JP2001048826A - 1−フェニル−1,3−ブタンジオン誘導体の製造方法 - Google Patents

1−フェニル−1,3−ブタンジオン誘導体の製造方法

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JP2001048826A
JP2001048826A JP11222295A JP22229599A JP2001048826A JP 2001048826 A JP2001048826 A JP 2001048826A JP 11222295 A JP11222295 A JP 11222295A JP 22229599 A JP22229599 A JP 22229599A JP 2001048826 A JP2001048826 A JP 2001048826A
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chloride
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Yoji Hirohara
原 洋 司 廣
Shigeyoshi Sugano
野 重 慶 菅
Hidenori Nakajima
嶌 秀 紀 中
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SDS Biotech Corp
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】アセチルアセトンとハロゲン化ベンゾイル
誘導体とを、金属ハロゲン化物および3級アミンの存在
下、有機溶媒中で反応させて、中間反応生成物としてト
リケトン類を生成させる工程と、トリケトン類を酸の存
在下脱アセチル化し、フッ素を有する一般式IIIの1
−フェニル−1,3−ブタンジオン誘導体を得る。 [Yは水素、ハロメチル基またはフッ素以外のハロゲン
でありかつ複数ある場合は同一でも異なってもよく、n
は1〜5の、mは0〜4の整数である] 【効果】安価な原料を用い、簡便な製造工程により医
薬、農薬等の合成中間体として有用なフッ素原子を有す
る1−フェニル−1,3−ブタンジオン誘導体を高選択
的かつ高収率で得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、1−フェニル−1,3−
ブタンジオン誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】1−フェニル−1,3−ブタンジ
オン誘導体は医薬、農薬等の合成中間体として有用な化
合物である。従来、1−フェニル−1,3−ブタンジオ
ン誘導体の合成法として一般に知られている方法は、塩
基を用いたクライゼン縮合による方法である。たとえ
ば、J.Fluorine Chem.,17(1981)555-560に記載されてい
る方法は、アセトフェノン類とエステル類をジエチルエ
ーテル中でナトリウムアミドを塩基として用いて、クラ
イゼン縮合させて1−フェニル−1,3−ブタンジオン
を得る方法が紹介されている。
【0003】しかし、この方法では適用できるフェニル
基上の置換基は限定されてしまうため、得られる1−フ
ェニル−1,3−ブタンジオン誘導体のフェニル基上の
置換基が制約されるという問題点があった。また、特開
平7−53439号公報には、ハロゲン化ベンゾイルと
アセチルアセトンとを水酸化ナトリウムなどの塩基の存
在下に反応させてトリケトン類を合成し、得られたトリ
ケトン類を塩化アンモニウムなどの弱塩基の存在下、脱
アセチル化反応させることにより、1−フェニル−1,
3−ブタンジオン誘導体を合成する方法が記載されてい
る。しかしながら、この方法では強塩基性で反応を行わ
なければならないため、フェニル基上の置換基の種類が
制約され、合成することが困難な1−フェニル−1,3
−ブタンジオン誘導体がある。また、疎水性有機溶媒と
水とを含む2層系の溶媒中で反応を行い、反応中間体で
あるトリケトン類を水溶液中から一旦分離することが必
要であるなど工程が煩雑となるという問題点があった。
【0004】また、Synthetic Comunications,26(12),2
421-2427(1996)には、金属サマリウムとヨウ素から調製
した三ヨウ化サマリウムの存在下に、ハロゲン化ベンゾ
イルとアセチルアセトンよりトリケトン類を合成し、こ
れを酸で脱アセチル化することにより1−フェニル−
1,3−ブタンジオン誘導体を合成する方法が記載され
ているが、副反応が進行し、目的物の純度、収率とも満
足すべきものではなく分離精製にも多大の労力を要して
いる。
【0005】他方、近年、医薬、農薬分野ではその分子
中にフッ素原子を含む化合物が極めて高い効果を示すこ
とが報告されており、それらの合成中間体に相当する含
フッ素化合物の創製が望まれている。特にフェニル基上
に複数のフッ素原子と複数のフッ素原子を含む置換基、
または複数のフッ素原子とフッ素以外のハロゲン原子を
有する1−フェニル−1,3−ブタンジオン誘導体は各
種ヘテロ環の合成中間体として有用となりうる。しかし
ながら、従来法では、限られた1−フェニル−1,3−
ブタンジオン誘導体しか合成できず、医薬、農薬の合成
中間体として有用でありながら従来の方法では効率よく
製造できないフッ素原子を有する1−フェニル−1,3
−ブタンジオン誘導体が多数あった。
【0006】このため、安価な原料を用い、中間生成物
などの分離精製を必要としない簡便な製造工程で、フッ
素原子を有する1−フェニル−1,3−ブタンジオン誘
導体の高選択的かつ高収率な製造方法の出現が望まれて
いる。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、安価な原料を用
い、簡便な製造工程により、フッ素原子を有する1−フ
ェニル−1,3−ブタンジオン誘導体の高選択的かつ高
収率な製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係る1−フェニル−1,3−ブ
タンジオン誘導体の製造方法は、アセチルアセトンと、
下記一般式[I]
【0009】
【化4】
【0010】[式中、Fはフッ素原子であり、Yは水素
原子、ハロメチル基またはフッ素原子以外のハロゲン原
子でありかつ複数ある場合は同一または異なっていても
よく、nは1から5の任意の整数であり、mは0から4
の任意の整数であり、Zはハロゲン原子である]で表さ
れるハロゲン化ベンゾイル誘導体とを、金属ハロゲン化
物および3級アミンの存在下に、有機溶媒中で縮合させ
ることによって下記一般式[II]
【0011】
【化5】
【0012】[式中、F、Y、mおよびnは、それぞれ
上記一般式[I]のF、Y、m、nと同義である]で表
されるトリケトン類を得る工程(1)と、該工程(1)で得ら
れたトリケトン類を酸の存在下に脱アセチル化して、下
記一般式[III]
【0013】
【化6】
【0014】[式中、F、Y、mおよびnは、それぞれ
上記一般式[I]のF、Y、m、nと同義である]で表
される1−フェニル−1,3−ブタンジオン誘導体を得
る工程(2)とを含むことを特徴としている。前記金属ハ
ロゲン化物としては無水物であることが好ましく、前記
有機溶媒としては、非プロトン性溶媒であることが好ま
しい。また、前記工程(1)で得られるトリケトン類を含
む反応生成物含有液を精製することなく、該反応生成物
含有液に直接酸を添加することによってトリケトン類を
脱アセチル化させることも可能である。
【0015】本発明によれば、反応中間体であるトリケ
トン類を単離精製して次の反応に供してもよいが、トリ
ケトン類の選択性、収率が高いことから、トリケトン類
を単離精製せずに、トリケトン類を含む反応生成物含有
液に直接酸を加えて、該トリケトン類を脱アセチル化
し、1−フェニル−1,3−ブタンジオン誘導体を高選
択的、高収率に、副生成物もなく得ることもできる。
【0016】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る1−フェニル
−1,3−ブタンジオン誘導体の製造方法について具体
的に説明する。本発明に係る1−フェニル−1,3−ブ
タンジオン誘導体の製造方法では、アセチルアセトンと
ハロゲン化ベンゾイル誘導体とを、金属ハロゲン化物と
3級アミンの存在下に、有機溶媒中で縮合させることに
より反応中間体であるトリケトン類を生成させ(工程
(1))、該工程(1)で得られたトリケトン類を酸の存在下
に脱アセチル化させることにより、1−フェニル−1,
3−ブタンジオン誘導体を得る(工程(2))。ハロゲン化ベンゾイル誘導体 本発明で1−フェニル−1,3−ブタンジオン誘導体の
原料として用いられるハロゲン化ベンゾイル誘導体は、
下記一般式[I]で表される。
【0017】
【化7】
【0018】一般式[I]において、Fはフッ素原子で
あり、Yは水素原子、ハロメチル基またはフッ素原子以
外のハロゲン原子でありかつ複数ある場合は同一であっ
ても異なっていてもよく、nは1から5の任意の整数で
あり、mは0から4の任意の整数であり、Zはハロゲン
原子である。本発明に係るYで表されるハロメチル基
は、具体的には、フルオロメチル基、クロロメチル基、
ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル
基、トリフルオロメチル基などが挙げられ、特にトリフ
ルオロメチル基が好ましい。フッ素原子以外のハロゲン
原子としては、具体的には、塩素原子、臭素原子、ヨウ
素原子が挙げられ、特に塩素原子が好ましい。
【0019】Zで表されるハロゲン原子は、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子が挙げられ、特に塩素原子が好
ましい。上記一般式[I]で表されるハロゲン化ベンゾ
イル誘導体としては、具体的には、2,3−ジフルオロ
ベンゾイルクロリド、2,6−ジフルオロベンゾイルク
ロリド、2,3,4−トリフルオロベンゾイルクロリ
ド、2,3,5−トリフルオロベンゾイルクロリド、
2,3,6−トリフルオロベンゾイルクロリド、2,
4,5−トリフルオロベンゾイルクロリド、3,4,5
−トリフルオロベンゾイルクロリド、3,4,6−トリ
フルオロベンゾイルクロリド、2,3,4,5−テトラ
フルオロベンゾイルクロリド、2,3,4,6−テトラ
フルオロベンゾイルクロリド、2,3,5,6−テトラ
フルオロベンゾイルクロリド、2−フルオロ−3−クロ
ロベンゾイルクロリド、2−フルオロ−6−クロロベン
ゾイルクロリド、3−クロロ−4−フルオロベンゾイル
クロリド、2−フルオロ−3−トリフルオロメチルベン
ゾイルクロリド、2−フルオロ−5−トリフルオロメチ
ルベンゾイルクロリド、2−フルオロ−6−トリフルオ
ロメチルベンゾイルクロリド、3−フルオロ−5−トリ
フルオロメチルベンゾイルクロリド、3−フルオロ−6
−トリフルオロメチルベンゾイルクロリド、2−フルオ
ロ−4−トリフルオロメチルベンゾイルクロリド、3−
フルオロ−4−トリフルオロメチルベンゾイルクロリ
ド、2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンゾイル
クロリド、3−トリフルオロメチル−4−フルオロベン
ゾイルクロリド、2,4−ジクロロ−5−フルオロベン
ゾイルクロリド、2,3−ジフルオロ−4−トリフルオ
ロメチルベンゾイルクロリド、3,4−ジフルオロ−5
−トリフルオロメチルベンゾイルクロリドなどが挙げら
れるが、本発明に係るハロゲン化ベンゾイル誘導体はこ
れらに限定されるものではない。
【0020】上記のようなハロゲン化ベンゾイル誘導体
の使用量は、通常、アセチルアセトン1モルに対して
0.2〜5モル、好ましくは1〜2モルである。金属ハロゲン化物 本発明では、前記工程(1)における反応において金属ハ
ロゲン化物を併用する。本発明で用いられる金属ハロゲ
ン化物としては、具体的には、マグネシウム、カルシウ
ム、銅、亜鉛、鉄などのそれぞれ塩化物、臭化物、ヨウ
化物が挙げられる。本発明で用いる金属ハロゲン化物と
しては無水物を用いることが好ましい。金属ハロゲン化
物の無水物を用いることにより、1−フェニル−1,3
−ブタンジオン誘導体の収率を向上させることができ
る。このような無水金属ハロゲン化物としては、具体的
には、無水塩化マグネシウム、無水臭化マグネシウム、
無水ヨウ化マグネシウム、無水塩化カルシウム、無水臭
化カルシウム、無水ヨウ化カルシウムなどが挙げられ
る。中でも、無水塩化マグネシウム、無水臭化マグネシ
ウム、無水ヨウ化マグネシウムが好ましく、無水塩化マ
グネシウムが特に好ましい。
【0021】上記のような金属ハロゲン化物の使用量
は、前記式[I]で表されるハロゲン化ベンゾイル誘導
体1モルに対して0.5〜5モル、好ましくは1〜2モ
ルである。塩基 本発明では、前記工程(1)における塩基として3級アミ
ンを用いる。3級アミンを用いることにより、工程(1)
におけるハロゲン化水素等の副生成物を効率的に排除し
つつ、トリケトン類を収率良く生成させることができ
る。このような3級アミンとしては、具体的には、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンなどの3級
アミンが挙げられる。このうち特にトリエチルアミンが
好ましい。なお、1級アミンと2級アミンでは工程(1)
の反応が妨げられ、また、水酸化ナトリウムやナトリウ
ムエトキシドなどでは塩基性が強すぎて別反応を引き起
こす。
【0022】上記のような3級アミンの使用量は、前記
式(1)で表されるハロゲン化ベンゾイル誘導体1モルに
対して2〜10モル、好ましくは2〜5モルである。溶媒 本発明に係る1−フェニル−1,3−ブタンジオン誘導
体の製造方法では、上記工程(1)および工程(2)における
反応の溶媒として有機溶媒を用いる。本発明では、有機
溶媒は反応に悪影響を及ぼさない限り特に限定されない
が、たとえば、非プロトン性溶媒が好ましい。このよう
な非プロトン性溶媒としては、具体的には、ベンゼン、
トルエン、キシレンおよびヘキサンなどの炭化水素類、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフランおよび1,2−
ジメトキシエタンのようなエーテル類、N,N−ジメチル
ホルムアミドおよびN−メチルピロリドンのような酸ア
ミド類,アセトニトリルなどが挙げられる。中でもアセ
トニトリルが特に好ましい。
【0023】上記のような溶媒の使用量は、ハロゲン化
ベンゾイル誘導体の種類および溶媒の種類により異なる
が、ハロゲン化ベンゾイル誘導体100重量部に対し
て、0.1〜100重量部、好ましくは1〜20重量
部、さらに好ましくは2〜10重量部である。1−フェニル−1,3−ブタンジオン誘導体の製造 トリケトン類の製造(工程(1)) 本発明に係る1−フェニル−1,3−ブタンジオン誘導
体の製造方法では、上記のような有機溶媒中で、金属ハ
ロゲン化物および3級アミンの存在下に、アセチルアセ
トンとハロゲン化ベンゾイル誘導体とを縮合させ、ま
ず、反応中間体である下記一般式[II]で表されるトリ
ケトン類を得る(工程(1))。
【0024】
【化8】
【0025】一般式[II]において、F、Y、mおよび
nは、それぞれ上記一般式[I]のF、Y、m、nと同
義である。上記縮合反応においては、有機溶媒中アセチ
ルアセトンおよび金属ハロゲン化物の存在下に3級アミ
ンを添加し、次いでハロゲン化ベンゾイル誘導体を添加
して、アセチルアセトンとハロゲン化ベンゾイル誘導体
の縮合反応を行う本発明における上記縮合反応の反応温
度は−60〜40℃、好ましくは−10〜20℃であ
る。また、反応時間はハロゲン化ベンゾイル誘導体の種
類により異なるが、10分〜24時間、好ましくは1〜
3時間である。
【0026】トリケトン類からの目的化合物の製造(工程(2)) 次に、工程(1)を経て得られるトリケトン類を酸の存在
下に脱アセチル化させる(工程(2))。脱アセチル化反
応においては、水を加えてトリケトン類を分液抽出する
などの操作により一旦トリケトン類を分離精製してから
脱アセチル化反応を行ってもよいし、反応中間体である
トリケトン類の選択性、収率が高いことから、工程(1)
を経て得られるトリケトン類を含む反応生成物含有液を
精製することなく、該反応生成物含有液に直接酸を添加
してトリケトン類を脱アセチル化させてもよい。本発明
においては、製造工程の簡素化などの観点から、工程
(1)を経て得られるトリケトン類を含む反応生成物含有
液を精製することなく、該反応生成物含有液に直接酸を
添加してトリケトン類を脱アセチル化させることが好ま
しい。
【0027】本発明で用いられる酸としては、具体的に
は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸類が挙げられ
る。中でも塩酸が好ましく用いられる。工程(2)におけ
る反応に供される酸の濃度は、pH1〜4、好ましくは
pH1〜2である。工程(2)における反応は、常圧で行
うことができ、その際の反応温度は、反応溶液の沸点を
超えない温度であればよく、好ましくは90〜110℃
で行う。また、反応時間は、原料であるハロゲン化ベン
ゾイル誘導体の種類により異なるが、10分〜24時
間、好ましくは1〜3時間である。1−フェニル−1,3−ブタンジオン誘導体 本発明によって得られる1−フェニル−1,3−ブタン
ジオン誘導体は、下記一般式[III]で表される。
【0028】
【化9】
【0029】一般式[III]において、F、Y、mおよ
びnは、それぞれ上記一般式[I]のF、Y、m、nと
同義である。上記一般式[III]で表される1−フェニ
ル−1,3−ブタンジオン誘導体としては、具体的に
は、例えば、1−(2,3−ジフルオロフェニル)−
1,3−ブタンジオン、1−(2,6−ジフルオロフェ
ニル)−1,3−ブタンジオン、1−(2,3,4−ト
リフルオロフェニル)−1,3−ブタンジオン、1−
(2,3,5−トリフルオロフェニル)−1,3−ブタ
ンジオン、1−(2,3,6−トリフルオロフェニル)
−1,3−ブタンジオン、1−(2,4,5−トリフル
オロフェニル)−1,3−ブタンジオン、1−(3,
4,5−トリフルオロフェニル)−1,3−ブタンジオ
ン、1−(3,4,6−トリフルオロフェニル)−1,
3−ブタンジオン、1−(2,3,4,5−テトラフル
オロフェニル)−1,3−ブタンジオン、1−(2,
3,4,6−テトラフルオロフェニル)−1,3−ブタ
ンジオン、1−(2,3,5,6−テトラフルオロフェ
ニル)−1,3−ブタンジオン、1−(2−フルオロ−
3−クロロフェニル)−1,3−ブタンジオン、1−
(2−フルオロ−6−クロロフェニル)−1,3−ブタ
ンジオン、1−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)
−1,3−ブタンジオン、1−((2−フルオロ−3−
トリフルオロメチル)-フェニル)−1,3−ブタンジオ
ン、1−((2−フルオロ−5−トリフルオロメチル)-
フェニル)−1,3−ブタンジオン、1−((2−フル
オロ−6−トリフルオロメチル)-フェニル)−1,3−
ブタンジオン、1−((3−フルオロ−5−トリフルオ
ロメチル)-フェニル)−1,3−ブタンジオン、1−
((3−フルオロ−6−トリフルオロメチル)-フェニ
ル)−1,3−ブタンジオン、1−((2−フルオロ−
4−トリフルオロメチル)-フェニル)−1,3−ブタン
ジオン、1−((3−フルオロ−4−トリフルオロメチ
ル)-フェニル)−1,3−ブタンジオン、1−(2−ト
リフルオロメチル−4−フルオロフェニル)−1,3−
ブタンジオン、1−(3−トリフルオロメチル−4−フ
ルオロフェニル)−1,3−ブタンジオン、1−(2,
4−ジクロロ−5−フルオロフェニル)−1,3−ブタ
ンジオン、1-((2,3−ジフルオロ−4−トリフルオ
ロメチル)-フェニル)-1,3-ブタンジオン、1-((3,
4−ジフルオロ−5−トリフルオロメチル)-フェニル)-
1,3-ブタンジオンなどが挙げられる。精製 上記のようにして得られた目的物である1−フェニル−
1,3−ブタンジオン誘導体は、必要に応じて精製され
る。上記反応工程(2)の終了後は溶媒抽出、次に濃縮操
作をすることで、特に精製を要しない純度の高い生成物
が得られるが、より高い純度の目的物を望むのであれ
ば、カラムクロマトグラフィー、蒸留などの通常の分離
精製手段に供することにより、1−フェニル−1,3−
ブタンジオン類を得ることができる。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る1−フェニル−1,3−ブ
タンジオン誘導体の製造方法によれば、安価な原料を用
い、簡便な製造工程により、医薬、農薬等の合成中間体
として有用なフッ素原子を有する1−フェニル−1,3
−ブタンジオン誘導体を高選択的かつ高収率で得られ
る。
【0031】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、これらの実施例により本発明は限定される
ものではない。
【0032】
【実施例1】[1−(2,3−ジフルオロフェニル)−
1,3−ブタンジオンの合成]工程(1) 磁気回転子を付した200mlの3つ口フラスコに、ア
セチルアセトン2.9g(30.9mmol)およびア
セトニトリル30mlを導入し、次いでこの溶液に室温
下で無水塩化マグネシウム2.9g(30.9mmo
l)を数回に分けて加え、同室温にて1時間攪拌し白色
のスラリーを得た。アイスソルトバスにて冷却しなが
ら、反応混合物の温度が10℃を超えないようにトリエ
チルアミン6.3g(61.8mmol)を滴下した。
その後反応混合物を0℃まで冷却し、この温度で1時間
攪拌した後に2,3−ジフルオロベンゾイルクロリド
5.5g(30.9mmol)を反応混合物の温度が1
0℃を超えないように30分間かけて滴下した。滴下終
了後、同温度で1時間攪拌し、次いでアイスソルトバス
を外して室温にて1時間攪拌した。工程(2) 反応終了後、引き続きこの溶液に濃塩酸15mlを加え
た。この時の溶液のpHは約1であった。この溶液をオ
イルバスにて100℃に加熱し同温で2時間還流させ
た。精製等 反応終了後、反応溶液を室温まで冷却した後、減圧下に
アセトニトリルを留去し、残渣を200mlの氷水に注
いだ。得られた結晶を濾取し、水で洗浄した後に風乾し
て、無色の針状結晶5.4gを得た。収率は88%であ
った。
【0033】得られた針状結晶について、1H NMR(9
0MHz)で同定を行い、この結晶が1−(2,3−ジ
フルオロフェニル)−1,3−ブタンジオンであること
を確認した。なお、常温、常圧下で、得られた1,3−
ブタンジオン誘導体の1H NMRスペクトルを測定したと
ころ1,3−ブタンジオン誘導体はエノール体として存
在することが確認された。
【0034】1H NMRスペクトルの測定においては、溶
媒として重クロロホルム、内部標準物質としてテトラメ
チルシランを用いた。得られたデータを以下に示す。1 H NMRスペクトル δ値(ppm):2.18(3
H,s),6.23(1H,d,J=1.5Hz),
7.00〜7.78(3H,m) なお、以下に記す実施例2〜14の目的物として得られ
た1,3−ブタンジオン誘導体についても全てエノール
体のスペクトルである。
【0035】
【実施例2】[1−(2,6−ジフルオロフェニル)−
1,3−ブタンジオンの合成]実施例1において、2,
3−ジフルオロベンゾイルクロリドの代わりに2,6−
ジフルオロベンゾイルクロリドを用いた以外は、実施例
1と同様の条件(試薬の当量関係、溶媒の種類と量、温
度条件)で工程(1)および工程(2)の反応を行った。反応
終了後、反応溶液を室温まで冷却し、酢酸エチルでの抽
出操作の後、減圧下で溶媒を留去し、無色の油状物を得
た。収率は86%であった。
【0036】得られた油状物について、実施例1と同様
にして1H NMRで同定したところ、目的物である1−
(2,6−ジフルオロフェニル)−1,3−ブタンジオ
ンが得られたことが判明した。得られた1H NMRのデー
タを以下に示す。1 H NMRスペクトル δ値(ppm):2.15(3
H,s),7.86(1H,m),6.86〜7.53
(3H,m)
【0037】
【実施例3】[1−(3,5−ジフルオロフェニル)−
1,3−ブタンジオンの合成]実施例1において、2,
3−ジフルオロベンゾイルクロリドの代わりに3,5−
ジフルオロベンゾイルクロリドを用いた以外は、実施例
1と同様の条件(試薬の当量関係、溶媒の種類と量、温
度条件)で反応を行い、黄色の結晶を得た。収率は82
%であった。
【0038】得られた結晶について、実施例1と同様に
して1H NMRで同定したところ、目的物である1−
(3,5−ジフルオロフェニル)−1,3−ブタンジオ
ンが得られたことが判明した。得られた1H NMRのデー
タを以下に示す。1 H NMRスペクトル δ値(ppm):2.19(3
H,s),6.07(1H,s),6.80〜7.50
(3H,m)
【0039】
【実施例4】[1−(2,3,5−トリフルオロフェニ
ル)−1,3−ブタンジオンの合成]実施例1におい
て、2,3−ジフルオロベンゾイルクロリドの代わりに
2,3,5−トリフルオロフルオロベンゾイルクロリド
を用いた以外は、実施例1と同様の条件(試薬の当量関
係、溶媒の種類と量、温度条件)で反応を行い、オレン
ジ色の結晶を得た。収率は85%であった。
【0040】得られた結晶について、実施例1と同様に
して1H NMRで同定したところ、目的物である1−
(2,3,5−トリフルオロフェニル)−1,3−ブタ
ンジオンが得られたことが判明した。得られた1H NMR
のデータを以下に示す。1 H NMRスペクトル δ値(ppm):2.23(3
H,s),6.24(1H,d,J=1.5Hz),
6.89〜7.62(2H,m)
【0041】
【実施例5】[1−(2,3,6−トリフルオロフェニ
ル)−1,3−ブタンジオンの合成]実施例1におい
て、2,3−ジフルオロベンゾイルクロリドの代わりに
2,3,6−トリフルオロベンゾイルクロリドを用いた
以外は、実施例1と同様の条件(試薬の当量関係、溶媒
の種類と量、温度条件)で工程(1)および工程(2)の反応
を行った。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却し、酢
酸エチルでの抽出操作の後、減圧下で溶媒を留去し、褐
色の油状物を得た。収率は85%であった。
【0042】得られた油状物について、実施例1と同様
にして1H NMRで同定したところ、目的物である1−
(2,3,6−トリフルオロフェニル)−1,3−ブタ
ンジオンが得られたことが判明した。得られた1H NMR
のデータを以下に示す。1 H NMRスペクトル δ値(ppm):2.19(3
H,s),6.85(1H,s),6.59〜7.46
(2H,m)
【0043】
【実施例6】[1−(2,4,5−トリフルオロフェニ
ル)−1,3−ブタンジオンの合成]実施例1におい
て、2,3−ジフルオロベンゾイルクロリドの代わりに
2,4,5−トリフルオロベンゾイルクロリドを用いた
以外は、実施例1と同様の条件(試薬の当量関係、溶媒
の種類と量、温度条件)で反応を行い、オレンジ色の結
晶を得た。収率は71%であった。
【0044】得られた結晶について、実施例1と同様に
して1H NMRで同定したところ、目的物である1−
(2,4,5−トリフルオロフェニル)−1,3−ブタ
ンジオンが得られたことが判明した。得られた1H NMR
のデータを以下に示す。1 H NMRスペクトル δ値(ppm):2.21(3
H,s),6.25(1H,s),6.82〜7.95
(2H,m)
【0045】
【実施例7】[1−(2,3,4,5−テトラフルオロ
フェニル)−1,3−ブタンジオンの合成]実施例1に
おいて、2,3−ジフルオロベンゾイルクロリドの代わ
りに2,3,4,5−テトラフルオロベンゾイルクロリ
ドを用いた以外は、実施例1と同様の条件(試薬の当量
関係、溶媒の種類と量、温度条件)で反応を行い、白色
の結晶を得た。収率は87%であった。
【0046】得られた結晶について、実施例1と同様に
して1H NMRで同定したところ、目的物である1−
(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)−1,3
−ブタンジオンが得られたことが判明した。得られた1H
NMRのデータを以下に示す。1 H NMRスペクトル δ値(ppm):2.19(3
H,s),6.20(1H,d,J=1.8Hz),
7.44〜7.72(1H,m)
【0047】
【実施例8】[1−(2,3,5,6−テトラフルオロ
フェニル)−1,3−ブタンジオンの合成]実施例1に
おいて、2,3−ジフルオロベンゾイルクロリドの代わ
りに2,3,5,6−テトラフルオロベンゾイルクロリ
ドを用いた以外は、実施例1と同様の条件(試薬の当量
関係、溶媒の種類と量、温度条件)で反応を行い、オレ
ンジ色の針状結晶を得た。収率は97%でった。
【0048】得られた針状結晶について、実施例1と同
様にして1H NMRで同定したところ、目的物である1−
(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)−1,3
−ブタンジオンが得られたことが判明した。得られた1H
NMRのデータを以下に示す。1 H NMRスペクトル δ値(ppm):2.17(3
H,s),5.83(1H,m),6.94〜7.30
(1H,m)
【0049】
【実施例9】[1−(2−フルオロ−3−クロロフェニ
ル)−1,3−ブタンジオンの合成]実施例1におい
て、2,3−ジフルオロベンゾイルクロリドの代わりに
2−フルオロ−3−クロロベンゾイルクロリドを用いた
以外は、実施例1と同様の条件(試薬の当量関係、溶媒
の種類と量、温度条件)で工程(1)および工程(2)の反応
を行った。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却し、酢
酸エチルでの抽出操作の後、減圧下で溶媒を留去し、オ
レンジ色の樹脂状物を得た。収率は80%であった。
【0050】得られた樹脂状物について、実施例1と同
様にして1H NMRで同定したところ、目的物である1−
(2−フルオロ−3−クロロフェニル)−1,3−ブタ
ンジオンが得られたことが判明した。得られた1H NMR
のデータを以下に示す。1 H NMRスペクトル δ値(ppm):2.16(3
H,s),6.19(1H,d,J=2.1Hz),
6.74〜7.83(3H,m)
【0051】
【実施例10】[1−((2−フルオロ−3−トリフル
オロメチル)−フェニル)−1,3−ブタンジオンの合
成]実施例1において、2,3−ジフルオロベンゾイル
クロリドの代わりに2−フルオロ−3−トリフルオロメ
チルベンゾイルクロリドを用いた以外は、実施例1と同
様の条件(試薬の当量関係、溶媒の種類と量、温度条
件)で工程(1)および工程(2)の反応を行った。反応終了
後、反応溶液を室温まで冷却し、酢酸エチルでの抽出操
作の後、減圧下で溶媒を留去し、オレンジ色の油状物を
得た。収率は86%であった。
【0052】得られた油状物について、実施例1と同様
にして1H NMRで同定したところ、目的物である1−
((2−フルオロ−3−トリフルオロメチル)−フェニ
ル)−1,3−ブタンジオンが得られたことが判明し
た。得られた1H NMRのデータを以下に示す。1 H NMRスペクトル δ値(ppm):2.10(3
H,s),6.23(1H,d,J=1.5Hz),
7.23〜8.16(3H,m)
【0053】
【実施例11】[1−((2−フルオロ−5−トリフル
オロメチル)−フェニル)−1,3−ブタンジオンの合
成]実施例1において、2,3−ジフルオロベンゾイル
クロリドの代わりに2−フルオロ−5−トリフルオロメ
チルベンゾイルクロリドを用いた以外は、実施例1と同
様の条件(試薬の当量関係、溶媒の種類と量、温度条
件)で工程(1)および工程(2)の反応を行った。反応終了
後、反応溶液を室温まで冷却し、酢酸エチルでの抽出操
作の後、減圧下で溶媒を留去し、黄色の油状物を得た。
収率は88%であった。
【0054】得られた油状物について、実施例1と同様
にして1H NMRで同定したところ、目的物である1−
((2−フルオロ−5−トリフルオロメチル)−フェニ
ル)−1,3−ブタンジオンが得られたことが判明し
た。得られた1H NMRのデータを以下に示す。1 H NMRスペクトル δ値(ppm):2.10(3
H,s),6.23(1H,d,J=1.5Hz)),
7.07〜8.27(3H,m)
【0055】
【実施例12】[1−((2−フルオロ−6−トリフル
オロメチル)−フェニル)−1,3−ブタンジオンの合
成]実施例1において、2,3−ジフルオロベンゾイル
クロリドの代わりに2−フルオロ−6−トリフルオロメ
チルベンゾイルクロリドを用いた以外は、実施例1と同
様の条件(試薬の当量関係、溶媒の種類と量、温度条
件)で工程(1)および工程(2)の反応を行った。反応終了
後、反応溶液を室温まで冷却し、酢酸エチルでの抽出操
作の後、減圧下で溶媒を留去し、褐色の油状物を得た。
収率は74%であった。
【0056】得られた油状物について、実施例1と同様
にして1H NMRで同定したところ、目的物である1−
((2−フルオロ−6−トリフルオロメチル)−フェニ
ル)−1,3−ブタンジオンが得られたことが判明し
た。得られた1H NMRのデータを以下に示す。1 H NMRスペクトル δ値(ppm):2.12(3
H,s),5.21(1H,s),7.08〜7.61
(3H,m)
【0057】
【実施例13】[1−((3−フルオロ−5−トリフル
オロメチル)−フェニル)−1,3−ブタンジオンの合
成]実施例1において、2,3−ジフルオロベンゾイル
クロリドの代わりに3−フルオロ−5−トリフルオロメ
チルベンゾイルクロリドを用いた以外は、実施例1と同
様の条件(試薬の当量関係、溶媒の種類と量、温度条
件)で工程(1)および工程(2)の反応を行った。反応終了
後、反応溶液を室温まで冷却し、酢酸エチルでの抽出操
作の後、減圧下で溶媒を留去し、黄色の油状物を得た。
収率は87%であった。
【0058】得られた油状物について、実施例1と同様
にして1H NMRで同定したところ、目的物である1−
((3−フルオロ−5−トリフルオロメチル)−フェニ
ル)−1,3−ブタンジオンが得られたことが判明し
た。得られた1H NMRのデータを以下に示す。1 H NMRスペクトル δ値(ppm):2.23(3
H,s),6.13(1H,s),7.37〜8.00
(3H,m)
【0059】
【実施例14】[1−((3−フルオロ−6−トリフル
オロメチル)−フェニル)−1,3−ブタンジオンの合
成]実施例1において、2,3−ジフルオロベンゾイル
クロリドの代わりに3−フルオロ−6−トリフルオロメ
チルベンゾイルクロリドを用いた以外は、実施例1と同
様の条件(試薬の当量関係、溶媒の種類と量、温度条
件)で工程(1)および工程(2)の反応を行った。反応終了
後、反応溶液を室温まで冷却し、酢酸エチルでの抽出操
作の後、減圧下で溶媒を留去し、黄色の油状物を得た。
収率は87%であった。
【0060】得られた油状物について、実施例1と同様
にして1H NMRで同定したところ、目的物である1−
((3−フルオロ−6−トリフルオロメチル)−フェニ
ル)−1,3−ブタンジオンが得られたことが判明し
た。得られた1H NMRのデータを以下に示す。1 H NMRスペクトル δ値(ppm):2.15(3
H,s),5.77(1H,s),7.10〜7.80
(3H,m)
【0061】
【比較例1】[1−(3,5−ジフルオロフェニル)−
1,3−ブタンジオンの合成]実施例3と同様の3,5
−ジフルオロベンゾイルクロリドを原料とし、Syntheti
c Comunications, 26(12),2421-2427(1996)に記載の方
法によって、1−(3,5−ジフルオロフェニル)−
1,3−ブタンジオンの合成を下記のとおり行った。
【0062】磁気回転子を付した500mlの3つ口フ
ラスコ中に、粉状金属サマリウム(20メッシュ)1
7.0g(113mmol)およびアセトニトリル30
0mlを導入し、次いでこの溶液に氷冷下でヨウ素4
3.0g(169mmol)を数回に分けて加え、5℃
以下にて10分間攪拌し、その後室温下で1時間攪拌し
た。次にこの溶液にアセトニトリル500mlを加え、
アイスソルトバスにてこの溶液の温度が−5℃になるま
で冷却した。この溶液の温度が−5℃になるように制御
しながら、この溶液に3,5−ジフルオロベンゾイルク
ロリド20g(113mmol)とアセチルアセトン1
1.3g(113mmol)との混合溶液をゆっくりと
滴下した。その後1時間を要して反応溶液の温度を0℃
にまで昇温した。減圧下にアセトニトリルを留去した
後、残渣に2規定の塩酸500mlを加え酸性とし、ト
ルエン150mlで3回抽出した。有機層を飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液、10%チオ硫酸ナトリウム水溶
液、飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。その後これを濾過し、トルエンを減圧下に留
去して25.8gの褐色の結晶を得た。
【0063】この結晶にテトラヒドロフラン70mlと
6規定の塩酸200mlを加え、80℃にて30分間加
熱した。その後、反応溶液を室温まで冷却し、トルエン
100mlで3回抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、これを濾過し、トルエンを減圧下に
留去して20.9gのオレンジ色の粗結晶を得た。
【0064】この粗結晶をシリカゲルを用いたカラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒:ノルマルヘキサン/酢酸
エチル=9/1)にて精製し、目的物である1−(3,
5−ジフルオロフェニル)−1,3−ブタンジオンを黄
色の結晶として11.3g(収率50.4%)、また副
反応生成物として1,3−ビス(2,4−ジフルオロフ
ェニル)−1,3−プロパンジオンをオレンジ色の結晶
として2.8g(収率8.4%)を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅 野 重 慶 茨城県つくば市緑ヶ原2丁目1番 株式会 社エス・ディー・エスバイオテックつくば 研究所内 (72)発明者 中 嶌 秀 紀 茨城県つくば市緑ヶ原2丁目1番 株式会 社エス・ディー・エスバイオテックつくば 研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC24 AC26 BA51 BB41

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アセチルアセトンと、下記一般式[I] 【化1】 [式中、Fはフッ素原子であり、Yは水素原子、ハロメ
    チル基またはフッ素原子以外のハロゲン原子でありかつ
    複数ある場合は同一であっても異なっていてもよく、n
    は1から5の任意の整数であり、mは0から4の任意の
    整数であり、Zはハロゲン原子である]で表されるハロ
    ゲン化ベンゾイル誘導体とを、金属ハロゲン化物および
    3級アミンの存在下に、有機溶媒中で縮合させることに
    よって下記一般式[II] 【化2】 [式中、F、Y、mおよびnは、それぞれ上記一般式
    [I]のF、Y、m、nと同義である]で表されるトリ
    ケトン類を得る工程(1)と、該工程(1)で得られたトリケ
    トン類を酸の存在下に脱アセチル化して、下記一般式
    [III] 【化3】 [式中、F、Y、mおよびnは、それぞれ上記一般式
    [I]のF、Y、m、nと同義である]で表される1−
    フェニル−1,3−ブタンジオン誘導体を得る工程(2)
    とを含むことを特徴とする、1−フェニル−1,3−ブ
    タンジオン誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記金属ハロゲン化物が無水物であること
    を特徴とする請求項1に記載の1−フェニル−1,3−
    ブタンジオン誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記有機溶媒が非プロトン性溶媒であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の1−フェニル−1,3
    −ブタンジオン誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記工程(1)で得られるトリケトン類を含
    む反応生成物含有液を精製することなく、該反応生成物
    含有液に直接酸を添加することによってトリケトン類を
    脱アセチル化することを特徴とする請求項1に記載の1
    −フェニル−1,3−ブタンジオン誘導体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014083935A1 (ja) * 2012-11-27 2014-06-05 株式会社クレハ カルボニル化合物の製造方法
EP2542709A4 (en) * 2010-03-03 2014-08-06 L Air Liquide Société Anonyme Pour L Etude Et L Expl Des Procédés Georges Claude CLEANING SOLVENT AND CLEANING METHOD FOR METAL COMPOUND
US9206106B2 (en) 2012-11-27 2015-12-08 Kureha Corporation Production method of carbonyl compound

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