JP7173911B2 - ヨウ化芳香族化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明のヨウ化芳香族化合物の製造方法は、多孔質物質としての平均細孔径が5.0Å以上9.0Å以下であるゼオライトの存在下、反応基質としての3-フェニルプロピルアセテートおよび3-フェニル-1-プロパノールよりなる群から選択される少なくとも1種である芳香族化合物と、下記式(2)、下記式(3)、下記式(4)および下記式(5)よりなる群から選択される1種または2種以上である特定ヨウ素化剤とを反応させることを特徴とする。
[ヨウ化芳香族化合物の製造方法]
まず、本発明のヨウ化芳香族化合物の製造方法について説明する。
また、前記のような部分構造を有する特定ヨウ素化剤を用いず、他のヨウ素化剤を用いた場合には、ヨウ素化反応がほとんど進行しないか、ヨウ素の導入位置の選択性(p-選択性)が低下する。
前述したように、ヨウ素化工程では、多孔質物質の存在下、反応基質としての芳香族化合物と、上記式(1)で示される部分構造を含む環式構造を有するNヨウ化アミド化合物又はNヨウ化イミド化合物である特定ヨウ素化剤とを反応させる。
反応基質としての芳香族化合物は、分子内に芳香環構造を有するものであればいかなるものであってもよく、無置換の芳香族化合物であってもよいし、芳香環に置換基が導入された化合物であってもよい。前記置換基は、1分子内に1個または複数個導入されていてもよい。前記置換基は、直鎖状構造、分岐鎖状構造、環状構造等いかなる構造のものであってもよい。また、前記置換基は、前記芳香環を構成する複数の原子を橋渡しする構造のものであってもよい。また、芳香族化合物は、分子内に複数個の芳香環構造を有するものであってもよい。このような場合、複数個の芳香環構造は、少なくとも1個の原子を介して結合していてもよいし、これらの芳香環構造同士が直接共有結合により結合していてもよい。
特定ヨウ素化剤は、上記式(1)で示される部分構造を含む環式構造を有するNヨウ化アミド化合物又はNヨウ化イミド化合物である。特定ヨウ素化剤としては、単一の化合物を用いてもよいし、複数の化合物を用いてもよい。
多孔質物質は、細孔を有するものであればよく、多孔質物質の平均細孔径は、特に限定されないが、5.0Å以上9.0Å以下であるのが好ましく、5.5Å以上6.8Å以下であるのがより好ましく、5.9Å以上6.5Å以下であるのがさらに好ましい。
ヨウ素化工程は、例えば、気相反応であってもよいが、液相反応であるのが好ましい。
本工程では、上記以外の成分を用いてもよい。
このような成分としては、例えば、特定ヨウ素化剤以外のヨウ素化剤、反応触媒、無機酸、有機酸、無機塩、有機塩、ハロゲン化金属化合物等が挙げられる。ただし、特定ヨウ素化剤以外のヨウ素化剤の使用量は、モル当量換算で、特定ヨウ素化剤の使用量よりも少ないのが好ましく、より具体的には、特定ヨウ素化剤の使用量の10%以下であるのが好ましい。
以下、ヨウ素化工程での詳細な反応条件について説明する。
本発明のヨウ化芳香族化合物の製造方法は、前述した以外の工程を有してもよい。このような工程としては、ヨウ素化工程の後工程が挙げられる。ヨウ素化工程の後工程としては、例えば、反応生成物を含む混合物に対して精製処理を施す精製工程等が挙げられる。
(実施例A1)
まず、下記式(2)で示される特定ヨウ素化剤、および、反応基質としての下記式(9)で示される3-フェニルプロピルアセテートを用意した。
特定ヨウ素化剤を下記式(3)で示されるものに変更した以外は、前記実施例A1と同様の処理を行い、ヨウ素化工程終了時における転化率、選択率、p-選択率、p-モノヨウ化芳香族化合物選択率および収率を評価した。
特定ヨウ素化剤を下記式(4)で示されるものに変更し、反応時間を7時間に変更した以外は、前記実施例A1と同様の処理を行い、ヨウ素化工程終了時における転化率、選択率、p-選択率、p-モノヨウ化芳香族化合物選択率および収率を評価した。
特定ヨウ素化剤を下記式(5)で示されるものに変更し、反応温度を60℃、反応時間を2時間に変更した以外は、前記実施例A1と同様の処理を行い、ヨウ素化工程終了時における転化率、選択率、p-選択率、p-モノヨウ化芳香族化合物選択率および収率を評価した。
反応温度、反応時間を表1に示すようにした以外は、前記実施例A1と同様の処理を行い、ヨウ素化工程終了時における転化率、選択率、p-選択率、p-モノヨウ化芳香族化合物選択率および収率を評価した。
特定ヨウ素化剤の代わりに一塩化ヨウ素(ICl)を用い、反応時間を25時間に変更した以外は、前記実施例A1と同様の処理を行い、ヨウ素化工程終了時における転化率、選択率、p-選択率、p-モノヨウ化芳香族化合物選択率および収率を評価した。
(実施例B1)
まず、下記式(3)で示される特定ヨウ素化剤、および、反応基質としての下記式(9)で示される3-フェニルプロピルアセテートを用意した。
特定ヨウ素化剤の使用量を表1に示すようにした以外は、前記実施例B1と同様の処理を行い、ヨウ素化工程終了時における転化率、選択率、p-選択率、p-モノヨウ化芳香族化合物選択率および収率を評価した。
(実施例C1)
まず、下記式(2)で示される特定ヨウ素化剤、および、反応基質としての下記式(9)で示される3-フェニルプロピルアセテートを用意した。
溶媒の種類を表1に示すようにした以外は、前記実施例C1と同様の処理を行い、ヨウ素化工程終了時における転化率、選択率、p-選択率、p-モノヨウ化芳香族化合物選択率および収率を評価した。また、実施例C3については、OH体(エステルの加水分解物)を含む数値で評価した。
反応基質の種類を表3に示すものに変更するとともに、溶媒の種類、反応温度、反応時間を表3に示すようにした(実施例C8では、さらに、反応基質に対する特定ヨウ素化剤の使用量を1.02モル当量となるようにした)以外は、前記実施例C1と同様の処理を行い、ヨウ素化工程終了時における転化率、選択率、p-選択率、p-モノヨウ化芳香族化合物選択率および収率を評価した。
(実施例D1)
まず、下記式(2)で示される特定ヨウ素化剤、および、反応基質としての下記式(9)で示される3-フェニルプロピルアセテートを用意した。
ゼオライトとして、表4に示すように、SiO2/Al2O3比(モル比)の条件が異なるものを用いた以外は、前記実施例D1と同様の処理を行い、ヨウ素化工程終了時における転化率、選択率、p-選択率、p-モノヨウ化芳香族化合物選択率および収率を評価した。
ゼオライトとして、表4に示すような条件のH-ZSM-5を用いた以外は、前記実施例D1と同様の処理を行い、ヨウ素化工程終了時における転化率、選択率、p-選択率、p-モノヨウ化芳香族化合物選択率および収率を評価した。
ゼオライトとして、表4に示すような条件のH-モルデナイトを用いた以外は、前記実施例D1と同様の処理を行い、ヨウ素化工程終了時における転化率、選択率、p-選択率、p-モノヨウ化芳香族化合物選択率および収率を評価した。
ゼオライトとして、表4に示すような条件のH-Y型のものを用いた以外は、前記実施例D1と同様の処理を行い、ヨウ素化工程終了時における転化率、選択率、p-選択率、p-モノヨウ化芳香族化合物選択率および収率を評価した。
ゼオライト(多孔質物質)の使用量を表4に示すように変更した以外は、前記実施例D1と同様の処理を行い、ヨウ素化工程終了時における転化率、選択率、p-選択率、p-モノヨウ化芳香族化合物選択率および収率を評価した。
ゼオライト(多孔質物質)を用いず、反応温度、反応時間を表4に示すようにした以外は、前記実施例D1と同様の処理を行い、ヨウ素化工程終了時における転化率、選択率、p-選択率、p-モノヨウ化芳香族化合物選択率および収率を評価した。
水素イオンの供給源としてゼオライト(多孔質物質)を用いず、その代わりに硫酸を用い、反応温度を表4に示すようにした以外は、前記実施例D1と同様の処理を行い、ヨウ素化工程終了時における転化率、選択率、p-選択率、p-モノヨウ化芳香族化合物選択率および収率を評価した。本比較例での硫酸の使用量は、前記反応基質100質量部に対し、38質量部となるようにした。
ヨウ素化剤として上記式(3)で示される化合物を用い、反応時間を30時間に変更した以外は、前記比較例D2と同様の処理を行い、ヨウ素化工程終了時における転化率、選択率、p-選択率、p-モノヨウ化芳香族化合物選択率および収率を評価した。
反応基質の種類を表4に示すものに変更するとともに、溶媒の種類、反応温度、反応時間を表4に示すようにした以外は、前記比較例D2と同様の処理を行い、ヨウ素化工程終了時における転化率、選択率、p-選択率、p-モノヨウ化芳香族化合物選択率および収率を評価した。
ヨウ素化剤として一塩化ヨウ素(ICl)を用い、反応基質の種類を表4に示すものに変更するとともに、溶媒の種類、ゼオライトの使用量、反応時間を表4に示すようにした以外は、前記実施例D1と同様の処理を行い、ヨウ素化工程終了時における転化率、選択率、p-選択率、p-モノヨウ化芳香族化合物選択率および収率を評価した。
Claims (6)
- 前記反応基質に対する前記特定ヨウ素化剤の使用量(モル比)は、1.01以上1.50以下である請求項1に記載のヨウ化芳香族化合物の製造方法。
- 前記ゼオライト中におけるSiO2/Al2O3比(モル比)は、4以上90以下である請求項1または2に記載のヨウ化芳香族化合物の製造方法。
- 前記多孔質物質の使用量は、反応基質100質量部に対して15質量部以上150質量部以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のヨウ化芳香族化合物の製造方法。
- 反応温度が5℃以上80℃以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のヨウ化芳香族化合物の製造方法。
- 反応時間が1時間以上48時間以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載のヨウ化芳香族化合物の製造方法。
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