JPH0897272A - ウェハ支持部材 - Google Patents

ウェハ支持部材

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JPH0897272A
JPH0897272A JP23543994A JP23543994A JPH0897272A JP H0897272 A JPH0897272 A JP H0897272A JP 23543994 A JP23543994 A JP 23543994A JP 23543994 A JP23543994 A JP 23543994A JP H0897272 A JPH0897272 A JP H0897272A
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博範 井之上
Kazuichi Kuchimachi
和一 口町
Yasunori Kawabe
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ウェハ支持部材を窒化アルミニウム質焼結体に
より形成するとともに、ウェハ20との接触部位に母材
である窒化アルミニウム質焼結体よりも体積固有抵抗値
の高い高抵抗層13を備える。 【効果】ウェハ20との接触部位が高抵抗層13からな
るために、ジョンソン−ラーベック力による静電吸着を
防止し、工程終了後にウェハ20を容易に外すことがで
きる。そのために、ウェハ20の処理能力が向上し、不
純物の混入も防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置の製造工程
において、半導体ウェハを接触して支持するための部材
に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造工程において、シリコ
ン等の半導体ウェハに対し、プラズマを用いたエッチン
グが行われている。この時、ウェハはサセプタ上に載置
され、クランプリングで端部を押さえて支持されてい
る。
【0003】これらのサセプタ、クランプリングは、耐
熱性、耐食性が要求されるため、従来アルミナセラミッ
クスが用いられている。しかし、アルミナセラミックス
はプラズマにエッチングされやすく、そのためAl2
3 粒子が脱粒してパーティクルとなりウェハ上の配線に
悪影響を及ぼす等の問題点があった。
【0004】そこで、耐プラズマ性が高く、熱伝導率の
高い窒化アルミニウム質焼結体を上記ウェハ支持部材と
して用いることが提案されている(特開平5−2513
65号公報等参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記窒化アル
ミニウム質焼結体は静電気を発生しやすく、発生した静
電気によって半導体ウェハを吸着してしまうという欠点
があった。そのため、窒化アルミニウム質焼結体でクラ
ンプリングやサセプタを形成すると、工程終了後に半導
体ウェハを機械的に剥がす作業が必要となり、ウェハ処
理能力が低下するだけでなく、剥がす作業中にウェハへ
の不純物が増加する等の問題点があった。
【0006】この原因は、通常のアルミナセラミックス
の常温での体積固有抵抗値が1015〜1017Ω・cmで
あるのに対し、窒化アルミニウム質焼結体の体積固有抵
抗値は1012〜1014Ω・cmと低いことによる。即
ち、上記窒化アルミニウム質焼結体はプラズマ処理工程
中に加熱されると体積固有抵抗値が1013Ω・cm以下
になり、微小な漏れ電流により電荷が発生し、ジョンソ
ン−ラーベック力と呼ばれる静電吸着力が発生するため
に半導体ウェハを吸着してしまうのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記に鑑みて、本発明
は、ウェハ支持部材を窒化アルミニウム質焼結体で形成
するとともに、ウェハと接触する部位に母材である窒化
アルミニウム質焼結体よりも体積固有抵抗値の高い高抵
抗層を備えたものである。
【0008】なお、上記高抵抗層は使用時の体積固有抵
抗値が1013Ω・cm以上の材質からなり、膜として被
着したりあるいは他部材を固着すれば良い。また、窒化
アルミニウム質焼結体の表面を酸化して形成したアルミ
ナ膜であっても良い。
【0009】
【作用】本発明のウェハ支持部材は、ウェハとの接触部
位が高抵抗層からなるため、ジョンソン−ラーベック力
による吸着を防止し、工程処理後のウェハを容易に外す
ことができる。
【0010】また、ウェハ支持部材自体は、耐プラズマ
性の高い窒化アルミニウム質焼結体から成るため、プラ
ズマによって腐食されることがなくパーティクルの発生
を防止できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明をクランプリングに適用した例
について説明する。
【0012】図1にプラズマエッチング装置の概略図を
示す。シリコン等のウェハ20をサセプタ21上に載置
し、その端部をクランプリング10で押さえつけて固定
する。また、サセプタ21の下部に備えたプラズマ下部
電極22と上部に備えたプラズマ上部電極23間に、高
周波電圧24を印加してプラズマを発生させ、ウェハ2
0に対してプラズマエッチングを行うようになってい
る。
【0013】また、図2に詳細を示すように、クランプ
リング10は中央に貫通孔11を有する板状体で、該貫
通孔11の周囲に段部12を有し、この段部12でウェ
ハ20の端部を押さえつけて固定するようになってい
る。そして、このクランプリング10は全体が窒化アル
ニウム質焼結体からなり、上記段部12の表面のみに高
抵抗層13を備えている。
【0014】このクランプリング10を用いれば、上面
14はプラズマにさらされることになるが、耐プラズマ
性に優れた窒化アルミニウム質焼結体からなるため、プ
ラズマによる腐食を防止し、パーティクルの発生もなく
長期間使用することができる。また、ウェハ20と接触
する段部12は高抵抗層13からなるため、ジョンソン
−ラーベック力による吸着を防止し、工程終了後にウェ
ハ20を容易に外すことができる。
【0015】上記高抵抗層13は、漏れ電流に基づくジ
ョンソン−ラーベック力による吸着を防止するために、
母材である窒化アルミニウム質焼結体よりも体積固有抵
抗値の高い材質により形成する。特に、使用時の温度に
おける体積固有抵抗値が1013Ω・cm以上の材質を用
いれば、ジョンソン−ラーベック力による吸着力を無く
すことができる。また耐プラズマ性の点からはAl化合
物であることが好ましい。これらの点から、高抵抗層1
3としては、Al2 3 、AlN、AlF等を用いる。
なお、使用時の温度が低ければ高抵抗層13としてAl
Nを用いることもできるが、この場合は、母材よりも体
積固有抵抗値の高いものを用いる。
【0016】そして、これらの高抵抗層30は、上記の
材質を膜として被着したり、他部材として固着すること
により形成する。
【0017】膜とする場合は、CVD法、PVD法等の
周知の手段により所定の場所に被覆すれば良い。
【0018】あるいは、母材である窒化アルミニウム質
焼結体を酸化処理することにより、表面のAlNを酸化
させてAl2 3 膜を形成することもできる。この場合
は、クランプリング10を窒化アルミニウム質焼結体で
形成し、酸化処理して全表面にAl2 3 膜を形成した
後、上記段部12以外の表面を研磨してAl2 3 膜を
除去すれば、段部12の表面のみに高抵抗層13として
Al2 3 膜を有するクランプリング10を得ることが
できる。
【0019】このように高抵抗層13を膜で形成する場
合、厚みは2〜30μmの範囲が好ましい。これは2μ
m未満では膜の厚みを均一化することが困難であり、3
0μmを越えると熱膨張差のために剥離する恐れがある
ためである。好適には5〜15μmの範囲が好ましい。
【0020】また、高抵抗層13として、上記Al2
3 、AlN、AlF等を別途成形し焼成した焼結体を接
着等により固着することもできる。この場合は、高抵抗
体層13の厚みを2μm以上、好ましくは1mm以上と
すれば良い。
【0021】なお、クランプリング10をなす窒化アル
ミニウム質焼結体は、AlNを主成分とし、Y2 3
Yb2 3 、Er2 3 等の焼結助剤を含有する焼結体
であり、耐プラズマ性に優れ、熱伝導率が極めて高いこ
とから放熱性に優れている。また、ウェハ20に対する
汚染防止や耐プラズマ性をより高めるために、焼結助剤
を添加せずにAlNを99重量%以上、好適には99.
9重量%以上とした高純度窒化アルミニウム質焼結体を
用いることもできる。
【0022】また、上記実施例ではクランプリング10
について述べたが、本発明のウェハ支持部材はクランプ
リング10のみに限るものではない。例えば、図1にお
けるサセプタ21を窒化アルミニウム質焼結体で形成
し、その上面に高抵抗層を形成することもできる。ある
いは、図示していないが、ウェハを搬送するためのハド
リングアームやその他のウェハに接触し支持する部材に
本発明を適用することができる。
【0023】実験例1 窒素雰囲気下で焼成した板状の窒化アルミニウム質焼結
体を900〜1300℃で3時間、大気雰囲気下で酸化
処理し、表面に2〜20μmのAl2 3 膜を形成し
た。その後、ダイヤモンド砥石によりウェハ接触面以外
の表面を研削加工してAl2 3 膜を除去し、段部12
のみに高抵抗層13としてのAl2 3 膜を有するクラ
ンプリング10を得た。
【0024】半導体製造工程中のプラズマエッチング装
置において、CF4 ガスを用いた100℃の条件下でこ
のクランプリング10を用いて、工程終了後にウェハ2
0とクランプリング10との吸着力を調べた。なお、1
00℃におけるAl2 3 膜の体積固有抵抗値は1015
Ω・cmである。
【0025】結果は表1に示す通り、Al2 3 膜の無
いものでは0.1g/cm2 以上のウェハ吸着力が生
じ、ウェハ20の剥離が困難であったのに対し、厚み2
μm以上のAl2 3 膜を形成したものはウェハ吸着力
を低下させられ、容易にウェハ20を外せることがわか
った。これは、上述したように、Al2 3 膜の体積固
有抵抗値が高いために漏れ電流が生じにくく、ジョンソ
ン−ラーベック力による吸着力が生じなかったものと考
えられる。
【0026】
【表1】
【0027】実験例2 図2に示すクランプリング10の段部12に、CVD法
によってAlNの膜を厚み10μmに形成して高抵抗層
13とした。成膜条件を変化させ、さらに得られた膜の
使用時の温度を変化させることによって、使用時の体積
固有抵抗値とウェハ吸着力との関係を調べた。
【0028】それぞれについて、実験例1と同じ評価を
行った結果は表2に示す通りである。この結果より、高
抵抗層13の使用時の体積固有抵抗値が1011Ω・cm
と低い場合はウェハ20を吸着してしまうが、体積固有
抵抗値を1013Ω・cm以上にすればウェハの吸着を防
止できることがわかる。
【0029】
【表2】
【0030】実験例3 次に、高抵抗層13として、厚み2mmのアルミナ焼結
体をエポキシ樹脂にて接着して本発明のクランプリング
10を製造した。上記と同様の評価を行ったところ、ウ
ェハ20の吸着はなく、吸着力は0g/cm2 であっ
た。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ウェハ
支持部材を窒化アルミニウム質焼結体により形成すると
ともに、半導体ウェハとの接触部位に母材である窒化ア
ルミニウム質焼結体よりも体積固有抵抗値の高い高抵抗
層を備えたことによって、ウェハとの接触部位が高抵抗
層からなるために、ジョンソン−ラーベック力による静
電吸着を防止し、工程終了後にウェハを容易に外すこと
ができる。そのために、ウェハの処理能力が向上し、不
純物の混入も防止できる。
【0032】また、ウェハ支持部材の母材は窒化アルミ
ニウム質焼結体からなるため、耐プラズマ性に優れるこ
とからパーティクルの発生もなく長期間良好に使用で
き、さらに放熱性も優れるなど、さまざまな特長を持っ
たウェハ支持部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウェハ支持部材の一実施例であるクラ
ンプリングを用いたプラズマエッチング装置を示す概略
図である。
【図2】本発明のウェハ支持部材の一実施例であるクラ
ンプリングを示す断面図である。
【符号の説明】
10:クランプリング 11:貫通孔 12:段部 13:高抵抗層 14:上面 20:ウェハ 21:サセプタ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体装置の製造工程中に半導体ウェハを
    支持する部材であって、窒化アルミニウム質焼結体によ
    り形成するとともに、半導体ウェハとの接触部位に母材
    である窒化アルミニウム質焼結体よりも体積固有抵抗値
    の高い高抵抗層を備えてなるウェハ支持部材。
  2. 【請求項2】上記高抵抗層は、使用時における体積固有
    抵抗値が1013Ω・cm以上であることを特徴とする請
    求項1記載のウェハ支持部材。
  3. 【請求項3】上記高抵抗層は、母材の窒化アルミニウム
    質焼結体を酸化して得られたアルミナ膜、または成膜で
    形成したAl化合物膜であることを特徴とする請求項1
    記載のウェハ支持部材。
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