JPH11279169A - 3−イソクロマノン類の製造方法 - Google Patents

3−イソクロマノン類の製造方法

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JPH11279169A
JPH11279169A JP8449998A JP8449998A JPH11279169A JP H11279169 A JPH11279169 A JP H11279169A JP 8449998 A JP8449998 A JP 8449998A JP 8449998 A JP8449998 A JP 8449998A JP H11279169 A JPH11279169 A JP H11279169A
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isochromanone
compound
acid
reaction
group
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JP8449998A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Monzen
博之 門前
Hideo Miyata
英雄 宮田
Kimitaka Oshiro
公孝 大城
Kohei Morikawa
宏平 森川
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D311/00Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only hetero atom, condensed with other rings
    • C07D311/02Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only hetero atom, condensed with other rings ortho- or peri-condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D311/76Benzo[c]pyrans

Abstract

(57)【要約】 【課題】 医薬、農薬等の合成原料として有用な一般式
(II)で示される3−イソクロマノン類及び一般式
(I)で示されるシアノ化合物が工業的に有利な方法
で、収率良く製造する方法を提供する。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は水素原子、アルキル基またはアリール基
を表わし、R2 ,R3 ,R4 ,R5 は各々独立に水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を表
わす。)で示されるシアノ化合物を加水分解し、次いで
分子内環化反応を行う下記一般式(II) 【化2】 (R2 ,R3 ,R4 ,R5 は前記の通り。)で示される
3−イソクロマノン類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、農薬などの
中間体として有用な3−イソクロマノン類の製造方法及
びその製造方法の原料として使用できるシアノ化合物の
製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般式(II)で示される3−イソクロマ
ノン類の製造方法としては、いくつかの異なる製造方法
が提案されている。例えば、特開平9−67364号公
報には、α,α’−ジハロゲノオルトキシレンを水酸化
ナトリウム等のハロゲン化水素捕捉剤とパラジウム等の
錯体触媒の存在下で、一酸化炭素および水と反応させる
方法が開示されている。A.Cowellらはパラジウ
ム錯体触媒の存在下、o−ブロモメチルベンジルアルコ
ールと一酸化炭素の反応を行い、3−イソクロマノンを
合成している(JACS.,1980、102,419
1)。
【0003】また、2−インダノンを原料としてバイヤ
ー・ビリガー酸化反応により3−イソクロマノンを合成
する方法もいくつか提案されている。即ち、A.Cha
tterjeeら、P.CottetらおよびC.Ko
cchらは、それぞれ2−インダノンとメタクロロ過安
息香酸を反応させることにより3−イソクロマノンを合
成している(Synthesis,1981,818、
Synthesis,1987,497、Synthe
tic Communication,1989,1
9,829)。F.G.Mannらはα−メトキシ−
α’−シアノオルトキシレンを硫酸水溶液中で反応させ
る方法により3−イソクロマノンを合成している(J.
Chem. Soc.,1954,2819)。ま
た、U.Azzenaらはフタランを金属リチウムによ
り開環し、さらに二酸化炭素と反応、加水分解すること
により3−イソクロマノンを合成している(Tetra
hedron Lett.,1995,36,812
3)。しかしながら、これらの方法は、出発原料が合成
困難であり工業的には汎用できない、高価な反応試剤や
触媒を用いる、収率が低い等の理由により、十分に工業
的に利用可能な方法とは言い難い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、一般
式(II)の3−イソクロマノン類を工業的に有利な方法
により高収率で製造することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、 1)一般式(I)
【化5】 (R1 は水素原子、アルキル基またはアリール基を表わ
し、R2 ,R3 、R4 、R5 は各々独立に水素原子、ハ
ロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を表わす。
1 〜R5 は以下別段の断わりがない限り同様の意味と
する。)で示されるシアノ化合物を加水分解し、次いで
分子内環化反応を行うことを特徴とする一般式(II)
【化6】 で示される3−イソクロマノン類の製造方法、
【0006】2)加水分解を酸またはアルカリの存在下
で行い、分子内環化反応を酸の存在下で行う上記1項記
載の3−イソクロマノン類の製造方法、 3)加水分解を酸の存在下で行う上記2項記載の3−イ
ソクロマノン類の製造方法。 4)一般式(I)においてR1 が水素原子または炭素数
が1から9までのアルキル基である上記1項乃至3項の
いずれかに記載の3−イソクロマノン類の製造方法。 5)一般式(I)においてR1 がメチル基、エチル基ま
たは3−n−ヘプチル基である上記4項記載の3−イソ
クロマノン類の製造方法、 6)一般式(I)においてR2 、R3 ,R4 、R5 が水
素原子である上記1項乃至5項のいずれかに記載の3−
イソクロマノン類の製造方法、 7)分子内環化反応の反応液から蒸留により3−イソク
ロマノン類を分離し、精製する上記1項乃至6項のいず
れかに記載の3−イソクロマノン類の製造方法、
【0007】8)一般式(III)
【化7】 (Xはハロゲン原子を表わす。Xは以下別段の断わりが
ない限り同様の意味とする。)のモノエステル化合物と
金属シアン化物とを反応させることを特徴とする一般式
(I)のシアノ化合物の製法、および 9)上記のシアノ化合物の製法を工程に含む上記1項乃
至7項のいずれかに記載の3−イソクロマノン類の製造
方法、が提供される。また、本発明に従えば、
【0008】10)一般式(IV)
【化8】 で示されるα,α’−ジハロゲノオルトキシレン化合物
とR1 COOH(R1 は水素原子、アルキル基またはア
リール基を表わす。)で示されるカルボン酸のアルカリ
金属塩またはアルカリ土類金属塩(以下併せて「カルボ
ン酸アルカリ塩」という。)を反応させ上記一般式(II
I) で示されるモノエステル化合物の製法をを工程に含
む上記9項に記載の3−イソクロマノン類の製造方法、
【0009】11)カルボン酸アルカリ塩に対して、
α,α’−ジハロゲノオルトキシレン化合物2当量以上
を反応させる上記10項に記載の3−イソクロマノン類
の製造方法、 12)α,α’−ジハロゲノオルトキシレン化合物とカ
ルボン酸アルカリ塩との反応後、反応液から蒸留により
未反応のα,α’−ジハロゲノオルトキシレン化合物を
分離、回収する上記10項または11項に記載の3−イ
ソクロマノン類の製造方法、および 13)α,α’−ジハロゲノオルトキシレン化合物とカ
ルボン酸アルカリ塩との反応に非プロトン性極性溶媒を
添加する上記12項記載の3−イソクロマノン類の製造
方法、が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明を詳細に説明する。3−イソクロマノン類(II)の製造方法 シアノ化合物(I)は、例えば水酸化ナトリウムのよう
なアルカリで加水分解すると反応式(a)
【化9】 に従い、2−(ヒドロキシメチル)フェニル酢酸類
(V)が合成される。次いで、生成する2−(ヒドロキ
シメチル)フェニル酢酸類(V)を、例えば、塩酸のよ
うな酸の存在下で分子内環化反応を行うことにより、反
応式(b)
【化10】 に従い、3−イソクロマノン類(II)が合成される。中
間生成物の2−(ヒドロキシメチル)フェニル酢酸類
(V)は単離、精製を行い、3−イソクロマノン類(I
I)の製造に用いることができるが、加水分解後の反応
液に、そのまま、例えば、塩酸のような酸を添加して、
反応式(c)
【化11】 で示されるような分子内環化反応を行うことも可能であ
る。
【0011】また、シアノ化合物(I)を、例えば、塩
酸のような酸の存在下で加水分解と分子内環化反応を同
時に行うことにより、反応式(d)
【化12】 に従い、3−イソクロマノン類(II)を合成することが
できる。
【0012】シアノ化合物(I)は、一般式(I)で示
されるが、式中、R1 は水素原子、アルキル基またはア
リール基を表わす。アルキル基としては直鎖状でも分岐
鎖状アルキル基でもよい。また、アルキル基はアリール
基、ハロゲン原子等、反応に実質的に不活性な基で置換
されていてもよい。具体的には、炭素数が1から9まで
のアルキル基が、更に具体的にはメチル基、エチル基、
n−プロピル基、n−ヘプチル基、3−n−ヘプチル基
等が例示される。アリール基としてはフェニル基、ナフ
チル基等が例示される。また、アルキル基、アルコキシ
基、カルボキシル基、水酸基等の置換基を有しているア
リール基も例示される。R2 ,R3 ,R 4 ,R5 は各々
独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアル
コキシ基を表わすが、ハロゲン原子としてはフッ素原
子、塩素原子、臭素原子が例示される。アルキル基とし
ては直鎖状でも分岐鎖状アルキル基でもよい。またアル
コキシ基としては直鎖状でも分岐鎖状アルコキシ基のい
ずれでもよい。シアノ化合物(I)の好ましい具体例と
しては、酢酸[2−(シアノメチル)フェニル]メチル
エステル、プロピオン酸[2−(シアノメチル)フェニ
ル]メチルエステル、オクチル酸[2−(シアノメチ
ル)フェニル]メチルエステルが挙げられる。
【0013】加水分解は、好ましくは酸またはアルカリ
の存在下で行う。アルカリの存在下で行う場合は、用い
るアルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が使用さ
れる。特に好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムである。使用するアルカリは固形または水溶液のいず
れの形態で供給することも可能である。アルカリによる
加水分解にはシアノ化合物に対して当モル量以上の水の
添加が必要である。アルカリによる加水分解反応は無溶
媒で実施することが可能であるが、メタノール、エタノ
ール等のアルコール系溶媒等を用いることも可能であ
る。また、ベンゼン、トルエン、キシレン等の水に不溶
の有機溶媒も使用することができる。反応温度は特に制
限はないが、室温以上150℃以下の温度で実施するこ
とが好ましい。酸の存在下で加水分解を行う場合は、用
いる酸としては塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、臭化水素等が
挙げられるが、好ましくは塩酸または硫酸である。水は
当モル以上使用すればよいが、酸の溶媒として用いるこ
ともできる。またメタノール、エタノール等のアルコー
ル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルフォキシド、ジオキサン等の親水性有機溶媒等を使用
することができる。また、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の水に不溶の有機溶媒も使用することができる。反
応温度は室温以上溶媒の還流温度が好ましい。
【0014】次に、分子内環化反応は酸の存在下で行う
ことが好ましい。この場合、用いる酸としては塩酸、硫
酸、硝酸、燐酸、臭化水素等が挙げられるが、好ましく
は塩酸または硫酸である。使用する酸は水溶液で使用し
てもよいが、塩化水素、臭化水素等はガスとして反応器
に供給することもできる。また、中間生成物の2−(ヒ
ドロキシメチル)フェニル酢酸類(V)を単離、精製せ
ずにそのまま分子内環化反応を行うことも可能である。
分子内環化反応は無溶媒で実施することが可能である
が、水、またはメタノール、エタノール等のアルコール
系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
フォキシド、ジオキサン等の親水性有機溶媒等を用いる
ことも可能である。また、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の水に不溶の有機溶媒も使用することができる。反
応温度は特に制限はないが、室温以上150℃以下の温
度で実施することが好ましい。
【0015】酸の存在下で加水分解と分子内環化反応を
同時に行う場合に用いる酸としては、塩酸、硫酸、硝
酸、燐酸、臭化水素等が例示されるが、好ましくは硫酸
または塩酸が使用される。用いる酸は水溶液で使用して
もよいが、塩化水素、臭化水素等はガスとして反応器に
供給することもできる。また、水の添加量はシアノ化合
物に対して2当量以上であれば特に制限はない。反応は
無溶媒で実施することが可能であるが、メタノール、エ
タノール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルフォキシド、ジオキサン等の親
水性有機溶媒等を用いることも可能である。また、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の水に不溶の有機溶媒も使
用することができる。反応温度は特に制限はないが、室
温以上150℃以下の温度で実施することが好ましい。
【0016】3−イソクロマノン類(II)の精製は蒸
留、抽出、再結晶等の操作により行うことが可能であ
る。特に蒸留は有効な手段である。加水分解反応と分子
内環化反応により生成する3−イソクロマノン類(II)
とカルボン酸を蒸留により分離し、高純度の3−イソク
ロマノン類(II)を製造し、尚且つ回収したカルボン酸
は再度原料として使用することが可能なため、工業的に
効率の良い製造プロセスとなる。
【0017】シアノ化合物(I)の製法 シアノ化合物(I)は、反応式(e)
【化13】 に従い、モノエステル化合物(III) と、例えばシアン化
ナトリウムのような金属シアン化物との反応により製造
することができる。
【0018】モノエステル化合物(III) は、一般式(II
I) において、R1 は水素原子、アルキル基またはアリ
ール基で表される化合物である。アルキル基としては直
鎖状または分岐鎖状アルキル基のいずれでもよい。アル
キル基はアリール基、ハロゲン原子等で置換されていて
もよい。好ましくは炭素数が1から9までのアルキル基
が、更に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル
基、n−ヘプチル基、3−n−ヘプチル基が例示され
る。アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が例
示される。また、アリール基はアルキル基、アルコキシ
基、カルボキシル基、水酸基等の置換基を有していても
よい。R2 ,R3 ,R4 、R5 は各々独立に水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を表わす
が、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子あるい
は臭素原子が例示され、アルキル基としては直鎖状また
は分岐鎖状アルキル基のいずれでもよい。アルコキシ基
としては直鎖状または分岐鎖状アルコキシ基のいずれで
もよい。Xはハロゲン原子を表わすが、具体的にはフッ
素原子、塩素原子、臭素原子あるいはヨウ素原子が例示
され、工業的には好ましくは塩素原子である。モノエス
テル化合物(III) の好ましい具体例としては、酢酸[2
−(クロロメチル)フェニル]メチルエステル、プロピ
オン酸[2−(クロロメチル)フェニル]メチルエステ
ル、オクチル酸[2−(クロロメチル)フェニル]メチ
ルエステルが例示される。
【0019】シアノ化反応に用いる金属シアン化物とし
ては、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム等が挙げ
られる。金属シアン化物は固形または水溶液のいずれの
形態で供給することも可能である。シアノ化反応は無溶
媒で実施することが可能であるが、水、またはメタノー
ル、エタノール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、ジオキサン
等の親水性有機溶媒等を用いることも可能である。ま
た、ベンゼン、トルエン、キシレン等の水に不溶の有機
溶媒も使用することができる。反応温度は特に制限はな
いが、室温以上150℃以下の温度で実施することが好
ましい。
【0020】反応条件により、反応式(f)
【化14】 反応式(g)
【化15】 あるいは反応式(h)
【化16】 により、シアノ化合物(I)の一部が加水分解を受けた
アミド(VI)または(VII) あるいは[2−ヒドロキシメ
チル)フェニル]アセトニトリル類(VIII)を生じるこ
とがある。しかしながら、これらの生成物はいずれも3
−イソクロマノン類(II)の前駆体として有効な成分と
して利用することが可能である。
【0021】シアノ化合物(I)は蒸留、抽出、再結晶
等の操作により精製して使用することが可能であるが、
3−イソクロマノン類の前駆体として利用可能なアミド
(VI)または(VII) あるいは[2−(ヒドロキシメチ
ル)フェニル]アセトニトリル類(VIII)が多量に生成
する場合は、そのまま3−イソクロマノン類の製造に使
用することも有効な方法である。
【0022】モノエステル化合物(III) の製法とそれを
工程に含む3−イソクロマノン類(II)の製造方法 モノエステル化合物(III) は、反応式(i)
【化17】 に従い、α,α’−ジハロゲノオルトキシレン化合物
(IV)と、例えば、カルボン酸ナトリウムのようなカル
ボン酸アルカリ塩との反応により製造することが可能で
ある。
【0023】α,α’−ジハロゲノオルトキシレン化合
物(IV)において、R2 ,R3 ,R4 ,R5 は水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を表
わすが、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子あ
るいは臭素原子が例示され、アルキル基としては直鎖状
または分岐鎖状アルキル基のいずれでもよい。アルコキ
シ基としては直鎖状または分岐鎖状アルコキシ基のいず
れでもよい。Xで表されるハロゲン原子としてはフッ素
原子、塩素原子、臭素原子あるいはヨウ素原子が例示さ
れる。α,α’−ジハロゲノオルトキシレン化合物(I
V)としては、α,α’−ジクロロオルトキシレンが特
に好ましい。
【0024】カルボン酸アルカリ塩としては、直鎖状ま
たは分岐鎖状脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩または
アルカリ土類金属塩が例示される。炭素数が1から10
までの脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩またはアルカ
リ土類金属塩が好ましく、特に好ましくは酢酸、プロピ
オン酸、オクチル酸(2−エチルヘキサン酸)のアルカ
リ金属塩またはアルカリ土類金属塩等が例示される。ま
た芳香族カルボン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土
類金属塩も使用可能であり、例えば、安息香酸、テレフ
タル酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩など
も使用がすることができる。カルボン酸のアルカリ金属
塩またはアルカリ土類金属塩における好ましいアルカリ
金属元素およびアルカリ土類金属元素の例としては、ナ
トリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が挙
げられる。工業的に汎用なカルボン酸を原料とし、且つ
製造が容易な酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウ
ム、オクチル酸ナトリウム等が好ましく使用できる。
【0025】カルボン酸アルカリ塩は、カルボン酸とア
ルカリ金属の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化
物との反応により製造される。カルボン酸のアルカリ金
属塩またはアルカリ土類金属塩中に水、およびアルカリ
金属の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物が含
有する場合、反応式(i)のエステル化反応の収率を低
下させる原因となる。よって、アルカリ金属の水酸化物
またはアルカリ土類金属の水酸化物の含有量を低減する
ために、例えば、カルボン酸のアルカリ金属塩またはア
ルカリ土類金属塩の製造を、アルカリ金属の水酸化物ま
たはアルカリ土類金属の水酸化物に対するカルボン酸の
使用量を1当量以上の条件で行うことができる。製造し
たカルボン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属
塩を十分に乾燥し、含水量を低減する等の方法を採用す
ることは有効な手段となる。カルボン酸とアルカリ金属
の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物との反応
により生成したカルボン酸のアルカリ金属塩またはアル
カリ土類金属塩は、用いたカルボン酸の種類に応じてゲ
ル状となる場合がある。特に、分子量が大きいカルボン
酸、あるいは直鎖状のカルボン酸を用いた場合等にしば
しば認められる。このような場合、プロセス上の取り扱
いは困難となり、特に、乾燥による水の除去が困難とな
る。
【0026】カルボン酸アルカリ塩は固体のままでも、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシ
ド、ジオキサン等の非プロトン性極性溶媒に溶解した溶
液としても反応器に供給することができる。カルボン酸
のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩に対する
α,α’−ジハロゲノオルトキシレン化合物(IV)の添
加比率が1当量以上の条件ででエステル化反応を実施す
ることが好ましい。ここで、当量とは、例えば反応式
(i)の化学量論で定まる量である。より好ましくは、
添加比率を2当量以上とすることにより、α,α’−ジ
ハロゲノオルトキシレン化合物(IV)と2分子のカルボ
ン酸が反応したジエステル化合物の生成を抑制すること
ができる。
【0027】エステル化反応は無溶媒で実施することが
可能であるが、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルフォキシド、ジオキサン等の非プロトン性極性溶
剤を添加することにより反応速度を向上させることも有
効である。反応温度は特に制限はないが、室温以上15
0℃以下の温度で実施することが好ましい。モノエステ
ル化合物(III) は未反応のα,α’−ジハロゲノオルト
キシレン化合物(IV)を蒸留により分離して用いること
ができる。モノエステル化合物は精製して使用してもよ
いが、α,α’−ジハロゲノオルトキシレン化合物(I
V)を蒸留により留去して、そのまま用いてもよい。回
収したα,α’−ジハロゲノオルトキシレン化合物(I
V)を再度原料として使用することが可能なため、工業
的に効率の良い製造プロセスとなる。
【0028】
【実施例】以下に、実施例により本発明を更に詳しく説
明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するも
のではないことはいうまでもない。実施例1 冷却管付きガラス三つ口フラスコ(容積100cc)に
酢酸[2−(シアノメチル)フェニル]メチルエステル
6.2g(純度73%、[2−(ヒドロキシメチル)フ
ェニル]アセトニトリル13%含有)、濃塩酸(36w
t%HCl)10.0gを添加して、100℃で2.5
時間撹拌した。放冷後、反応液にトルエン80ml、飽
和食塩水20mlを添加し、2層分離により有機層を分
液した。有機層を再度、飽和食塩水20mlで洗い、有
機層を回収した。トルエンをエバポレーターで留去して
油状成分7.5gを得た。油状成分中の3−イソクロマ
ノンの含有量は6.1g(41mmol)であった。原
料中の酢酸[2−(シアノメチル)フェニル]メチルエ
ステル(33mmol)基準の3−イソクロマノン収率
は124mol%に相当する。収率が100%を越える
のは原料中に含有する3−イソクロマノンの前駆体であ
る[2−(ヒドロキシメチル)フェニル]アセトニトリ
ル等が含まれていたためである。
【0029】実施例2 冷却管付きガラス三つ口フラスコ(容積100cc)に
酢酸[2−(シアノメチル)フェニル]メチルエステル
10.0g(純度86%、[2−(ヒドロキシメチル)
フェニル]アセトニトリル8%含有)、トルエン10.
0g、50%硫酸水溶液13.4gを添加して、74℃
で4時間撹拌した。更に50%硫酸水溶液13.4gを
添加し、74℃で1時間加熱した。その後、93℃に昇
温した後、1時間撹拌、更に100℃に昇温して3時間
加熱を継続した。放冷後、反応液にトルエン及び飽和食
塩水を添加し、2層分離により有機層47.1gを分液
した。有機層をガスクロマトグラフィーにより分析した
ところ、3−イソクロマノンの含有量は6.53g(4
4mmol)であった。原料中の酢酸[2−(シアノメ
チル)フェニル]メチルエステル(43mmol)基準
の3−イソクロマノン収率は97mol%に相当する。
【0030】実施例3 冷却管付きガラス三つ口フラスコ(容積100cc)に
酢酸[2−(クロロメチル)フェニル]メチルエステル
50.0g(純度89%)、ジメチルスルフォキシド5
0.0gを添加して、80℃に加熱した。34wt%シ
アン化ナトリウム水溶液50.0gを撹拌しながら1時
間かけて滴下した。滴下終了後、1時間80℃を保って
撹拌を継続した。反応液をガスクロマトグラフィーによ
り分析した。酢酸[2−(シアノメチル)フェニル]メ
チルエステルの生成量は34.0g(180mmo
l)、酢酸[2−(クロロメチル)フェニル]メチルエ
ステル基準の収率は80mol%であった。また3−イ
ソクロマノンの前駆体である[2−(ヒドロキシメチ
ル)フェニル]アセトニトリル3.6g(24mmo
l)の生成が確認された。
【0031】参考例1 冷却管付きガラス三つ口フラスコ(容積100cc)に
α,α’−ジクロロオルトキシレン30.0g(171
mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド3.0g、
プロピオン酸ナトリウム8.3g(86mmol)をそ
れぞれ添加した。110℃で加熱、2.5時間撹拌した
後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した。
α,α’−ジクロロオルトキシレンの転化率は42%、
プロピオン酸[2−(クロロメチル)フェニル]メチル
エステル収率(プロピオン酸ナトリウム基準)は74%
であった。
【0032】参考例2 冷却管付きガラス三つ口フラスコ(容積500cc)に
α,α’−ジクロロオルトキシレン66.5g(380
mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド66.5
g、オクチル酸ナトリウム(2−エチルヘキサン酸ナト
リウム)63.2g(380mmol)をそれぞれ添加
した。120℃で加熱、1時間撹拌した後、反応液をガ
スクロマトグラフィーにより分析した。α,α’−ジク
ロロオルトキシレンの転化率、オクチル酸[2−(クロ
ロメチル)フェニル]メチルエステル収率(オクチル酸
ナトリウム基準)、オクチル酸[2−(クロロメチル)
フェニル]メチルエステルと副生成物のジエステル化合
物の生成モル比を表1に示す。
【0033】参考例3 冷却管付きガラス三つ口フラスコ(容積100cc)に
α,α’−ジクロロオルトキシレン30.0g(171
mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド3.0g、
オクタン酸ナトリウム(カプリル酸ナトリウム)14.
2g(86mmol)をそれぞれ添加した。130℃で
加熱、1時間撹拌した後、反応液をガスクロマトグラフ
ィーにより分析した。α,α’−ジクロロオルトキシレ
ンの転化率、オクタン酸[2−(クロロメチル)フェニ
ル]メチルエステル収率(オクタン酸ナトリウム基
準)、オクタン酸[2−(クロロメチル)フェニル]メ
チルエステルと副生成物のジエステル化合物の生成モル
比を表1に示す。
【0034】参考例4 冷却管付きガラス三つ口フラスコ(500cc)にα,
α’−ジクロロオルトキシレン133.0g(759m
mol)、N,N−ジメチルホルムアミド13.3g、
オクタン酸ナトリウム(カプリル酸ナトリウム)42.
2g(253mmol)をそれぞれ添加した。110℃
で加熱、2時間撹拌した後、反応液をガスクロマトグラ
フィーにより分析した。α,α’−ジクロロオルトキシ
レンの転化率、オクタン酸[2−(クロロメチル)フェ
ニル]メチルエステル収率(オクタン酸ナトリウム基
準)、オクタン酸[2−(クロロメチル)フェニル]メ
チルエステルと副生成物のジエステル化合物の生成モル
比を表1に示す。
【0035】参考例5 冷却管付きガラス三つ口フラスコ(容積100cc)に
α,α’−ジクロロオルトキシレン 8.8g(50m
mol)、N,N−ジメチルホルムアミド4.0g、オ
クチル酸ナトリウム(2−エチルヘキサン酸ナトリウ
ム)2.1g(12.5mmol)をそれぞれ添加し
た。120℃で加熱、1時間撹拌した後、反応液をガス
クロマトグラフィーにより分析した。α,α’−ジクロ
ロオルトキシレンの転化率、オクチル酸[2−(クロロ
メチル)フェニル]メチルエステル収率(オクチル酸ナ
トリウム基準)、オクチル酸[2−(クロロメチル)フ
ェニル]メチルエステルと副生成物のジエステル化合物
の生成モル比を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1中の添加モル比とはカルボン酸ナトリ
ウムに対するα,α’−ジクロロオルトキシレンの添加
モル量を示す。添加モル比が大きいほどジエステル化合
物の生成が少ないことがわかる。
【0038】実施例4 冷却管付きガラス三つ口フラスコ(容積500cc)に
α,α’−ジクロロオルトキシレン133.0g、0.
76mol)、N,N−ジメチルホルムアミド13.3
g、オクタン酸ナトリウム(カプリル酸ナトリウム)6
3.0g(0.38mol)をそれぞれ添加した。12
0℃で2時間加熱、撹拌した後、反応液をガスクロマト
グラフィーにより分析したところ、α,α’−ジクロロ
オルトキシレンの転化率は43%、オクタン酸[2−
(クロロメチル)フェニル]メチルエステルの収率(オ
クタン酸ナトリウム基準)は66%であった。次いで、
反応液の減圧蒸留を行い、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、α,α’−ジクロロオルトキシレンの順で留出物を
捕集した。未反応のα,α’−ジクロロオルトキシレン
に対する蒸留による回収した捕集量の割合は94%であ
った。また、蒸留残査98.2g中のオクタン酸[2−
(クロロメチル)フェニル]メチルエステルの含有量は
70.8g(0.25mol)であった。
【0039】容積1000ccの冷却管付きガラス三つ
口フラスコに上記の蒸留残査98.2g、シアン化ナト
リウム15.5g(0.32 mol)、水50.0g
をそれぞれ添加した。120℃で2時間加熱、撹拌した
後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したと
ころ、オクタン酸[2−(クロロメチル)フェニル]メ
チルエステルの転化率は93%、オクタン酸[2−(シ
アノメチル)フェニル]メチルエステルの収率(オクタ
ン酸[2−(クロロメチル)フェニル]メチルエステル
基準)は67%であった。また、液体クロマトグラフィ
ーの分析によりアミド類の生成が確認された。
【0040】次いで、上記反応液に30wt%NaOH
水溶液92.0gを添加し、110℃で5時間加熱、撹
拌した。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析し
たところ、オクタン酸[2−(シアノメチル)フェニ
ル]メチルエステルの転化率は100%であった。更
に、反応液に濃塩酸(36wt%HCl)111.0g
を添加して、室温下で2時間撹拌した。反応液をガスク
ロマトグラフィーにより分析したところ、反応液中の3
−イソクロマノンの生成量は35.8g(0.24mo
l)、オクタン酸の含有量は40.5g(0.28mo
l)であった。次いで、反応液の減圧蒸留を行い、水、
オクタン酸、3−イソクロマノンの順で留出物を捕集し
た。捕集されたオクタン酸は36.5g、3−イソクロ
マノンは27.6gであった。また蒸留残査中の3−イ
ソクロマノンの含有量は2.4gであった。3−イソク
ロマノン留出分をヘキサンにより再結晶し、ガスクロマ
トグラフィー純度100%(面積百分率)の3−イソク
ロマノンを26.7g(0.18mol)を得た。これ
は消費されたα,α’−ジクロロオルトキシレン基準の
取得収率として55mol%に相当する。
【0041】実施例5 冷却管付きガラス三つ口フラスコ(容積500cc)に
α,α’−ジクロロオルトキシレン133.0g(0.
76mol)、N,N−ジメチルホルムアミド13.3
g、酢酸ナトリウム31.1g(0.38mol)をそ
れぞれ添加した。120℃で2時間加熱、撹拌した後、
反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ、α,α’−ジクロロオルトキシレンの転化率は42
%、酢酸[2−(クロロメチル)フェニル]メチルエス
テルの収率(酢酸ナトリウム基準)は64%であった。
次いで、反応液の減圧蒸留を行い、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、α,α’−ジクロロオルトキシレンの順で
留出物を捕集した。未反応のα,α’−ジクロロオルト
キシレンに対する蒸留による捕集量の割合は96%であ
った。また、蒸留残査53.7g中の酢酸[2−(クロ
ロメチル)フェニル]メチルエステルの含有量は43.
9g(0.22mol)であった。
【0042】容積1000ccの冷却管付きガラス三つ
口フラスコに上記の蒸留残査53.7g、シアン化ナト
リウム15.2g(0.31mol)、水50.0gを
それぞれ添加した。90℃で2時間加熱、撹拌した後、
反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ、酢酸[2−(クロロメチル)フェニル]メチルエス
テルの転化率は97%、オクチル酸[2−(シアノメチ
ル)フェニル]メチルエステルの収率(酢酸[2−(ク
ロロメチル)フェニル]メチルエステル基準)は76%
であった。また、液体クロマトグラフィーの分析により
アミド類の生成が確認された。
【0043】次いで、上記反応液に30wt%NaOH
水溶液63.0gを添加し、100℃で3時間加熱、撹
拌した。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析し
たところ、酢酸[2−(シアノメチル)フェニル]メチ
ルエステルの転化率は100%であった。更に、反応液
に濃塩酸(36wt%HCl)52.0gを添加して、
室温下で2時間撹拌した。反応液をガスクロマトグラフ
ィーにより分析したところ、反応液中の3−イソクロマ
ノンの生成量は31.1g(0.21mol)であっ
た。次いで、反応液の減圧蒸留を行い、水、酢酸、3−
イソクロマノンの順で留出物を捕集した。捕集された3
−イソクロマノンは24.9gであった。また蒸留残査
中の3−イソクロマノンの含有量は3.7gであった。
3−イソクロマノン留出分をヘキサンにより再結晶し、
ガスクロマトグラフィー純度100%(面積百分率)の
3−イソクロマノンを22.4g(0.15mol)を
得た。これは消費された。α,α’−ジクロロオルトキ
シレン基準の取得収率として47mol%に相当する。
【0044】
【発明の効果】本発明により、医薬、農薬等の合成原料
として有用な一般式(II)で示される3−イソクロマノ
ン類及び一般式(I)で示されるシアノ化合物が工業的
に有利な方法で、収率良く製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森川 宏平 神奈川県川崎市川崎区扇町5番1号 昭和 電工株式会社総合研究所川崎研究室内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は水素原子、アルキル基またはアリール基
    を表わし、R2 ,R3 ,R4 ,R5 は各々独立に水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を表
    わす。)で示されるシアノ化合物を加水分解し、次いで
    分子内環化反応を行うことを特徴とする下記一般式(I
    I) 【化2】 (R2 ,R3 ,R4 ,R5 は前記の通り。)で示される
    3−イソクロマノン類の製造方法。
  2. 【請求項2】 加水分解を酸またはアルカリの存在下で
    行い、分子内環化反応を酸の存在下で行う請求項1に記
    載の3−イソクロマノン類の製造方法。
  3. 【請求項3】 加水分解を酸の存在下で行う請求項2に
    記載の3−イソクロマノン類の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(I)においてR1 が水素原子ま
    たは炭素数が1から9までのアルキル基である請求項1
    乃至3のいずれかに記載の3−イソクロマノン類の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 一般式(I)においてR1 がメチル基、
    エチル基または3−n−ヘプチル基である請求項4に記
    載の3−イソクロマノン類の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(I)においてR2 ,R3 ,R
    4 ,R5 が水素原子である請求項1乃至5のいずれかに
    記載の3−イソクロマノン類の製造方法。
  7. 【請求項7】 分子内環化反応の反応液から蒸留により
    3−イソクロマノン類を分離し、精製する請求項1乃至
    6のいずれかに記載の3−イソクロマノン類の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 下記一般式(III) 【化3】 (式中、R1 は水素原子、アルキル基またはアリール基
    を表わし、R2 ,R3 ,R4 ,R5 は各々独立に水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を表
    わし、Xはハロゲン原子を表わす。)で示されるモノエ
    ステル化合物と金属シアン化物とを反応させることを特
    徴とする上記一般式(I)(式中、R1 は水素原子、ア
    ルキル基またはアリール基を表わし、R2 ,R3 ,R
    4 ,R5 は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキ
    ル基またはアルコキシ基を表わす。)で示されるシアノ
    化合物の製法。
  9. 【請求項9】 上記請求項8に記載の製法によりシアノ
    化合物を製造し、次いで上記請求項1乃至7のいずれか
    に記載の製造方法により3−イソクロマノンを製造する
    方法。
  10. 【請求項10】 下記一般式(IV) 【化4】 (式中、R2 ,R3 ,R4 ,R5 は各々独立に水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を表
    わし、Xはハロゲン原子を表わす。)で示されるα,
    α’−ジハロゲノオルトキシレン化合物とR1 COOH
    (式中、R1 は水素原子、アルキル基またはアリール基
    を表わす。)で示されるカルボン酸のアルカリ金属塩ま
    たはアルカリ土類金属塩とを反応させ上記一般式(III)
    (式中、R1 、R2 ,R3 ,R4 ,R5 は前記の通
    り。)で示されるモノエステル化合物を製造し、次いで
    上記請求項9に記載の製造方法により3−イソクロマノ
    ン類を製造する方法。
  11. 【請求項11】 カルボン酸のアルカリ金属塩またはア
    ルカリ土類金属塩に対して、α,α’−ジハロゲノオル
    トキシレン化合物2当量以上を反応させる請求項10に
    記載の3−イソクロマノンを製造する方法。
  12. 【請求項12】 α,α’−ジハロゲノオルトキシレン
    化合物とカルボン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土
    類金属塩との反応後、反応液から蒸留により未反応の
    α,α’−ジハロゲノオルトキシレン化合物を分離、回
    収する請求項10または11に記載の3−イソクロマノ
    ンを製造する方法。
  13. 【請求項13】 α,α’−ジハロゲノオルトキシレン
    化合物とカルボン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土
    類金属塩との反応に非プロトン性極性溶媒を添加する請
    求項12に記載の3−イソクロマノンを製造する方法。
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