JP2000344727A - 4−ターシャリーブトキシ−4’−シアノビフェニル及びその製造方法、並びに4−ヒドロキシ−4’−シアノビフェニルの製造方法 - Google Patents

4−ターシャリーブトキシ−4’−シアノビフェニル及びその製造方法、並びに4−ヒドロキシ−4’−シアノビフェニルの製造方法

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JP2000344727A
JP2000344727A JP11359389A JP35938999A JP2000344727A JP 2000344727 A JP2000344727 A JP 2000344727A JP 11359389 A JP11359389 A JP 11359389A JP 35938999 A JP35938999 A JP 35938999A JP 2000344727 A JP2000344727 A JP 2000344727A
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bis
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Taiji Hara
大治 原
Hisao Eguchi
久雄 江口
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Tosoh Corp
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 4−ヒドロキシ−4’−シアノビフェニルへ
の変換が極めて容易であり、また、液晶等の電子材料、
側鎖型液晶ポリマ−等の機能性高分子用モノマ−原料と
して極めて有用な化合物及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 下記一般式(2) 【化1】 (式中、MはZn、B、Si又はSnであり、Xはハロ
ゲン、ヒドロキシル基、アルコキシ基又は炭化水素基を
表す。mは1≦m≦nなる数であり、nはMの価数に対
応した2〜4の数を表す。)で示される4−ターシャリ
ーブトキシフェニル金属化合物と下記一般式(3) 【化2】 (式中、Yは、塩素原子、臭素原子、沃素原子又はトリ
フレ−トを表す。)で示される4−置換ベンゾニトリル
化合物とを、Pd触媒、Ni触媒又はPd−Niバイメ
タル触媒の存在下、クロスカップリング反応させて4−
ターシャリーブトキシ−4’−シアノビフェニルを製造
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶等の電子材
料、側鎖型液晶ポリマ−等の機能性高分子用モノマ−の
原料となる4−ターシャリーブトキシ−4’−シアノビ
フェニル及びその製造方法、並びにそれを用いた4−ヒ
ドロキシ−4’−シアノビフェニルの製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】4−アルコキシ−4’−シアノビフェニ
ル及び4−ヒドロキシ−4’−シアノビフェニルの合成
方法としては、以下のような方法が知られている。
【0003】i)特開平1−39474号公報には、出
発原料である4−酢酸ビフェニルを、ブロモ化し、4−
ブロモ−4’−酢酸ビフェニルを得て、これを水酸化カ
リウムにより、4−ブロモ−4’−オキシビフェニルカ
リウム塩として、沃化アルキルを反応させるか又は加水
分解した後、シアン化銅で処理することで、4−アルコ
キシ−4’−シアノビフェニル及び4−ヒドロキシ−
4’−シアノビフェニルを得る方法が記載されている。
【0004】また、近年、有機金属化合物と有機ハライ
ドを遷移金属触媒共存下、クロスカップリング反応によ
り合成する方法が数多く提案されている。例えば、 ii)ドイツ特許第19607135号明細書(199
0)に記載の方法では、p−メトキシマグネシウムブロ
ミドとp−ブロモベンゾニトリルを酢酸パラジウム/ト
リフェニルホスフィン系触媒下、クロスカップリング反
応させ、4−メトキシ−4’−シアノビフェニルを得て
いる。しかしながら、この方法では、有機マグネシウム
化合物が、シアノ基を求核攻撃するため、4−ブロモ−
4’−メトキシベンゾフェノニウムの副生が避けられな
い。有機マグネシウムを用いた方法で、本副生成物の生
成を抑えた方法としては、例えば、 iii)Журнал орбанцуескоц х
цмцц.31,11(1995)では、p−メトキシ
マグネシウムブロミドとp−ジブロモベンゼンをパラジ
ウムビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン触媒下、
クロスカップリング反応させ、4−ブロモ−4’−メト
キシ−ビフェニルを得、これをシアン化銅により、シア
ノ化する方法が提案されている。
【0005】一方、有機マグネシウム化合物の如く、シ
アノ基を求核攻撃しない様な有機金属化合物を用い、p
−ハロゲン化ベンゾニトリルとのクロスカップリング反
応を行うことが提案されている。例えば、 iv)J.Organomet.Chem.,390,
389 (1990)の記載の方法において、p−メト
キシフェニル亜鉛クロリドとp−ブロモベンゾニトリル
をテトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウム触媒存
在下のクロスカップリング反応により、ほぼ定量的に目
的物である4−メトキシ−4’−シアノビフェニルを得
ている。また、 v)Tetrahedron Lett.,38,34
47(1997)に記載の方法では、p−メトキシフェ
ニルボレ−トとp−シアノトリフレ−トをパラジウムビ
ス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン触媒下にクロス
カップリング反応させ、4−メトキシ−4’−シアノビ
フェニルを高収率で得ている。さらに、 vi)特開平6−239766号公報に記載の方法で
は、エチル(ジクロロ)(p−メトシキフェニル)シラ
ンとp−ブロモベンゾニトリルを酢酸パラジウム/トリ
−o−トリルホスフィン系触媒下のクロスカップリング
反応により、4−メトキシ−4’−シアノビフェニルを
得ている。
【0006】4−メトキシ−4’−シアノビフェニル
は、脱メチル化反応により、4−ヒドロキシ−4’−シ
アノビフェニルに誘導することができるが、この脱メチ
ル化反応は、酢酸中で臭化水素酸で処理する等、操作及
び後処理を考慮すれば、簡便な方法ではない。4−te
rt.−ブトキシビフェニル誘導体としては、 vii)特開平4−173756号公報では、4−te
rt.−ブトキシ−4’−フルオロビフェニルの製造方
法が提案されているが、p−tert.−ブトキシフェ
ニルマグネシウムハライドとp−ハロゲン化フルオロベ
ンゼン、又はp−フルオロフェニルマグネシウムハライ
ドとp−tert.−ブトキシハロゲン化ベンゼンをパ
ラジウムホスフィン触媒下にクロスカップリング反応さ
せており、上述の如く、シアノ化体合成には、適用でき
ないものである。
【0007】更に、4−シアノビフェニル誘導体として
は、 viii)特開平6−49080号方法では、表示用液
晶組成物として、シアノビフェニルシロキサンを提案し
ており、その実施例において、有機マグネシウム化合物
を経由した合成処方を採用している。この際も、有機マ
グネシウムによるp−ブロモベンゾニトリルのシアノ基
の求核攻撃する可能性があり、シアノビフェニル誘導体
合成には、適当ではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の課題に
鑑みてなされたものであり、その目的は、従来技術の問
題を解決すること、すなわち、4−ヒドロキシ−4’−
シアノビフェニルへの変換が極めて容易であり、また、
液晶等の電子材料、側鎖型液晶ポリマ−等の機能性高分
子用モノマ−原料として極めて有用な化合物及びその製
造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、4−ターシ
ャリーブトキシ−4’−シアノビフェニルが安定であ
り、定量的合成が可能なこと、殊にクロスカップリング
反応を用いた方法により容易に合成できること、更に、
酸触媒下、容易に4−ヒドロキシ−4’−シアノビフェ
ニルに変換できることを見出し、本発明を完成させるに
至った。
【0010】すなわち、本発明は、下記構造式(1)
【0011】
【化8】
【0012】で示される4−ターシャリーブトキシ−
4’−シアノビフェニル及びその製造方法、並びにそれ
を用いた4−ヒドロキシ−4’−シアノビフェニルの製
造方法である。
【0013】本発明の4−ターシャリーブトキシ−4’
−シアノビフェニルは、4−ヒドロキシ−4’−シアノ
ビフェニルへの変換が極めて容易であり、また、液晶等
の電子材料、側鎖型液晶ポリマ−等の機能性高分子用モ
ノマ−原料として極めて有用である。
【0014】以下に本発明をさらに詳細に説明する本発
明においては、下記一般式(2)
【0015】
【化9】
【0016】(式中、MはZn、B、Si又はSnであ
り、Xはハロゲン、ヒドロキシル基、アルコキシ基又は
炭化水素基を表す。mは1≦m≦nなる数であり、nは
Mの価数に対応した2〜4の数を表す。)で示される4
−ターシャリーブトキシフェニル金属化合物と下記一般
式(3)
【0017】
【化10】
【0018】(式中、Yは塩素原子、臭素原子、沃素原
子又はトリフレ−トを表す。)で示される4−置換ベン
ゾニトリル化合物とを、Pd触媒、Ni触媒又はPd−
Niバイメタル触媒の存在下、クロスカップリング反応
させるにより、上記構造式(1)に示される4−ターシ
ャリーブトキシ−4’−シアノビフェニルを得る。
【0019】本発明の4−ターシャリーブトキシ−4’
−シアノビフェニルは、例えば、4−ヒドロキシ−4’
−シアノビフェニルを硫酸等の酸触媒下にイソブテンに
より、ヒドロキシル基をイソブチル化することによって
も合成することはできる。しかしながら、上記文献i)
の如き合成方法で得られた4−ヒドロキシ−4’−シア
ノビフェニルは、不純物として位置異性体を含む場合が
あり、また、フェノ−ル構造のイソブテンを用いたイソ
ブチル化反応は、平衡反応であり、定量的な反応となら
ず、高純度品を得るには不適当な場合がある。
【0020】したがって、上記構造式(1)を有する高
純度な4−ターシャリーブトキシ−4’−シアノビフェ
ニルを合成するためには、上記一般式(2)で示される
4−ターシャリーブトキシフェニル基を有するホウ素化
合物、亜鉛化合物、ケイ素化合物及び錫化合物からなる
群から選ばれる少なくとも一種と、上記一般式(3)で
示される4−置換ベンゾニトリル化合物とを、Pd触
媒、Ni触媒又はPd−Niバイメタル触媒の存在下、
クロスカップリング反応させる本発明の方法が好適に用
いられる。
【0021】本発明の方法において使用される上記一般
式(2)で示される4−ターシャリーブトキシフェニル
金属化合物のうち、ホウ素化合物としては、例えば、下
記一般式(4)
【0022】
【化11】
【0023】(式中、X1は、ヒドロキシル基、アルコ
キシ基又は炭化水素基を示し、pは3以下の正数を表
す。)で示される化合物を挙げることができる。具体的
には、例えば、トリ(4−ターシャリーブトキシフェニ
ル)ホウ素、4−ターシャリーブトキシフェニルジヒド
ロキシホウ素、ジ(4−ターシャリーブトキシフェニ
ル)ヒドロキシホウ素、4−ターシャリーブトキシフェ
ニルジメトキシホウ素、ジ(4−ターシャリーブトキシ
フェニル)メトキシホウ素、4−ターシャリーブトキシ
フェニルジエトキシホウ素、ジ(4−ターシャリーブト
キシフェニル)エトキシホウ素、4−ターシャリーブト
キシフェニルジ(n−プロポキシ)ホウ素、ジ(4−タ
ーシャリーブトキシフェニル)(n−プロポキシ)ホウ
素、4−ターシャリーブトキシフェニルジ(i−プロポ
キシ)ホウ素、ジ(4−ターシャリーブトキシフェニ
ル)(i−プロポキシ)ホウ素、4−ターシャリーブト
キシフェニルジ(n−ブトキシ)ホウ素、ジ(4−ター
シャリーブトキシフェニル)(n−ブトキシ)ホウ素、
4−ターシャリーブトキシフェニルジ(i−ブトキシ)
ホウ素、ジ(4−ターシャリーブトキシフェニル)(i
−ブトキシ)ホウ素、4−ターシャリーブトキシフェニ
ルジ(sec−ブトキシ)ホウ素、ジ(4−ターシャリ
ーブトキシフェニル)(sec−ブトキシ)ホウ素、4
−ターシャリーブトキシフェニルジ(tert−ブトキ
シ)ホウ素、ジ(4−ターシャリーブトキシフェニル)
(tert−ブトキシ)ホウ素、4−ターシャリーブト
キシフェニル(ベンゼンジオキシ)ホウ素、4−ターシ
ャリーブトキシフェニル(プロパンジオキシ)ホウ素、
4−ターシャリーブトキシフェニルジエチルホウ素、ジ
(4−ターシャリーブトキシフェニル)エチルホウ素、
4−ターシャリーブトキシフェニル(9−ボラビシクロ
[3.3.1]ノナリル)ホウ素等を挙げることができ
る。
【0024】亜鉛化合物としては、例えば、下記一般式
(5)
【0025】
【化12】
【0026】(式中、X2はハロゲン又は炭化水素基を
表し、qは2以下の正数を表す。)で示される化合物を
挙げることができる。具体的には、例えば、ジ(4−タ
ーシャリーブトキシフェニル)亜鉛、(4−ターシャリ
ーブトキシフェニル)塩化亜鉛、(4−ターシャリーブ
トキシフェニル)臭化亜鉛、(4−ターシャリーブトキ
シフェニル)沃化亜鉛、4−ターシャリーブトキシフェ
ニル(メチル)亜鉛、4−ターシャリーブトキシフェニ
ル(エチル)亜鉛、4−ターシャリーブトキシフェニル
(n−プロピル)亜鉛、4−ターシャリーブトキシフェ
ニル(i−プロピル)亜鉛、4−ターシャリーブトキシ
フェニル(n−ブチル)亜鉛、4−ターシャリーブトキ
シフェニル(i−ブチル)亜鉛、4−ターシャリーブト
キシフェニル(sec−ブチル)亜鉛、4−ターシャリ
ーブトキシフェニル(tert.−ブチル)亜鉛等を挙
げることができる。
【0027】ケイ素化合物としては、下記一般式(6)
【0028】
【化13】
【0029】(式中、X3はハロゲン又は炭化水素基を
示し、rは4以下の正数を表す。)で示される化合物を
挙げることができる。具体的には、例えば、4−ターシ
ャリーブトキシフェニル(エチル)ジクロロシラン、4
−ターシャリーブトキシフェニル(ジエチル)クロロシ
ラン、4−ターシャリーブトキシフェニルトリエチルシ
ラン、ジ(4−ターシャリーブトキシフェニル)(エチ
ル)クロロシラン、ジ(4−ターシャリーブトキシフェ
ニル)ジエチルシラン、4−ターシャリーブトキシフェ
ニル(メチル)ジクロロシラン、4−ターシャリーブト
キシフェニル(ジメチル)クロロシラン、4−ターシャ
リーブトキシフェニルトリメチルシラン、ジ(4−ター
シャリーブトキシフェニル)(メチル)クロロシラン、
ジ(4−ターシャリーブトキシフェニル)ジメチルシラ
ン、4−ターシャリーブトキシフェニルトリクロロシラ
ン、ジ(4−ターシャリーブトキシフェニル)ジクロロ
シラン等を挙げることができる。
【0030】錫化合物としては、例えば、下記一般式
(7)
【0031】
【化14】
【0032】(式中、X4は炭化水素基を示し、rは4
以下の正数を表す。)で示される化合物を挙げることが
できる。具体的には、例えば、4−ターシャリーブトキ
シフェニルトリメチルスズ、ジ(4−ターシャリーブト
キシフェニル)ジメチルスズ、トリ(4−ターシャリー
ブトキシフェニル)メチルスズ、4−ターシャリーブト
キシフェニルトリエチルスズ、ジ(4−ターシャリーブ
トキシフェニル)ジエチルスズ、トリ(4−ターシャリ
ーブトキシフェニル)エチルスズ、4−ターシャリーブ
トキシフェニルトリ−n−プロピルスズ、ジ(4−ター
シャリーブトキシフェニル)ジ−n−プロピルスズ、ト
リ(4−ターシャリーブトキシフェニル)n−プロピル
スズ、4−ターシャリーブトキシフェニルトリ−i−プ
ロピルスズ、ジ(4−ターシャリーブトキシフェニル)
ジ−i−プロピルスズ、トリ(4−ターシャリーブトキ
シフェニル)i−プロピルスズ、4−ターシャリーブト
キシフェニルトリ−n−ブチルスズ、ジ(4−ターシャ
リーブトキシフェニル)ジ−n−ブチルスズ、トリ(4
−ターシャリーブトキシフェニル)n−ブチルスズ、4
−ターシャリーブトキシフェニルトリ−i−ブチルス
ズ、ジ(4−ターシャリーブトキシフェニル)ジ−i−
ブチルスズ、トリ(4−ターシャリーブトキシフェニ
ル)i−ブチルスズ、4−ターシャリーブトキシフェニ
ルトリ−sec−ブチルスズ、ジ(4−ターシャリーブ
トキシフェニル)ジ−sec−ブチルスズ、トリ(4−
ターシャリーブトキシフェニル)sec−ブチルスズ、
テトラ(4−ターシャリーブトキシフェニル)メチルス
ズ、4−ターシャリーブトキシフェニルトリ−tert
−ブチルスズ、ジ(4−ターシャリーブトキシフェニ
ル)ジ−tert−ブチルスズ、トリ(4−ターシャリ
ーブトキシフェニル)tert−ブチルスズ等を挙げる
ことができる。
【0033】上記一般式(2)で示される4−ターシャ
リーブトキシフェニル金属化合物の製造方法は特に限定
するものではないが、例えば、下記一般式(8)
【0034】
【化15】
【0035】(式中、Zは塩素原子、臭素原子又は沃素
原子を表す。)で示されるマグネシウム化合物、又は下
記構造式(9)
【0036】
【化16】
【0037】で示されるリチウム化合物を、対応する亜
鉛化合物、ホウ素化合物、ケイ素化合物又は錫化合物と
反応させることによって調製することができる。本発明
の方法によれば、従来、−78℃程度の極低温で行わな
ければならなかったアリルホウ素化合物の調製が、−3
0℃以上、さらには実施例で表すが如く0℃以上の温度
で可能になる。
【0038】本発明の方法において、上記一般式(3)
で示される4−置換ベンゾニトリルとしては、4−クロ
ロベンゾニトリル、4−ブロモベンゾニトリル、4−ヨ
−ドベンゾニトリル、4−シアノフェニルトリフレ−ト
が挙げられる。
【0039】本発明の方法において、クロスカップリン
グ反応の際に用いられるPd触媒、Ni触媒又はPd−
Niバイメタル触媒としては、特に限定するものではな
いが、例えば、下記一般式(10) L1 fPdX5 g (10) (式中、fは0〜6の整数、gはPdの価数に相当する
数であり、Pdの価数は零価、一価又は二価である。X
5はハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20の炭化水
素基、カルボン酸残基又はケトン残基であり、各々同一
であっても異なっていても良い。L1は、有機ホスフィ
ン、有機ホスファイト、有機アルシン、有機アミン、有
機ニトリル、有機イソシアニド、オレフィン、ジエン又
はカルボニルであり、各々同一であっても異なっていて
も良く、さらにこれらは架橋されていても良い。)で示
される化合物、例えば、トリス(ジベンジリデンアセト
ン)二パラジウム(0)、ヘキサキス(2,6−キシリ
ルイソシアニド)三パラジウム(0)、カルボニルトリ
ス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリス(カ
ルボニル)トリス(トリ−tert.−ブチルホスフィ
ン)三パラジウム(0)、(エチレン)ビス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム(0)、(フマル酸ジメチ
ル)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(0)、(メタクリル酸メチル)ビス(メチルジフェニ
ルホスフィン)パラジウム(0)、テトラキス(トリエ
チルホスフィト)パラジウム(0)、テトラキス(トリ
フェニルホスフィト)パラジウム(0)、テトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、テトラ
キス(トリシクロヘキシル)パラジウム(0)、テトラ
キス(トリ−tert.−ブチルホスフィン)パラジウ
ム(0)、テトラキス(トリ−n−ブチルホスフィン)
パラジウム(0)、テトラキス(トリエチルホスフィ
ン)パラジウム(0)、テトラキス(ジ−tert.−
ブチルフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス
(トリシクロヘキシル)パラジウム(0)、ビス(トリ
−tert.−ブチルホスフィン)パラジウム(0)、
ビス(トリ−n−ブチルホスフィン)パラジウム
(0)、ビス(トリエチルホスフィン)パラジウム
(0)、ビス(ジ−tert.−ブチルフェニルホスフ
ィン)パラジウム(0)、テトラキス(トリフェニルア
ルシン)パラジウム(0)、ビス(シクロオクタジエ
ン)パラジウム(0)、ジクロロビス[ビス(ジメチル
ホスフィノ)メタン]二パラジウム(I)、ジブロモビ
ス[ビス(ジメチルホスフィノ)メタン]二パラジウム
(I)、ジヨ−ドビス[ビス(ジメチルホスフィノ)メ
タン]二パラジウム(I)、ジクロロビス(トリフェニ
ルホスフィン)パラジウム(II)、ブロモビス(トリ
フェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジヨ−ドビ
ス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジ
クロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタ
ン]パラジウム(II)、ジブロモ[1,2−ビス(ジ
フェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(II)、ジ
ヨ−ド[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタ
ン]パラジウム(II)、ジクロロ[1,3−ビス(ジ
フェニルホスフィノ)プロパン]パラジウム(II)、
ジブロモ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロ
パン]パラジウム(II)、ジヨ−ド[1,3−ビス
(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウム(I
I)、ジクロロビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パ
ラジウム(II)、ブロモビス(トリ−t−ブチルホス
フィン)パラジウム(II)、ジヨ−ドビス(トリ−t
−ブチルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロ
[1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)エタン]
パラジウム(II)、ジブロモ[1,2−ビス(ジ−t
−ブチルホスフィノ)エタン]パラジウム(II)、ジ
ヨ−ド[1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)エ
タン]パラジウム(II)、ジクロロ[1,3−ビス
(ジ−t−ブチルホスフィノ)プロパン]パラジウム
(II)、ジブロモ[1,3−ビス(ジ−t−ブチルホ
スフィノ)プロパン]パラジウム(II)、ジヨ−ド
[1,3−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)プロパ
ン]パラジウム(II)、ジクロロビス(トリシクロヘ
キシルホスフィン)パラジウム(II)、ジブロモビス
(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(I
I)、ジヨ−ドビス(トリシクロヘキシルホスフィン)
パラジウム(II)、ジクロロ[1,2−ビス(ジシク
ロヘキシルホスフィノ)エタン]パラジウム(II)、
ジブロモ[1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィ
ノ)エタン]パラジウム(II)、ジヨ−ド[1,2−
ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン]パラジウ
ム(II)、ジクロロ[1,3−ビス(ジシクロヘキシ
ルホスフィノ)プロパン]パラジウム(II)、ジブロ
モ[1,3−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロ
パン]パラジウム(II)、ジヨ−ド[1,3−ビス
(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパン]パラジウム
(II)、ジクロロビス(トリメチルホスフィン)パラ
ジウム(II)、ジブロモビス(トリメチルホスフィ
ン)パラジウム(II)、ジヨ−ドビス(トリメチルホ
スフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリエ
チルホスフィン)パラジウム(II)、ジブロモビス
(トリエチルホスフィン)パラジウム(II)、ジヨ−
ドビス(トリエチルホスフィン)パラジウム(II)、
ジクロロビス(トリi−プロピルホスフィン)パラジウ
ム(II)、ジブロモビス(トリi−プロピルホスフィ
ン)パラジウム(II)、ジヨ−ドビス(トリi−プロ
ピルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス
(トリn−ブチルホスフィン)パラジウム(II)、ジ
ブロモビス(トリn−ブチルホスフィン)パラジウム
(II)、ジヨ−ドビス(トリn−ブチルホスフィン)
パラジウム(II)、ジクロロビス(メチルジフェニル
ホスフィン)パラジウム(II)、ジブロモビス(メチ
ルジフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジヨ−
ドビス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(I
I)、ジクロロビス(ジメチルフェニルホスフィン)パ
ラジウム(II)、ジブロモビス(ジメチルフェニルホ
スフィン)パラジウム(II)、ジヨ−ドビス(ジメチ
ルフェニルホスフィン)パラジウム(II)、クロロ
(フェニル)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム(II)、ブロモ(フェニル)ビス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウム(II)、ヨ−ド(フェニル)ビ
ス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジ
メチルビス(トリメチルホスフィン)パラジウム(I
I)、テトラメチレンビス(トリフェニルホスフィン)
パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化パ
ラジウム(II)、パラジウムカ−ボン等を挙げること
ができ、これらの二種以上の混合物及び複核錯体の使用
も本発明の範囲に含まれる。
【0040】また、下記一般式(11) L2 hNiX6 i (11) (式中、hは0〜6の整数、iはNiの価数に相当する
数であり、Niの価数は零価、一価又は二価である。X
6は、ハロゲン原子,水素原子,炭素数1〜20の炭化
水素基であり、同一であっても異なっても良い。L
2は、置換ホスフィン配位子,カルボニル配位子,アミ
ン配位子であり、同一であっても異なっても良く、置換
ホスフィン配位子の場合、架橋されていても良い。)で
示される有機ニッケル錯体、例えば、トリカルボニル
(トリフェニルホスフィンニッケル(0)、ジカルボニ
ルビス(トリフェニルホスフィンニッケル(0),テト
ラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)、二
窒素ビス[ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ニッ
ケル(0)]、(エチレン)ビス(トリフェニルホスフ
ィン)ニッケル(0)、ビス(シクロオクタジエン)ニ
ッケル(0)、(シクロドデカトリエン)ニッケル
(0)、塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ニッケ
ル(I)、臭化トリス(トリフェニルホスフィン)ニッ
ケル(I)、沃化トリス(トリフェニルホスフィン)ニ
ッケル(I)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)
ニッケル(II)、二臭化ビス(トリフェニルホスフィ
ン)ニッケル(II)、二沃化ビス(トリフェニルホス
フィン)ニッケル(II)、二塩化[1,2−ビス(ジ
フェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(II)、二臭
化[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニ
ッケル(II)、二沃化[1,2−ビス(ジフェニルホ
スフィノ)エタン]ニッケル(II)、二塩化[1,3
−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル
(II)、二臭化[1,3−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)プロパン]ニッケル(II)、二沃化[1,3−ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(I
I)、二塩化ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)ニッ
ケル(II)、二臭化ビス(トリ−t−ブチルホスフィ
ン)ニッケル(II)、二沃化ビス(トリ−t−ブチル
ホスフィン)ニッケル(II)、二塩化[1,2−ビス
(ジ−t−ブチルホスフィノ)エタン]ニッケル(I
I)、二臭化[1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィ
ノ)エタン]ニッケル(II)、二沃化[1,2−ビス
(ジ−t−ブチルホスフィノ)エタン]ニッケル(I
I)、二塩化[1,3−ビス(ジ−t−ブチルホスフィ
ノ)プロパン]ニッケル(II)、二臭化[1,3−ビ
ス(ジ−t−ブチルホスフィノ)プロパン]ニッケル
(II)、二沃化[1,3−ビス(ジ−t−ブチルホス
フィノ)プロパン]ニッケル(II)、二塩化[1,2
−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン]ニッケ
ル(II)、二臭化[1,2−ビス(ジシクロヘキシル
ホスフィノ)エタン]ニッケル(II)、二沃化[1,
2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン]ニッ
ケル(II)、二塩化[1,3−ビス(ジシクロヘキシ
ルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)、二臭化
[1,3−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパ
ン]ニッケル(II)、二沃化[1,3−ビス(ジシク
ロヘキシルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)、
二塩化ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ニッケル
(II)、二臭化ビス(トリシクロヘキシルホスフィ
ン)ニッケル(II)、二沃化ビス(トリシクロヘキシ
ルホスフィン)ニッケル(II)、二塩化ビス(トリメ
チルホスフィン)ニッケル(II)、二臭化ビス(トリ
メチルホスフィン)ニッケル(II)、二沃化ビス(ト
リメチルホスフィン)ニッケル(II)、二塩化ビス
(トリエチルホスフィン)ニッケル(II)、二臭化ビ
ス(トリエチルホスフィン)ニッケル(II)、二沃化
ビス(トリエチルホスフィン)ニッケル(II)、二塩
化ビス(トリi−プロピルホスフィン)ニッケル(I
I)、二臭化ビス(トリi−プロピルホスフィン)ニッ
ケル(II)、二沃化ビス(トリi−プロピルホスフィ
ン)ニッケル(II)、二塩化ビス(トリn−ブチルホ
スフィン)ニッケル(II)、二臭化ビス(トリn−ブ
チルホスフィン)ニッケル(II)、二沃化ビス(トリ
n−ブチルホスフィン)ニッケル(II)、二塩化ビス
(メチルジフェニルホスフィン)ニッケル(II)、二
臭化ビス(メチルジフェニルホスフィン)ニッケル(I
I)、二沃化ビス(メチルジフェニルホスフィン)ニッ
ケル(II)、二塩化ビス(ジメチルフェニルホスフィ
ン)ニッケル(II)、二臭化ビス(ジメチルフェニル
ホスフィン)ニッケル(II)、二沃化ビス(ジメチル
フェニルホスフィン)ニッケル(II)、塩化(フェニ
ル)ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(I
I)、臭化(フェニル)ビス(トリフェニルホスフィ
ン)ニッケル(II)、沃化(フェニル)ビス(トリフ
ェニルホスフィン)ニッケル(II)、ジメチルビス
(トリメチルホスフィン)ニッケル(II)、テトラメ
チレンビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(I
I)、塩化(シクロペンタジエニル)(トリフェニルホ
スフィン)ニッケル(II)、メチル(シクロペンタジ
エニル)(トリフェニルホスフィン)ニッケル(I
I)、塩化(ヒドリド)ビス(トリシクロヘキシルホス
フィン)ニッケル(II)、二塩化(2,2’−ビピリ
ジル)ニッケル(II)、二臭化(2,2’−ビピリジ
ル)ニッケル(II)、二沃化(2,2’−ビピリジ
ル)ニッケル(II)、ジエチル(2,2’−ビピリジ
ル)ニッケル(II)等を挙げることができ、これらの
二種以上の混合物及び二臭化ビス[2−(エトキシカル
ボニル)アリル]二ニッケル塩の如き、複核錯体の使用
も本発明の範囲に含まれる。
【0041】さらに、上記パラジウム化合物とニッケル
化合物を混合したもの、錯体化させたもの、及び粘土鉱
物等の担体に担持させたものを用いることも本発明の範
囲に含まれる。
【0042】上記一般式(2)で示される4−タ−シャ
リ−ブトキシフェニル金属化合物と上記一般式(3)で
示される4−置換ベンゾニトリル化合物をクロスカップ
リング反応させる際の反応条件は、特に限定するもので
はないが、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下又は
大気下条件で、有機反応及び錯体合成で一般的な溶媒、
例えば、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、
n−デカン、ベンゼン、トルエン、アセトン、ジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテル、n−ブチルメチル
エーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジ−n−ブチル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N−メチ
ルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シメチ
ルスルホキシド、トリエチルアミン、ヘキサメチルリン
酸トリアミド等の溶媒中で、−85〜200℃、好まし
くは、−50〜150℃の温度範囲で行うことができ
る。また、上述した溶媒を混合した系を用いることもで
きる。
【0043】クロスカップリング反応の際に使用する触
媒量は、特に限定されるものではないが、上記一般式
(2)で示される4−タ−シャリ−ブトキシフェニル金
属化合物1molに対し、パラジウム及び/又はニッケ
ルが0.0001〜1molとなるような範囲で使用す
ることが好ましく、特に好ましくは、0.001〜0.
1molの範囲である。
【0044】本発明の方法において、上記一般式(2)
で示される4−タ−シャリ−ブトキシフェニル金属化合
物が4−タ−シャリ−ブトキシフェニルホウ素化合物で
ある場合、触媒成分としてパラジウム及び/又はニッケ
ル触媒に加えて塩基性化合物を用い、そして反応溶媒と
して水、アルコ−ル類等の活性水素を有する極性溶媒を
加えることが好ましい。この場合、目的物である顕著な
4−タ−シャリ−ブトキシ−4’−シアノビフェニルの
収率向上が見られる場合がある。使用する塩基性化合物
としては、例えば、水酸化ナトリウム,水酸化カリウ
ム,水酸化タリウム等の水酸化物、炭酸ナトリウム,炭
酸水素ナトリウム,炭酸タリウム、炭酸セシウム等の炭
酸塩、燐酸カリウム等の燐酸塩、ナトリウムエトキシ
ド,ナトリウム−tert.−ブトキシド,カリウム−
tert.−ブトキシド等のアルコキシド化合物、酢酸
ナトリウム,酢酸カリウム等のカルボン酸塩、トリエチ
ルアミン等のアミン化合物を挙げることができる。活性
水素を有する極性溶媒としては、水、メタノ−ル、エタ
ノ−ル、エチレンジアミン等を挙げることができる。
【0045】本発明の方法において、上記一般式(2)
で示される4−タ−シャリ−ブトキシフェニル金属化合
物、上記一般式(3)で示される4−置換ベンゾニトリ
ル、及び触媒系の反応系への投入の条件は特に限定され
ないが、4−タ−シャリ−ブトキシフェニル金属化合物
に触媒系を投入し、その後、4−置換ベンゾニトリルを
滴下する方法、4−タ−シャリ−ブトキシフェニル金属
化合物に予め触媒系と4−置換ベンゾニトリルを溶媒で
希釈混合したものを滴下する方法、溶媒で4−タ−シャ
リ−ブトキシフェニル金属化合物と4−置換ベンゾニト
リルを混合希釈したものに触媒系を投入し、クロスカッ
プリング反応を開始させる方法等の如何なる投入混合形
態をも使用できる。
【0046】そして、本発明の方法によって得られた4
−タ−シャリ−ブトキシ−4’−シアノビフェニルは、
アセトン等の良溶媒に溶解させたのち、塩酸、硫酸等の
酸を触媒として脱ブチル化することにより、4−ヒドロ
キシ−4’−シアノビフェニルとすることができる。
【0047】
【実施例】以下に実施例を表すが、本発明は、これらの
実施例によって何ら限定されるものではない。
【0048】実施例1 (有機マグネシウム化合物の合成)窒素雰囲気下、還流
冷却器、滴下濾斗、攪拌装置を備えた500mlのフラ
スコに、マグネシウムの21.4g(0.880mo
l)とテトラヒドロフラン69.2g(0.960mo
l)を仕込み、攪拌開始後、これに滴下濾斗より、4−
タ−シャリ−ブトキシクロロベンゼン149.2g
(0.800mol)とエチルブロマイド4.36g
(0.0400mol)をテトラヒドロフラン138.
5g(1.92mol)で希釈した溶液を、テトラヒド
ロフラン還流条件下に、2時間かけて滴下し、引き続
き、同還流条件下で4時間攪拌し、4−タ−シャリ−ブ
トキシフェニルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフ
ラン溶液を得た。
【0049】(有機亜鉛化合物の合成)窒素気流下20
0mlのシュレンク管に、上記で調製した4−タ−シャ
リ−ブトキシフェニルマグネシウムクロリドのテトラヒ
ドロフラン溶液45.0mmolを取り、マグネチック
スタ−ラにより攪拌しつつ、これにテトラメチルエチレ
ンジアミン1.57g(13.5mmol)を加えた
後、滴下濾斗より、塩化亜鉛6.13g(45.0mm
ol)をテトラヒドロフラン30mlに溶解させた溶液
を室温にて30分間で滴下し、更に1時間攪拌した。
【0050】(クロスカップリング反応)窒素気流下、
調製した4−タ−シャリ−ブトキシフェニル塩化亜鉛を
オイルバスで55℃とし、これにジクロロビス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム0.316g(0.45
0mmol)を添加し、滴下濾斗より、4−ブロモベン
ゾニトリル8.19g(45.0mmol)をテトラヒ
ドロフラン30mlに溶解させた溶液を同温度にて30
分間で滴下した。滴下終了後、更に同温度で1時間攪拌
した。反応終了の後、1Nの塩酸水溶液を投入し、反応
を停止させ、トルエンとジエチルエ−テル混合溶媒で目
的物である4−タ−シャリ−ブトキシ−4’−シアノビ
フェニルを抽出した。得られた溶液を硫酸マグネシウム
による乾燥の後、生成した4−タ−シャリ−ブトキシ−
4’−シアノビフェニルをガスクロマトグラフ内部標準
法により定量したところ、8.32g(33.1mo
l)であり、これは、収率73.6%に相当した。結果
を表1に表す。
【0051】
【表1】
【0052】(4−タ−シャリ−ブトキシ−4’−シア
ノビフェニルの同定)上記の4−タ−シャリ−ブトキシ
−4’−シアノビフェニルの溶液からエバポレ−タによ
り、溶媒であるトルエンとジエチルエ−テルを留去さ
せ、得られた固体をヘキサン(70%)とアセトン(3
0%)混合溶媒系より再結晶させた。得られた4−タ−
シャリ−ブトキシ−4’−シアノビフェニル再結晶物
は、白色固体であり、ガスクロマトグラフにより純度9
9%であることが確認された。
【0053】更に、この4−タ−シャリ−ブトキシ−
4’−シアノビフェニル再結晶物の融点及びスペクトル
デ−タを採取したところ以下のとおりであった。
【0054】融点=113℃、GC−MS測定;m/z
(Max)=251 元素分析C1717NO wt%; Found(C81.5,H6.9,N5.4.O6.
2), Calcd(C81.2,H6.8,N5.6,O6.
4)1 H−NMR;1.41ppm(s,9H),7.10
ppm(d,2H),7.52ppm(d,2H),
7.67ppm(m,4H)13 C−NMR;29.4ppm(CH3),79.5p
pm(C),110.9ppm(C),119.5pp
m(CN),124.8ppm(2CH),127.8
ppm(2CH),128.2ppm(2CH),13
3.0ppm(2CH),135.0ppm(C),1
45.7ppm(C),156.7ppm(C) IR(cm-1);3058,2982,2935,22
30(CN),1601,1493,1368,124
8,1183,897,833,713,553 実施例2 実施例1の有機亜鉛化合物の合成において、塩化亜鉛
6.13g(45.0mmol)に変えて臭化亜鉛1
0.1g(45.0mmol)としたこと以外は、実施
例1と同様に4−タ−シャリ−ブトキシ−4’−シアノ
ビフェニルの合成を行った。結果は、収率74.9%で
あった。結果を表1にあわせて表す。
【0055】実施例3 実施例1の有機亜鉛化合物の合成において、塩化亜鉛
6.13g(45.0mmol)に変えて臭化亜鉛1
0.1g(45.0mmol)としたこと、及び実施例
1のクロスカップリング反応において4−ブロモベンゾ
ニトリル溶液の滴下温度及び反応温度の55℃を室温
に、その反応時間を1時間から23時間としたこと以外
は、実施例1と同様に4−タ−シャリ−ブトキシ−4’
−シアノビフェニルの合成を行った。結果は、収率8
6.7%であった。結果を表1にあわせて表す。
【0056】実施例4 実施例1の有機亜鉛化合物の合成において、塩化亜鉛
6.13g(45.0mmol)に変えて沃化亜鉛1
4.4g(45.0mmol)としたこと以外は、実施
例1と同様に4−タ−シャリ−ブトキシ−4’−シアノ
ビフェニルの合成を行った。結果は、収率82.2%で
あった。結果を表1にあわせて表す。
【0057】実施例5 実施例1の有機亜鉛化合物の合成おいて、塩化亜鉛6.
13g(45.0mmol)に変えて沃化亜鉛8.62
g(27.0mmol)としたこと及びその溶液を滴下
する際の内温を5℃に維持したこと以外は、実施例1と
同様に4−タ−シャリ−ブトキシ−4’−シアノビフェ
ニルの合成を行った。結果は、収率99.2%であっ
た。結果を表1にあわせて示す。
【0058】比較例1 実施例1の有機亜鉛化合物の合成において、塩化亜鉛
6.13g(45.0mmol)を加えないこと、すな
わち、有機亜鉛化合物を用いずに4−タ−シャリ−ブト
キシフェニルマグネシウムクロリドをそのまま用いたこ
と以外は、実施例1と同様に反応を行ったが、4−タ−
シャリ−ブトキシ−4’−シアノビフェニルの生成は確
認されなっかた。結果を表1にあわせて表す。
【0059】実施例6 実施例1のクロスカップリング反応において、ジクロロ
ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.316
g(0.450mmol)に変えて、テトラキス(トル
フェニルホスフィン)ニッケル0.499g(0.45
0mmol)としたこと以外は、実施例1と同様に4−
タ−シャリ−ブトキシ−4’−シアノビフェニルの合成
を行った。結果は、収率51.5%であった。結果を表
1にあわせて表す。
【0060】実施例7 実施例1の有機亜鉛化合物の合成において、塩化亜鉛
6.13g(45.0mmol)に変えて臭化亜鉛1
0.1g(45.0mmol)としたこと、及び実施例
1のクロスカップリング反応においてジクロロビス(ト
リフェニルホスフィン)パラジウム0.316g(0.
450mmol)に変えて、酢酸パラジウム0.101
g(0.450mmol)としたこと以外は、実施例1
と同様に4−タ−シャリ−ブトキシ−4’−シアノビフ
ェニルの合成を行った。結果は、収率35.1%であっ
た。結果を表1にあわせて表す。
【0061】実施例8 実施例1の有機亜鉛化合物の合成において、塩化亜鉛
6.13g(45.0mmol)に変えて臭化亜鉛1
0.1g(45.0mmol)としたこと及びその溶液
を滴下する際の内温を5℃に維持したこと、更に実施例
1のクロスカップリング反応においてジクロロビス(ト
リフェニルホスフィン)パラジウム0.316g(0.
450mmol)に変えて、酢酸パラジウム0.101
g(0.450mmol)とトリ−タシャリーブチルホ
スフィン0.364g(1.80mmol)としたこと
以外は、実施例1と同様に4−ターシャリーブトキシ−
4’−シアノビフェニルの合成を行った。結果は、収率
85.8%であった。結果を表1にあわせて示す。
【0062】実施例9 (クロスカップリング反応用触媒の調製)100mlの
シュレンク管にトルエン10ml、テトラヒドロフラン
10ml及び亜燐酸トリエチル0.105g(0.90
mmol)を仕込み、これに攪拌しつつ、1.48mo
l/Lのターシャリーブチルリチウムのペンタン溶液を
1.82ml(2.70mmol)を室温にてゆっくり
と加えた。これに酢酸パラジウム(II)0.101g
(0.450mmol)を添加し、室温で5分攪拌し、
クロスカップリング反応用触媒とした。
【0063】(有機亜鉛化合物の合成)実施例1の有機
亜鉛化合物の合成において、塩化亜鉛6.13g(4
5.0mmol)に変えて臭化亜鉛6.08g(27.
0mmol)としたこと及びその溶液を滴下する際の内
温を5℃に維持したこと以外は、実施例1と同様に有機
亜鉛化合物を合成した。
【0064】(クロスカップリング反応)実施例1のク
ロスカップリング反応においてジクロロビス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム0.316g(0.450
mmol)に変えて、上記のクロスカップリング用触媒
を用いたことしたこと以外は、実施例1と同様に4−タ
ーシャリーブトキシ−4’−シアノビフェニルの合成を
行った。結果は、収率79.5%であった。結果を表1
にあわせて示す。
【0065】実施例10 (有機マグネシウム化合物の合成)実施例1の有機マグ
ネシウム化合物の合成と全く同様に4−タ−シャリ−ブ
トキシフェニルマグネシウムクロリドを合成し、以下の
反応に用いた。
【0066】(有機ホウ素化合物の合成)窒素気流下2
00mlのシュレンク管に、上記で調製した4−タ−シ
ャリ−ブトキシフェニルマグネシウムクロリドのテトラ
ヒドロフラン溶液60.0mmolを取り、マグネチッ
クスタ−ラにより攪拌しつつ、ドライアイスメタノ−ル
浴により、−78℃まで冷却した。滴下濾斗より、トリ
メトキシホウ素5.92g(57.0mmol)をジエ
チルエ−テル20mlに希釈した溶液を−78℃、1時
間の条件で滴下した。滴下終了の後、5時間で0℃まで
昇温し、0℃にて1時間攪拌した。
【0067】1Nの塩酸水溶液で反応を停止した後、ジ
エチルエーテルで目的物であるジヒドロキシ(ターシャ
リーブトキシフェニル)ホウ素を抽出し、エバポレータ
でジエチルエーテルを留去して、ジヒドロキシ(ターシ
ャリーブトキシフェニル)ホウ素の白色固体を得た。こ
の白色固体を、ヘキサンとアセトンとの混合溶媒より再
結晶し、ジヒドロキシ(ターシャリーブトキシフェニ
ル)ホウ素8.82g(45.5mmol)を得た。収
率は75.9%に相当する。
【0068】(クロスカップリング反応)還流冷却器を
備えた200mlのシュレンク管に、マグネチックスタ
−ラで攪拌しつつ、上記で調製した調製したジヒドロキ
シ(ターシャリーブトキシフェニル)ホウ素1.94g
(10.0mmol)、4−ブロモベンゾニトリル1.
82g(10.0mmol)、テトラヒドロフラン20
ml、エタノ−ル30ml、炭酸ナトリウム2.12g
(20.0mmol)を20mlの純水に溶解させた水
溶液を混合し、これにテトラキス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウム0.116g(0.100mmol)
を添加した後、オイルバスにて還流条件下、2時間攪拌
した。反応終了の後、1Nの塩酸水溶液を投入し、反応
を停止させ、トルエンとジエチルエ−テル混合溶媒で目
的物である4−タ−シャリ−ブトキシ−4’−シアノビ
フェニルを抽出した。得られた溶液を硫酸マグネシウム
による乾燥の後、生成した4−タ−シャリ−ブトキシ−
4’−シアノビフェニルをガスクロマトグラフ内部標準
法により定量したところ、2.31g(9.22mo
l)であり、これは、収率92.2%に相当した。結果
を表1にあわせて表す。
【0069】実施例11 実施例10のクロスカップリング反応において、テトラ
キス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.116
g(0.100mmol)に変えて、パラジウムカ−ボ
ン(Pd10.0wt%)0.106g(Pd0.10
0mmol)としたこと以外は、実施例7と同様に4−
タ−シャリ−ブトキシ−4’−シアノビフェニルの合成
を行った。結果は、収率70.2%であった。結果を表
1にあわせて表す。
【0070】実施例12 (有機マグネシウム化合物の合成)実施例1の有機マグ
ネシウム化合物の合成と全く同様に4−タ−シャリ−ブ
トキシフェニルマグネシウムクロリドを合成し、以下の
反応に用いた。
【0071】(有機ホウ素化合物の合成)窒素雰囲気
下、還流冷却器、滴下濾斗、攪拌装置を備えた300m
lのフラスコに、上記で調製した4−タ−シャリ−ブト
キシフェニルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラ
ン溶液60.0mmolを取り、攪拌しつつ、氷浴によ
り、3℃まで冷却した。滴下濾斗より、トリメトキシホ
ウ素6.23g(60.0mmol)をテトラヒドロフ
ラン50mlに希釈した溶液を3℃、2時間の条件で滴
下した。滴下終了の後、室温にて1時間攪拌した。こう
して合成したジメトキシ(ターシャリーブトキシフェニ
ル)ホウ素を次のクロスカップリング反応にそのまま用
いた。
【0072】(クロスカップリング反応)上記のジメト
キシ(ターシャリーブトキシフェニル)ホウ素のテトラ
ヒドロフラン溶液に炭酸ナトリウム6.36(60.0
mmol)を50mlに希釈した水溶液を室温にて加
え、10分間攪拌した。
【0073】これに4−ブロモベンゾニトリル10.9
g(60.0mmol)、テトラキス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウム0.693g(0.600mmo
l)、エタノ−ル50mlを添加し、オイルバスにより
昇温して、還流条件下で2時間攪拌した。反応終了の
後、1Nの塩酸水溶液を投入し、反応を停止させ、トル
エンとジエチルエ−テル混合溶媒で目的物である4−タ
−シャリ−ブトキシ−4’−シアノビフェニルを抽出し
た。得られた溶液を硫酸マグネシウムによる乾燥の後、
生成した4−タ−シャリ−ブトキシ−4’−シアノビフ
ェニルをガスクロマトグラフ内部標準法により定量した
ところ、15.0g(59.7mol)であり、これ
は、収率99.5%に相当した。結果を表1にあわせて
表す。
【0074】比較例2 実施例9の有機ホウ素化合物の合成において、反応温度
3℃に変えて、50℃としたこと以外は、実施例9と同
様に4−タ−シャリ−ブトキシ−4’−シアノビフェニ
ルの合成を行った。結果は、収率41.0%であった。
結果を表1にあわせて表す。
【0075】実施例13 実施例12のクロスカップリング反応において、テトラ
キス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.693
g(0.600mmol)に変えて、ジクロロビス(ト
リフェニルホスフィン)パラジウム0.421g(0.
600mmol)としたこと以外は、実施例12と同様
に4−タ−シャリ−ブトキシ−4’−シアノビフェニル
の合成を行った。結果は、収率87.1%であった。結
果を表1にあわせて表す。
【0076】実施例14 実施例12のクロスカップリング反応において、テトラ
キス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.693
g(0.600mmol)に変えて、酢酸パラジウム
0.135g(0.600mmol)としたこと以外
は、実施例12と同様に4−タ−シャリ−ブトキシ−
4’−シアノビフェニルの合成を行った。結果は、収率
93.6%であった。結果を表1にあわせて表す。
【0077】実施例15 実施例12の有機ホウ素化合物の合成において、トリメ
トキシホウ素の添加量を6.23g(60.0mmo
l)から2.08g(20.0mmol)としたこと及
び実施例12のクロスカップリング反応においてテトラ
キス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.693
g(0.600mmol)に変えて、酢酸パラジウム
0.135g(0.600mmol)としたこととした
こと以外は、実施例12と同様に4−ターシャリーブト
キシ−4’−シアノビフェニルの合成を行った。結果
は、収率86.4%であった。結果を表1にあわせて示
す。
【0078】実施例16 実施例12の有機ホウ素化合物の合成において、トリメ
トキシホウ素6.23g(60.0mmol)に変え
て、ジエチルメトキシホウ素6.00g(60.0mm
ol)としたこと及び実施例12のクロスカップリング
反応においてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム0.693g(0.600mmol)に変え
て、酢酸パラジウム0.135g(0.600mmo
l)としたこととしたこと以外は、実施例12と同様に
4−ターシャリーブトキシ−4’−シアノビフェニルの
合成を行った。結果は、収率86.2%であった。結果
を表1にあわせて示す。
【0079】実施例17 (4−ヒドロキシ−4’−シアノビフェニルの合成)還
流冷却器を備えた200mlのシュレンク管に、実施例
1で得た4−タ−シャリ−ブトキシ−4’−シアノビフ
ェニルの再結晶5.02g(20.0mmol)を仕込
み、マグネチックスタ−ラで攪拌しつつ、アセトン10
0mlに溶解させた。このアセトン溶液に35.6wt
%塩酸水溶液を1.50g添加し、50℃で8時間攪拌
させた。反応終了の後、反応液を純水300ml中に加
え、目的物である4−ヒドロキシ−4’−シアノビフェ
ニルを析出させた。析出した固体を濾別し、純水で洗浄
し後、150℃で12時間乾燥させた。得られた4−ヒ
ドロキシ−4’−シアノビフェニルは、3.64g(1
8.6mmol)であり、単離収率93.2%であっ
た。また、その1H−NMR及び13C−NMRスペクト
ルは、タ−シャリ−ブチルに由来するピ−クが完全に消
失し、公知の4−ヒドロキシ−4’−シアノビフェニル
のピ−クパタ−ンと完全に一致した。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、以下の顕著な効果が奏
される。
【0081】すなわち、本発明の第一の効果としては、
液晶中間体である4−ヒドロキシ−4’−シアノビフェ
ニルや側鎖型液晶ポリマ−のモノマ−の原料として極め
て有用な4−タ−シャリ−ブトキシ−4’−シアノビフ
ェニルを極めて高純度に提供できる。
【0082】また第二の効果としては、4−タ−シャリ
−ブトキシ−4’−シアノビフェニルを合成するにあた
り、極めて効率的で、経済的なクロスカップリング反応
処方を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 37/04 C07B 37/04 B 61/00 300 61/00 300

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造式(1) 【化1】 で示される4−ターシャリーブトキシ−4’−シアノビ
    フェニル。
  2. 【請求項2】 下記一般式(2) 【化2】 (式中、MはZn、B、Si又はSnであり、Xはハロ
    ゲン、ヒドロキシル基、アルコキシ基又は炭化水素基を
    表す。mは1≦m≦nなる数であり、nはMの価数に対
    応した2〜4の数を表す。)で示される4−ターシャリ
    ーブトキシフェニル金属化合物と下記一般式(3) 【化3】 (式中、Yは塩素原子、臭素原子、沃素原子又はトリフ
    レ−トを表す。)で示される4−置換ベンゾニトリル化
    合物とを、Pd触媒、Ni触媒又はPd−Niバイメタ
    ル触媒の存在下、クロスカップリング反応させることを
    特徴とする請求項1に記載の4−ターシャリーブトキシ
    −4’−シアノビフェニルの製造方法。
  3. 【請求項3】 下記一般式(8) 【化4】 (式中、Yは塩素原子、臭素原子又は沃素原子を表
    す。)で示されるマグネシウム化合物、又は下記構造式
    (9) 【化5】 で示されるリチウム化合物を、亜鉛化合物、ホウ素化合
    物、ケイ素化合物及び錫化合物からなる群より選ばれる
    少なくとも一種と反応させて下記一般式(2) 【化6】 (式中、MはZn、B、Si又はSnであり、Xはハロ
    ゲン、アルコキシ基、ヒドロキシル基又は炭化水素基を
    表す。mは1≦m≦nなる数であり、nはMの価数に対
    応した2〜4の数を表す。)で示される4−ターシャリ
    ーブトキシフェニル金属化合物を得る工程、及び該4−
    ターシャリーブトキシフェニル金属化合物と下記一般式
    (3) 【化7】 (式中、Yは塩素原子、臭素原子、沃素原子又はトリフ
    レ−トを表す。)で示される4−置換ベンゾニトリル化
    合物とを、Pd触媒、Ni触媒又はPd−Niバイメタ
    ル触媒の存在下、クロスカップリング反応させる工程か
    らなることを特徴とする請求項1に記載の4−ターシャ
    リーブトキシ−4’−シアノビフェニルの製造方法。
  4. 【請求項4】 4−ターシャリーブトキシフェニルホウ
    素化合物を−30℃以上40℃以下の温度で調製するこ
    とを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の4−ターシャリーブト
    キシ−4’−シアノビフェニルを、酸触媒下、脱イソブ
    テン反応させることを特徴とする4−ヒドロキシ−4’
    −シアノビフェニルの製造方法。
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