JP2018070601A - ハロゲン化合物の製造方法 - Google Patents

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雅彦 関
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Abstract

【課題】高効率で経済的に有利なヨウ素化合物の製造方法の提供。【解決手段】硫酸、メタンスルホン酸、およびトリフルオロメタンスルホン酸から選ばれる少なくとも1種の酸、並びに酸化剤の存在下、ベンゼン誘導体と、ハロゲン化水素、およびハロゲン塩から選ばれる少なくとも1種のハロゲン化剤とを反応させることにより相当するベンゼン誘導体のハロゲン化合物を製造する方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ハロゲン化合物の新規な製造方法に関する。詳しくは、高効率で経済的に有利なハロゲン化合物の新規な製造方法に関する。
ハロゲン化合物は、その反応性の高さから、様々な化合物の原料(原体)として使用されている。中でも、ハロゲン化合物の1種である、ヨウ素化合物は、医薬、農薬の各種原料、原体として有用な化合物である(特許文献1、非特許文献1参照)。
これらヨウ素化合物の合成方法としては、直接、ヨウ素化する方法が一般的である。しかしながら、従来報告されているヨウ素化反応は、高温度で長時間の反応を実施する必要があった。加えて、電子吸引性基を有する不活性ベンゼン誘導体のヨウ素化は、困難であり、しばしば反応そのものが進行しない例も報告されている。例えば、ペルオキシ一硫酸カリウムの複塩(2KHSO・KHSO・K2SO;登録商標「オキソン」)存在下、メタノール中、臭素、ニトロ基、カルボキシル基等の電子吸引性基を有するベンゼン誘導体は、ヨウ化アンモニウムと反応しない場合があることが確認されている(例えば、非特許文献2参照)。
これに対して、電子吸引性基(例えば、エステル結合でベンゼン環と結合する基)を有するベンゼン誘導体のヨウ素化についても検討されている。具体的には、ヨウ素と該ベンゼン誘導体(例えば、2−メチル安息香酸)とを、多孔質化合物の存在下で反応させる方法が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。多孔質化合物を存在させているため、これら方法によれば、特定の位置にヨウ素を導入することができる。
これらの方法においては、実際には、硫酸(酢酸を併用)を使用し、酸化剤として、過ヨウ素酸、ヨウ素酸、および過硫酸ナトリウムを使用し、ヨウ素とベンゼン誘導体とを特定の多孔質化合物の存在下で反応させている。使用する試薬の問題であると考えられるが、これらの方法においては、反応を完結させるためには、比較的高温(具体的には、110〜130℃)で10時間程度の長時間が必要であった。
また、次の方法も知られている。具体的には、硫酸中、N−ヨードサクシンイミド(N−Iodosuccinimide、以下「NIS」とする場合もある)、又は1,3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントイン(1,3−Diiodo−5,5−dimethylhydantoin、以下「DIH」)をヨウ素化剤として使用する例(例えば、非特許文献3、4参照)である。しかしながら、これら「NIS」、「DIH」が高価な試薬であるため、工業的な生産とするのが難しいのが現状である。
米国特許出願公開第2010/0099883号明細書 国際公開WO2004/069722号 国際公開WO2005/003073号
Tohnishi,M. 等 J. Pestic. Sci. 2005,30,354 Krishna Mohan,K. V. V. 等 J. Tetrahedron Lett. 2004,45,8015 Chaikovskii, V. K. 等 Russ. J. Org. Chem. 2007,43,1278 Chaikovskii, V. K. 等 Russ. J. Org. Chem. 2009,45,1349
したがって、本発明の目的は、比較的に安価な試薬・材料を使用し、比較的緩和な条件であっても、高い収率で効率よく、所望とするハロゲン化合物を製造できる方法を提供することにある。特に、ヨウ素化合物を製造できる方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。そして、ハロゲン化水素(例えば、ヨウ化水素等)、およびハロゲン塩(例えば、ヨウ化アルカリ)のような比較的安価な材料(ハロゲン化剤)を使用し、かつ、酸化剤、および酸の存在下でベンゼン誘導体を反応させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)硫酸、メタンスルホン酸、およびトリフルオロメタンスルホン酸から選ばれる少なくとも1種の酸、並びに酸化剤の存在下、
下記式(1)
Figure 2018070601
(式中、
は、エステル結合でベンゼン環と結合する基、アミド結合でベンゼン環と結合する基、スルホキシド結合でベンゼン環と結合する基、スルホン酸エステル結合でベンゼン環と結合する基、アルデヒド基、ニトリル基、ニトロ基、又はハロゲン原子であり、
aは、1〜5の整数であり、aが2以上の場合、Rは、それぞれ、同一の基であっても、異なる基であってよく、
は、アルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基であり、
bは、0〜4の整数であり、bが2以上の場合、Rは、それぞれ、同一の基であっても、異なる基であってもよく、
ただし、a+bは、1〜5の整数である。)
で示されるベンゼン誘導体と、
ハロゲン化水素、およびハロゲン塩から選ばれる少なくとも1種のハロゲン化剤と
を反応させることにより、
下記式(2)
Figure 2018070601
(式中、
、R、a、およびbは、前記式(1)におけるもと同義であり、
Xは、ハロゲン原子であり、
cは、1〜5の整数であり、
ただし、a+b+cは2〜6の整数である。)で示されるハロゲン化合物を製造する方法である。
以下、本発明は、以下の態様をとることができる。
(2)前記酸化剤が、ペルオキシ一硫酸カリウムの複塩(2KHSO・KHSO・KSO)、ジメチルスルホキシド、および臭素酸カリウムから選ばれる少なくとも1種の化合物である前記(1)の方法。この方法によれば、より高収率で比較的緩和な条件で反応を行うことができる。
(3)さらに、多孔質化合物の存在下において、前記式(1)で示されるベンゼン誘導体と前記ハロゲン化剤とを反応させる前記(1)又は前記(2)の方法。この方法によれば、異性体等の不純物を低減し、目的物の収率を高めることができる。
(4)さらに、ニトロメタンの存在下において、前記式(1)で示されるベンゼン誘導体と前記ハロゲン化剤とを反応させる前記(1)〜(3)の何れかの方法。この方法によれば、より高収率で純度の高い目的物を得ることができる。
(5)前記ハロゲン塩が、ヨウ化アルカリ、ヨウ化アンモニウム、およびヨウ化トリアルキルアンモニウムから選ばれる少なくとも1種の塩である前記(1)〜(4)の何れかの方法。これら塩は安価である点で有利であり、さらに取り扱い易く操作性が向上する。
(6)前記ハロゲン化水素が、ヨウ化水素である前記(1)〜(5)の何れかの方法。ヨウ化水素は安価であり、しかも、得られる化合物を様々な反応に利用できる。
(7)前記酸化剤が、ペルオキシ一硫酸カリウムの複塩(2KHSO・KHSO・KSO)であり、前記式(1)で示されるベンゼン誘導体と前記前記ハロゲン化剤との反応を−20℃以上30℃以下の温度範囲で行う前記(1)〜(6)の何れかの方法。この条件であっても、高い収率で目的物を得ることができ、従来技術よりも緩和な条件で製造が可能となる。
(8)前記式(1)で示されるベンゼン誘導体が、
下記式(3)
Figure 2018070601
(式中、
、およびRは、前記式(1)におけるものと同義である。)で示される化合物であり、得られるハロゲン化合物が、
下記式(4)
Figure 2018070601
(式中、
、およびRは、前記式(1)におけるものと同義であり、
Xは、前記式(2)におけるものと同義である。)で示される化合物である前記(1)〜(7)の何れかの方法。本発明は、該ハロゲン化合物を製造する際に、特に効果を発揮する。
本発明の方法によれば、比較的に安価な試薬・材料を使用し、比較的緩和な条件であっても、高い収率で効率よく、所望とするハロゲン化合物を製造できる。特に、ヨウ化水素、およびヨウ素塩から選ばれるヨウ素源を使用した場合に、効果を発揮する。加えて、多孔質化合物、および/又はニトロメタンのような極性溶媒を反応系内に存在させることにより、より効果的に目的物の収率を高くすることができ、純度も高めることができる。以上のことから、本発明は、工業的利用価値が高い。
本発明は、特定の構造を有するベンゼン誘導体と、特定のハロゲン化剤とを、
硫酸、メタンスルホン酸、およびトリフルオロメタンスルホン酸から選ばれる少なくとも1種の酸、および酸化剤の存在下で反応させることにより、高効率で目的とするヨウ素化合物を製造する方法である。以下、順を追って説明する。
(酸)
本発明においては、硫酸、メタンスルホン酸、およびトリフルオロメタンスルホン酸から選ばれる少なくとも1種の酸を使用する。これら酸は、後述する酸化剤とは異なるものである。これら酸と後述する酸化剤とを併用することにより、比較的緩和な条件であっても反応を進められるものと考えられる。これら酸は、試薬として販売されている市販のものを使用することができる。また、これら酸は、使用する温度にもよるが、各成分を混合接触し易くするように媒体(溶媒の役割)としても利用できる。なお、本発明においては、硫酸、メタンスルホン酸、およびトリフルオロメタンスルホン酸の3種を酸とする。そのため、一般的に酸と位置付けられるそれ以外のもの、例えば、酢酸は、本発明における酸に該当しないものとする。本発明において、酢酸は、後述する溶媒に分類分けされる。
これら酸の中でも、反応効率、操作性向上等を考慮すると、硫酸を使用することが好ましい。本発明において、硫酸を使用する場合には、水を少量含む硫酸であってもよい。ただし、含まれる水の量が多過ぎると、反応効率が低下するおそれがあるため、具体的には、硫酸90〜100質量%、水0〜10質量%含む濃硫酸であることが好ましい。なお、当然のことではあるが、水を含まない硫酸(硫酸100質量%)を使用することも可能である。
本発明において、酸の使用量は、特に制限されるものではなく、使用するベンゼン誘導体(以下、単に「基質」とする場合もある)、ハロゲン化水素、およびハロゲン塩から選ばれる少なくとも1種のハロゲン化剤、並びに目的とするハロゲン化合物に応じて適宜決定することができる。中でも、生産性を高くし、精製等の後工程を容易とするためには、基質1質量部に対して、0.01〜100質量部の酸を使用することが好ましい。
(酸化剤)
本発明において、酸化剤は、ハロゲン化反応に使用される公知の酸化剤を使用することができる。中でも、より比較的緩和な条件で、より高い収率でハロゲン化合物を得るためには、ペルオキシ一硫酸カリウムの複塩(2KHSO・KHSO・KSO)、ジメチルスルホキシド(以下、「DMSO」とする場合もある)、および臭素酸カリウムを使用することが好ましい。ペルオキシ一硫酸カリウムの複塩(2KHSO・KHSO・KSO)、DMSO、および臭素酸カリウムは、市販のものを使用することができる。
中でも、より一層、緩和な条件で反応を実施するためには、ペルオキシ一硫酸カリウムの複塩(2KHSO・KHSO・KSO)を使用することが好ましい。このペルオキシ一硫酸カリウムの複塩(2KHSO・KHSO・KSO)は、例えば、「オキソン」(登録商標)という商品名で販売されている。このペルオキシ一硫酸カリウムの複塩(2KHSO・KHSO・KSO)を使用することにより、−20〜30℃の温度範囲で反応を実施したとしても(反応温度を−20〜30℃としても)、比較的短時間であっても、高い収率で目的物のヨウ素化合物を得ることができる。
本発明において、酸化剤の使用量は、特に制限されるものではなく、使用するベンゼン誘導体、ハロゲン化剤、および目的とするハロゲン化合物に応じて適宜決定することができる。中でも、生産性を高くし、精製等の後工程を容易とするためには、ハロゲン化水素またはハロゲン塩(ハロゲン化剤)において、ハロゲン原子1モルに対して、1〜10モルの酸化剤を使用することが好ましい。なお、ペルオキシ一硫酸カリウムの複塩(2KHSO・KHSO・KSO)を使用した場合には、前記酸化剤の使用量は、活性酸素換算で計算した値である。
(基質;ベンゼン誘導体)
本発明において、基質(材料)となるベンゼン誘導体は、
下記式(1)
Figure 2018070601
(式中、
は、エステル結合でベンゼン環と結合する基、アミド結合でベンゼン環と結合する基、スルホキシド結合でベンゼン環と結合する基、スルホン酸エステル結合でベンゼン環と結合する基、アルデヒド基、ニトリル基、ニトロ基、又はハロゲン原子であり、
aは、1〜5の整数であり、aが2以上の場合、Rは、それぞれ、同一の基であっても、異なる基であってよく、
は、アルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基であり、
bは、0〜4の整数であり、bが2以上の場合、Rは、それぞれ、同一の基であっても、異なる基であってもよく、
ただし、a+bは、1〜5の整数である。)で示される化合物である。すなわち、本発明によれば、エステル結合でベンゼン環と結合する基のような電子吸引性基を有する不活性ベンゼン誘導体であっても、効率よくハロゲン化合物を製造できる。
(Rの説明)
前記式(1)において、
は、エステル結合でベンゼン環と結合する基、アミド結合でベンゼン環と結合する基、スルホキシド結合でベンゼン環と結合する基、スルホン酸エステル結合でベンゼン環と結合する基、ニトリル基、ニトロ基、又はハロゲン原子である。これら基は、電子吸引性基となる。
エステル結合でベンゼン環と結合する基としては、基の分子内にエステル結合を有し、そのエステル結合でベンゼン環と結合する基であれば、特に制限されるものではない。具体的には、炭素数1〜10のアルキル基を有するアルキルエステル基、炭素数7〜20のアラルキル基を有するアラルキルエステル基、炭素数6〜20のアリール基を有するアリールエステル基、又はカルボキシル基が挙げられる。なお、前記アリール基、および前記アラルキル基は、置換基を有していてもよく、その置換基は、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
アミド結合でベンゼン環と結合する基としては、基の分子内にアミド結合を有し、そのアミド結合でベンゼン環と結合する基であれば、特に制限されるものではない。具体的には、炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキルアミド基、炭素数7〜20のアラルキル基を有するアラルキルアミド基、炭素数6〜20のアリール基を有するアリールアミドエステル基、又はカルボン酸アミド基が挙げられる。なお、前記アリール基、および前記アラルキル基は、置換基を有していてもよく、その置換基は、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
スルホキシド結合でベンゼン環と結合する基としては、基の分子内にスルホキシド結合を有し、そのスルホキシド結合でベンゼン環と結合する基であれば、特に制限されるものではない。具体的には、炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキルスルホキシド基、炭素数7〜20のアラルキル基を有するアラルキルスルホキシド基、又は炭素数6〜20のアリール基を有するアリールスルホキシド基が挙げられる。なお、前記アリール基、および前記アラルキル基は、置換基を有していてもよく、その置換基は、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
スルホン酸エステル結合でベンゼン環と結合する基としては、基の分子内にスルホン酸エステル結合(−S(O)O−)を有し、そのスルホン酸エステル結合でベンゼン環と結合する基であれば、特に制限されるものではない。具体的には、炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキルスルホン酸エステル基、炭素数7〜20のアラルキル基を有するアラルキルスルホン酸エステル基、炭素数6〜20のアリール基を有するアリールスルホン酸エステル基、又はスルホン酸基が挙げられる。なお、前記アリール基、および前記アラルキル基は、置換基を有していてもよく、その置換基は、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
は、以上の基の中でも、得られるハロゲン化合物の有用性、特にハロゲンがヨウ素でとある化合物(ヨウ素化合物)の有用性を考慮すると、カルボキシル基、ニトリル基、ニトリル基、ニトロ基、ハロゲン原子、又はアルデヒド基であることが好ましい。さらには、カルボキシル基、又はアルデヒド基であることが好ましい。
aは、Rの数を示すものであり、1〜5の整数である。aが2以上の場合には、Rは、同じ基であっても、異なる基であってもよい。また、得られるハロゲン化合物、特にヨウ素化合物の有用性を考慮すると、aは、1〜3であることが好ましい。
(Rの説明)
は、アルキル基、アラルキル基、又はアリール基である。中でも、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基であることが好ましい。なお、前記アリール基、および前記アラルキル基は、置換基を有していてもよく、その置換基は、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
bは、Rの数を示すものであり、0〜4の整数である。bが2以上の場合には、Rは、同じ基であっても、異なる基であってもよい。また、得られるハロゲン化合物、特にヨウ素化合物の有用性を考慮すると、bは、1〜3であることが好ましい。
(置換基の合計 a+b)
前記式(1)で示されるベンゼン誘導体において、R、およびRの数の合計(a+b)は、1〜5の整数でなければならない。すなわち、該ベンゼン誘導体は、置換基として、少なくとも1つの水素原子を有していなければならない。この水素原子が、ハロゲン原子に置換されて所望とするハロゲン化合物となる。得られるハロゲン化合物、特に、ヨウ素化合物の有用性を考慮すると、a+bは、1〜4であることが好ましい。
(好適なベンゼン誘導体)
本発明において、より有用なハロゲン化合物、特に、ヨウ素化合物を製造するためには、前記式(1)で示されるベンゼン誘導体が、下記式(3)
Figure 2018070601
(式中、
、およびRは、前記式(1)におけるものと同義である)で示される化合物であることが好ましい。前記式(3)で示される化合物は、aが1であり、bが1であり、ハロゲン原子に置換される水素原子が4個存在する。この化合物を原料として得られるハロゲン化合物は、様々な分野で使用することができる。この中でも、中でも、Rがカルボキシル基、ニトリル基、ニトリル基、ニトロ基、ハロゲン原子、又はアルデヒド基であることが好ましい。さらには、カルボキシル基、又はアルデヒド基であることが好ましい。また、Rが炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましい。
(ハロゲン化剤)
本発明において、前記基質と反応させるハロゲン化剤は、ハロゲン化水素、およびハロゲン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
(ハロゲン化水素)
前記ハロゲン化水素を具体的に例示すれば、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、又はヨウ化水素が挙げられる。中でも、得られるハロゲン化合物の有用性を考慮すると、臭化水素、又はヨウ化水素が好ましく、さらにヨウ化水素が好ましい。本発明において、該ハロゲン化水素は、使用時の安定性を考慮すると、水溶液(ハロゲン化水素酸)、すなわち、フッ酸、塩酸、臭化水素酸、又はヨウ化水素酸の状態で使用することが好ましい。ハロゲン化水素酸を使用する場合には、ハロゲン化水素の濃度が10〜60質量%の水溶液として使用することが好ましい。このハロゲン化水素酸は、市販のものを使用することができる。なお、当然のことであるが、ハロゲン化水素酸を使用する場合には、反応系内に水が含まれることになる。
(ハロゲン塩)
本発明において、ハロゲン化剤の1種であるハロゲン塩は、公知の化合物を使用することができる。ハロゲン塩を例示すると、ハロゲン塩を例示すると、ハロゲン化アルカリ金属、ハロゲン化アンモニウム、およびハロゲン化トリアルキルアンモニウムから選ばれる塩であることが好ましい。
具体的にハロゲン化アルカリ金属を例示すると、
フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化リチウム、フッ化セシウム等のフッ化物、
塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化セシウム等の塩化物、
臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウム、臭化セシウム等の臭化物、および
ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化セシウム等のヨウ化物が挙げられる。中でも、得られるハロゲン化合物の有用性を考慮すると、臭化物、又はヨウ化物が好ましく、さらに、ヨウ化物であることが好ましい。
ハロゲン化アンモニウムとしては、フッ化アンモニウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、又はヨウ化アンモニウムが挙げられる。中でも、得られるハロゲン化合物の有用性を考慮すると、臭化アンモニウム、又はヨウ化アンモニウムが好ましく、さらに、ヨウ化アンモニウムであることが好ましい。
ハロゲン化トリアルキルアンモニウムとしては、炭素数が1〜12のアルキル基を3つ有する、フッ化トリアルキルアンモニウム、塩化トリアルキルアンモニウム、臭化トリアルキルアンモニウム、又はヨウ化トリアルキルアンモニウムが挙げられる。中でも、得られるハロゲン化合物の有用性を考慮すると、炭素数が1〜12のアルキル基を3つ有する、臭化アンモニウム、又はヨウ化アンモニウムが好ましく、さらに、炭素数が1〜12のアルキル基を3つ有するヨウ化アンモニウムであることが好ましい。
以上のハロゲン塩の中でも、特に、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムを使用することが好ましい。
(ハロゲン化剤の使用量)
ハロゲン化剤の使用量は、特に制限されるものではく、使用するベンゼン誘導体、目的とするハロゲン化合物に応じて、適宜決定すればよい。例えば、前記ベンゼン誘導体に対して、1個のハロゲン原子を置換する場合には、前記ベンゼン誘導体1モルに対して、1〜5モルの前記ハロゲン化剤を使用することが好ましい。なお、置換するハロゲン原子の数に応じて、使用する前記ハロゲン化剤のモル数を適宜増加させればよい。具体的には、本発明においては、前記ベンゼン誘導体に最大5個のハロゲン原子を置換できるが、この場合には、前記ベンゼン誘導体1モルに対して、5〜25モルの前記ハロゲン化剤を使用することが好ましい。
本発明は、前記酸、および前記酸化剤の存在下において、前記ベンゼン誘導体、および前記ハロゲン化剤を反応させる方法である。そのため、前記成分だけで反応を実施することができるが、以下のものを反応系内に存在させることもできる。次に、これらの成分について説明する。
(多孔質化合物)
本発明においては、多孔質化合物を反応系内に存在させることもできる。この多孔質化合物は、ベンゼン誘導体をハロゲン化する際に使用する公知の多孔質化合物を使用することができる。例えば、特許文献1、2に記載の多孔質化合物を使用することができる。これら多孔質化合物を反応系内に存在させておくことで、異性体の精製を抑制し、目的物の純度、収率をよりか高めることができる。
具体的には、β型ゼオライト、ZSM型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、L型ゼオライト、Y型ゼオライトなどの合成ゼオライト、例えば、商品名;モレキュラーシーブス3Å、4Å、または13X等が挙げられる。
その他、合成樹脂からなる多孔質化合物を使用することができる。具体的には、スチレン−ジビニルベンゼン含む合成吸着材(イオン交換樹脂)、例えば、商品名 Dowx 50WX4、Amberlyst 15等が挙げられる。
本発明において、使用する多孔質化合物の使用量は、特に制限されるものではない。中でも、生産性、効果の発揮する範囲を考慮すると、前記ベンゼン誘導体1質量部に対して、多孔質化合物を0.001〜10質量部使用することが好ましく、さらに0.1〜1質量部使用することが好ましい。
(溶媒)
本発明においては、反応温度において、酸が液体であれば、その酸を媒体として反応を実施することができる。ただし、この反応においては、本発明で使用する酸以外の液体(溶媒)を、酸と併用して使用することができる。
使用する溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば、特に制限されるものではない。具体的には、
塩化メチレン、クロロホルム、4塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタンのようなハロゲン系溶媒;
メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノールのようなアルコール溶媒;
ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ニトロメタン、ニトロエタンのようなヘテロ原子を有する溶媒;
酢酸のようなカルボン酸;、または
水等が挙げられる。以上の溶媒は、単独で使用することもできるし、複数種類のものを併用して使用することもできる。
中でも、得られるハロゲン化合物の純度をより一層高くするためには、ニトロメタンなど極性溶媒を使用することが好ましく、後工程を考慮すると、ニトロメタンを使用することが好ましい。
溶媒の使用量は、特に制限されるものではない。中でも、効率的に各成分を反応させるためには、前記ベンゼン誘導体1質量部に対して、前記溶媒を0.01〜100質量部使用することが好ましく、さらに0.1〜5質量部使用することが好ましい。
(反応条件)
本発明においては、前記酸、および前記酸化剤、並びに、必要に応じて系内に、さらに存在させる前記多孔質化合物、および溶前記媒の存在下、前記ベンゼン誘導体と前記ハロゲン化剤とを反応させる。該反応は、各成分を混合することにより実施できる。
各成分を混合する方法は、特に制限されるものではなく、攪拌装置を備えた反応容器内で実施することができる。各成分を反応容器内に添加する手順は、前記酸、前記酸化剤、前記ハロゲン化剤、必要に応じて前記溶媒、および前記多孔質化合物を反応容器に予め仕込んで撹拌しておき、前記ベンゼン誘導体を添加する方法が望ましい。
各成分を混合する際の温度、すなわち反応温度(反応系内の温度)は、特に制限されるものではない。具体的には、−50〜200℃の範囲で実施することができる。中でも、本発明によれば、比較的緩和な条件でも反応を進行することができる。そのため、本発明によれば、副生物等の不純物を抑制できる。その場合、具体的には、反応温度は、好ましくは−30〜100℃の範囲であり、さらに好ましくは−30〜50℃の範囲である。特に、本発明において、前記酸化剤として、ペルオキシ一硫酸カリウムの複塩(2KHSO・KHSO・KSO)を使用した場合には、該反応温度を−20〜30℃の範囲とすることもできる。この場合、前記酸は、硫酸を使用することが好ましい。
反応時間も、特に制限されるものではなく、原料のベンゼン誘導体の反応割合を確認しながら適宜決定することができる。本発明によれば、比較的、短時間で反応が進むため、通常であれば、1分間以上72時間以下であることが好ましく、5分間以上16時間以下であることがより好ましく、30分間以上8時間以下であることがさらに好ましい。なお、この反応時間は、前記ベンゼン誘導体と前記ハロゲン化剤との全量が混合されている時間を指す。
反応時の圧力も、特に制限されるものではない。具体的には、大気圧下、減圧下、加圧下の何れの雰囲気下で反応を実施してもよい。操作性を考慮すると、大気圧下で実施することが好ましい。また、反応時の雰囲気も、特に制限されるものではない。具体的には、空気雰囲気下、不活性ガス雰囲気下で実施することができる。操作性を考慮すると、空気雰囲気下で実施することが好ましい。
その他、本発明においては、副生物等を低減するためには、遮光下で反応を実施することが好ましい。
反応が終了した後の工程は、特に制限されるものではない。例えば、反応終了後に、より冷却するか、または貧溶媒(例えば、水)等を添加することにより、得られる生成物を結晶化させ、他成分と分離し精製することができる。多孔質化合物を使用した場合には、該結晶化の前に、遠心分離、濾過等の手段により先に該多孔質化合物を分離しておくことが好ましい。
また、得られた生成物(ハロゲン化合物)は、その性質に応じて、再結晶、カラム精製、溶媒洗浄、再沈殿、水洗等の公知の手段により、さらに精製することができる。
(ハロゲン化合物)
以上のような条件で反応を実施することにより、
下記式(2)
Figure 2018070601
(式中、
、R、a、およびbは、前記式(1)におけるもと同義であり、
Xは、ハロゲン原子であり、
cは、1〜5の整数であり、
ただし、a+b+cは2〜6の整数である。)で示されるハロゲン化合物を製造することができる。当然のことながら、R、R、a、およびbは、使用する前記ベンゼン誘導体によって決まるものであり、これら好ましい基、数値は、前記ベンゼン誘導体で説明した通りである。また、Xは、使用する前記ハロゲン化剤によって決まるものであり、好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子であり、より好ましくは臭素原子、又はヨウ素原子であり、さらに好ましくはヨウ素原子である。
前記好適なベンゼン誘導体を原料として使用した場合には、得られるハロゲン化合物は、下記式(4)
Figure 2018070601
(式中、
、およびRは、前記式(1)におけるものと同義であり、Xは、前記式(2)におけるものと同義である。)で示される化合物となる。この化合物は、様々な分野で使用できるため、本発明の工業的利用価値は非常に高い。
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、具体例であって、本発明はこれらにより限定されるものではない。
実施例1
磁気撹拌子を装着した反応容器内に硫酸(6.0ml、11g)を仕込んで、氷冷した(反応容器内の硫酸(反応系内)の温度を5℃とした。)。次いで、撹拌下、ヨウ化カリウム(ハロゲン化剤;0.17g;1.0mmol)を反応容器内へ添加した。攪拌下、反応系内の温度を5℃に維持しながら、ペルオキシ一硫酸カリウムの複塩(2KHSO・KHSO・KSO);登録商標「オキソン」(0.34g;0.5mmol、活性酸素換算1.0mmol)を反応容器内へ添加して、30分間攪拌を続けた。
その後、撹拌下、反応系内の温度を5℃に維持しながら、遮光下、o−トル酸;「2−メチル安息香酸」(0.14g;1.0mmol)を反応容器内へ添加して、2時間攪拌を続けた(反応を実施した)。
反応生成物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で確認したところ、o−トル酸がハロゲン化(ヨウ素化)された転化率は86%であった。また、目的物(下記式における(5−I))と異性体(下記式における(3−I))とのモル比は、目的物:異性体=3:1であった。反応条件と結果を表1にまとめた。
Figure 2018070601
実施例2
磁気撹拌子を装着した反応容器内に硫酸(3.0ml、5.5g)、および溶媒として酢酸(3.0ml、3.2g)を25℃で仕込んで、撹拌下、ヨウ化カリウム(ハロゲン化剤;0.17g;1.0mmol)を反応容器内へ添加した。攪拌下、反応系内の温度を25℃に維持しながら、ペルオキシ一硫酸カリウムの複塩(2KHSO・KHSO・KSO);登録商標「オキソン」(0.34g;0.5mmol、活性酸素換算1.0mmol)を反応容器内へ添加して、30分間攪拌を続けた。
その後、撹拌下、反応系内の温度を25℃に維持しながら、遮光下、o−トル酸;「2−メチル安息香酸」(0.14g;1.0mmol)を反応容器内へ添加して、同温で2時間攪拌を続けた(反応を実施した)。
反応生成物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で確認したところ、o−トル酸がハロゲン化(ヨウ素化)された転化率は75%であった。また、目的物(下記式における(5−I))と異性体(下記式における(3−I))とのモル比は、目的物:異性体=3.3:1であった。反応条件と結果を表1にまとめた。
実施例3
磁気撹拌子を装着した反応容器内に硫酸(6.0ml、11g)およびニトロメタン(1.2ml、1.4g)を仕込み、撹拌しながら反応系内の温度を−10℃とした。次いで、撹拌下、反応系内の温度を−10℃に維持しながら、ヨウ化カリウム(ハロゲン化剤;0.17g;1.0mmol)を反応容器内へ添加した。次いで、撹拌下、反応系内が−10℃となるように冷却しながら、ペルオキシ一硫酸カリウムの複塩(2KHSO・KHSO・KSO);登録商標「オキソン」(0.34g;0.5mmol 活性酸素換算1.0mmol)、および合成ゼオライト;商品名「モレキュラーシーブス13X」(0.03g)を反応容器内へ添加し、30分間攪拌した。
その後、撹拌下、反応系内の温度を−10℃に維持しながら、遮光下、o−トル酸;「2−メチル安息香酸」(0.14g;1.0mmol)を反応容器内へ添加して、2時間攪拌を続けた(反応を実施した)。
反応生成物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で確認したところ、o−トル酸がハロゲン化(ヨウ素化)された転化率は100%であった。また、目的物(実施例1で例示した(5−I))と異性体(実施例1で例示した(3−I))とのモル比は、目的物:異性体=3.7:1であった。反応条件と結果を表1にまとめた。
実施例4
実施例3において、ヨウ化カリウムを0.19g(1.1mmol)とし、登録商標「オキソン」(0.37g、0.55mmol 活性酸素換算1.1mmol)とした以外は、実施例2と同様の操作を行い、目的物を得た。o−トル酸の転化率は100%であり、目的物と異性体とのモル比は、目的物:異性体=4.2:1であった。反応条件と結果を表1にまとめた。
実施例5
磁気撹拌子を装着した反応容器内に、硫酸(4ml、7.4g)、およびヨウ化カリウム(ハロゲン化剤;0.17g;1.0mmol)を添加して撹拌分散させた。次いで、酸化剤としてジメチルスルフォキサイド(「DMSO」0.23g;3.0mmol)を反応容器内に添加して30分間、撹拌分散させた。その後、o−トル酸(0.14gg;1.0mmol)を反応容器内に添加して、遮光下、反応温度80℃で2.5時間反応させた。o−トル酸の転化率は96%であり、目的物と異性体とのモル比は、目的物:異性体=3:1であった。反応条件と結果を表1にまとめた。
実施例6
磁気撹拌子を装着した反応容器内に、硫酸(4ml、7.4g)を添加して氷冷した(反応系内を5℃とした。)。次いで、撹拌下、反応系内を5℃に維持しながら、ヨウ化カリウム(ハロゲン化剤;0.17g;1.0mmol)を反応容器内に添加した。次いで、撹拌下、反応系内を5℃に維持しながら、臭素酸カリウム(0.17g;1.0mmol)を添加して、30分間撹拌を行った。その後、撹拌下、o−トル酸(0.14g;1.0mmol)を反応容器内に添加して、遮光下、反応温度5℃にて2時間反応させた。o−トル酸の転化率は100%であり、目的物と異性体とのモル比は、目的物:異性体=3:1であった。反応条件と結果を表1にまとめた。
比較例1
磁気撹拌子を装着した反応容器内にメタノール(6.0ml)、およびヨウ化カリウム(0.17g;1.0mmol)を添加して撹拌溶解させた。次いで、ペルオキシ一硫酸カリウムの複塩(2KHSO・KHSO・KSO);登録商標「オキソン」(0.34g;0.5mmol 活性酸素換算1.0mmol)を反応系内に添加して、30分間攪拌を続けた。
その後、遮光しながら撹拌下、o−トル酸;「2−メチル安息香酸」(0.14g;1.0mmol)を反応容器内へ添加して、60℃で2時間攪拌を続けた(反応を実施した)。
反応生成物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で確認したところ、o−トル酸はヨウ素化さらないことが確認された。反応条件と結果を表1にまとめた。
比較例2
磁気撹拌子を装着した反応容器に、o−トル酸(1.36g;10.0mmol)、ヨウ素(1.35g;5.33mol)、過ヨウ素酸(2水和物)(0.46g;2.0mmol)、および酢酸(6ml)を添加して撹拌分散させた。次いで、硫酸(0.016g)を添加して室温で60分間撹拌分散させた。さらに、酢酸(4ml)を添加して、反応温度110℃、遮光下の条件で1時間反応させ、次いで、反応温度120℃、遮光下の条件で5時間反応させた後、室温まで冷却した。o−トル酸の転化率は81%であり、目的物と異性体とのモル比は、目的物:異性体=2:1であった。反応条件と結果を表1にまとめた。
比較例3
磁気撹拌子、および三方コックを装着した反応容器内に、o−トル酸(1.40g;10.0mmol)、および酢酸(20ml)を仕込み、撹拌しながらo−トル酸を溶解させた。次いで、反応系内を攪拌しながら、次亜塩素酸ナトリウム五水和物(3.29g;20mmol)を反応容器内へ添加した。次いで、水冷下(反応系内を5℃に維持)、反応系内を攪拌しながら、ヨウ化ナトリウム(3.30g;22.0mmol)を添加して、室温(23℃)、遮光下にて44時間反応を行った。反応生成物をHPLCで確認したところ、o−トル酸はヨウ素化さらないことが確認された。反応条件と結果を表1にまとめた。
比較例4
磁気撹拌子を装着した反応容器内に、三フッ化ホウ素・2水和物(6.0ml)を添加して氷冷した(反応系内を5℃とした。)。次いで、撹拌下、反応系内を5℃に維持しながら、ヨウ化カリウム(0.17g;1.0mmol)を反応容器内に添加した。次いで、ペルオキシ一硫酸カリウムの複塩(2KHSO・KHSO・KSO);登録商標「オキソン」(0.34g;0.5mmol 活性酸素換算1.0mmol)を反応系内に添加して、30分間攪拌を続けた。その後、撹拌下、o−トル酸 (0.14g;1.0mmol)を反応系内に添加して、遮光下、反応温度60℃で2時間反応させた。o−トル酸の転化率は56%であり、目的物と異性体とのmol比は、目的物:異性体=3:1であった。反応条件と結果を表1にまとめた。
Figure 2018070601
実施例7
実施例1において、o−トル酸に代えて、2−メチルベンズアルデヒド(1.0mmol)を使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記式で示される反応を行った。2−メチルベンズアルデヒドの転化率は100%であり、目的物と異性体とのmol比は、目的物:異性体=3:1であった。
Figure 2018070601

Claims (8)

  1. 硫酸、メタンスルホン酸、およびトリフルオロメタンスルホン酸から選ばれる少なくとも1種の酸、並びに酸化剤の存在下、
    下記式(1)
    Figure 2018070601
    (式中、
    は、エステル結合でベンゼン環と結合する基、アミド結合でベンゼン環と結合する基、スルホキシド結合でベンゼン環と結合する基、スルホン酸エステル結合でベンゼン環と結合する基、アルデヒド基、ニトリル基、ニトロ基、又はハロゲン原子であり、
    aは、1〜5の整数であり、aが2以上の場合、Rは、それぞれ、同一の基であっても、異なる基であってよく、
    は、アルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基であり、
    bは、0〜4の整数であり、bが2以上の場合、Rは、それぞれ、同一の基であっても、異なる基であってもよく、
    ただし、a+bは、1〜5の整数である。)
    で示されるベンゼン誘導体と、
    ハロゲン化水素、およびハロゲン塩から選ばれる少なくとも1種のハロゲン化剤と
    を反応させることにより、
    下記式(2)
    Figure 2018070601
    (式中、
    、R、a、およびbは、前記式(1)におけるもと同義であり、
    Xは、ハロゲン原子であり、
    cは、1〜5の整数であり、
    ただし、a+b+cは2〜6の整数である。)で示されるハロゲン化合物を製造する方法。
  2. 前記酸化剤が、ペルオキシ一硫酸カリウムの複塩(2KHSO・KHSO・KSO)、ジメチルスルホキシド、および臭素酸カリウムから選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. さらに、多孔質化合物の存在下において、前記式(1)で示されるベンゼン誘導体と前記ハロゲン化剤とを反応させることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. さらに、ニトロメタンの存在下において、前記式(1)で示されるベンゼン誘導体と前記ハロゲン化剤とを反応させることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の方法。
  5. 前記ハロゲン塩が、ヨウ化アルカリ、ヨウ化アンモニウム、およびヨウ化トリアルキルアンモニウムから選ばれる少なくとも1種の塩であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の方法。
  6. 前記ハロゲン化水素が、ヨウ化水素であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の方法。
  7. 前記酸化剤が、ペルオキシ一硫酸カリウムの複塩(2KHSO・KHSO・KSO)であり、前記式(1)で示されるベンゼン誘導体と前記前記ハロゲン化剤との反応を−20℃以上30℃以下の温度範囲で行うことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の方法。
  8. 前記式(1)で示されるベンゼン誘導体が、
    下記式(3)
    Figure 2018070601
    (式中、
    、およびRは、前記式(1)におけるものと同義である。)で示される化合物であり、得られるハロゲン化合物が、
    下記式(4)
    Figure 2018070601
    (式中、
    、およびRは、前記式(1)におけるものと同義であり、
    Xは、前記式(2)におけるものと同義である。)で示される化合物であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の方法。
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