JP4744855B2 - 静電チャック - Google Patents

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Description

本発明は、静電チャック及びその製造方法並びにアルミナ焼結部材及びその製造方法に関する。
半導体製造プロセスや液晶ディスプレイ製造プロセスでは、シリコンウエハやガラス等の基板の固定に、静電チャックが広く使用されている。静電チャックは、静電気力を利用した基板の固定方法であり、一般には、電極の上に誘電体層を積層した構造を有する。静電チャックは、誘電体層上に固定すべき基板を載置し、基板と電極との間に生じるクーロン力と呼ばれる静電気力を利用して、基板を誘電体層上に固定する。あるいは、静電チャックは、誘電体層の表面と基板との間に生じるジョンソン・ラーベック力(以下、「J−R力」と呼ぶ)と呼ばれる静電気力を利用して、基板を誘電体層上に固定する。
クーロン力を利用した静電チャック(以下、「クーロンタイプの静電チャック」という)では、誘電体層として使用温度における体積固有抵抗値が1014Ω・cm以上の高絶縁性材料が使用されている。J―R力を利用した静電チャック(以下「J−Rタイプの静電チャック」という)では、誘電体層として使用温度における体積固有抵抗値が1013Ω・cm以下の材料が使用されている。
誘電体層の材料としては、ポリイミド等の樹脂材料や、窒化アルミニウム(AlN)やアルミナ(Al23)等のセラミックス材料を使用したものが知られている。ポリイミド等の樹脂材料を使用した静電チャックは安価ではあるが、耐腐食性や耐熱性に限界がある。例えば、100℃を超える高温域では使用が困難となる。これに対し、窒化アルミニウムやアルミナ等のセラミックス材料を使用した静電チャックは、耐食性及び耐熱性の点で良好な特性を有する。
窒化アルミニウムは、そもそも非常に高い体積固有抵抗値を得ることが困難であり、クーロンタイプの静電チャックとして使用する場合は、使用温度範囲が狭くなってしまうため、J−Rタイプの静電チャックとして使用されることが多い。
アルミナからなる誘電体層としては、プロセスコストの低減のため、溶射法で作製されたものが知られている。プラズマ溶射法で得られるアルミナは、体積固有抵抗値が、例えば、20℃において1014Ω・cm以下であり、それほど高抵抗のものは得られていない。そのため、アルミナにTiO2等の添加物を加え、体積固有抵抗値を100℃以下で10〜1011Ω・cmに調整した静電チャックが提案されている(例えば、特許文献1参照)。又、耐食性や強度を改善するため、アルミナにSiCを添加し、室温での体積固有抵抗値を10〜1015Ω・cmとした静電チャックが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
更に、体積固有抵抗値を200℃以下で1014〜1016Ω・cmに調整したアルミナ焼結体を用いた静電チャックも提案されている(例えば、特許文献3参照)。このように、従来のアルミナを誘電体層として使用した静電チャックは、体積固有抵抗値の低下や、耐腐食性や強度の改善を目的として、添加物を加えたアルミナの誘電体層を使用していた。又、比較的高い体積固有抵抗値を用いる静電チャックであっても、アルミナの誘電体層の体積固有抵抗値は1016Ω・cm以下であった。
特開平3−204924号公報、請求項1及び第3表 特許3348140号、請求項1、段落[0027] 特開2003−152065号公報、段落[0010]
しかしながら、セラミックス材料のうち、窒化アルミニウムを誘電体層として使用した静電チャックは、窒化アルミニウムの体積固有抵抗値が比較的小さく、半導体的性質を有するため、抵抗の温度依存性が大きく、低温から高温にかけての広い温度領域で高い吸着力を維持することが困難であった。又、漏れ電流を抑制することも困難であった。
このように、誘電体層の抵抗が比較的低い窒化アルミニウムを用いたJ−Rタイプの静電チャックでは、漏れ電流の問題が避けられなかった。一方、クーロンタイプの静電チャックでは漏れ電流の問題は少ないが、静電チャック表面に残留電荷が残り易い。そのため、誘電体層の体積固有抵抗値が充分に高くない場合には、基板の脱着応答性が悪いという課題があった。
更に、従来の添加物を加え、比較的低抵抗としたアルミナを誘電体層として使用した静電チャックは、ウエハ汚染や漏れ電流の問題があった。又、比較的高抵抗としたアルミナを誘電体層として使用した静電チャックであっても、温度を上げるとその体積固有抵抗値が低下し、基板の脱着応答性が悪化した。即ち、従来の静電チャックは、狭い温度範囲でしか使用できないという課題があった。又、広い温度範囲で高い絶縁性を維持するアルミナ部材も提供されていなかった。
そこで、本発明は、広い温度範囲で安定した吸着力を維持でき、基板への漏れ電流を低減した、脱着応答性が良好な静電チャック、広い温度範囲で高い絶縁性を維持するアルミナ焼結部材、及び、これらの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の静電チャックは、室温における体積固有抵抗値が1×1017Ω・cm以上であり、300℃における体積固有抵抗値が1×1014Ω・cm以上であるアルミナ焼結体からなるセラミックス誘電体層と、セラミックス誘電体層の一方の面に形成された面状の電極とを有することを特徴とする。
又、本発明の他の静電チャックは、室温における体積固有抵抗値が1×1017Ω・cm以上であり、200℃における体積固有抵抗値が1×1015Ω・cm以上であるアルミナ焼結体からなるセラミックス誘電体層と、セラミックス誘電体層の一方の面に形成された面状の電極とを有することを特徴とする。
これらの静電チャックによれば、従来のアルミナ焼結体に比較して、広い温度範囲で極めて高い体積固有抵抗値を有するアルミナ焼結体でセラミックス誘電体層を形成できる。そのため、静電チャックは、クーロンタイプの静電チャックとして、広い温度範囲で安定した吸着力を提供できる。又、静電チャックは、静電チャックから基板への漏れ電流を低減できる。更に、静電チャックは、セラミックス誘電体層中に電荷がほとんど存在しないため、基板脱着時の応答速度が速く、良好な脱着応答性を得ることができる。
又、300℃における体積固有抵抗値が1×1014Ω・cm以上のアルミナ焼結体を用いる静電チャックの場合には、アルミナ焼結体は、400℃における体積固有抵抗値が1×1014Ω・cm以上であることが好ましい。これによれば、静電チャックは、より広い温度範囲で、高い吸着力を維持でき、漏れ電流を低減でき、良好な脱着応答性を得ることができる。
更に、いずれの静電チャックにおいても、アルミナ焼結体は、純度が99.5重量%以上であり、密度が3.80〜4.00g/cm3であることが好ましい。これによれば、静電チャックは、広い温度範囲で高い体積固有抵抗値を有し、基板への汚染源になるおそれがなく、耐腐食性が高いセラミックス誘電体層を有することができる。
更に、アルミナ焼結体は、不活性ガス雰囲気もしくは還元雰囲気でホットプレス法により焼成されたものであることが好ましい。これによれば、静電チャックは、ホットプレス法により加えられる圧力により緻密にされた、高い体積固有抵抗値を持つアルミナ焼結体からなるセラミックス誘電体層を有することができる。
又、セラミックス誘電体層は、厚みが0.05mm〜0.50mmであることが好ましい。これによれば、静電チャックは、セラミックス誘電体層上に載置された基板と電極との間に発生する静電気力(クーロン力)を高めることができ、高い吸着力を発揮できる。
更に、静電チャックは、電極を介して、セラミックス誘電体層と接合されたセラミックス基体を有することができる。この場合、セラミックス誘電体層、電極及びセラミックス基体は、ホットプレス法を用いて焼成された一体焼結品であることが好ましい。これによれば、静電チャックは、接着剤層が介在することなく、セラミックス誘電体層、電極及びセラミックス基体が隙間なく接合されるため、耐腐食性を高めることができる。
セラミックス基体は、アルミナ焼結体であることが好ましい。これによれば、静電チャックは、セラミックス誘電体層とセラミックス基体とが同種のセラミックスで形成されるため、セラミックス誘電体層とセラミックス基体との熱膨張係数差をほぼなくすことができ、両者の接合部分で熱応力が発生することを防止できる。
本発明の静電チャックの製造方法は、アルミナを99.5重量%以上含むセラミックス原料粉末を用いて、不活性ガス雰囲気もしくは還元雰囲気でホットプレス法により焼成し、アルミナ焼結体を作製する工程と、面状の電極を形成する工程とを有することを特徴とする。
このような静電チャックの製造方法によれば、従来のアルミナ焼結体に比較して、広い温度範囲で極めて高い体積固有抵抗値を有する高純度のアルミナ焼結体を得ることができる。更に、このアルミナ焼結体をセラミックス誘電体層として使用したクーロンタイプの静電チャックを提供できる。よって、このような製造方法によれば、広い温度範囲で安定した吸着力を発揮でき、静電チャックから基板への漏れ電流を低減でき、良好な脱着応答性を示す静電チャックを提供できる。更に、このような製造方法によれば、セラミックス誘電体層の純度を高めることができるため、基板への汚染源とならない静電チャックを提供できる。
尚、本発明の静電チャックの製造方法において、上記工程の順番は限定されない。例えば、上記セラミックス原料粉末を用いてアルミナ成形体を成形し、そのアルミナ成形体の一方の面上に電極を形成し、アルミナ成形体と電極を同時に焼成してもよい。あるいは、上記セラミックス原料粉末を用いて電極が埋設されたアルミナ成形体を成形し、アルミナ成形体と電極を同時に焼成してもよい。更に、上記セラミックス原料粉末を用いて成形したアルミナ成形体を焼成後、焼結体の一方の面上に電極を形成してもよい。
本発明のアルミナ焼結部材は、室温における体積固有抵抗値が1×1017Ω・cm以上であり、300℃における体積固有抵抗値が1×1014Ω・cm以上であることを特徴とする。本発明の他のアルミナ焼結部材は、室温における体積固有抵抗値が1×1017Ω・cm以上であり、200℃における体積固有抵抗値が1×1015Ω・cm以上であることを特徴とする。これらのアルミナ焼結部材によれば、広い温度範囲で高い絶縁性を維持できる。よって、アルミナ焼結部材は、広い温度範囲で高い絶縁性を必要とする種々の用途に用いることができる。
又、300℃における体積固有抵抗値が1×1014Ω・cm以上のアルミナ焼結部材は、400℃における体積固有抵抗値が1×1014Ω・cm以上であることが好ましい。これによれば、アルミナ焼結部材は、より広い温度範囲で高い絶縁性を維持することができ、より広範な温度範囲で高絶縁性が必要とされる用途に使用できる。
更に、いずれのアルミナ焼結部材も、純度が99.5重量%以上であり、密度が3.80〜4.00g/cm3以上であることが好ましい。これによれば、広い温度範囲で高い体積固有抵抗値を有し、汚染源になるおそれがなく、耐腐食性が高いアルミナ焼結部材を提供できる。
アルミナ焼結部材は、不活性ガス雰囲気もしくは還元雰囲気でホットプレス法により焼成されたものであることが好ましい。これによれば、アルミナ焼結部材は、ホットプレス法による圧力により緻密にされ、高い体積固有抵抗値を持つことができる。
本発明のアルミナ焼結部材の製造方法は、アルミナを99.5重量%以上含むセラミックス原料粉末を用いて、不活性ガス雰囲気もしくは還元雰囲気でホットプレス法により焼成することにより、室温における体積固有抵抗値が1×1017Ω・cm以上であり、300℃における体積固有抵抗値が1×1014Ω・cm以上のアルミナ焼結体を作製する工程を有することを特徴とする。
又、本発明の他のアルミナ焼結部材の製造方法は、アルミナを99.5重量%以上含むセラミックス原料粉末を用いて、不活性ガス雰囲気もしくは還元雰囲気でホットプレス法により焼成することにより、室温における体積固有抵抗値が1×1017Ω・cm以上であり、200℃における体積固有抵抗値が1×1015Ω・cm以上のアルミナ焼結体を作製する工程を有することを特徴とする。
これらのようなアルミナ焼結部材の製造方法によれば、広い温度範囲で極めて高い体積固有抵抗値を有する高純度のアルミナ焼結部材を作製することができる。よって、このような製造方法によれば、広い温度範囲で高い絶縁性を維持でき、汚染源になるおそれがない、アルミナ焼結部材を提供できる。
以上説明したように、本発明によれば、広い温度範囲で安定した吸着力を維持でき、基板への漏れ電流を低減した、脱着応答性が良好な静電チャック、広い温度範囲で高い絶縁性を維持するアルミナ焼結部材、及び、これらの製造方法を提供できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る静電チャック及びその製造方法並びにアルミナ焼結部材及びその製造方法について説明する。
(静電チャック)
図1は、本発明の実施の形態に係る静電チャック10の構造を示す(a)平面図及び(b)断面図である。静電チャック10は、セラミックス誘電体層3と、セラミックス誘電体層3の一方の面に形成された面状の電極2と、電極2を介してセラミックス誘電体層3と接合されたセラミックス基体1と、電極端子4とを備える。セラミックス基体1上に、電極2とセラミックス誘電体層3が配置され、電極2が、セラミックス基体1とセラミックス誘電体層3との間に埋設された状態となっている。
セラミックス誘電体層3の表面が基板載置面3aとなり、シリコンウエハやガラス等の基板が基板載置面3a上に載置され、固定される。セラミックス基体1、セラミックス誘電体層3は、例えば、図1に示すように円盤状となっている。又、静電チャック10は、電極2を1つだけ備える単極型である。
静電チャック10は、セラミックス誘電体層3として、広い温度範囲で極めて高い体積固有抵抗値を示すアルミナ焼結体を使用したクーロンタイプの静電チャックである。以下、より具体的に静電チャックの構造について説明する。
セラミックス誘電体層3は、室温における体積固有抵抗値が1×1017Ω・cm以上、かつ、300℃における体積固有抵抗が1×1014Ω・cm以上であるアルミナ焼結体により形成されている。
あるいは、セラミックス誘電体層3は、室温における体積固有抵抗値が1×1017Ω・cm以上、かつ、200℃における体積固有抵抗が1×1015Ω・cm以上であるアルミナ焼結体により形成されてもよい。
このようにセラミックス誘電体層3は、広い温度範囲で極めて高い体積固有抵抗値を有するため、クーロンタイプの静電チャックとして広い温度範囲で高い吸着力を安定的に発揮できる。クーロンタイプの静電チャック10は、電極2とセラミックス誘電体層3上に載置された基板との間で、以下の(1)式により示される吸着力(F)を発生する。よって、基板は吸着力(F)で吸着される。
F=(1/2)εε(V/d)・・・(1)
(1)式において、εはセラミックス誘電体層3の誘電率、εは真空誘電率、Vは電極2への印加電圧、dは電極2と基板との距離、即ち、セラミックス誘電体層3の厚みである。セラミックス誘電体層3が、広い温度範囲で高い体積固有抵抗値を維持することにより、(1)式における誘電率εを高くできる。その結果、静電チャック10は、高い吸着力(F)を、室温から200℃又は300℃という広い温度範囲で維持できる。更に、このようなセラミックス誘電体層3は、室温以下でも高い体積固有抵抗値を維持できるため、非常に広い温度範囲で高い吸着力を維持することができる。
又、静電チャック10は、広い温度範囲で高い体積固有抵抗値を維持できるため、静電チャック10から基板への漏れ電流を低減でき、ほぼ完全に防止できる。よって、静電チャック10は、微小な漏れ電流が素子特性に影響を与える次世代の半導体プロセスにも適用することができる。
更に、静電チャック10は、セラミックス誘電体層3中に電荷がほとんど存在しないため、基板脱着時の応答速度が速く、良好な脱着応答性を示すことができる。従来のクーロンタイプの静電チャックの中には、室温で1×1014〜1×1016Ω・cm程度の比較的高い体積固有抵抗値を有する誘電体層材料を使用したものがあった。しかし、そのような静電チャックであっても、温度が高くなると体積固有抵抗値が低下してしまっていた。そのため、電極への印加電圧解除後も誘電体層に残留電荷が残り、吸着力が維持されてしまっていた。よって、基板が脱着されるために、残留電荷がある程度、誘電体層外に移動する必要があり、そのための時間が基板脱着までに必要であった。
即ち、J―Rタイプの静電チャックに使用されるような、1×1012Ω・cm以下の比較的低い体積固有抵抗値を有する誘電体層は、誘電体層内の残留電荷が素早く流れるため、脱着応答時間は比較的短い。しかし、1×1012〜1×1014Ω・cm程度の比較的高い体積固有抵抗値を有する誘電体層では、印加電圧除去後に、誘電体層内に残留した電荷が電極側もしくは基板側に移動するために時間がかかり、基板の脱着応答性が悪い。
これに対し、静電チャック10は、室温において1×1017Ω・cm以上の極めて高い体積固有抵抗値を有するアルミナ焼結体をセラミックス誘電体層3として使用しているため、基板と電極2が完全に分極し、セラミックス誘電体層3内を流れる電荷がほとんど存在しない。そのため、印加電圧除去後に、セラミックス誘電体層3内を流れる残留電荷の影響による脱着応答性の悪化を防止できる。具体的には、セラミックス誘電体層3の体積固有抵抗値が1×1017Ω・cm以上であれば印加解除とほぼ同時に、1×1014Ω・cm以上であれば印加解除から5,6秒以内に基板の脱着が可能になる。このように、静電チャック10は、基板脱着時の応答速度が非常に速く、脱着応答性に優れている。
更に、300℃における体積固有抵抗値が1×1014Ω・cm以上のセラミックス誘電体層3を形成するアルミナ焼結体は、400℃における体積固有抵抗値が1×1014Ω・cm以上であることが好ましい。これによれば、静電チャック10は、より広い温度範囲、具体的には、室温以下から400℃という広い温度範囲で、高い吸着力を維持でき、漏れ電流を低減でき、良好な脱着応答性を得ることができる。
又、セラミックス誘電体層3を形成するアルミナ焼結体は、300℃における体積固有抵抗値が、1×1015Ω・cm以上であることが好ましい。又、セラミックス誘電体層3を形成するアルミナ焼結体は、200℃における体積固有抵抗値が、1×1015Ω・cm以上であることが好ましい。これらによれば、静電チャック10は、脱着応答性を更に高めることができる。
セラミックス誘電体層3の厚みdは薄い方が好ましい。具体的には、セラミックス誘電体層3の厚みは、0.05mm〜0.50mmであることが好ましく、0.05mm〜0.40mmであることがより好ましい。これによれば、静電チャック10は、セラミックス誘電体層3上に載置された基板と電極2との間に発生する静電気力(クーロン力)を高めることができ、高い吸着力を発揮できる。
アルミナ焼結体からなるセラミックス誘電体層3の製造方法は特に限定されないが、ホットプレス法を使用して焼結させたものであることが好ましい。これによれば、従来の常圧焼結法を用いて大気中もしくは不活性ガス雰囲気中で焼成したアルミナ焼結体と比較し、高い体積固有抵抗値を実現できる。特に、アルミナ焼結体は、還元雰囲気、又は、不活性ガス雰囲気中でホットプレス法により焼成されたものであることが好ましい。
これによれば、アルミナ焼結体は、室温における体積固有抵抗値が1×1017Ω・cm以上、かつ、300℃における体積固有抵抗値が1×1014Ω・cm以上という特性や、室温における体積固有抵抗値が1×1017Ω・cm以上、かつ、200℃における体積固有抵抗値が1×1015Ω・cm以上という特性を、より確実に得ることができる。よって、静電チャック10は、ホットプレス法により加えられる圧力により緻密にされた、高い体積固有抵抗値を持つアルミナ焼結体からなるセラミックス誘電体層3を有することができる。
不活性ガスは、例えば、窒素やアルゴンを用いることができる。不活性ガス雰囲気は、例えば、減圧下に窒素やアルゴンを導入して形成することができる。又、複数回(例えば2回)焼成を行い、少なくとも1回、例えば、最後(2回目)の焼成において、還元雰囲気、又は、不活性ガス雰囲気中でホットプレス法により焼成を行うようにしてもよい。これによっても、より確実に上記した体積固有抵抗値を得ることができる。このように、還元雰囲気、又は、不活性ガス雰囲気中でのホットプレス法による焼成は、少なくとも1回行われればよい。複数回焼成を行う場合には、例えば、ホットプレス法による焼成を1回にし、それ以外は常圧焼結法とすることにより、より簡易に製造できる。
又、アルミナ焼結体の体積固有抵抗値は、純度(不純物の濃度)、結晶性、緻密性、結晶粒界の状態等、複数の要素が複合的に影響する。そのため、これらの要素を調整してアルミナ焼結体の体積固有抵抗値を調整することができる。
例えば、セラミックス誘電体層3を形成するアルミナ焼結体の純度は、99.5重量%以上であることが好ましく、密度は3.80〜4.00g/cm3であることが好ましい。これによれば、静電チャック10は、広い温度範囲で高い体積固有抵抗値を有し、基板への汚染源になるおそれがなく、耐腐食性が高いセラミックス誘電体層3を有することができる。
特に、セラミックス誘電体層3の基板載置面3aは基板に直接接触するが、アルミナ焼結体の純度が99.5重量%以上と高く、シリコンウエハやガラス等の基板の汚染源となる添加剤の濃度が低く抑えられている。そのため、静電チャック10は、基板をセラミックス誘電体層3上に直接載置する場合であっても、基板の汚染を防止でき、基板から製造される半導体素子等の汚染を防止できる。しかも、セラミックス誘電体層3は、密度が3.80〜4.00g/cm3と非常に高く、緻密であるため、静電チャック10は、非常に高い耐腐食性を有することができる。より好ましいアルミナ焼結体の純度は、99.7重量%以上であり、より好ましいアルミナ焼結体の密度は、3.93〜4.00g/cm3である。
更に、セラミックス誘電体層3を形成するアルミナ焼結体の曲げ強度(JIS R1601)は、350MPa以上であることが好ましい。これによれば、アルミナ焼結体は、穴あけ加工等の加工時に割れ等の破損が発生しにくい。しかも、このようなアルミナ焼結体を用いた静電チャック10は、使用中にも欠けが生じにくいため、パーティクルの発生を防止でき、耐久性も向上できる。より好ましい曲げ強度は、365MPa以上である。
又、セラミックス誘電体層3の表面粗さ(Ra)(JIS B0601)は、0.5μm以下であることが好ましい。これによれば、基板の裏面とセラミックス誘電体層3の基板載置面3aとの間にバックサイドガスを流す際に、バックサイドガスの流れが乱れることを防止でき、基板温度を均一にすることができる。セラミックス誘電体層3の表面粗さ(Ra)は、小さいほど好ましいが、加工コストを抑えるためには、0.1〜0.5μmであることが好ましい。
更に、セラミックス誘電体層3を構成するアルミナ焼結体の開気孔率は、0%であることが好ましい。これによれば、耐電圧を大きくすることができる。又、セラミックス誘電体層3を構成するアルミナ焼結体の最大気孔径は、100μm以下であることが好ましい。これによれば、耐電圧を大きくすることができる。最大気孔径は、50μm以下であることがより好ましい。又、セラミックス誘電体層3を構成するアルミナ焼結体の耐電圧は、15kV/mm以上であることが好ましい。耐電圧は、18kV/mm以上であることがより好ましい。
又、セラミックス誘電体層3の直径は、基板載置面3aに載置される基板の直径よりも小さいことが好ましい。これによれば、基板を載置した際に、基板によりセラミックス誘電体層3を覆うことができ、セラミックス誘電体層が露出しないようにできる。そのため、例えば、静電チャック10をドライエッチング装置等のプラズマ環境において使用する場合に、プラズマ衝撃によってセラミックス誘電体層3の成分が飛散し、基板が汚染されるのを防止できる。但し、セラミックス誘電体層3の形状は、特に限定されず、使用環境に合わせ、基板より広い基板載置面3aを有しても構わない。
電極2は、電圧が印加され、静電気力(クーロン力)を発生する。電極2は、例えば、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、WC等の高融点金属を用いることができ、その形態は特に限定されない。例えば、電極2は、金属粉末を含む印刷ペーストを印刷、乾燥、焼成により形成した印刷電極や、スパッタやイオンビーム蒸着等の物理的蒸着、CVD等の化学的蒸着により形成した金属薄膜等の膜状電極を用いることができる。金属薄膜は、エッチング等により特定の形状(パターン)の電極(パターン電極)としてもよい。あるいは、電極2として、金網電極(メッシュ状の電極)、パンチングメタル、金属板等のバルク金属を使用してもよい。尚、印刷電極を形成する場合には、セラミックス誘電体層3やセラミックス基体1との熱膨張係数を近づけるために、アルミナ粉末やセラミックス基体1に用いられているセラミックス粉末と、金属粉末とを混合した印刷ペーストを用いることが好ましい。
電極2は、図1に示すように、セラミックス基体1とセラミックス誘電体層3との接合体中に完全に埋設され、外部に露出しない構成とすることが望ましい。これによれば、静電チャック10が、腐食ガス雰囲気中で使用される場合であっても、その耐腐食性を向上させることができる。電極2には、電圧を印加するための電極端子4がろう付け等により接続されている。
セラミックス基体1は、セラミックス焼結体からなり、電極2とセラミックス誘電体層3を支持する。セラミックス基体1は、セラミックス焼結体であれば、その種類は限定されないが、アルミナ焼結体であることが好ましい。このように、セラミックス誘電体層3とセラミックス基体1とが同種の材料で形成されるため、セラミックス誘電体層3とセラミックス基体1との熱膨張係数差をほぼなくすことができ、両者の接合部分で熱膨張係数の相違に起因する熱応力が発生することを防止できる。
セラミックス基体1は、純度が99重量%以上のアルミナ焼結体からなることが好ましい。これによれば、セラミックス基体1も、高い絶縁性、耐熱性、耐腐食性を備えることができる。但し、セラミックス基体1には、セラミックス誘電体層3を構成するアルミナ焼結体と同程度の高い体積固有抵抗値は要求されない。セラミックス基体1は、アルミナ焼結体以外にも、例えば、窒化アルミニウム(AlN)焼結体、窒化珪素(Si34)焼結体、炭化珪素(SiC)焼結体、又は、スピネル(MgAl24)等からなるものを用いることができる。更に、基体として、セラミックス以外に、金属材料や、セラミックスと金属のコンポジット材料等からなるものを用いることができる。
セラミックス誘電体層3、電極2及びセラミックス基体1は、ホットプレス法を用いて、一体に焼成された一体焼結品であることが好ましい。静電チャック10は、ホットプレス法による焼成により一体化された構造とすることで、セラミックス基体1とセラミックス誘電体層3は、両者の接合面に接着剤層等を介さずに接合できるとともに、セラミックス誘電体層3、電極2及びセラミックス基体1が隙間なく接合される。即ち、接合界面をほぼ残さずに一体化された静電チャック10とすることができる。よって、耐腐食性を向上させることがでできる。即ち、埋設された電極2を完全に外部雰囲気と遮断できるため、静電チャック10は、腐食性ガス中での使用に対して高い耐腐食性を維持できる。
静電チャックの構造は、図1に示した単極型の静電チャック10以外に、図2に示すような2つの電極を有する双極型の静電チャック20の構造とすることもできる。図2は、静電チャック20の構造を示す(a)平面図及び(b)断面図である。静電チャック20は、セラミックス基体1と、2つの電極22a,22bと、セラミックス誘電体層3と、2つの電極端子24a,24bとを有する。
静電チャック20では、セラミックス基体1とセラミックス誘電体層3との間に埋設される面状の電極が、二つに分割されている。電極の分割の仕方は限定されない。例えば、電極を2つの半円形、2つの櫛歯形、2つのリング形状に分割できる。そして、静電チャック20は、電極22a,22bとして、図2に示す半円形や、櫛歯形、リング形状等の電極を用いることができる。更に、電極は、2つではなく、より多くの複数電極に分割することもできる。静電チャック20では、電極22a,22bそれぞれに、電極端子24a,24bがろう付け等により接続されている。これらの点以外は、静電チャック20は、図1に示した静電チャック10と同様である。
更に、静電チャックは、基板を加熱するためのヒータエレメントを有してもよい。図3は、ヒータエレメント5を有する双極型の静電チャック30の構造を示す断面図である。静電チャック30は、セラミックス基体1と、電極22a,22bと、セラミックス誘電体層3と、ヒータエレメント5と、電極端子24a,24bと、ヒータエレメント端子5a,5bとを有する。
ヒータエレメント5は、電圧印加により、発熱する。ヒータエレメント5は、セラミックス基体1中に埋設されている。ヒータエレメント5には、電力を供給するためのヒータエレメント端子5a,5bが、ろう付け等により接続されている。ヒータエレメント端子5a,5bは、静電チャック30中心部から取り出されている。
ヒータエレメント5は、抵抗発熱体であり、例えば、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、WC等の高融点金属を用いることができ、その形態は特に限定されない。例えば、ヒータエレメント5は、線状、コイル状、帯状のバルク金属、金属粉末を含む印刷ペーストを印刷、乾燥、焼成により形成した印刷エレメントや、金属薄膜等を使用できる。これらの点以外は、静電チャック30は、図2に示した静電チャック20と同様である。
(静電チャックの製造方法)
次に、静電チャック10の製造方法について説明する。静電チャック10は、アルミナを99.5重量%以上含むセラミックス原料粉末を用いて、不活性ガス雰囲気もしくは還元雰囲気でホットプレス法により焼成し、アルミナ焼結体を作製する工程と、面状の電極を形成する工程とを有する。これらの工程の順番は限定されない。
例えば、上記セラミックス原料粉末を用いてアルミナ成形体を成形後、アルミナ成形体の一方の面上に電極を形成し、アルミナ成形体と電極を同時に焼成してもよい。あるいは、上記セラミックス原料粉末を用いて電極が埋設されたアルミナ成形体を成形し、電極形成と成形を同時に行った後、アルミナ成形体と電極を同時に焼成してもよい。更に、上記セラミックス原料粉末を用いて成形したアルミナ成形体を焼成後、アルミナ焼結体の一方の面上に電極を形成してもよい。
更に、静電チャックの製造方法は、上記セラミックス原料粉末を用いてアルミナ成形体を成形する工程と、アルミナ成形体上に電極を形成する工程と、アルミナ成形体及び電極上にセラミックス成形体を成形し、積層する工程とを備え、電極を埋設させた一体成形体を成形する工程と、その一体成形体を不活性ガス雰囲気もしくは還元雰囲気でホットプレス法により焼成する工程とを有してもよい。これによれば、セラミックス誘電体層3、電極2及びセラミックス基体1の一体焼結品である静電チャックを提供できる。
あるいは、上記セラミックス原料粉末を用いてアルミナ成形体を成形する第1の成形工程と、アルミナ成形体を焼成し、アルミナ焼結体を作製する第1の焼成工程と、アルミナ焼結体の一方の面上に面状の電極を形成する工程と、アルミナ焼結体及び電極上にセラミックス成形体を成形し、積層する第2の成形工程とを備え、アルミナ焼結体、電極及びセラミックス成形体の一体品を作製する工程と、その一体品を不活性ガス雰囲気もしくは還元雰囲気でホットプレス法により焼成する第2の焼成工程とを有してもよい。これによっても、セラミックス誘電体層3、電極2及びセラミックス基体1の一体焼結品である静電チャックを提供できる。
アルミナ焼結体の体積固有抵抗値は、純度(不純物の濃度)、結晶性、緻密性、結晶粒界の状態等、複数の要素が複合的に影響する。そのため、これらの要素を調整してアルミナ焼結体の体積固有抵抗値を調整することができる。例えば、使用するアルミナ粉末の純度や平均粒子径、焼成温度、焼成雰囲気、焼成時に加圧する圧力、焼成方法、焼成回数等の焼成条件等を調整することにより、室温における体積固有抵抗値が1×1017Ω・cm以上、300℃における体積固有抵抗値が1×1014Ω・cm以上であるアルミナ焼結体や、室温における体積固有抵抗値が1×1017Ω・cm以上、200℃における体積固有抵抗値が1×1015Ω・cm以上であるアルミナ焼結体とすることができる。
次に、図4(a)〜図4(d)を参照して、静電チャック10の製造方法の一例を説明する。まず、図4(a)に示すように、円盤状のアルミナ成形体を成形し、焼成して、アルミナ焼結体13を作製する。このアルミナ焼結体13は、最終的にセラミックス誘電体層3となるものであるが、後続する研削工程やホットプレス焼成工程等に対し、十分な強度を持たせるため、アルミナ焼結体13の厚みは最終的なセラミックス誘電体層3の厚みより厚いものとすることが好ましい。例えば、最終的に0.5mmの厚みのセラミックス誘電体層3を形成する場合には数mm〜10mmの厚みとしておく。
このようなアルミナ焼結体13を作製するためには、まず、アルミナを主成分とするセラミックス原料粉末を準備する。このセラミックス原料粉末としては、アルミナ粉末の他にマグネシア(MgO)等の焼結助剤粉末を添加してもよい。但し、少なくともアルミナ粉末の含有量を99.5重量%以上とすることが好ましい。また、アルミナ粉末の純度は99.5重量%以上のものを使用することが好ましい。
このセラミックス原料粉末に、バインダを所定の配合比で調合し、トロンメル等を用いて混合し、スラリーを得る。次に、スラリーを乾燥し、造粒顆粒を得る。得られた造粒顆粒を用いてアルミナ成形体を作製する(第1の成形工程)。例えば、金型成形法、CIP(Cold Isostatic Pressing)法、スリップキャスト法等の成形方法を用いて、円盤状のアルミナ成形体を作製する。
得られた成形体を、例えば、常圧焼結法等を用いて、大気中もしくは不活性ガス雰囲気中で、約1600℃〜1700℃で、約2〜6時間焼成を行う(第1の焼成工程)。このようにしてアルミナ焼結体13を得る。焼成方法は常圧焼結法以外の方法を使用してもよい。常圧焼結法を使用する場合には、簡易な設備を用いることができ、好ましい。尚、窒素雰囲気で常圧焼結法によりアルミナ焼結体13を作製する場合、第1の焼成工程により得られるアルミナ焼結体13の体積固有抵抗値は、室温において約1015Ω・cmとなる。
次に、図4(b)に示すように、アルミナ焼結体13の一方の面に印刷電極12を形成する。まず、アルミナ焼結体13の一方の面を研削加工して平坦な平面(平滑面)を形成する。得られた平滑面上に、W、Mo、MoC等の金属粉末を含む印刷ペーストをスクリーン印刷法等により印刷して、面状の印刷電極12を形成し、乾燥する。印刷ペーストには、焼成時の熱収縮率を調整するために、アルミナ粉末を5重量%〜50重量%添加することが好ましい。又、平滑面上にスパッタやイオンビーム蒸着等の物理的蒸着、CVD等の化学的蒸着により金属薄膜の膜状電極を形成してもよい。
次に、例えば、金型に印刷電極12が形成された面が露出するように、アルミナ焼結体13をセットし、印刷電極12とアルミナ焼結体13の上方から、別途準備したセラミックス粉末を用いて作製した造粒顆粒を充填する。このようにして、セラミックス基体1となるセラミックス成形体11を、金型成型法により成形する(第2の成形工程)。造粒顆粒は、アルミナ粉末と焼結助剤粉末とを混合して作製したものが好ましい。更に、アルミナ粉末の純度は、アルミナ焼結体13のアルミナ粉末よりも低くても構わないが、99重量%以上であることが好ましい。
このような金型成型法により、図4(c)に示すように、アルミナ焼結体13、印刷電極12及びセラミックス成形体11を一体化し、アルミナ焼結体13、印刷電極12及びセラミックス成形体11の一体品を作製する。続いて、一体化したアルミナ焼結体13、印刷電極12及びセラミックス成形体11の一体品を、ホットプレス法により、図4(c)に示すように一軸方向に加圧しながら焼成を行う(第2の焼成工程)。焼成条件は限定されるものではないが、減圧下に窒素、アルゴン等の不活性ガスを導入した不活性ガス雰囲気中、又は、還元雰囲気で、1600℃〜1700℃で、約1〜3時間焼成を行うことが好ましい。又、加える圧力は、5MPa〜30MPaであることが好ましい。これにより、アルミナ焼結体13、印刷電極12及びセラミックス成形体11を一体化した一体焼結体を得る。
2回の焼成工程を経ることにより、アルミナ焼結体13は、室温における体積固有抵抗値が1×1017Ω・cm以上、かつ、300℃における体積固有抵抗値が1×1014Ω・cm以上に達する。
最後に、図4(d)に示すように、アルミナ焼結体13を研削し、厚みが0.05〜0.50mmとなるように調整して、セラミックス誘電体層3を得る。更に、セラミックス誘電体層3の基板載置面の表面粗さ(Ra)を0.5μm以下となるように研磨する。セラミックス焼結体に電極端子4を挿入する穴を形成し、必要に応じて、電極端子4の周囲を覆う円筒形セラミックスを、形成した穴に挿入する。そして、電極2に電極端子4をろう付け等により接続する。このようにして、図4(d)に示す静電チャック10を得る。
セラミックス誘電体層3はアルミナ焼結体13により形成されたものであり、電極2は印刷電極12により形成されたものであり、セラミックス基体1はセラミックス成形体11を焼成したセラミックス焼結体により形成されたものである。尚、図4(d)に示すように、アルミナ焼結体13及びセラミックス焼結体の側面を研削加工し、基板載置面の面積を狭くしてもよい。
このような静電チャックの製造方法によれば、2回の焼成工程を経ることにより、室温において1×1017Ω・cm以上の極めて高い体積固有抵抗値を有するアルミナ焼結体からなるセラミックス誘電体層3を作製することができる。更に、アルミナ焼結体13、印刷電極12及びセラミックス成形体11を第2の成形工程及びホットプレス法による焼成(第2の焼成工程)により一体化し、一体焼結体とするため、接合層を持たない静電チャック10が得られる。特に、セラミックス成形体11の原料粉末としてアルミナ粉末を使用する場合は、アルミナ焼結体13との接合が良好になり、接合界面がほぼ存在しない一体焼結体を作製することができる。このため、得られる静電チャック10は、腐食性ガス雰囲気で使用してもセラミックス誘電体層3とセラミックス基体1との接合部分からガスが侵入することによる電極2の腐食を防止できる。
又、この製造方法では、まず、アルミナ焼結体13を単独で作製し、その片面を研削加工して平坦な平面(平滑面)を形成し、その上に印刷電極12を形成している。更に、ホットプレス法による焼成工程後に、研削加工により、アルミナ焼結体の厚み、即ち、セラミックス誘電体層3の厚みを最終調整する。そのため、この製造方法によれば、高い精度でセラミックス誘電体層3の厚みを制御できる。よって、この製造方法によれば、セラミックス誘電体層3の厚みを0.5mm以下と極めて薄く調整でき、しかも、その厚みを均一にすることができる。その結果、この製造方法によれば、高い吸着力を発揮でき、吸着力が面内において均一な(吸着力の面内均一性を確保した)クーロンタイプの静電チャック10を製造できる。
尚、焼成工程は必ず2回行う必要はなく、1回のホットプレス法による焼成工程のみで静電チャック10を製造してもよい。この場合、例えば、金型を用いたプレス成形法で、円盤状のアルミナ成形体を作製する。得られたアルミナ成形体を別の金型の底部にセットし、その上面に、例えば、面状の金網電極等のバルク金属を載置する。そして、アルミナ成形体と金網電極の上方から、アルミナ粉末等のセラミックス原料粉体を充填し、プレス成形する。これにより、アルミナ成形体、セラミックス成形体が一体化された一体成形体を得ることができる。そして、得られた一体成形体をホットプレス法により焼成し、一体焼結体を得る。最後に、図4(d)に示した製造方法と同様にして、研削加工等を施し、セラミックス誘電体層3を所定の厚みに調整できる。
又、例えば、セラミックス誘電体層3となるアルミナ焼結体を、ホットプレス法による焼成工程を複数回(例えば2回)行って作製することにより、室温における体積固有抵抗値が1×1017Ω・cm以上、200℃における体積固有抵抗値が1×1015Ω・cm以上であるアルミナ焼結体を得ることができる。例えば、アルミナ成形体をホットプレス法により焼成し、得られたアルミナ焼結体を、セラミックス成形体の焼成と同時にホットプレス法により焼成して、ホットプレス法による焼成を2回行うことができる。
又、図3に示したヒータエレメント5を有する静電チャック30を製造する場合には、コイル状等のバルク金属のヒータエレメント5を埋設したセラミックス成形体11を作製したり、セラミックス焼結体上に印刷エレメントを形成し、セラミックス成形体を積層したりすることによって、ヒータエレメント5を有するセラミックス基体1を作製することができる。この点以外は、静電チャック10と同様にして静電チャック30を製造できる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態の記載に限定されるものではない。例えば、上記実施形態に係る静電チャックの製造方法では、セラミックス基体1もホットプレス法を用いて焼成することで作製しているが、セラミックス誘電体層3となるアルミナ焼結体のみをホットプレス法により焼成し、セラミックス基体1については、常圧焼成法等の別の焼成方法で作製してもよい。例えば、セラミックス誘電体層3となるアルミナ焼結体のみをホットプレス法を用いて作製した後、アルミナ焼結体の片面にスクリーン印刷法や各種蒸着法等を用いて膜状電極を形成する。そして、膜状電極が形成されたアルミナ焼結体と、別途作製したセラミックス焼結体とを接着剤を介して接着した簡易な構造の静電チャックとしてもよい。
又、上記実施形態では、セラミックス基体1を使用しているが、セラミックス以外の基体を使用することもできる。例えば、基体として金属材料やセラミックスと金属のコンポジット材料等を使用することができる。この場合、例えば、絶縁性接着材を使用し、膜状電極が形成されたアルミナ焼結体と、基体とを接着して静電チャックを作製することができる。
以上説明したように、このような静電チャック10〜30によれば、従来のアルミナ焼結体に比較して、広い温度範囲で極めて高い体積固有抵抗値を有するアルミナ焼結体でセラミックス誘電体層3を形成できる。そのため、静電チャック10〜30は、クーロンタイプの静電チャックとして、広い温度範囲で安定した吸着力を提供できる。又、静電チャック10〜30は、静電チャック10〜30から基板への漏れ電流を低減できる。更に、静電チャック10〜30は、セラミックス誘電体層3中に電荷がほとんど存在しないため、基板脱着時の応答速度が速く、良好な脱着応答性を得ることができる。
近年、半導体素子の微細化が進み、基板への漏れ電流が半導体素子の特性に大きな影響を与えるおそれが生じている。又、半導体製造プロセスや液晶ディスプレイ製造プロセスは非常に多様化し、その温度条件の多様化も進んでいる。静電チャック10〜30によれば、低温から高温にかけての広い温度範囲で安定した吸着力を維持でき、漏れ電流が極めて少ない。そのため、徹底した漏れ電流の抑制が求められる、微細な半導体素子の作製を目的とした次世代の半導体製造プロセスや、多様化する温度条件に対しても、適切に対応でき、非常に有用である。
更に、上記静電チャック10〜30の製造方法によれば、従来のアルミナ焼結体に比較して、広い温度範囲で極めて高い体積固有抵抗値を有する高純度のアルミナ焼結体を得ることができる。更に、このアルミナ焼結体をセラミックス誘電体層3として使用したクーロンタイプの静電チャック10〜30を提供できる。よって、このような製造方法によれば、広い温度範囲で安定した吸着力を発揮でき、静電チャックから基板への漏れ電流を低減でき、良好な脱着応答性を示す静電チャック10〜30を提供できる。更に、このような製造方法によれば、セラミックス誘電体層3の純度を高めることができるため、基板への汚染源とならない静電チャック10〜30を提供できる。
(アルミナ焼結部材及びその製造方法)
上記したセラミックス誘電体層3に用いたアルミナ焼結体は、静電チャック10〜30のセラミックス誘電体層3としてだけでなく、アルミナ焼結部材として単体で、あるいは別の部材と組み合わせて使用することができる。即ち、アルミナ焼結体は、室温における体積固有抵抗値が1×1017Ω・cm以上、300℃における体積固有抵抗値が1×1014Ω・cm以上であるアルミナ焼結部材や、室温における体積固有抵抗値が1×1017Ω・cm以上、200℃における体積固有抵抗値が1×1015Ω・cm以上であるアルミナ焼結部材として用いることができる。
このようなアルミナ焼結部材によれば、広い温度範囲で高い絶縁性を維持できる。よって、アルミナ焼結部材は、広い温度範囲で高い絶縁性を必要とする種々の用途に用いることができる。
例えば、アルミナ焼結部材は、半導体製造装置内で使用される、サセプタ、ヒータ基材、リング材、ドーム材等として使用することができる。更に、アルミナ焼結部材は、広い温度範囲での高い絶縁性をはじめ、耐熱性、耐腐食性を要求される部材として使用することができる。
300℃における体積固有抵抗値が1×1014Ω・cm以上のアルミナ焼結部材も、400℃における体積固有抵抗値が1×1014Ω・cm以上であることが好ましい。これによれば、アルミナ焼結部材は、より広い温度範囲で高い絶縁性を維持することができ、より広範な温度範囲で高絶縁性が必要とされる用途に使用できる。
アルミナ焼結部材は、300℃における体積固有抵抗値が、1×1015Ω・cm以上であることが好ましい。又、アルミナ焼結部材は、200℃における体積固有抵抗値が、1×1015Ω・cm以上であることが好ましい。
更に、アルミナ焼結部材は、純度が99.5重量%以上、密度が3.80〜4.00g/cm3以上であることが好ましい。これによれば、広い温度範囲で高い体積固有抵抗値を有し、純度が非常に高いため汚染源になるおそれがなく、緻密であるため耐腐食性が高いアルミナ焼結部材を提供できる。よって、アルミナ焼結部材は、半導体製造工程等の汚染が許されない用途に使用できる。より好ましいアルミナ焼結部材の純度は、99.7重量%以上であり、より好ましいアルミナ焼結部材の密度は、3.93〜4.00g/cm3である。
又、アルミナ焼結部材の曲げ強度は350MPa以上であることが好ましい。これによれば、アルミナ焼結部材は、加工時に割れ等の破損が発生しにくい。しかも、アルミナ焼結部材は、使用中にも欠けが生じにくいため、パーティクルの発生を防止でき、耐久性も向上できる。より好ましい曲げ強度は、365MPa以上である。尚、アルミナ焼結部材の開気孔率、最大気孔径、耐電圧等は、セラミックス誘電体層3を構成するアルミナ焼結体と同様とすることが好ましい。
又、アルミナ焼結部材は、不活性ガス雰囲気もしくは還元雰囲気でホットプレス法により焼成されたものであることが好ましい。これによれば、アルミナ焼結部材は、ホットプレス法による圧力により緻密にされ、高い体積固有抵抗値を持つことができる。
このようなアルミナ焼結部材は、アルミナを99.5重量%以上含むセラミックス原料粉末を用いて、不活性ガス雰囲気もしくは還元雰囲気でホットプレス法により焼成することにより、室温における体積固有抵抗値が1×1017Ω・cm以上であり、300℃における体積固有抵抗値が1×1014Ω・cm以上のアルミナ焼結体、又は、室温における体積固有抵抗値が1×1017Ω・cm以上であり、200℃における体積固有抵抗値が1×1015Ω・cm以上のアルミナ焼結体を作製する工程を有する製造方法により製造できる。
成形方法や焼成方法は、セラミックス誘電体層3と同様にできる。このようなアルミナ焼結部材の製造方法によれば、広い温度範囲で極めて高い体積固有抵抗値を有する高純度のアルミナ焼結部材を作製することができる。よって、このような製造方法によれば、広い温度範囲で高い絶縁性を維持でき、汚染源になるおそれがない、耐熱性及び耐腐食性に優れたアルミナ焼結部材を提供できる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
セラミックス原料粉末として、純度99.7重量%のアルミナ粉末(平均粒子径1μm)と、焼結助剤であるMgO粉末との混合粉末を使用した。セラミックス原料粉末中のMgOの含有量は0.04重量%とした。このセラミックス原料粉末に、水、分散剤、バインダとしてポリビニルアルコール(PVA)を添加し、トロンメルで16時間混合し、スラリーを作製した。得られたスラリーをスプレードライヤを用いて噴霧乾燥し、平均粒子径約80μmの造粒顆粒を作製した。
次に、作製した造粒顆粒をゴム型に入れて、CIP(Cold Isostatic Pressing)装置により、1ton/cm2の圧力をかけてアルミナ成形体を作製した。このアルミナ成形体を乾燥した後、アルミナ製のサヤにアルミナ成形体をセットし、大気焼成炉内にサヤごといれて焼成した。焼成は、室温から500℃までは10℃/hで昇温し、500℃で5時間保持してバインダを除去した後、500℃から1650℃まで30℃/hで昇温し、1650℃で4時間保持して行った。こうして、図4(a)に示すアルミナ焼結体13を得た。
次に、アルミナ焼結体を研削加工し、Φ300mm、厚み6mmの円盤を作製した。この際、一方の面を研削加工により、表面粗さ(Ra)が0.8μm以下の平滑面となるように仕上げた。
タングステン(W)60重量%、アルミナ粉末40重量%、及び、バインダであるテルピネオールを混合し、印刷ペーストを作製した。作製した印刷ペーストを用い、スクリーン印刷法により、図4(b)に示すように、アルミナ焼結体の平滑面上にΦ290mm、厚み10μmの印刷電極12を形成し、乾燥させた
その後、金型に印刷電極12が形成されたアルミナ焼結体13をセットし、別途用意したセラミックス原料粉末を充填し、200kg/cm2の圧力でプレス成形を行った。尚、なお、充填したセラミックス原料粉末は、バインダを添加しない以外は、アルミナ焼結体13を作製する際と同様な方法で準備した。
続いて、この成形体をカーボン製のサヤにセットし、図4(c)に示すように、ホットプレス法を用いて焼成した。焼成は、窒素加圧雰囲気(150kPa)で、10MPaで加圧しながら、300℃/hで昇温し、1600℃で2時間保持して行った。こうして、アルミナ焼結体13と、電極2と、セラミックス焼結体が一体化された一体焼結体を得た。
この後、2回の焼成工程を経たアルミナ焼結体13の表面をダイヤモンド砥石にて平面研削加工を行い、アルミナ焼結体13の厚み、すなわち埋設した電極からアルミナ焼結体13の表面までの厚みを0.1mmとした。更に、セラミックス誘電体層3の基板載置面の表面粗さ(Ra)を0.5μm以下となるように研磨した。又、焼成体の側面を研削するとともに、必要な穴あけ加工、電極端子4の周囲を覆う円筒形セラミックスの取り付け、電極2への電極端子4の接続を行って、静電チャック10を完成した。
<実施例2>
実施例1と同様な手順で、純度99.7重量%のアルミナ粉末を使用し、平均粒子径約80μmのアルミナ造粒顆粒を作製した。このアルミナ造粒顆粒を金型に充填し、200kg/cm2の圧力にてプレス成形した。得られたアルミナ成形体上に線径Φ0.12mmのMo製金網電極(メッシュ状電極)を載置した。更に、アルミナ成形体及び金網電極上に、同じアルミナ造粒顆粒を充填し200kg/cm2の圧力にてプレス成形を行った。
得られた一体成形体をカーボン製のサヤにセットし、ホットプレス法により焼成した。焼成は、窒素加圧雰囲気(150kPa)で、10MPaの加圧しながら、300℃/hで昇温し、1600℃で2時間保持して行った。こうして、アルミナ焼結体13と、電極2と、セラミックス焼結体が一体化された一体焼結体を得た。
この後、セラミックス誘電体層3となるアルミナ焼結体13の表面をダイヤモンド砥石にて平面研削加工を行い、アルミナ焼結体13の厚み、すなわち埋設した電極からアルミナ焼結体13の表面までの厚みが0.1mmとなるように調整した。更に、セラミックス誘電体層3の基板載置面の表面粗さ(Ra)を0.5μm以下となるように研磨した。又、必要な穴あけ加工、電極端子4の周囲を覆う円筒形セラミックスの取り付け、電極2への電極端子4の接続を行って、Φ300mmの静電チャック10を完成した。
<実施例3>
セラミックス原料粉末として、純度99.7重量%のアルミナ粉末(平均粒子径1μm)と、焼結助剤であるMgO粉末との混合粉末を使用した。セラミックス原料粉末中のMgOの含有量は0.04重量%とした。このセラミックス原料粉末に、水、分散剤、バインダとしてポリビニルアルコール(PVA)を添加し、トロンメルで16時間混合し、スラリーを作製した。得られたスラリーをスプレードライヤを用いて噴霧乾燥し、500℃で5時間保持することによりバインダを除去し、平均粒子径約80μmの造粒顆粒を作製した。
次に、作製した造粒顆粒を金型に充填し、200kg/cm2の圧力でプレス成形を行って、アルミナ成形体を作製した。得られたアルミナ成形体をカーボン製のサヤにセットし、ホットプレス法により焼成した。焼成は、窒素加圧雰囲気(150kPa)で、10MPaで加圧しながら、300℃/hで昇温し、1600℃で2時間保持して行った。このようにして、図4(a)に示すアルミナ焼結体13を得た。
次に、アルミナ焼結体を研削加工し、Φ300mm、厚み6mmの円盤を作製した。この際、一方の面を研削加工により、表面粗さ(Ra)が0.8μm以下の平滑面となるように仕上げた。
タングステン(W)60重量%、アルミナ粉末40重量%、及び、バインダであるテルピネオールを混合し、印刷ペーストを作製した。作製した印刷ペーストを用い、スクリーン印刷法により、図4(b)に示すように、アルミナ焼結体の平滑面上にΦ290mm、厚み10μmの印刷電極12を形成し、乾燥させた
その後、金型に印刷電極12が形成されたアルミナ焼結体13をセットし、アルミナ焼結体13に用いた造粒顆粒を充填し、200kg/cm2の圧力でプレス成形を行った。続いて、この成形体をカーボン製のサヤにセットし、図4(c)に示すように、ホットプレス法を用いて焼成した。焼成は、窒素加圧雰囲気(150kPa)で、10MPaで加圧しながら、300℃/hで昇温し、1600℃で2時間保持して行った。こうして、アルミナ焼結体13と、電極2と、セラミックス焼結体が一体化された一体焼結体を得た。
この後、2回の焼成工程を経たアルミナ焼結体13の表面をダイヤモンド砥石にて平面研削加工を行い、アルミナ焼結体13の厚み、すなわち埋設した電極からアルミナ焼結体13の表面までの厚みを0.1mmとした。更に、セラミックス誘電体層3の基板載置面の表面粗さ(Ra)を0.5μm以下となるように研磨した。又、焼成体の側面を研削するとともに、必要な穴あけ加工、電極端子4の周囲を覆う円筒形セラミックスの取り付け、電極2への電極端子4の接続を行って、静電チャック10を完成した。
<比較例>
セラミックス原料粉末として、純度99.5重量%のアルミナ粉末(平均粒子径1μm)と焼結助剤であるMgO原料粉末の混合粉末を使用した。なお、セラミックス原料粉末中のMgOの含有量は0.04重量%とした。このセラミックス原料粉末に、バインダ、有機溶剤を添加し、トロンメルで16時間で混合しスラリーを作製した。なお、バインダとしては、メタクリル酸イソブチルエステル、ブチルエステル及びニトロセルロースを使用し、有機溶剤としては、トリクロルエチレン及びnブタノールを使用した。このスラリーを用いて、ドクターブレード法により、厚み0.1mmのアルミナのシート状成形体を作製した。
このアルミナのシートを、Φ300mmに切断した。実施例1〜3と同様の印刷ペーストを用い、スクリーン印刷法により、アルミナシートの一方の面にΦ290mm、厚み10μmの電極を形成し、乾燥させた。
さらに、上述する方法と同様な手順でドクターブレード法によって作製したシート状のアルミナ成形体を上記電極が形成されたアルミナシートの上に複数層積層した。このアルミナシートの積層体を金型プレスを用いて、全体を圧着させ一体化した。
この後、一体化した積層体をアルミナ製のサヤにセットし、焼成炉内で焼成した。焼成雰囲気は大気中とし、室温から500℃まで10℃/hで昇温し 500℃で5時間保持しバインダを除去後、100℃から1650℃まで30℃/hで昇温、1650℃で4時間焼成した。この後、必要な研削加工、穴あけ加工、電極端子の周囲を覆う円筒形セラミックスの取り付け、電極への電極端子の接続を行って、Φ300mmの静電チャックを完成した。
<評価方法>
実施例1〜3及び比較例の各静電チャックのセラミックス誘電体層であるアルミナ焼結体について、アルミナ焼結体の体積固有抵抗値、純度、密度、開気孔率、最大気孔径、熱伝導率、耐電圧、曲げ強度、含有不純物について評価した。
(1)体積固有抵抗値:JIS C2141に準じた方法により測定した。測定は、真空雰囲気下、室温(25℃)、100℃、200℃、300℃、400℃、500℃の各温度で行った。試験片形状はφ50×t1mmとし、主電極径を20mm、ガード電極内径を30mm、ガード電極外径を40mm、印加電極径を45mmとなるよう各電極を銀ペーストで形成した。印加電圧は1000V/mmとし、電流を読みとり、体積固有抵抗値を算出した。
(2)純度:不純物の定量結果を用いてアルミナ焼結体の純度を算出した。
(3)密度:純水を媒体に使い、アルキメデス法を用いて評価した。
(4)開気孔率:純水を媒体に使い、アルキメデス法を用いて評価した。
(5)最大気孔径:焼結体の表面を鏡面研磨し、光学顕微鏡を用いて400倍の倍率で観察することにより測定した。
(6)熱伝導率:レーザフラッシュ法により測定した。
(7)耐電圧:JIS C2141に準じた方法により測定した。
(8)曲げ強度:JIS R1601に準じた方法により室温四点曲げ強度を測定した。
(9)含有不純物の定量:誘導結合プラズマ(ICP)発光スペクトル分析により定量した。
更に、実施例1〜3及び比較例の静電チャックについて、吸着力及び脱着応答特性を評価した。具体的な測定方法は以下の通りである。
(10)吸着力:真空中で静電チャックの基板載置面上にシリコン製プローブ(以下、「シリコンプローブ」という)を接触させ、静電チャックの電極とシリコンプローブ間にDC2000Vの電圧を印加し、シリコンプローブを静電チャックに吸着固定させた。電圧印加から60秒後に電圧を印加したまま、シリコンプローブを静電チャックの基板載置面から引き剥がす方向に引き上げ、引き剥がすために要した力(吸着力)を室温(25℃)〜400℃の温度範囲で測定した。
(11)脱着応答性:真空中で静電チャックの基板載置面上にシリコンプローブを接触させ、静電チャックの電極とシリコンプローブ間にDC2000Vの電圧を印加し、シリコンプローブを静電チャックに吸着固定させた。電圧印加から30秒後に5Torr(6.7×102Pa)の力でシリコンプローブを引っ張り上げ、そのままの状態で保持させた。この後、電圧印加から60秒後に印加電圧を解除し、静電チャックとシリコンプローブが剥がれるまでに要した時間を脱着時間(sec)として、室温(25℃)〜400℃の温度範囲で測定した。
<評価結果>
(セラミックス誘電体の体積固有抵抗値)
体積固有抵抗値の測定結果を表1及び図5に示す。図5において、縦軸は体積固有抵抗値(Ω・cm)を示し、グラフ上部の横軸は温度(℃)を示し、グラフ下部の横軸は1000/T(K−1)を示す。
Figure 0004744855
表1及び図5のグラフに示すように、実施例1、実施例2の静電チャックのセラミックス誘電体層(アルミナ焼結体)は、室温〜200℃の範囲で1×1017Ω・cm以上の高い体積固有抵抗値を示した。又、200℃〜300℃の温度範囲においても1×1015Ω・cm以上の高い体積固有抵抗値を示し、室温〜400℃以下の広い温度範囲で1×1014Ω・cm以上の高い体積固有抵抗値を示した。
又、実施例3の静電チャックのセラミックス誘電体層(アルミナ焼結体)は、室温で1×1017Ω・cm以上の高い体積固有抵抗値を示した。又、100℃でも、1×1016Ω・cm以上の高い体積固有抵抗値を維持していた。更に、100℃〜200℃の温度範囲においても1×1015Ω・cm以上の高い体積固有抵抗値を示し、室温〜200℃以下の広い温度範囲で1×1015Ω・cm以上の高い体積固有抵抗値を示した。
これに対し、大気雰囲気で、常圧焼結法を用いて作製した比較例のアルミナ焼結体は、室温における体積固有抵抗値が実施例1〜3の室温における体積固有抵抗値に比べて非常に低く1×1015Ω・cmであった。更に、100℃を超えると体積固有抵抗値は1×1014Ω・cm以下となり、200℃では体積固有抵抗値は1012Ω・cmオーダーとなってしまった。このように比較例では、広い温度範囲で実施例レベルの高い体積固有抵抗値を維持することはできなかった。
(セラミックス誘電体層の純度、密度、開気孔率、最大気孔径、熱伝導率、耐電圧、曲げ強度、含有不純物)
純度、密度、開気孔率、最大気孔径、熱伝導率、耐電圧、曲げ強度の測定結果を表2に示す。含有不純物の定量結果を表3に示す。
Figure 0004744855
Figure 0004744855
表2に示すように、実施例1〜3のアルミナ焼結体の純度は、99.5重量%以上と、非常に高かった。実施例1〜3のアルミナ焼結体は、比較例に比べて高密度であった。更に、実施例1〜3のアルミナ焼結体は、開気孔率が0.0(%)であり、開気孔が存在しないのに対し、比較例のアルミナ焼結体には開気孔が存在した。更に、実施例1〜3のアルミナ焼結体最大気孔径は、100μm以下であり、特に、実施例2,3の最大気孔径は、10μmと小さかった。これに対し、比較例のアルミナ焼結体最大気孔径は200μmと大きかった。このように、実施例1〜3では、極めて緻密なアルミニウム焼結体が形成されていた。
更に、実施例1〜3のアルミナ焼結体は、熱伝導率も良好であった。更に、実施例1〜3のアルミナ焼結体は、比較例に比べて非常に高い耐電圧を備えていた。実施例1〜3のアルミナ焼結体は、曲げ強度がいずれも350MPaを越えており、比較例のアルミナ焼結体に比べて非常に曲げ強度が高かった。
又、表3に示すように、アルミナ焼結体に含まれる不純物の量は、ホットプレス法による焼成を行った実施例1〜3と、常圧焼成法による焼成を行った比較例とで異なっていた。比較例のアルミナ焼結体には、実施例1〜3のアルミナ焼結体に比べて、多量のカルシウム(Ca)、イットリア(Y)が含まれていた。これに対し、実施例1〜3のアルミナ焼結体は、Ca、Yの含有量が少なく、高純度であった。
(吸着力、脱着応答性)
吸着力の測定結果を図6に、脱着応答性の測定結果を図7に示す。図6において、縦軸は吸着力(Torr)を示し、横軸は温度(℃)を示す。図7において、縦軸は脱着時間(デチャック時間)(秒)を示し、横軸は温度(℃)を示す。
図6に示すように、実施例1〜3の静電チャックは、室温から300℃までの広い温度範囲で、20Torr(2.66×103Pa)以上の高い吸着力を維持していた。更に、実施例1,2の静電チャックは、300℃を越えても高い吸着力を維持し、室温から400℃までのより広い温度範囲で、20Torr(2.66×103Pa)以上の高い吸着力を維持していた。
更に、図7に示すように、実施例1,2の静電チャックは、室温から400℃までの広い温度範囲で、基板の脱着応答時間が5秒以内と速く、脱着応答性に非常に優れていた。特に、実施例1,2の静電チャックは、体積固有抵抗値が1015Ω・cm以上である300℃以下では瞬時に基板を脱着できた。実施例3の静電チャックは、室温から200℃までの広い温度範囲で、基板の脱着応答時間が5秒以内と速く、脱着応答性に非常に優れていた。特に、実施例3の静電チャックは、150℃以下では瞬時に基板を脱着できた。
しかし、比較例の静電チャックは、温度の上昇に伴って吸着力が低下してしまった。更に、比較例の静電チャックは、いずれの温度においても実施例1〜3に比べて脱着応答性が悪かった。特に、比較例の静電チャックは、体積固有抵抗値が1014cm以下となってしまう150℃以上では基板の脱着応答時間が30秒以上も必要であった。
本発明の実施の形態に係る単極型静電チャックの構造を示す平面図及び1b−1b断面図である。 本発明の実施の形態に係る双極型静電チャックの構造を示す平面図及び2b−2b断面図である。 本発明の実施の形態に係るヒータ埋設型静電チャックの構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る静電チャックの製造方法を示す工程図である。 静電チャックの体積固有抵抗値の温度依存性を示すグラフ図である。 静電チャックの吸着力の温度依存性を示すグラフ図である。 静電チャックの脱着応答性の温度依存性を示すグラフ図である。
符号の説明
1 セラミックス基体
2,22a,22b 電極
3 セラミックス誘電体層
4,24a,24b 電極端子
5 ヒータエレメント
5a,5b ヒータエレメント端子
10,20,30 静電チャック
11 セラミックス成形体
12 印刷電極
13 アルミナ焼結体

Claims (3)

  1. 室温における体積固有抵抗値が1×1017Ω・cm以上、300℃における体積固有抵抗値が1×1014Ω・cm以上であり、純度が99.5重量%以上、不純物としてのCa,Yの含有量が各々350ppm以下,170ppm以下であり、開気孔率が0.0%、密度が3.93〜4.00g/cm 3 であるアルミナ焼結体からなる、厚みが0.05mm〜0.50mmのセラミックス誘電体層と、
    前記セラミックス誘電体層の一方の面に形成された面状の電極と
    前記電極を介して、前記セラミックス誘電体層と接合されたアルミナ焼結体からなるセラミックス基体と
    を有し、
    前記セラミックス誘電体層、前記電極及び前記セラミックス基体は、ホットプレス法により焼成された一体焼結品である
    静電チャック。
  2. 前記アルミナ焼結体は、400℃における体積固有抵抗値が1×1014Ω・cm以上であることを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
  3. 室温における体積固有抵抗値が1×1017Ω・cm以上、200℃における体積固有抵抗値が1×1015Ω・cm以上であり、純度が99.5重量%以上、不純物としてのCa,Yの含有量が各々362ppm以下,175ppm以下であり、開気孔率が0.0%、密度が3.93〜4.00g/cm 3 であるアルミナ焼結体からなる、厚みが0.05mm〜0.50mmのセラミックス誘電体層と、
    前記セラミックス誘電体層の一方の面に形成された面状の電極と
    前記電極を介して、前記セラミックス誘電体層と接合されたアルミナ焼結体からなるセラミックス基体と
    を有し、
    前記セラミックス誘電体層、前記電極及び前記セラミックス基体は、ホットプレス法により焼成された一体焼結品である
    静電チャック。
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