JP3944876B2 - クエン酸エステル類の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クエン酸エステル化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
クエン酸エステル化合物は、酢酸セルロースエステル、塩化ビニルをはじめとする各種熱可塑性樹脂の可塑剤として有用である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
クエン酸エステル化合物の、工業的に優れた製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、熱可塑性樹脂との相溶性に優れ、樹脂からのにじみ出し(ブリードアウト)が少なく、成形加工時の揮発性が低く、これら樹脂の可塑剤として有用である一般式(3)のクエン酸エステル化合物の製造方法を鋭意検討した。エステル化合物を製造する方法としては、例えば、英国特許公報931,781号に、フタル酸ハーフエステルとα-ハロゲン化酢酸アルキルエステルからフタリルグリコール酸エステルを製造する方法が記載されている。該文献の第1頁には、フタル酸無水物をハーフエステル化し、その後中和すると水が生成し、反応系に水が存在したままフタル酸ハーフエステルとα-ハロゲン化酢酸アルキルエステルとを反応させると水によりα-ハロゲン化酢酸アルキルエステルが加水分解を起こし、目的化合物の収率が低下すると記載されている。また、生成した水を反応系から除去することは困難であると記載されている。従って、α-ハロゲン化酢酸アルキルエステルを用いてエステル化合物を製造する方法において、反応系に水が存在しないことが望ましいと考えられていた。原料として水和物を用いた場合であっても系内に水が生成することになるので、水和物を原料として用いると、収率が低下したり、反応操作が煩雑になるなどの問題が生じるので、好ましくなくないと思われた。しかしながら、クエン酸化合物の水和物を原料として用いた場合であっても、第3級アミンを反応触媒とし、水と共沸可能な溶媒の還流下で、反応系から水を除去しながら反応を行うと、目的化合物を高収率且つ高純度で得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0005】
すなわち、本発明は下記の各項に示す発明に係るものである。
項1 一般式(1)
【0006】
【化3】
【0007】
[式中、R1は水素原子又は炭素数1〜12の脂肪族アシル基を示し、R2はアルカリ金属を示す。]
で表されるクエン酸化合物と一般式(2)
XCH2COOR3 (2)
[式中、Xはハロゲン原子を示し、R3は炭素数1〜24のアルキル基を示す。]
で表されるα−モノハロゲン化酢酸アルキル(ただし、一般式(2)の化合物は、単一の化合物であってもよく、R3が異なる基を有する混合物であってもよい。)とを反応させて一般式(3)
【0008】
【化4】
【0009】
[式中、R1は前記と同じ。3つのR3は同一又は異なって炭素数1〜24のアルキル基を示す。]
で表されるクエン酸エステル化合物を製造する方法であって、
一般式(1)で表されるクエン酸化合物としてその水和物を用い、
一般式(1)で表されるクエン酸化合物と一般式(2)で表されるα−モノハロゲン化酢酸アルキルとの反応を、第3級アミンの存在下で、水と共沸可能な溶媒の還流下に行い、溶媒を還流する際に溶媒に含まれる水を分離して除去することを特徴とする方法。
項2 R1が水素原子または炭素数1〜5の脂肪族アシル基であり、R3が炭素数1〜4のアルキル基である項1に記載のクエン酸エステル化合物の製造方法。
項3 R1が水素原子であり、R3がメチル基またはエチル基である項1に記載のクエン酸エステル化合物の製造方法。
項4 反応温度を80〜140℃とすることを特徴とする項1〜3のいずれかに記載のクエン酸エステル化合物の製造方法。
項5 第3級アミンの全使用量の一部を反応開始時に反応系に存在させ、残部を反応開始後に添加することを特徴とする項1〜4のいずれかに記載のクエン酸エステル化合物の製造方法。
【0010】
【発明の実施の態様】
以下、本発明の方法を具体的に説明するが、本発明方法はこれに限定されるものではない。
【0011】
R1は、水素原子又は脂肪族アシル基である。脂肪族アシル基は、炭素数1〜12であり、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的にはホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、カプロイル、エナントイル、カプリロイル、ペラルゴイル、カプリノイル基等を例示することができる。好ましくはホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリルを例示することができる。R1としては、水素原子又はアセチル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。
【0012】
R2は、アルカリ金属原子である。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムが好ましい。
【0013】
R3は、直鎖状又は分岐を有するアルキル基であり、炭素数1〜24であり、特に炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基が挙げられる。R3としては、メチル基又はエチル基がより好ましい。
【0014】
Xは、ハロゲン原子を示し、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが例示される。
【0015】
一般式(1)で表される化合物としては、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウムなどが挙げられる。本発明においては、一般式(1)の化合物としては、その水和物を使用する。水和物としては、クエン酸三カリウム一水和物、クエン酸三ナトリウム二水和物、などが好ましく例示される。これらの中で、クエン酸三ナトリウム二水和物は、特に安価に入手できる。
【0016】
一般式(2)で表されるα−モノハロゲン化酢酸アルキルとしては、具体的には、モノクロル酢酸メチル、モノクロル酢酸エチル、モノクロル酢酸プロピル、モノクロル酢酸ブチルが挙げられる。
【0017】
一般式(2)の化合物としては、R3が全て同一の単一の化合物を原料として用いてもよく、異なるR3を有する一般式(2)の化合物の2種又は3種の混合物であってもよい。一般式(2)の化合物として単一の化合物を用いると3つのR3が同一の一般式(3)の化合物が得られ、一般式(2)の化合物として混合物を用いると、3つのR3がそれぞれ異なる、或いは2つのR3が同一で残りの1つのR3と異なる一般式(3)の化合物が得られる。混合物としては、例えば、モノクロル酢酸メチルとモノクロル酢酸エチルの混合物(モル比で1:2程度の混合物)、モノクロル酢酸メチル、モノクロル酢酸エチルとモノクロル酢酸プロピルの混合物(モル比で1:1:1程度の混合物)等を用いることができる。
【0018】
一般式(2)のα−モノハロゲン化酢酸アルキルの使用量は特に限定されるものではないが、通常、一般式(1)のクエン酸化合物に対して当量以上用いるのが好ましく、当量に対して過剰に用いるのはより好ましい。該化合物1モルに対して3〜6モル程度用いるのが好ましい。
【0019】
第3級アミンとしては、鎖状又は環状の脂肪族第3級アミン、芳香族アミンを用いるのが好ましい。具体的には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリn−ブチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン等の鎖状又は環状脂肪族第3級アミン;ピリジン、ルチジン、エチルピリジン等の芳香族アミン等が挙げられる。これらの中でも、トリエチルアミンが好ましい。
【0020】
第3級アミンの使用量は、式(1)のクエン酸化合物1モルに対し、通常、0.01〜1.0モル程度、好ましくは0.1〜0.5モル程度である。
【0021】
水と共沸可能な溶媒としては、ベンゼン(共沸点:69.25℃)、トルエン(同85.0℃)、キシレン(同92〜94.5℃)、クロルベンゼン(同90.2℃)、ジクロルベンゼン(同133℃)、エチルベンゼン(同92℃)、プロピルベンゼン(同95℃)等の水と共沸可能な芳香族炭化水素、ヘキサン(同61.6℃)、ヘプタン(同79.2℃)、デカン(同134℃)のような水と共沸可能な脂肪族炭化水素、シクロヘキサン(同69.5℃)のような水と共沸可能な脂環式炭化水素が挙げられる。これらの中でも、本発明方法では、トルエンを用いることが好ましい。
【0022】
溶媒の使用量について特に制限はないが、一般式(1)のクエン酸化合物が固体の場合は反応原料が十分に撹拌できる程度の量が必要であるので、原料の種類などに応じて適宜設定することができる。通常、一般式(1)のクエン酸化合物100重量部に対して、5〜50重量部程度であり、7〜33重量部程度が容積効率に優れているので好ましい。
【0023】
本発明の方法において、通常一般式(1)及び一般式(2)で表される化合物は反応容器内に全量を予め加えておく。第3級アミンは、全量を反応容器内に加えておいてもよいが、その一部(例えば、全使用量の0.1〜10重量%程度)を他の原料とともに当初より反応容器に加えておき、残量を反応時間に応じて、1〜20時間程度かけて反応系に添加することが望ましい。
【0024】
一般式(1)の化合物と一般式(2)の化合物との反応は発熱反応であるため、反応開始直後には受熱によりα−モノハロゲン化酢酸アルキルが分解しハロゲン化水素が発生し、それにより収率及び純度の低下を招くおそれがある。しかし、反応初期に第3級アミンを原料と同時に仕込むことでこのハロゲン化水素のキャッチ剤としての効果が得られ、収率及び純度の低下を招くことなく反応を完結させることができる。反応初期に発生するハロゲン化水素のキャッチ剤としての十分な量の第3級アミンを仕込んでおけば、残りの第3級アミンを反応の進捗に合わせて反応系に徐々に添加することにより、スムーズに反応を完結させることができるので好ましい。
【0025】
通常、クエン酸化合物としてその水和物を用いると、結晶水が分離して反応系内に水が存在することとなる。結晶水が系内に滞留すると、α−モノハロゲン化酢酸アルキルエステルが分解し、塩酸を副生して純度低下乃至収率の低下をおこすので好ましくない。従って、クエン酸化合物の水和物を予め脱水することが考えられるが、脱水中に無水物の結晶が固まりとなって生成するために作業が困難になるという問題がある。また、固まりが生成しないようにするためには、長時間をかけて脱水する必要があるので、工業的に不利である。本発明のように水と共沸可能な溶媒の還流下に反応を行えば、分離した結晶水が溶媒と共に共沸組成で蒸発するので、反応系外に水を除去することができる。水を含む溶媒は、いったん反応系外へ留去し、水を溶媒から分離して除去した後、再び反応系内に戻せばよい。このように、反応系内から水が除去すれば、クエン酸化合物の水和物を原料として使用した場合であっても、収率の低下や副反応物の生成によるコストアップや製品の純度が低下するという問題が生じるおそれがなく、また、得られたクエン酸エステル化合物の物性が劣るという問題も生じるおそれがない。還流の際に、水を含む溶媒から水を分離して除去する方法は、特に限定されるものではなく、常法に従って行えばよい。例えば、加熱によって水と溶媒とが共沸し、共沸組成物として留出するので、この留出物を系外に設けた回収装置に導き、該装置内で留出物から水を分離し、溶媒は系内に戻すことにより水を分離することができる。
【0026】
反応原料が固体と液体である場合は、反応速度は撹拌律速になりやすいので、反応速度を上げるためには十分に撹拌するのが好ましく、溶媒の還流速度を上げて分離した結晶水を系内に滞留させない程度とするのが望ましい。
【0027】
反応は常圧又は減圧下で行うことができるが、減圧下で行うことが好ましい。減圧の程度は、13.3〜101.3kPa程度が好ましく、40〜80kPa程度がより好ましい。
【0028】
反応温度(反応系内の温度)は、用いる溶媒の種類、圧力などに応じて適宜設定すればよく、80〜140℃程度とすることが好ましく、100〜130℃程度がより好ましい。140℃以下程度であると、副反応による不純物が副生しにくいので好ましい。
【0029】
より具体的には、溶媒としてトルエンを用いた場合は、反応温度を100〜130℃程度とし、反応系内の圧力が53.3〜80.0MPa程度となるように調整するのが好ましい。
【0030】
反応時間は、原料の種類や量に応じて適宜設定することができるが、通常1〜30時間程度、好ましくは10〜20時間程度である。
【0031】
反応生成物である一般式(3)の化合物は、通常の分離、精製手段、例えば再結晶、溶媒抽出法、カラムクロマトグラフィー法等を用いて、容易に単離、精製することができる。一般式(1)の化合物としてはアルカリ金属塩を使用しており塩が副生するので、反応終了後、水洗して除去するのが望ましい。また、アミン塩が副生するので、反応終了後、希薄な酸で洗浄した後、アルカリによる中和、水洗を行うことが望ましい。
【0032】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、クエン酸化合物の水和物を原料として使用した場合であっても、収率の低下や副反応物の生成によるコストアップや製品の純度の低下するという問題がなく、得られたクエン酸エステル化合物の物性にも優れている。
【0033】
【実施例】
実施例1
四つ口フラスコに撹拌機、温度計、追加ロート、水分け装置を挟みコンデンサーを取り付け、クエン酸3ナトリウム2水和物294.1g(1.0モル)、モノクロル酢酸エチル404.3g(3.3モル)、トリエチルアミン0.3g(0.003モル)、トルエン77.5gを仕込み、53.3kPaの真空状態で撹拌しながら110℃まで加熱した。外部循環水回収装置をトルエンが還流を始め、安定したところでトリエチルアミン11.8g(0.117モル)を10時間で追加した。反応開始後16時間でクエン酸ナトリウム2水和物の結晶水36.0g(2.0モル)が回収されたため、1時間の熟成を行った後反応を終了した。反応終了後、40℃まで冷却し、1%塩酸水溶液560gを添加し、副生した塩化ナトリウム及びトリエチルアミンの4級アンモニウム塩を除去した。次に油層に炭酸ナトリウム14.2g(0.135モル)と水185gを添加し中和を行った。更に、油層を185gの水で洗浄した後、120℃、5.33kPaまでの条件で溶剤を回収し、引き続き1時間の水蒸気蒸留を行い、目的化合物(412.4g、収率91.5%)を得た。一般式(3)において、R1=水素原子、R3=エチル基である化合物が得られたことを、NMR及びIRで確認した。ガスクロマトグラフィー(GC)の面積百分率による純度は92.1%であり、酸価は0.126(KOHmg/g)であった。
実施例2〜4
反応条件を表1記載の方法に変更した以外は、実施例1と同様にして合成を行った。
【0034】
【表1】
【0035】
比較例 1
四つ口フラスコに撹拌機、温度計、追加ロート、コンデンサーを取り付け、クエン酸3ナトリウム2水和物294.1g(1.0モル)、モノクロル酢酸エチル404.3g(3.3モル)、トリエチルアミン0.3g(0.003モル)、トルエン77.5gを仕込み、常圧状態101.3kPaで撹拌しながら120℃まで加熱した。温度が安定したところでトリエチルアミン11.8g(0.117モル)を10時間で追加した。反応開始後16時間で反応を終了した。水分け装置を取り付けなかったため、クエン酸ナトリウム2水和物の結晶水の回収は行わなかった。反応終了後、40℃まで冷却し、1%塩酸水溶液560gを添加し、副生した塩化ナトリウム及びトリエチルアミンの4級アンモニウム塩を除去した。次に油層に炭酸ナトリウム50.6g(0.955モル)と水185gを添加し中和を行った。更に、油層を185gの水で洗浄した後、120℃、5.33kPaまでの条件で溶剤を回収し、引き続き1時間の水蒸気蒸留を行い、目的化合物(208.7g、収率46.4%)を得た。ガスクロマトグラフィー(GC)の面積百分率による純度は71.2%であり、酸価は0.093(KOHmg/g)であった。
【0036】
結晶水が系内に存在したまま反応を行ったため、収率・純度が低下した。
【0037】
比較例2(結晶水を予備脱水してからの合成)
四つ口フラスコに撹拌機、温度計、水分け装置を挟みコンデンサーを取り付け、クエン酸3ナトリウム2水和物294.1g、キシレン600gを仕込み、常圧にて撹拌しながら140℃まで加熱し脱水を行った。脱水中に無水物の結晶が固まりとならないように脱水を行ったところ、15時間の脱水により水31.2g(1.73モル)を回収した。その後キシレンを常圧にて515g留去した。その後、モノクロル酢酸エチル404.3g(3.3モル)、トリエチルアミン0.3g(0.003モル)、トルエン77.5gを仕込み、53.3kPaの真空状態で撹拌しながら110℃まで加熱した。キシレン・トルエン混合溶媒が還流を始め、安定したところでトリエチルアミン11.8g(0.117モル)を10時間で追加した。反応開始後16時間でクエン酸ナトリウム中の残りの結晶水4.8g(0.27モル)が回収されたため、1時間の熟成を行った後反応を終了した。反応終了後、40℃まで冷却し、1%塩酸水溶液560gを添加し、副生した塩化ナトリウム及びトリエチルアミンの4級アンモニウム塩を除去した。次に油層に炭酸ナトリウム6.9g(0.130モル)と水185gを添加し中和を行った。更に、油層を185gの水で洗浄した後、120℃、5.33kPaまでの条件で溶剤を回収し、引き続き1時間の水蒸気蒸留を行い、目的化合物(405.1g、収率90.0%)を得た。ガスクロマトグラフィー(GC)の面積百分率による純度は86.0%であり、酸価は0.632(KOHmg/g)であった。
【0038】
予め水和物の脱水を行う方法は、予備脱水に15時間という長時間を要するために、工業的製造方法として適していない。
【0039】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた化合物の13C-NMRのチャート
【図2】実施例1で得られた化合物の1H-NMRのチャート
【図3】実施例1で得られた化合物のIRのチャート
Claims (5)
- 一般式(1)
で表されるクエン酸化合物と一般式(2)
XCH2COOR3 (2)
[式中、Xはハロゲン原子を示し、R3は炭素数1〜24のアルキル基を示す。]
で表されるα−モノハロゲン化酢酸アルキル(ただし、一般式(2)の化合物は、単一の化合物であってもよく、R3が異なる基を有する混合物であってもよい。)とを反応させて一般式(3)
で表されるクエン酸エステル化合物を製造する方法であって、
一般式(1)で表されるクエン酸化合物としてその水和物を用い、
一般式(1)で表されるクエン酸化合物と一般式(2)で表されるα−モノハロゲン化酢酸アルキルとの反応を、第3級アミンの存在下で、水と共沸可能な溶媒の還流下に行い、溶媒を還流する際に溶媒に含まれる水を分離して除去することを特徴とする方法。 - R1が水素原子または炭素数1〜5の脂肪族アシル基であり、R3が炭素数1〜4のアルキル基である請求項1に記載のクエン酸エステル化合物の製造方法。
- R1が水素原子であり、R3がメチル基またはエチル基である請求項1に記載のクエン酸エステル化合物の製造方法。
- 反応温度を80〜140℃とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクエン酸エステル化合物の製造方法。
- 第3級アミンの全使用量の一部を反応開始時に反応系に存在させ、残部を反応開始後に添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のクエン酸エステル化合物の製造方法。
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