JP3287682B2 - N−シアノエタンイミド酸エステルの製造方法 - Google Patents
N−シアノエタンイミド酸エステルの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塩化シアン、アンモニ
ア、オルト酢酸エステルから出発して、N−シアノエタ
ンイミド酸エステル、特にメチルエステル、またはエチ
ルエステルを製造する方法に関する。
ア、オルト酢酸エステルから出発して、N−シアノエタ
ンイミド酸エステル、特にメチルエステル、またはエチ
ルエステルを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】N−シアノエタンイミド酸エステルは、
たとえば殺虫剤として有用なN−シアノ−N′−(2−
クロロ−5−ピリジルメチル−N′−メチルアセトアミ
ジンを製造する原料として重要であり、また、スルホニ
ル尿素系除草剤の中間体である2−アミノ−4−メトキ
シ−6−メチル−s−トリアジンを製造する原料として
も重要な化合物である。
たとえば殺虫剤として有用なN−シアノ−N′−(2−
クロロ−5−ピリジルメチル−N′−メチルアセトアミ
ジンを製造する原料として重要であり、また、スルホニ
ル尿素系除草剤の中間体である2−アミノ−4−メトキ
シ−6−メチル−s−トリアジンを製造する原料として
も重要な化合物である。
【0003】このN−シアノエタンイミド酸エステルの
製造方法として、次の三つの方法が知られている。すな
わち、第一の方法は、二段階の工程でアセトニトリル、
塩化水素ガス、アルコールおよびシアナミドから製造す
る方法(ドイツ特許第3411203号明細書)であ
り、また、第二の方法は、オルト酢酸エステルとシアナ
ミドを無水酢酸存在下で反応させてN−シアノエタンイ
ミド酸エステルを製造する方法(J.Org.Che
m.,28巻、1816ページ)、さらに、第三の方法
は、オルト酢酸エステルとシアナミドを酸性触媒の存在
下でアルコール性溶媒中でN−シアノエタンイミド酸エ
ステルを製造する方法(ドイツ特許第3815084号
明細書)である。
製造方法として、次の三つの方法が知られている。すな
わち、第一の方法は、二段階の工程でアセトニトリル、
塩化水素ガス、アルコールおよびシアナミドから製造す
る方法(ドイツ特許第3411203号明細書)であ
り、また、第二の方法は、オルト酢酸エステルとシアナ
ミドを無水酢酸存在下で反応させてN−シアノエタンイ
ミド酸エステルを製造する方法(J.Org.Che
m.,28巻、1816ページ)、さらに、第三の方法
は、オルト酢酸エステルとシアナミドを酸性触媒の存在
下でアルコール性溶媒中でN−シアノエタンイミド酸エ
ステルを製造する方法(ドイツ特許第3815084号
明細書)である。
【0004】しかし、第一の方法では、著しく腐食性の
塩化水素ガスを用いるため高価な装置を必要としてい
た。また第二の方法では、副生物として多量の酢酸メチ
ル、酢酸が生じる欠点があり、第三の方法は前述の第
一、第二の方法の欠点を解決しているが、高価な無水の
シアナミドを用いなければならず、安価にN−シアノエ
タンイミド酸エステルを製造することができなかった。
塩化水素ガスを用いるため高価な装置を必要としてい
た。また第二の方法では、副生物として多量の酢酸メチ
ル、酢酸が生じる欠点があり、第三の方法は前述の第
一、第二の方法の欠点を解決しているが、高価な無水の
シアナミドを用いなければならず、安価にN−シアノエ
タンイミド酸エステルを製造することができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、無水
シアナミドを用いないで、塩化シアンとアンモニアとオ
ルト酢酸エステルを出発原料としてN−シアノエタンイ
ミド酸エステルを経済的かつ安全に製造する方法を提供
することにある。
シアナミドを用いないで、塩化シアンとアンモニアとオ
ルト酢酸エステルを出発原料としてN−シアノエタンイ
ミド酸エステルを経済的かつ安全に製造する方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の方法は、塩化シ
アン、アンモニアおよびオルト酢酸エステルの反応によ
ってN−シアノエタンイミド酸エステルを製造するにあ
たり、メタノール、エタノール、エチルエーテル、イソ
プロピルエーテルおよびアセトニトリルから選ばれる1
種以上の有機溶媒中で、塩化シアンとアンモニアとオル
ト酢酸エステルとを、−20〜40℃の条件で反応させ
ることを特徴とするN−シアノエタンイミド酸エステル
の製造方法に関する。
アン、アンモニアおよびオルト酢酸エステルの反応によ
ってN−シアノエタンイミド酸エステルを製造するにあ
たり、メタノール、エタノール、エチルエーテル、イソ
プロピルエーテルおよびアセトニトリルから選ばれる1
種以上の有機溶媒中で、塩化シアンとアンモニアとオル
ト酢酸エステルとを、−20〜40℃の条件で反応させ
ることを特徴とするN−シアノエタンイミド酸エステル
の製造方法に関する。
【0007】本発明の方法は、N−シアノエタンイミド
酸エステル、特にそのメチルエステル、エチルエステル
の製造に適している。
酸エステル、特にそのメチルエステル、エチルエステル
の製造に適している。
【0008】本発明における有機溶媒は、アセトニトリ
ル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、メタノー
ルおよびエタノールから選ばれる1種以上であり、特に
アセトニトリルまたはイソプロピルエーテルが、反応液
を撹拌するうえで好ましい。
ル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、メタノー
ルおよびエタノールから選ばれる1種以上であり、特に
アセトニトリルまたはイソプロピルエーテルが、反応液
を撹拌するうえで好ましい。
【0009】有機溶媒の使用量に制限はないが、撹拌を
容易にするため、オルト酢酸エステル1モルあたりに使
用する有機溶媒の量は、100〜1000mlで、特に
300ml〜500mlが好ましい。
容易にするため、オルト酢酸エステル1モルあたりに使
用する有機溶媒の量は、100〜1000mlで、特に
300ml〜500mlが好ましい。
【0010】また、オルト酢酸エステル1モルあたりの
塩化シアンの量は0.5〜2モルが好ましく、0.6〜
1.4モルがより好ましく、1.0〜1.5モルが特に
好ましい。塩化シアンの量が1.0モル以下では収率が
低下し、1.5モル以上では、塩化シアン、アンモニア
が無駄に消費される。オルト酢酸エステル1モルあたり
のアンモニアの量は、1〜4モルが好ましく、1.2〜
2.8モルがより好ましい。
塩化シアンの量は0.5〜2モルが好ましく、0.6〜
1.4モルがより好ましく、1.0〜1.5モルが特に
好ましい。塩化シアンの量が1.0モル以下では収率が
低下し、1.5モル以上では、塩化シアン、アンモニア
が無駄に消費される。オルト酢酸エステル1モルあたり
のアンモニアの量は、1〜4モルが好ましく、1.2〜
2.8モルがより好ましい。
【0011】塩化シアンとアンモニアとオルト酢酸エス
テルの混合方法としては、塩化シアンとアンモニアとオ
ルト酢酸エステルとを同時に有機溶媒中で−20〜40
℃の条件で反応させる方法であっても、−20〜40℃
の条件で塩化シアンとアンモニアを有機溶媒中で反応さ
せた後に、−20〜40℃の条件でオルト酢酸エステル
を加える方法、あるいは、有機溶媒とオルト酢酸エステ
ルの混合溶液に、塩化シアンとアンモニアを−20〜4
0℃の条件で反応させる方法のいずれであってもよい。
テルの混合方法としては、塩化シアンとアンモニアとオ
ルト酢酸エステルとを同時に有機溶媒中で−20〜40
℃の条件で反応させる方法であっても、−20〜40℃
の条件で塩化シアンとアンモニアを有機溶媒中で反応さ
せた後に、−20〜40℃の条件でオルト酢酸エステル
を加える方法、あるいは、有機溶媒とオルト酢酸エステ
ルの混合溶液に、塩化シアンとアンモニアを−20〜4
0℃の条件で反応させる方法のいずれであってもよい。
【0012】塩化シアンとアンモニアを有機溶媒中で反
応させた後に、オルト酢酸エステルを加える方法の場合
においては、反応液を濾過し、析出した塩化アンモニウ
ムを除去し、さらに反応液を濃縮した後に、オルト酢酸
エステルを反応してもさしつかえない。
応させた後に、オルト酢酸エステルを加える方法の場合
においては、反応液を濾過し、析出した塩化アンモニウ
ムを除去し、さらに反応液を濃縮した後に、オルト酢酸
エステルを反応してもさしつかえない。
【0013】塩化シアンとアンモニアとオルト酢酸エス
テルとの混合時の反応温度は、−20以上40℃以下で
実施されるが、特に−5〜20℃が好ましい。不必要に
冷却することは、高性能の冷凍機を必要とするだけでし
かない。40℃以上ではアンモニアおよび塩化シアンが
気化し、収率が低下するだけでなく、反応器の上部やベ
ントラインに塩化アンモニウムが付着するため、反応に
支障をきたす。
テルとの混合時の反応温度は、−20以上40℃以下で
実施されるが、特に−5〜20℃が好ましい。不必要に
冷却することは、高性能の冷凍機を必要とするだけでし
かない。40℃以上ではアンモニアおよび塩化シアンが
気化し、収率が低下するだけでなく、反応器の上部やベ
ントラインに塩化アンモニウムが付着するため、反応に
支障をきたす。
【0014】塩化シアンとアンモニアとオルト酢酸エス
テルとを反応させた後の熟成は、20〜130℃で行う
ことができ、特に40〜90℃が好ましい。熟成は0.
5〜5時間で完了する。20℃以下では熟成に長時間を
要する。
テルとを反応させた後の熟成は、20〜130℃で行う
ことができ、特に40〜90℃が好ましい。熟成は0.
5〜5時間で完了する。20℃以下では熟成に長時間を
要する。
【0015】反応後の生成物の単離は、反応液を濃縮
し、反応で生成したアルコールと反応に用いた有機溶媒
を除いた後、水に難溶な有機溶媒で抽出し、水洗するこ
とにより実施される。この間必要であれば、反応系を濾
過してもさしつかえない。抽出用に用いる有機溶媒とし
ては、トルエン、塩化メチレン、ヘキサン、イソプロピ
ルエーテル、酢酸ブチルが好ましい。
し、反応で生成したアルコールと反応に用いた有機溶媒
を除いた後、水に難溶な有機溶媒で抽出し、水洗するこ
とにより実施される。この間必要であれば、反応系を濾
過してもさしつかえない。抽出用に用いる有機溶媒とし
ては、トルエン、塩化メチレン、ヘキサン、イソプロピ
ルエーテル、酢酸ブチルが好ましい。
【0016】このようにして得られる粗生成物は、次工
程の医農薬の合成に十分利用可能な純度を持つものであ
るが、必要に応じて、蒸留、クロマトグラフィー等の通
常の有機化学的手法により、さらに精製することができ
る。
程の医農薬の合成に十分利用可能な純度を持つものであ
るが、必要に応じて、蒸留、クロマトグラフィー等の通
常の有機化学的手法により、さらに精製することができ
る。
【0017】以下実施例によって本発明を詳述するが、
本発明はこれによって限定されるものではない。
本発明はこれによって限定されるものではない。
【0018】
実施例1 攪拌機、冷却器、温度計、ガス導入管2本を備えた50
0mlの4つ口反応釜に、アセトニトリル280gを仕
込んだ。この反応釜を0℃に冷却してから、塩化シアン
55ml(比重1.21 純度95.5% 1.03m
ol)をガス発生器で気化させ、反応釜に導入した。同
時にアンモニアガス35.6g(2.09mol)を反
応釜に導入した。この間、反応温度を−2〜2℃に保っ
た。
0mlの4つ口反応釜に、アセトニトリル280gを仕
込んだ。この反応釜を0℃に冷却してから、塩化シアン
55ml(比重1.21 純度95.5% 1.03m
ol)をガス発生器で気化させ、反応釜に導入した。同
時にアンモニアガス35.6g(2.09mol)を反
応釜に導入した。この間、反応温度を−2〜2℃に保っ
た。
【0019】ガス導入後、0℃で1時間撹拌してから、
析出した塩化アンモニウムを濾過し、アセトニトリル5
0gで洗浄した。濾液と洗浄液を合わせ減圧濃縮し、濃
縮液64.7gを得た。
析出した塩化アンモニウムを濾過し、アセトニトリル5
0gで洗浄した。濾液と洗浄液を合わせ減圧濃縮し、濃
縮液64.7gを得た。
【0020】この濃縮液に、室温でオルト酢酸トリメチ
ル109g(0.91mol)を加え、65℃で2時間
撹拌して熟成させた後、反応液を蒸留し、生成したメタ
ノールおよびアセトニトリル合計58.2gを留去させ
た。得られた濃縮液114gを0℃に冷却し、塩化メチ
レン95g、冷水71gを加えて撹拌し分液した。水相
はさらに塩化メチレン95gで抽出した。
ル109g(0.91mol)を加え、65℃で2時間
撹拌して熟成させた後、反応液を蒸留し、生成したメタ
ノールおよびアセトニトリル合計58.2gを留去させ
た。得られた濃縮液114gを0℃に冷却し、塩化メチ
レン95g、冷水71gを加えて撹拌し分液した。水相
はさらに塩化メチレン95gで抽出した。
【0021】得られた塩化メチレン溶液を合わせて、5
00mlの蒸留釜に入れ、塩化メチレンを留去させた
後、107℃/30mmHgの留分として、67.4g
のN−シアノエタンイミド酸メチルエステルを得た。オ
ルト酢酸トリメチルからの収率は75.3%であった。
00mlの蒸留釜に入れ、塩化メチレンを留去させた
後、107℃/30mmHgの留分として、67.4g
のN−シアノエタンイミド酸メチルエステルを得た。オ
ルト酢酸トリメチルからの収率は75.3%であった。
【0022】実施例2 攪拌機、冷却器、温度計、ガス導入管2本を備えた50
0mlの4つ口反応釜に、アセトニトリル280gを仕
込んだ。この反応釜を0℃に冷却してから、塩化シアン
55ml(比重1.21 純度95.5% 1.03m
ol)をガス発生器で気化させ、反応釜に導入した。同
時にアンモニアガス35.6g(2.09mol)を反
応釜に導入した。この間、反応温度は0〜6℃に保っ
た。さらに0℃で1時間撹拌してから、反応液を濃縮
し、濃縮液136.5gを得た。
0mlの4つ口反応釜に、アセトニトリル280gを仕
込んだ。この反応釜を0℃に冷却してから、塩化シアン
55ml(比重1.21 純度95.5% 1.03m
ol)をガス発生器で気化させ、反応釜に導入した。同
時にアンモニアガス35.6g(2.09mol)を反
応釜に導入した。この間、反応温度は0〜6℃に保っ
た。さらに0℃で1時間撹拌してから、反応液を濃縮
し、濃縮液136.5gを得た。
【0023】この濃縮液に、室温でオルト酢酸トリメチ
ル118g(0.98mol)を加え、65℃で90分
間撹拌して熟成させ、減圧蒸留し、生成したメタノール
およびアセトニトリル83.3gを留去させて、N−シ
アノエタンイミド酸メチルエステルを含有する濃縮液1
67gを得た。
ル118g(0.98mol)を加え、65℃で90分
間撹拌して熟成させ、減圧蒸留し、生成したメタノール
およびアセトニトリル83.3gを留去させて、N−シ
アノエタンイミド酸メチルエステルを含有する濃縮液1
67gを得た。
【0024】濃縮液に、酢酸ブチル120g、冷水23
0gを加えて撹拌し分液した。水相を酢酸ブチル60g
でさらに抽出した。得られたN−シアノエタンイミド酸
メチルエステル含有の酢酸ブチル溶液を濃縮し、減圧蒸
留して97℃/20mmHgの留分68.4gを得た。
この留分のN−シアノエタンイミド酸メチルエステルの
純度は98.0%で、オルト酢酸トリメチルからの収率
は70.0%であった。
0gを加えて撹拌し分液した。水相を酢酸ブチル60g
でさらに抽出した。得られたN−シアノエタンイミド酸
メチルエステル含有の酢酸ブチル溶液を濃縮し、減圧蒸
留して97℃/20mmHgの留分68.4gを得た。
この留分のN−シアノエタンイミド酸メチルエステルの
純度は98.0%で、オルト酢酸トリメチルからの収率
は70.0%であった。
【0025】実施例3 攪拌機、冷却器、温度計、ガス導入管2本を備えた10
00mlの4つ口反応釜に、オルト酢酸トリメチル12
0g(1.00mol)とアセトニトリル280.9g
を仕込んだ。この反応釜を10℃に冷却してから、塩化
シアン53.1ml(比重1.21 純度95.5%
1.00mol)をガス発生器で気化させ、反応釜に導
入した。同時にアンモニアガス34.0g(2.00m
ol)を反応釜に導入した。この間、反応温度を8〜1
8℃に保った。
00mlの4つ口反応釜に、オルト酢酸トリメチル12
0g(1.00mol)とアセトニトリル280.9g
を仕込んだ。この反応釜を10℃に冷却してから、塩化
シアン53.1ml(比重1.21 純度95.5%
1.00mol)をガス発生器で気化させ、反応釜に導
入した。同時にアンモニアガス34.0g(2.00m
ol)を反応釜に導入した。この間、反応温度を8〜1
8℃に保った。
【0026】その後、64℃で1時間撹拌した後、反応
液を濃縮し299.0gを留去させ、20℃に冷却して
濾過した。濾過物を塩化メチレン120gで洗浄し、濾
過液と洗浄液を合わせた。塩化メチレン溶液を120g
で洗浄し、塩化メチレンを留去させた後、減圧蒸留して
107℃/30mmHgの留分66.1gを得た。この
留分のN−シアノエタンイミド酸メチルエステルの純度
は98.0%で、オルト酢酸トリメチルからの収率は6
6.0%であった。
液を濃縮し299.0gを留去させ、20℃に冷却して
濾過した。濾過物を塩化メチレン120gで洗浄し、濾
過液と洗浄液を合わせた。塩化メチレン溶液を120g
で洗浄し、塩化メチレンを留去させた後、減圧蒸留して
107℃/30mmHgの留分66.1gを得た。この
留分のN−シアノエタンイミド酸メチルエステルの純度
は98.0%で、オルト酢酸トリメチルからの収率は6
6.0%であった。
【0027】実施例4 攪拌機、冷却器、温度計、ガス導入管2本を備えた50
0mlの4つ口反応釜に、オルト酢酸トリメチル80g
(0.67mol)とアセトニトリル188.3gを仕
込んだ。この反応釜を5℃に冷却してから、塩化シアン
35.4ml(0.67mol)をガス発生器で気化さ
せ、反応釜に導入した。塩化シアンの導入開始と同時に
アンモニアガス22.7g(1.33mol)を反応釜
に導入した。この間、反応温度を6〜15℃に保った。
0mlの4つ口反応釜に、オルト酢酸トリメチル80g
(0.67mol)とアセトニトリル188.3gを仕
込んだ。この反応釜を5℃に冷却してから、塩化シアン
35.4ml(0.67mol)をガス発生器で気化さ
せ、反応釜に導入した。塩化シアンの導入開始と同時に
アンモニアガス22.7g(1.33mol)を反応釜
に導入した。この間、反応温度を6〜15℃に保った。
【0028】17℃で19時間放置した後、メタノール
およびアセトニトリルを留去させ、20℃に冷却して濾
過し、濾過物を塩化メチレン80gで洗浄した。濾過液
と洗浄液を合わせ、水80gで洗浄し、溶媒を留去させ
た後、113〜117℃/40mmHgの留分43.6
gを得た。この留分のN−シアノエタンイミド酸メチル
エステルの純度は99.1%で、オルト酢酸トリメチル
からの収率は68.4%であった。
およびアセトニトリルを留去させ、20℃に冷却して濾
過し、濾過物を塩化メチレン80gで洗浄した。濾過液
と洗浄液を合わせ、水80gで洗浄し、溶媒を留去させ
た後、113〜117℃/40mmHgの留分43.6
gを得た。この留分のN−シアノエタンイミド酸メチル
エステルの純度は99.1%で、オルト酢酸トリメチル
からの収率は68.4%であった。
【0029】実施例5 攪拌機、冷却器、温度計、ガス導入管2本を備えた30
0mlの4つ口反応釜に、オルト酢酸トリエチル53.
5g(0.33mol)とイソプロピルエーテル13
1.1gを仕込んだ。この反応釜を5℃に冷却してか
ら、塩化シアン17.7ml(0.33mol)をガス
発生器で気化させ、反応釜に導入した。塩化シアンの導
入開始と同時にアンモニアガス11.3g(0.67m
ol)を反応釜に導入した。この間、反応温度を5〜2
1℃に保った。さらに30℃で30分間撹拌してから濾
過した。
0mlの4つ口反応釜に、オルト酢酸トリエチル53.
5g(0.33mol)とイソプロピルエーテル13
1.1gを仕込んだ。この反応釜を5℃に冷却してか
ら、塩化シアン17.7ml(0.33mol)をガス
発生器で気化させ、反応釜に導入した。塩化シアンの導
入開始と同時にアンモニアガス11.3g(0.67m
ol)を反応釜に導入した。この間、反応温度を5〜2
1℃に保った。さらに30℃で30分間撹拌してから濾
過した。
【0030】濾過液を65℃で3時間還流して熟成させ
た反応溶液149.6g中のN−シアノエタンイミド酸
エチルエステル濃度は15.6%で、N−シアノエタン
イミド酸エチルエステルの収率は62.9%であった。
た反応溶液149.6g中のN−シアノエタンイミド酸
エチルエステル濃度は15.6%で、N−シアノエタン
イミド酸エチルエステルの収率は62.9%であった。
【0031】実施例6 攪拌機、冷却器、温度計、ガス導入管2本を備えた10
00mlの4つ口反応釜に、オルト酢酸トリメチル12
0g(1.00mol)とメタノール278.4gを仕
込んだ。この反応釜を10℃に冷却してから、塩化シア
ン53.1ml(1.00mol)をガス発生器で気化
させ反応釜に導入した。同時にアンモニアガス34.1
g(2.00mol)を塩化シアンと同時に反応釜に導
入した。この間、反応温度を10〜20℃に保った。
00mlの4つ口反応釜に、オルト酢酸トリメチル12
0g(1.00mol)とメタノール278.4gを仕
込んだ。この反応釜を10℃に冷却してから、塩化シア
ン53.1ml(1.00mol)をガス発生器で気化
させ反応釜に導入した。同時にアンモニアガス34.1
g(2.00mol)を塩化シアンと同時に反応釜に導
入した。この間、反応温度を10〜20℃に保った。
【0032】60℃で2時間撹拌した後、反応液を濃縮
し、20℃に冷却して濾過し、濾過物を塩化メチレン1
20gで洗浄した。濾過液と洗浄液を合わせ、水120
gで洗浄し、N−シアノエタンイミド酸メチルエステル
を12.7%含有する塩化メチレン溶液282.6gを
得た。N−シアノエタンイミド酸メチルエステルの収率
は36.7%であった。
し、20℃に冷却して濾過し、濾過物を塩化メチレン1
20gで洗浄した。濾過液と洗浄液を合わせ、水120
gで洗浄し、N−シアノエタンイミド酸メチルエステル
を12.7%含有する塩化メチレン溶液282.6gを
得た。N−シアノエタンイミド酸メチルエステルの収率
は36.7%であった。
【0033】比較例 攪拌機、冷却器、温度計、ガス導入管2本を備えた30
0mlの4つ口反応釜に、オルト酢酸トリメチル40g
(0.33mol)とトルエン180mlを仕込んだ。
この反応釜を5℃に冷却してから、塩化シアン17.7
ml(0.33mol)をガス発生器で気化させ、反応
釜に導入した。アンモニアガス11.3g(0.67m
ol)を塩化シアンと同時に65分間で反応釜に導入し
た。この間、反応温度を5〜16℃に保った。30℃で
30分間反応させた後濾過した。濾過液を70℃で4時
間撹拌した。その後反応液を20℃に冷却して濾過した
が濾過液182.1gの中のN−シアノエタンイミド酸
メチルエステル濃度は1.38%であり反応収率は7.
7%であった。
0mlの4つ口反応釜に、オルト酢酸トリメチル40g
(0.33mol)とトルエン180mlを仕込んだ。
この反応釜を5℃に冷却してから、塩化シアン17.7
ml(0.33mol)をガス発生器で気化させ、反応
釜に導入した。アンモニアガス11.3g(0.67m
ol)を塩化シアンと同時に65分間で反応釜に導入し
た。この間、反応温度を5〜16℃に保った。30℃で
30分間反応させた後濾過した。濾過液を70℃で4時
間撹拌した。その後反応液を20℃に冷却して濾過した
が濾過液182.1gの中のN−シアノエタンイミド酸
メチルエステル濃度は1.38%であり反応収率は7.
7%であった。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば無水シアナミドを用いな
いで、塩化シアンとアンモニアとオルト酢酸エステルを
出発原料として、N−シアノエタンイミド酸エステルを
比較的高収率で、経済的にかつ安全にしかも工業的に極
めて簡単な方法で得ることができるという利点がある。
いで、塩化シアンとアンモニアとオルト酢酸エステルを
出発原料として、N−シアノエタンイミド酸エステルを
比較的高収率で、経済的にかつ安全にしかも工業的に極
めて簡単な方法で得ることができるという利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−11553(JP,A) 特開 平7−82252(JP,A) 特開 平5−186413(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 261/04
Claims (6)
- 【請求項1】 塩化シアン、アンモニアおよびオルト酢
酸エステルの反応によってN−シアノエタンイミド酸エ
ステルを製造するにあたり、メタノール、エタノール、
エチルエーテル、イソプロピルエーテルおよびアセトニ
トリルから選ばれる1種以上の有機溶媒中で、塩化シア
ンとアンモニアとオルト酢酸エステルとを−20〜40
℃の条件で反応させることを特徴とするN−シアノエタ
ンイミド酸エステルの製造方法。 - 【請求項2】 塩化シアンおよびアンモニアを有機溶媒
中で反応させた後に、オルト酢酸エステルを加える請求
項1記載のN−シアノエタンイミド酸エステルの製造方
法。 - 【請求項3】 有機溶媒とオルト酢酸エステルの混合溶
液に、塩化シアンとアンモニアを加えて反応させる請求
項1記載のN−シアノエタンイミド酸エステルの製造方
法。 - 【請求項4】 オルト酢酸エステル1モルあたり塩化シ
アン0.6〜1.4モルおよびアンモニア1.2〜2.
8モルを使用する請求項1〜3のいずれか1項に記載の
N−シアノエタンイミド酸エステルの製造方法。 - 【請求項5】 オルト酢酸エステルが、オルト酢酸トリ
メチルまたはオルト酢酸トリエチルである請求項1〜4
のいずれか1項に記載のN−シアノエタンイミド酸エス
テルの製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方
法により反応させた後、さらに20〜130℃の条件で
熟成させるN−シアノエタンイミド酸エステルの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34380293A JP3287682B2 (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | N−シアノエタンイミド酸エステルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34380293A JP3287682B2 (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | N−シアノエタンイミド酸エステルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07173128A JPH07173128A (ja) | 1995-07-11 |
JP3287682B2 true JP3287682B2 (ja) | 2002-06-04 |
Family
ID=18364353
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34380293A Expired - Fee Related JP3287682B2 (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | N−シアノエタンイミド酸エステルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3287682B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6613925B1 (en) * | 1998-09-09 | 2003-09-02 | Nippon Carbide Kogyo K.K. | Process for producing O-alkyl-N-cyanoimidate |
-
1993
- 1993-12-17 JP JP34380293A patent/JP3287682B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07173128A (ja) | 1995-07-11 |
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