JP5993171B2 - アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents

アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明はアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法に関し、さらに詳しくは、フォトレジスト原料として有用なアダマンチル(メタ)アクリレート類を効率よく製造する方法に関する。
アダマンタンは、シクロヘキサン環が4個、カゴ形に縮合した構造を有し、対称性が高く安定な化合物であり、その誘導体は特異な機能を示すことから、医薬品原料や高機能性工業材料の原料等として有用であることが知られている。例えばアダマンチル(メタ)アクリレートはその酸感応性、ドライエッチング耐性、紫外線透過性等を利用してフォトレジスト用樹脂のモノマーとして近年注目されている。
アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法としては、例えば、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール等の第3級アルコール、アダマンタンカルボン酸アルキルエステル又はアダマンタンカルボン酸ハライドを、有機金属化合物及び(メタ)アクリル酸ハライドと反応させてエステル化する方法により行われている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2002−161070号公報 特開2002−173466号公報
従来の製造方法においては、目的とするアダマンチル(メタ)アクリレートの収率が低いという問題があるため、効率的な製造方法の開発が望まれている。
本発明は、このような状況下でなされたもので、フォトレジスト用樹脂のモノマーとして好適なアダマンチル(メタ)アクリレートを高純度で効率的に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定のアダマンタンカルボン酸エステルに有機金属化合物を反応させ、次いで(メタ)アクリル酸無水物と反応させることによって前記課題が解決することを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明は、金属アルコキシドと(メタ)アクリル酸無水物とを反応させる、下記一般式(i)で表されるアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法、を提供する。
Figure 0005993171
(式中、R1はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を示し、R3は水素原子又はメチル基を示す。)
本発明によれば、フォトレジスト用樹脂のモノマーとして好適なアダマンチル(メタ)アクリレートを高純度で効率的に製造する方法が提供される。
本発明のアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法は、下記一般式(i)で表されるアダマンチル(メタ)アクリレートを製造する方法である。
Figure 0005993171
前記一般式(i)において、R1は炭素数1〜3のアルキル基である。R3は水素原子又はメチル基である。
炭素数1〜3のアルキル基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
前記一般式(i)で表されるアダマンチル(メタ)アクリレートとしては、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、1−(1−アダマンチル)−1−エチルプロピル(メタ)アクリレート、1−(1−アダマンチル)−1−プロピルブチル(メタ)アクリレート、1−(1−アダマンチル)−1−イソプロピル−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの中では1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、1−(1−アダマンチル)−1−エチルプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
本発明のアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法における反応式は、具体的に下記式で示される。
Figure 0005993171
式中、R1、R3は、前記と同じである。R2は炭素数1〜3のアルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す。前記一般式(5)は金属アルコキシドであって、1−アダマンタンカルボン酸エステルと有機金属化合物との反応で生成する反応中間体である。前記一般式(6)で示される1−アダマンチルアルキルアルコールは、前記金属アルコキシド(反応中間体)と(メタ)アクリル酸無水物との反応における副生物(未反応物)である。
本発明の製造方法は、前記一般式(1)で表される1−アダマンタンカルボン酸エステルと後述の一般式(2)又は(3)で表される金属有機化合物とを反応させた後、生成した前記一般式(5)で表される金属アルコキシド(反応中間体)に(メタ)アクリル酸無水物を反応させることにより実施されることが好ましい。これらの反応は、通常、有機溶媒中で行うことが好ましい。
なお、本発明は、前記一般式(6)で表される1−アダマンチルアルキルアルコールとアルキルリチウム等の有機リチウム化合物、金属ナトリウムや金属リチウム等のアルカリ金属、あるいはグリニア試薬(Grignard試薬)等とを反応させることにより、一般式(5)で表される金属アルコキシド(反応中間体)を生成させ、これに(メタ)アクリル酸無水物を反応させることにより実施してもよい。なお、金属ナトリウムを用いる場合、前記一般式(5)中のMはMgX1、Li、Naを示す。
(メタ)アクリル酸無水物は、本発明においてエステル化剤として用いる。(メタ)アクリル酸無水物としては、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、又はこれらの混合酸無水物を用いることができる。
金属アルコキシド1モルに対して、(メタ)アクリル酸無水物の使用量は、通常1〜6モルであることが好ましく、1〜5モルであることがより好ましく、1〜4モルであることが更に好ましい。
また、前記一般式(1)で表されるカルボン酸エステル1モルに対する(メタ)アクリル酸無水物の使用量は、効率的に目的物を得る観点から、通常1〜6モルであることが好ましく、1〜5モルであることがより好ましく、1〜4モルであることが更に好ましい。
本発明で使用する1−アダマンタンカルボン酸エステルは、下記一般式(1)で表される。
Figure 0005993171
前記一般式(1)において、R2は炭素数1〜3のアルキル基を示し、炭素数1〜3のアルキル基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
前記一般式(1)で表される1−アダマンタンカルボン酸エステルとしては、1−アダマンタンカルボン酸メチル、1−アダマンタンカルボン酸エチル、1−アダマンタンカルボン酸n−プロピル、1−アダマンタンカルボン酸イソプロピル等が挙げられ、反応性の観点から、1−アダマンタンカルボン酸メチルが好ましい。
前記一般式(1)で表される1−アダマンタンカルボン酸エステルは、酸触媒存在下、アダマンチルカルボン酸とアルコールとの通常のエステル化反応により得ることができる。
本発明で使用する有機金属化合物は、下記一般式(2)又は(3)で表される。
1MgX1 (2)
1Li (3)
前記一般式(2)及び(3)において、X1はハロゲン原子を示す。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくは、塩素原子である。
前記一般式(2)及び(3)で表される有機金属化合物の代表的な例として、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライド、イソプロピルマグネシウムクロライド等の有機マグネシウム化合物(Grignard試薬等);メチルリチウム、エチルリチウム、イソプロピルリチウム等の有機リチウム化合物等が挙げられる。有機マグネシウム化合物はハロゲン化銅と組み合わせて用いることもできる。これらの中では、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライド、メチルリチウム、エチルリチウムが好ましい。
有機金属化合物の使用量は、前記一般式(1)で表されるカルボン酸エステル1モルに対して、通常2〜6モル、好ましくは2〜4モル、より好ましくは2〜3モルである。
本発明において使用することができる有機溶媒としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等が挙げられる。中でも、トルエン及びテトラヒドロフランが好ましい。テトラヒドロフランを用いた場合には、反応中間体を安定化する効果が高いため、高収率で目的物を得ることができる。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、前記一般式(5)で表される金属アルコキシドに対して、前記溶媒を混合し、1回の連続反応で本発明を実施してもよい。
反応温度は、反応成分の種類により適宜選択できるが、通常、−20〜100℃の範囲が好ましい。反応速度を低下させず、かつ(メタ)アクリロイル基の重合を抑制する観点から、0〜50℃の範囲が好ましい。反応圧力については、通常、絶対圧力で0.01〜0.1MPaの範囲が好ましい。この範囲であれば、特別な耐圧装置は必要なく経済的である。
1−アダマンタンカルボン酸エステルと金属有機化合物との反応、及び前記反応により得られる反応中間体と(メタ)アクリル酸無水物との反応において、それぞれ通常、1分〜24時間、好ましくは30分〜5時間の範囲である。
反応終了後、水洗により塩を除き、その後、塩基性水溶液で洗浄する。この操作により、未反応の酸無水物が除去される。塩基性水溶液としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基化合物、エチレンジアミン、アニリン、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基化合物等が挙げられる。
目的化合物の精製分離については、蒸留、晶析、カラム分離等が可能であり、生成物の性状と不純物の種類により選択できるが、特に水及び水溶性溶媒を用いた再結晶又は晶析を用いれば、所望するアダマンチル(メタ)アクリレートを高純度・高収率で製造することが可能である。具体的な操作方法は、後処理を行なった反応液から溶媒を留去した後、水及び水溶性溶媒を加えて、必要に応じて、冷却することで高純度のアダマンチル(メタ)アクリレートを析出させる。析出物は濾過、遠心分離等の方法により分離することができる。水溶性溶媒として、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン等を挙げることができるが、中でもメタノールを用いるのが好ましい。得られた化合物の同定は、ガスクロマトグラフィー(GC)、液体クロマトグラフィー(LC)、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS)、核磁気共鳴分光法(NMR),赤外分光法(IR),融点測定装置等を用いて行うことができる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(GC純度)
生成物の純度、反応の進行状況を、ガスクロマトグラフィー(GC)によりを測定した。GC分析には、Agillent製、型番「6850」を使用し、分析条件は以下の通りである。
キャピラリーカラム[J&W社製DB−1:コーティング剤(ジメチルポリシロキサン);膜厚:0.25μm]内径:0.25mm、長さ:30m
昇温条件 :100℃から10℃/minで250℃まで昇温
インジェクション温度:250℃
検出器 :FID
検出器温度 :250℃
キャリアガス :He
<製造例1:1−アダマンタンカルボン酸メチルの製造>
1−アダマンタンカルボン酸50g(277mmol)に、メタノール,トルエン,硫酸を加え、66℃で3時間反応させた。3時間反応させた時点で、残存原料は1.5質量%であった。反応液を冷却後、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、濃縮することにより目的とする1−アダマンタンカルボン酸メチル50gを得た。
[実施例1]
(合成工程)
製造例1で得た1−アダマンタンカルボン酸メチル40g(206mmol)に、トルエン40gを加えて窒素置換し、冷媒で冷却した。このトルエン溶液を10℃以下に保持したまま、メチルマグネシウムクロライドのTHF溶液(2M)247g(494mmol)を4.5時間かけて滴下し、その後、自然昇温させて、室温(25℃)で3時間反応を行った。反応溶液を再び冷媒で冷却し、10℃以下を保持したまま、メタクリル酸無水物82.3g(534mmol)を3.3時間かけて滴下した。その後、自然昇温させて、室温(25℃)で3時間反応させた。この粗反応液のGCによる測定結果は次の通りであった。
残存原料=1−アダマンタンカルボン酸メチル :1.5%
副生物 =1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール :7.3%
目的物 =1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート:91.2%
(精製工程)
前記粗反応液を25℃以下に保持したまま、塩酸水溶液でマグネシウム塩を分解し、水層を分液した。続いて、10%水酸化ナトリウム水溶液,飽和食塩水で洗浄の後、濃縮した。濃縮液をメタノールから晶析することにより目的とする1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート(37g)を得た。単離収率は68.5%,GCにより測定した純度は98.3質量%であった。
[実施例2〜6]
反応条件を表1のとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様に反応を行い、それぞれ1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレートを得た。各反応の条件及びGCによる分析結果を表1に示す。
[実施例7]
製造例1で得た1−アダマンタンカルボン酸メチル126g(650mmol)に、THF1.5Lを加えて溶解させ、窒素置換した。次いで、リチウム26g(3770mol)を加え、冷媒で冷却することにより10℃以下を保持したまま、これに臭化エチル146mL(1960mol)を2時間かけて滴下すると、エチルリチウムが形成される。その後、自然昇温させながら15時間反応を行った。再び冷媒で冷却し、10℃以下を保持したままメタクリル酸無水物101g(660mmol)を約10分かけて滴下した。その後、自然昇温させながら3時間反応させた。
粗反応液から残留リチウムをデンカンテーションで除いた後、25℃以下を保持したまま、水300mLを加えて反応を停止した。水層を分液し、ヘキサンで抽出した後、飽和食塩水で洗浄を行い硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液をろ過、濃縮することにより目的とする1−(1−アダマンチル)−1−エチルプロピルメタクリレート140gを得た(単離収率:74%,GC純度:98.7%)。
なお、表1中、原料1の基質は「1−アダマンタンカルボン酸メチル」であり、原料1の溶媒は「トルエン(実施例1)」又は「THF(テトラヒドロフラン)(実施例2〜7)」である。
また、原料2の基質は「メチルマグネシウムクロライド(実施例1〜6)」又は「エチルリチウム(実施例7)」であり、温度2は「原料2の滴下終了後の反応溶液の温度(℃)」を示し、時間2は「原料2の滴下終了時からの反応時間(h)」を示す。
更に、原料3は「メタクリル酸無水物」であり、温度3は「原料3の滴下終了後の反応溶液の温度(℃)」を示し,時間3は「原料3の滴下終了時からの反応時間(h)」を示す。
なお、表1中の「残存原料」は前記一般式(5)で表される化合物が、水によって分解されたアルコール(前記一般式(6)で表される化合物)を指す。
Figure 0005993171
<製造例2:1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノールの製造>
製造例1で得た1−アダマンタンカルボン酸メチル40g(206mmol)に、トルエン40gを加えて窒素置換し、冷媒で冷却した。このトルエン溶液を10℃以下に保持したまま、メチルマグネシウムクロライドのTHF溶液(2M)247g(494mmol)を4.5時間かけて滴下し、その後、自然昇温させながら15時間反応を行い、水を加えて反応を停止した。
この粗反応液を25℃以下を保持したまま、塩酸水溶液でマグネシウムを分解し、水層を分液した。続いて、10%水酸化ナトリウム水溶液,飽和食塩水で洗浄の後、濃縮した。この濃縮液をメタノールから晶析することにより目的とする1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール37gを得た。単離収率は92質量%であり、GCにより測定した純度は99.1質量%であった。
[比較例1]
製造例2で合成した1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール194mg(1.0mmol)に、THF20mLを加えて溶解し、トリエチルアミン0.21mL(1.5mmol)、メタクリル酸クロライド0.12mL(1.2mmol)の順に加えて室温で反応を開始した。
1時間後と2時間後にサンプリングした後、60℃に加熱し、その1時間後にもサンプリングを行い、各サンプルについてGCにより分析を行った。いずれのサンプルも、原料である1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノールのピークのみが観察され、目的とする1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレートのピークは観察されず、反応が全く進行していないことがわかった。
[比較例2]
製造例2で合成した1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール194mg(1.0mmol)に、N,N−ジメチルアミノ−4−ピリジン12mg(0.1mmol)を加え、THF20mLで溶解させ、トリエチルアミン0.21mL(1.5mmol),メタクリル酸無水物0.18mL(1.2mmol)の順に加え、室温で反応を開始した。
1時間後と2時間後にサンプリングした後、60℃に加熱し、その1時間後にもサンプリングを行い、各サンプルについてGCにより分析を行った。いずれのサンプルも、原料である1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノールのピークのみが観察され、目的とする1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレートのピークは観察されず、反応が全く進行していないことがわかった。
[比較例3]
比較例1において、トリエチルアミン0.21mL(1.5mmol)の代わりに、ピリジン0.12mL(1.5mmol)を使用したこと以外は比較例1と同様に反応、及びサンプリングを行ったところ、いずれのサンプルでも原料である1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノールのピークのみが観察され、目的とする1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレートのピークは観察されず、反応が全く進行していないことがわかった。
[比較例4]
比較例2において、トリエチルアミン0.21mL(1.5mmol)の代わりにピリジン0.12mL(1.5mmol)を使用したこと以外は比較例2と同様に反応及びサンプリングを行ったところ、いずれのサンプルでも原料である1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノールのピークのみが観察され、目的とする1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレートのピークは観察されず、反応が全く進行していないことがわかった。
[比較例5]
製造例2で合成した1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール984mg(5.1mmol)に、トルエン20mLを加えて溶解し、メタクリル酸0.86mL(10.1mmol)を加えて加熱した。還流が始まったところで、濃硫酸を1滴を加えた。30分後,1時間後,2時間後にサンプリングを行いGCにより分析を行ったところ、原料である1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノールは全て2−プロペニル−1−アダマンタンに転化しており、目的とする1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレートのピークは観察されず、副反応のみが進行したことがわかった。
前記の結果から、実施例1〜7と比較例1〜5とを対比すると、本発明のアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法は、目的物を高純度かつ高収率で得ることができることが分かる。したがって、フォトレジスト用樹脂のモノマーとして好適なアダマンチル(メタ)アクリレートを効率的に製造することが可能となる。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0005993171

    (式中、R2は炭素数のアルキル基を示す。)
    で表される1−アダマンタンカルボン酸メチルを、下記一般式(2)又は(3)
    1MgX1 (2)
    1Li (3)
    (式中、X1はハロゲン原子を示し、R1は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
    で表される有機金属化合物と反応させることによって、下記一般式(5)
    Figure 0005993171

    (式中、R1はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を示し、MはMgX1又はLiを示し、X1はハロゲン原子を示す。)
    で表される金属アルコキシドを得る工程、及び
    得られた金属アルコキシドと(メタ)アクリル酸無水物とを反応させる工程を含む、下記一般式(i)
    Figure 0005993171

    (式中、R1はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を示し、R3は水素原子又はメチル基を示す。)
    で表されるアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
  2. 1−アダマンタンカルボン酸メチル1モルに対して、(メタ)アクリル酸無水物を1〜6モル添加する、請求項1に記載のアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
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