.1(s),63.5(s),67.0(s),128〜14031 P-NMR(270MHz,CDCl3,δ):−5.20
【0047】実施例6 臭化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)n−ブチル
ジメチルアンモニウムの合成:トルエン20mlに実施例
5で得たヨウ化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)
n−ブチルジメチルアンモニウム0.845g(1.6
8ミリモル)を加え、この溶液に攪拌下、1モル/lの
硫酸1.8ml(1.80ミリモル)、トリ(n−オクチ
ル)アミン0.7ml(1.60ミリモル)及び水40ml
をこの順序で加えた。この溶液を60℃の油浴下で10
分間攪拌した後、分液により水層をとり出し、ここへ臭
化ナトリウム10gを加えて10分間攪拌した。これを
塩化メチレン50mlで抽出し、この抽出液を濃縮乾固
し、次いで塩化メチレンで再結晶した後、1時間減圧乾
燥し、立方状の無色結晶の臭化(m−ジフェニルホスフ
ィノベンジル)n−ブチルジメチルアンモニウムを0.
701g(収率91.4%)得た。 分解温度125〜130℃。1 H-NMR(270MHz,CDCl3,δ):0.92(t,3H,J=7.08Hz),1.28
(m,2H,J=7.43Hz),1.71(m,2H),3.25(s,6H),3.41(m,2H),
4.87(s,2H),7.24〜7.86(m,14H)13 C-NMR(270MHz,CDCl3,δ):13.7(s),19.5(s),24.7(s),5
0.0(s),63.5(s),67.0(s),128〜14031 P-NMR(270MHz,CDCl3,δ):−5.13
【0048】実施例7 (m−臭化ベンジル)ジ(n−ブチル)アミンの合成:
ジメチルアミンの代わりにジ(n−ブチル)アミンを使
用した以外は実施例1と同様な処理を行い、薄黄色の粘
性液体の(m−臭化ベンジル)ジ(n−ブチル)アミン
を得た。収率86.7%。 b.p.70〜75℃(1mmHg)。
【0049】実施例8 (m−ジフェニルホスフィノベンジル)ジ(n−ブチ
ル)アミンの合成:(m−臭化ベンジル)ジメチルアミ
ンの代わりに実施例7で得た(m−臭化ベンジル)ジ
(n−ブチル)アミンを59.7g(0.20モル)使
用し、THF230ml、n−ブチルリチウム140ml、
塩化ジフェニルホスフィン47.0g(0.21モ
ル)、ジエチルエーテル60ml及びトリ(n−プロピ
ル)アミン50.0g(0.35モル)を使用した以外
は実施例2と同様の処理を行い、粘性のある黄色の液体
の(m−ジフェニルホスフィノベンジル)ジ(n−ブチ
ル)アミンを57.6g(収率71.4%)得た。 b.p.195〜205℃。1 H-NMR(270MHz,CDCl3,δ):0.81(t,6H,J=7.08Hz),1.21
(m,4H,J=7.23Hz),1.35(m,4H,J=7.20Hz),2.33(t,4H,J=7.
08Hz),3.45(s,2H),7.12〜7.36(m,14H)13 C-NMR(270MHz,CDCl3,δ):14.0(s),20.4(s),29.4(s),5
3.5(s),58.5(s),128〜14131 P-NMR(270MHz,CDCl3,δ):−4.76
【0050】実施例9 (m−ジフェニルホスホリルベンジル)ジ(n−ブチ
ル)アミンの合成:アセトン10mlに実施例8で合成し
た(m−ジフェニルホスフィノベンジル)ジ(n−ブチ
ル)アミン2.02g(5.01ミリモル)を溶かし、
0℃以下に氷冷した。この溶液に20℃以下で30%の
過酸化水素0.51ml(5.01ミリモル)を注射器で
徐々に滴下した。この溶液を30分攪拌した後、真空ポ
ンプを用いて濃縮し、無色透明の粘性液体の(m−ジフ
ェニルホスホリルベンジル)ジ(n−ブチル)アミンを
2.09g(収率99.5%)得た。1 H-NMR(270MHz,CDCl3,δ):0.82(t,6H,J=7.08Hz),1.20
(m,4H,J=7.23Hz),1.36(m,4H,J=7.20Hz),2.34(t,4H,J=7.
06Hz),3.53(s,2H),7.28〜7.71(m,14H)13 C-NMR(270MHz,CDCl3,δ):13.9(s),20.4(s),29.2(s),5
3.6(s),58.3(s),128〜141(m)31 P-NMR(270MHz,CDCl3,δ):30.0
【0051】実施例10 ヨウ化(m−ジフェニルホスホリルベンジル)ジ(n−
ブチル)メチルアンモニウムの合成:アルゴン雰囲気
下、アセトニトリル10mlに実施例9で得た(m−ジフ
ェニルホスホリルベンジル)ジ(n−ブチル)アミン
2.09g(4.98ミリモル)を溶かし、この溶液に
ヨウ化メチル8mlを加えて、50℃の油浴中で25時間
密閉系で攪拌した。この反応溶液をジエチルエーテル中
に再沈澱させた。これを塩化メチレンで抽出し、次いで
濃縮乾固し、黄褐色の固体の粗ヨウ化(m−ジフェニル
ホスホリルベンジル)ジ(n−ブチル)メチルアンモニ
ウムを2.70g(収率96.4%)得た。1 H-NMR(270MHz,CDCl3,δ):0.93(t,6H,J=7.26Hz),1.32
(m,4H,J=7.36Hz),1.72(m,4H),3.17(s,3H),3.37(t,4H,J=
8.25Hz),5.01(s,2H),7.49〜7.87(m,14H)31 P-NMR(270MHz,CDCl3,δ):30.0
【0052】実施例11 ヨウ化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)ジ(n−
ブチル)メチルアンモニウムの合成:アルゴン雰囲気
下、アセトニトリル10mlに実施例10で得たヨウ化
(m−ジフェニルホスホリルベンジル)ジ(n−ブチ
ル)メチルアンモニウム1.35g(2.40ミリモ
ル)を溶かし、この溶液にトリクロロシラン10ml(9
8.0ミリモル)を加えて室温で25時間密閉系で攪拌
した。この溶液に水10mlを加えてトリクロロシランを
分解し、次いで塩化メチレンで抽出した。この抽出液を
濃縮乾固し、白色の固体の粗ヨウ化(m−ジフェニルホ
スフィノベンジル)ジ(n−ブチル)メチルアンモニウ
ム1.21g(収率92.5%)を得た。 分解温度123〜125℃。1 H-NMR(270MHz,CDCl3,δ):0.93(t,6H,J=7.26Hz),1.29
(m,4H,J=7.36Hz),1.69(m,4H),3.19(s,3H),3.33(m,4H),
4.86(s,2H),7.28〜7.89(m,14H)31 P-NMR(270MHz,CDCl3,δ):−5.11
【0053】実施例12 臭化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)ジ(n−ブ
チル)メチルアンモニウムの合成:トルエン30mlに実
施例11で得たヨウ化(m−ジフェニルホスフィノベン
ジル)ジ(n−ブチル)メチルアンモニウム1.21g
(2.22ミリモル)を加え、この溶液に攪拌下1モル
/lの硫酸2.5ml(2.50ミリモル)、トリ(n−
オクチル)アミン1ml(2.29ミリモル)及び水60
mlをこの順序で加え、60℃の油浴で加温下10分間攪
拌した。分液により水層を取り出し、ここへ臭化ナトリ
ウム10gを加えて10分間攪拌した後塩化メチレン5
0mlで抽出した。この抽出液を濃縮乾固し、白色固体の
臭化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)ジ(n−ブ
チル)メチルアンモニウムを1.03g(収率93.2
%)得た。 分解温度137〜140℃。1 H-NMR(270MHz,CDCl3,δ):0.93(t,6H,J=7.26Hz),1.29
(m,4H,J=7.25Hz),1.72(m,4H),3.19(s,3H),3.36(m,4H),
4.86(s,2H),7.31〜7.90(m,14H)31 P-NMR(270MHz,CDCl3,δ):−4.98
【0054】実施例13 塩化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)ジ(n−ブ
チル)メチルアンモニウムの合成:臭化ナトリウムの代
わりに塩化ナトリウムを使用した以外は実施例12と同
様な処理を行い、白色固体の塩化(m−ジフェニルホス
フィノベンジル)ジ(n−ブチル)メチルアンモニウム
を得た。 分解温度140〜142℃。1 H-NMR(270MHz,CDCl3,δ):0.92(t,6H,J=7.42Hz),1.28
(m,4H,J=7.36Hz),1.68(m,4H),3.19(s,3H),3.33(m,4H),
4.89(s,2H),7.30〜7.91(m,14H)31 P-NMR(270MHz,CDCl3,δ):−4.97
【0055】実施例14 ヨウ化(m−ジフェニルホスホリルベンジル)トリ(n
−ブチル)アンモニウムの合成:ヨウ化メチルの代わり
にヨウ化n−ブチル2.8ml(24.6ミリモル)を使
用し、アセトニトリル8ml及び(m−ジフェニルホスホ
リルベンジル)ジブチルアミン2.10g(5.01ミ
リモル)を使用した以外は実施例10と同様な処理を行
い、黄土色の固体の粗ヨウ化(m−ジフェニルホスホリ
ルベンジル)トリ(n−ブチル)アンモニウムを2.2
3g(収率73.8%)得た。1 H-NMR(270MHz,CDCl3,δ):0.94(t,J=7.26Hz),1.31(m,J=
7.36Hz),1.76(m),3.23(m),4.90(s),7.50〜7.80(m)31 P-NMR(270MHz,CDCl3,δ):30.3
【0056】実施例15 ヨウ化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)トリ(n
−ブチル)アンモニウムの合成:ヨウ化(m−ジフェニ
ルホスホリルベンジル)ジ(n−ブチル)メチルアンモ
ニウムの代わりにヨウ化(m−ジフェニルホスホリルベ
ンジル)トリ(n−ブチル)アンモニウム1.46g
(2.42ミリモル)を使用した以外は実施例11と同
様な処理を行い、白色固体の粗ヨウ化(m−ジフェニル
ホスフィノベンジル)トリ(n−ブチル)アンモニウム
を1.22g(収率86.0%)得た。 分解温度115〜121℃。1 H-NMR(270MHz,CDCl3,δ):0.93(t,J=7.26Hz),1.29(m,J=
7.25Hz),1.73(m),3.25(m),4.76(s),7.35〜7.66(m)31 P-NMR(270MHz,CDCl3,δ):−5.09
【0057】実施例16 臭化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)トリ(n−
ブチル)アンモニウムの合成:ヨウ化(m−ジフェニル
ホスフィノベンジル)n−ブチルジメチルアンモニウム
の代わりにヨウ化(m−ジフェニルホスフィノベンジ
ル)トリ(n−ブチル)アンモニウム1.22g(2.
08ミリモル)を使用し、1モル/lの硫酸2.2ml
(2.20ミリモル)を使用した以外は、実施例12と
同様の処理を行い、白色固体の臭化(m−ジフェニルホ
スフィノベンジル)トリ(n−ブチル)アンモニウムを
1.08g(収率96.2%)得た。 分解温度130〜135℃。1 H-NMR(270MHz,CDCl3,δ):0.93(t,9H,J=7.32Hz),1.29
(m,6H,J=7.16Hz),1.70(m,6H),3.24(m,6H),4.79(s,2H),
7.29〜7.89(m,14H)31 P-NMR(270MHz,CDCl3,δ):−4.95
【0058】実施例17 塩化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)トリ(n−
ブチル)アンモニウムの合成:ヨウ化(m−ジフェニル
ホスフィノベンジル)n−ブチルジメチルアンモニウム
の代わりにヨウ化(m−ジフェニルホスフィノベンジ
ル)トリ(n−ブチル)アンモニウムを、臭化ナトリウ
ムの代わりに塩化ナトリウムを使用した以外は実施例1
2と同様の処理を行い、白色固体の塩化(m−ジフェニ
ルホスフィノベンジル)トリ(n−ブチル)アンモニウ
ムを得た。 分解温度125〜130℃。1 H-NMR(270MHz,CDCl3,δ):0.93(t,9H,J=7.33Hz),1.29
(m,6H,J=7.16Hz),1.71(m,6H),3.24(m,6H),4.79(s,2H),
7.29〜7.89(m,14H)31 P-NMR(270MHz,CDCl3,δ):−4.95
【0059】実施例18 二臭化ビス〔臭化(m−ジフェニルホスフィノベンジ
ル)トリメチルアンモニウム〕パラジウムの合成:アル
ゴン雰囲気下、塩化メチレン10mlに二臭化(1,5−
シクロオクタジエン)パラジウム0.224g(0.5
9ミリモル)を溶かし、この溶液に攪拌下、実施例4で
得た臭化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)トリメ
チルアンモニウム0.503g(1.21ミリモル)を
加えた。反応溶液はすぐに赤橙色から赤褐色に変わり、
しだいに黄色沈澱が生成し始めた。これをメタノールに
溶かしアスピレーターを用いて徐々に濃縮し、黄色の放
射状結晶の二臭化ビス〔臭化(m−ジフェニルホスフィ
ノベンジル)トリメチルアンモニウム〕パラジウムを
0.531g(収率80.8%)得た。 分解温度210〜215℃。1 H-NMR(270MHz,d6-DMSO,δ):2.97(s,9H),4.58(s,2H),7.
51〜7.74(14H) 〔DMSOはジメチルスルホキシドを示す〕13 C-NMR(270MHz,d6-DMSO,δ):51.7(s),67.0(s),128〜13
931 P-NMR(270MHz,d6-DMSO,δ):23.0
【0060】実施例19〜23 パラジウム錯体の合成:使用する三級ホスフィン化合物
及びパラジウム化合物を表1及び表2のように変えた以
外は実施例18と同様の処理を行い、各パラジウム錯体
を各収率で得た。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】以下に得られた各パラジウム錯体のデータ
を示す。 実施例191 H-NMR(270MHz,d6-DMSO,δ):0.89(t,3H,J=7.26Hz),1.21
(m,2H,J=7.37Hz),1.68(m,2H),2.88(s,6H),3.18(m,2H),
4.55(s,2H),7.51〜7.74(m,14H)13 C-NMR(270MHz,d6-DMSO,δ):13.6(s),19.3(s),23.9
(s),49.3(s),63.3(s),66.2(s),128〜13931 P-NMR(270MHz,d6-DMSO,δ):23.2
【0064】実施例201 H-NMR(270MHz,d6-DMSO,δ):0.91(t,12H,J=7.26Hz),1.2
7(m,8H,J=7.32Hz),1.67(m,8H),2.84(s,6H),3.16(m,8H),
4.53(s,4H),7.48〜7.81(m,28H)13 C-NMR(270MHz,d6-DMSO,δ):13.5(s),19.2(s),23.5
(s),47.0(s),60.1(s),63.9(s),128〜138(m)31 P-NMR(270MHz,d6-DMSO,δ):23.5
【0065】実施例211 H-NMR(270MHz,d6-DMSO,δ):0.86(t,J=7.25Hz),1.27(m,
J=7.18Hz),1.80(m),3.05(m),4.41(s),7.47〜7.68(m)31 P-NMR(270MHz,d6-DMSO,δ):22.6
【0066】実施例221 H-NMR(270MHz,d6-DMSO,δ):0.87(t,12H,J=7.33Hz),1.2
1(m,8H,J=7.08Hz),1.63(m,8H),2.83(s,6H),3.12(m,6H),
4.57(s,4H),7.51〜7.74(m,28H)13 C-NMR(270MHz,d6-DMSO,δ):13.5(s),19.1(s),23.5
(s),46.9(s),60.1(s),63.9(s),128〜138(m)31 P-NMR(270MHz,d6-DMSO,δ):25.1
【0067】実施例231 H-NMR(270MHz,d6-DMSO,δ):0.86(t),1.14(m),1.60(m),
3.05(m),4.52(s),7.52〜7.76(m)31 P-NMR(270MHz,d6-DMSO,δ):24.9
【0068】実施例24 二ヨウ化ビス〔ヨウ化(m−ジフェニルホスフィノベン
ジル)トリメチルアンモニウム〕パラジウムの合成:ア
ルゴン雰囲気下、メタノール20mlに、実施例3で得た
ヨウ化(m−ジフェニルホスフィノベンジル)トリメチ
ルアンモニウム0.55g(1.20ミリモル)を溶か
し、ここへ臭化パラジウムナトリウム0.2g(0.4
2ミリモル)を加えて1時間還流した。この溶液に水5
ml及びヨウ化カリウム1.4g(8.4ミリモル)を加
えて30分間還流し、熱時ろ過した。生成物をグラスフ
ィルターで集め、1時間減圧乾燥し、赤色の板状結晶の
二ヨウ化ビス〔ヨウ化(m−ジフェニルホスフィノベン
ジル)トリメチルアンモニウム〕パラジウムを0.45
g(収率80.2%)得た。 分解温度188〜192℃。1 H-NMR(270MHz,d6-DMSO,δ):2.96(s,18H),4.56(s,4H),
7.51〜7.75(m,28H)13 C-NMR(270MHz,d6-DMSO,δ):51.7(s),67.0(s),128〜13
8(m)
【0069】実施例25及び26 パラジウム錯体の合成:使用する三級ホスフィン化合物
を表3のように変えた以外は実施例24と同様の処理を
行い、各パラジウム錯体を各収率で得た。
【0070】
【表3】
【0071】以下に得られた各パラジウム錯体のデータ
を示す。 実施例251 H-NMR(270MHz,d6-DMSO,δ):0.89(t,12H,J=7.25Hz),1.2
1(m,8H,J=7.36Hz),1.67(m,8H),2.86(s,6H),3.17(m,8H),
4.61(s,4H),7.52〜7.77(m,28H)13 C-NMR(270MHz,d6-DMSO,δ):13.5(s),19.2(s),23.5
(s),47.0(s),60.1(s),63.8(s),128〜138(m)
【0072】実施例261 H-NMR(270MHz,d6-DMSO,δ):0.86(t),1.14(m),1.58(m),
3.00(m),4.53(s),7.53〜7.74(m)31 P-NMR(270MHz,d6-DMSO,δ):14.1
【0073】実施例27 二塩化ビス〔塩化(m−ジフェニルホスフィノベンジ
ル)ジ(n−ブチル)メチルアンモニウム〕パラジウム
の合成:アルゴン雰囲気下、塩化メチレン10mlにジク
ロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム0.193g
(0.50ミリモル)を溶かし、実施例13で得た塩化
(m−ジフェニルホスフィノベンジル)ジ(n−ブチ
ル)メチルアンモニウム0.462g(1.02ミリモ
ル)を攪拌しながら加え、室温で更に1時間攪拌した。
これをジエチルエーテル中に再沈澱させ、次いでアセト
ニトリルで再結晶し、橙色結晶の二塩化ビス〔塩化(m
−ジフェニルホスフィノベンジル)ジ(n−ブチル)メ
チルアンモニウム〕パラジウムを0.385g(収率7
0.9%)得た。
【0074】実施例28 臭化ベンゼンのカルボニル化反応:一酸化炭素ガス雰囲
気下、実施例18で得た二臭化ビス〔臭化(m−ジフェ
ニルホスフィノベンジル)トリメチルアンモニウム〕パ
ラジウム109mg(0.1ミリモル)、臭化(m−ジフ
ェニルホスフィノベンジル)トリメチルアンモニウム4
1.4mg(0.1ミリモル)及びフッ化カリウム0.5
81g(10ミリモル)をこの順序で加え、反応操置に
接続したビュレットに一酸化炭素ガスをためた。ここ
で、フッ化カリウムはスプレードライ化したものを使用
した。ここへジメチルホルムアミド(DMF)5ml及び
臭化ベンゼン0.786g(5.0ミリモル)を入れた
後、100℃の油浴下で激しく攪拌して反応を開始し
た。一酸化炭素吸収が理論量に達したところで反応をや
め、この反応液にビフェニル90mgを入れた後ろ過し、
フッ化ベンゾイルを0.430g(収率69.3%)を
得た。収量はビフェニルを基準として求めた。また定量
はガスクロマトグラフィーにより行った。以下にその条
件を示す。 機 器:柳本 G2800−F(FID)(株式会社柳
本製作所 製) カラム:シリコンDC−560 3m(和光純薬工業
株式会社 製) 測定温度:120〜250℃、7.5℃/分で昇温
【0075】実施例29、30及び比較例1、2 臭化ベンゼンのカルボニル化反応:使用するパラジウム
錯体を表4のように変えた以外は実施例28と同様の処
理を行って、フッ化ベンゾイルをそれぞれの収率で得
た。
【0076】
【表4】
【0077】以上から、本発明によりハロゲン化ベンゼ
ン化合物をカルボニル化反応させれば、従来の方法のよ
うに触媒として二臭化ビス(トリフェニルホスフィン)
パラジウムを用いた場合よりも生成物の収率がかなり向
上する。また、触媒として二臭化ビス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウムを用い、更に添加物としてハロゲ
ン化四級アンモニウムを加えた場合よりも更に収率は高
まることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 昭63−72644(JP,A) 特開 昭51−149206(JP,A) Journal of Organo metallic Chemistr y,334,(1987)pp205−211 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 9/50 C07C 63/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 及びR3 は同一又は異って、炭素数
    1〜4のアルキル基を、Xはハロゲン原子を示す)で表
    わされるハロゲン化(m−ジフェニルホスフィノベンジ
    ル)トリアルキルアンモニウム。
  2. 【請求項2】 次の一般式(2) 【化2】 (式中、R1 、R2 及びR3 は同一又は異って、炭素数
    1〜4のアルキル基を、X及びYはハロゲン原子を示
    す)で表わされるパラジウム錯体。
  3. 【請求項3】 一般式(3) 【化3】 (式中、Aは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、低級
    アルキル基又は低級アルコキシ基を示し、Zはハロゲン
    原子を示す)で表わされるハロゲン化ベンゼン化合物
    に、請求項2に記載のパラジウム錯体の存在下、一酸化
    炭素及びMF(式中、Mはリチウム、ナトリウム、カリ
    ウム又はセシウムを示す)で表わされるフッ化物を反応
    せしめることを特徴とする一般式(4) 【化4】 (式中、Aは前記と同じものを示す)で表わされるフッ
    化ベンゾイル化合物の製造法。
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