JP3763869B2 - ビフェニル化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアミン化合物を反応系に添加するビフェニル化合物の製造方法に関するものであり、より詳しくは、一般式1で示されるビフェニル化合物の新規な製造方法である。
【0002】
【従来の技術】
本発明の目的物であるビフェニル化合物は、高血圧症や心臓疾患などの心臓血管系の症候群の処置および中枢神経系の疾患の処置等において有用であるアンギオテンシンII拮抗剤の重要中間体として使用することができる。
【0003】
従来の技術としては多くの文献、特許においてビアリール誘導体の合成が試みられている。例えばジャーナルオブオーガニックケミストリィー(J. Org. Chem.)1977年、42巻、1821頁ではハロゲン化アリール誘導体としてフェニル亜鉛クロライドとp−ヨウ化アニソールをNi(0)触媒存在下において反応させ、85%の収率で非対称ビアリール体を得ている。
【0004】
その他多くの文献に関しても同様に原料のハロゲン化アリール誘導体のハロゲンは反応性の良い臭素あるいはヨウ素であり、塩素での反応例は少ない。また、特開平6-65153 号公報に記載された方法では、o−ブロモベンゾニトリルとp−ブロモトルエンを原料とし、59%の収率で目的物を得ている。しかし、原料のハロゲン誘導体を塩素化物に変えた場合は未反応である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
原料であるo−置換ハロベンゼンのハロゲンが臭素やヨウ素の場合、比較的容易にカップリング反応が進行するが、ハロゲンが塩素の場合、反応は極めて低収率でしか進行しない。そこで本発明では原料に価格の安い塩素誘導体を使用しても、高収率で目的のクロスカップリング生成物を与える方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、アミン化合物を反応系へ添加することによって、o−置換ハロベンゼンのハロゲンが反応性の低い塩素の場合であっても臭素化物やヨウ素化物の場合と同様、目的のクロスカップリング反応が短時間で飛躍的に進行することを発見した。
【0007】
即ち本発明は、エーテル系溶媒中、アミン化合物の存在下、ハロゲン化亜鉛、一般式2で示されるp−トリルマグネシウムハライド、一般式3で示されるo−置換ハロベンゼンを用い、ニッケル(0)、ニッケル(II)、パラジウム(0)あるいはパラジウム(II)からなる群から選択された触媒存在下、一般式1で示されるビフェニル化合物を高収率で製造する方法を提供するものである。
Figure 0003763869
(式中、Aは炭素数3〜9のジアルコキシメチル基、炭素数3〜5の飽和ジオキソ環基、あるいはシアノ基を表し、X及びYは塩素あるいは臭素を表わす。)
【0008】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明方法の原料として使用する一般式2で示されるp−トリルマグネシウムハライドは具体的にはp−トリルマグネシウムクロライドあるいはp−トリルマグネシウムブロマイドである。
【0009】
また、もう一方の原料である一般式3のo−置換ハロベンゼンは、置換基Yは塩素あるいは臭素であり、また置換基Aは炭素数3〜9のジアルコキシメチル基、炭素数3〜5の飽和ジオキソ環基、あるいはシアノ基である。炭素数3〜9のジアルコキシメチル基の具体例としてはジメトキシメチル基、ジエトキシメチル基、ジブトキシメチル基等であり、炭素数3〜5の飽和ジオキソ環基の具体例としては1−(2,5−ジオキソラニル)基、1−(2,6−ジオキサニル)基等である。なお、1−(2,5−ジオキソラニル)基、1−(2,6−ジオキサニル)基の構造はそれぞれ以下のものである。
Figure 0003763869
【0010】
一般式2で示される化合物は一般式3で示されるo−置換ハロベンゼンに対してモル比で、 0.5〜 2.5、好ましくは 0.8〜 2.0を用いることができる。
【0011】
本発明方法において使用する触媒はニッケル錯体化合物あるいはパラジウム錯体化合物を挙げることができる。具体的にいえば、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)であり、好ましくはジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)である。また、該触媒の使用量は式3で示されるo−置換ハロベンゼンに対してモル比で、0.03〜0.20、好ましくは0.05〜0.15の範囲で使用することができる。
【0012】
さらに本発明方法においてアミンとして使用するものは特に制限はないが、好ましくはN,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N″,N″−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N′−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ−[2,2,2]−オクタン等のポリアミン類、N,N−ジメチルアニリン、トリエチルアミン、トリフェニルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリイソオクチルアミン、トリス(2−エチルヘキシル)アミン等の三級アミン類、ピリジン、ピコリン、ルチジン、o−フェナントロリン、2,2′−ビピリジル等の芳香族性アミン類であり、とくに好ましくはN,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N″,N″−ペンタメチルジエチレントリアミンあるいはN,N−ジメチルアニリンである。該アミン類の使用量は原料であるo−置換ハロベンゼンに対してモル比で 0.3〜 3.0であり、好ましくは 0.9〜 2.5である。
【0013】
本発明において使用するハロゲン化亜鉛は具体的には塩化亜鉛あるいは臭化亜鉛であり、好ましくは塩化亜鉛である。ハロゲン化亜鉛の使用量は上記アミン化合物に対してモル比で 0.2〜 2.0であり、好ましくは 0.5〜 1.8である。
【0014】
また、本発明方法において使用するエーテル系溶媒としては具体的にはジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジ−2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンであり、好ましくはテトラヒドロフランである。また原料の一つであるp−トリルマグネシウムハライドもこれらの溶媒の溶液として用いることが好ましく、濃度は5から50重量%である。
【0015】
本発明方法における反応温度範囲は−10〜80℃の範囲であり、特に好ましくは30〜70℃である。
【0016】
以上の製造方法によって製造することができるビフェニル化合物は具体的には4−メチル−2′−[1−(2,5−ジオキソラニル)]ビフェニル、4−メチル−2′−[1−(2,5−ジオキサニル)]ビフェニル、4−メチル−2′−(ジメトキシメチル)ビフェニル、4−メチル−2′−(ジエトキシメチル)ビフェニル、4−メチル−2′−(ジプロポキシメチル)ビフェニル、4−メチル−2′−シアノビフェニル等を好適なものとして挙げることができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明方法はアミン化合物、ハロゲン化亜鉛、及びニッケルあるいはパラジウム触媒の存在下、一般式2で示されるp−トリマグネシウムハライドと一般式3で示されるo−置換ハロベンゼンをクロスカップリングさせることにより一般式1で示されるビフェニル化合物を製造するものである。通常、芳香族類のクロスカップリング反応においては基質がクロロ化合物である場合、収率が極めて低く、さらにホモカップリング生成物が増加するため選択性も極めて低い。本発明方法においてはアミン化合物を化学量論量用いることにより、基質がクロロ化合物であっても高収率、高選択性を達成することができた。このことはハロゲン化誘導体のなかでも安価とされるクロロ化合物を使用して製造できるプロセスを提供するという点で工業的価値は甚大である。
【0018】
【実施例】
以下に実施例により本発明方法を具体的に説明する。
【0019】
(実施例1)
300ml三口フラスコに窒素雰囲気下、塩化亜鉛11.0g(0.08mol)、o−クロロ[1−(2,5−ジオキソラニル)]ベンゼン 9.7g(0.05mol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II) 3.1g(0.005mol)を量り取り、50mlのテトラヒドロフランで溶解させた。溶解後、室温でN,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン 9.8g(0.07mol)を加えた。それから、50℃で30分間攪拌し、その後、濃度20.6%のp−トリルマグネシウムクロライドのテトラヒドロフラン溶液60g(0.083mol)を同温度で滴下した。その後、50℃で2時間攪拌して、室温に戻した後、2N−塩酸水溶液で加水分解した。有機層を分離した後、水層をヘキサンで抽出した。合わせた有機層を水洗(2回)し、その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その溶液を濃縮後、得られた茶色油状物をHPLCにより測定した結果、4−メチル−2′−[1−(2,5−ジオキソラニル)]ビフェニルが99%の収率で得られた。このときのクロスカップリング選択率は90%であった。
【0020】
HPLC測定条件
定量法;ビフェニルを内部標準とした内部標準法
カラム;STR−ODSII 4.6mm*25cm
移動相;緩衝液(Na2 HPO4 inH2 O)/アセトニトリル、
検出器;UV(254nm)
【0021】
(実施例2)
100ml三口フラスコに窒素雰囲気下、塩化亜鉛1.10g(0.008mol)、o−クロロ(ジメトキシメチル)ベンゼン0.98g(0.005mol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)0.31g(0.5mmol)を量り取り、20mlのテトラヒドロフランで溶解させた。溶解後、室温でN,N,N′N′−テトラメチルエチレンジアミン0.98g(0.007mol)を加えた。それから、50℃で30分間攪拌し、その後、濃度20.6%のp−トリルマグネシウムクロライドのテトラヒドロフラン溶液 6.0g(0.008mol)を同温度で滴下した。その後、50℃で2時間攪拌して、室温に戻した後、2N−塩酸水溶液で加水分解した。有機層を分離した後、水層をヘキサンで抽出した。合わせた有機層を水洗(2回)し、その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その溶液を濃縮後、得られた茶色油状物をHPLCにより測定した結果、4−メチル−2′−(ジメトキシメチル)ビフェニルが83%の収率で得られた。このときのクロスカップリング選択率は87%であった。
【0022】
(実施例3)
1000ml四口フラスコに窒素雰囲気下、塩化亜鉛61.0g(0.44mol)、o−クロロベンゾニトリル38.2g(0.28mol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)18.4g(0.03mol)を量り取り、 250mlのテトラヒドロフランで溶解させた。溶解後、室温でN,N,N′N′−テトラメチルエチレンジアミン52.2g(0.45mol)を加えた。このときの温度は65℃まで上昇した。それから、50℃で30分間攪拌し、その後、濃度20.6%のp−トリルマグネシウムクロライドのテトラヒドロフラン溶液 325.6g(0.44mol)を同温度で滴下した。その後、50℃で2時間攪拌して、室温に戻した後、2N−塩酸水溶液 440mlで加水分解した。有機層を分離した後、水層をヘキサン 300mlで抽出した。合わせた有機層を水洗(200ml×2回)し、その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その溶液を濃縮後、得られた茶色油状物をHPLCにより測定した結果、4−メチル−2′−シアノビフェニルが82.3%の収率で得られた。このときのクロスカップリング選択率は91.2%であった。さらにこの油状物をイソプロピルアルコールとヘキサンより再結晶化の後、淡白色の4−メチル−2′−シアノビフェニル38gを得た。これは71%の単離収率に相当する。また、この際のHPLCによる純度測定は99.1%であった。
【0023】
(実施例4)
100ml三口フラスコに窒素雰囲気下、塩化亜鉛2.06g(0.015mol)、o−クロロベンゾニトリル1.30g(0.01mol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)0.62g(0.001mol)を量り取り、15mlのテトラヒドロフランで溶解させた。溶解後、室温でN,N,N′,N″,N″−ペンタメチルジエチレントリアミン2.66g(0.015mol)を加えた。それから、50℃で30分間攪拌し、その後、濃度20.6%のp−トリルマグネシウムクロライドのテトラヒドロフラン溶液11.0g(0.015mol)を同温度で滴下した。その後、50℃で2時間攪拌して、室温に戻した後、2N−塩酸水溶液30mlで加水分解した。有機層を分離した後、水層をヘキサン15mlで抽出した。合わせた有機層を水洗(20ml×2回)し、その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その溶液を濃縮後、得られた茶色油状物をHPLCにより測定した結果、4−メチル−2′−シアノビフェニルが
81.0%の収率で得られた。このときのクロスカップリング選択率は88.7%であった。
【0024】
(実施例5)
100ml三口フラスコに窒素雰囲気下、塩化亜鉛3.02g(0.022mol)、o−クロロベンゾニトリル1.89g(0.014mol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)0.45g(0.001mol)を量り取り、15mlのテトラヒドロフランで溶解させた。溶解後、室温でトリエチルアミン2.38g(0.024mol)を加えた。それから、50℃で30分間攪拌し、その後、濃度20.6%のp−トリルマグネシウムクロライドのテトラヒドロフラン溶液16.1g(0.022mol)を同温度で滴下した。その後、50℃で2時間攪拌して、室温に戻した後、2N−塩酸水溶液30mlで加水分解した。有機層を分離した後、水層をヘキサン15mlで抽出した。合わせた有機層を水洗(20ml×2回)し、その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その溶液を濃縮後、得られた茶色油状物をHPLCにより測定した結果、4−メチル−2′−シアノビフェニルが66.4%の収率で得られた。このときのクロスカップリング選択率は77.7%であった。
【0025】
(実施例6)
100ml三口フラスコに窒素雰囲気下、塩化亜鉛2.36g(0.017mol)、o−クロロベンゾニトリル1.46g(0.011mol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)0.69g(0.001mol)を量り取り、15mlのテトラヒドロフランで溶解させた。溶解後、室温でN,N−ジメチルアニリン2.10g(0.017mol)を加えた。それから、50℃で30分間攪拌し、その後、濃度20.6%のp−トリルマグネシウムクロライドのテトラヒドロフラン溶液12.4g(0.017mol)を同温度で滴下した。その後、50℃で2時間攪拌して、室温に戻した後、2N−塩酸水溶液30mlで加水分解した。有機層を分離した後、水層をヘキサン15mlで抽出した。合わせた有機層を水洗(20ml×2回)し、その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その溶液を濃縮後、得られた茶色油状物をHPLCにより測定した結果、4−メチル−2′−シアノビフェニルが78.1%の収率で得られた。このときのクロスカップリング選択率は84.9%であった。
【0026】
(実施例7)
100ml三口フラスコに窒素雰囲気下、塩化亜鉛2.62g(0.019mol)、o−クロロベンゾニトリル2.67g(0.01mol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)0.38g(0.001mol)を量り取り、10mlのテトラヒドロフランで溶解させた。溶解後、室温でピリジン1.62g(0.021mol)を加えた。それから、50℃で30分間攪拌し、その後、濃度20.6%のp−トリルマグネシウムクロライドのテトラヒドロフラン溶液14.3g(0.019mol)を同温度で滴下した。その後、50℃で2時間攪拌して、室温に戻した後、2N−塩酸水溶液30mlで加水分解した。有機層を分離した後、水層をヘキサン15mlで抽出した。合わせた有機層を水洗(20ml×2回)し、その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その溶液を濃縮後、得られた茶色油状物をHPLCにより測定した結果、4−メチル−2′−シアノビフェニルが67.5%の収率で得られた。このときのクロスカップリング選択率は82.0%であった。
【0027】
(比較例1)
100ml三口フラスコに窒素雰囲気下、塩化亜鉛0.98g(0.007mol)、o−クロロ[1−(2,5−ジオキソラニル)]ベンゼン1.29g(0.007mol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)0.17g(0.3mmol)を量り取り、10mlのテトラヒドロフランで溶解させた。溶解後、50℃で30分間攪拌し、その後、濃度20.6%のp−トリルマグネシウムクロライドのテトラヒドロフラン溶液5.69g(0.008mol)を同温度で滴下した。その後、50℃で2時間攪拌して、室温に戻した後、2N−塩酸水溶液で加水分解した。有機層を分離した後、水層をヘキサンで抽出した。合わせた有機層を水洗(2回)し、その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その溶液を濃縮後、得られた茶色油状物をHPLCにより測定した結果、4−メチル−2′−[1−(2,5−ジオキソラニル)]ビフェニルが32.0%の収率で得られた。このときのクロスカップリング選択率は
70.0%であった。
【0028】
(比較例2)
100ml三口フラスコに窒素雰囲気下、塩化亜鉛0.98g(0.007mol)、o−クロロベンゾニトリル1.00g(0.007mol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)0.17g(0.3mmol)を量り取り、10mlのテトラヒドロフランで溶解させた。溶解後、50℃で30分間攪拌し、その後、濃度20.6%のp−トリルマグネシウムクロライドのテトラヒドロフラン溶液5.69g(0.008mol)を同温度で滴下した。その後、50℃で2時間攪拌して、室温に戻した後、2N−塩酸水溶液30mlで加水分解した。有機層を分離した後、水層をヘキサン15mlで抽出した。合わせた有機層を水洗(20ml×2回)し、その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その溶液を濃縮後、得られた茶色油状物をHPLCにより測定した結果、4−メチル−2′−シアノビフェニルが38.0%の収率で得られた。このときのクロスカップリング選択率は73.0%であった。

Claims (6)

  1. エーテル系溶媒中、アミン化合物の存在下、ハロゲン化亜鉛、一般式2で示されるp−トリルマグネシウムハライド、一般式3で示されるo−置換ハロベンゼンを用い、ニッケル(0)、ニッケル(II)、パラジウム(0)あるいはパラジウム(II)からなる群から選択された触媒存在下、一般式1で示されるビフェニル化合物を製造する方法。
    Figure 0003763869
    (式中、Aは炭素数3〜9のジアルコキシメチル基、炭素数3〜5の飽和ジオキソ環基、あるいはシアノ基を表し、X及びYは塩素あるいは臭素を表わす。)
  2. アミン化合物がN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ−[2,2,2]−オクタン、N,N−ジメチルアニリン、トリエチルアミン、トリフェニルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリイソオクチルアミン、トリス(2−エチルヘキシル)アミン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、o−フェナントロリン、2,2’−ビピリジルから選ばれた少なくとも1種アミン化合物である、請求項1記載の方法。
  3. ハロゲン化亜鉛1モル当たり、アミン化合物0.2〜2.0モルを用いる請求項2記載の方法。
  4. 触媒がジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)であり、一般式3で示されるo−置換ハロベンゼン1モル当たり、触媒を0.03〜0.20モル用いる請求項1〜3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 一般式3で示されるo−置換ハロベンゼン1モル当たり、一般式2で示される化合物0.5〜2.5モルを用いる、請求項1〜4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 反応温度が−10〜80℃の間で行われる、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
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