JP4050901B2 - 1,3−アダマンタンジオールの製造方法 - Google Patents

1,3−アダマンタンジオールの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機能性材料や電子材料の原料として有用な1,3−アダマンタンジオールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アダマンタン誘導体は耐熱性に優れ透明性が高い特徴を有することから耐熱性高分子等の高機能性材料や半導体用レジスト等の電子材料に応用することが期待されている化合物である。中でも1,3−アダマンタンジオールは、機能性高分子を始めとする種々のアダマンタン誘導体を合成する原料として重要である。
【0003】
1,3−アダマンタンジオールをアダマンタンから直接合成する方法としては、イミド化合物及びコバルト化合物の存在下、アダマンタンを酸素酸化させる方法[特開平9−327626号公報]や、ルテニウム化合物の存在下アダマンタンを次亜塩素酸類により酸化させる方法[特開2000−219646]などが報告されている。しかしながら、これらの方法は、通常、目的物がアダマンタノール、アダマンタノン等との混合物として得られ、収率は前記イミド化合物を使用した反応の場合58%であり、前記ルテニウム触媒を使用した反応の場合55%であり、どちらも満足できる収率ではない。
【0004】
一方、1,3−アダマンタンジオールをより高収率に得る方法として、アダマンタンから1,3−ジブロモアダマンタンを経由して1,3−アダマンタンジオールを得る方法が考えられる。ここで、アダマンタンから1,3−ジブロモアダマンタンを得る方法としては、アダマンタンに臭化ホウ素及び臭化アルミニウムを作用させる方法[J.Chem.Soc.C,1902(1963)]などがあり、また、1,3−ジブロモアダマンタンから1,3−アダマンタンジオールを得る方法としては、ピリジンの存在下、水と反応させる方法[特開2000−327604]が報告されている。
【0005】
しかして、前者の方法では、1,3−ジブロモアダマンタンは、アダマンタンから86%の収率で単離されており、後者の方法では、1,3−アダマンタンジオールは、1,3−ジブロモアダマンタンから89%の収率で得られている。したがって、これら二つの方法を組み合せて行い、まず、前者の方法を行って反応液から1,3−ジブロモアダマンタンを単離し、この1,3−ジブロモアダマンタンを用いて後者の方法により1,3−アダマンタンジオールを製造するとすれば、該目的物の収率はアダマンタンに対して70〜80%になることになる。この収率は、かなり良好ではあるものの、今一つ満足できるものではなく、さらに向上させることが望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上の背景にあって本発明は、より高収率で、アダマンタンから1,3−アダマンタンジオールを製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、アダマンタンをハロスルホン酸等によりジハロゲン化して複数のジハロゲン化アダマンタンを含有するジハロゲン化アダマンタンの混合物を得、1,3 - ジハロゲン化アダマンタンを単離することなく、ピリジン類の存在下、これと水とを反応させることにより、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、アダマンタンをジハロゲン化して複数のジハロゲン化アダマンタンを含有するジハロゲン化アダマンタンの混合物を得、該ジハロゲン化アダマンタンの混合物を1,3 - ジハロゲン化アダマンタンを単離することなく、ピリジン類の存在下、水と反応させることを特徴とする1,3−アダマンタンジオールの製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明では、第一段階として、アダマンタンをジハロゲン化して複数のジハロゲン化アダマンタンを含有するジハロゲン化アダマンタンの混合物(以下、単にジハロゲン化アダマンタンの混合物ともいう)を得る。ここで、アダマンタンをジハロゲン化して生成するジハロゲン化アダマンタンは、1,3−ジハロゲン化アダマンタンが主であり、これに1,2−ジハロゲン化アダマンタン及び1,4−ジハロゲン化アダマンタンも少量生成したものになる。
【0010】
アダマンタンのジハロゲン化反応は、公知の如何なる方法で実施しても良く、例えば前記した[J.Chem.Soc.C,1902(1963)]に記載されるようなハロゲン化ホウ素及びハロゲン化アルミニウムを作用させる方法や、収率は劣るが、[“Unit Process in Organic Chemistry”,p.168,McGraw-Hill(1947)]や[J.Am.Chem.Soc.,68,620(1946)]に記載されるような、ハロゲンを用いる一般的な直接ハロゲン化をアダマンタンに適用する方法であっても良い。
【0011】
上記ジハロゲン化アダマンタンの混合物の収率の良さや後述する該目的物の分離のし易さ等の理由から、アダマンタンとハロスルホン酸とを反応させる方法が好ましい。
【0012】
この反応において使用するハロスルホン酸は、
XSO
(式中、Xはハロゲンを示す。)
で示される化合物である。ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。具体的にはハロスルホン酸として、クロロスルホン酸、ブロモスルホン酸、ヨードスルホン酸等が挙げられ、入手の容易さから特にクロロスルホン酸が好ましい。
【0013】
上記反応において、アダマンタンとハロスルホン酸の仕込割合は、特に制限されるものではないが、ハロスルホン酸の量があまり少ないと反応が十分に進行しなくなるため、ハロスルホン酸の仕込割合はアダマンタンに対して2倍モル量以上であるのが好ましい。収率をより向上させるため、および後述するように有機溶媒を使用せずに反応を遂行する場合において、反応媒体として十分な量とするために、ハロスルホン酸の仕込割合は、アダマンタンに対して5〜15倍モル量、最も好適には8〜12倍モル量であるのが好ましい。
【0014】
反応条件は、特に限定されるものではないが、通常−5℃〜30℃の範囲で適当な温度を選択する。また、反応時の圧力は、特に限定されるものではないが、通常、常圧で実施する。反応時間は、ジハロゲン化アダマンタンの混合物の選択率向上のため、3〜24時間が好ましい。
【0015】
アダマンタンとハロスルホン酸との混合は、如何なる方法により行っても良いが、通常は、アダマンタンまたはその有機溶液に、ハロスルホン酸を滴下することにより行うのが好ましい。
【0016】
上記アダマンタンとハロスルホン酸との反応は、有機溶媒中で実施しても良いが、有機溶媒の不存在下で実施するのが特に好ましい。すなわち、ハロスルホン酸は、アダマンタンやジハロゲン化アダマンタンに対する溶解度は極めて小さいのに対して、反応の中間生成物であるモノハロゲン化アダマンタンに対する溶解度は大きいという特異な溶解性状を有している。したがって、有機溶媒を使用せず、反応試剤であるハロスルホン酸を反応媒体としても利用すれば、該ハロスルホン酸が有する上記特異な溶解性状により、以下のようにジハロゲン化アダマンタンの混合物はより選択的に、高純度で得ることが可能になる。
【0017】
すなわち、アダマンタンとハロスルホン酸を仕込むと、反応液は当初、懸濁状態であるが、モノハロゲン化アダマンタンが生成してくると、該中間生成物は、ハロスルホン酸に良く溶解するため反応液は透明な均一溶液に変化する。そして、生成したモノハロゲン化アダマンタンは、ハロスルホン酸の溶液中でジハロゲン化体に円滑に反応していくが、生成したジハロゲン化アダマンタンの混合物は、前記の如くハロスルホン酸に対して溶解度が小さいためその大部分は析出し、反応液は再び懸濁状態を呈してくる。このように析出状態になると、ジハロゲン化アダマンタンの混合物がさらに高次にハロゲン化される反応が著しく抑制されるため、トリハロゲン化アダマンタン等の混入量を大きく低下させ、目的とするジハロゲン化アダマンタンの混合物を高い収率で得ることができる。
【0018】
本発明では、このようにして得られたアダマンタンのジハロゲン化反応液から、ジハロゲン化アダマンタンの混合物を分離する。この際、アダマンタンとハロスルホン酸との反応を、前記の如く有機溶媒の不存在下で実施した場合には、生成したジハロゲン化アダマンタンの混合物は反応液中に析出しており、これらはろ過により簡単に分離できるため有利である。しかも、この方法によれば、モノハロゲン化アダマンタンは反応液中に存在するため、分離したジハロゲン化アダマンタンの混合物中に混入することが大きく抑制することができる。
【0019】
ろ過は、窒素雰囲気下で実施するのが好ましく、反応液の温度もあまり高いとトリハロゲン体化への反応が進行する可能性があり、またジハロゲン化アダマンタンの混合物の溶解度が増加し収量が減少する懸念もあるため、常温以下の温度で実施するのが好ましい。
【0020】
以上により得られたジハロゲン化アダマンタンの混合物の析出物は、水洗した後、乾燥させることにより黄色の粉末として得られる。該粉末には、通常、1,3−ジハロゲン化アダマンタンが85〜95質量%含まれ、その他、1,2−ジハロゲン化アダマンタン及び1,4−ジハロゲン化アダマンタンが合計で3〜10質量%含まれている。
【0021】
なお、前記アダマンタンとハロスルホン酸との反応は、有機溶媒中で実施することも可能であり、この場合、該有機溶媒としては、ハロスルホン酸との反応性を有さないものであれば制限なく使用できる。具体的には、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒が好適に使用できる。
【0022】
アダマンタンとハロスルホン酸との反応に用いる設備は、ハロスルホン酸が水分と反応して分解し酸性ガスを発生するのを防ぐため、大気との接触を断つ構造を有するものであるのが好ましい。また、設備内部は、あらかじめ窒素等の不活性ガスで十分置換・乾燥しておき、反応中は密閉するか窒素等の不活性ガスを通気することにより反応を実施するのが望ましい。
【0023】
次に、本発明では、第二段階として、以上の方法により得られた複数のジハロゲン化アダマンタンを含有するジハロゲン化アダマンタンの混合物を用い、これをピリジン類の存在下、水と反応させて1,3−アダマンタンジオールを生成させる。このように第一段階の反応で得られた1,3−ジハロゲン化アダマンタンを単離せず、前記その他のジハロゲン化アダマンタンとの混合物の状態で、該第二段階の反応に供することにより、1,3−アダマンタンジオールは、極めて高い収量で得られるものになる。その程度は、上記ジハロゲン化アダマンタンの混合物中に含まれる1,3−ジハロゲン化アダマンタンと同量の該化合物を原料に用いて、上記第二段階の反応を行った際に得られる1,3−アダマンタンジオールの収量を、大きく上回るものになる。
【0024】
第二段階の反応において、ピリジン類とはピリジン環を有する化合物を示し、例えば、ピリジン、ピコリン、キノリン、アミノピリジン等が挙げられるが、ピリジンが好適に用いられる。
【0025】
ピリジン類の添加量は、特に限定されるものではないが、反応性を考慮し、アダマンタンに対して等モル量以上、好ましくは4〜20倍モル量とすることが良い。水の添加量は、特に限定されるものではないが、反応性及び生成物の溶解性を考慮すると、アダマンタンに対して5倍モル量以上、好ましくは50〜500倍モル量とすることが良い。
【0026】
第二段階の反応温度は、120〜200℃であり、好適には140〜180℃で実施するのが良い。溶媒の蒸発を防ぐため、および適当な反応温度を達成するため、反応は密閉系で行うことが好ましく、その場合の圧力は通常0.1〜0.8MPaである。反応時間は、反応液中のジハロゲン化アダマンタンの混合物の濃度によって異なるが、反応を完結させるため、3〜12時間が好ましい。
【0027】
第二段階の反応液は、当初は懸濁状態を呈しているが、反応が進むにつれて透明溶液へと変化する。これは、生成した1,3−アダマンタンジオールが水を含む溶媒に可溶なためである。反応後からの1,3−アダマンタンジオールの単離は、如何なる方法で行っても良いが、簡便さから次の方法が好ましい。
【0028】
すなわち、反応液をろ過した後、溶液にジハロゲン化アダマンタンの二倍モル量のアルカリを加え、発生したハロゲン化水素を処理する。該アルカリには、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等を用いることができる。この後、溶液に飽和となるよう多量の塩を投入するとピリジン類が遊離してくる。この有機相を適当な有機溶媒で抽出し、溶媒を除去して乾燥後、クロロホルム等のハロゲン化有機溶媒、アセトン、テトラヒドロフラン等の有機溶媒で洗浄すると、1,3−アダマンタンジオールの白色固体が得られる。
【0029】
第二段階の反応に用いる設備は、前記反応条件を達成するため、反応温度及び反応圧力に耐えられる構造を有するものであれば良い。また、酸化による副反応の進行を防ぐため、設備内部は、あらかじめ窒素等の不活性ガスで十分置換することが望ましい。
【0030】
【作用】
本発明によれば、アダマンタンを原料として、1,3−アダマンタンジオールを極めて高い収率で得ることができる。すなわち、前記したように第二段階の反応において、1,3−アダマンタンジオールの収量が、反応に供された1,3−ジハロゲン化アダマンタンの量から予測される量を大きく上回るため、上記アダマンタンから1,3−アダマンタンジオールを得る反応の収率は、第一段階の反応におけるアダマンタンから1,3−ジハロゲン化アダマンタンを得る反応、および第二段階の反応における1,3−ジハロゲン化アダマンタンから1,3−アダマンタンジオール得る反応の各収率をもとにして予想される値よりも、かなり高いものになる。具体的には、個々の反応から予想される、アダマンタンから1,3−アダマンタンジオールを得る収率はせいぜい75〜80%程度であるはずにも関わらず、本発明の方法では、それを数%上回る収率、好適には3〜6%も上回る収率で1,3−アダマンタンジオールを得ることが可能になる。
【0031】
本発明において、このように1,3−アダマンタンジオールが高い収率で得られる理由は定かではないが、生成物の純度が高いことなどから、第一段階で得られた1,3−ジハロゲン化アダマンタンを、副生した1,2−ジハロゲン化アダマンタンや1,4−ジハロゲン化アダマンタンのその他のジハロゲン化アダマンタンとの混合物として第二段階の反応に供することにより、これらその他のジハロゲン化アダマンタンが上記反応の過程で転位を起こし、これらからも1,3−アダマンタンジオールが生成するためではないかと推察される。
【0032】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、アダマンタンから1,3−アダマンタンジオールが極めて高い収率で得られる。また、得られた1,3−アダマンタンジオールの純度が、通常、95%以上と高いため、簡単な精製により純度98%以上といった固体も得ることが可能である。さらに、第一段階のアダマンタンから1,3−ジハロゲン化アダマンタンを得る反応後、反応生成物である複数のジハロゲン化アダマンタンを含有するジハロゲン化アダマンタンの混合物から、上記目的化合物を単離しなくても良いので、反応操作が簡単である。
【0033】
本発明の方法により得られた1,3−アダマンタンジオールは耐熱性高分子等の機能性材料やレジスト等の電子材料などの原料として有効に使用することができる。
【0034】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に述べるが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
【0035】
実施例1
アダマンタン5.0g(0.037mol)を100mlの三つ口フラスコに入れ、窒素ガスを通じて乾燥させた。次に、T字管につなぎ換えて窒素をフローしたまま、温度を0℃まで冷却し、クロロスルホン酸43.1g(0.37mol)を滴下し第一段階の反応を開始した。懸濁状となった反応液の温度を10℃まで上げると、反応液から発泡が始まった。発泡が収まるまでそのままの温度を維持すると、2時間後溶液は透明の均一溶液となった。
【0036】
次に、温度を20℃まで上げると穏やかに発泡が再開し、このまま5時間反応させた。懸濁状となった反応溶液を、窒素雰囲気下ろ過分離し、得られた固体を氷水に注ぎ、ろ別し、水洗後、乾燥させて7.1g(収率94%)の黄色の固体を得た。該固体中には、1,3−ジクロロアダマンタンが91質量%(6.5gに相当)、1,2−ジクロロアダマンタン及び1,4−ジクロロアダマンタンが合計6質量%含まれていた。
【0037】
この固体を耐圧反応装置に入れ、ピリジン27.4g(ジクロロアダマンタンに対して約10倍モル量)と水125.0g(同約200倍モル量)を加え、窒素置換の後、密閉して150℃で3時間、第二段階の反応を実施した。反応液をろ過後、炭酸ナトリウム3.7gを加え、約20gの塩化ナトリウムを入れて、ピリジンを分離させた。ピリジン相にテトラヒドロフラン100mlを加えて分液、水相に更にテトラヒドロフラン100mlを加えて分液し、有機相を合わせて溶媒を除去後、クロロホルム及び氷冷したアセトンで洗浄し、乾燥させて、5.3g(アダマンタンを基準とした収率86%、1,3−ジクロロアダマンタンを基準とした収率99%)の白色固体を得た。
【0038】
この白色固体をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、1,3−アダマンタンジオールが99%であった。
【0039】
比較例1
中間生成物の黄色固体をアセトニトリル−水溶媒で再結晶した、6.5g(実施例1で第二段階の反応供した黄色固体中の1,3−ジクロロアダマンタン量に相当)の1,3−ジクロロアダマンタン(純度99%)を耐圧反応装置に入れ、実施例1と同様に第二段階の反応を実施したところ、4.9g(収率92%)の白色固体を得た。
【0040】
得られた白色固体の分析結果は、1,3−アダマンタンジオールが100%であった。
【0041】
実施例2
実施例1において、クロロスルホン酸43g(0.37mol)を、ブロモスルホン酸59.6g(0.37mol)に変える以外は、同様に実施した。なお、アダマンタンとブロモスルホン酸の反応では、9.9g(収率92%)の黄色の固体が得られ、該固体中には、1,3−ジブロモアダマンタンが93質量%(9.2gに相当)、1,2−ジブロモアダマンタン及び1,4−ジブロモアダマンタンが合計4質量%含まれていた。
【0042】
上記の結果、5.1g(アダマンタンを基準とした収率83%、1,3−ジブロモアダマンタンを基準とした収率97%)の白色の固体を得た。
【0043】
得られた白色固体の分析結果は、1,3−アダマンタンジオールが100%であった。
【0044】
比較例2
市販の1,3−ジブロモアダマンタン(純度99%)9.2g(実施例2で第二段階の反応供した黄色固体中の1,3−ジブロモアダマンタン量に相当)を耐圧反応装置に入れ、実施例1と同様に第二段階の反応を実施したところ、4.9g(収率93%)の白色固体を得た。
【0045】
得られた白色固体の分析結果は、1,3−アダマンタンジオールが99%であった。

Claims (3)

  1. アダマンタンをジハロゲン化して複数のジハロゲン化アダマンタンを含有するジハロゲン化アダマンタンの混合物を得、該ジハロゲン化アダマンタンの混合物を1,3 - ジハロゲン化アダマンタンを単離することなく、ピリジン類の存在下、水と反応させることを特徴とする1,3−アダマンタンジオールの製造方法。
  2. アダマンタンをジハロゲン化して複数のジハロゲン化アダマンタンを含有するジハロゲン化アダマンタンの混合物を得る反応が、アダマンタンとハロスルホン酸とを反応させる反応である請求項1記載の1,3−アダマンタンジオールの製造方法。
  3. ハロスルホン酸がクロロスルホン酸である請求項2記載の1,3−アダマンタンジオールの製造方法。
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