JP3393714B2 - クランプリング - Google Patents

クランプリング

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JP3393714B2
JP3393714B2 JP23543994A JP23543994A JP3393714B2 JP 3393714 B2 JP3393714 B2 JP 3393714B2 JP 23543994 A JP23543994 A JP 23543994A JP 23543994 A JP23543994 A JP 23543994A JP 3393714 B2 JP3393714 B2 JP 3393714B2
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博範 井之上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置の製造工程
において、半導体ウェハを支持するため、その端部を押
さえ付けるのに用いるクランプリングに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造工程において、シリコ
ン等の半導体ウェハに対し、プラズマを用いたエッチン
グが行われている。この時、ウェハはサセプタ上に載置
され、クランプリングで端部を押さえて支持されてい
る。
【0003】これらのサセプタ、クランプリングは、耐
熱性、耐食性が要求されるため、従来アルミナセラミッ
クスが用いられている。しかし、アルミナセラミックス
はプラズマにエッチングされやすく、そのためAl2
3 粒子が脱粒してパーティクルとなりウェハ上の配線に
悪影響を及ぼす等の問題点があった。
【0004】そこで、耐プラズマ性が高く、熱伝導率の
高い窒化アルミニウム質焼結体を上記ウェハ支持部材と
して用いることが提案されている(特開平5−2513
65号公報等参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記窒化アル
ミニウム質焼結体は静電気を発生しやすく、発生した静
電気によって半導体ウェハを吸着してしまうという欠点
があった。そのため、窒化アルミニウム質焼結体でクラ
ンプリングやサセプタを形成すると、工程終了後に半導
体ウェハを機械的に剥がす作業が必要となり、ウェハ処
理能力が低下するだけでなく、剥がす作業中にウェハへ
の不純物が増加する等の問題点があった。
【0006】この原因は、通常のアルミナセラミックス
の常温での体積固有抵抗値が1015〜1017Ω・cmで
あるのに対し、窒化アルミニウム質焼結体の体積固有抵
抗値は1012〜1014Ω・cmと低いことによる。即
ち、上記窒化アルミニウム質焼結体はプラズマ処理工程
中に加熱されると体積固有抵抗値が1013Ω・cm以下
になり、微小な漏れ電流により電荷が発生し、ジョンソ
ン−ラーベック力と呼ばれる静電吸着力が発生するため
に半導体ウェハを吸着してしまうのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記に鑑みて、本発明
は、クランプリングを窒化アルミニウム質焼結体により
形成するとともに、半導体ウェハとの接触部位を酸化し
て上記窒化アルミニウム質焼結体よりも体積固有抵抗値
の高いアルミナ膜からなる高抵抗層を設けたことを特徴
とする。
【0008】なお、上記高抵抗層は、使用時の体積固有
抵抗値が1013Ω・cm以上の材質を用いることが良
い。
【0009】
【作用】本発明のクランプリングは、ウェハとの接触部
位が高抵抗層からなるため、ジョンソン−ラーベック力
による吸着を防止し、工程処理後のウェハを容易に外す
ことができる。
【0010】また、クランプリング自体は、耐プラズマ
性の高い窒化アルミニウム質焼結体から成るため、プラ
ズマによって腐食されることがなくパーティクルの発生
を防止できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明のクランプリングについて説明
する。
【0012】図1にプラズマエッチング装置の概略図を
示す。シリコン等のウェハ20をサセプタ21上に載置
し、その端部をクランプリング10で押さえつけて固定
する。また、サセプタ21の下部に備えたプラズマ下部
電極22と上部に備えたプラズマ上部電極23間に、高
周波電圧24を印加してプラズマを発生させ、ウェハ2
0に対してプラズマエッチングを行うようになってい
る。
【0013】また、図2に詳細を示すように、クランプ
リング10は中央に貫通孔11を有する板状体で、該貫
通孔11の周囲に段部12を有し、この段部12でウェ
ハ20の端部を押さえつけて固定するようになってい
る。そして、このクランプリング10は全体が窒化アル
ニウム質焼結体からなり、上記段部12の表面のみに高
抵抗層13を備えている。
【0014】このクランプリング10を用いれば、上面
14はプラズマにさらされることになるが、耐プラズマ
性に優れた窒化アルミニウム質焼結体からなるため、プ
ラズマによる腐食を防止し、パーティクルの発生もなく
長期間使用することができる。また、ウェハ20と接触
する段部12は高抵抗層13からなるため、ジョンソン
−ラーベック力による吸着を防止し、工程終了後にウェ
ハ20を容易に外すことができる。
【0015】上記高抵抗層13は、漏れ電流に基づくジ
ョンソン−ラーベック力による吸着を防止するために、
母材である窒化アルミニウム質焼結体よりも体積固有抵
抗値の高い材質により形成する。特に、使用時の温度に
おける体積固有抵抗値が1013Ω・cm以上の材質を用
いれば、ジョンソン−ラーベック力による吸着力を無く
すことができる。また耐プラズマ性の点からはAl化合
物であることが好ましい。これらの点から、高抵抗層1
3としては、Al23を用いる。
【0016】そして、これらの高抵抗層30は、母材で
ある窒化アルミニウム質焼結体を酸化処理することによ
り、表面のAlNを酸化させてAl23膜を形成する。
この場合、クランプリング10を窒化アルミニウム質焼
結体で形成し、酸化処理して全表面にAl23膜を形成
した後、上記段部12以外の表面を研磨してAl23
を除去すれば、段部12の表面のみに高抵抗層13とし
てAl23膜を有するクランプリング10を得ることが
できる。
【0017】このように高抵抗層13を膜で形成する場
合、厚みは2〜30μmの範囲が好ましい。これは2μ
m未満では膜の厚みを均一化することが困難であり、3
0μmを越えると熱膨張差のために剥離する恐れがある
ためである。好適には5〜15μmの範囲が好ましい。
【0018】なお、クランプリング10をなす窒化アル
ミニウム質焼結体は、AlNを主成分とし、Y23
Yb23 、Er23 等の焼結助剤を含有する焼結体
であり、耐プラズマ性に優れ、熱伝導率が極めて高いこ
とから放熱性に優れている。また、ウェハ20に対する
汚染防止や耐プラズマ性をより高めるために、焼結助剤
を添加せずにAlNを99重量%以上、好適には99.
9重量%以上とした高純度窒化アルミニウム質焼結体を
用いることもできる。
【0019】(実験例)窒素雰囲気下で焼成した板状の窒
化アルミニウム質焼結体を900〜1300℃で3時
間、大気雰囲気下で酸化処理し、表面に2〜20μmの
Al23膜を形成した。その後、ダイヤモンド砥石によ
りウェハ接触面以外の表面を研削加工してAl23膜を
除去し、段部12のみに高抵抗層13としてのAl23
膜を有するクランプリング10を得た。
【0020】半導体製造工程中のプラズマエッチング装
置において、CF4 ガスを用いた100℃の条件下でこ
のクランプリング10を用いて、工程終了後にウェハ2
0とクランプリング10との吸着力を調べた。なお、1
00℃におけるAl23膜の体積固有抵抗値は1015Ω
・cmである。
【0021】結果は表1に示す通り、Al23膜の無い
ものでは0.1g/cm2 以上のウェハ吸着力が生じ、
ウェハ20の剥離が困難であったのに対し、厚み2μm
以上のAl23膜を形成したものはウェハ吸着力を低下
させられ、容易にウェハ20を外せることがわかった。
これは、上述したように、Al23 膜の体積固有抵抗
値が高いために漏れ電流が生じにくく、ジョンソン−ラ
ーベック力による吸着力が生じなかったものと考えられ
る。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、クラン
プリングを窒化アルミニウム質焼結体により形成すると
ともに、半導体ウェハとの接触部位を酸化して上記窒化
アルミニウム質焼結体よりも体積固有抵抗値の高いアル
ミナ膜からなる高抵抗層を設けたことによって、ジョン
ソン−ラーベック力による静電吸着を防止し、工程終了
後にウェハを容易に外すことができる。そのために、ウ
ェハの処理能力が向上し、不純物の混入も防止できる。
【0024】また、クランプリングの母材は窒化アルミ
ニウム質焼結体からなるため、耐プラズマ性に優れるこ
とからパーティクルの発生もなく長期間良好に使用で
き、さらに放熱性も優れるなど、さまざまな特長を持っ
たウェハ支持部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウェハ支持部材の一実施例であるクラ
ンプリングを用いたプラズマエッチング装置を示す概略
図である。
【図2】本発明のウェハ支持部材の一実施例であるクラ
ンプリングを示す断面図である。
【符号の説明】
10:クランプリング 11:貫通孔 12:段部 13:高抵抗層 14:上面 20:ウェハ 21:サセプタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−286247(JP,A) 特開 平8−31917(JP,A) 特開 昭62−286249(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/68 H01L 21/302 H01L 21/306 H01L 21/3065 H01L 21/461

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体装置の製造工程中に半導体ウェハの
    端部を押さえるクランプリングを、窒化アルミニウム質
    焼結体により形成するとともに、半導体ウェハとの接触
    部位を酸化して上記窒化アルミニウム質焼結体よりも体
    積固有抵抗値の高いアルミナ膜からなる高抵抗層を設け
    たことを特徴とするクランプリング。
  2. 【請求項2】上記高抵抗層は、使用時における体積固有
    抵抗値が1013Ω・cm以上であることを特徴とする請
    求項1記載のクランプリング。
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