JP4435447B2 - メトキシメチルトリアリールホスホニウムクロライドの製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステロイド化合物や液晶化合物の製造のさいにウィッティヒ試薬としてアルデヒド基の導入などに使用される、メトキシメチルトリアリールホスホニウムクロライドの新規な製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、メトキシメチルトリアリールホスホニウムクロライドの製造法としては、次の方法が知られている。
【0003】
イ)メトキシメチルクロライドとトリフェニルホスフィンを反応させる方法(ヒェーミシェ・ベリヒテ、Chem.Ber.、第94巻、1961年、1376頁)。
【化2】
(式中、Phはフェニル基を示す。以下同じ。)
【0004】
ロ)メチラールと塩化アセチルにより反応系中でメトキシメチルクロライドを生成させ、これとトリフェニルホスフィンを反応させる方法(ドイツ特許公開第3900793号、1990年公開)
【化3】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の技術では次のような問題点があった。すなわち、イ)の方法では、原料として発ガン性を有するメトキシメチルクロライドを使用する。そのため特殊な技術と反応装置が必要とされ、反応操作が複雑化するため、工業的に優れた方法とは言えない。
【0006】
また、ロ)の方法ではメチラールと塩化アセチルにより反応系中でメトキシメチルクロライドを生成させることにより、イ)の方法の問題点が解決される。しかし、メチラールを大過剰に用いなければならないこと、およびメチラールと塩化アセチルの分解で生成するメタノールと塩化水素が下式の反応により、メチルクロライドを生成し、これと原料のトリフェニルホスフィンが反応してメチルトリフェニルホスホニウムクロライドを副生してしまうという問題があった。
【化4】
【0007】
したがって、これらの技術に代わって、メトキシメチルトリアリールホスホニウムクロライドを製造する新しい方法の開発が望まれている。
【0008】
本発明はこのような要望に合致したメトキシメチルトリアリールホスホニウムクロライドの新規な製造法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来方法ロ)の問題であった、大過剰のメチラールの使用および副生物の生成をなくし、目的とするメトキシメチルトリアリールホスホニウムクロライドを高純度かつ高収率に製造する方法について検討した。その結果、芳香族炭化水素溶媒中で、トリアリールホスフィン(1)、トリアリールホスフィン(1)に対して1.0〜1.2倍モルの酸クロライド(2)およびトリアリールホスフィン(1)に対して1.0〜1.5倍モルのメチラール(3)を、トリアリールホスフィン(1)に対して5〜10モル%の酸無水物(4)の存在下に30〜60℃の温度範囲で反応させることにより、上記副生成物の生成が抑えられ、目的とするメトキシメチルトリアリールホスホニウムクロライドが高純度かつ高収率に得られることを見出した。
【0010】
【化5】
(式中、R1およびR2はC1〜C8の低級アルキル基を示し、Arは非置換フェニル基、1〜3個の同一あるいは異なるC1〜C4の低級アルキル基、C1〜C4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子またはトリフロオロメチル基で置換されたフェニル基もしくはナフチル基を示す。ハロゲン原子はフッ素、塩素または臭素を示す。)
【0011】
なお、従来方法ロ)で問題となった副生成物のメタノールや塩化水素は、下記の反応により酸無水物(4)に捕捉されるため、メチルクロライドの生成を抑えることができる。
【化6】
(式中、R2はC1〜C8の低級アルキル基を示す。)
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の目的物であるメトキシメチルトリアリールホスホニウムクロライド(5)の製造法の特徴は、酸無水物(4)の存在下、芳香族炭化水素系溶媒中で反応を行うことにある。より具体的な反応について述べると次のとおりである。すなわち、十分に窒素置換した反応容器に、トリアリールホスフィン(1)、メチラール(3)、酸無水物(4)、酸クロライド(2)および芳香族炭化水素系溶媒を仕込む。酸クロライド(2)は、滴下しても一度に仕込んでもよい。全ての仕込みが終わったら、加熱し、反応温度を30〜60℃の範囲に保って、4〜6時間反応を行う。反応が進行するにつれて、白色の結晶が析出してくる。反応終了後、反応液を30℃以下に冷却し、析出した結晶を濾取する。この結晶を反応で使用したのと同一の芳香族炭化水素系溶媒で洗浄し、乾燥することにより、メトキシメチルトリアリールホスホニウムクロライド(5)が白色の結晶として得られる。
【0013】
本発明で用いられるトリアリールホスフィン(1)としては、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリ−2,4−キシリルホスフィン、トリ−2,5−キシリルホスフィン、トリ−3,5−キシリルホスフィン、トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−tert−ブトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリ(p−クロロフェニル)ホスフィン、トリ(m−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(p−トリフルオロメチルフェニル)ホスフィン、トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン、トリ(1−ナフチル)ホスフィン等が挙げられる。これらのトリアリールホスフィンの中で特にトリフェニルホスフィンが好適である。
【0014】
本発明で用いられる芳香族炭化水素系溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、あるいはエチルベンゼンなどがあげられる。これらの中で、特にトルエンまたはキシレンが好適である。
【0015】
本発明で用いられる酸無水物(4)としては、脂肪族カルボン酸無水物があげられる。特に限定されるものではないが、より具体的には、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水n−酪酸、無水イソ酪酸、無水n−吉草酸、無水イソ吉草酸、無水n−ヘキサン酸、無水n−ヘプタン酸、無水n−オクタン酸等があげられる。本発明では生成物の乾燥の容易さから無水酢酸が好適である。酸無水物は副生する塩化水素やメタノールの捕捉と水に不溶な成分の目的物中への混入を防止するために用いられる。添加量は、トリアリールホスフィンに対して5〜10モル%で十分であり、過剰に用いてもよいが、経済的に不利となる。
【0016】
本発明で用いられる酸クロライド(2)としては、脂肪族カルボン酸クロライドがあげられる。特に限定されるものではないが、より具体的には、塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化n−ブチル、塩化イソブチル、塩化n−バレロイル、塩化イソバレロイル、塩化n−ヘキサノイル、塩化n−ヘプタノイル、塩化n−オクタノイル等があげられる。本発明では生成物の乾燥の容易さから塩化アセチルが好適である。
【0017】
また、本発明の方法では、トリアリールホスフィンに対して、酸クロライドを1.0〜1.2倍モル量、メチラールを1.0〜1.5倍モル量使用するが、これは本反応を円滑に行う上で必要な量である。この範囲より多く用いても反応に影響はないが、過剰分の酸クロライドおよびメチラールは未反応のまま残り、経済性が損なわれる。
【0018】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0019】
なお、化合物の同定は、融点、1H核磁気共鳴スペクトル、赤外スペクトルなどにより行い、目的物の生成を確認した。
【0020】
(実施例1)
十分に窒素置換した四径フラスコにトリフェニルホスフィン(44.5g、0.170mol)、メチラール(16.4g、0.215mol)、無水酢酸(1.7g、0.017mol)、およびトルエン(100ml)を仕込んだ。この混合物を撹拌しながら塩化アセチル(14.7g、0.187mol)を滴下した後、反応温度を50〜60℃に保って、5時間反応した。反応混合物を室温に冷却した後、得られた沈殿物を濾取し、トルエン(30ml)で洗浄した。得られたメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロライドの白色結晶を乾燥し、その重量から収率を求めた。その結果を表1に示す。
【0021】
(実施例2)
十分に窒素置換した四径フラスコにトリフェニルホスフィン(44.5g、0.170mol)、メチラール(16.4g、0.215mol)、塩化アセチル(14.7g、0.187mol)、無水酢酸(1.7g、0.017mol)、およびキシレン(100ml)を仕込んだ。それから加熱して、反応温度を50〜60℃に保って、5時間反応した。反応混合物を冷却後、得られた沈殿を濾取し、キシレン(30ml)で洗浄した。得られたメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロライドの白色結晶を乾燥し、その重量から収率を求めた。その結果を表1に示す。
【0022】
(比較例1)(実施例1の方法で無水酢酸を添加していない)
十分に窒素置換した四径フラスコにトリフェニルホスフィン(44.5g、0.170mol)、メチラール(16.4g、0.215mol)およびトルエン(100ml)を仕込んだ。塩化アセチル(14.7g、0.187mol)を滴下した後、反応温度を50〜60℃に保って、5時間反応した。反応混合物を冷却後、得られた沈殿を濾取し、トルエン(100ml)で洗浄した。得られたメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロライドの白色結晶を乾燥し、その重量から収率を求めた。その結果を表1に示す。
【0023】
(比較例2)(ドイツ特許公開第3900793号の方法)
十分に窒素置換した四径フラスコにトリフェニルホスフィン(44.5g、0.170mol)およびメチラール(34.4g、0.452mol)を仕込んだ。塩化アセチル(16.6g、0.211mol)を滴下した後、反応温度を40〜45℃に保って、3時間反応した。反応混合物を冷却後、得られた沈殿を濾取し、トルエン(50ml)で洗浄した。得られたメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロライドの白色結晶を乾燥し、その重量から収率を求めた。その結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、メトキシメチルトリアリールホスホニウムクロライドを高収率かつ高純度に製造する方法を提供することが可能になる。
Claims (3)
- 芳香族炭化水素系溶媒中で、トリアリールホスフィン(1)、トリアリールホスフィン(1)に対して1.0〜1.2倍モルの酸クロライド(2)およびトリアリールホスフィン(1)に対して1.0〜1.5倍モルのメチラール(3)を、トリアリールホスフィン(1)に対して5〜10モル%の酸無水物(4)の存在下に30〜60℃の温度範囲で反応を行うことを特徴とする、メトキシメチルトリアリールホスホニウムクロライド(5)の製造法。
(式中、R1およびR2はC1〜C8の低級アルキル基を示し、Arは非置換フェニル基、1〜3個の同一あるいは異なるC1〜C4の低級アルキル基、C1〜C4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子またはトリフロオロメチル基で置換されたフェニル基もしくはナフチル基を示す。) - 前記トリアリールホスフィン(1)としてトリフェニルホスフィン、酸無水物(4)として無水酢酸、酸クロライド(2)として塩化アセチルを用いることを特徴とする、請求項1に記載のメトキシメチルトリアリールホスホニウムクロライド(5)の製造法。
- 前記芳香族炭化水素系溶媒としてトルエンまたはキシレンを用いることを特徴とする、請求項1または2に記載のメトキシメチルトリアリールホスホニウムクロライドの製造法。
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