JP2003055285A - 4−tert−ブトキシ−4’−ハロゲノビフェニルおよびその製法、並びに4−ハロゲノ−4’−ヒドロキシビフェニルの製法 - Google Patents

4−tert−ブトキシ−4’−ハロゲノビフェニルおよびその製法、並びに4−ハロゲノ−4’−ヒドロキシビフェニルの製法

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JP2003055285A JP2001241923A JP2001241923A JP2003055285A JP 2003055285 A JP2003055285 A JP 2003055285A JP 2001241923 A JP2001241923 A JP 2001241923A JP 2001241923 A JP2001241923 A JP 2001241923A JP 2003055285 A JP2003055285 A JP 2003055285A
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butoxy
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hydroxybiphenyl
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Akira Nakamura
章 中村
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Hokko Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の方法に代わる4−ハロゲノ−4’−ヒド
ロキシビフェニルの工業的に有利な製造手段を提供す
る。 【解決手段】本発明の4−tert−ブトキシ−4’−
ハロゲノビフェニル化合物は、p-tert-ブトキシフ
ェニルマグネシウムハライドと、p−ジハロゲノベンゼ
ンとを、パラジウム系金属化合物触媒の存在下に反応さ
せるか、あるいはp-ハロゲノフェニルマグネシウムハ
ライドと、p−tert−ブトキシハロベンゼンとを、
パラジウム系金属化合物触媒の存在下で反応させて得ら
れることを特徴としている。次に、得られた4−ter
t−ブトキシ−4−ハロゲノビフェニルを酸性条件下で
加水分解して、4−ハロゲノ−4’−ヒドロキシビフェ
ニルを工業的に有利に製造することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、医薬、農薬、染
料、電子材料、液晶高分子材料、高耐熱性高分子材料等
の原料として有用な4−ハロゲノ−4’−ヒドロキシビ
フェニルの製法、並びに4−ハロゲノ−4’−ヒドロキ
シビフェニルの製造前駆体となる新規な4−tert−
ブトキシ−4’−ハロゲノビフェニルおよびその製法に
関する。
【0002】
【従来の技術】 4−tert−ブトキシ−4’−ハロ
ゲノビフェニルを脱tert−ブチル化した化学構造を
有する4−ハロゲノ−4’−ヒドロキシビフェニルは、
これまで以下に示す方法によって合成される。
【0003】4−ベンゾイルオキシビフェニルを氷酢
酸中、鉄粉を触媒とし、臭素と反応させて4−ブロモ−
4’−ベンゾイルオキシビフェニルをえた後、加水分解
して4−ブロモ−4’−ヒドロキシビフェニルを合成す
る方法[ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソ
サイアテイー(J.A.C.S.)、第61巻、144
7頁、1939年]。 4−ブロモ−4’−ニトロビフェニルを還元して4−
アミノ−4’−ブロモビフェニルとし、さらにジアゾ化
反応を経由して4−ブロモ−4’−ヒドロキシビフェニ
ルを合成する方法[ジャーナル オブ ケミカル ソサ
イアテイー(J.Chem.Soc.)、1952年、
第1959頁〜第1960頁]。 4−アセトキシビフェニルを無水酢酸と酢酸との混合
溶媒中、沃素を触媒として、大過剰の臭素と反応させ4
−アセトキシ−4’−ブロモビフェニルとした後、加水
分解して4−ブロモ−4’−ヒドロキシビフェニルを合
成する方法[ジャーナル オブ ケミカル ソサイアテ
イー(J.Chem.Soc.)、1956年、第32
43頁〜第3245頁]。 ビス(ハロゲノビフェニル)カーボネートと臭素と
を、不活性媒体中で反応させた後、加水分解して4−ハ
ロゲノ−4’−ヒドロキシビフェニルを合成する方法
(特開平4−244048号公報)。 4,4’−ジブロモビフェニルを、5〜25重量%の
水を含有するメタノール、エタノール又はプロピルアル
コールの少なくとも1種を溶媒として、銅化合物を触媒
とし、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムと加圧下に
反応させて、選択的にモノ加水分解を行わせて4−ハロ
ゲノ−4’−ヒドロキシビフェニルを合成する方法(特
開平6−172243号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の4−ハロゲノ−
4’−ヒドロキシビフェニルの合成法は、上に述べたよ
うな頻雑な単位反応を経由する必要がある。また、一般
に入手困難な原料を用いる必要がある。そのため、実用
性において収率、純度などの点で問題がある。本発明
は、これらの従来の方法に代り、4−ハロゲノ−4’−
ヒドロキシビフェニルの工業的に有利な製法、並びにそ
の前駆体の4−tert−ブトキシ−4’−ハロゲノビ
フェニルとその製法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討を続けた。その結果、目的
とする4−ハロゲノ−4’−ヒドロキシビフェニルを工
業的に合成する上で、前駆体として新規化合物である、
4−tert−ブトキシ−4’−ハロゲノビフェニルを
使用して反応させることが極めて有効であることを見出
した。すなわち、前駆体である4−tert−ブトキシ
−4’−ハロゲノビフェニルは、穏やかな酸性条件にお
いて容易に脱tert−ブトキシ化反応が完結して、ほ
ぼ定量的に4−ハロゲノ−4’−ヒドロキシビフェニル
が得られることがわかった。また、このような前駆体を
得る方法を検討したところ、次に示す(A)ルートおよ
び(B)ルートによって合成されることが極めて有利で
あることが判明した。
【0006】(A)ルート
【化10】
【0007】(B)ルート
【化11】
【0008】上記(A)ルートおよび(B)ルートの反
応式中でCat.はパラジウム系金属化合物を示し、X
は、互いに同一または相異なってもよく、塩素原子、臭
素原子または沃素原子を示す。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の4−tert−ブ
トキシ−4’−ハロゲノビフェニル、並びに4−ハロゲ
ノ−4’−ヒドロキシビフェニルを製造する方法につい
て具体的に説明する。
【0010】まず、原料となるグリニャール試薬(2)
および(4)は公知であり、次により得られる。すなわ
ち、ハロゲン原子のX(塩素原子、臭素原子または沃素
原子)の違いにより合成条件は異なるが、テトラヒドロ
フラン単独あるいはこれとベンゼン、トルエン、キシレ
ン等との混合溶媒系、またはジエチルエーテル、ジブチ
ルエーテル、ジグライム等のエーテル系溶媒中で対応す
るハライド(p−tert−ブトキシフェニルハライ
ド、4−ブロモクロロベンゼンなど)に金属マグネシウ
ムを反応させて得られる。また、原料の(3)式および
(5)式の化合物は公知であり、既知方法により工業的
に容易に製造して用いることができる。
【0011】本発明の式(1)の化合物の製法は、使用
する原料の種類によって、(A)ルートまたは(B)ル
ートのいずれでも採用できる。そして、この2つのルー
トによる反応は、式中のハライドXの違いによってグリ
ニャール試薬(2)または(4)の生成に差が生じると
ともに、これらのグリニャール試薬(2)または(4)
と(3)式または(5)式化合物とのカップリング反応
性に差が生じ、特にグリニャール試薬のカップリング対
象体となるアリールハライド(3)および(5)は、実
用上ハライドとして、臭素および沃素の使用が反応性が
高く、目的物の(1)式化合物を高収率で得られるので
望ましい。
【0012】本発明のカップリング反応は、これらのグ
リニャール試薬(2)または(4)とアリールハライド
(3)または(5)にパラジウム系金属化合物を触媒
(反応ルート中Cat.と表記)として進行する。使用
できるパラジウム系金属化合物としては、 ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)
ジクロライド、 1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)メタンパラジ
ウム(II)ジクロライド PdCl(dppm)、 1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンパラジ
ウム(II)ジクロライド PdCl(dppe)、 1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンパラ
ジウム(II)ジクロライド PdCl(dpp
p)、 1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンパラジ
ウム(II)ジクロライド PdCl(dppb)、 1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタンパラ
ジウム(II)ジクロライド PdCl(dppp
e)、 1,1−ビスジフェニルホスフィノフェロセンパラジ
ウム(II)ジクロライド PdCl(dppf)、 などを用いることができる。
【0013】本発明の反応操作を行うにあたっては、ア
リールハライド(3)または(5)を前記したごとくの
テトラヒドロフランの単独あるいはこれとベンゼン、ト
ルエン、キシレン等との混合溶媒、またはジエチルエー
テル、ジブチルエーテル、ジグライム等のエーテル系溶
媒に溶解しておき、ここにパラジウム系金属化合物触媒
を0.01〜1モル%程度、好ましくは0.05〜0.
2モル%を添加し、10〜100℃、好ましくは50〜
90℃の温度範囲でグリニャール試薬(2)または
(4)を滴下して熟成反応を行うと、反応は容易に完結
する。
【0014】この反応を行うに際して、上記の反応順序
とは逆に、グリニャール試薬(2)または(4)中に
(3)式または(5)式のアリールハライドを滴下する
と、目的とする(1)式化合物の収率は約65%となり
収率の低下が見られる。
【0015】反応終了後は常法にしたがって、反応液に
塩化アンモニウム水溶液、酢酸水、希塩酸あるいは希硫
酸を加えて生成したマグネシウム塩を溶解して除去す
る。そして分液して有機層を分取し、その溶媒を留去し
て、残留物を減圧蒸留するか、あるいは再結晶などで精
製することによって、目的とする(1)式の4−ter
t−ブトキシ−4’−ハロゲノビフェニルを得ることが
できる。
【0016】この化合物(1)をベンゼンやトルエン、
ジクロルメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、
メタノール、エタノール、酢酸等の溶媒に溶解し、塩
酸、臭化水素酸、硫酸等の酸で処理することにより、
(1)式中のtert−ブチル基は容易に脱離され、液
晶物質および医薬の合成中間体として有用な4−ハロゲ
ノ−4’−ヒドロキシビフェニルが高収率で得られる。
【0017】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、これらの実施例により本発明は限定される
ものではない。
【0018】実施例1 (A)ルートによる製法 4−tert−ブトキシ−4’−クロロビフェニルの製
造 還流冷却器、温度計、滴下ロートおよび攪拌機を備えた
反応器を窒素置換し、マグネシウム粒48.6g(2モ
ル)と少量の臭化エチルを入れ、攪拌しながら還流する
まで加熱し、マグネシウム粒を活性化した。続いて4−
tert−ブトキシクロルベンゼン186.7g(1モ
ル)をテトラヒドロフラン(THF、以下同じ)/トル
エン(2/1;2対1の混合物。以下同様に表示)の1
リットルに溶解して78〜85℃で4時間かけて滴下ロ
ートより滴下した。その後85℃で2時間熟成し、4−
tert−ブトキシフェニルマグネシウムクロライドを
得た。ここでの変換率は99.8%であった。
【0019】同様に、還流冷却器、温度計、滴下ロート
および攪拌機を備えた反応器を窒素置換し、この中に4
−ブロモクロロベンゼン194.5g(1モル)、Pd
Cl ・dppe(dppeは、1,2−ビスジフェニ
ルホスフィノエタンを示す。以下同じ)0.6g(0.
1モル%)およびTHF/トルエン(2/1)200m
lを入れ、70℃まで加熱する。この中にさきに調製し
た4−tert−ブトキシフェニルマグネシウムクロラ
イドを70〜85℃で2時間かけて滴下した。続いてそ
のままの温度で30分熟成した。その後室温にもどして
反応液中に注水してマグネシウム塩を取り除き、これを
濃縮し、粗4−tert−ブトキシ−4’−クロロビフ
ェニルを得た。ここでの変換率は4−ブロモクロロベン
ゼンに対して96.2%であった。この粗結晶をエタノ
ールで再結晶すると、目的とする4−tert−ブトキ
シ−4’−クロロビフェニル235g(収率:90%、
純度:99%)が得られた。融点は110〜112℃で
あった。
【0020】 H−NMRスペクトルデータ(CDCl) δ 1.38(s,9H,−C(CH ) 7.05(d,2H) 7.38(d,2H) 7.47(q,4H) EI質量分析:m/e 261(M) 元素分析(%) 理論値:C 73.69,H 6.58,O 6.1
4,Cl 13.59 実測値:C 73.64,H 6.56,O 6.1
6,Cl 14.00
【0021】実施例2 (A)ルートによる製造法 4−ブロモ−4’−tert−ブトキシビフェニルの製
造 実施例1と同様の反応器を窒素置換し、4−ブロモヨー
ドベンゼン282.9g(1モル)、PdCl・dp
pe 0.6g(0.1モル%)およびTHF/トルエ
ン(2/1)200mlを入れ、70℃まで加熱する。
この中に実施例1と同様に調製した4−tert−ブト
キシフェニルマグネシウムクロライドを70〜85℃で
2時間かけて滴下した。続いてそのままの温度で30分
熟成した。その後室温にもどして反応液中に注水してマ
グネシウム塩を取り除き、これを濃縮し、粗4−ブロモ
−4’−tert−ブトキシビフェニルを得た。ここで
の変換率は4−ブロモヨードベンゼンに対して97.8
%であった。この粗結晶をエタノールで再結晶すると、
目的とする4−ブロモ−4’−tert−ブトキシビフ
ェニル 275g(収率:90%、純度:99%)が得
られた。融点は103〜105℃であった。
【0022】 H−NMRスペクトルデータ(CDCl) δ 1.40(s,9H,−C(CH ) 7.04(d,2H) 7.36(d,2H) 7.54(q,4H) EI質量分析:m/e 305(M) 元素分析(%) 理論値:C 62.96,H 5.63,O 5.2
4,Br 26.18 実測値:C 62.93,H 5.60,O 5.2
2,Br 26.15
【0023】実施例3 (B)ルートによる製法 4−tert−ブトキシ−4’−クロロビフェニルの製
造 実施例1と同様の反応器を窒素置換し、マグネシウム粒
48.6g(2モル)を活性化した。続いて4−ブロモ
クロロベンゼン194.5g(1モル)をTHF/トル
エン(2/1)1リットルに溶解した溶液を35〜40
℃で4時間かけて滴下ロートより滴下した。その後40
℃で2時間熟成し、4−クロロフェニルマグネシウムブ
ロマイドを得た。ここでの変換率は99.9%であっ
た。
【0024】また同様な反応器を窒素置換し、4−te
rt−ブトキシブロモベンゼン229.1g(1モ
ル)、PdCl・dppe 0.6g(0.1モル
%)、THF/トルエン(2/1)200mlを入れ、
70℃まで加熱する。この中に調製した4−クロロフェ
ニルマグネシウムブロマイドを70〜85℃で2時間か
けて滴下した。続いてそのままの温度で30分熟成し
た。その後室温にもどして反応液中に注水してマグネシ
ウム塩を取り除き、これを濃縮し、粗4−tert−ブ
トキシ−4’−クロロビフェニルを得た。ここでの変換
率は4−tert−ブトキシブロモベンゼンに対して9
3.8%であった。この粗結晶をエタノールで再結晶す
ると、目的とする4−tert−ブトキシ−4’−クロ
ロビフェニル 216g(収率:83%、純度:99
%)が得られた。融点は110℃〜112℃であった。
【0025】実施例4 (B)ルートによる製法 4−ブロモ−4’−tert−ブトキシビフェニルの製
造 実施例1と同様の反応器を窒素置換し、マグネシウム粒
24.3g(1モル)を活性化した。続いて4−ヨード
ブロモベンゼン282.9g(1モル)をTHF/トル
エン(2/1)1リットルに溶解した溶液を35〜40
℃で4時間かけて滴下ロートより滴下した。その後40
℃で2時間熟成し、4−ブロモフェニルマグネシウムア
イオダイオを得た。ここでの変換率は99.7%であっ
た。
【0026】また同様な反応器を窒素置換し、4−te
rt−ブトキシブロモベンゼン229.1g(1モル)
と、PdCl・dppe 0.6g(0.1モル
%)、THF/トルエン(2/1)200mlを入れ、
70℃まで加熱する。この中に調製した4−ブロモフェ
ニルマグネシウムアイオダイドを70〜85℃で2時間
かけて滴下した。続いてそのままの温度で30分熟成し
た。その後室温にもどして反応液中に注水してマグネシ
ウム塩を取り除き、これを濃縮し、粗4−ブロモ−4’
−tert−ブトキシビフェニルを得た。ここでの変換
率は4−tert−ブトキシブロモベンゼンに対して9
2.1%であった。この粗結晶をエタノールで再結晶す
ると、目的とする4−ブロモ−4’−tert−ブトキ
シビフェニル259g(収率:85%、純度:99%)
が得られた。融点は103℃〜105℃であった。
【0027】実施例5(脱保護反応:4−クロロ−4’
−ヒドロキシビフェニルの製法)4−tert−ブトキ
シ−4’−クロロビフェニル 200gをTHF 20
0gに溶解し、40%硫酸200gを加えて2時間攪拌
した。濃縮後、粗4−クロロ−4’−ヒドロキシビフェ
ニルを得た。変換率は99.9%であった。この粗結晶
をエタノールで再結晶すると4−クロロ−4’−ヒドロ
キシビフェニルの隣片状結晶149g(収率:95%、
純度:99%)が得られた。融点は144〜146℃で
あった。
【0028】実施例6(脱保護反応:4−ブロモ−4’
−ヒドロキシビフェニルの製法)4−ブロモ−4’−t
ert−ブトキシビフェニル 200gをTHF 20
0gに溶解し、40%硫酸200gを加えて2時間攪拌
した。濃縮後、粗4−ブロモ−4’−ヒドロキシビフェ
ニルを得た。変換率は99.9%であった。この粗結晶
をエタノールで再結晶すると4−ブロモ−4’−ヒドロ
キシビフェニルの隣片状結晶152g(収率:93%、
純度:99%)が得られた。融点は163〜165℃で
あった。
【0029】
【発明の効果】本発明を実施すると、次のような効果が
もたらされる。
【0030】まず第1に、本発明化合物(1)は、穏や
かな酸性条件下で脱tert−ブチル化して、有用な
(6)式の4−ハロゲノ−4’−ヒドロキシビフェニル
がほぼ定量的に得られる。そして、この方法は4−ハロ
ゲノ−4’−ヒドロキシビフェニルを製造する従来のい
ずれの方法よりも工業的に有利である。したがって、本
発明の(1)式の化合物は新規化合物であり、この前駆
体物質として極めて有用である。
【0031】また、第2に本発明の(1)式の化合物は
既知化合物から工業的に容易に、かつ高純度、高収率に
製造することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 で表される4−tert−ブトキシ−4’−ハロゲノビ
    フェニル(式中、Xは塩素原子、臭素原子または沃素原
    子を示す。)。
  2. 【請求項2】 次式(2)で示されるp−tert−ブ
    トキシフェニルマグネシウムハライド 【化2】 (式中、Xは塩素原子、臭素原子または沃素原子を示
    す。)と、次式(3)で示されるp−ジハロゲノベンゼ
    ン 【化3】 (式中、Xは互いに同一または相異なってもよく、塩素
    原子、臭素原子または沃素原子を示す。)とを、パラジ
    ウム系金属化合物触媒の存在下で反応させることを特徴
    とする、次式(1) 【化4】 (式中、Xは塩素原子、臭素原子または沃素原子を示
    す。)で示される4−tert−ブトキシ−4’−ハロ
    ゲノビフェニルの製法。
  3. 【請求項3】 次式(4)で示されるp−ハロゲノフェ
    ニルマグネシウムハライド 【化5】 (式中、Xは互いに同一または相異なってもよく、塩素
    原子、臭素原子または沃素原子を示す。)と、次式
    (5)で示されるp−tert−ブトキシハロベンゼン 【化6】 (式中、Xは塩素原子、臭素原子または沃素原子を示
    す。)とを、パラジウム系金属化合物触媒の存在下で反
    応させることを特徴とする、次式(1) 【化7】 (式中、Xは塩素原子、臭素原子または沃素原子を示
    す。)で示される4−tert−ブトキシ−4’−ハロ
    ゲノビフェニルの製法。
  4. 【請求項4】 一般式(1) 【化8】 (式中、Xは塩素原子、臭素原子または沃素原子を示
    す。)で表される4−tert−ブトキシ−4’−ハロ
    ゲノビフェニルを酸性条件下で加水分解することを特徴
    とする、次式(6) 【化9】 (式中、Xは塩素原子、臭素原子または沃素原子を示
    す。)で表される4−ハロゲノ−4’−ヒドロキシビフ
    ェニルの製法。
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