JP2943972B2 - β−γ不飽和ケトン類の製法 - Google Patents

β−γ不飽和ケトン類の製法

Info

Publication number
JP2943972B2
JP2943972B2 JP20246594A JP20246594A JP2943972B2 JP 2943972 B2 JP2943972 B2 JP 2943972B2 JP 20246594 A JP20246594 A JP 20246594A JP 20246594 A JP20246594 A JP 20246594A JP 2943972 B2 JP2943972 B2 JP 2943972B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
reaction
methyl
solvent
examples
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20246594A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0859537A (ja
Inventor
浩 吉田
潔 大森
博之 宮田
克孝 恩塚
建策 布施
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP20246594A priority Critical patent/JP2943972B2/ja
Publication of JPH0859537A publication Critical patent/JPH0859537A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2943972B2 publication Critical patent/JP2943972B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医農薬などの合成原料
として有用なβ−γ不飽和ケトン類の製法に関するもの
である。
【0002】
【従来技術の説明】β,γ−不飽和ケトン類は、医農薬
の合成原料や中間体として有用である。例えば、この化
合物からフェニルプロピルアルキルケトン類を経由して
合成されたフェニルアルキルアミン類の第4級アンモニ
ウム塩は、抗不整脈剤として有用であることが示されて
いる(特開昭54−95520号)。β,γ−不飽和ケ
トン類の合成法としては、従来、次に示す(1) 〜(4) の
方法が知られている。
【0003】(1) Bull.Soc.Chim.F
r.,5,1676(1973) 1−(4−クロルフェニル)−3−ペンテン−1,2−
ジオールを硫酸水溶液中で加熱脱水し、β,γ−不飽和
ケトンである5−(4−クロルフェニル)−4−ペンテ
ン−2−オンとα,β−不飽和ケトンである5−(4−
クロルフェニル)−3−ペンテン−2−オンの混合物を
合計約70%の収率で得ている。この方法では、1−
(4−クロルフェニル)−3−ペンテン−1,2−ジオ
ールの合成・入手が容易でない。さらに、目的物である
β,γ−不飽和ケトンの単離・精製も困難である。
【0004】(2) Chem.Let.,3,279(1
973) 金属アセテート存在下、3−アルケニル−2,4−ペン
タンジオンの脱アセチル化反応によって、種々のβ,γ
−不飽和ケトン類を32〜77%の収率で得ている。こ
の方法では、脱アセチル化反応の時間が長く、低収率で
ある。
【0005】(3) J.Chem.Soc.Perkin
Trans. I,(8)1657(1978) 5−フェニル−4−ペンテン−2−オールをクロム酸酸
化することによって、シンナミルメチルケトンを90%
の収率で得ている。この方法では、5−フェニル−4−
ペンテン−2−オールの合成が困難である。さらに、ク
ロム酸酸化剤の使用は、自然環境の保護の面で好ましく
ない。
【0006】(4)Can.J.Chem.、59,80
2(1981) 塩化アルミニウム存在下、シクロプロピルメチルシラン
とアシルクロライドとを反応させることによって、種々
のβ,γ−不飽和ケトン類を5〜100%の収率で得て
いる。この方法では、シクロプロピルメチルシランの合
成・入手が容易でない。さらに、塩化アルミニウムを用
いる点で、後処理が煩雑になることからも実用的でな
い。従って、これらの方法には、合成原料の合成や入
手が困難、合成原料の購入価格が高い、目的化合物
の単離や精製が困難、収率が低いなどの問題があるこ
とから、これらの問題を克服できるβ,γ−不飽和ケト
ン類の新たな合成法が求められていた。
【0007】
【発明が解決すべき課題】本発明の目的は、医農薬など
の合成原料として有用なβ,γ−不飽和ケトン類の製法
を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために検討した結果、3−アルケニル−2
−アルキルオキシランカルボン酸エステルとアルカリ金
属水酸化物とを反応させた後に脱炭酸することによっ
て、容易に高収率でβ−γ不飽和ケトン類を得ることが
できることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明
は、次式(1):
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R1はアルキル基又はフェニル基
を表し;R2及びR3はアルキル基を表す。)で示される
3−アルケニル−2−アルキルオキシランカルボン酸エ
ステルとアルカリ金属水酸化物とを溶媒中で加水分解さ
せた後、その反応液を酸性又は中性として、10〜40
℃下で中間生成物を脱炭酸することを特徴とする 次式(2):
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R1 及びR2 は前記と同義であ
る。)で示されるβ−γ不飽和ケトン類の製法に関する
ものである。以下、本発明について詳細に説明する。目
的化合物(2)、その製造原料である化合物(1)にお
けるR1 〜R3 は、次の通りである。R1 としては、フ
ェニル基,アルキル基を挙げることができる。R2 及び
3 としては、アルキル基を挙げることができる。R1
におけるフェニル基としては、置換又は無置換のものを
挙げることができ;置換基としては、アルキル基,ハロ
ゲン原子を挙げることができるが、好ましくはハロゲン
原子であり、さらに好ましくは塩素原子であり;置換基
の位置は特に限定されないが、好ましくは4−位であ
る。
【0013】R1 〜R3 におけるアルキル基としては、
直鎖状又は分岐状のものを挙げることができるが;好ま
しくは炭素数が1〜4個のものであり;さらに好ましく
はメチル基である。化合物(1)及び化合物(2)とし
ては、前記のR1 〜R3 として記載した置換基の組合せ
からなるものを挙げることができるが;好ましい化合物
は、〔R1がフェニル基、R2 及びR3 がアルキル基〕
又は〔R1 、R2 及びR3 がアルキル基〕であり;さら
に好ましい化合物は、前記のR1 〜R3 として示した好
ましいもの、さらに好ましいものを示すことができる。
その具体的な化合物(2)としては、例えば、後述の実
施例の(1) 〜(3) に記載したようなものを挙げることが
できる。
【0014】アルカリ金属水酸化物としては、例えば、
水酸化ナトリウム,水酸化カリウムなどを挙げることが
できる。その使用量は、エステル基を容易に加水分解で
きる程度の量であればよいことから、アルカリ金属水酸
化物は化合物(1)に対して1.0〜5.0倍モルであ
るが;好ましくは1.0〜2.0倍モルである。溶媒の
種類としては、水だけ又は水と有機溶媒との混合物を使
用することができる。有機溶媒の種類としては、例え
ば、芳香族炭化水素類(ベンゼン,トルエン,キシレン
など)、エーテル類(エチルエーテル,ブチルエーテ
ル,テトラヒドロフラン,ジオキサンなど)、アルコー
ル類(i−プロパノール,t−ブタノールなど)、ハロ
ゲン化炭化水素類(塩化メチレン,1,2−ジクロロエ
タンなど)、それらの混合物を挙げることができる。
【0015】水だけを溶媒に用いた場合の溶媒の使用量
は、化合物(1)の1モルに対して、300〜1,00
0mlであるが、好ましくは500〜700mlであ
る。有機溶媒と水との混合液を溶媒に用いる場合には、
化合物(1)の1モルに対して、水300〜1,000
mlに対して有機溶媒500〜1,500mlを混合し
たものを使用できるが、好ましくは水500〜700m
lに対して有機溶媒700〜1,200mlを混合した
ものを使用できる。加水分解反応液を酸性又は中性にす
るためには、硫酸,塩酸,リン酸,酢酸,リン酸二水素
カリウムなどの酸を使用することができる。その酸の使
用量は、脱炭酸反応のpHが1.0〜7.0、好ましく
は5.5〜6.5であることから;このpH範囲に調整
できる量であればよい。
【0016】加水分解の反応温度は、特に限定されない
が;好ましくは0℃から使用する溶媒の沸点以下の温度
範囲、さらに好ましくは10〜40℃である。脱炭酸の
反応温度は、10〜40℃である。加水分解及び脱炭酸
の反応時間は、前記の各使用物質の量及び濃度,並びに
温度によって変化するが、通常3〜10時間である。加
水分解反応では、第4級アンモニウム塩を相関移動触媒
として使用することによって、反応を促進することがで
きる。そのような第4級アンモニウム塩としては、例え
ば、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド,ベン
ジルトリエチルアンモニウムクロライド,テトラブチル
アンモニウムブロマイド,トリオクチルメチルアンモニ
ウムクロライド,テトラエチルアンモニウムブロマイド
などを挙げることができる。第4級アンモニウム塩の使
用量は、化合物(1)1モルに対して0.01〜0.1
モルである。
【0017】化合物(1)は、例えば、特願平5−27
6417号に記載の方法に準じて、例えば、次に示すよ
うに、対応するα−β不飽和アルデヒド類〔化合物
(3)〕と対応するα−クロル脂肪酸エステル〔化合物
(4)〕〔化合物(3)に対して0.8〜3倍モル使
用〕とをトルエンなどの溶媒中〔化合物(3)の1モル
に対して100〜5,000ml使用〕で、アルカリ金
属アルコラートなどの塩基〔化合物(3)に対して0.
8〜3倍モル使用〕を加え、不活性ガス雰囲気とし、−
30〜50℃で反応させることによって合成することが
できる。
【0018】
【化5】
【0019】(式中、R1 〜R3 は、前記と同義であ
る。) 化合物(3)は、例えば、化合物(3)に対応するアル
デヒド類とアセトアルデヒドとから、常法(アルドール
縮合反応)によって容易に製造することができる。化合
物(3)としては、例えば、シンナムアルデヒド,p−
クロルシンナムアルデヒド,m−クロルシンナムアルデ
ヒド,o−クロルシンナムアルデヒド,p−ブロモシン
ナムアルデヒド,p−ヨードシンナムアルデヒド,p−
メチルシンナムアルデヒド,p−ブチルシンナムアルデ
ヒド,p−メトキシシンナムアルデヒド,p−ブトキシ
シンナムアルデヒド,m−ニトロシンナムアルデヒド,
クロトンアルデヒド,2−ヘキセナール,2−ヘプテナ
ール,2−ペンテナール,2,4−ヘキサジエナールな
どを挙げることができる。
【0020】化合物(4)は、市販品を使用することが
できる。化合物(4)としては、例えば、α−クロルプ
ロピオン酸メチル,α−クロルプロピオン酸エチル,α
−クロルブタン酸エチル,α−クロルペンタン酸プロピ
ル,α−クロルヘキサン酸ブチルなどを挙げることがで
きる。
【0021】化合物(1)には幾何異性体(E体,Z
体)が存在し、本発明ではこの両者を化合物(2)の製
造原料として使用することができるが、前記の化合物
(1)の製法ではE体が主に生成する。以上のようにし
て合成された化合物(2)は、反応終了後、抽出,濃
縮,濾過,晶析などの通常の後処理を行い、必要に応じ
て再結晶,各種クロマトグラフィーなどの公知の手段で
適宜精製することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を参考例及び実施例によって具
体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明の範
囲を限定するものではない。 参考例〔化合物(1)の合成〕 (1) (E,Z)−2−メチル−3−(p−クロロスチリ
ル)オキシランカルボン酸メチルの合成 トルエン(35ml),ナトリウムメチラート粉末
(2.6g、48mmol)を仕込み、−5〜0℃に冷
却下、窒素雰囲気を保ちながらα−クロルプロピオン酸
メチル(5.88g、48mmol)を加えた後、p−
クロルシンナムアルデヒド(6.66g、40mmo
l)をトルエン(35ml)に溶かした溶液を、内温を
−5〜0℃に保ように滴下した後、内温0℃で1時間攪
拌した。
【0023】反応終了後、反応混合物を0℃に冷却した
1N−硫酸(50ml)中にゆっくり加え、中和した。
次いで、有機層と水層とに分液し、この水層にトルエン
(30ml)を加えて抽出し、有機層を得た。得られた
両方の有機層を一つに合わせ、これを飽和食塩水(50
ml)で2回洗浄した後に、無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、濾過し、濾液を濃縮し、0〜5℃に冷却すること
によって黄色の粗結晶を得た。さらに、これをn−ヘキ
サン/トルエン混合溶媒(20/1容量比)で再結晶す
ることによって、白色結晶のE体の目的化合物を8.1
g得た(収率は80%)。
【0024】・融点:59〜62℃ ・元素分析(wt%):C1313ClO3 として 計算値:C 61.79、H 5.18 実測値:C 61.95、H 5.15 ・IR(KBr cm-1):2956、1747 ・MS(m/e):254、252(M+ ) 、115
【0025】・PMR(CDCl3 、δppm):1.
60(s,3H)、3.79(s,3H)、3.85
(d,J=7.3Hz,1H)、6.00(dd,J=
7.3Hz,16.2Hz,1H)、6.78(d,J
=16.2Hz,1H)、7.30(m,4H)
【0026】前記の再結晶母液を濃縮し、その残渣をn
−ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒(10/1の容量比)
を展開溶媒として、シリカゲルカラム(ワコーゲル C
−200)を用いて精製することによって、黄色透明油
状のZ体である目的化合物を0.3g得た(収率は3
%)。
【0027】・MS(m/e):254、252
(M+ ) 、115 ・PMR(CDCl3 、δppm):1.60(s,3
H)、3.56(d,J=8.1Hz,1H)、3.7
9(s,3H)、6.04(dd,J=8.1Hz,1
6.2Hz,1H)、6.80(d,J=16.2H
z,1H)、7.30(m,4H)
【0028】(2) (E)−2−メチル−3−スチリル−
オキシランカルボン酸メチルの合成 テトラヒドロフラン(35ml),ナトリウムメチラー
ト粉末(2.6g、48mmol)を仕込み、−5〜0
℃に冷却下、窒素雰囲気を保ちながらα−クロルプロピ
オン酸メチル(5.88g、48mmol)を加えた
後、シンナムアルデヒド(5.29g、40mmol)
をテトラヒドロフラン(30ml)に溶かした溶液を、
内温を−5〜0℃に保ように滴下した後、内温0℃で1
時間攪拌した。
【0029】反応終了後、反応混合物を0℃に冷却した
飽和塩化アンモニウム水溶液(50ml)中にゆっくり
加え、中和した。次いで、テトラヒドロフランを減圧下
に留去し、トルエン(30ml)で2回抽出した。得ら
れた有機層を一つに合わせ、これを飽和食塩水(50m
l)で2回洗浄した後に、無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、濾過し、濾液を濃縮することによって黄色油状の残
渣を得た。この残渣をn−ヘキサン/酢酸エチル混合溶
媒(10/1の容量比)を展開溶媒として、シリカゲル
カラム(ワコーゲル C−200)を用いて精製するこ
とによって、無色透明油状のE体である目的化合物を
7.4g得た(収率は85%)。
【0030】・IR(液膜法 cm-1):2956、1
747 ・MS(m/e):218(M+ ) 、115 ・PMR(CDCl3 、δppm):1.60(s,3
H)、3.79(s,3H)、3.86(d,J=7.
3Hz,1H)、6.02(dd,J=7.3Hz,1
6.5Hz,1H)、6.83(d,J=16.5H
z,1H)、7.10〜7.50(m,5H)
【0031】実施例〔化合物(2)の合成〕 (1) 5−(p−クロロフェニル)−4−ペンテン−2−
オンの合成 参考例1の(1) で得た2−メチル−3−(p−クロロス
チリル)オキシランカルボン酸メチル(2.0g、7.
9mmol)をトルエン(20ml)に溶解し、これに
水酸化ナトリウム(0.5g)を水(20ml)に溶解
した水溶液とトリエチルベンジルアンモニウムクロライ
ド(0.2g)とを加え、室温で5時間攪拌した。加水
分解反応が終了後、5〜10℃に冷却し、リン酸を加え
てpHを5.5〜6.5に調整し、トルエン(20m
l)を加えて室温で5時間攪拌した。脱炭酸反応が終了
後、分液した有機層を水(30ml)で洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで脱水して濾過し、濾液を濃縮すること
によって淡黄色油状の残渣(1.4g)を得た。得られ
た残渣をn−ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒(10/1
の容量比)を展開溶媒として、シリカゲルカラムを用い
て精製することによって白色固体の目的物を1.3g得
た(収率は85%)。
【0032】・融点:60〜63℃ ・IR(KBr cm-1):1720、1630 ・MS(m/e):196、194(M+ ) 、153、
151 ・PMR(CDCl3 、δppm):2.21(s,3
H)、3.34(d,J=6.7Hz,2H)、6.3
0(td,J=6.7Hz,15.9Hz,1H)、
6.42(d,J=15.9Hz,1H)、7.28
(m,4H)
【0033】(2) 5−フェニル−4−ペンテン−2−オ
ンの合成 参考例1の(2) で得た2−メチル−3−スチリル−オキ
シランカルボン酸メチル(10.0g、45.8mmo
l)に水酸化ナトリウム(3.2g)を水(50ml)
に溶解した水溶液を加え、室温で10時間攪拌した。加
水分解反応が終了後、室温でトルエン(50ml)を加
え、塩酸でpHを5.5〜6.0に調整し、室温で3時
間攪拌した。脱炭酸反応が終了後、分液した有機層を水
(50ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水し
て濾過し、濾液を濃縮することによって淡黄色油状の残
渣(8g)を得た。得られた残渣をn−ヘキサン/酢酸
エチル混合溶媒(10/1の容量比)を展開溶媒とし
て、シリカゲルカラムを用いて精製することによって無
色油状の目的物を6.1g得た(収率は83%)。
【0034】・沸点:120〜125℃/10〜15m
mHg ・IR(neat):1714、1600 ・MS(m/e):160(M+ ) 、117 ・PMR(CDCl3 、δppm):2.21(s,3
H)、3.33(d,J=6.9Hz,2H)、6.3
0(td,J=16.0Hz,6.9Hz,1H)、
6.45(d,J=16.0Hz,1H)、7.30
(m,5H)
【0035】(3) 4−ヘキセン−2−オンの合成 (E)−3−(1−プロペニル)−2−メチル−オキシ
ランカルボン酸メチル(2.0g、13mmol)をジ
エチルエーテル(20ml)に溶解し、これに水酸化ナ
トリウム(0.52g)を水(20ml)に溶解した水
溶液とテトラn−ブチルアンモニウムクロライド(0.
2g)とを加え、室温で5時間攪拌した。加水分解反応
が終了後、5〜10℃に冷却し、リン酸二水素カリウム
(3g)を水(20ml)に溶かした水溶液とエーテル
(20ml)とを加えてpHを5.5〜6.5に調整
し、室温で3時間攪拌した。脱炭酸反応が終了後、分液
した有機層を水(30ml)で洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムで脱水して濾過し、濾液を濃縮することによって
淡黄色の液体(1.3g)を得た。得られた液体を減圧
蒸留することによって無色透明液状の目的物を1g得た
(収率は80%)。
【0036】・沸点:68〜73℃/80mmHg ・IR(neat):1710 ・MS(m/e):98(M+ ) 、55 ・PMR(CDCl3 、δppm):1.70(d,3
H)、2.05(s,3H)、3.10(d,2H)、
5.52(m,2H)
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、医農薬などの合成原料
として有用なβ,γ−不飽和ケトン類を容易に高収率で
製造することができる。
フロントページの続き (72)発明者 布施 建策 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇 部興産株式会社 宇部研究所内 審査官 鈴木 恵理子 (56)参考文献 特開 昭58−203930(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 49/203 - 49/217 C07C 45/58 C07C 45/65 CA(STN) WPI/L(QUESTEL)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(1): 【化1】 (式中、R1はアルキル基又はフェニル基を表し;R2
    びR3はアルキル基を表す。)で示される3−アルケニ
    ル−2−アルキルオキシランカルボン酸エステルとアル
    カリ金属水酸化物とを溶媒中で加水分解させた後、その
    反応液を酸性又は中性として、10〜40℃下で中間生
    成物を脱炭酸することを特徴とする 次式(2): 【化2】 (式中、R1及びR2は前記と同義である。)で示される
    β−γ不飽和ケトン類の製法。
JP20246594A 1994-08-26 1994-08-26 β−γ不飽和ケトン類の製法 Expired - Fee Related JP2943972B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20246594A JP2943972B2 (ja) 1994-08-26 1994-08-26 β−γ不飽和ケトン類の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20246594A JP2943972B2 (ja) 1994-08-26 1994-08-26 β−γ不飽和ケトン類の製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0859537A JPH0859537A (ja) 1996-03-05
JP2943972B2 true JP2943972B2 (ja) 1999-08-30

Family

ID=16457983

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20246594A Expired - Fee Related JP2943972B2 (ja) 1994-08-26 1994-08-26 β−γ不飽和ケトン類の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2943972B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0859537A (ja) 1996-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0186117B1 (en) Process for the production of acylated diketonic compounds
US5288895A (en) Process for the preparation of a biphenyl derivative
JPH05331124A (ja) α−ケトアミド誘導体の製造法
JPS649978B2 (ja)
JP2943972B2 (ja) β−γ不飽和ケトン類の製法
US4225704A (en) Preparation of halogenovinyl-substituted tetra-hydrofuran-2-ones
JP3123137B2 (ja) 光学活性3−置換−2−ノルボルナノンの製造法
JP2986003B2 (ja) 2−アルキル−3−スチリルオキシランカルボン酸エステル及びその製法
US5498799A (en) Process for producing optically active 2-norbornanone
JP2952872B2 (ja) β−γ不飽和ケトン類の製造方法
US4577025A (en) Method of preparing α-aromatic propionic acids and intermediates thereof
JP2001048826A (ja) 1−フェニル−1,3−ブタンジオン誘導体の製造方法
JPH0759562B2 (ja) 1,3−ジアルキルピラゾール−5−カルボン酸エステル類の製造法
JPH03161456A (ja) α,β―不飽和ケトン類の合成法
JPH0437814B2 (ja)
JP2801647B2 (ja) 6―フルオロクロモン―2―カルボン酸誘導体の製造法
JPH06211833A (ja) 1,3−ジオキサン−4,6−ジオン誘導体の製造方法
JPH07133271A (ja) ベンズアルデヒド誘導体及びそれを中間体とするクロマンカルボン酸誘導体の製法
JPH08291159A (ja) 3−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン類の製造方法
US6706917B1 (en) Preparing method of 2-phenylalkanoic acid derivatives
JPH0672957A (ja) トランス−β置換アクリル酸エステル誘導体の製造方法
JP2009143885A (ja) アセトフェノン誘導体の製造法
JPH07285913A (ja) 3−アシルオキシ−2,3−不飽和ケトン類の製造法
JPS6254411B2 (ja)
JP2000063306A (ja) トリフルオロプロパンテトラオール、その中間体およびそれらの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080625

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090625

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090625

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100625

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100625

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110625

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110625

Year of fee payment: 12

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110625

Year of fee payment: 12

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110625

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110625

Year of fee payment: 12

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110625

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110625

Year of fee payment: 12

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees