JPH10130178A - gem−ジフルオロオレフィン類の製造方法、同製造方法に用いるジルコノセン、及びその製造方法 - Google Patents

gem−ジフルオロオレフィン類の製造方法、同製造方法に用いるジルコノセン、及びその製造方法

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JPH10130178A
JPH10130178A JP11434997A JP11434997A JPH10130178A JP H10130178 A JPH10130178 A JP H10130178A JP 11434997 A JP11434997 A JP 11434997A JP 11434997 A JP11434997 A JP 11434997A JP H10130178 A JPH10130178 A JP H10130178A
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Japan
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gem
compound
zirconocene
difluorovinyl
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JP11434997A
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Atsushi Ichikawa
淳士 市川
Masao Fujiwara
昌生 藤原
Hideyuki Nawata
秀行 縄田
Susumu Minami
享 南
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
    • C07C17/26Preparation of halogenated hydrocarbons by reactions involving an increase in the number of carbon atoms in the skeleton
    • C07C17/263Preparation of halogenated hydrocarbons by reactions involving an increase in the number of carbon atoms in the skeleton by condensation reactions
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C205/00Compounds containing nitro groups bound to a carbon skeleton
    • C07C205/07Compounds containing nitro groups bound to a carbon skeleton the carbon skeleton being further substituted by halogen atoms
    • C07C205/11Compounds containing nitro groups bound to a carbon skeleton the carbon skeleton being further substituted by halogen atoms having nitro groups bound to carbon atoms of six-membered aromatic rings

Abstract

(57)【要約】 【課題】 室温で取扱いができ、反応性に富む無置換g
em−ジフルオロビニル金属化合物、及び該金属化合物
を用いた一置換gem−ジフルオロオレフィン類の製造
方法を提供する。 【解決手段】 ジフルオロビニル化合物(1)に2価の
ジルコノセン(5)を作用させてジフルオロビニルジル
コノセン(4)を得、次いでパラジウム化合物の存在
下、ハロゲン化物(2)を作用させてgem−ジフルオ
ロオレフィン類(3)を製造する。但し、Yは脱離基、
Lは配位子、Arはアリール基、Xは臭素原子またはヨ
ウ素原子である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】gem−ジフルオロオレフィ
ン類は求核反応及びラジカル反応に対して高い反応性を
示し、種々の化合物へ誘導することが可能な重要化合物
である。このため、含フッ素有機化合物やフッ素系ポリ
マー等の合成中間体として有用である((a)W.A.
Sheppard、C.M.Sharts,オーガニッ
ク フルオリン ケミストリー、W.A.Benjam
in,New York(1969),Chaps.
3,6 and 7、(b)M.Hudlicky,ケ
ミストリ− オブ オーガニック フルオリン コンパ
ウンズ,2nd ed.,Ellis Horwoo
d,Chichester,1976,Chap 5
(c)R.D.Chambers、R.H.Mobb
s,アドバンシーズ インフルオリン ケミストリー,
M.Staccy,J.C.Tatlow,A.G.S
harpe,Eds.,Butterworths,L
ondon,1965,Vol.4,pp.50−11
2.(d)R.D.Chambers,S.R.Jam
es,コンプリヘンシブ オーガニック ケミストリ
ー,J.F.Stoddart,Ed.,Pergam
on Press,Oxford,1979,Vol.
1,pp.545−547)。また、酵素阻害剤として
も注目されている(J.R.McCarthyら,ジャ
ーナル オブ アメリカン ケミカル ソサイエティ
ー,113,7439−7440(1991))。
【0002】ある種のgem−ジフルオロオレフィン類
は、gem−ジフルオロビニル金属化合物を活用するこ
とにより、好適に製造できることが知られている。例え
ば、既に一置換gem−ジフルオロビニル金属化合物を
用いた二置換gem−ジフルオロオレフィン類の製造方
法が開発されている(市川ら;テトラヘドロン レター
ズ、30、1641(1989)/市川ら;テトラヘド
ロン レターズ、33、3779(1992))。
【0003】しかしながら、後述する特定の化合物の場
合を除き、工業的に実施可能な無置換gem−ジフルオ
ロビニル金属化合物の効率的な製造方法がなかったこと
も原因して、該無置換gem−ジフルオロビニル金属化
合物を使用した一置換gem−ジフルオロオレフィン類
の製造方法は知られていない。
【0004】前記特定の化合物としての無置換gem−
ジフルオロビニル金属化合物の調製方法としては、ge
m−ジフルオロエチレンにsec−ブチルリチウムを作
用させてジフルオロビニルリチウムを得る方法が知られ
ている(J.F.Normantら;テトラヘドロン
レターズ、22、957(1981))。しかし該金属
化合物は熱的に非常に不安定であるので、−110℃と
いう極低温でその調製を行う必要がある。また、反応す
る求電子剤もカルボニル化合物に限られ、その結果該金
属化合物を反応剤として用いて製造できる化合物はアル
コール類及びカルボン酸類に限られている。
【0005】このため、調製が容易で、室温で取扱うこ
とができ、反応性に富む無置換gem−ジフルオロビニ
ル金属化合物の開発、及び該金属化合物を用いた一置換
gem−ジフルオロオレフィン類の効率的な製造方法の
開発が待望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
を解決すべく鋭意努力して研究した結果、脱離基を有す
るジフルオロビニル化合物に2価のジルコノセンを作用
させると、熱的に安定な無置換gem−ジフルオロビニ
ル金属化合物であるgem−ジフルオロビニルジルコノ
センが調製できることを見い出した。さらに触媒として
のパラジウム化合物の共存下に、該ジルコノセンとハロ
ゲン化アリール類のクロスカップリング反応を行うこと
により、所望の一置換gem−ジフルオロオレフィン類
が効率よく製造できることを知得し、本発明を完成する
に到ったものである。
【0007】従って、本発明の目的とするところは、製
造が簡単で、室温で取扱いができ、反応性に富む無置換
gem−ジフルオロビニル金属化合物、及び該金属化合
物を用いた一置換gem−ジフルオロオレフィン類の効
率的な製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、一般式(1)
【0009】
【化10】CF2=CH−Y (1) 「但し、式中、Yは脱離基を示す」で示されるジフルオ
ロビニル化合物に2価のジルコノセンを作用させ、次い
でパラジウム化合物の存在下、一般式(2)
【0010】
【化11】Ar−X (2) 「但し、式中、Arはアリール基を示し、Xは臭素原子
またはヨウ素原子を示す」で表されるハロゲン化物を作
用させてクロスカップリング反応を行うことを特徴とす
る一般式(3)
【0011】
【化12】CF2=CH−Ar (3) 「式中、Arはアリール基を示す」で表されるgem−
ジフルオロオレフィン類の製造方法を提案するもので、
クロスカップリング反応をパラジウム化合物と金属塩と
の存在下に行うこと、金属塩が銅塩、または亜鉛塩であ
ること、金属塩が臭化銅、ヨウ化銅、シアン化銅、塩化
亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、またはトリフルオロメタ
ンスルホン酸亜鉛であること、アリール基がp−ニトロ
フェニル基、p−エトキシカルボニルフェニル基、フェ
ニル基、1−ナフチル基、またはp−メトキシフェニル
基であること、脱離基Yがアリールスルホニルオキシ基
であることを含む。
【0012】また本発明は、一般式(4)
【0013】
【化13】 「但し、Cpはシクロペンタジエニル基を、Lは配位子
を示す」で示されるgem−ジフルオロビニルジルコノ
センで、配位子Lがアリールスルホニルオキシ基、塩素
原子、または2,2−ジフルオロビニル基であることを
含む。
【0014】また本発明は、一般式(1)
【0015】
【化14】CF2=CH−Y (1) 「但し、式中、Yは脱離基を示す」で示されるジフルオ
ロビニル化合物に2価のジルコノセンを作用させること
を特徴とする一般式(4)
【0016】
【化15】 「但し、Cpはシクロペンタジエニル基を、Lは配位子
を示す」で示されるgem−ジフルオロビニルジルコノ
センの製造方法である。
【0017】更に本発明は、パラジウム化合物の存在
下、一般式(4)
【0018】
【化16】 「但し、Cpはシクロペンタジエニル基を、Lは配位子
を示す」で示されるgem−ジフルオロビニルジルコノ
センと、一般式(2)
【0019】
【化17】Ar−X (2) 「但し、式中、Arはアリール基を示し、Xは臭素原子
またはヨウ素原子を示す」で表されるハロゲン化物を作
用させてクロスカップリング反応を行うことを特徴とす
る一般式(3)
【0020】
【化18】CF2=CH−Ar (3) 「式中、Arはアリール基を示す」で表されるgem−
ジフルオロオレフィン類の製造方法である。
【0021】以下、本発明につき詳細に説明する。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明においては、下記反応式
(a)
【0023】
【化19】 に示すように、まず脱離基Yを含有するジフルオロビニ
ル化合物(1)に2価のジルコノセン(5)を作用させ
ることにより、中間体(6)のジルコナシクロプロパン
を経てそこからβ−脱離を伴い無置換gem−ジフルオ
ロビニルジルコノセン(4)を得、次いでパラジウム化
合物、及び必要により金属塩の存在下に、ハロゲン化ア
リール(2)を作用させることにより、gem−ジフル
オロオレフィン類(3)を得ることができるものであ
る。
【0024】出発物質である、脱離基を含有するジフル
オロビニル化合物(1)は、例えば対応するところの脱
離基Yを含有するトリフルオロエタン誘導体の脱HF反
応によって好適に得られる。一例を挙げれば、安価な
2,2,2−トリフルオロエチル=p−トルエンスルホ
ナートの脱HF反応で2,2−ジフルオロビニル=p−
トルエンスルホナートを好収率で製造できる。
【0025】脱離基Yは、脱離能を有するものであれば
いづれのものでも用いることができるが、p−トルエン
スルホニルオキシ基、p−フルオロベンゼンスルホニル
オキシ基等のアリールスルホニルオキシ基が好ましく、
特にクロスカップリング反応の収率を考慮した場合には
p−トルエンスルホニルオキシ基が好適である。
【0026】本発明において使用する2価のジルコノセ
ン(Cp2Zr(5))はシクロペンタジエニルを有す
るジルコニウム化合物で、この化合物(5)はジルコノ
センジクロリド等の4価のジルコノセンと2倍当量のn
−ブチルリチウムとの反応等により発生させることがで
きる。
【0027】ジフルオロビニル化合物(1)とジルコノ
セン(5)とを反応させ、次いで中間体(6)のβ−脱
離反応により無置換gem−ジフルオロビニルジルコノ
セン(4)を製造する反応は種々の温度で行われるが、
好ましくは−78℃〜室温である。使用する溶媒は種々
の有機溶媒が好適に活用できるが、好ましくはテトラヒ
ドロフランである。2価のジルコノセン(5)は脱離基
を含有するジフルオロビニル化合物(1)に対し1倍モ
ル〜5倍モル使用することが好ましく、より好ましくは
1倍モル〜2倍モルである 上記反応によって得られる無置換gem−ジフルオロビ
ニルジルコノセン(4)は単離しても良いが、単離する
ことなくin−situで次のクロスカップリング反応
に使用することもでき、この場合は操作が簡便になるの
で好ましいものである。
【0028】上記のように、本反応においては必ずしも
無置換gem−ジフルオロビニルジルコノセン(4)を
単離する必要がないが、この化合物の存在は19F−N
MRによって確認できる。
【0029】例えば下記反応式(b)に示すように、
2,2−ジフルオロビニル=p−トルエンスルホナート
(7)に2価のジルコノセン(5)を作用させること
で、中間体(8)のジルコナシクロプロパンの形成と、
β−脱離を伴い無置換gem−ジフルオロビニルジルコ
ノセン(4)を調製できる。
【0030】ここで、生成したgem−ジフルオロビニ
ルジルコノセン(4)の19F−NMR測定において、
(4)は配位子Lが異なる数種の混合物から成ることが
分かり、主なものとして101.6ppm(dd,J=
46,18Hz)、91.6ppm(dd,J=46,
52Hz)のシグナルが観測され、この結果からgem
−ジフルオロビニルジルコノセン(4)の構造が示唆さ
れる。
【0031】更に、gem−ジフルオロビニルジルコノ
セン(4)にヨウ化亜鉛を作用させると化合物(9)が
得られるが、この化合物(9)の19F−NMR測定に
よって観測されるシグナルは(97.7ppm(dd,
J=57,16Hz)/84.2ppm(dd,J=5
7,57Hz)である。
【0032】
【化20】 一方、下記反応式(c)に示すように、ノーマンらの方
法で調製したリチウム化合物(10)にヨウ化亜鉛を作
用させて得た化合物(11)のシグナルは(98.7p
pm(dd,J=52,13Hz)/87.1ppm
(dd,J=52,56Hz)であり、化合物(9)の
シグナルと化合物(11)のシグナルとは一致する。
【0033】
【化21】 また、これとは別に下記反応式(d)に示すように、g
em−ジフルオロビニルジルコノセン(4)を塩酸で処
理して得られた生成物を19F−NMRで分析したとこ
ろ、79.8ppmのシグナルのみが観測され、前記生
成物がジフルオロエチレン(12)であることが確認で
きた。
【0034】
【化22】 このことから本発明において反応系中に無置換gem−
ジフルオロビニルジルコノセン(4)が生成しているこ
とを確認できる。
【0035】本発明においては、反応式(a)に示すよ
うに、上記の様にして調製した無置換gem−ジフルオ
ロビニルジルコノセン(4)にパラジウム化合物、及び
必要により金属塩の存在下、種々のハロゲン化アリール
(2)を作用させてクロスカップリング反応を行い、本
発明の目的化合物であるー置換gem−ジフルオロオレ
フィン類(3)を製造するものである。
【0036】無置換gem−ジフルオロビニルジルコノ
セン(4)1モルに対するハロゲン化アリール(2)の
添加量は0.7〜1.5モルとすることが好ましい。
【0037】無置換ジフルオロビニルジルコノセン
(4)とハロゲン化アリール(2)とのクロスカップリ
ング反応は、室温〜溶媒の還流温度の範囲で好適に実施
できるが、反応時間を短縮するために溶媒の還流温度で
行うことが好ましい。
【0038】溶媒は前記(4)の調製に用いた溶媒と同
様のものが好ましい。
【0039】クロスカップリング反応に使用する触媒と
してのパラジウム化合物は0価のパラジウム化合物が好
ましい。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム
を使用してもよいが、例えばトリス(ジベンジリデンア
セトニル)ビスパラジウム−クロロホルム(1/1)と
トリフェニルホスフィンを併用してもよい。
【0040】パラジウム化合物の添加量は無置換ジフル
オロビニルジルコノセン(4)の1モルに対し0.00
1〜0.1モルが好ましい。
【0041】クロスカップリング反応においては、金属
塩を共存させることが好ましい。トランスメタル化を行
うことでジルコニウム上のジフルオロビニル基を活性化
できるからである。使用する金属塩としては既知の種々
の金属塩を好適に使用できるが、好ましくは銅塩及び亜
鉛塩である。より好ましくは臭化銅、ヨウ化銅、シアン
化銅、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、トリフルオロ
メタンスルホン酸亜鉛である。
【0042】金属塩の添加量は無置換ジフルオロビニル
ジルコノセン(4)の1モルに対し1〜5モルが好まし
い。
【0043】クロスカップリング反応において金属塩の
他に公知の各種添加物、例えばリン酸カリウム、を使用
することで収率を向上させることができる。その添加量
は添加物の添加目的に従って適宜決定される。
【0044】クロスカップリング反応において使用する
ハロゲン化アリールとしては種々の化合物があるが、反
応性を考慮した場合ヨウ化物が好ましい。ヨウ化アリー
ルとしては、何れのものも好適に反応してクロスカップ
リング成績物を与える。例えば、置換あるいは無置換ヨ
ウ化フェニル類、置換あるいは無置換ヨウ化ナフチル類
において特に好適な成績を与える。
【0045】置換基としては、アルキル基、アルコキシ
ル基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、アルケニル
基等が例示できる。
【0046】クロスカップリング反応は、ヨウ化アリー
ルのアリール基上に電子求引基や電子供与基が置換され
ていても良好な収率で進行する。反応に関与しない置換
基としては、例えばニトロ基、エトキシカルボニル基、
メトキシル基を挙げることができる。
【0047】前述のように、本発明のクロスカップリン
グ反応において使用するハロゲン化アリールとしては種
々の化合物を使用できるが、例えば具体的にはp−ニト
ロヨードベンゼン、エチル=p−ヨードベンゾアート、
ヨードベンゼン、1−ヨードナフタレン、p−メトキシ
ヨードベンゼンを挙げることができる。
【0048】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する。
【0049】実施例1 β,β−ジフルオロ−4−ニトロスチレン「(3)式に
おいてArがp−ニトロフェニル基である化合物」の製
造 窒素雰囲気下−78℃で、ジルコノセンジクロリド(1
50mg、0.51mmol)のテトラヒドロフラン
(2ml)溶液に、ブチルリチウムの1.58Mヘキサ
ン溶液(0.65ml、1.02mmol)を加え、同
温度で1時間攪拌した。この溶液に同温度で2,2−ジ
フルオロビニル=トシラート(60mg、0.26mm
ol)のテトラヒドロフラン(0.5ml)溶液を加え
た。同温度で5分間攪拌したのち室温まで昇温し、3時
間攪拌した。
【0050】トリフェニルホスフィン(11mg、0.
041mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトニ
ル)ビスパラジウムークロロホルム(1/1)(5m
g、0.005mmol)を加え10分間攪拌した。更
にp−ニトロヨードベンゼン(70mg、0.28mm
ol)、ヨウ化亜鉛(196mg、0.61mmol)
を加え、2時間攪拌還流した。
【0051】冷却後、反応液にリン酸緩衝液(pH7)
を加えて攪拌した後、セライトで濾過した。有機化合物
をジエチルエーテルで3回抽出し、エーテル相を食塩水
で十分洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち溶
媒を留去し、得られた残留物をシリカゲル薄層クロマト
グラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル(10:
1)混合溶媒)で精製することにより、淡黄色の標題化
合物(36mg、収率76%)を得た。この化合物のス
ペクトルデータはよくその構造を支持した。
【0052】1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δ5.41(1H,dd,JHF=25.3,3.4
Hz),7.49(2H,br d,J=8.9H
z),8.19(2H,br d,J=8.9Hz). 13C−NMR(126MHz,CDCl3)δ81.
7(dd,JCF=31,13Hz),124.1,12
8.2(dd,JCF=7,3Hz),137.4(t,
JCF=7Hz),146.5,157.2(dd,JCF
=301,293Hz). 19F−NMR(471MHz,CDCl3)δ83.
1(1F,dd,JFF=19Hz,JFH=3Hz),8
4.5(1F,dd,JFF=19Hz,JFH=25H
z). IR(neat)1730,1600,1515,13
40,1300,1250,1175,1110,94
5,860,830,750,690cm-1.MS(7
0eV)m/e185(M+;72),155(6
2),127(72)119(100),63(5
5). HRMS:185.0333(M+)(計算値:18
5.0288)。
【0053】実施例2 β,β−ジフルオロ−4−エトキシカルボニルスチレン
「(3)式においてArがp−エトキシカルボニルフェ
ニル基である化合物」の製造 p−ニトロヨードベンゼンの代わりにエチル=p−ヨー
ドベンゾアート(57mg、0.21mmol)を用
い、実施例1と同様な方法で標題化合物(34mg、収
率78%)を得た。この化合物のスペクトルデータはよ
くその構造を支持した。
【0054】1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δ1.39(3H,t,J=7.0Hz),4.3
7(2H,q,J=7.0Hz),5.33(1H,d
d,JHF=25.9,3.7Hz),7.38(2H,
d,J=8.4Hz),8.01(2H,d,J=8.
4Hz). 13C−NMR(126MHz,CDCl3)δ14.
3,61.0,82.1(dd,JCF=30,13H
z),127.4(dd,JCF=7,4Hz),12
9.0,129.9,135.1(t,JCF=7H
z),156.8(dd,JCF=300,291H
z),166.2. 19F−NMR(471MHz,CDCl3)δ80.
5(1F,dd,JFF=25Hz,JFH=4Hz),8
2.4(1F,dd,JFF=25Hz,JFH=25H
z). IR(neat)2990,1720,1610,14
15,1365,1280,1170,1110,10
20,945,865,770,700cm-1. MS(20eV)m/e212(M+;100),18
4(51),167(56). HRMS:212.0641(M+)(計算値:21
2.0649)。
【0055】実施例3 β,β−ジフルオロスチレン「(3)式においてArが
フェニル基である化合物」の製造 p−ニトロヨードベンゼンの代わりにヨードベンゼン
(31μl、0.28mmol)を用い、実施例1と同
様な方法で標題化合物(収率71%)を得た。この化合
物のスペクトルデータはよくその構造を支持した。
【0056】19F−NMR(471MHz,THF)
δ76.5(1F,dd,JFF=35Hz,JFH=4H
z),78.3(1F,dd,JFF=35Hz,JFH=
27Hz). MS(GC−MS)m/e140(M+;4),74
(100). HRMS:140.0438(M+)(計算値:14
0.0438)。
【0057】実施例4 1−(2,2−ジフルオロビニル)ナフタレン「(3)
式においてArが1−ナフチル基である化合物」の製造 p−ニトロヨードベンゼンの代わりに1−ヨードナフタ
レン(49mg、0.19mmol)を用い実施例1と
同様な方法で標題化合物(25mg、収率69%)を得
た。この化合物のスペクトルデータはよくその構造を支
持した。
【0058】1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δ5.84(1H,dd,JHF=24.4,3.4
Hz),7.47(1H,t,J=7.7Hz),7.
48−7.56(2H,m),7.58(1H,d,J
=7.7Hz),7.79(1H,d,J=7.7H
z),7.86(1H,d,J=7.7Hz),7.9
4(1H,d,J=7.7Hz). 13C−NMR(126MHz,CDCl3)δ78.
7(dd,JCF=30,16Hz),123.7,12
5.5,126.0,126.4,126.5(dd,
JCF=6,2Hz),128.0,128.7,13
1.4,131.5,133.6,156.7(dd,
JCF=297,289Hz). 19F−NMR(471MHz,CDCl3)δ76.
7(1F,dd,JFF=29Hz,JFH=25Hz),
78.5(1F,dd,JFF=29Hz,JFH=3H
z). IR(neat)3050,1730,1590,15
10,1335,1265,1220,1200,93
0,780cm-1. MS(70eV)m/e190(M+;100),17
0(70),139(13),85(11). HRMS:190.0608(M+)(計算値:19
0.0594)。
【0059】実施例5 β,β−ジフルオロ−4−メトキシスチレン「(3)式
においてArがp−メトキシフェニル基である化合物」
の製造 p−ニトロヨードベンゼンの代わりにp−ヨードアニソ
ール(66mg、0.28mmol)を用い、実施例1
と同様な方法で標題化合物(27mg、収率62%)を
得た。この化合物のスペクトルデータはよくその構造を
支持した。
【0060】1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δ3.80(3H,s),5.21(1H,dd,
JHF=26.4,3.2Hz),6.87(2H,d,
J=8.6Hz),7.25(2H,d,J=8.6H
z). 13C−NMR(126MHz,CDCl3)δ55.
3,81.5(dd,JCF=29,14Hz),11
4.2,122.7(t,JCF=6Hz),128.8
(dd,JCF=6,4Hz),155.8(dd,JCF
=296,286Hz),158.5. 19F−NMR(471MHz,CDCl3)δ75.
3(1F,dd,JFF=37Hz,JFH=3Hz),7
7.9(1F,dd,JFF=37Hz,JFH=26H
z). IR(neat)1730,1610,1515,12
95,1250,1180,1165,1035,94
0,840cm-1. MS(70eV)m/e170(M+;87),155
(59),139(79),127(100),77
(36). HRMS:170.0499(M+)(計算値:17
0.0543).
【0061】
【発明の効果】本発明の無置換gem−ジフルオロビニ
ル金属化合物は調製が容易で、室温で取扱いができ、し
かも反応性に富むものである。また、該金属化合物を用
いることにより、有用な一置換gem−ジフルオロオレ
フィン類を効率的かつ工業的に製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 41/30 C07C 41/30 43/225 43/225 A 201/12 201/12 205/11 205/11 C07F 17/00 C07F 17/00 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 南 享 福岡県宗像市大字自由ケ丘11丁目15番地の 5

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】CF2=CH−Y (1) 「但し、式中、Yは脱離基を示す」で示されるジフルオ
    ロビニル化合物に2価のジルコノセンを作用させ、次い
    でパラジウム化合物の存在下、一般式(2) 【化2】Ar−X (2) 「但し、式中、Arはアリール基を示し、Xは臭素原子
    またはヨウ素原子を示す」で表されるハロゲン化物を作
    用させてクロスカップリング反応を行うことを特徴とす
    る一般式(3) 【化3】CF2=CH−Ar (3) 「式中、Arはアリール基を示す」で表されるgem−
    ジフルオロオレフィン類の製造方法。
  2. 【請求項2】 クロスカップリング反応をパラジウム化
    合物と金属塩との存在下で行う請求項1に記載のgem
    −ジフルオロオレフィン類の製造方法。
  3. 【請求項3】 金属塩が銅塩、または亜鉛塩である請求
    項2に記載のgem−ジフルオロオレフィン類の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 金属塩が臭化銅、ヨウ化銅、シアン化
    銅、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、またはトリフル
    オロメタンスルホン酸亜鉛である請求項2に記載のge
    m−ジフルオロオレフィン類の製造方法。
  5. 【請求項5】 アリール基がp−ニトロフェニル基、p
    −エトキシカルボニルフェニル基、フェニル基、1−ナ
    フチル基、またはp−メトキシフェニル基である請求項
    1乃至4のいずれかに記載のgem−ジフルオロオレフ
    ィン類の製造方法。
  6. 【請求項6】 脱離基Yがアリールスルホニルオキシ基
    である請求項1乃至5のいずれかに記載のgem−ジフ
    ルオロオレフィン類の製造方法。
  7. 【請求項7】 一般式(4) 【化4】 「但し、Cpはシクロペンタジエニル基を、Lは配位子
    を示す」で示されるgem−ジフルオロビニルジルコノ
    セン。
  8. 【請求項8】 配位子Lがアリールスルホニルオキシ
    基、塩素原子、または2,2−ジフルオロビニル基であ
    る請求項7に記載のgem−ジフルオロビニルジルコノ
    セン。
  9. 【請求項9】 配位子Lがアリールスルホニルオキシ基
    である請求項7に記載のgem−ジフルオロビニルジル
    コノセン。
  10. 【請求項10】 一般式(1) 【化5】CF2=CH−Y (1) 「但し、式中、Yは脱離基を示す」で示されるジフルオ
    ロビニル化合物に2価のジルコノセンを作用させること
    を特徴とする一般式(4) 【化6】 「但し、Cpはシクロペンタジエニル基を、Lは配位子
    を示す」で示されるgem−ジフルオロビニルジルコノ
    センの製造方法。
  11. 【請求項11】 パラジウム化合物の存在下、一般式
    (4) 【化7】 「但し、Cpはシクロペンタジエニル基を、Lは配位子
    を示す」で示されるgem−ジフルオロビニルジルコノ
    センと、一般式(2) 【化8】Ar−X (2) 「但し、式中、Arはアリール基を示し、Xは臭素原子
    またはヨウ素原子を示す」で表されるハロゲン化物を作
    用させてクロスカップリング反応を行うことを特徴とす
    る一般式(3) 【化9】CF2=CH−Ar (3) 「式中、Arはアリール基を示す」で表されるgem−
    ジフルオロオレフィン類の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005232036A (ja) * 2004-02-17 2005-09-02 Kyoto Univ 多置換オレフィン及びその選択的製造方法
JP2008174562A (ja) * 2000-11-03 2008-07-31 Rohm & Haas Electronic Materials Llc 光感応性酸発生剤およびそれらを含むフォトレジスト
CN115784882A (zh) * 2022-12-05 2023-03-14 山东大学 一种含偕二氟烯烃结构的多氟化合物的合成方法

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