JPH08311018A - トリアリールスルホニウム塩の製造方法 - Google Patents

トリアリールスルホニウム塩の製造方法

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JPH08311018A
JPH08311018A JP8075341A JP7534196A JPH08311018A JP H08311018 A JPH08311018 A JP H08311018A JP 8075341 A JP8075341 A JP 8075341A JP 7534196 A JP7534196 A JP 7534196A JP H08311018 A JPH08311018 A JP H08311018A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 下記一般式(1)で示されるアリールグ
リニヤ試薬を塩化チオニルと反応させ、次いで一般式
(2)(R63SiY(但し、式中R6は互いに同一又
は異なった一価炭化水素基を示し、Yは置換又は非置換
のアルキルスルホネート又はアリールスルホネート又は
ハロゲン原子を示す。)で示されるトリオルガノシリル
スルホネート又はトリオルガノハライドを反応させて、
下記一般式(3)で示されるトリアリールスルホニウム
塩を製造する。 【化1】 (但し、式中R1〜R5は水素原子又は一価の有機基、特
にアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、ジアルキルアミノ基、ジアルキルアミノアルキ
ル基、アルキルチオ基又はアリールチオ基を示し、これ
らは互いに同一でも異なってもよい。Xは臭素原子又は
塩素原子を示す。) 【効果】 本発明のトリアリールスルホニウム塩の製造
方法によれば、tert−ブトキシ基や、ジメチルアミ
ノ基等の機能性置換基を持つトリアリールスルホニウム
塩を、非常に簡便な方法で、且つ高収率で合成すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遠紫外線、エキシ
マレーザー、電子線、X線等の高エネルギー線を吸収し
て分解する際に、酸を発生して縮合反応や分解、脱離反
応を引き起こし、このため光カチオン重合やレジスト材
料の成分等として好適に使用されるトリアリールスルホ
ニウム塩の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
アリールスルホニウム塩の一般的な合成法としては、ジ
アリールスルホキシドと芳香族系化合物とを酸存在下で
縮合する方法(S.Smiles and R.L.R
ossignol,J.Chem.Soc.,745
(1908),F.Krollpfeoffer,an
d W.Hahn, Chem.Ber.,86.10
49(1953),G.H.Wiegand,W.E.
McEwen,J.Org.Chem.,33,267
1(1968))等が採用されているが、これらの方法
は縮合反応が酸性条件下で行われるために酸により分解
する置換基、即ち酸不安定基の導入が困難であり、更に
ジアルキルアミノ基のような窒素含有の置換基を導入す
る場合、窒素上に酸が捕捉され、その電子供与性を失っ
て失活するためにジアリールスルホキシドへの求核攻撃
が起こり難くなり、目的物を得ることが困難となる。ま
た、フェノール誘導体を試薬として用いた場合には、フ
ェノールの活性部位がo位、p位の2カ所にあるため、
置換位置の異なるスルホニウム塩が生成する可能性があ
る。
【0003】また、上記方法以外にも、アリールグリニ
ヤ試薬のTHF、ジエチルエーテル等の溶媒をヘプタン
−ベンゼン等の脂肪族−芳香族炭化水素系の溶媒に交換
した後、ジフェニルスルホキシド等と反応させる方法
(B.S.Wildi,S.W.Taylor and
H.A.Potratz,J.Am.Chem.So
c.,73.1965(1951))、アリールグリニ
ヤ試薬のTHF、ジエチルエーテル等の溶媒をヘプタン
−ベンゼン等の脂肪族−芳香族炭化水素系の溶媒に交換
した後、塩化チオニルと反応させる方法(Resear
ch Disclosure 290,082(198
8))等が提案されているが、これらの方法の場合、ま
ずアリールグリニヤ試薬のTHFやジエチルエーテル溶
媒を減圧留去し、その後にヘプタン−ベンゼン溶媒で希
釈するという繁雑な工程が必要である。その上、溶媒の
交換が不十分な場合には、アリールスルホニウム塩の収
率が低いか、又はアリールスルホニウム塩が全く合成で
きない、というような収率及び再現性の問題がある。
【0004】更に、低温条件下でジアリールスルホキシ
ドにトリアルキルシリルスルホネートを反応させた後
に、更にアリールグリニヤ試薬を反応させる方法(R.
D.Miller,A.F.Renaldo,and
H.Ito,J.Org.Chem.,53.5574
(1988))も提案されているが、この方法の場合、
各試薬を低温条件下(−70℃)で滴下し、0〜10℃
で反応の熟成を行うことを要し、温度管理が非常に繁雑
であり、また、ドライアイス−メタノール浴のような冷
浴や反応の熟成のための水浴も必要となる。従って、低
温装置や繁雑な冷却剤の交換等が必要になり、工業化学
的、コスト的な面からは適切な方法とはいえない。更
に、この方法において、酸不安定基を持つジアリールス
ルホキシドを原料にした場合は、トリアルキルシリルス
ルホネートの酸性不純物のために、酸不安定基の切断が
起こり、アリールスルホニウム塩の合成が困難である。
【0005】また、本発明者らは、先に、酸不安定基を
有するジアリールスルホキシドにトリアルキルシリルス
ルホネートを反応させた後に、アリールグリニヤ試薬を
反応させる系に、トリエチルアミン又はピリジン等の有
機塩基を加えることにより、酸不安定基の分解を抑えて
酸不安定基を有するスルホニウム塩を合成する方法を提
案している。しかし、この方法の場合、原料のジアリー
ルスルホキシドの単離収率が低く、このためスルホニウ
ム塩の収率が劣る場合があり、また、反応系に有機塩基
を用いるので塩基性不純物の混入の可能性がある等の問
題がある。従って、このような有機塩基を用いずに高収
率で目的とするトリアリールスルホニウム塩を製造する
ことが望まれる。また、従来法においては、例えば、グ
リニヤ試薬を別の反応器で調製した後、これを反応系に
添加する等、全反応工程を一つの反応器で行い難く、こ
の点の改善も要望される。
【0006】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
トリアリールスルホニウム塩を簡便且つ高収率で製造す
ることができるトリアリールスルホニウム塩の製造方法
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは上記目的を達成するため種々検討を行った結
果、下記一般式(1)で示されるアリールグリニヤ試薬
の過剰量を塩化チオニルと反応させ、次いで下記一般式
(2)で示されるトリオルガノシリルスルホネート又は
トリオルガノシリルハライドを反応させることにより、
有機塩基を用いることなく下記一般式(3)で示される
トリアリールスルホニウム塩を高収率で製造すること、
この場合、全反応を上記アリールグリニヤ試薬の調製に
用いた反応器内で行うことができ、反応装置、反応操作
が簡略化されることを見出した。
【0008】
【化3】 (但し、式中R1〜R5は水素原子又は一価の有機基を示
し、これらは互いに同一でも異なってもよい。R6は互
いに同一又は異なった一価炭化水素基を示し、Xは臭素
原子又は塩素原子を示し、Yは置換又は非置換のアルキ
ルスルホネート又はアリールスルホネート又はハロゲン
原子を示す。)
【0009】即ち、トリアリールスルホニウム塩の製造
に当たり、強いアルカリである上記アリールグリニヤ試
薬を原料に用いることにより、有機塩基を用いなくても
酸不安定基の分解を抑えることができ、その上、合成過
程で例えば、ビス(p−tert−ブトキシフェニル)
スルホキシドのようなスルホキシド化合物の単離やトリ
オルガノシリルスルホネートの滴下の際の繁雑な冷浴の
変更等が不要となるために、グリニヤ試薬を調製した反
応器で全ての反応を行うこともでき、工程上の操作も非
常に簡便となることを知見し、本発明をなすに至ったも
のである。
【0010】従って、本発明は上記一般式(1)で示さ
れるアリールグリニヤ試薬を塩化チオニルと反応させ、
次いで上記一般式(2)で示されるトリオルガノシリル
スルホネート又はトリオルガノシリルハライドを反応さ
せて、上記一般式(3)で示されるトリアリールスルホ
ニウム塩を製造することを特徴とするトリアリールスル
ホニウム塩の製造方法を提供する。
【0011】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明で用いるアリールグリニヤ試薬は下記一般式
(1)で示されるものである。
【0012】
【化4】
【0013】ここで、R1〜R5は、水素原子又は一価の
有機基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。こ
の場合、一価の有機基としては、炭素数1〜14、特に
1〜10の一価炭化水素基(例えばアルキル基、アリー
ル基等)、炭素数1〜8、特に1〜6のアルコキシ基、
炭素数2〜8、特に2〜6のアセタール基又はケタール
基、炭素数6〜14のアリールオキシ基、アルキル基の
炭素数が1〜6、特に1〜4のジアルキルアミノ基、R
2N−R´−(Rは炭素数1〜6、特に1〜4のアルキ
ル基、R´は炭素数1〜6、特に1〜3のアルキレン
基)で示されるジアルキルアミノアルキル基、炭素数1
〜8、特に1〜6のアルキルチオ基、炭素数6〜14、
特に6〜10のアリールチオ基等が挙げられる。また、
Xは臭素原子又は塩素原子を示す。
【0014】なお、R1〜R5のアルキル基としては、直
鎖状、分枝状又は環状のいずれでもよいが、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル
基、シクロへキシル基等が挙げられ、中でもメチル基、
エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基がより
好ましく用いられる。アルコキシ基としては、直鎖状、
分枝状又は環状のいずれでもよいが、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキ
シ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘ
キシロキシ基、シクロヘキシロキシ基等が挙げられ、中
でもメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、te
rt−ブトキシ基がより好ましく用いられる。アセター
ル基又はケタール基としては、テトラヒドロピラニルオ
キシ基、テトラヒドロフラニルオキシ基、1−エトキシ
エチルオキシ基、1−プロポキシエトキシ基等が挙げら
れ、中でもテトラヒドロピラニルオキシ基、1−エトキ
シエチルオキシ基が好ましく用いられる。ジアルキルア
ミノ基としてはN,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジ
エチルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基等や、N,
N−ジメチルアミノエチル基、N,N−ジブチルアミノ
ブチル基等が用いられ、中でもN,N−ジメチルアミノ
基がより好ましく用いられる。更にアリール基やアリー
ルオキシ基、アリールチオ基等も好適に用いられるが、
グリニヤ試薬として安定に存在できる置換基であれば上
記置換基以外のものでもよい。
【0015】また、その置換位置もo、m、p位のいず
れでもよいが、o位に立体障害の大きい置換基を有する
アリールスルホニウム塩を得ることが困難なため、m
位、p位が好ましい。
【0016】上記アリールグリニヤ試薬は、下記式で示
すアリール化合物とマグネシウムを用いて常法によりT
HF溶媒等の有機溶媒中で調製することができる。
【0017】
【化5】 (但し、式中R1〜R5、Xは上記と同様の意味を示
す。)
【0018】次に、本発明で使用するトリオルガノシリ
ルスルホネート又はトリオルガノシリルハライドは、下
記一般式(2)で示される。 (R63SiY …(2)
【0019】ここで、R6は直鎖状、分枝状又は環状の
一価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていても
よい。この場合、一価炭化水素基としては、好ましくは
炭素数1〜6、特に1〜4のアルキル基、好ましくは炭
素数6〜14、特に6〜10のアリール基、好ましくは
炭素数7〜10、特に7〜8のアラルキル基等を挙げる
ことができるが、これらの中でもアルキル基が好適であ
る。
【0020】Yは、置換又は非置換のアルキルスルホネ
ート又はアリールスルホネート又はハロゲン原子を示
し、例えば、メタンスルホネート、トリフルオロメタン
スルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ベン
ゼンスルホネート、p−トルエンスルホネート、2,4
−ジメチルベンゼンスルホネート、4−tert−ブチ
ルベンゼンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスル
ホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、2,
2,2−トリフルオロエタンスルホネート等のスルホネ
ートや塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原
子を用いることが好ましい。このようなスルホネートや
ハロゲン原子を用いたトリオルガノシリルスルホネート
又はトリオルガノシリルハライドとして、具体的にはト
リメチルシリルクロリド、tert−ブチルジメチルシ
リルクロリド、トリエチルシリルブロミド、tert−
ブチルジメチルシリルブロミド、トリメチルシリルトリ
フルオロメタンスルホネート、トリメチルシリル−p−
トルエンスルホネート、トリメチルシリル−4−ter
t−ブチルベンゼンスルホネート、トリメチルシリルノ
ナフルオロブタンスルホネート、トリメチルシリルベン
ゼンスルホネート、tert−ブチルジメチルシリル−
p−トルエンスルホネート、ジメチル−iso−プロピ
ルシリルトリフルオロメタンスルホネート、トリメチル
シリル−2,2,2−トリフルオロエタンスルホネー
ト、トリメチルシリルペンタフルオロベンゼンスルホネ
ート、ジメチルフェニルシリルトリフルオロメタンスル
ホネート、トリエチルシリル−4−フルオロベンゼンス
ルホネート等を挙げることができるが、これらの中でも
特にトリメチルシリルクロリド、tert−ブチルジメ
チルシリルクロリド、トリメチルシリルトリフルオロメ
タンスルホネート、トリメチルシリル−p−トルエンス
ルホネート、tert−ブチルジメチルシリルトリフル
オロメタンスルホネート等が好適に用いられる。
【0021】本発明のトリアリールスルホニウム塩の製
造方法は、上記アリールグリニヤ試薬をその調製に使用
したTHF溶媒等の有機溶媒の溶液のまま、あるいは更
にTHF等の有機溶媒で希釈した後、塩化チオニル又は
塩化チオニルのTHF溶液を滴下してジアリールスルホ
キシドを得、このジアリールスルホキシドを単離せず
に、即ち反応系にアリールグリニヤ試薬が残っている状
態で上記トリオルガノシリルスルホネート又はトリオル
ガノシリルハライドを滴下することで、下記一般式
(3)で示されるトリアリールスルホニウム塩を合成す
ることが好適である。
【0022】
【化6】 (但し、式中R1〜R5及びYは上記と同様の意味を示
す。)
【0023】上記アリールグリニヤ試薬と塩化チオニル
の反応は、アリールグリニヤ試薬1モルに対して塩化チ
オニルを好ましくは0.1〜0.4モル、特に0.2〜
0.3モルとすることが好ましい。塩化チオニルが0.
1モルより少ないとアリールスルホキシドの生成量が少
なくなり、塩化チオニルが0.4モルより多いと塩化チ
オニルとの反応後に残るアリールグリニヤ試薬の量が少
なくなり、結果としてトリアリールスルホニウム塩の生
成量が少なくなる。
【0024】また、反応温度は、−70〜70℃、特に
0〜10℃とすることが好ましい。反応温度が低すぎる
場合はアリールグリニヤ試薬が固化し、固化を防ぐため
には多量の希釈溶媒が必要となる。また、反応温度が高
すぎる場合は置換基の種類により置換基が分解する可能
性がある。さらに、塩化チオニルは、そのままか、ある
いはTHF等の有機溶媒で希釈してから滴下することも
できるが、反応による急激な温度上昇を避けるためには
希釈してから滴下するのが好ましい。塩化チオニルを滴
下した後の反応の熟成は、2時間以下、特に0.5〜1
時間行うことが好ましい。
【0025】上記反応の熟成後にトリオルガノシリルス
ルホネート又はトリオルガノシリルハライドを滴下する
際には、アリールグリニヤ試薬1モルに対してトリオル
ガノシリルスルホネート又はトリオルガノシリルハライ
ドを0.1〜1モル、特に0.5〜1モルの割合で滴下
するのが好ましい。トリオルガノシリルスルホネート又
はトリオルガノシリルハライドが0.1モルより少ない
とアリールスルホニウム塩の生成量が少なく、トリオル
ガノシリルスルホネート又はトリオルガノシリルハライ
ドが1モルより多いと酸不安定基を有するトリアリール
スルホニウム塩の合成の際には、トリオルガノシリルス
ルホネート又はトリオルガノシリルハライド中の酸性不
純物により酸不安定基の分解が進行する可能性がある。
また、その温度範囲は、上記塩化チオニルの反応の場合
と同様の理由により、−10〜20℃とすることが望ま
しい。
【0026】本発明の製造方法は、上記トリアリールス
ルホニウム塩の置換基の種類を変化させることにより、
トリアリールスルホニウム塩に光酸発生剤としての種々
の機能を効果的に導入することができる。
【0027】即ち、本発明のトリアリールスルホニウム
塩の製造方法によれば、例えば酸不安定基であるter
t−ブトキシ基を持つトリス(4−tert−ブトキシ
フェニル)スルホニウム塩、同じく酸不安定基であるt
ert−ブトキシ基を2個持つトリス(3,4−ジ−t
ert−ブトキシフェニル)スルホニウム塩や、塩基性
成分としてのジアルキルアミノ基を持つトリス(4−ジ
メチルアミノフェニル)スルホニウム塩等のように機能
性置換基をスルホニウム塩に導入することができる。そ
して、例えば、酸不安定基であるtert−ブトキシ基
を有するスルホニウム塩は、高エネルギー線照射で生成
する酸の作用で酸不安定基が分解してアルカリ溶解性を
有するフェノール誘導体が生成し、照射前後でアルカリ
水溶液に対する溶解性が異なるため、大きな溶解コント
ラストを有し、微細加工技術に適した高解像性を有する
化学増幅ポジ型レジスト材料の成分として好適に用いる
ことができる。また、塩基性成分としてのアミノ基を持
つスルホニウム塩は、単純な塩基性物質を加えた時のよ
うな塩基性物質の揮発や、相溶性の悪さ、不均一な分散
等の問題がなく、アミノ基の効果が再現性良く現れ、化
学増幅ポジ型レジスト材料の成分として好適であり、こ
れらのスルホニウム塩は、特に遠紫外線リソグラフィー
において大いに威力を発揮し得るものである。
【0028】
【発明の効果】本発明のトリアリールスルホニウム塩の
製造方法によれば、tert−ブトキシ基や、ジメチル
アミノ基等の機能性置換基を持つトリアリールスルホニ
ウム塩を、非常に簡便な方法で、且つ高収率で合成する
ことができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるも
のではない。
【0030】[実施例1]トリフルオロメタンスルホン酸トリス(4−tert−
ブトキシフェニル)スルホニウムの合成 金属マグネシウム60.7g(2.5モル)、4−te
rt−ブトキシフェニルクロリド461g(2.5モ
ル)、THF700gを用いて常法によりグリニヤ試薬
を調製した。このグリニヤ溶液を放冷し、更に氷水浴に
て冷却した後、塩化チオニル59.5g(0.5モル)
をTHF100gで希釈した溶液を30℃を超えない温
度で滴下し、反応の熟成を約30分間行った。次に、ト
リメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート27
7.8g(1.25モル)を20℃を超えない温度で滴
下した。更に反応の熟成を1時間行った後、室温で一晩
放置した。この反応液を再び氷水浴で冷却した後、1
6.7%塩化アンモニウム水溶液1800g(NH4
l 300g+H2O 1500g)を30℃を超えな
い温度で加え、分液後、有機層にクロロホルム1000
gを加え、水1000gを用いて3回洗浄した。その
後、溶媒をロータリーエバポレーターにて減圧留去し、
得られた油状残査を再結晶して、収量141g(収率4
5%)、純度99%のトリフルオロメタンスルホン酸ト
リス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム
を単離した。
【0031】[比較例1]トリフルオロメタンスルホン酸トリス(4−tert−
ブトキシフェニル)スルホニウムの合成 マグネシウム24.3g(1モル)、4−tert−ブ
トキシフェニルクロリド203.2g(1.1モル)、
THF280gを用いて常法により調製したグリニヤ試
薬をTHF500gで希釈し、ドライアイスメタノール
浴で−60℃以下に冷却した。次いで塩化チオニル4
7.5g(0.4モル)をTHF70gで希釈した溶液
を0℃を超えない温度で1時間かけて滴下した。氷浴に
て1時間熟成を行った後、水36gを加えて過剰のグリ
ニヤ試薬を分解した。塩化メチレン1000gにさらに
飽和塩化アンモニウム水溶液400gと水300gを加
えて分液を行い、有機溶媒層の水洗を純水700gで2
回行った。有機溶媒層を硫酸マグネシウムで乾燥、濾過
し、溶媒を減圧留去した。得られた油状物を再結晶して
ビス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホキシド
を収率60%で単離した。
【0032】このビス(4−tert−ブトキシフェニ
ル)スルホキシド30.0g(0.087モル)、ピリ
ジン13.4g(0.17モル)をTHF200gに溶
解させた溶液に、(トリメチルシリル)トリフルオロメ
タンスルホネート37.8g(0.17モル)を、0℃
を超えないように温度コントロールしながら撹拌、滴下
した。次いで反応温度を0〜5℃とし、10分間撹拌し
た。
【0033】得られた反応溶液を、金属マグネシウム
4.2g(0.17モル)、THF50g及び4−te
rt−ブトキシフェニルクロライド34.3g(0.1
9モル)を用いて常法によって調製したグリニヤ試薬
を、反応温度が0℃を超えないようにコントロールしな
がら滴下した。
【0034】次に、反応温度を0〜5℃となるようにし
て更に60分間撹拌し、反応を終了させた。
【0035】得られた反応液に水を滴下して過剰のグリ
ニヤ試薬を分解させた後、生成した無機塩を取り除くた
めに濾過を行った。得られた濾液に、塩化メチレン60
0g、飽和塩化アンモニウム水溶液300g、水400
gを用いて分液し、次いで水400gを用いて2回洗浄
した。得られた有機層を減圧留去して油状物を得た。こ
の油状物を再結晶して、収率50%、純度99%のトリ
フルオロメタンスルホン酸トリス(4−tert−ブト
キシフェニル)スルホニウムを得た。この二段階の合成
法による収率は、第一段階が60%、第二段階が50%
であるので、最終的には収率30%であった。
【0036】[実施例2]トリフルオロメタンスルホン酸トリス(3,4−ジ−t
ert−ブトキシフェニル)スルホニウムの合成 3,4−ジ−tert−ブトキシフェニルクロリド5
1.3g(0.2モル)と金属マグネシウム4.9g
(0.2モル)、THF100gを用いて常法によりグ
リニヤ試薬を調製した。このグリニヤ溶液を放冷し、更
に氷水浴にて冷却した後、塩化チオニル5.8g(0.
049モル)をTHF10gで希釈した溶液を30℃を
超えない温度で滴下し、反応の熟成を約30分間行っ
た。次にトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネ
ート26.7g(0.12モル)を20℃を超えない温
度で滴下した。更に反応の熟成を1時間行った後、室温
で一晩放置した。この反応液を再び氷水浴で冷却した
後、16.7%塩化アンモニウム水溶液200gを30
℃を超えない温度で加え、分液後、有機層にクロロホル
ム100gを加え、水100gを用いて3回洗浄した。
その後、溶媒をロータリーエバポレーターにて減圧留去
し、油状物を得た。この油状物を再結晶して、収量1
3.2g(収率32%)、純度99%のトリフルオロメ
タンスルホン酸トリス(3,4−ジ−tert−ブトキ
シフェニル)スルホニウムを単離した。
【0037】[比較例2]トリフルオロメタンスルホン酸トリス(3,4−ジ−t
ert−ブトキシフェニル)スルホニウムの合成 3,4−ジ−tert−ブトキシフェニルクロリドと金
属マグネシウムとTHFとを用いて常法によりグリニヤ
試薬を調製し、更に塩化チオニルを反応させてビス
(3,4−ジ−tert−ブトキシフェニル)スルホキ
シドを収率64%で得た。次に、このビス(3,4−ジ
−tert−ブトキシフェニル)スルホキシド58.9
g(0.12モル)をTHF120gに溶解させ、氷水
浴にて冷却した。これにトリエチルアミン12.1g
(0.12モル)を加え、更にトリメチルシリルトリフ
ラート68.3g(0.31モル)を10℃を超えない
ようにコントロールしながら滴下した。この溶液に、
1,2−ジ−tert−ブトキシ−4−クロロベンゼン
61.6g(0.24モル)、金属マグネシウム5.8
g(0.24モル)及びTHF100gを用いて常法に
て調製したグリニヤ試薬を10℃を超えないようにコン
トロールしながら滴下した。更に反応温度を0〜10℃
として反応の熟成を30分間行った。反応液に20%塩
化アンモニウム水溶液700gを加えて反応の停止と分
液を行った後、有機層にクロロホルム300gを加え
た。有機層を水300gを用いて2回水洗した後、溶媒
を減圧留去して油状物を得た。この油状物をカラムクロ
マトグラフィーにかけて(シリカゲル:溶出液、クロロ
ホルム−メタノール)、収率20%で純度99%のトリ
フルオロメタンスルホン酸トリス(3,4−ジ−ter
t−ブトキシフェニル)スルホニウムを得た。この二段
階の合成法の最終的な収率は13%であった。
【0038】[実施例3]トリフルオロメタンスルホン酸トリス(4−ジメチルア
ミノフェニル)スルホニウムの合成 4−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン100g(0.
5モル)、金属マグネシウム12.1g(0.5モル)
とTHF250gを用いて常法によりグリニヤ試薬を調
製した。このグリニヤ溶液を放冷し、更に氷水浴にて冷
却した後、塩化チオニル14.3g(0.12モル)を
THF20gで希釈した溶液を30℃を超えない温度で
滴下し、反応の熟成を約30分間行った。次に、トリメ
チルシリルトリフルオロメタンスルホネート66.7g
(0.3モル)を20℃を超えない温度で滴下した。更
に、反応の熟成を1時間行った後、室温で一晩放置し
た。この反応液を再び氷水浴で冷却した後、14.6%
塩化アンモニウム水溶液820gを30℃を超えない温
度で加え、分液後、有機層にクロロホルム200gを加
え、水200gを用いて3回洗浄した。その後、溶媒を
ロータリーエバポレーターにて減圧留去し、得られた油
状残査を再結晶して、収量36.5g(収率56%)、
純度99%のトリフルオロメタンスルホン酸トリス(4
−ジメチルアミノフェニル)スルホニウムを単離した。
【0039】[比較例3]トリフルオロメタンスルホン酸トリス(4−ジメチルア
ミノフェニル)スルホニウムの合成 4−ジメチルアミノフェニルブロミドと金属マグネシウ
ムとTHFとを用いて常法によりグリニヤ試薬を調製
し、このグリニヤ試薬を塩化チオニルと反応させること
により、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホキ
シドを収率33%で得た。このビス(4−ジメチルアミ
ノフェニル)スルホキシド7.0g(0.024モル)
を塩化メチレン100gに溶解させた溶液を、ドライア
イスメタノール浴を用いて−70℃に冷却した後、トリ
メチルシリルトリフレート6.0g(0.027モル)
を−60℃を超えない温度で撹拌、滴下した。
【0040】次いで、ドライアイスメタノール浴を氷水
浴に代えて反応温度を0〜5℃とし、10分間撹拌し
た。
【0041】得られた反応溶液を、ドライアイスメタノ
ール浴を用いて再度−70℃に冷却した後、4−ブロモ
−N,N−ジメチルアニリン9.9g(0.049モ
ル)、金属マグネシウム1.2g(0.049モル)と
THF20gを用いて常法により調製したグリニヤ試薬
を、反応温度が−60℃を超えない温度で撹拌、滴下し
た。
【0042】次いで、再び氷水浴に代え、反応温度を0
〜5℃として60分間撹拌し、反応を終了させた。
【0043】この反応液に15%塩化アンモニウム水溶
液300gを加えて分液を行った後、有機溶媒層の水洗
を水150gで2回行った。得られた有機層をロータリ
ーエバポレータを用いて溶媒を減圧留去し、油状物を得
た。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにかけて、収率40%で、純度99%のトリフルオ
ロメタンスルホン酸トリス(4−ジメチルアミノフェニ
ル)スルホニウムを得た。この二段階の合成法の最終的
な収率は、第一段階が33%、第二段階が40%である
ので、13%であった。
【0044】[実施例4]p−トルエンスルホン酸トリス(4−tert−ブトキ
シフェニル)スルホニウムの合成 実施例1において、トリメチルシリルトリフルオロメタ
ンスルホネート277.8gの代わりに、p−トルエン
スルホン酸とトリメチルシリルクロリドとを用いて常法
により得たトリメチルシリル−p−トルエンスルホネー
ト(沸点113〜117℃/0.5〜0.6mmHg)
305g(1.25モル)を用いた以外は実施例1と同
様にして、カウンターアニオンにp−トルエンスルホン
酸を持つスルホニウム塩を合成し、収率45%で、純度
99%のp−トルエンスルホン酸トリス(4−tert
−ブトキシフェニル)スルホニウムを得た。
【0045】[比較例4]p−トルエンスルホン酸トリス(4−tert−ブトキ
シフェニル)スルホニウムの合成 比較例1と同様に収率60%で得たビス(4−tert
−ブトキシフェニル)スルホキシド10.0g(0.0
29モル)、トリエチルアミン5.8g(0.058モ
ル)をTHF115gに溶解させた溶液に、(トリメチ
ルシリル)p−トルエンスルホネート14.2g(0.
058モル)を0℃を超えないように温度コントロール
しながら撹拌、滴下した。次いで反応温度を0〜5℃と
し、30分間撹拌した。
【0046】得られた反応溶液に、金属マグネシウム
1.4g(0.058モル)、THF16g及び4−t
ert−ブトキシフェニルクロライド11.8g(0.
064モル)を用いて常法によって調製したグリニヤ試
薬を、反応温度が0℃を超えないようにコントロールし
ながら滴下した。次に、反応温度を0〜5℃となるよう
に更に60分間撹拌し、反応を終了させた。
【0047】得られた反応液に水を滴下して過剰のグリ
ニヤ試薬を分解させた後、生成した無機塩を取り除くた
めに濾過を行った。得られた濾液に、塩化メチレン60
0g、飽和塩化アンモニウム水溶液200g、水200
gを用いて分液し、次いで水500gを用いて3回洗浄
した。得られた有機層を減圧留去して油状物を得た。得
られた油状物を再結晶して、収率28%、純度99%の
p−トルエンスルホン酸トリス(4−tert−ブトキ
シフェニル)スルホニウムを得た。なお、原料のスルホ
キシドの単離収率は60%であるので、最終的な収率は
17%であった。
【0048】[実施例5]p−トルエンスルホン酸トリス(4−ジメチルアミノフ
ェニル)スルホニウムの合成 4−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン100g(0.
5モル)、金属マグネシウム12.1g(0.5モル)
とTHF500gを用いて常法によりグリニア試薬を調
製した。このグリニア溶液を放冷後、氷水浴にて冷却し
た。塩化チオニル14.3g(0.12モル)をTHF
20gで希釈した溶液を30℃を超えない温度で滴下し
た。反応の熟成を約30分間行った。次に、トリメチル
シリル−p−トルエンスルホネート73.3g(0.3
モル)を20℃を超えない温度で滴下した。更に反応の
熟成を1時間行った後、室温で一晩放置した。再びこの
反応液を氷水浴で冷却し、14.6%塩化アンモニウム
水溶液1500gを30℃を超えない温度で加え、分液
後、有機層にクロロホルム400gを加え、水200g
で3回洗浄した。溶媒をロータリーエバポレーターにて
減圧留去し、得られた油状残渣を再結晶して、収量3
9.9g(収率59%)、純度99%のp−トルエンス
ルホン酸トリス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホ
ニウムを単離した。
【0049】[比較例5]p−トルエンスルホン酸トリス(4−ジメチルアミノフ
ェニル)スルホニウムの合成 4−ジメチルアミノフェニルブロミドと金属マグネシウ
ムをTHF溶媒中、常法によりグリニア試薬を調製し、
塩化チオニルと反応させることによりビス(4−ジメチ
ルアミノフェニル)スルホキシドを収率33%で得た。
【0050】上記ビス(4−ジメチルアミノフェニル)
スルホキシド7.0g(0.024モル)を塩化メチレ
ン200gに溶解させた溶液をドライアイスメタノール
浴を用いて−70℃に冷却した後、トリメチルシリル−
p−トルエンスルホネート6.6g(0.027モル)
を−60℃を超えない温度で撹拌、滴下した。
【0051】次いで、ドライアイスメタノール浴を氷水
浴に代えて反応温度を0〜5℃として、10分間撹拌し
た。
【0052】得られた反応溶液を再度ドライアイスメタ
ノール浴を用いて−70℃に冷却した後、4−ブロモ−
N,N−ジメチルアニリン10g(0.05モル)、金
属マグネシウム1.2g(0.05モル)とTHF20
gを用いて常法により調製したグリニア試薬を反応温度
が−60℃を超えない温度で撹拌、滴下した。
【0053】次いで、再び氷水浴に代えて反応温度を0
〜5℃として60分間撹拌し、反応を終了させた。
【0054】この反応液に15%塩化アンモニウム水溶
液500gを加えて分液を行った後、有機溶媒層を水2
00gを用いて2回水洗を行った。得られた有機層をロ
ータリーエバポレーターを用いて溶媒を減圧留去し、油
状物を得た。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにかけて、収量6.1g(収率45%)、
純度99%のp−トルエンスルホン酸トリス(4−ジメ
チルアミノフェニル)スルホニウムを得た。
【0055】この二段階の合成法の収率は、第一段階が
33%、第二段階が45%であるので15%であった。
【0056】[実施例6〜9]実施例5で用いたトリメ
チルシリル−p−トルエンスルホネートの代わりにトリ
メチルシリル−p−フルオロベンゼンスルホネート、ト
リメチルシリル−2,2,2−トリフルオロエタンスル
ホネート、トリメチルシリルノナフルオロブタンスルホ
ネート、トリメチルシリルペンタフルオロベンゼンスル
ホネートを用いた以外は実施例5と同様にして合成を行
ったところ、それぞれ下記のような収率、純度で目的物
を得た。実施例6 p−フルオロベンゼンスルホン酸トリス(4−ジメチル
アミノフェニル)スルホニウム(純度99%,収率55
%)実施例7 2,2,2−トリフルオロエタンスルホン酸トリス(4
−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム(純度99
%,収率48%)実施例8 ノナフルオロブタンスルホン酸トリス(4−ジメチルア
ミノフェニル)スルホニウム(純度99%,収率58
%)実施例9 ペンタフルオロベンゼンスルホン酸トリス(4−ジメチ
ルアミノフェニル)スルホニウム(純度99%,収率5
0%)
【0057】[比較例6〜9]比較例5で用いたトリメ
チルシリル−p−トルエンスルホネートの代わりにトリ
メチルシリル−p−フルオロベンゼンスルホネート、ト
リメチルシリル−2,2,2−トリフルオロエタンスル
ホネート、トリメチルシリルノナフルオロブタンスルホ
ネート、トリメチルシリルペンタフルオロベンゼンスル
ホネートを用いた以外は比較例5と同様にして合成を行
ったところ、それぞれ下記のような収率、純度で目的物
を得た。比較例6 p−フルオロベンゼンスルホン酸トリス(4−ジメチル
アミノフェニル)スルホニウム(純度98%,収率38
%) この二段階の合成法の収率は、第一段階が33%、第二
段階が38%であるので13%であった。比較例7 2,2,2−トリフルオロエタンスルホン酸トリス(4
−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム(純度99
%,収率37%) この二段階の合成法の収率は、第一段階が33%、第二
段階が37%であるので12%であった。比較例8 ノナフルオロブタンスルホン酸トリス(4−ジメチルア
ミノフェニル)スルホニウム(純度99%,収率45
%) この二段階の合成法の収率は、第一段階が33%、第二
段階が45%であるので15%であった。比較例9 ペンタフルオロベンゼンスルホン酸トリス(4−ジメチ
ルアミノフェニル)スルホニウム(純度99%,収率4
1%) この二段階の合成法の収率は、第一段階が33%、第二
段階が28%であるので13%であった。 上記実施例及び比較例の製造方法における収率を表1に
示す。
【0058】
【表1】
フロントページの続き (72)発明者 石原 俊信 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社合成技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (但し、式中R1〜R5は水素原子又は一価の有機基を示
    し、これらは互いに同一でも異なってもよい。Xは臭素
    原子又は塩素原子を示す。)で示されるアリールグリニ
    ヤ試薬を塩化チオニルと反応させ、次いで下記一般式
    (2) (R63SiY …(2) (但し、式中R6は互いに同一又は異なった一価炭化水
    素基を示し、Yは置換又は非置換のアルキルスルホネー
    ト又はアリールスルホネート又はハロゲン原子を示
    す。)で示されるトリオルガノシリルスルホネート又は
    トリオルガノハライドを反応させることを特徴とする下
    記一般式(3) 【化2】 (但し、式中R1〜R5及びYは上記と同様の意味を示
    す。)で示されるトリアリールスルホニウム塩の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 上記一般式(1)中のR1〜R5が水素原
    子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アセター
    ル基、ケタール基、アリールオキシ基、ジアルキルアミ
    ノ基、ジアルキルアミノアルキル基、アルキルチオ基又
    はアリールチオ基である請求項1記載のトリアリールス
    ルホニウム塩の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記一般式(1)のアリールグリニヤ試
    薬1モルに対し塩化チオニルを0.1〜0.4モル反応
    させた後、該アリールグリニヤ試薬1モルに対し上記一
    般式(2)のトリオルガノシリルスルホネート又はトリ
    オルガノシリルハライドを0.1〜1モル反応させる請
    求項1又は2記載のトリアリールスルホニウム塩の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 上記一般式(1)のアリールグリニヤ試
    薬を調製した反応器に塩化チオニルを添加した後、その
    反応生成物を単離することなく上記一般式(2)のトリ
    オルガノシリルスルホネート又はトリオルガノシリルハ
    ライドを添加する請求項1、2又は3記載のトリアリー
    ルスルホニウム塩の製造方法。
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