JP2003158174A - 静電吸着装置、その製造方法及び固定保持方法 - Google Patents

静電吸着装置、その製造方法及び固定保持方法

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JP2003158174A
JP2003158174A JP2001357082A JP2001357082A JP2003158174A JP 2003158174 A JP2003158174 A JP 2003158174A JP 2001357082 A JP2001357082 A JP 2001357082A JP 2001357082 A JP2001357082 A JP 2001357082A JP 2003158174 A JP2003158174 A JP 2003158174A
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Kensho Murata
憲昭 村田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的小さい印加電圧で大きな静電吸着力の
発生が可能であり、且つ精密な基板の固定保持を可能と
する。 【解決手段】 静電吸着装置20は基板としてのウエハ
5の固定保持を行うための支持面2を有し、基台1上に
電極膜3と誘電層4が形成されている。電極膜3は二つ
の領域に分かれており、一方の電極21は他方の領域の
電極22に対して外側に配置されているとともに該他方
の領域の電極22とは独立に印加電圧を変化させること
が可能であって、電極21,22のそれぞれに印加する
電圧はウエハ5の形状情報に従う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハなど
の基板を静電吸着力により固定保持する静電チャックな
どの静電吸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマCVD若しくはプラズマエッチ
ングや、X線露光装置など真空雰囲気あるいは減圧雰囲
気で半導体ウエハを処理する半導体製造装置において、
ウエハを固定保持する方法として、真空中でもウエハの
固定保持が可能な静電チャックがよく用いられている。
【0003】図4は、よく使用される一般的な静電チャ
ックを示す図である。この静電チャック30は、全体を
支える基台31の上面に電極板32が接着により形成さ
れ、さらにその上に誘電層33が形成されている。ま
た、基台31及び誘電層33は、絶縁材料であればよ
く、セラミックスやプラスチックなどが用いられる。静
電チャック30の吸着力Fは以下の数式で表わされる。
【0004】 F=(1/2)×α×εo×ε’×A×(V/d)2 …(1) ここで、εo:真空の誘電率8.85×10-12 [C/
V・m] ε’:静電チャック誘電層材質の比誘電率 A :電極の面積 V :印加電圧 d :誘電層の厚み α :係数 である。式(1)より、吸着力Fは誘電層33の厚みd
の2乗に反比例していることが分かる。すなわち印加電
圧を増加させないで、できるだけ大きな吸着力を得るに
は、誘電層33は、厚みdを絶縁破壊が起きない範囲で
薄く平滑に形成することが必要である。
【0005】例えば、特許第2859993号によれ
ば、ドクターブレード法などの方法により、グリーンシ
ートと呼ばれるセラミックスの薄い板を成形し、この表
面に電極層を印刷により形成した後、積層し一体焼成し
て作製する方法が開示されている。しかしながら、こう
したグリーンシートを誘電層に用いる場合、焼成による
反りやひび割れの問題があり、あまり薄く形成すること
は困難であり、1mm程度が限界であると言われてい
る。あるいはグリーンシートを積層する際に、層間の合
わせ面に気泡が入りやすいといった問題もある。
【0006】こうした製造上の問題を解決する方法とし
て、特公昭60−59104号公報には、誘電層をより
薄く平滑に形成する手段として、溶射を用いて誘電層を
製膜する方法が示されている。また、溶射などの製膜方
法により、誘電層を薄く平滑に形成するためには、その
下地となる電極が平面度よく平滑に形成されている必要
がある。そのための手段として、特開平5−63063
号公報では、メッキにより電極を形成させる方法が示さ
れている。これらの方法は、誘電層や電極の薄膜形成が
簡便に得られることにおいて、優れた方法であると言え
る。
【0007】半導体製造プロセスでは、Na、Li、若
しくはKなどのアルカリ金属や、Fe、Ni、若しくは
Crなどの重金属などといった不純物の混入汚染による
歩留まりの悪化を嫌うため、ウエハチャックの材質、特
にウエハの裏面と接触する静電チャック誘電層のセラミ
ックスの材質は、できるだけ高純度であることが要求さ
れる。この要求に応える誘電膜の製膜方法としてCVD
法があり、原料ガスを高純度化することにより、99.
99%レベルの高純度の製膜も可能である。同時に、薄
く均一な厚みの膜が比較的簡単に得られる。また、溶射
の場合膜中に気孔が入りやすいという問題があるが、C
VDの場合、そのような気孔が膜中に発生せず、緻密な
製膜が可能である。
【0008】すなわち上面を精密に加工したセラミック
スの基台上に、メッキまたは蒸着等で電極膜を形成し、
さらにその上にCVD法により誘電膜を形成させれば、
比較的小さい印加電圧で、より大きな静電吸着力の発生
が可能であり、且つクリーンな半導体製造プロセスに適
する静電チャックを得ることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の製造方法では次に示すような問題があった。半導
体製造工程で処理されるウエハは、必ずしも平坦である
とは限らず、製膜プロセスなどによって、上側に凸形状
あるいは下側に凸形状に大きく変形したウエハが流れて
くることがある。
【0010】第一の問題として次のような問題がある。
図5に示すように、下側に凸形状に変形したウエハ5を
静電チャック30で吸着する場合、最初にウエハ5の中
央部が吸着され、それからしだいに周辺部がならうよう
な形で吸着されていく。ウエハ5の変形量がさほど大き
くなければ問題ない。しかし、例えば外周部が中央部に
対して数百ミクロン程度と非常に大きく撓んでいるウエ
ハ5の場合は、外周部が吸着しきれず、浮き上がった状
態で撓みが残ってしまう場合がある。
【0011】第二の問題として次に示すような問題があ
る。図6に示すような上側に凸形状に大きく変形したウ
エハ5を静電チャック30で吸着する場合は、現象がよ
り複雑となる。ウエハ5の外周部が先に吸着され、吸着
領域がしだいに中央部に迫っていくような傾向をとる。
同時に、中央部の盛上りを押さえるためには、ウエハ5
の外周部は外側に広がる必要がある。そのためには吸着
により生じる摩擦力に打ち勝つ必要がある。条件によっ
てはこの摩擦力に打ち勝つことができず、中央部に盛り
上がりが残ってしまうという現象が発生する。
【0012】特許第2838810号によれば、上記第
二の問題に対する対策として、外周部にいくにしたがっ
て誘電層の厚みが大きくなるように、電極を配置したも
のが示されている。これは外周部にいくほど吸着力の分
布が小さくなるようにし、このことにより、弊害となる
摩擦力を軽減するものである。この方法は、吸着力が上
述の式(1)にも示されるように、誘電層の厚みdに従
って変化することを巧みに利用した方法であると思われ
る。しかし、外周部での吸着力を意図的に小さくしてい
るため、第一の問題すなわち下側に凸形状ウエハの外周
部浮き上がりの発生を助長してしまうことになる。ま
た、その実施例に開示された方法は、特許第28599
93号に係る発明と同様に、グリーンシートを積層する
方法であり、製造上の問題から、誘電層を構成するグリ
ーンシートはあまり薄くすることができない。なおかつ
外周部の誘電層ほどグリーンシートを何枚も積層するこ
とになるので、誘電層の厚みはかなり厚くなってしま
う。このため、チャック全体としての十分な吸着力を得
るには、印加電圧を大きくとる必要が生じる。
【0013】特開平5−260773号公報には、同じ
く上記第二の問題に対する対策として、静電チャックの
径をウエハ径よりも小さいものとし、オーバーハングさ
せた状態で支持する方法が示されている。これは、特に
大きな対策をとらずに上記第二の問題を防げる方法であ
るように思われる。しかし、ウエハ外周部は支持してい
ないので、逆に第一の問題すなわち下側に凸のウエハの
外周部浮き上がりを助長することになる。また、そのよ
うな弊害を減らすために、オーバーハング量を少なくす
ると、本来の目的である第二の問題に対する効果を薄め
てしまうことになる。
【0014】特開平7−204962号公報には、やは
り上記第二の問題に対する対策として、静電チャックの
電極の数を単極型であれば2系統以上、双極型の場合は
2系統以上もち、内側に配置された電極から順番に時間
的にずらして吸着させる方法が開示されている。この方
法であれば、第二の問題すなわち上側に凸に変形したウ
エハの中央部盛上りを防ぐことが可能である。しかし、
第一の問題すなわち下側に凸に変形したウエハの外周部
の浮き上がりに対しては不十分と思われる。
【0015】第一の問題すなわち下側に凸形状のウエハ
の外周部浮き上がりを抑えるためには、内側の領域とは
独立に外周部の吸着力を高める必要がある。逆に、第二
の問題すなわち上側に凸形状ウエハの中央盛上りを防ぐ
には、内側の領域とは独立に外周部での吸着力を下げる
必要が生じる。しかし、例えば特開平7−204962
号公報に示された方法では、ウエハの反り状態について
の情報は得られないため、外周部の吸着力を上げるのか
下げるのかという判断をすることは難しい。全体的に印
加電圧を上げることにより、これを回避する方法も考え
られる。しかし、印加電圧を上げると、残留電荷の抜け
に時間がかかり、ウエハの脱着応答性が悪くなるという
弊害も発生する。
【0016】ウエハの反り状態の情報を得るには、例え
ば、静電チャック上に複数の変位計を搭載するといった
方法も考えられる。しかし、そうした方法であると、変
位計搭載に伴って静電チャックを複雑化させると同時に
大型化ならびに重量化させることにつながる。また、そ
うした静電チャックを移動テーブル上に搭載する場合、
重量化ならびに実装ケーブルの本数増加を招き、移動テ
ーブルの速やかな移動を妨げることにもつながりかねな
い。
【0017】静電チャックの吸着原理には、大きく分け
てクーロンタイプとジョンソン−ラーベックタイプの二
つがある。前者のクーロンタイプは、絶縁体に電圧を印
加する際に発生する誘電分極現象を利用したものであ
り、誘電層には全く電流を流さないことを特徴とする。
したがって、クーロンタイプの静電吸着を発生させるた
めには、誘電層の体積固有抵抗率は1016cmΩ以上に
とるのが一般的となっている。一方、後者のジョンソン
−ラーベックタイプは、誘電層に若干のリーク電流を流
すことを特徴とする。このため誘電層の体積固有抵抗率
は109 〜1014cmΩ程度にとるのが一般的である。
【0018】特開平6―204325号公報には、電極
を複数領域に分けたうえで、それぞれの電圧印加回路に
流れる電流を測定することにより、ウエハの面形状を判
断する方法が開示されている。しかし、この方法は、誘
電層に流すリーク電流を測定する方法であり、電流を流
さないクーロンタイプには適用できない。
【0019】本発明は、上記のような問題に鑑みてなさ
れたものであり、比較的小さい印加電圧で大きな静電吸
着力の発生が可能であって、且つ精密な基板の固定保持
を可能とし、半導体ウエハ等の汚染を発生させない静電
吸着装置、その製造方法及び固定保持方法等を提供する
ことを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、以下のような静電吸着装置を提案する。本発明の第
一の静電吸着装置は、基板の固定保持を行うための支持
面を有する静電吸着装置であって、基台上に電極と誘電
層が形成されており、前記電極は少なくとも二つの領域
に分かれており、一方の領域の電極は他方の領域の電極
に対して外側に配置されているとともに該他方の領域の
電極とは独立に印加電圧を変化させることが可能であ
り、前記電極のそれぞれに印加する電圧は前記基板の形
状情報に従うことを特徴とする。
【0021】第二の静電吸着装置は、第一のものにおい
て、前記誘電層の厚みは、50μm〜1mmの間である
ことを特徴とする。
【0022】第三の静電吸着装置は、第一あるいは第二
のものにおいて、前記誘電層の表面には凹部と凸部から
成る段差を設けたことを特徴とする。
【0023】第四の静電吸着装置は、第一、第二または
第三のものにおいて、前記基台の少なくとも二つの面で
静電吸着力が発生するように吸着面が形成されているこ
とを特徴とする。
【0024】また、前記基板を前記支持面に固定保持す
る前に、該基板の形状情報を取得するための別置きにさ
れた基板計測手段を有することが望ましい。
【0025】前記電極は前記基台上にマスキングを施し
ながらCVDあるいはメッキにより製膜し、その上に前
記誘電層をCVDで製膜することができる。また、前記
メッキはリン含有率8%以上のニッケル−リンメッキで
あればより効果的である。
【0026】また、本発明は、前記いずれかの静電吸着
装置を移動台の表面に固定保持する固定保持方法におい
て、前記移動台の表面にはアースをとるためにコーティ
ング材でコーティングを施すとともに、前記吸着面の少
なくとも一つで前記移動台に該静電吸着装置が固定保持
されることを特徴としてもよい。前記コーティング材の
材質は、リン含有率8%以上のニッケル−リンメッキあ
るいは炭化珪素であるとよい。
【0027】
【作用】上記の構成において、プロセスによって大きく
変形したウエハ等の基板を吸着した場合でも精密な基板
の固定保持が可能となる。
【0028】CVDにより誘電膜が薄くかつ均一に形成
されているため、比較的小さい印加電圧で大きな静電吸
着力を得ることができる。
【0029】基板と接触する静電吸着装置の表面は高純
度なCVDで製膜されているため、不純物を含んでおら
ず、半導体製造プロセス中に歩留まりを悪化させるよう
な不純物が混入することもない。
【0030】静電吸着装置の構造を簡略化し軽量化でき
るので、移動テーブル上に試料台として載置する場合に
移動テーブルの速やかな移動が可能となる。
【0031】吸着支持部の電極膜を非磁性材質で形成す
ることにより、荷電粒子線描画装置の試料台としても使
用可能になる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係る静
電吸着装置について、基板がウエハである場合を例とし
て、図面に基づいて詳細に説明する。 (第一の実施形態)図1は本発明の実施形態に係る静電
吸着装置の要部を示し、(a)が平面図、(b)が正面
図である。図1に示すように、この静電吸着装置20
は、静電チャックとも称され、セラミックス製の基台1
上に、ウエハ支持面2が形成されている。このウエハ支
持面2は、Moの電極膜3とその上に形成されたアルミ
ナから成る誘電層4から構成される。電極膜3は同心円
状に内側と外側に配置された二つの領域に区分して配置
された第一電極21及び第二電極22からなる。便宜上
内側に配置された電極膜を第一電極と呼び、外側に配置
された電極膜を第二電極と呼ぶことにする。この二つの
電極21,22の領域は、第一電極21の外周と第二電
極22の内周との間の円環状絶縁部23によって互いに
絶縁されている。基台1の一部にはMoの電極膜3に電
圧を印加するための電線24,25を通すための貫通穴
1aがほぼ中心に、貫通穴1bが外周近傍にそれぞれ形
成されている。また、ウエハ5は、基台1の外周近傍に
設けたアース用爪6によりアースが取られている。
【0033】次に、この静電吸着装置20の製造方法に
ついて以下に説明する。セラミックス製の基台1の上面
は、精密に研削加工した上で脱脂処理をする。また、こ
れにはポアレスのセラミックスを用いるのが望ましい。
また、基台1の上面は、電極膜3を形成させる領域以外
をマスキングした状態で、プラズマCVDにより、Mo
の電極膜3を二つの領域に分けて形成させる。さらに、
その上に誘電層となるアルミナ膜をプラズマCVDで形
成する。最後に、誘電層4の表面が平坦になるよう研削
により仕上げる。また、例えば誘電層4は表面にサンド
ブラスト等により凹凸を設けてもよい。
【0034】電極膜3及び誘電層4は、熱CVDで製膜
しても構わないが、先に形成した膜の熱変形や、熱によ
る残留応力を考慮して、比較的低温雰囲気での製膜が可
能なプラズマCVDで製膜するのが望ましい。また、原
料ガスを高純度にすることなどにより、純度99.99
%程度であって、不純物をほとんど含まないクリーンな
膜の形成が可能である。
【0035】本実施形態では、吸着するウエハ5は直径
12インチとし、基台1は直径がΦ300mm、厚さが
5mmとする。また、第一電極21の領域の直径は、例
えばΦ250mm程度とする。
【0036】誘電層4は、厚みを200μmとし、材質
をアルミナとして、印加電圧は400(V)にて、静電
吸着装置20の発生吸着圧力を式(1)に基づいて計算
したところ、177(Pa)程度の吸着圧力が得られる
ことが分かった。なお、アルミナの比誘電率は10とし
ている。また本実施形態での電界強度は、(印加電圧
V)/(誘電層の厚みd)より、2kV/mmとなる。
アルミナの絶縁破壊電圧は10kV/mm程度以上であ
り、絶縁耐圧上も問題ない。誘電層厚みdをさらに薄く
して50μmとすれば、2830(Pa)程度の吸着圧
力が得られ、電界強度は8kV/mであり、上記絶縁破
壊電圧以下である。
【0037】次に、ウエハの吸着過程について以下に説
明する。ウエハ5は、静電吸着装置20に載置する前
に、図2に示すウエハ面形状測定器7によって、反り状
態が計測される。また、同時にウエハ面形状測定器7で
測定されたデータは記憶装置8に記憶される。その後、
ハンド9によって、ウエハ5は移動テーブル10上に固
定された静電吸着装置20の上に載置される。静電チャ
ックコントローラ11は、記憶装置8に収納されたウエ
ハ反り情報に従い、静電チャックドライバ12から第一
電極21と第二電極22に対して印加する電圧の大きさ
及びタイミングが適切となるようコントロールする。例
えば、ウエハ5が下側に大きく凸形状であると判断され
た場合は、外側に配置された第二電極22への印加電圧
を大きくする。これにより、ウエハ外周部の浮き上がり
を抑える。反対に上側に大きく凸形状である場合は、第
二電極22への印加電圧を小さくすると同時に、第二電
極22への電圧の印加のタイミングを若干遅らせるもの
とする。これにより、中央部盛上りの原因となるウエハ
外周部での摩擦力を軽減させることが可能となる。
【0038】静電チャックコントローラ11は、移動テ
ーブル10及びハンド9とも通信を行い、ウエハ5の載
置が行われてから吸着がなされるように吸着のタイミン
グを監視する。
【0039】本実施形態では、ウエハ面形状測定器7
は、ウエハ5を収納するウエハカセット13の下方に位
置した複数の非接触の変位センサ14により測定するも
のとしている。ウエハ5をウエハカセット13に収納し
た状態で測定する場合、ウエハ5の傾きが微妙に変化
し、この傾き成分が測定値に混在してのってしまう。本
実施形態では、少なくとも1方向に5本以上配置した複
数の変位センサ14で測定することにより、ウエハ5の
傾き成分と反り成分を分離ができるようにしている。ま
たこの面形状測定器7はウエハ5の反り傾向を見るため
のものであり、測定の分解能1μm程度の比較的安価な
測定器で十分である。変位センサ14には具体的には非
接触で測定可能なレーザーセンサを使用する。
【0040】ウエハ面形状測定器7は、静電吸着装置2
0上にも移動テーブル10上にも搭載されていないた
め、静電吸着装置20の簡便化や軽量化が可能となる。
そのため、移動テーブル10の速やかな移動が妨げられ
ることもない。
【0041】縮小投影光学系を有する露光装置であれ
ば、ウエハ5のフォーカス計測手段が備えられているこ
とが一般的であるが、このフォーカス計測手段から得ら
れたウエハ面形状情報を代わりに利用する方法もある。
しかし、ウエハ5のフォーカス計測は、ウエハを静電吸
着装置20に吸着した状態で、移動テーブル10を移動
させながら行うものである。中央盛上りや、外周部浮き
上がりなどの吸着不良が見つかった場合、一旦移動ステ
ージ10を止めて吸着し直すことになるため、時間の損
失が大きい。また、吸着によりウエハ5を拘束した状態
で計測するため、本来のウエハ反りの面形状が分かりに
くくなる。そうしたことを考慮すると、上述の方法のよ
うに、予めウエハ面形状を測定しておくことが望まし
い。
【0042】電極膜3については、本実施形態では、プ
ラズマCVDにより製膜したMo膜を用いているが、例
えばメッキにより電極膜3を形成してもよい。メッキ材
質として、例えばリン含有量8%以上のニッケル−リン
メッキを用いれば、非晶質磁性であるため、荷電粒子線
描画装置の試料台としても使用が可能となる。
【0043】(第二の実施形態)図3は本発明の第二の
実施形態に係る静電吸着装置であって、上記第一の実施
形態の変形例を示す構成図である。すなわち第二の実施
形態に係る静電吸着装置20は、第一の実施形態の構成
に加えて、基台1の上面及び下面に電極膜3及び誘電層
4がそれぞれ対をなして形成されている。上面ではウエ
ハ5を固定保持するとともに、下面で発生した静電吸着
力により移動テーブル10に静電吸着装置20の固定保
持がなされる。これによって静電吸着装置20は、移動
テーブル10の試料台として、一体となって移動するこ
とが可能となる。また下面については電極膜3を二つに
分ける必要はない。
【0044】移動テーブル10全体は絶縁材料で構成さ
れていてもよいが、アースをとるために移動テーブル1
0の上面には、導電性あるいは半導電性のコーティング
材によるコーティング15がなされ、アース用爪6とと
もに電線によりアースがとられている。導電性あるいは
半導電性のコーティング15は、例えば、リン含有率が
8%以上の無電解ニッケル−リンメッキでもよいし、C
VD−SiC膜でもよい。
【0045】この方法によれば、静電吸着装置20全体
の厚さを薄くすることが可能であり、なお且つ静電吸着
装置20の移動テーブル10への固定保持方法も、機械
的に固定保持する方法と比べて簡便な構造となるため、
第一の実施形態の効果に加えて、より軽量化を図ること
ができる。また、移動テーブル10の速やかな移動が可
能になる。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、プロセス
によって大きく変形したウエハ等の基板を吸着した場合
でも精密な基板の固定保持が可能となる。
【0047】CVDにより誘電膜が薄くかつ均一に形成
されているため、比較的小さい印加電圧で大きな静電吸
着力を得ることができる。
【0048】基板と接触する静電吸着装置の表面は高純
度なCVDで製膜されているため、不純物を含んでおら
ず、半導体製造プロセス中に、歩留まりを悪化させるよ
うな不純物が混入することもない。
【0049】静電吸着装置の構造を簡略化し、軽量化で
きるので、移動テーブル上に試料台として載置する場合
に、移動テーブルの速やかな移動が可能となる。
【0050】吸着支持部の電極膜を非磁性材質で形成す
ることにより、荷電粒子線描画装置の試料台としても使
用可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施形態に係る静電吸着装置
の要部を示す構成図であって、(a)が平面図、(b)
が正面図である。
【図2】 本発明の第一の実施形態に係る静電吸着装置
の全体のシステムを示す構成図である。
【図3】 本発明の第二の実施形態に係る静電吸着装置
を示す構成図である。
【図4】 従来の静電吸着装置の概略図である。
【図5】 下側に凸形状に変形したウエハを静電チャッ
ク(吸着装置)で吸着する場合の吸着不良現象の説明用
図である。
【図6】 上側に凸形状に変形したウエハを静電チャッ
クで吸着する場合の吸着不良現象の説明用図である。
【符号の説明】
1:基台、1a,1b:貫通穴、2:ウエハ支持面、
3:電極膜、4:誘電層、5:ウエハ、6:アース用
爪、7:ウエハ面形状測定器、8:記憶装置、9:ハン
ド、10:移動テーブル、11:静電チャックコントロ
ーラ、12:静電チャックドライバ、13:ウエハカセ
ット、14:変位センサ、15:コーティング、20:
静電吸着装置、21:第一電極、22:第二電極、2
3:円環状絶縁部、24,25:電線、31:基台、3
2:電極板、33:誘電層。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の固定保持を行うための支持面を有
    する静電吸着装置であって、基台上に電極と誘電層が形
    成されており、前記電極は少なくとも二つの領域に分か
    れており、一方の領域の電極は他方の領域の電極に対し
    て外側に配置されているとともに該他方の領域の電極と
    は独立に印加電圧を変化させることが可能であり、前記
    電極のそれぞれに印加する電圧は前記基板の形状情報に
    従うことを特徴とする静電吸着装置。
  2. 【請求項2】 前記誘電層の厚みは、50μm〜1mm
    の間であることを特徴とする請求項1に記載の静電吸着
    装置。
  3. 【請求項3】 前記誘電層の表面には凹部と凸部から成
    る段差を設けたことを特徴とする請求項1または2に記
    載の静電吸着装置。
  4. 【請求項4】 前記基台の少なくとも二つの面で静電吸
    着力が発生するように吸着面が形成されていることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電吸着装
    置。
  5. 【請求項5】 前記基板を前記支持面に固定保持する前
    に、該基板の形状情報を取得するための別置きにされた
    基板計測手段を有することを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の静電吸着装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の静電吸
    着装置を製造する静電吸着装置の製造方法において、前
    記電極は前記基台上にマスキングを施しながらCVDと
    メッキのどちらかにより製膜し、その上に前記誘電層を
    CVDで製膜することを特徴とする静電吸着装置の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記メッキはリン含有率8%以上のニッ
    ケル−リンメッキであることを特徴とする請求項6に記
    載の静電吸着装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項4〜7のいずれかに記載の静電吸
    着装置を移動台の表面に固定保持する固定保持方法にお
    いて、前記移動台の表面にはアースをとるためにコーテ
    ィング材でコーティングを施すとともに、前記吸着面の
    少なくとも一つで前記移動台に該静電吸着装置が固定保
    持されることを特徴とする静電吸着装置の固定保持方
    法。
  9. 【請求項9】 前記コーティング材の材質は、リン含有
    率8%以上のニッケル−リンメッキと炭化珪素のどちら
    かより成ることを特徴とする請求項8に記載の静電吸着
    装置の固定保持方法。
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