JP3348140B2 - 静電チャック - Google Patents

静電チャック

Info

Publication number
JP3348140B2
JP3348140B2 JP8528196A JP8528196A JP3348140B2 JP 3348140 B2 JP3348140 B2 JP 3348140B2 JP 8528196 A JP8528196 A JP 8528196A JP 8528196 A JP8528196 A JP 8528196A JP 3348140 B2 JP3348140 B2 JP 3348140B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sintered body
silicon carbide
composite sintered
electrostatic chuck
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP8528196A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09283607A (ja
Inventor
守 小坂井
雅之 石塚
浩之 伊藤
浩 稲妻地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Osaka Cement Co Ltd filed Critical Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Priority to JP8528196A priority Critical patent/JP3348140B2/ja
Publication of JPH09283607A publication Critical patent/JPH09283607A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3348140B2 publication Critical patent/JP3348140B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Jigs For Machine Tools (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハー、
金属ウエハー、ガラス板等を静電気力によって吸着し、
保持するための、静電チャックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体や液晶等の製造時におい
ては、半導体ウエハーやガラス板の固定方法として、真
空チャックもしくはクランプによる固定方法が採用され
ている。しかし、真空チャックによる固定方法は、真空
条件下では、圧力差がないため採用できない。また、ク
ランプによる機械的固定方法では、半導体ウエハーやガ
ラス板のうち固定部分がデバイスとして使用することが
できず、また半導体ウエハーやガラス板に部分的な歪み
を生じる他、クランプの昇降によるパーティクル発生の
問題を有している。
【0003】こうした従来の技術が有する問題点を解決
するものとして、静電気力を利用したセラミックス静電
チャックが注目され始めている。セラミックス静電チャ
ックの材質としては、酸化チタンをアルミナに含有させ
た複合焼結体(特開昭62−94953号公報、特開平
3−204924号公報)、窒化チタンをアルミナ等の
セラミックスに含有させた複合焼結体(特開平6−80
89号公報)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酸化チ
タンをアルミナに含有させてなる絶縁部を備えた静電チ
ャックにあっては、この複合焼結体の抵抗値の温度依存
性が大きいため、プラズマ等により静電チャックの温度
が上昇した場合、絶縁部の抵抗値が低下し、ウエハーに
過度の電流が流れ、ウエハーの回路が破壊されるという
問題点を有している。
【0005】また、酸化チタンは、CF4 ,BCl3
のハロゲン系ガスのプラズマに対する耐蝕性が乏しく、
これらのハロゲン系ガスをエッチングもしくはクリーニ
ングガスとして使用するプラズマエッチング装置、CV
D装置等への使用には、制約がある。更に、酸化チタン
を含有するアルミナは、酸化チタンを含有しないアルミ
ナと比較して、強度が低い。また、熱膨張係数が大きい
ことから、耐熱衝撃性が乏しく、高温下の使用時に、熱
応力による破損の危険性が高い。
【0006】一方、窒化チタンをアルミナ等のセラミッ
クスに含有させてなる絶縁部を備えた静電チャックにあ
っては、酸素を含むエッチングガス雰囲気下では、窒化
チタンの酸化に起因する表面劣化が著しい。また、酸化
チタンを含有させたアルミナと同様に、CF4 ,BCl
3 等のハロゲン系ガスのプラズマに対する耐蝕性が乏し
く、これらのガスをエッチングもしくはクリーニングガ
スとして使用するプラズマエッチング装置、CVD装置
等への使用には、制約がある。
【0007】本発明は、静電チャックの温度が上昇した
場合に、絶縁部の抵抗値が過度に低下することを防止
し、静電チャックのハロゲン系ガスのプラズマに対する
耐蝕性を向上させ、かつその強度および耐熱衝撃性をも
向上させることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、電極と、この
電極の両側にそれぞれ設けられている絶縁部とを備えて
いる静電チャックであって、少なくとも吸着面側の前記
絶縁部が、平均粒子径が0.5μm以下であり、表層に
厚さ0.05μm以下の酸化膜を有する炭化珪素粉末
と、酸化アルミニウム粉末との混合粉末を非酸化性雰囲
気下において焼結することによって得られた複合焼結体
からなり、この複合焼結体中における前記炭化珪素粒子
同士がムライト質物質を介して接触しており、この複合
焼結体の室温における体積固有抵抗値が1×10Ωcm
以上、1×105Ωcm以下であり、前記複合焼結体中の
前記炭化珪素粒子の平均粒子径が1μm以下であること
を特徴とする静電チャックに係るものである。
【0009】本発明の好適な態様においては、複合焼結
体中の炭素珪素の含有量が5重量%以上、30重量%以
下である。また、他の好適な態様においては、複合焼結
体中のムライト質物質が、炭化珪素粒子の表面に厚さ
0.1μm以下の酸化物として存在している。
【0010】
【0011】本発明者は、電気伝導度の温度依存性が少
なく、ハロゲンガスに対する耐蝕性に優れ、硬度および
強度が大きく、かつ耐熱性に富む静電チャックを開発す
べく、種々検討した結果、静電チャックの材質として、
酸化アルミニウムと炭化珪素を含むと共に、炭化珪素粒
子同士がムライト質物質を介して相互に接触している複
合焼結体が適することを見い出した。
【0012】即ち、静電チャックンの少なくとも吸着面
側の前記絶縁部が、平均粒子径が0.5μm以下であ
り、表層に厚さ0.05μm以下の酸化膜を有する炭化
珪素粉末と、酸化アルミニウム粉末との混合粉末を非酸
化性雰囲気下において焼結することによって得られた複
合焼結体からなり、この複合焼結体中における前記炭化
珪素粒子同士がムライト質物質を介して接触しており、
この複合焼結体の室温における体積固有抵抗値が1×1
Ωcm以上、1×105Ωcm以下であり、前記複合焼
結体中の前記炭化珪素粒子の平均粒子径が1μm以下と
する。ここに、「ムライト質物質」とは、酸化アルミニ
ウムとムライトとの固溶体またはガラス、または酸化珪
素とムライトとの固溶体またはガラスを、総称するもの
とする。
【0013】即ち、この複合焼結体により形成された静
電チャックは、ハロゲンガスのプラズマによる腐食が少
なく、かつアルミナと比較して強度、硬度ともに優れて
いるので、パーティクルの発生も少なく、かつ耐熱性に
富み、高温下の使用において熱応力による破損の危険性
がない。そして、複合焼結体の粒子径、炭化珪素量、ム
ライト質物質の存在量を制御することにより、体積固有
抵抗値を、1×10Ω・cm以上、1×1015Ω・
cm以下とし、複合焼結体中の炭化珪素粒子の平均粒子
径が1μm以下としたものである。更に、複合焼結体中
の炭化珪素粒子の平均粒子径を1μm以下とすることに
よって、炭化珪素の添加による強度向上の効果が著し
く、プラズマに曝されたときに電場が炭化珪素部分に集
中して大きな損傷を受けるおそれがない。更に、前記複
合焼結体は、平均粒子径が0.5μm以下、かつ表層に
厚み0.05μm以下の酸化膜を有する炭化珪素粉末
と、酸化アルミニウム粉末からなる混合粉末を、非酸化
性雰囲気下で焼結することにより、作製できる。即ち、
平均粒子径が0.5μmを超える炭化珪素粉末を使用し
てなる複合焼結体では、焼結体中の炭化珪素の平均粒子
径が1μmを超え、複合焼結体の強度増加の効果が少な
く、プラズマに曝されたときに電場が炭化珪素部分に集
中して大きな損傷を受けるので、好ましくない。また、
炭化珪素粒子の表面に厚さ0.05μm以下の酸化膜を
有する炭化珪素粉末を用いることによって、炭化珪素粒
子表面の酸化珪素と酸化アルミニウムとを反応させて、
ムライト質酸化物の絶縁膜を炭化珪素粒子表面に生成さ
せることができ、これによって抵抗値の急激な低下を抑
制することができる。
【0014】また、複合焼結体中の炭化珪素の含有量
を、5重量%以上、30重量%以下とするのが好まし
い。即ち、焼結体の粒子径等にも依存するが、炭化珪素
の含有量を5重量%以上とすることによって、炭化珪素
の添加による複合焼結体の硬度、強度の増加の効果が顕
著となり、また体積固有抵抗値が1×101 5 Ω・cm
以下となるので、ウエハー等の吸脱着の応答性が向上す
る。一方、炭化珪素の含有量を30重量%以下とするこ
とによって、体積固有抵抗率が1×108 Ω・cm以上
となるので、静電チャックからウエハーへのリーク電流
を抑制でき、デバイスを破壊する危険性が少なくなる。
【0015】更に、複合焼結体中のムライト質は、炭化
珪素の粒子表面に、0.1μm以下の厚みを有する酸化
物として存在することが好ましい。即ち、複合焼結体の
電気伝導は、主として炭化珪素による。そのため、複合
焼結体中の炭化珪素粒子同士が直接接触して、導電パス
を生成する組成領域においては、電気抵抗が急激に低下
し、抵抗値の制御を行なうことが困難となる。そこで、
ムライト質物質が炭化珪素粒子表面に適量存在すると、
複合焼結体中の炭化珪素粒子同士がムライト質物質を介
して相互に接触するため、急激な電気抵抗の低下がな
く、抵抗値の制御を良好に行うことができる。
【0016】ここで、炭化珪素粒子表面に存在するムラ
イト質酸化物の厚さが0.1μmを越えると、複合焼結
体中の炭化珪素間の抵抗が増大し、室温での体積固有抵
抗率が1×101 5 Ω・cmを超え、ウエハー等の吸脱
着の応答性が低下し、更にハロゲン系ガスのプラズマに
対する耐食性が劣化するおそれがある。従って、ムライ
ト質酸化物の厚さを0.1μm以下とすることが好まし
い。
【0017】なお、前記複合焼結体においては、少量の
不純物は許容される。しかし、半導体の製造工程におけ
る、ライフタイムおよびゲイト電圧の低下は、遷移金属
元素やアルカリ金属に起因する。更に、アルミニウム、
珪素以外の金属不純物が0.1重量%を越えると、半導
体ウエハーを汚染する可能性が高くなるのとともに、静
電チャックの電気抵抗の温度依存性が大きくなるので、
好ましくない。従って、前記絶縁部を構成する複合焼結
体中のアルミニウムおよび珪素以外の金属不純物含有量
は、0.1重量%以下とすることが好ましい。
【0018】
【0019】
【0020】なお、使用する炭化珪素原料粉末として
は、プラズマCVD法によって得た粉末が好ましい。特
に、非酸化性雰囲気のプラズマ中にシラン化合物または
ハロゲン化珪素と、炭化水素との原料ガスを導入し、反
応系の圧力を1気圧未満から0.1Torrの範囲で制
御しつつ気相反応させて得られた、平均粒子径0.1μ
m以下の超微粉末が、焼結性に優れており、高純度であ
り、粒子形状が球状であるために成形時の分散性が良好
である。
【0021】一方、酸化アルミニウム原料粉末は、特段
限定されず、高純度のものであればよい。また、焼結時
の雰囲気を非酸化性雰囲気とすることによって、焼結時
における炭化珪素の過度の酸化を抑制し得る。なお、前
記複合焼結体の作製時における成形法、焼結法に関して
は、公知の手段を採用することができる。
【0022】本発明の静電チャックの具体的形態および
製造方法は、特に限定されない。好適な静電チャックの
形態および製造方法について、図1および図2を参照し
つつ、説明する。
【0023】図1(a)は、吸着面側の円盤状絶縁部1
を示す平面図であり、図1(b)は、静電チャックの基
体側の円盤状絶縁部2を示す平面図である。図1(a)
の円盤状絶縁部1を製造するためには、まず円盤状焼結
体を製造し、この円盤状焼結体に機械加工によって貫通
孔1aを形成する。図1(b)の円盤状絶縁部2を製造
するためには、まず円盤状焼結体を製造し、この円盤状
焼結体に機械加工によって貫通孔2aおよび電極挿入孔
2bを形成する。少なくとも絶縁部1を本発明の複合焼
結体によって形成する。
【0024】そして、図2(a)に示すように、円盤状
絶縁部2の中心から半径90mmの円内の領域Aには、
導電性材料を塗布して塗布層15を形成し、この円形の
領域Aの外側の外周縁領域Bには、絶縁性材料を塗布し
て塗布層16を形成する。こうした導電性材料として
は、炭化タンタル、窒化チタン等の導電性セラミックス
粉末と、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素系ガラス粉末
との混合粉末等を例示できる。こうした絶縁性材料とし
ては、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素系ガラス等の各
種ガラス粉末を例示できる。この状態で、円盤状絶縁部
1と2とを重ね合わせ、熱処理することにより、両者を
接合し、図2(b)に示すような静電チャック8を得
る。
【0025】図2(b)においては、導電性材料が円形
の電極3を形成しており、電極3から見て吸着面6側に
は絶縁部1が設けられている。円盤状絶縁部2の電極挿
入孔2b中に、炭化タンタル、窒化チタン等の導電性セ
ラミックス等からなる取り出し電極14を挿入し、活性
金属、銀ろう等のろう材によって取り出し電極14を電
極3に対して接合する。
【0026】
【実施例】
(実施例1) 〔静電チャックの作製〕平均粒子径0.05μmのβ型
炭化珪素超微粉末を、プラズマCVD法により気相合成
した。この粉末を、大気中、350℃で50時間熱処理
することにより、表面に厚み0.002μmの二酸化珪
素の酸化膜を有する炭化珪素超微粉末を得た。なお、こ
の酸化膜の厚みは、炭化珪素超微粉末の酸素量、比表面
積の測定結果より算出した。
【0027】この炭化珪素超微粉末8重量%と、平均粒
子径0.5μmの酸化アルミニウム粉末92重量%と
を、超音波分散機を用いて5時間混合して混合粉末を得
た。この混合粉末を、乾燥し、成形した後、アルゴン雰
囲気、温度1700℃の条件下で2時間焼結することに
より、直径195mm、厚み4mmの円盤状の複合焼結
体を2枚得た。
【0028】そして、この複合焼結体中の炭化珪素粒子
の平均粒子径、体積固有抵抗値をそれぞれ測定し、その
結果を表1に示した。なお、炭化珪素粒子の平均粒子径
は、SEM観察法によって測定し、体積固有抵抗値は、
「JIS C2141」に規定された方法に準じて測定
した。
【0029】また、複合焼結体中で、隣接する炭化珪素
粒子同士が、厚み0.005μmのムライト質酸化物を
介して接触していることを、TEM観察により確認し
た。
【0030】更に、別途作製した上記複合焼結体のビッ
カース硬さ、室温4点曲げ強度を、「JIS R160
1」に規定された方法に準じて測定した。その結果を表
1に示す。
【0031】次いで、上記円盤状焼結体を機械加工し、
図1(a)および(b)に示す各円盤状絶縁部を製造し
た。ただし、図1(a)においては、絶縁部1の中心部
に直径15mmの貫通孔1aを形成した。図1(b)に
おいては、絶縁部2の中心部に直径15mmの貫通孔2
aを形成し、中心部より25mm離れた場所に、直径1
0mmの電極挿入孔2bを形成した。
【0032】そして、円盤状絶縁部2の中心から半径9
0mm内の円状領域Aには、炭化タンタル(30vol
%)と酸化アルミニウム−二酸化珪素系ガラス粉末(7
0vol%)との混合粉末を、スクリーン印刷によっ
て、塗布した。外周縁領域B(半径90〜半径97.5
mmの領域)には、酸化アルミニウム−二酸化珪素系ガ
ラス粉末をスクリーン印刷によって塗布した。絶縁部1
と2とを重ね合わせた後、熱処理することにより、両者
を接合した。
【0033】次いで、円盤状絶縁部1を1.3mm研削
した後、絶縁部2の電極挿入孔2bに、炭化タンタル製
の取り出し電極14を挿入し、銀ろう剤を用いて接合す
ることにより、図2(b)に示す静電チャック8を作製
した。
【0034】〔静電特性の測定〕このようにして作製さ
れた静電チャックの静電吸着力、吸着時間、脱離時間
を、室温および400℃の各温度下で、図3に示す測定
装置を用いて測定した。
【0035】即ち、台10の上にヒーター9を設置し、
ヒーター9上に静電チャック8を設置した。台10の貫
通孔10a、ヒーター9の貫通孔9aおよび静電チャッ
ク8の貫通孔に、押圧部材11を挿通させた。静電チャ
ック8の吸着面6に8インチのシリコンウエハー18を
載置した。シリコンウエハー18に対して押圧部材11
の上端部を接触させた。シリコンウエハー18と取り出
し電極14との間に、直流300Vの電圧を印加し、シ
リコンウエハー18を静電吸着させて5分経過した後、
リフター12により、静電吸着されたシリコンウエハー
18を持ち上げることにより脱着させた。この際に要す
る脱着力を、ロードセルにより測定し、静電吸着力とし
た。
【0036】また、吸着時間とは、直流300Vの電圧
を印加したときに、静電吸着力が10kgf/cm2
なるまでの時間であり、脱離時間とは、直流300Vの
電圧を5分間印加した後に印加を中止し、その時から静
電吸着力が50gf/cm2となるまでの時間である。
この測定結果を表2に示す。
【0037】次いで、静電チャックをプラズマCVD装
置内に装着し、1.0Torrの、CF4 20vol
%、O2 80vol%からなる混合ガス雰囲気下でのプ
ラズマに20時間曝した後、上記と同様の静電吸着特性
試験を実施した。この結果を表3に示す。
【0038】また、静電チャックをプラズマに暴露する
前後の各静電吸着特性試験において、400℃まで80
℃/分の昇温速度で昇温した。この結果、静電チャック
には、熱応力による破損、損傷は生じなかったので、表
2、3の熱応力耐性の項目に「良好」と記載した。
【0039】(実施例2)複合焼結体の組成を、炭化珪
素25重量%、アルミナ75重量%としたこと以外は、
実施例1に準じて複合焼結体を得た。この複合焼結体中
の炭化珪素粒子同士は、厚み0.005μmのムライト
質酸化物を介して接触していることを、TEM観察によ
り確認した。
【0040】この複合焼結体中の炭化珪素粒子の平均粒
子径、体積固有抵抗値を、実施例1に準じて測定した。
その結果を表1に示す。また、別途作成した上記複合焼
結体のビッカース硬さ、室温4点曲げ強度を、実施例1
に準じて測定した。その結果を表1に示す。そして、こ
の複合焼結体を用い、実施例1に準じて静電チャックを
作製し、ハロゲンガスのプラズマ暴露前、暴露後にそれ
ぞれ静電吸着特性を測定した。その結果を表2、表3に
示す。
【0041】なお、静電チャックをプラズマに暴露する
前後の各静電吸着特性試験において、いずれも400℃
まで80℃/分の昇温速度で昇温したが、静電チャック
には熱応力による破損、損傷は生じなかった。
【0042】(実施例3)平均粒子径0.05μmのβ
型炭化珪素超微粉末を、プラズマCVD法により気相合
成した。この粉末を、大気中、400℃で5時間熱処理
することにより、表面に厚み0.003μmの二酸化珪
素の酸化膜を有する炭化珪素超微粉末を得た。この炭化
珪素超微粉末を使用した以外は、実施例1に準じて、直
径195mm、厚み4mmの円板状の複合焼結体を2枚
得た。
【0043】この複合焼結体中の炭化珪素粒子同士は、
厚み0.004μmのムライト酸化物を介して接触して
いることを、TEM観察により確認した。
【0044】この複合焼結体中の炭化珪素粒子の平均粒
子径、体積固有抵抗値を、実施例1に準じて測定した。
その結果を表1に示す。また、別途作成した上記複合焼
結体のビッカース硬さ、室温4点曲げ強度を、実施例1
に準じて測定した。その結果を表1に示す。そして、こ
の複合焼結体を用い、実施例1に準じて静電チャックを
作製し、ハロゲンガスのプラズマ暴露前、暴露後にそれ
ぞれ静電吸着特性を測定した。その結果を表2、表3に
示す。
【0045】なお、静電チャックをプラズマに暴露する
前後の各静電吸着特性試験において、いずれも400℃
まで80℃/分の昇温速度で昇温したが、静電チャック
には熱応力による破損、損傷は生じなかった。
【0046】(実施例4)焼結時間を20時間とした以
外は、実施例1に準じて複合焼結体を得た。この複合焼
結体中の炭化珪素粒子同士は、厚み0.009μmのム
ライト質酸化物を介して接触していることを、TEM観
察により確認した。
【0047】この複合焼結体中の炭化珪素粒子の平均粒
子径、体積固有抵抗値を、実施例1に準じて測定した。
その結果を表1に示す。また、別途作成した上記複合焼
結体のビッカース硬さ、室温4点曲げ強度を実施例1に
準じて測定した。その結果を表1に示す。そして、この
複合焼結体を用い、実施例1に準じて静電チャックを作
製し、ハロゲンガスのプラズマ暴露前、暴露後にそれぞ
れ静電吸着特性を測定した。その結果を表2、表3に示
す。
【0048】なお、静電チャックをプラズマに暴露する
前後の各静電吸着特性試験において、いずれも400℃
まで80℃/分の昇温速度で昇温したが、静電チャック
には熱応力による破損、損傷は生じなかった。
【0049】(比較例1)複合焼結体の組成を、酸化ア
ルミニウム100重量%としたこと以外は、実施例1に
準じて複合焼結体を得た。
【0050】この複合焼結体中の炭化珪素粒子の平均粒
子径、体積固有抵抗値を、実施例1に準じて測定した。
その結果を表1に示す。また、別途作成した上記複合焼
結体のビッカース硬さ、室温4点曲げ強度を、実施例1
に準じて測定した。その結果を表1に示す。そして、こ
の複合焼結体を用い、実施例1に準じて静電チャックを
作製し、ハロゲンガスのプラズマ暴露前、暴露後にそれ
ぞれ静電吸着特性を測定した。その結果を表2、表3に
示す。
【0051】なお、静電チャックをプラズマに暴露する
前後の各静電吸着特性試験において、いずれも400℃
まで80℃/分の昇温速度で昇温した。この結果、ハロ
ゲンガスのプラズマ暴露前においても、暴露後において
も,静電吸着特性試験の際に、静電チャックの周縁部が
一部欠損した。
【0052】(比較例2)プラズマCVD法により気相
合成された平均粒子径0.05μmのβ型炭化珪素超微
粉末を、熱処理することなく使用したこと以外は、実施
例1に準じて複合焼結体を得た。また、前記複合焼結体
中の炭化珪素粒子同士が相互に接触していることを、T
EM観察により確認した。
【0053】この複合焼結体中の炭化珪素粒子の平均粒
子径、体積固有抵抗値を、実施例1に準じて測定した。
その結果を表1に示す。また、別途作成した上記複合焼
結体のビッカース硬さ、室温4点曲げ強度を実施例1に
準じて測定した。その結果を表1に示す。そして、この
複合焼結体を用い、実施例1に準じて静電チャックを作
製し、ハロゲンガスのプラズマ暴露前、暴露後にそれぞ
れ静電吸着特性を測定した。その結果を表2、表3に示
す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】本発明の実施例1、2、3、4において
は、プラズマへの暴露の後においても、高い静電吸着力
が得られ、吸着時間、脱離時間も応答性が良好であり、
熱応力耐性も高い。この中でも、実施例1、2、3にお
いては、複合焼結体中の炭化珪素の含有量が5重量%以
上、30重量%以下であり、ムライト質物質の厚さが
0.1μm以下であり、炭化珪素粒子の平均粒子径が
0.2μmまたは0.3μmであるが、いずれも室温お
よび400℃における静電吸着力が高く、プラズマへの
暴露後の静電吸着特性も特に高かった。
【0058】これに対して、比較例1においては、プラ
ズマ暴露前においても、静電吸着力が低く、吸着時間、
脱離時間が長い。比較例2においては、プラズマ暴露前
の静電吸着特性は良好であるが、プラズマ暴露後の40
0℃における静電吸着力が特に低くなり、かつシリコン
ウエハーと静電チャックとの間で放電が見られた。
【0059】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の静電チャッ
クによれば、静電チャックの少なくとも吸着面側の前記
絶縁部が、平均粒子径が0.5μm以下であり、表層に
厚さ0.05μm以下の酸化膜を有する炭化珪素粉末
と、酸化アルミニウム粉末との混合粉末を非酸化性雰囲
気下において焼結することによって得られた複合焼結体
からなり、この複合焼結体中における前記炭化珪素粒子
同士がムライト質物質を介して接触しており、この複合
焼結体の室温における体積固有抵抗値が1×10Ωcm
以上、1×1015Ωcm以下であり、前記複合焼結体中
の前記炭化珪素粒子の平均粒子径が1μm以下とするこ
とによって、ハロゲンガスによる腐食が少なく、かつア
ルミナと比較して強度、硬度ともに優れており、パーテ
ィクルの発生も少なく、かつ耐熱性に富み、高温下の使
用において熱応力による破損の危険性がなく、更に、良
好な静電吸着特性を有するものとなる。更に、複合焼結
体を、平均粒子径が0.5μm以下であり、表層に厚さ
0.05μm以下の酸化膜を有する炭化珪素粉末と、酸
化アルミニウム粉末との混合粉末の非酸化性雰囲気下に
おける焼結体としたことによって、強度増加の効果が著
しく、耐プラズマ性が向上し、所定の体積固有抵抗値を
有するものとなる。更に、複合焼結体中の炭化珪素粒子
の平均粒子径を1μm以下とすることによって、強度増
加の効果が著しく、プラズマに曝されたときに電場が炭
化珪素部分に集中して損傷を受けることはない。
【0060】更に、複合焼結体中の前記炭化珪素の含有
量を5重量%以上、30重量%以下とすることによっ
て、炭化珪素の添加による複合焼結体の硬度、強度の向
上が特に顕著となり、ウエハー等の吸着、脱着の応答性
が良好であり、静電チャックからウエハーへのリーク電
流によるデバイス破壊の危険性を有効に除去することが
できる。
【0061】更に、複合焼結体中のムライト質物質を、
炭化珪素の粒子表面に0.1μm以下の厚みを有する酸
化物として存在させることによって、複合焼結体の体積
固有抵抗値の制御を行なうことが容易となり、ウエハー
等の吸脱着の応答性、ハロゲン系ガスのプラズマに対す
る耐食性が向上する。
【0062】
【0063】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、吸着面側の円盤状絶縁部を示す平面
図であり、(b)は、基体側の円盤状絶縁部を示す平面
図である。
【図2】(a)は、円盤状絶縁部2の上に導電性材料お
よび絶縁性材料を塗布した状態を示す平面図であり、
(b)は、静電チャックの断面図である。
【図3】静電チャックの吸着力の測定装置を示す概略図
である。
【符合の説明】
1 吸着面側の円盤状絶縁部 1a 貫通孔 2 基体側の円盤状絶縁部 2b 電極挿入孔 3 円形の電極 4 絶縁性の接合層 6 吸着面 8 静電チャック 15 導電性材料の塗布層 16 絶縁性材料の塗布層 18 半導体ウエハー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲妻地 浩 千葉県船橋市豊富町585 住友大阪セメ ント株式会社 新材料研究部内 (56)参考文献 特開 平6−14570(JP,A) 特開 平8−31917(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/68 B23Q 3/15 C04B 35/103 C04B 35/64 H02N 13/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極と、この電極の両側にそれぞれ設け
    られている絶縁部とを備えている静電チャックであっ
    て、少なくとも吸着面側の前記絶縁部が、平均粒子径が
    0.5μm以下であり、表層に厚さ0.05μm以下の
    酸化膜を有する炭化珪素粉末と、酸化アルミニウム粉末
    との混合粉末を非酸化性雰囲気下において焼結すること
    によって得られた複合焼結体からなり、この複合焼結体
    中における前記炭化珪素粒子同士がムライト質物質を介
    して接触しており、この複合焼結体の室温における体積
    固有抵抗値が1×10Ωcm以上、1×1015Ωcm以
    下であり、前記複合焼結体中の前記炭化珪素粒子の平均
    粒子径が1μm以下であることを特徴とする静電チャッ
    ク。
  2. 【請求項2】 前記複合焼結体中の炭素珪素の含有量が
    5重量%以上、30重量%以下である請求項1記載の静
    電チャック。
  3. 【請求項3】 前記複合焼結体中のムライト質物質が、
    前記炭化珪素粒子の表面に厚さ0.1μm以下の酸化物
    として存在している、請求項1または2記載の静電チャ
    ック。
  4. 【請求項4】 前記複合焼結体中におけるAl及びSi
    以外の金属不純物含有量は0.1重量%以下である請求
    項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の静電チャッ
    ク。
JP8528196A 1996-04-08 1996-04-08 静電チャック Expired - Lifetime JP3348140B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8528196A JP3348140B2 (ja) 1996-04-08 1996-04-08 静電チャック

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8528196A JP3348140B2 (ja) 1996-04-08 1996-04-08 静電チャック

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09283607A JPH09283607A (ja) 1997-10-31
JP3348140B2 true JP3348140B2 (ja) 2002-11-20

Family

ID=13854193

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8528196A Expired - Lifetime JP3348140B2 (ja) 1996-04-08 1996-04-08 静電チャック

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3348140B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10460970B2 (en) 2015-09-30 2019-10-29 Ngk Insulators, Ltd. Electrostatic chuck
US10707373B2 (en) 2016-02-25 2020-07-07 Ngk Insulators, Ltd. Polycrystalline gallium nitride self-supported substrate and light emitting element using same

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001059833A1 (fr) * 2000-02-08 2001-08-16 Ibiden Co., Ltd. Carte en ceramique destinee a la production de semi-conducteurs et a des dispositifs de controle
JP3808286B2 (ja) 2000-06-07 2006-08-09 住友大阪セメント株式会社 静電チャック
JP4008230B2 (ja) 2001-11-14 2007-11-14 住友大阪セメント株式会社 静電チャックの製造方法
KR100666039B1 (ko) 2003-12-05 2007-01-10 동경 엘렉트론 주식회사 정전척
JP4744855B2 (ja) 2003-12-26 2011-08-10 日本碍子株式会社 静電チャック
JP4879929B2 (ja) 2008-03-26 2012-02-22 日本碍子株式会社 静電チャック及びその製造方法
KR100997374B1 (ko) * 2009-08-21 2010-11-30 주식회사 코미코 정전척 및 이의 제조 방법
JP6828395B2 (ja) * 2016-03-30 2021-02-10 住友大阪セメント株式会社 静電チャック部材、静電チャック装置
WO2019004402A1 (ja) * 2017-06-29 2019-01-03 住友大阪セメント株式会社 複合焼結体、静電チャック部材および静電チャック装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10460970B2 (en) 2015-09-30 2019-10-29 Ngk Insulators, Ltd. Electrostatic chuck
US10707373B2 (en) 2016-02-25 2020-07-07 Ngk Insulators, Ltd. Polycrystalline gallium nitride self-supported substrate and light emitting element using same

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09283607A (ja) 1997-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4008230B2 (ja) 静電チャックの製造方法
JP4744855B2 (ja) 静電チャック
EP1801961A2 (en) Electrostatic chuck
JP3975944B2 (ja) 半導体あるいは液晶製造装置用保持体およびそれを搭載した半導体あるいは液晶製造装置
JP3699349B2 (ja) ウエハー吸着加熱装置
TW392277B (en) Electrostatic holding apparatus
JP3348140B2 (ja) 静電チャック
JP3586034B2 (ja) 静電チャック
JP2003282688A (ja) 静電チャック
JP3763519B2 (ja) 静電吸着装置
JP3808286B2 (ja) 静電チャック
JPH0513558A (ja) ウエハー加熱装置及びその製造方法
JPH06291175A (ja) 静電チャック
JP2004055608A (ja) 電極内蔵型サセプタ
JP3767719B2 (ja) 静電吸着装置
JP3662909B2 (ja) ウエハー吸着加熱装置及びウエハー吸着装置
JP4241571B2 (ja) 双極型静電チャックの製造方法
JP3426845B2 (ja) 静電チャック
JP3393714B2 (ja) クランプリング
JP4439102B2 (ja) 静電チャック
JP2002324833A (ja) 静電チャック
JP3370532B2 (ja) 静電チャック
JP3623102B2 (ja) 静電チャック
JP4789416B2 (ja) セラミック抵抗体及びその製造方法並びに静電チャック
JP3605347B2 (ja) 電極内蔵セラミックスの製造方法、吸着装置及び半導体製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080906

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090906

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090906

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100906

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110906

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120906

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130906

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140906

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term