JP4707910B2 - 物品の設計支援システムおよび方法ならびに物品の設計支援のためのプログラムを格納した媒体 - Google Patents
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Description
この発明は,物品,一例としては家具,の設計支援システムおよび方法,ならびに物品の設計支援のためのプログラムを格納した媒体に関する。
発明の背景
本棚,靴箱,戸棚などの家具を購入する場合,一般的には,顧客は既製家具の中から,希望する形状,構造,大きさ,色,材料,材質等を備えたものを選ぶ。
顧客の多様な要望に応じるために,オーダーメイドによって家具を製作することも行われている。しかしながら,オーダーメイドの家具は既製家具に比べてその製作に手間と時間がかかるので,一般に高価なものになる。また,オーダーメイドであっても,必ずしも顧客の希望のすべてが反映された家具が製作されるとは限らない。逐一顧客の希望を取入れながら設計が行なわれる訳ではなく,また設計図には材料の質感や色合いなどは表現されないのが一般的であるからである
発明の開示
この発明は,できるだけ利用者の希望に沿った形状,構造,寸法,色,材料,材質等の要素のいくつかをもった物品(たとえば家具)を設計するための支援ツール,すなわち物品の設計支援システムを提供することを目的とする。
この発明はまた,物品の設計が容易になる支援ツール,すなわち物品の設計支援システムを提供することを目的とする。
この発明はさらに,物品の製作(製造)が容易になる支援ツール,すなわち,物品の製作支援システムを提供することを目的とする。
この発明はさらに,物品の設計支援方法,設計支援システム,製作支援方法および製作支援システムを汎用コンピュータを用いて実現するためのプログラムを格納した記録媒体を提供するものである。ここでプログラム格納(記録)媒体とは,FD,CD−ROM等の可搬型記録媒体のみならず,ハードディスク,磁気テープ,半導体メモリ等を含む。
第1の発明による物品の設計支援システムは,複数種類の構成部材の中から物品の設計に使用する複数種類の構成部材の選択を受入れる構成部材選択手段,選択された複数種類の構成部材の組合せに関するデータの入力を受入れる第1の入力手段,選択された複数種類の構成部材のうちの少なくとも1つの構成部材についての寸法データの入力を受入れる第2の入力手段,選択された複数種類の構成部材を表わすデータ,入力されたそれらの組合せに関するデータおよび入力された寸法データを記憶するための第1の記憶手段,ならびに選択された複数種類の構成部材を表わすデータ,入力されたそれらの組合せに関するデータおよび入力された寸法データに基づいて,複数種類の構成部材の組合せによって構成される物品を表わす画像を表示する表示手段を備えているものである。
第1の発明による物品の設計支援方法は,特にコンピュータを用いて設計支援を行うものであり,複数種類の構成部材の中から物品の設計に使用する複数種類の構成部材を選択させ,選択された複数種類の構成部材の組合せに関するデータを入力させ,選択された複数種類の構成部材のうちの少なくとも1つの構成部材についての寸法データを入力させ,選択された複数種類の構成部材を表わすデータ,入力されたそれらの組合せに関するデータおよび入力された寸法データに基づいて,複数種類の構成部材の組合せによって構成される物品を表わす画像を表示し,選択された複数種類の構成部材を表わすデータ,入力されたそれらの組合せに関するデータおよび入力された寸法データを記憶するものである。
第1の発明によるプログラム記録媒体は,次のようなプログラムを格納したものである。すなわち,このプログラムは,複数種類の構成部材の中から物品の設計に使用する複数種類の構成部材の選択を受付ける構成部材選択処理,選択された複数種類の構成部材の組合せに関するデータの入力を受付けさせる組合せ入力処理,選択された複数種類の構成部材のうちの少なくとも1つの構成部材についての寸法データの入力を受付けさせる寸法入力処理,選択された複数種類の構成部材を表わすデータ,入力されたそれらの組合せに関するデータおよび入力された寸法データを記憶させる記憶処理,および選択された複数種類の構成部材を表わすデータ,入力されたそれらの組合せに関するデータおよび入力された寸法データに基づいて,複数種類の構成部材の組合せによって構成される物品を表わす画像を表示させる表示処理をコンピュータに実行させるようにコンピュータを制御するものである。
第1の発明では,あらかじめ定められた複数種類の構成部材の選択と組合せ(配置を含む)により所望の物品が設計できることを前提としている。物品の一例としては家具がある。
オペレータが構成部材を選択し,その構成部材の少なくとも一部についての寸法を入力し,さらにそれらの組合せを入力することにより選択された構成部材の組合せにより構成される物品を表わす画像が生成され表示される。また,表示のためのデータまたはその基礎となるデータがメモリに格納される。
表示された物品の画像(設計図)を見て,希望する形状,構造,大きさとなっているかどうかを確認することができる。材料(材質)や色の指定も可能であり,指定された材料(材質)または色で物品が表現される。必要であれば,寸法,組合せ,材料,材質,色等を変更することもできる。変更後の画像(設計図)が表示される。
このようにして,ユーザの希望に応じて構成部材の選択,組合せおよび寸法を定めることができるので,ユーザの希望に応じた形状,構造,大きさを持つ物品の設計図ができ上がる。また,でき上がった設計図を表示させて確認またはチェックすることができる。オペレータの操作も基本的には構成部材の選択と組合せと寸法の入力で足りるから,容易である。
選択された構成部材の画像(図面)と,構成部材が組合わされて構成される物品の組合せ途上または完成後の画像(設計図)とを,表示画面の別個の領域に同時に表示しておくことが好ましい。
物品の設計に使用する複数種類の構成部材を表わすデータを表示しておくようにしてもよい。構成部材を表わすデータには画像,文字,アイコン等が含まれる。画像,文字,アイコン等によって表わされた複数種類の構成部材から物品の設計に使用する構成部材が選択される。
ある種の物品,たとえば家具に関して言うと,それは基本的な1または複数の構造(形状)をもっている。この基本的な構造(形状)を,1つのタイプの,または複数タイプに分類された基本構成部材(少なくとも1つのタイプの基本構成部材)によって表現することができる。他の構成部材は複数種類の部品として表現される。各部品は少なくとも1つのタイプを含む。
少なくとも1つのタイプの基本構成部材と少なくとも1部品の1タイプをオペレータに選択させ,これらの組合せによって所望の形状,構造,寸法をもつ物品を構成することができる。寸法は基本構成部材について入力すれば,それと組合わされるべき部品の寸法は基本構成部材の寸法と組合せデータとに基づいて自動計算することができる。
好ましくは,選択されかつ表示された基本構成部材によって規定される空間(これもセルと言ってもよい)を分割してセルを形成することに関するデータをオペレータに入力させる。セルという概念を導入することにより,分割により形成されたセルに,選択された部品を関連づける(組合せる)ことができる。これにより,複雑な構造を持つ物品を表わすデータの取扱いが容易となる。
この場合には,上記セルを規定するための板部材の寸法とセルの寸法の少なくとも一方を,基本構成部材の寸法と分割数とに基づいて自動的に容易に算出することができるようになる。セルの寸法,板部材の寸法,その他の部品の寸法の入力を省くことができるようになる。
物品の設計に使用される選択された構成部材を表わすデータ,入力されたそれらの組合せに関するデータ,入力された寸法データ,入力された構成部材の材料(材質)や色に関するデータ,入力されたセルの形成に関するデータ等は,いずれも物品の設計支援システムのユーザ(オペレータ)によって入力(選択)されるものであって,これにより記憶手段には物品の画像(設計図)を表わすためのデータが構築される。入力や選択の基礎となるデータは,あらかじめ他の記憶手段に記憶しておくとよい。この基礎となるデータの中でユーザは自由に構成部材の組合せを変更したり,寸法を決定したりすることにより希望の形状,構造,寸法をもつ物品を設計することができる。
第1の発明による設計支援システムを別の(特に表示の)観点から規定することもできる(これを第2の発明と呼ぶ)。第2の発明による設計支援システムは,複数種類の構成部材の中から選択された複数種類の構成部材の画像を表示する構成部材表示手段,表示された複数種類の構成部材について与えられたそれらの組合せを表わすデータおよび少なくとも寸法を表わすデータに基づいて,複数種類の構成部材が組合わされて構成される物品の画像を表示する物品表示手段,ならびに選択された複数種類の構成部材を表わすデータ,複数種類の構成部材の与えられた寸法を表わすデータおよび与えられた組合せを表わすデータを格納するための記憶手段を備えたものである。
第2の発明によると,選択された複数種類の構成部材の画像,および複数種類の構成部材が組合わされて構成される物品の画像が表示される。表示される物品の画像は,記憶手段に記憶されている選択された複数種類の構成部材を表わすデータ,与えられた構成部材の寸法を表わすデータおよび与えられた構成部材の組合せを表わすデータに基づく。
構成部材が選択されて画像表示される。画像表示されている構成部材に,新たに選択された構成部材が組合わされて,物品(完成された物品または完成途上の物品)が画像表示される。表示画面上における構成部材の組合わせ(物品の組立て)に応じて,記憶手段に記憶されているデータの内容が変化する。物品が組立てられていく様子が表示画面に表示されるので,設計すべき物品を把握しやすく,分かりやすい。
この発明はさらに,次のような物品の設計支援ツールも提供している。
第3の発明による設計支援システムは,複数種類の物品を表わす画像を表示する第1の表示手段,表示された複数種類の物品の中からいずれかの物品の選択を受入れる物品選択手段,選択された物品についての寸法データの入力を受入れる入力手段,および入力された寸法データに基づく寸法を持つ選択された物品を表わす画像を表示する第2の表示手段を備えたものである。
第4の発明による設計支援システムは,1または複数種類の基本構成部材と部品との組合せを表わす画像を表示する第1の表示手段,表示された1または複数種類の基本構成部材と部品との組合せの中からいずれかの組合せの選択を受入れる組合せ選択手段,選択された組合せについて,基本構成部材および部品の少なくともいずれか一方の寸法データの入力を受入れる第1の入力手段,ならびに入力された寸法データに基づく寸法を持つ基本構成部材と部品との組合せを表わす画像を表示する第2の表示手段を備えたものである。
第5の発明による設計支援システムは,複数種類の基本構成部材を表わす画像を表示する第1の表示手段,表示された複数種類の基本構成部材の中からいずれかの基本構成部材の選択を受入れる基本構成部材選択手段,複数種類の部品を表す画像を表示する第2の表示手段,選択された基本構成部材と,表示された複数種類の部品の中から少なくともいずれか一つの部品との組合せに関するデータの入力を受付ける第1の入力手段,選択された基本構成部材および基本構成部材に組合わされた部品のうち少なくともいずれか一方についての寸法データの入力を受付ける第2の入力手段,ならびに入力された寸法データに基づく寸法を持つ基本構成部材と部品との組合せを表わす画像を表示する第3の表示手段を備えたものである。
第6の発明による設計支援システムは,複数種類の基本構成部材を表わす画像を表示する第1の表示手段,表示された複数種類の基本構成部材の中からいずれかの基本構成部材の選択を受入れる基本構成部材選択手段,選択された基本構成部材によって規定されるセルを複数のセルに分割するデータの入力を受入れる第1の入力手段,複数種類の部品を表わす画像を表示する第2の表示手段,表示された複数種類の部品の中からいずれかの部品の選択を受入れる部品選択手段,選択された部品を1または複数のセルに関連づけるデータの入力を受入れる第2の入力手段,選択された基本構成部材および1または複数のセルのうち少なくともいずれか一方についての寸法データの入力を受付ける第3の入力手段,および入力された寸法データに基づいて,基本構成部材と,分割により形成されたセルに関連づけられた部品とを表わす画像を表示する第3の表示手段を備えたものである。
第3の発明では,ユーザの希望に応じて選択した物品の寸法が定められる。第4の発明では,ユーザの希望に応じて物品を構成する基本構成部材や部品の寸法が定められる。第5の発明では,ユーザは物品に用いるべき基本構成部材の選択および部品の選択を行うことができ,それらの寸法を定めることができる。第6の発明では,ユーザは選択した基本構成部材におけるセルを定めることができる。
さらにこの発明は,あらかじめデータ変更可能な物品の設計データを準備しておくことで,ユーザの好みの物品を簡易に設計できるようにするツール,特にネットワークを通じて運用される物品の設計支援システムにおいて用いられるサーバ・コンピュータを提供する。
このサーバ・コンピュータは,複数種類の物品を表わすデータと上記物品のそれぞれについての寸法データとを含む物品設計データを記憶した記憶手段を備える。サーバ・コンピュータは,クライアント・コンピュータからのメイン・ページ送信要求に応じて,クライアント・コンピュータに,上記物品設計データに基づく複数種類の物品の画像を表示させ,物品の指定を受付けさせるためのメイン・ページをクライアント・コンピュータに送信するメイン・ページ送信手段,上記クライアント・コンピュータにおいて指定された物品の寸法の変更を受付けさせるための物品設計データ変更ページを,上記クライアント・コンピュータに送信する物品設計データ変更ページ送信手段,上記クライアント・コンピュータにおいて入力された寸法データに基づいて,物品の外観を表すデータを作成する外観データ作成手段,および作成された外観データによって表される物品の外観の画像を表示させるための外観画像ページを上記クライアント・コンピュータに送信する外観画像ページ送信手段を備えている。
サーバ・コンピュータに,あらかじめ物品設計データが用意される。クライアント・コンピュータには,この物品設計データによって表される複数の物品の画像(物品設計データによって表される物品とほぼ同一形状の物品(実物)の写真等の画像でもよい)が表示される(これがメイン・ページである)。クライアント・コンピュータのユーザは,いずれかの(好みの)物品を選択し,選択した物品について,寸法の変更を要求することができる(物品設計データ変更ページ)。クライアント・コンピュータには,変更後の寸法を持つ物品の外観を表す画像が表示される(外観画像ページ)。クライアント・コンピュータのユーザは,好みの寸法をもつ物品を簡易に閲覧することできる。
上記物品設計データに,物品を構成する複数種類の構成部材を表わすデータ,および物品を構成する構成部材の組合せに関するデータを含ませておき,上記物品設計データ変更ページでは,指定される物品を構成する構成部材の変更をさらに受付けるようにしてもよい。サーバ・コンピュータは,物品を構成する構成部材の変更データを受信すると,変更された構成部材を備えた物品の外観の画像をクライアント・コンピュータに送信する。
さらに,上記物品設計データに,物品の色を表す色データを含ませておき,上記物品設計データ変更ページを,指定される物品の色の変更をさらに受付けるものとすれば,ユーザの好みの色によって物品が表されることになる。
このようにこの発明によると,あらかじめ用意された物品設計データによって表される物品について,簡易に好みの寸法等に変更することができる。物品設計データが変更されるので,変更された物品設計データにもとづいて物品が製作されれば,ユーザは,好みの寸法,部材または色を持つ物品を入手することができる。
この発明はさらに,物品を製作(製造)するために用いられる種々の物品の製作(製造)支援ツールを提供している。
第1の製作支援ツールは,物品の加工図作成システムである。
この発明による物品の加工図作成システムは,複数種類の構成部材の最小構成要素を表わすデータ,最小構成要素の組合せによって表される構成部材に関するデータ,構成部材の組合せによって表される物品に関するデータ,および上記最小構成要素のそれぞれについての寸法データを記憶する第1の記憶手段,ならびに上記複数種類の構成部材の最小構成要素を表わすデータ,最小構成要素の組合せによって表される構成部材に関するデータ,構成部材の組合せによって表される物品に関するデータ,および上記最小構成要素のそれぞれについての寸法データに基づいて,最小構成要素の図および寸法,構成部材の図および寸法ならびに物品の図および寸法がそれぞれ別個に描かれた加工図を作成して,組として出力する加工図作成手段を備えたものである。
最小構成要素は,それ以上分割することができないエレメントを意味する。エレメントの組合せによって構成部材が構成される。構成部材の組合せによって物品が構成される。
最小構成要素を表わすデータ,最小構成要素の組合せによって表わされる構成部材に関するデータ,構成部材の組合せによって表わされる物品に関するデータおよび最小構成要素の寸法についてのデータにもとづいて,物品(構成部材)を加工(製作)するために必要とされるエレメントの形状や構造,構成部材の形状や構造および物品の形状や構造を寸法とともに図面に表わすことができる。図面(加工図面)に表されるエレメントを製作し,それを組立てることによって,構成部材を製作することができる。構成部材の組合せに関するデータに基づいて構成部材を組合わせることによって,物品を製作することができる。
構成部材の組立ておよび物品の組立てのための最小構成要素同士の接合箇所を表わすデータを記憶しておくとよい。エレメント同士の接合箇所が図示されることによって,物品の組立てが容易になる。接合箇所にはダボ穴やヒンジ(丁番)などを表わすとよい。
エレメントの接合箇所は,最小構成要素の大きさに応じたものとするのが好ましい。一実施態様では,物品の加工図面作成システムは,最小構成要素の寸法データに基づいて,上記最小構成要素同士の接合箇所の位置および数の少なくとも一方を変更する手段を備えている。物品を構成する構成部材をさらに構成する最小構成要素の寸法が設定値よりも大きい場合には接合箇所を増やす,設定値よりも小さい場合には接合箇所を減らすといった変更が可能となる。
第2の製作支援ツールは,物品の製造工程図作成システムである。
この発明による物品の製造工程図作成システムは,構成部材のそれぞれについての加工の作業工程を表わすデータを記憶するデータベースを備え,上記構成部材の加工の作業工程を表わすデータは,作業工程に含まれる作業内容ごとの工程順序に関するデータを含んでおり,与えられる物品を構成する1または複数種類の構成部材の組合せに関するデータに基づいて,上記物品を構成する構成部材に関する作業工程を表わすデータを上記データベースから取出す作業工程データ取出し手段,および取出された構成部材に関する加工の作業工程を表わすデータを並べることによって,1または複数種類の構成部材の組合せによって構成される物品についての製造工程図を作成して出力する物品の製造工程図作成手段を備えたものである。
構成部材の組合せに関するデータにより,物品がいずれの構成部材をどのように組み合わせて構成されているのかが分かる。さらに,データベースには構成部材のそれぞれについて加工の作業工程を表わすデータが記憶され,このデータは,作業工程に含まれる作業内容ごとの工程順序のデータを含んでいる。このため,物品を構成する構成部材ごとに,加工のための作業内容を並べて図示することができる。図示される構成部材ごとの作業内容の流れに沿って構成部材を加工(製作,製造)すれば,最終的に物品が完成することになる。
このように,あらかじめ構成部材ごとに加工の流れを表すデータ(作業工程データ)を用意しておくことによって,物品の製造作業をスムーズに進行させるための図面(工程表と言ってもよい)を作成することができる。
第3の製作支援ツールは,物品の取扱説明書作成システムである。
この発明による物品の取扱説明書作成システムは,空欄が設けられた取扱説明書の基本構成を表わすデータを記憶する第1のデータベース,1または複数種類の構成部材について,取扱説明書を構成する説明文を表すデータおよび説明画像を表すデータの少なくともいずれか一方を記憶する第2のデータベース,与えられる物品を構成する1または複数種類の構成部材の組合せに関するデータに基づいて,上記物品を構成する構成部材についての説明文を表すデータおよび説明画像を表すデータのうち少なくともいずれか一方を,第2のデータベースから取出す取出し手段,ならびに取出された説明文を表すデータおよび説明画像を表すデータのうち少なくともいずれか一方を,上記第1のデータベースに記憶された取扱説明書の基本構成を表すデータの所定の空欄の位置に組込むことによって,上記物品についての取扱説明書を作成して出力する取扱説明書作成手段を備えたものである。
物品を構成する構成部材の組合せに関するデータが与えられるので,完成した状態の物品や,物品の組み立てキットに添付すべき取扱説明書を,物品の構造や形状等に適合させて作成することができる。取扱説明書の基本構成を表わすデータにしたがって,物品に用いられている構成部材についての取扱説明文や画像が取扱説明書に掲載される。種々の物品(様々の構成部材を含む物品)について作成すべき取扱説明書の作成負担を,大幅に軽減することができる。
一実施態様では,上記説明画像を表わすデータには,与えられる複数種類の構成部材を表わすデータおよびそれらの組合せに関するデータにもとづいて作成されるレンダリング図を表わすデータを含む。構成部材の組合せによって構成される物品の形状,構造,構成部材の配置(位置)をほぼ正確に表現した図面を,取扱説明書に掲載することができる。
この発明はさらに,物品の設計支援システムのためのサーバ・コンピュータの制御方法,サーバ・コンピュータを制御するためのプログラムを記録した媒体,加工図作成システム,製造工程図作成システムおよび取扱説明書作成システムを制御するプログラムを記録した媒体を提供している。
発明を実施するための最良の形態
目次
1 家具設計支援システム
1.1 家具設計支援システムの概要
1.2 ユニットとパーツの基本的構造
1.3 家具設計支援システムの構成
1.4 基本情報テーブル(マスタ・ファイル)および設計図面
2 家具設計データ
2.1 完成家具テーブル
2.2 ユニット番号テーブル
2.3 ユニット配置テーブル
2.4 仕切(セル)情報テーブル
2.5 ユニット/パーツ定義テーブル
2.6 引出し配置テーブル
2.7 扉配置テーブル
2.8 引き手配置テーブル
2.9 脚配置テーブル
2.10 仕切板配置テーブル
3 家具設計支援システムにおける処理I
3.1 全体概要
3.2 ユニット/パーツ定義処理
3.3 組み立て処理
3.4 図面表示/印刷処理
4 家具設計支援システムにおける処理II(表示画面を中心)に)
5 加工図作成処理
6 製造工程図作成処理
7 取扱説明書作成処理
8 ネットワークを利用した家具設計支援システム
1 家具設計支援システム
1.1 家具設計支援システムの概要
家具設計支援システムは,基本的には,家具の販売店,住宅展示場,その他の家具を購入しようとする顧客と応対する場所に設置される。これらの店舗,場所等では,オペレータは家具設計支援システムを用いて,顧客が要望する種類の家具について,その形状,構造,寸法,材料(木材,ガラス等),部材(金具を含む),色等についての顧客の希望を聞きながら,または考慮して家具を設計し(家具設計データを作成し),設計された家具の外観を表す画像(図面)等を,表示画面に表示して,またはプリントして顧客に提供する。すなわち,家具設計支援システムは,顧客の希望にしたがって,オーダ・メイドの態様で家具を設計(シミュレーション)する。
また家具設計支援システムは,家具製作所,設計所(室)等に設置されることある。家具製作所等では,家具の設計データを,FDや通信回線等を介して家具の販売店や住宅展示場等から受け取る。家具設計データが,家具製作所等に設置された家具設計支援システムに入力される。家具設計支援システムに入力された家具設計データによって表される家具の設計図面が,家具設計支援システムから出力(画面出力,プリント出力)される。家具製作所等では,出力された設計図面にもとづいて家具を製作する。顧客の要望を反映した家具が製作される。もちろん,家具製作所等において,この支援システムを用いて家具を設計することもできる。
家具には,たんす,ワードローブ,クロゼット,戸棚,本棚,サイドボード,キャビネット,チェスト,シェルフ,ワゴン,ラック,机等,数多くの種類がある。家具設計支援システムは,これらの多くの種類の家具のすべてが,それらを構成する部材(外枠,仕切板,引出し,扉,天板,脚,引き手,ヒンジ,キャスタ等)(後述するユニット,パーツ等)の組合せによって作ることができるという点に着目し,この考え方を基本とするものである。
家具設計支援システムの記憶装置には,家具を構成する部材(基本構成部材=ユニット,部品=パーツ,その他の部材)のそれぞれについての基本的なデータ(タイプ等)があらかじめ格納されている。家具設計支援システムは,あらかじめ用意された家具の構成部材のデータを,オペレータの入力に応じて組み合わせることによって,多くの種類の家具を設計する。しかも,構成部材のデータの多様な組合せによって,様々な形状,構造,寸法,材料,材質,部品,色等を持つ家具を設計することができる。
家具は,その構造の観点から,「箱もの」,「脚もの」,「差しもの」等に大きく分類できる。
この実施例では,「箱もの」の家具の設計(シミュレーション),特に,「箱もの」の家具を構成する基本的構造体(基本構成部材)を基礎とし,その構造体にさまざまな部材(部品)等を組合わせることによって最終的に完成した家具を設計する,そのような家具設計に焦点を当てて説明する。
「箱もの」と呼ばれる家具は,複数の壁によって境界が定められた一つの空間を持つ。複数の壁によって枠体が形成される。枠体内部が上述の空間である。「箱もの」の家具の構造の最も基本となる枠体のことを,この明細書において「ユニット」という。ユニット内の上述の空間をこの明細書において「セル」という。
一般的には「箱もの」の家具のユニット内の空間(セル)はさらに一または複数の仕切板または他の部材,部品等(たとえば引出しのガイド)によって分割される。この分割によって形成されるより小さな空間もまた,この明細書において「セル」という。
1.2 ユニットとパーツの基本的構造
第1図から第4図はユニットの構造例(ユニット・タイプ)を示すものである。
家具を構成するユニットは,代表的には,▲1▼天地被せ式,▲2▼側板被せ式および▲3▼留接合式の3つのタイプに分類することができる。
▲1▼天地被せ式(第1図(A)および第1図(B))
第1図(A)は天地被せ式ユニットの斜視図を,第1図(B)は(A)のIB−IB線に沿う断面図をそれぞれ示している。天地被せ式ユニットは,左右に間隔をあけて平行に立てられた2枚の同一形状の側板3,4の上端面に,この上端面に上から被さるように,天板1が(その両端部において)接合され,かつ側板3,4の下端面に,地板2が(その両端部において),下端面に下から被さるように,接合されているものである。側板3,4の上端面と天板1,側板3,4の下端面と地板2とは接着剤,釘,ねじ等により,またはこれらの組合せによって互いに接合される(釘,ねじ等は図示略)(このことは次に述べる側板被せ式ユニットについても同様である)。天板1,地板2,側板3,4の内側の面によってつくられる直方体状の空間が「セル」である。セルの前面(手前側)は開口している。セルの背面(奥側)は開口している,または裏板(背面板)(図示略)によって閉じられる。このことは,次に述べる側板被せ式ユニットおよび留接合式ユニットについても同じである。天板1の左右のいずれかの一端部または両端部は側板3,4よりも側方に突出してもよい。同じように,地板2の左右のいずれかの一端部または両端部も側板3,4よりも側方に突出していてもよい。
▲2▼側板被せ式(第2図(A)および第2図(B)ならびに第3図(A)および第3図(B))
側板被せ式には3つのタイプがあり,これらを側板被せ式I,II,IIIとする。
第2図(A)は側板被せ式Iユニットの斜視図を,第2図(B)は(A)のIIB−IIB線に沿う断面図をそれぞれ示している。側板被せ式Iユニットは,上下に間隔をあけて平行に配置された天板1と地板2の左右の端面に,側板3と側板4がそれぞれ,側方から被さるように,接合されているものである。側板3,4の上端部は天板1より上方に突出していてもよいし,側板3,4の下端部が地板2よりも下方に突出していてもよい。
第3図(A)は側板被せ式IIユニットの斜視図を,第3図(B)は(A)のIIIB−IIIB線に沿う断面図をそれぞれ示している。側板被せ式IIユニットは,側板3および側板4が地板2の左右の端面に,側方から被さるように,接合されているものである。また,側板3,4の上端面に天板1が接合されているものである。天板1の左右のいずれかの一端,部または両端部は側板3,4よりも側方に突出していてもよいし,側板3,4の下端部は地板2よりも下方に突出していてもよい。
側板被せ式IIIユニットは,図示を省略しているが,2枚の側板が,天板の左右の端面にそれぞれ接合され,その2枚の側板の下端面に地板が接合されているものである。側板の上端部は天板よりも上方に突出していてもよいし,地板の左右のいずれかの一端部または両端部は側板よりも側方に突出していてもよい。▲3▼留接合式(第4図(A)および第4図(B))
第4図(A)は留接合式ユニットの斜視図を,第4図(B)は(A)のIVB−IVB線に沿う断面図をそれぞれ示している。天板1および地板2の左右の端面と,側板3,4の上下の端面とが斜めにカットされている。天板1の左右のカット面と側板3,4の上端のカット面とが互いに接合され,かつ地板2の左右のカット面と側板3,4の下端のカット面とが互いに接合されている。これらの互いに接合されるカット面の一方には凸部(ほぞ)(第4図(B)において符号4aで示す)が,他方には凸部4aが嵌め込まれる凹部(ほぞ穴)(符号1aで示す)がそれぞれ形成されている。カット面は凸部と凹部の嵌め合いにより,または嵌め合いに加えて接着剤を用いて互いに固定(結合)される。ほぞとほぞ穴は交互に複数箇所にわたって設けてもよい。留接合式ユニットにおいては,必ずしも,釘,ねじを用いて天板1,地板2,側板3,4を互いに固定する必要はない。天板または地板と側板とを,それらの端部に形成した凹凸を嵌め合わせることにより接合してもよい。
第5図(A)は天地被せ式ユニットを含む家具の一例を示している。第5図(B),第5図(C)および第5図(D)は側板被せ式Iユニットを含む家具の例を示している。第6図(A),第6図(B)および第6図(C)は側板被せ式IIユニットを含む家具の例を示している。第6図(D)は留接合式ユニットを含む家具の例を示している。多くの家具は,上述の3つのユニット・タイプのうちのいずれか一つまたは複数のタイプのユニットを含む。
ユニット内のセルは,一般的には,上述のように仕切板,ガイド等によりより小さなセルが形成される。このセルには,場合によっては引出しが格納される。ユニットの開口した前面には扉が取付けられることもある。引出しや扉等の前面には引き手,取っ手またはノブが取付けられることがある。さらに,ユニットの底面にはキャスタが取付けられることもある。このように,ユニットまたはセルに設けられる仕切板,ガイド,引出し,扉,引き手,キャスタ等を総称して,この明細書では「パーツ」という。
第7図(A),第7図(B)はパーツを持つ家具の例を示すものである。
第7図(A)の家具8は,ユニット8A内のセルが仕切板10によって上,下2つの小さなセルに分割され,それぞれの小さなセル内に引出し6が引出し自在に納められている。仕切板10はユニット8Aの両側板3,4および裏板(背面板)5に固定されている。引出し6の前面板6aには引き手6bが取付けられている。
第7図(B)に示す家具9は,ユニット9A内のセルが左右2つのガイド(支持部材)10Aによって,上,下2つの小さなセルに分割されている。左右2つのガイド10Aはそれぞれ側板3,4に固定されている。左右2つのガイド10Aは,天板1と地板2とのほぼ中間の高さに位置しており,天板1,地板2との間に間隔がある。ガイド10Aによって分割された小さなセル内にそれぞれ出し7が引出し自在に納められている。上段の引出し7はその両端部がガイド10Aによって受けられている。引出し7の前面板7aの下部には取っ手となる凹部7bが形成されている。
引出しは,一般に,「インセット式」と「オーバーセット式」の2つのタイプに分けることができる。第7図(A)はインセット式引出しを,第7図(B)はオーバーセット式引出しをそれぞれ示している。
インセット式引出しとは,引出しをセルに納めた状態において,引出しの前面板がセル内部に入る大きさを持つ引出しをいい,一般には天板1,地板2および側板3,4の前端面と,インセット式引出し6の前面(前面板6aの前面)とがほぼ面一の状態になる。
オーバーセット式引出しとは,引出しをセルに納めた状態において,その前面板がセル内に入らない大きさを持つ引出しをいう。一般に,オーバセット式引出し7をセル内に収めたときに,前面板7aの裏面が,天板1,地板2および側板3,4の前端面に接する状態になる。
1.3 家具設計支援システムの構成
第8図は家具設計支援システムの外観を,第9図はその電気的構成をそれぞれ示している。
家具設計支援システムはコンピュータ20を含むコンピュータ・システム(たとえば,パーソナル・コンピュータ)によって構成される。コンピュータ20にはFDドライブ14,CD−ROMドライブ15,HDユニット16およびメモリ18が接続され,これらはコンピュータ本体ケース19内に内蔵されている。コンピュータ20にはCRT表示装置11,キーボード12,マウス13およびプリンタ17が接続されている。FDドライブ14はFD22にデータを書込み,FD22からデータを読出す。CD−ROMドライブ15はCD−ROM21から家具設計支援プログラムおよびデータ(マスタ・ファイル)を読出す。HDユニット16はハード・ディスク(HD)に家具設計支援プログラムおよび各種データを書込み,HDからプログラムおよびデータを読出す。コンピュータ・システムのHDにはあらかじめ,コンピュータ・システムを統合的に制御するオペレーティング・システム(OS)が格納されている。
コンピュータ20から与えられる表示データにもとづいて,後述するように,表示装置11の表示画面には種々の画面(ウインドウ)が表示される。オペレータ(または顧客)は,この表示画面上に表示された各種のボタン(アイコン)に,マウス13の動きと連動して表示画面上を移動するポインタを重ね合わせてクリックする,またはリスト・アップされた各種の項目のうち所望のものの位置に,ポインタを合わせてクリックすることによって,要求,意思,選択を入力する。また,オペレータはキーボード12を用いて必要なデータ(数値,文字等)を入力する。マウス13やキーボード12を用いて入力されたデータは,コンピュータ20に取り込まれ,その後の処理に用いられる。表示装置11の表示画面に表示された表示画面のハード・コピー,処理結果の印刷は,プリンタ17によって行われる。
CD−ROM21には,コンピュータ・システムを家具設計支援システムとして動作させるために必要な家具設計支援プログラムおよびデータ(マスタ・ファイルを含む)が記録されている。CD−ROM21に記憶されている家具設計支援プログラムおよびデータは,CD−ROMドライブ15によって読取られてHDユニット16のHDにインストールされる。表示装置11の表示画面に表示される画面(ウインドウ)は,HDにインストールされた家具設計支援プログラムおよびデータとOSとの両方にもとづく。
HDには家具設計データ25が記憶される(家具設計データ25には,マスタ・ファイルの内容が含まれる)。後述するように,家具設計データ25によって家具の画像や設計図面等が表される。
1.4 基本情報テーブル(マスタ・ファイル)および設計図面
HDにインストールされるマスタ・ファイルには,基本情報テーブルが含まれている。基本情報テーブルには,第10図に示すように,家具の設計に用いられるマスタ・データが階層構造で格納されている。
ユニットに関しては,上述したように,天地被せ式と,側板被せ式と,留接合式とがあること(これらをタイプ分類1とする),側板被せ式は側板被せ式I,IIおよびIIIに分類されること(これらをタイプ分類2とする)が記述されている。
続いて基本情報テーブルにはパーツに関する分類(タイプ分類1)が記述されている。引出しにはインセットとオーバセットがある。特に引出しに関してはその前板(前面板)が,前板1(標準:木材である)と前板2(ガラス付)に分類される。扉は扉1(両開き)と扉2(片開き)に分類される。扉2(片開き)はさらに,右開きと左開きとに分類される(タイプ分類2)。パーツに関しては,さらに脚,引き手,仕切板,ヒンジ(丁番),鍵等のそれぞれについての分類が規定されている。
基本情報テーブルにはさらに,ユニットとパーツについての属性(材料,材質(木目),色,板の厚さ,扉の厚さ,引出し前板の厚さ等)が規定されている。
基本情報テーブルには,家具設計支援システムに行わせる処理に応じて,他のデータも格納される。たとえば,基本情報テーブルには,上述したユニット,パーツ,属性に関するデータの他に,木材の種類ごとの単位面積当たりの単価のデータ,パーツごとの単価のデータ,家具を写真撮影することによって得られた家具の写真画像データ等が格納される。
基本情報テーブルは,家具設計支援プログラムとともにCD−ROM21に格納されており,家具設計支援システムのHDユニット16のHDにインストールされる。
第11図および第12図は,プリンタ17から出力される家具の設計図面の一例を示すものである。第11図は設計された家具の正面設計図面を,第12図は設計された家具の側面設計図面をそれぞれ示している。
家具設計支援システムによって作成されて出力される家具の設計図面には,家具の形状,構造および寸法(幅,奥行き,高さ)が示される。設計図面にはさらに,家具を構成する構成部材の材料,材質(木目),色(塗装色)等を指定する記述が加えられる場合もある。
第11図および第12図には,説明の便宜のために,X,Y,Z座標,および各基準点の座標が示され,さらにユニット番号,代表的なパーツの名称およびパーツ番号が表わされている。
この家具は家具番号(後述する)が「1113」のものであり,2つのユニット(ユニット番号「1113−01」,「1113−02」)から構成されている。
上段のユニット(ユニット番号「1113−01」)について説明すれば,このユニットは,パーツとして,4つの仕切板(パーツ番号「001」〜「004」)(第13図参照),5つの引出し(パーツ番号「005」〜「009」),および5つの引き手(パーツ番号「010」〜「014」)を備えている。
上段のユニット内につくられるセルおよびセルIDについて,第13図(A)〜第13図(C)を参照して説明する。
第13図(A)を参照して,このユニットは1つのセルを含む。ユニットの天板,地板,左側板および右側板によってつくられるセルのセルIDは「00」(以下,セルID「00」と呼ぶ)である。
ユニット内のセルが仕切板(棚板)によって分割される。もとのセルよりも小さい複数のセルがつくられる。
第13図(B)に示すように,セルID「00」のセルが横方向の2枚の仕切板(パーツ番号「001」,「002」)によって分割されることによって,3つのより小さいセルがつくられる。3つのセルのそれぞれにセルIDが付される(セルID「01」,「02」および「03」)。
第13図(C)に示すように,セルID「03」のセルが縦方向の2枚の仕切板(パーツ番号「003」,「004」)によって分割されることによって,3つのより小さいセルがつくられる。3つのセルのそれぞれにセルIDが付される(セルID「04」,「05」および「06」)。
家具設計支援システム では,第11図,第12図に示す家具の上段のユニットは,7つのセル(セルID「00」〜「06」)を含むものとして扱われる。
第11図,第12図に示す家具の下段のユニット(ユニット番号「1113−02」)も同じように,3つの仕切板と,4つの引出しと,これらの前板に付けられる4つの引き手と,1つの両開き扉と,この扉に付けられる1つの(1対の)引き手と,両開き扉をユニットに取付ける1組(4つ)の丁番(ヒンジ)と,1組(4つ)の脚(キャスタ)とをパーツとして含む。このユニットに含まれるセルは合計5つである。
2 家具設計データ
第14図から第23図は,家具設計支援システムのHDに格納される家具設計データ25を示すものである。家具設計データ25は,相互にリンクした各種のテーブルに格納される。これらのテーブル内の具体的なデータは,第11図および第12図に示す家具の設計図を表現することや,家具の外観を表示すること等に利用される。
2.1 完成家具テーブル
完成家具テーブルには,第14図に示すように,家具番号,家具種別,家具名称,作成日付およびユニット数に関するデータが格納(記憶,登録)される。
「家具番号」は,家具設計支援システムを用いて設計された家具(以下,「完成家具」という)ごとに付されるユニークな番号である。
「家具種別」には,完成家具の種別に応じて「箱もの」,「脚もの」または「差しもの」のいずれかが格納される。
「家具名称」は,完成家具の名称を表すデータ(表示のための文字列)である。
「作成日付」は,完成家具テーブルに家具番号,家具種別,家具名称およびユニット数のデータ(行方向のデータ)が格納された日付(年月日)を表す。
「ユニット数」は完成家具に含まれるユニットの数を表す。完成家具が2つのユニットを含む場合には「2」の数字が,3つのユニットを含む場合には「3」の数字が格納される。
第11図および第12図に示す完成家具は,家具番号が「1113」のもので,家具名称が「タンス3」である。タンス3は2つのユニットから構成されている。
2.2 ユニット番号テーブル
ユニット番号テーブルには,第15図に示すように,家具番号,ユニット番号,ユニット/パーツ定義番号,ユニット/パーツ定義名称およびセル数に関するデータが格納される。
「家具番号」は,上述の完成家具テーブルのものと同じである。「家具番号」によってこのユニット番号テーブルと完成家具テーブルとがリンクする。
「ユニット番号」は,完成家具に含まれるユニットごとに付される番号である。たとえば,家具番号1113(第11図,第12図に示す)の完成家具には,「1113−01」と「1113−02」のユニット番号で特定される2つのユニットが含まれていることを示す。以降に説明するすべてのテーブルは,家具番号およびユニット番号によって,このユニット番号テーブルリンクする。
「ユニット/パーツ定義番号」および「ユニット/パーツ定義名称」については後述する。
「セル数」は,ユニットに含まれるセルの数を表す。上述のように,上記2つのユニットにはそれぞれ7つ,5つのセルが含まれる。
2.3 ユニット配置テーブル
ユニット配置テーブルには,第16図に示すように,家具番号,ユニット番号,セルID,配置情報,基準点(x,y,z),全体サイズ(uW,uD,uH),部位1(天板)のサイズ,仕上げ色および材料,部位2(地板)のサイズ,仕上げ色および材料,部位3(左側板)のサイズ,仕上げ色および材料,部位4(右側板)のサイズ,仕上げ色および材料(部位2〜4については図示略),パーツ数ならびに脚の有無に関するデータが格納される。
「家具番号」および「ユニット番号」は上述した通りである。
「セルID」は,ユニットによってつくられるセルのセルIDを表す。
「配置情報」は,ユニット同士の位置関係を表す。完成家具が複数のユニットを含む場合,それらのユニットがどのような位置関係にあるかが示される。
ユニット番号「1113−01」についての配置情報には「下面に1113−02を一体接合」する旨のデータが格納され,ユニット番号「1113−02」についての配置情報には「上面に1113−01を一体接合」する旨のデータが格納されているので,完成家具(「家具番号1113」)はユニット番号「1113−01」のユニットが上段に,ユニット番号「1113−02」のユニットが下段に配置され,上段のユニットの地板と下段のユニットの天板が1枚の板で構成されている(一体接合されている)ことを表す。
「基準点(x,y,z)」は,ユニットをその正面から見た場合におけるユニットの前方左下隅の点を,3次元座標(x,y,z)で表すものである。完成家具が複数のユニットによって構成される場合には,はじめに設計されたユニットの前方左下隅の点が3次元座標の原点に定められる。
「全体サイズ(uW,uD,uH)」は,ユニットの幅(uW),奥行き(uD)および高さ(uH)の寸法(mm単位)をそれぞれ表す。
ユニットは基本的に天板,地板,左側板および右側板によって形成されるので,これらが部位1,2,3,4とされる。「部位1(天板)のサイズ」,「部位1(天板)の仕上げ色」および「部位1(天板)の材料」は天板のサイズ,仕上げ色(塗装色)および材料(木材の種類,材質(木目)が格納されることもある)をそれぞれ表す。地板,左側板および右側板についても,サイズ,仕上げ色および材料のデータがそれぞれ格納される。これらの仕上げ色および材料のデータには,基本情報テーブル(第10図)のデータが用いられる。
「パーツ数」は,ユニットに含まれるパーツの数を表す。
「脚の有無」は,ユニットに脚(キャスタ等)が取付けられているかどうかを表す。
2.4 仕切(セル)情報テーブル
仕切(セル)情報テーブルには,第17図に示すように,家具番号,ユニット番号,セルID,横仕切数,縦仕切数,親セルのID,親セル内の横位置,親セル内の縦位置,基準点(x,y,z),サイズ(cW,cD,cH),配置パーツ定義名称,分割レベル等に関するデータが格納される。
「セルID」は,ユニット番号によって特定されるユニットに含まれるセルのそれぞれを識別する番号を表す。上述したようにユニット番号「1113−01」のユニットは7つのセルを含み,7つのセルのそれぞれにセルID(「00」,「01」,「02」,「03」,「04」,「05」および「06」)が付けられている。
「横仕切数」は,横方向(水平方向)に配置された仕切板の数を表す。「縦仕切数」は,縦方向(垂直方向)に設けられている仕切板の数を表す。たとえば,セルID「00」のセル(ユニット)には2つの水平な仕切板(横仕切板)が設けられているので,横仕切数の欄には「2」の数字が格納される。
「親セルのID」は,セルが仕切板によって仕切られることによって複数のセルが含まれるようになった場合における,もとのセル(分割前のセル)に付されているセルIDを表す。たとえば,セルID「01」,「02」および「03」のセルの「親セルのID」には,それぞれ「00」が格納されている。セルID「01」,「02」および「03」のセルは,セルは,ID「00」のセルが仕切板によって仕切られてつくられたセルであることを表す。セルID「00」のようなセルを「親セル」といい,セルID「01」,「02」および「03」のようなセルを,セルID「00」のセルの「子セル」という。
「親セル内の横位置」は,ユニットをその正面から見た場合に,親セルに含まれる子セルが左から何番目に位置するかを表す。たとえば,セルID「06」のセルに関して「親セル内の横位置」には「3」の数字が格納されている。セルID「06」のセルの親セルはセルID「03」のセルである。セルID「06」のセルは,親セル(セルID「03」のセル)内の子セルのうち,左から3番目に位置する。
「親セル内の縦位置」は,ユニットをその正面から見た場合に,親セルに含まれる子セルが下から何番目に位置するかを表す。たとえば,セルID「02」のセルに関して「親セル内の縦位置」には「2」の数字が格納されている。セルID「02」のセルの親セルは,セルID「00」のセルである。セルID「02」のセルは,親セル(セルID「00」のセル)内の子セルのうち,下から2番目に位置することを表す。
「基準点(x,y,z)」は,ユニットをその正面から見た場合におけるセルの前方左下隅の点の3次元座標(x,y,z)を示す。
「サイズ(cW,cD,cH)」は,セルの幅(cW),奥行き(cD)および高さ(cH)のそれぞれの寸法を表す。
「配置パーツ定義名称」は,セルに取付けられている(格納されている)パーツのユニット/パーツ定義名称(後述する)を表す。
「分割レベル」は,セルが何回目の分割でつくられたものであるかを表す。たとえば,セルID「01」,「02」および「03」のセルの分割レベルは,セルID「00」のセルを分割することによってつくられたものであるので「1」の数字が入る。セルID「04」,「05」および「06」のセルの分割レベルは,セルID「00」のセルが分割され,さらにその子セルであるセルID「03」のセルが分割されてつくられたものであるので分割レベルは「2」である。仕切(セル)情報テーブルには,さらに仕切板の有無,縦仕切板または横仕切板の優先関係,裏板の有無,オフセット値(後述する)についてのデータが格納される。
2.5 ユニット/パーツ定義テーブル
ユニット/パーツ定義テーブルには,第18図に示すように,ユニット/パーツ種別,ユニット/パーツ定義番号,ユニット/パーツ定義名称,タイプ分類1,タイプ分類2,タイプ分類3,全体サイズ,部位1〜4のサイズ,仕上げ色,材料等(部位2の仕上げ色および材料,部位3,4については図示略)に関するデータが格納される。ユニット/パーツ定義テーブルに格納されるデータを総括して「定義データ」という。すなわち,このユニット/パーツ定義テーブルに記述されるデータは,家具設計支援システムを用いて家具を設計するときにオペレータ(または顧客)がユニットおよびパーツに関して入力(定義)したデータである。ユニット/パーツ定義テーブルに格納される定義データは,複数の完成家具(またはその一部)に利用することができ,何回でも利用することができる。
「ユニット/パーツ種別」は,ユニットであること,またはパーツの場合にはパーツの種類を表す。
「ユニット/パーツ定義番号」は,定義データが与えられたユニットおよびパーツのそれぞれに付されるユニークな番号である。
「ユニット/パーツ定義名称」は,定義データが与えられたユニットおよびパーツのそれぞれについて,オペレータ(または顧客)によって付けられた名称(名称を表示するための文字コード)を表す。
「タイプ分類1」,「タイプ分類2」,「タイプ分類3」は,ユニットまたはパーツについて,基本情報テーブル(第10図)に格納されているマスタ・データを用いてオペレータ(または顧客)が与えた定義を示す(第10図においては,タイプ分類3は図示されていない)。
たとえば,ユニットについての「タイプ分類1」は,天地被せ式,側板被せ式または留接合式のいずれのタイプであるかを表す。「タイプ分類1」が側板被せ式である場合には,さらに「タイプ分類2」に側板被せ式I,側板被せ式IIまたは側板被せ式IIIのいずれであるかを表すデータが記述される。引出しについての「タイプ分類1」は,引出しの前板が標準タイプまたはガラス付きタイプのいずれであるかを表す。
「全体サイズ」は,ユニットの幅(W),奥行き(D)および高さ(H),またはパーツの幅,奥行きおよび高さ(パーツの横の長さ,縦の長さ,パーツの厚さを表す場合もある)のそれぞれの寸法を表す。パーツについでは,全体サイズは定義されない場合もある。
部位1〜4のサイズ,仕上げ色および材料は,ユニットまたはパーツが複数の部材によって構成される場合に,それら部材についてのサイズ,仕上げ色(塗装色),材料をそれぞれ表す。
部位1〜4はユニットまたはパーツの種類に応じてあらかじめ定められている。上述したように,ユニットについては天板,地板,左側板,右側板がそれぞれ部位1,2,3,4である。引出しについては,前面板が部位1,それ以外の板が部位2である。パーツについては,部位のサイズは定義されない場合もある。
以下に述べる各種テーブルは,ユニット/パーツ定義番号およびユニット/パーツ定義名称によって,このユニット/パーツ定義テーブルとリンクする。
2.6 引出し配置テーブル
引出し配置テーブルには,パーツの一つである引出しに関するデータが格納される。引出し配置テーブルには,第19図に示すように,家具番号,ユニット番号,セルID,パーツ番号,ユニット/パーツ定義番号,ユニット/パーツ定義名称,基準点(x,y,z),サイズ,仕上げ色(前板),材料(前板),仕上げ色(前板以外),材料(前板以外),セット方法およびパーツ数に関するデータが格納される。
「家具番号」,「ユニット番号」,「セルID」は,それぞれ引出しが納められている完成家具の家具番号,引出しが納められているユニットのユニット番号,引出しが納められているセルのセルIDを表す。
「パーツ番号」は個々の引出しに付された識別番号を表す。パーツ番号は1つのユニットにおいてパーツの種類にかかわらずユニークである。「基準点(x,y,z)」は,引出しを構成する前板の前方左下隅の点の3次元座標を表す。「サイズ」は引出し全体の幅,奥行きおよび高さのそれぞれの寸法を表す。「仕上げ色(前板)」は前板の色を,「材料(前板)」は前板の材料(木材の種類等)をそれぞれ表す。「仕上げ色(前板以外)」は引出しの前板以外の箱の部分の色を,「材料(前板以外)」は引出しの前板以外の箱の部分の材料を表す。
「セット方法」は引出しがオーバーセット式のものであるか,インセット式のものであるかを表す。「パーツ数」は引出しの前板に取付けられるパーツ(たとえば,引き手)の数を表す。
2.7 扉配置テーブル
扉配置テーブルには,パーツの一つである扉に関するデータが格納される。扉配置テーブルには,第20図に示すように,家具番号,ユニット番号,セルID,パーツ番号,ユニット/パーツ定義番号,ユニット/パーツ定義名称,基準点(x,y,z),サイズ,仕上げ色,材料,セット方法およびパーツ数に関するデータが格納される。
「家具番号」,「ユニット番号」,「セルID」は,それぞれ扉が取付けられている完成家具の家具番号,扉が取付けられているユニットのユニット番号,扉が取付けられているセルのセルIDを表す。
「パーツ番号」は,各扉に付された識別番号を表す。「基準点(x,y,z))」は扉の前方左下隅の点の3次元座標を表す。「サイズ」は扉の横の長さ,縦の長さ,板厚のそれぞれの寸法を表す。「仕上げ色」は扉の色を,「材料」は扉に用いられる木材等の種類を表す。
「セット方法」はオーバーセットの扉であるが,インセットの扉であるかを表す(ユニットの左右の側板の前端面に接するように取付けられる扉がオーバーセット,側板の内側に配置される扉がインセットである)。「パーツ数」は,扉に取付けられるパーツ(たとえば,引き手)の数を表す。
2.8 引き手配置テーブル
引き手配置テーブルには,パーツの一つである引き手に関するデータが格納される。引き手配置テーブルには,第21図に示すように,家具番号,ユニット番号,親パーツ番号,セルID,パーツ番号,ユニット/パーツ定義番号,ユニット/パーツ定義名称,配置情報,基準点(x,y,z),サイズ,仕上げ色および材料に関するデータが格納される。
「家具番号」,「ユニット番号」,「親パーツ番号」,「セルID」は,それぞれ引き手が取付けられている完成家具の家具番号,引き手が取付けられているユニットのユニット番号,引き手が取付けられているパーツ(親パーツ,たとえば,引き出し)のパーツ番号,引き手が取付けられているセルのセルIDを表す。
「パーツ番号」は各引き手に付された識別番号を表す。「配置情報」は引き手が取付けられる引出しの前板や扉における引き手の配置関係(中央,上部,下部,左端,右端等)を表す。「基準点(x,y,z)」は引き手の前方左下隅の点の座標を表す。「サイズ」は引き手の幅,奥行きおよび高さのそれぞれの寸法を表す。「仕上げ色」は引き手の色を,「材料」は引き手に用いられる材料(アルミニウム等)の種類を表す。
2.9 脚配置テーブル
脚配置テーブルには,パーツの一つある脚に関するデータが格納される。脚配置テーブルには,第22図に示すように,家具番号,ユニット番号,パーツ番号,ユニット/パーツ定義番号,ユニット/パーツ定義名称,基準点(x,y,z),サイズ,仕上げ色および材料に関するデータが格納される。
ユニットに脚が設けられる場合には,ユニットの底面の全体に1つの脚(台)が設けられるか,またはユニットの底面の四隅に,それぞれ1つずつの脚が設けられる。この場合,脚配置テーブルに格納される行方向のデータは,4個1組の脚に関するデータである。
「家具番号」,「ユニット番号」はそれぞれ脚(たとえば,キャスタ)が取付いている完成家具の家具番号,脚が取付いているユニットのユニット番号を表す。「パーツ番号」は1組の脚に付された識別番号を表す。
「基準点(x,y,z)」には,たとえば,ユニットの底面に取付けられている脚のうち,ユニットの前方左側に位置する脚とユニットの底面との接合部分の中心の3次元座標を表す。「サイズ」は脚の幅,奥行き,高さのそれぞれの寸法を表す。「仕上げ色」は脚の色を,「材料」は脚に用いられる木材等の種類を表す(脚の種類が「キャスタ」の場合には材料のデータは省略される)。
2.10 仕切板配置テーブル
仕切板配置テーブルには,パーツの一つである仕切板に関するデータが格納される。仕切板配置テーブルには,第23図に示すように,家具番号,ユニット番号,セルID,パーツ番号,ユニット/パーツ定義番号,ユニット/パーツ定義名称,基準点(x,y,z),サイズ,仕上げ色,材料および固定/可動に関するデータが格納される。
「家具番号」,「ユニット番号」,「セルID」は,それぞれ仕切板が取付いている完成家具の家具番号,仕切板が取付いているユニットのユニット番号,仕切板が取付いているセルのセルIDを表す。
「パーツ番号」は,完成家具に取付けられている仕切板のそれぞれに付される識別番号である。
「基準点(x,y,z)」は,完成家具をその正面から見た場合における,仕切板の前方左下隅の点の3次元座標を表す。「サイズ」は仕切板の寸法(横方向(幅方向)の長さ,縦方向(奥行き方向)の長さ,厚さ(仕切板の板の厚さ))を表す。「仕上げ色」は仕切板の色を,「材料」は仕切板に用いられる木材等の種類を表す。
「固定/可動」は,仕切板がユニットに固定されるものであるか,取り外しが可能なもの(可動)かを表す。
第24図は上述した各種データ・テーブル(第14図〜第23図)の関係を示すものである。
3 家具設計支援システムにおける処理I
3.1 全体概要
第25図は家具設計支援システムにおける処理手順を示すフローチャートである。
家具設計支援システムの処理動作は,HDユニット6のHDに格納された家具設計支援プログラムにしたがう。家具設計支援システムのオペレータが,マウス13を用いてHDに格納された家具設計支援プログラムを起動すると,HDから家具設計支援プログラムが読出され,コンピュータ20によって実行される。第37図〜第39図,第41図〜第43図,第47図〜第49図,第51図〜第59図は,家具設計支援プログラムにしたがって表示装置11の表示画面に表示されるウインドウの例を示している。
家具設計支援プログラムを起動すると,第37図に示すように,初期画面としてメイン・メニュー・ウインドウW1が表示装置11の表示画面に表示される(ステップ31)。以下,「ウインドウが表示装置11の表示画面に表示される」ことを,単に「ウインドウが表示される」という。
メイン・メニュー・ウインドウW1には,「ユニット/パーツの定義」,「組み立て」,「図面表示/印刷」および「システム終了」のボタンが設けられている。オペレータがこれらのボタンの位置にマウス13を用いてカーソル26を移動させて(合わせて)クリックすることによって,そのクリックされたボタンに対応する処理が選択され(ステップ32),選択された処理が実行される(ステップ33〜36)。以下,「オペレータが,ウインドウ上の所望のボタン(または領域)の位置に,マウス13を用いてカーソル26を移動させてクリックする」ことを,単に「ボタン(または領域)をクリックする」という。
「ユニット/パーツの定義」ボタンがクリックされると,ユニット/パーツ定義処理が開始される(ステップ33)。
ユニット/パーツ定義処理は,設計しようとする家具に用いるユニットとそのユニットに設けるパーツ(引出し,扉等)を選択(指定,特定)し,選択したユニットの寸法,仕上げ色,材料,材質等を定義(指定,特定)し,各パーツの仕上げ色や材料等を定義(指定,特定)する処理である。ユニット/パーツ定義処理において定義されたデータは,ユニット/パーツ定義テーブル(第18図)に格納される。ユニット/パーツ定義処理は,次に説明する「組み立て処理」および「図面表示/印刷処理」に先だって行われる。ユニット/パーツ定義処理の詳細は後述する。
「組み立て」ボタンがクリックされると,組み立て処理が開始される(ステップ34)。
組み立て処理は,上述のユニット/パーツ定義処理において定義されたユニットおよびパーツを,画面上で組み合わせる(組み立てる)処理である。組み立て処理を経ることによって,表示画面上に表示されるウインドウには組立てられた家具(完成家具)またはその一部の正面図が表示される。表示画面上で家具が組み立てられるとHDでは家具設計データが格納される。組み立て処理の詳細は後述する。
「図面表示/印刷」ボタンがクリックされると,図面表示/印刷処理が開始される(ステップ35)。
図面表示/印刷処理では,組み立て処理(ステップ34)において設計された完成家具の外観を,図面の種類(正面図,側面図,背面図等)の選択に応じて表示装置11の表示画面に表示する処理と,完成家具の設計図面(通常はすべての種類の図面)を表示画面に表示し,プリンタ17によって印刷して出力する処理とが行われる。また,図面表示/印刷処理では,完成家具の寸法(幅,奥行き,高さ)や仕上げ色(塗装色)等を変更する処理等も,必要であれば,行われる。図面表示/印刷処理の詳細は後述する。
「システム終了」ボタンがクリックされると,家具設計支援プログラムのすべての処理が終了する(ステップ36)。
3.2 ユニット/パーツ定義処理
第26図はユニット/パーツ定義処理の処理手順を示すフローチャートである。
メイン・メニュー・ウインドウW1(第37図)において「ユニット/パーツの定義」ボタンがクリックされると,第38図に示すように,ユニット/パーツ選択ウインドウW2が,メイン・メニュー・ウインドウW1に代えて,またはその上に表示される(ステップ41)。
ユニット/パーツ選択ウインドウW2には,ユニット/パーツ表示領域A1が表示される。また「消去」,「次へ」および「定義終了」ボタンが設けられる。
ユニット/パーツ表示領域A1には,基本情報テーブル(第10図)のユニットとパーツの種別(ユニットについてはタイプ分類1,パーツについては,引出し,引出し前板,扉,脚等)の名称が一覧に表示される。ユニット/パーツ表示領域A1の右側のスクロール・バーをマウス13を用いて上または下に移動させると,ユニット/パーツ表示領域A1内に表示されている名称の一覧が上または下にスクロールされる。オペレータは,ユニット/パーツ表示領域A1に表示されるユニットおよびパーツの名称の中から,顧客が家具に採用することを希望するユニットおよびパーツの名称を選択する。
第26図を参照して,ユニットを選択する場合には,オペレータは,ユニット/パーツ表示領域A1に表示される3つのユニット・タイプの名称(天板被せ式,側板被せ式および留接合式)のうちのいずれかをクリックする(ステップ42)。選択されたユニット・タイプの名称を含む部分の色がユニット/パーツ表示領域A1において変化する。「次へ」ボタンがクリックされると(ステップ43で「次へ」),選択したユニット・タイプについて,さらに詳細なデータ入力を行うための処理が開始される(ステップ44〜49)。
ユニットについての詳細なデータ入力処理(ステップ44〜49)では,ユニットに用いられる材料,色等の指定(ステップ44),裏板(背面板)の有無の指定(ステップ45),ユニット寸法の指定(ステップ46)が,ウィザード形式(家具設計支援プログラムからの問いかけに応じて順次データ入力を進める形式)により行われる。もちろん,これらのデータ入力のための1つのウインドウを表示画面上に表示させるようにしてもよい。この場合には,ウィザード形式は採用する必要がない。
材料,色等の指定(ステップ44)では,はじめに材料の種類(木材等の種類)の一覧表が文字または文字と画像の組合せによって表示される。表示される材料の種類は,基本情報テーブル(第10図)に格納されたデータにもとづく。オペレータはこの一覧表の中から天板,地板,左側板および右側板のそれぞれについて所望の材料を選択する。同じように,色(仕上げ色),材質(木目),模様等のそれぞれについても,それらの種類のリストが文字または文字と画像の組み合わせによって表示画面上に表示される(図示略)。これらのリストの表示も,基本情報テーブル(第10図)に格納されているデータにもとづく。オペレータは,表示された色,材質(木目),模様等のリストの中から,ユニットの天板,地板,左側板および右側板のそれぞれについて所望のものを選択する。入力(選択)されたデータはメモリ18に一時的に記憶される。
裏板(背面板)の有無の指定(ステップ45)では,ユニットに裏板を取り付けるかどうかを示すデータが入力される。入力されたデータメモリ18に一時的に記憶される。
ユニット寸法指定(ステップ46)では,ユニットの寸法データが入力される。寸法指定(ステップ46)において表示画面上に表示されるウインドウ(寸法入力ウインドウW3)の例を第39図に示す。寸法入力ウインドウW3は,ユニットの幅,高さ,奥行きのそれぞれの寸法を入力するための数値入力ボックスW3aを含んでいる。オペレータは,ユニットの幅,高さおよび奥行きのそれぞれの数値入力ボックスW3a内に顧客が希望する値をキーボード12を用いて入力する。入力されたデータはメモリ18に一時的に記憶される。
ユニットの寸法(幅,奥行き,高さ)が入力されると,ユニットを構成する天板,地板および左右の側板の板の厚さ,天板,地板および左右の側板の寸法,およびユニットによってつくられるセルの幅,奥行きおよび高さが,ステップ42で選択されたユニットのタイプ分類1およびステップ44で選択された材料が考慮されて,家具設計支援プログラムによって算出される(ステップ47,48)。
第27図は,家具設計支援プログラムによる板厚決定の処理(ステップ47)の一例を,詳細に示すフローチャートである。
オペレータによって入力され,メモリ18に一時的に記憶されているユニットを構成する木材等の材料に関するデータと,ユニット寸法(幅,奥行き,高さ)に関するデータが,メモリ18のワークエリアに転送される(ステップ55)。
「マホガニー」,「チーク」,「パイン」などの木材は,木材の種類ごとに硬さ(強度)が異なる。マホガニーはチークよりも硬く,チークはパインよりも硬い。同じ大きさで同じ強度のユニットを製作する場合,チークを用いる場合にはマホガニーを用いる場合よりも板の厚さを厚くする必要がある。パインを用いる場合にはチークを用いる場合よりも板の厚さを厚くする必要がある。また,寸法の大きいユニットに用いる木材の板の厚さは,寸法の小さいユニットに用いる板の厚さよりも厚くする必要がある。家具設計支援プログラムには,ユニットのタイプ分類1のデータと木材の種類とユニットの寸法にもとづいて板の厚さを算出するための算出ルールが記述されている。
算出ルールは,たとえば,入力されたユニットの高さ(uH)の寸法が,あらかじめ定められた基準値よりも小さい場合には板の厚さを30mmとする,高さが基準値と同じまたは基準値よりも大きい場合には板の厚さを50mmとする,というようなルールである。基準値および基準値にしたがって決定される板の厚さの数値が木材の種類によって異なる。ユニットに用いられる木材材料の特性(強度等)と寸法とにもとづいて,製作されるユニットが所定の強度を持つようになるような板の厚さが決定される(ステップ56,ステップ57,58,59)。
決定された板の厚さは,メモリ18に一時的に記憶される(ステップ60)。
もちろん,入力されたユニットの幅,奥行き,高さのいずれかの寸法が,あらかじめ定められた最小値よりも小さい場合,またはあらかじめ定められた最大値よりも大きい場合には,板の厚さの決定処理を行うことなく,適正な寸法の再度の入力をオペレータ(または顧客)に求めるようにしてもよい。
また,ユニットに水平方向(横方向)に用いられる板の厚さと,垂直方向(縦方向)に用いられる板の厚さとを,入力されるユニットの寸法(幅,奥行き,高さ)に応じて異なる値となるようにしてもよい。さらに,オペレータに板の厚さを入力させるようにしてもよい。この場合には板の厚さの算出処理(第26図,ステップ47)はスキップされる。
次に,ユニットのタイプ分類1(天地被せ,側板被せまたは留接合)を表わすデータがメモリ18のワーク・エリアに読み込まれる。ユニットのタイプ分類1を表わすデータ(既にステップ42で特定されている)と,ステップ47で決定された板の厚さのデータとから,ユニットを構成する天板,地板および側板の寸法と,セルの寸法とが算出される(ステップ48)。第40図はオペレータによって入力されたユニットの寸法(幅,奥行き,高さ)と,家具設計支援プログラムによって決定された板の厚さと,家具設計支援プログラムによって算出される天板,地板および側板の寸法,セルの寸法の関係を示すものである。これは側板被せ式Iユニット(裏板なし)の場合である。
オペレータによって入力されたユニットの幅,奥行き,高さの寸法をそれぞれuW,uD,uHとする。板厚決定処理(ステップ47)において決定された縦板(側板)の厚さをuxT,横板(天板,地板)の厚さをuzTとする。側板被せ式Iユニットの場合には,次式によって,天板と地板の寸法(横,縦),側板の寸法(横,縦),セルの寸法(幅,奥行き,高さ)が算出される。
天板の横(幅)方向の寸法と地板の横方向の寸法(幅)
uW−2uxT
天板と地板の奥行き方向の寸法(幅)
uD
側板の横方向の寸法(幅)
uD
側板の高さ方向の寸法(長さ)
uH
セルの幅方向の寸法(cW)
cW=uW−2uxT
セルの奥行き方向の寸法(cD)
cD=uD
セルの高さ方向の寸法(cH)
cH=uH−2uzT
家具設計支援プログラムには,側板被せ式ユニットIの他にも,側板被せ式ユニットII,側板被せ式ユニットIII,天地被せ式ユニットおよび留接合式ユニットのそれぞれについて,天板,地板および側板の寸法と,ユニットによってつくられるセルの寸法とを算出するための式が記述されている。選択されたユニット・タイプに対応する式に,オペレータによって入力されたユニットの寸法(幅,奥行き,高さ)と,家具設計支援プログラムによって決定された板の厚さが代入されることによって,天板,地板および側板の寸法ならびにセルの寸法が,家具設計支援プログラムによって算出される 算出された寸法データはメモリ18に一時的に記憶される。
ユニットに裏板(背面板)を設ける旨のデータ入力がされている場合には,上記の式は裏板の厚さを示すパラメータも含む。裏板の厚さは固定値であってもよいし,ユニットの寸法に応じて決定してもよい。裏板の寸法の算出も行なわれる。
各板の寸法の算出が終了した後に,第41図に示すデータ保存名入力ウインドウW4が表示される。データ保存名入力ウインドウW4は,データ保存名を入力するための入力ボックスW4aを含み,「戻る」,「キャンセル」および「終了」ボタンが設けられている。
オペレータによってキーボード12が用いられて入力ボックスW4aに保存名が入力され,「終了」ボタンがクリックされる。すると,ユニット/パーツ定義テーブル(第18図)に入力ボックスW4aに入力された保存名がユニット/パーツ定義名称として,タイプ分類や,メモリ18に一時的に記憶されていたデータ(寸法,材料,色等のデータ)とともに格納されて保存される(ステップ49)。表示画面の表示は再びユニット/パーツ選択ウインドウW2に戻る(ステップ41)。
設計する家具に採用しようとするユニット・タイプが複数ある場合には,上述の操作を繰り返す。ユニット/パーツ定義テーブル(第18図)には,上述の操作を繰り返す度に,入力されたユニットに関するデータ(レコード)が追加される。
データ保存名入力ウインドウW4において「キャンセル」ボタンがクリックされると,入力ボックス内に文字が入力されている場合に,その文字が消去される。「戻る」ボタンがクリックされると,データ保存名入力ウインドウW4に代わって,寸法入力ウインドウW3が再び表示される。
パーツをデータ定義する場合には,オペレータによって,ユニット/パーツ選択ウインドウW2のユニット/パーツ表示領域A1に表示されているパーツの名称のうち,いずれかのパーツの名称部分がクリックされる(ステップ42)。選択されたパーツの名称を含む部分の色が変化する。「次へ」ボタンがクリックされると(ステップ43で「次へ」),選択したパーツについて,詳細なデータの入力を求める処理が開始される(ステップ50〜52)。
パーツについての詳細データの入力のための処理では,形状等の指定(ステップ50)および材料,色等の指定(ステップ51)が順次行われる。
たとえば,パーツとして「扉」が選択されたとする。扉1(両開き)または扉2(片開き)のいずれかが選択される(ステップ50;タイプ分類1の選択)。ここで,扉2(片開き)が選択された場合にはさらに右開きまたは左開きのいずれかの選択が行なわれる。続いて扉の材料,仕上げ色,材質(木目)の種類,模様等の指定が行なわれる(ステップ51)。最後に,データ保存名入力ウインドウW4(第41図)が表示されて入力ボックスW4aにデータ保存名が入力される。ユニット/パーツ定義テーブル(第18図)には,選択されたパーツについての定義データが格納される(ステップ52)。
設計しようとする家具に複数のパーツを用いる場合には,ステップ41〜52の処理(操作)が繰り返される。ユニット/パーツ定義テーブル(第18図)には,上述の操作を繰り返す度に,そのパーツについて入力されたデータ(レコード)が追加される。このとき,定義されたユニットおよびパーツのそれぞれについて,ユニット/パーツ定義番号が自動的に採番され(連続番号が付される),ユニット/パーツ定義名称に対応して記憶される。
ユニット/パーツ定義処理を終える場合,オペレータはユニット/パーツ選択ウインドウW2(第38図)において「定義終了」ボタンをクリックする(ステップ43で「定義終了」)。表示装置11の表示画面には,再びメイン・メニュー・ウインドウW1(第37図)が表示される(ステップ31)。
ユニット/パーツ選択ウインドウW2の「消去」ボタンは,ユニット/パーツ定義テーブル(第18図)の特定のユニットまたはパーツについてのデータを消去する場合に用いられる。たとえば,ユニット/パーツ表示領域A1に表示されている「引き手」をクリックして選択し,その後「消去」ボタンをクリックすると(ステップ43で「消去」),ユニット/パーツ定義テーブルにおいて「引き手」について格納されているデータがすべてクリア(消去)される(ステップ54)。
3.3 組み立て処理
第28図〜第30図は組み立て処理の処理手順を示すフローチャートである。
組み立て処理は,上述のユニット/パーツ定義処理においてデータ定義されたユニットやパーツを組合わせることによって,完成状態の家具(完成家具)またはその一部を設計する処理である。
メイン・メニュー・ウインドウW1(第37図)において,「組み立て」ボタンがクリックされると,組立て処理に進む(ステップ34)。第42図に示すように,組み立てメイン・ウインドウW5が,メイン・メニュー・ウインドウW1に代えて,またはその上に表示される(ステップ61)。
組み立てメイン・ウインドウW5(第42図)には,ユニット/パーツ表示領域B1,組み立て家具表示領域B2および完成家具表示領域B3が表示されるとともに,「選択ロード」,「仕切定義」,「配置指定」,「色調変更」,「家具保存」および「終了」ボタンが設けられる。
ユニット/パーツ表示領域B1には,上述のユニット/パーツ定義処理においてデータ定義されたユニットおよびパーツのそれぞれの正面図を表す画像が表示される。各ユニットおよびパーツを表す画像の下には,ユニットおよびパーツごとに付けられたユニット/パーツ定義名称がそれぞれ表示される。これらのユニットまたパーツを表わす画像はユニット/パーツ定義テーブル(第18図)に記述された寸法,色等のデータを反映するものでなくてもよく,単にユニットまたはパーツのタイプを表現するものであれば足りる。第11図,第12図に示す家具の例ではユニットは2つ用いられているが,いずれも同じタイプのユニット(ユニット1)(ユニット/パーツ定義テーブル(第18図)のユニット/パーツ定義番号「001」参照)であるから,ユニット/パーツ表示領域B1には1つのユニット(ユニット1)についての画像のみが示されている。パーツについても同じである。
組み立て家具表示領域B2は,ユニット/パーツ表示領域B1に表示されているユニットおよびパーツの組合わせ(組立て)に用いられる。組合せ結果を表す画像が表示される。
完成家具表示領域B3は,ユニットおよびパーツを含む完成家具(またはその一部)を表す画像を表示する。
初期状態では,組み立てメイン・ウインドウW5のユニット/パーツ表示領域B1に,上述のユニット/パーツ定義処理においてデータ定義されたすべてのユニットおよびパーツが表す画像が表示される。組み立て家具表示領域B2および完成家具表示領域B3には何も表示されない。
はじめにユニット/パーツ表示領域B1に表示されているユニット(ユニット1)がマウス13を用いてクリックされることによって選択され(ステップ62),その後,「選択ロード」ボタンがクリックされる(ステップ63)。第43図に示すように,組み立て家具表示領域B2には,選択されたユニットが表示される(ステップ64,65)(はじめてのユニットの指定であるから,ステップ64でNOとなる)。
完成家具の組み立て(家具設計データを作成すること)は,ユニット/パーツ表示領域B1に表示されているユニットおよびパーツの画像の中から完成家具に採用すべきユニットまたはパーツをマウス13を用いてクリックして選択し,選択したユニットまたはパーツと,組み立て家具表示領域B2に表示されているユニットまたはパーツとの組合せ態様を指定すること(たとえば,どのセルにどのパーツを取付けるが等)によって行われる。
完成家具の組み立ての流れの一例を,第44図(A)〜第44図(D),第45図(A)〜第45図(D)および第46図を用いて具体的に説明する。
上述のように,オペレータによって,はじめに,ユニット/パーツ表示領域B1に表示されているユニットの画像の中から,完成家具に用いるべきユニットの画像がクリックされて選択される(ステップ62)。その後,「選択ロード」ボタンがクリックされると(ステップ63),ユニット/パーツ表示領域B1に表示されている選択されたユニットの画像が組み立て家具表示領域B2に表示される(ステップ64でNO,ステップ65,第44図(A),第43図の組み立て家具表示領域B2の画像と同じ)。ユニットを符号210で,ユニット210内のセルを符号200で示す。
組み立て家具表示領域B2に表示されるユニットおよびパーツの画像(最終的には,完成家具の画像になる)には,ユニット/パーツ定義テーブル(第18図)に格納されているデータ(サイズ,仕上げ色,材質等)が反映される。たとえば,ユニット1の天板(部位1)の色を「ナシ(材料色)」とすることがユニット/パーツ定義テーブルに格納されていると,組み立て家具表示領域B2には,ユニット/パーツ定義テーブルの「部位1(天板)の材料」の欄に格納された天板の材料データにもとづいてその材料の色(マホガニー色)の天板を持つユニットの画像が表示される。もちろん,色等の表現を省略して,形状のみを画面表示してもよい。いずれにしても,ユニット・タイプを表わすデータ,そのサイズ,色,材料等を表わすデータがあるので,ユニットの画像を組み立て家具表示領域B2に表示することができる。家具設計支援プログラムとは別のプログラム(たとえば,CADソフト)によって,家具の画像を組み立て家具表示領域B2に表示するようにしてもよい。
また,組み立て家具表示領域B2にユニットが表示されると,ユニット番号テーブル(第15図),ユニット配置テーブル(第16図)および仕切(セル)情報テーブル(第17図)において,「ユニット番号」の欄にユニット番号のうちの枝番(−01)が採番されて格納される。
ユニット番号テーブル(第15図)のユニット番号「−01」についての「ユニット/パーツ定義番号」の欄および「ユニット/パーツ定義名称」の欄には,組み立て家具表示領域B2に表示されたユニットについての「ユニット/パーツ定義番号」(001)および「ユニット/パーツ定義名称」(ユニット1)(ユニット/パーツ定義テーブル(第18図)に格納されている)が,それぞれ格納される。ユニット番号テーブル(第15図)の「セル数」の欄には初期値として1の数字が格納される。
ユニット配置テーブル(第16図)のユニット番号「−01」についての「全体サイズ」の欄,「部位1(天板)のサイズ」の欄等にも,それぞれユニット/パーツ定義テーブル(第18図)のものと同じデータが格納される。セル200についてのセルID「00」が決定されて,「セルID」の欄に格納される。
組み立て家具表示領域B2に最初に表示されるユニット210の前方左下隅の点が,原点((x,y,z)=(0,0,0))とされる。ユニット配置テーブル(第16図)のユニット番号「−01」についての「基準点」の欄に,3次元座標(0,0,0)が格納される。
仕切(セル)情報テーブル(第17図)には,セル200に関してのセルID「00」が「セルID」の欄に格納される。「基準点」の欄には,ユニット210の前方左下隅の点(原点)を基準に,ユニット210の地板および左側板の板の厚さにもとづいて算出されたセル200の前方左下隅の点の3次元座標(30,0,30)が格納される。「サイズ(cW,cD,cH)」の欄にはセル200について先に算出され,メモリ18に一時的に格納されているセル(セルID「00」)の幅,奥行き,高さのそれぞれの寸法(cW,cD,cH)=(940,610,390)が格納される(再度セルの寸法を算出するようにしてもよい。)。
完成家具に複数のユニットを含ませる場合には,オペレータによってユニット/パーツ表示領域B1に表示されているユニットの画像の中から再びユニットの画像がクリックされる(ステップ69)。たとえば,ユニット/パーツ表示領域B1に表示されているユニット1の画像が再びクリックされ,その後,「選択ロード」ボタンがクリックされる(ステップ63)。組み立て家具表示領域B2には既に1つのユニットが表示されているので,ステップ64でYESとなる。第47図に示すように,配置指定ウインドウW7が表示画面に表示される(ステップ66)。
配置指定ウインドウW7は,2つのユニットの相互の位置(配置)関係を指定するためのウインドウである。
配置指定ウインドウW7では,既に組み立て家具表示領域B2に表示されているユニット(ユニット1)(「表示ユニット」という)と,新たに選択されたユニット(ユニット1)(「選択ユニット」という)との配置関係について,「取付面指定」と「位置合わせ」を入力することができる(ステップ67)。
第47図に示すように,「取付面指定」では,たとえば,選択ユニットの上面と表示ユニットの下面とを接合させる場合には,選択ユニットについて「上面」,表示ユニットについて「下面」がチェックされて,OKボタンがクリックされる。すると,選択ユニットの上面に,表示ユニットの下面が接合された状態の2つのユニットが,組み立てメイン・ウインドウW5の組み立て家具表示領域B2に表示される(ステップ68)。一般に2つのユニットを上下に配置する場合には,取付面指定として上面,下面が用いられ,2つのユニットを左右に配置する場合には取付面指定として左面,右面が用いられる。
「位置合わせ」では,選択ユニットの表示ユニットに対する取付位置を指定する。たとえば,2つのユニットを上下に配置し,かつ2つのユニットを正面から見た場合において,表示ユニットの左端と,選択ユニットの左端とを位置合わせする(同じ位置にする)場合には,「左端」をチェックしてOKボタンを押す。左面が面一となるように位置合わせされた2つのユニット(表示ユニットと選択ユニット)が,組み立て家具表示領域B2に表示される。一般に,2つのユニットが上下に配置された場合には左右の位置合わせが行なわれ,2つのユニットが左右に配置された場合には高さについての位置合わせが行なわれる。
「一体接合する」がチェックされてOKボタンがクリックされると,取付面同士が一つの板で構成された状態となる(一方の取付面が消去され,かつ取付面に直交する板が連続した板とされる)。たとえば,表示ユニットの下面と選択ユニットの上面を取付面として指定し,かつ「一体接合する」をチェックして,OKボタンをクリックする。組み立て家具表示領域B2には選択ユニットの上面の板(天板)が消去され,かつ表示ユニットと選択ユニットの側板が連続した側板として表示され,1つのユニットのように表示される(ステップ68)。
「オフセット寸法」は,たとえばユニットの内部に引出しがあり,かつユニットの前面に扉を取付ける場合に入力される。扉をユニットの前面に丁番を用いて取付ける場合(丁番がユニット内部に設けられる場合)には,扉の中に納められた引出しを前面に引き出すことを可能にするために,一定のスペース(引出しを前面に引き出すときに,引出しが丁番につかえて前面に引き出せないようになることを防ぐために設けられる空間)が必要とされる。このスペースを表わすデータがオフセット寸法である。
第50図は,オフセット寸法を持つ家具の例の一部を示す破断斜視図である。
ユニット内にオフセットを確保して引出しを設けるために,引出しを受ける仕切板を取付けるために内側板が設けられる(内側板はパーツとして位置付ける必要はなく,最終的に得られる設計図面に現れていればよい)。オフセットには,内側板の外面とユニットの側板の内面との間の間隙を示す左右方向オフセット,内側板の前端面(または引出しの前面)とユニットの前面との間の間隙を示す奥行方向オフセット,最上段の引出しの上端面とユニットの天板の下面との間の間隙を示す上下方向オフセットがある。
上述の例では,一項目ごとにOKボタンを押しているが,取付面指定,位置合わせ,一体接合するおよびオフセット寸法を入力した後に,OKボタンをクリックしてもよい。OKボタンをクリックすると配置指定ウインドウW7は消える。なお,第42図に示す組み立てメイン・ウインドウW5の組み立て家具表示領域B2に2つ以上のユニットが表示されている状態において,いずれかのユニットをクリックして選択し,その後「配置指定」ボタンをクリックしても,この配置指定ウインドウW7が表示画面上に現れる。
第44図(B)には,ユニット210の地板と,ユニット260の天板とが一体接合されて一つのユニットとなったものが表示されている。ユニット260内のセルを符号250で示す。
ユニット番号テーブル(第15図),ユニット配置テーブル(第16図)および仕切(セル)情報テーブル(第17図)において,「ユニット番号」の欄にユニット番号のうちの枝番(−02)が採番されて格納される。
ユニット番号テーブル(第15図)のユニット番号「−02」についての「ユニット/パーツ定義番号」の欄および「ユニット/パーツ定義名称」の欄には,ユニット/パーツ定義テーブル(第18図)が参照されて,「001」,「ユニット1」がそれぞれ格納される。また,ユニット番号テーブル(第15図)のユニット番号「−02」についての「セル数」の欄には初期値として1がセットされる。
ユニット配置テーブル(第16図)のユニット番号「−02」についての「全体サイズ」の欄,「部位1(天板)のサイズ」の欄等にも,それぞれユニット/パーツ定義テーブル(第18図)が参照されてデータが格納される。セル250についてのセルID「00」が決定されて「セルID」の欄に格納される。
ユニット210の前方左下隅の点(原点)を基準にして,ユニット260の前方左下隅の点の3次元座標が算出される。算出された3次元座標がユニット配置テーブル(第16図)のユニット番号「−02」についての「基準点」の欄に格納される。また,ユニット配置テーブル(第16図)において,上側のユニット210(枝番「−01」)に関しての「配置情報」の欄には「下面に枝番−02のユニットを一体接合」する旨のデータが格納され,ユニット260(枝番「−02」)に関しての「配置情報」の欄には「上面に枝番−01のユニットを一体接合」する旨のデータが格納される。
仕切(セル)情報テーブル(第17図)には,セル250に関してのセルID「00」が「セルID」の欄に格納される。「基準点」の欄には,セル250の前方左下隅の点の座標が格納される。「サイズ」の欄にはセル250について先に算出され,メモリ18に一時的に格納されているセルの幅,奥行き,高さのそれぞれの寸法(cW,cD,cH)が格納される。
ユニットによってつくられたセル内に仕切板を設けることによって,そのセルを複数のより小さいセルに分割することができる。
組立て家具表示領域B2に第44図(B)に示すユニットが表示されている状態において,セル200をマウス13を用いてクリックして選択し,その後,ユニット/パーツ表示領域B1において仕切板の画像(図示略)をクリックして選択し,「仕切定義」ボタンを押す(第28図,ステップ70)。第48図に示すように,表示画面には仕切定義ウインドウW6が表示される(第29図,ステップ81)(ここでは固定式の仕切板が選択されたものとする)。
仕切定義ウインドウW6(第48図)には,「縦仕切板による分割数」,「横仕切板による分割数」および「分割後寸法指定」を入力するための3つの数値入力ボックスW6a,W6b,W6cが含まれている。
「縦仕切板による分割数」の数値入力ボックスW6aには,縦方向に設けられる仕切板によって,選択したセル内にいくつの空間(セル)を形成するかを示す数字を入力する。
「横仕切板による分割数」の数値入力ボックスW6bには,横方向に設けられる仕切板によって,選択したセル内にいくつの空間(セル)を形成するかを示す数字を入力する。
縦仕切板による分割数または横仕切板による分割数に数値を入力して(ステップ82),「OK」ボタンをクリックすると(ステップ83でOK),入力された数のセルを含むように仕切板が設けられたユニットが,組み立て家具表示領域B2に表示される(ステップ84)。OKボタンが押されると仕切定義ウインドウW6は消える。
セル200が選択されて,その後「仕切定義」ボタンがクリックされると現れる仕切定義ウインドウW6において,横仕切板による分割数に「3」を入力したときに組み立て家具表示領域B2に表示される画面が,第44図(C)に示されている。3つのセル201,202および203がつくられている。セル200が「親セル」となり,セル201,202および203は,親セル200の子セルとなる。「分割後寸法指定」を入力していないので,親セルは等しい高さの3つのセルに分割される(分割後寸法指定については後述する)。
ユニット番号テーブル(第15図)のユニット番号「−01」についての「セル数」の欄に初期値として格納されていた「1」の数字が「4」に更新される。
ユニット配置テーブル(第16図)のユニット番号「−01」についての「パーツ数」の欄には,ユニット番号「−01」のユニットに取付けられたパーツ(ここでは仕切板)の数を表す「2」の数字が格納される。
仕切(セル)情報テーブル(第17図)には,セル201,202および203を特定する番号「01」,「02」および「03」が採番されて「セルID」の欄にそれぞれ格納される。「基準点」の欄には,ユニット210の前方左下隅の点(原点)を基準に,セル201,202,203の前方左下隅の点の3次元座標が算出されて格納される。「サイズ」の欄にはセル201,202,および203の幅,奥行き,高さのそれぞれの寸法が算出されて格納される。セル200(セルID「00」)についての横仕切数の欄には,セル200に横方向に2枚の仕切板が取付けられたことを表す「2」の数字が格納される。セルID「01」,「02」および「03」についての「親セルのID」には「00」が格納される。「親セル内の縦位置」の欄にはセルID「01」,「02」および「03」の親セル(セルID「00」)における縦方向の並び順(下から何番目であるか)を表す数字が格納される。セルID「01」,「02」および「03」についての「分割レベル」欄には,1回目の分割であることを表す「1」の数字が格納される。
仕切板配置テーブル(第23図)には,新たに設けられた2枚の仕切板のそれぞれについてのデータが追加される。2枚の仕切板のそれぞれにパーツ番号が採番されて「パーツ番号」の欄に格納される。また,「ユニット番号」の欄には仕切板が取り付けられたユニットを特定するユニット番号の枝番「−01」が,「セルID」の欄には仕切板が取り付けられたセルのセルID「00」が,「ユニット/パーツ定義番号」,「ユニット/パーツ定義名称」,「仕上げ色」,「材料」,「固定/可動」の欄にはセル200内に取り付けられた仕切板についてのデータがユニット/パーツ定義テーブル(第18図)が参照されて格納される。「基準点」の欄には仕切板の前方左下隅の点の3次元座標が格納され,「サイズ」の欄には仕切板の幅方向の長さおよび奥行き方向の長さが算出されて格納され,仕切板の厚さが格納される。仕切板の厚さは,ユニットの寸法にもとづいて家具設計支援プログラムによって決定される。もちろん,固定値(あらかじめ定義された厚さ)または指定値であってもよい。
セル201,202および203のいずれか1つまたは2つ以上についても,さらに横仕切板または縦仕切板を設けることが可能である。第44図(D)はセル203を選択し,その後「仕切定義」ボタンをクリックすると表れる仕切定義ウインドウW6(第48図)において,縦仕切板による分割数に「3」を入力したときに組み立て家具表示領域B2に表示される画像が示されている。セル203が2枚の縦方向の仕切板によって仕切られることによって分割され,セル205,206および207がつくられている。セル205,206および207は親セル203の子セルになる。セル205,206および207のそれぞれの幅は等しい。
ユニット番号テーブル(第15図)のユニット番号「−01」についての「セル数」の欄に格納されていた「4」の数字が「7」に更新される。
ユニット配置テーブル(第16図)のユニット番号「−01」についての「パーツ数」の欄には,ユニット番号「−01」のユニットに取付けられたパーツの数を表す数字が「4」に更新される。
仕切(セル)情報テーブル(第17図)には,セル205,206および207を特定するセルID「04」,「05」および「06」が採番されて「セルID」の欄にそれぞれ格納される。「基準点」の欄には,セル205,206,207の前方左下隅の点の3次元座標が算出されて格納される。「サイズ」の欄にはセル205,206,および207の幅,奥行き,高さのそれぞれの寸法が算出されて格納される。セル203(セルID「03」)についての「縦仕切数」の欄には,セル203に縦方向に2枚の仕切板が取付けられたことを表す「2」の数字が格納される。セルID「04」,「05」および「06」についての「親セルのID」には「03」が格納される。「親セル内の縦位置」の欄にはセルID「04」,「05」および「06」の親セル(セルID「03」)における横方向の並び順(左から何番目であるか)を表す数字がそれぞれ格納される。セルID「04」,「05」および「06」についての「分割レベル」欄には,2回目の分割であることを表す「2」の数字がそれぞれ格納される。
仕切板配置テーブル(第23図)には,新たに設けられた2枚の仕切板のそれぞれについてのデータが格納される。2枚の仕切板のそれぞれにパーツ番号が採番されて「パーツ番号」の欄に格納される。「ユニット番号」の欄には仕切板が取り付けられたユニットを特定するユニット番号の枝番「−01」が,「セルID」の欄には仕切板が取り付けられたセルのセルID「00」が,「ユニット/パーツ定義番号」,「ユニット/パーツ定義名称」,「仕上げ色」,「材料」,「固定/可動」の欄にはセル203内に取り付けられた仕切板についてのデータが,ユニット/パーツ定義テーブル(第18図)が参照されて格納される。「基準点」の欄には仕切板の前方左下隅の点の3次元座標が格納され,「サイズ」の欄には仕切板の奥行き方向および高さ方向の長さが算出されて格納され,仕切板の厚さが格納される。
縦仕切板による分割数または横仕切板による分割数に数値を入力することによってつくられたセル(子セル)のいずれかが選択され,その後「仕切定義」ボタンがクリックされると現れる仕切定義ウインドウW6(第48図)において,「分割後寸法指定」の数値入力ボックスW6cにセルの幅寸法または高さ寸法(幅寸法と高さ寸法の両方でもよい)を入力する。すると,選択されたセルの幅寸法と高さ寸法が「分割後寸法指定」の数値入力ボックスW6bに入力された寸法に変更されて,組み立て家具表示領域B2に表示される(寸法変更後の表示は図示略)。
セルの幅寸法または高さ寸法が変更されると,仕切(セル)情報テーブル(第17図)において,幅寸法および高さ寸法が変更されたセルに関する「基準点」の欄のデータが,組み立て家具表示領域B2に表示されているサイズ変更後のセルの基準点(前方左下隅の点の3次元座標)に更新され,「サイズ」の欄のデータが変更後のセルの幅,奥行き,高さの寸法を表すデータに変更される。
また,幅寸法または高さ寸法が変更されたセルに隣接するセルの幅寸法または高さ寸法も自動的に変更される。たとえば,セル201の高さ寸法を大きくするようにサイズ変更すると,セル201に隣接するセル202の高さ寸法が,セル201の高さが高くなった分だけ縮められる。セル202の高さ寸法を大きくするようにサイズ変更すると,その増加分を2等分した高さ(上下方向の長さ)分 だけ,セル202に隣接するセル201の高さ寸法と,セル205,206および207の高さ寸法のそれぞれが縮められる。隣接するセルに関する「基準点」の欄のデータおよび「サイズ」の欄のデータもサイズ変更後のセルの基準点,サイズを表すデータに変更される。また,セルの幅寸法または高さ寸法を変更すると仕切板の配置位置も変更されるので,仕切板配置テーブル(第23図)の「基準点」の欄のデータも,変更後の仕切板の配置位置を表すデータに更新される。
第45図(A)はセル201,202,205,206および207のそれぞれに,オーバーセット式引出しを納めた状態を示している。引出しの組立ては次のようにして行われる。
組み立てメイン・ウインドウW5(第42図,第43図)のユニット/パーツ表示領域B1の中にある「ひきだし1」を表す画像を選択し(第28図,ステップ69),その後,組み立て家具表示領域B2においてセル201,202,205,206および207を含む矩形領域をマウス13を用いて範囲指定し,「選択ロード」ボタンをクリックする(ステップ63)。すると,第49図に示すように,配置指定ウインドウW8が表示される(ステップ66)。
配置指定ウインドウW8は,選択されたパーツが「引出し」などのインセットまたはオーバーセットの区別があるパーツの場合や取付位置を決定可能なパーツの場合に,インセットまたはオーバーセットのいずれにするかを指定するものである。
「オーバーセット」が選択され,OKボタンがクリックされると(ステップ67),セル201,202,205,206および207のそれぞれに,オーバーセット式引出しが納められた画像が,組み立て家具表示領域B2に表示される(ステップ68,第45図(A))。
ユニット配置テーブル(第16図)のユニット番号「−01」についての「パーツ数」の欄には,ユニット番号「−01」のユニットに取付けられたパーツの数を表す数字が「9」に更新される。
仕切(セル)情報テーブル(第17図)において,セル201(セルID「01」),202(セルID「02」),205(セルID「04」),206(セルID「05」)および207(セルID「06」)についての「配置パーツ定義名称」欄に,それぞれ「ひきだし1」が格納される。
引出し配置テーブル(第19図)には,新たに設けられた5つの引出しのそれぞれについてのデータが追加される。5つの引出しそれぞれにパーツ番号が採番されて「パーツ番号」の欄に格納される。また,「ユニット番号」の欄には引出しが取り付けられたユニットを特定するユニット番号の枝番「−01」が,「セルID」の欄には引出しが取り付けられたセルのそれぞれのセルIDが,「ユニット/パーツ定義番号」,「ユニット/パーツ定義名称」,「仕上げ色(前板)」,「材料(前板)」,「仕上げ色(前板以外)」,「材料(前板以外)」の欄には,引出し(ひきだし1)についてのデータが,ユニット/パーツ定義テーブル(第18図)が参照されて格納される。「基準点」の欄には引出しの前方左下隅の点の3次元座標がそれぞれ格納される。「サイズ」の欄には引出しの幅,奥行き,高さの寸法がそれぞれ格納される。セル201および202に設けられた2つの引出しの寸法はそれぞれほぼ等しく,セル205,206および207に設けられた3つの引出しの寸法もそれぞれほぼ等しい。「セット方法」の欄には,指定されたセット方法がオーバーセットである旨を表すデータが格納される。
もちろん,セルを1つずつ選択して,1つのセルごとに引出しを設けるようにすることもできる。
組み立て家具表示ウインドウW5において,ユニット/パーツ表示領域B1の中からヒキテ1を選択し(第28図,ステップ69),組み立て家具表示領域B2においてセル201,202,205,206および207を含む矩形領域(引出しが納められた範囲)をマウス13を用いて範囲指定する。その後,「選択ロード」ボタンをクリックした場合(ステップ63)にも,配置指定ウインドウW8(第49図)が表示される(ステップ66)。ここで表示される配置指定ウインドウW8は,引き手に関して配置位置を指定するためのものとなる。範囲指定によって選択された部分のどのような位置(高さ方向および左右方向のそれぞれについて,標準,上端,下端または中央のいずれか)に,選択したパーツを配置するかを入力する。
取付け位置を,高さにおいて「中央」,左右において「中央」としてOKボタンをクリックすると(ステップ67),第45図(B)に示すように,5つの引出しのそれぞれのほぼ中央に,引き手が取り付けられた画像が組み立て家具表示領域B2に表示される(ステップ68)。
ユニット配置テーブル(第16図)のユニット番号「−01」についての「パーツ数」の欄には,ユニット番号「−01」のユニットに取付けられたパーツの数を表す数字が「14」に更新される。
引出し配置テーブル(第19図)の「パーツ数」には,引出しのそれぞれに取り付けられたパーツ(引き手)の数を表す「1」の数字がそれぞれ格納される。
引き手配置テーブル(第21図)には,新たに設けられた5つの引き手のそれぞれについてのデータが追加される。5つの引き手のそれぞれにパーツ番号が採番されて「パーツ番号」の欄に格納される。「ユニット番号」の欄には引き手が取り付けられたユニットを特定するユニット番号の枝番「−01」が,「親パーツ番号」の欄には引き手が取り付けられたパーツ(引出し)のパーツ番号が,「セルID」の欄には引き手が取り付けられたセルのそれぞれのセルIDが,「ユニット/パーツ定義番号」,「ユニット/パーツ定義名称」,「仕上げ色」,「材料」の欄には,引き手(ヒキテ1)についてのデータが,ユニット/パーツ定義テーブル(第18図)が参照されて格納される。「配置情報」の欄には引出しの中央に配置されている旨を表すデータが,「基準点」の欄には引き手の前方左下隅の点の3次元座標がそれぞれ格納される。「サイズ」の欄には引き手の幅,奥行き,高さの寸法がそれぞれ格納される。
第45図(C)は,下側のユニット260のセル250に3枚の横仕切板が設けられて,セル250が4つのセル251,252,253および254に分割された状態を示している。第45図(D)は4つのセル251,252,253および254に,それぞれインセット式引出しが納められ,さらに引出しのそれぞれに引き手が取り付けられた状態を示している。第45図(C)に示す画像を組み立て家具表示領域B2に表示させるための処理は,上述した第44図(C)に示す画像を組み立て家具表示領域B2に表示させるための処理と同様の処理となる。第45図(D)に示す画像を組み立て家具表示領域B2に表示させるための処理は,第45図(A),第45図(B)に示す画像を組み立て家具表示領域B2に表示させるための処理と同様の処理となる。インセット式引出しを組立てる場合には,配置指定ウインドウW8(第49図)において取付方法を「インセット」にすればよい。
下側のユニット260内のセル250の部分に扉が取付けられ,その扉に引き手が取付けられ,さらにユニット260の底面にキャスタが取付けられた状態の画像が,第46図に示されている。組み立てメイン・ウインドウW5のユニット/パーツ表示領域B1の中にある「トビラ1」を表す画像を選択し(ステップ69),その後,組み立て家具表示領域B2においてセル250を含む矩形領域を範囲指定し,「選択ロード」ボタンをクリックする(ステップ63)。配置指定ウインドウW8においてオーバーセットが選択されると(ステップ67),オーバーセットの取付方法で扉が取付けられた画像が組み立て家具表示領域B2に表示される(ステップ68)。さらに,ユニット/パーツ表示領域B1の中からヒキテ1を選択し(ステップ69),組み立て家具表示領域B2においてセル250を含む矩形領域(扉が取り付けられた範囲)を範囲指定し,その後,「選択ロード」ボタンをクリックすると表示される配置指定ウインドウW8において,取付位置を高さについて「標準」,左右について「標準」とする(ステップ67)。扉の開閉部分の近傍で,かつ扉の高さ方向のほぼ中央の部分に引き手が取り付けられた画像が,組み立て家具表示領域B2に表示される(ステップ68)。組み立てメイン・ウインドウW5のユニット/パーツ表示領域B1の中にある「キャスタ」を表す画像(図示略)を選択し(ステップ69),その後,組み立て家具表示領域B2においてユニット260を選択し,「選択ロード」ボタンをクリックする(ステップ63)。配置指定ウインドウW8において,高さについて「標準」,左右について「標準」を選択すると(ステップ67),ユニット260の底面の4つの隅にキャスタが取付けられた画像が,組み立て家具表示領域B2に表示される(ステップ68)。
上述のユニット210(セル200)への仕切板,引出しおよび引き手の取り付けの場合と同じように,ユニット番号テーブル(第15図),ユニット配置テーブル(第16図),仕切(セル)情報テーブル(第17図),引出し配置テーブル(第19図)および引き手配置テーブル(第21図)には,ユニット260(セル250)に仕切板,引出しおよび引き手が設けられるにしたがって,順次データが格納される。
扉配置テーブル(第20図)には,ユニット260内のセル250に取り付けられた扉についてのデータが格納される。扉についてのパーツ番号が採番されて「パーツ番号」の欄に格納される。「ユニット番号」の欄には扉が取り付けられたユニットを特定するユニット番号の枝番「−02」が,「セルID」の欄には扉が取り付けられたセル250のセルID「00」が,「ユニット/パーツ定義番号」,「ユニット/パーツ定義名称」,「仕上げ色」,「材料」の欄には,扉(トビラ1)についてのユニット/パーツ定義テーブル(第18図)が参照されて格納される。「基準点」の欄には扉の前方左下隅の点の3次元座標が格納される。「サイズ」の欄には扉の幅,奥行き,高さの寸法がそれぞれ格納される。「セット方法」にはインセットの扉が取り付けられた旨を表すデータが,「パーツ数」には扉に取り付けられたパーツ(引き手)の数が格納される。
脚配置テーブル(第22図)には,ユニット260の底面に取り付けられた脚(キャスタ)についてのデータが格納される。キャスタについてのパーツ番号が採番されて「パーツ番号」の欄に格納される。「ユニット番号」の欄にはキャスタが取り付けられたユニットを特定するユニット番号の枝番「−02」が,「ユニット/パーツ定義番号」,「ユニット/パーツ定義名称」,「仕上げ色」欄には,キャスタについてのデータが,ユニット/パーツ定義テーブル(第18図)が参照されて格納される。「基準点」の欄にはユニットの前方左側に位置する脚とユニットの底面との接合部分の中心の3次元座標が格納される。「サイズ」の欄にはキャスタの幅,奥行き,高さの寸法がそれぞれ格納される。
このようにして,組み立て家具表示ウインドウW5の組み立て家具表示領域B2に表示される画像が順次変更されていくにしたがって,HDに記憶されている各種テーブルに格納されているデータ(家具設計データ)が順次更新される。
組み立て家具表示ウインドウW5において「色調変更」ボタンがクリックされると(ステップ72),色調変更ウインドウが表示される(第30図,ステップ91)(色調変更ウインドウは図示略)。色調変更ウインドウでは組み立て家具表示領域B2に表示されているユニットまたはパーツの仕上げ色(塗装色)(模様を含む),木材等の種類(木目を含む)を変更することができる。仕上げ色または木材等の種類の変更を希望するユニットの部分(天板,地板,左側板または右側板)またはパーツ(またはその部分)を組み立て家具表示領域B2においてクリックして指定し,その後,変更しようとする色,木材の種類を指定して(ステップ92),OKボタンをクリックする(ステップ93で「OK」)。指定された色または木材等をもつユニットまたはパーツが,組み立て家具表示領域B2に表示され,家具設計データ25が変更される(ステップ94)。
たとえば,ユニット「−01」の天板の仕上げ色が変更されると,ユニット配置テーブル(第16図)の部位1(天板)の仕上げ色の欄のデータが,変更された仕上げ色を表すデータに更新される。
ユニットを構成する木材の種類が変更される場合には,ユニットを構成する板の厚さが再度算出されよう。変更後の木材の種類に応じた板の厚さが再決定される(第27図参照)。
組み立て家具表示ウインドウW5において「家具保存」ボタンがクリックされると(ステップ73),第51図に示すように,組み立て家具表示領域B2に表示されている家具が完成家具表示領域B3に縮小されて表示される(ステップ74)。
完成家具テーブル(第15図)の「家具番号」の欄には,組み立て家具表示領域B2に表示されている家具について番号(「1113」)が採番されて格納される。家具番号は,ユニット配置テーブル(第16図),仕切(セル)情報テーブル(第17図)等の「ユニット番号」の欄にも格納される 。
組み立てメイン・ウインドウW5において,仕切定義(ステップ70),配置指定(ステップ71),色調変更(ステップ72)および家具保存(ステップ73)は,どの順番にやってもよい。たとえば,色調変更(ステップ72)によりユニットの天板の色を変更した後に,仕切定義(ステップ70)をすることもできるし,家具保存(ステップ73)で家具の設計データを保存した後に,色調変更(ステップ72)することもできる。
家具保存(ステップ73)の後に,仕切定義,配置指定または色調変更を行った場合には,仕切定義,配置指定または色調変更を行う前の完成家具と,行った後の完成家具の画像がそれぞれ完成家具表示領域B3に表示される。
「終了」ボタンがクリックされると(ステップ75),組み立て処理が終了する。表示装置11の表示画面には,再びメイン・メニュー・ウインドウW1が表示される(ステップ31)。
このようにして,相互にリンクした各種のテーブルには家具設計データが格納されて,顧客の希望する構造等をもつ家具の概略の設計が終了する。この後,必要ならば,この概略の設計を修正していくことになる。
3.4 図面表示/印刷処理
図面表示/印刷処理は,組み立て処理(ステップ34)においてHDの各種データ・テーブルに格納されたデータにもとづいて,完成家具の外観等を表示装置の表示画面上に表示し,または完成家具の設計図面等をプリンタ17を用いて印刷して出力するものである。
第31図〜第36図は図面表示/印刷処理の処理手順を示すフローチャートである。ここでは第52図〜第59図に示す表示画面(ウインドウ)を参照する。
メイン・メニュー・ウインドウW1において「図面表示/印刷」ボタンがクリックされると(ステップ35),第52図に示すように,完成家具表示ウインドウW11が表示される(ステップ101)。
完成家具表示ウインドウW11(第52図)は,完成家具表示領域C1および完成家具図面表示領域C2を含んでいる。また「家具選択」,「図面選択」,「寸法変更」,「写真表示」,「印刷」および「終了」ボタンが設けられている。
完成家具表示領域C1には,上述の組み立て処理によって組み立てられた完成家具の画像が表示される。組み立て処理によって組み立てられた完成家具が複数ある場合には,そのそれぞれについての家具設計データが上述の各種のデータ・テーブルに格納されている。すなわち,データ・テーブルに,複数の完成家具についての家具設計データが格納されている場合には,完成家具表示領域C1には,それらの家具設計データによって表される複数の完成家具の画像がそれぞれ表示される。一方,初期状態において,完成家具図面表示領域C2には何も表示されない。
完成家具表示領域C1に表示されている完成家具の画像の中から,設計図面を印刷すべき完成家具の画像をクリックして選択し(ステップ102),その後,「家具選択」ボタンをクリックする(ステップ103)。選択された完成家具の正面図が完成家具図面表示領域C2に表示される(ステップ104,第53図)。
「図面選択」ボタンがクリックされると(ステップ106),第54図に示すように,表示図面選択ウインドウW12が表示される(第32図,ステップ111)。
表示画面選択ウインドウW12(第54図)は,完成家具表示ウインドウW11に,図面(「正面図」,「平面図」,「背面図」,「側面図」,「セル図」,「正面詳細図」のいずれか),部材表,木取り図または見積書のいずれを表示するかを選択するために用いられる。
「正面図」,「平面図」,「背面図」,「側面図」,「セル図」,「正面詳細図」,「部材表」,「木取り図」および「見積書」のいずれかについて,対応する円形の入力ボックスをクリックする(ステップ112)。チェックされた円形の入力ボックスの色が変わる。
「正面図」,「平面図」,「背面図」,「側面図」または「セル図」のいずれかがクリックされてOKボタンがクリックされると(ステップ113でOK),クリックされた図面が,完成家具が完成家具表示ウインドウW11の完成家具図面表示領域C2に表示される(ステップ114)。
ユニット配置テーブル(第16図)には,完成家具に含まれるユニットについて,ユニットの前方左下隅の位置情報(基準点(x,y,z))が格納され,かつユニットの寸法(uW,uD,uH)」が格納されている。仕切(セル)情報テーブル(第17図),引出し配置テーブル(第19図)等のパーツについてのデータ・テーブルには,各パーツの位置情報(基準点)が格納され,かつ各パーツのサイズのデータが格納されている。
家具設計支援プログラムは,たとえば,上述のユニットおよびパーツに関するデータ・テーブルに格納される「基準点」のデータおよび「サイズ」のデータにもとづいて,完成家具の3次元図形データ(頂点,辺,面の座標やこれらの相互関係を表すデータ)を生成して,表示装置11の表示画面上に2次元画像を表示するレンダリング処理を行う。レンダリング処理によって,3次元図形データにもとづいて,2次元画像において3次元のものがどのような形で見えるかが計算(座標変換)され,その後,隠れて見えない部分の線および面が消去(隠線消去,隠面消去)されて,表示装置11の表示画面上に2次元画像を表示する画像データが生成される。
「正面図」が選択されると(ステップ112),家具設計支援プログラムは,完成家具の正面図を,完成家具図面表示領域C2に表示する(ステップ114)。同様に,「平面図」,「背面図」,「側面図」が選択されると(ステップ112),家具設計支援プログラムは,完成家具の平面図,背面図,右側面図を,完成家具図面表示領域C2に表示する。もっとも,レンダリング処理を行うまでもなく,家具設計データにもとづいて,完成家具の正面図,平面図,背面図,側面図を表示することもできる(第11図,第12図参照)。
「セル図」が選択されると(ステップ112),家具設計支援プログラムは,完成家具から引出しや扉などの仕切板を除くパーツを取り除いた状態の家具(ユニットと仕切板が残ることになる)の正面図を,完成家具図面表示領域C2に表示する。
「正面詳細図」が選択されると(ステップ112),家具設計支援プログラムは,完成家具の正面図(または斜視図)に陰影(シェーディング)を加えた画像を,完成家具図面表示領域C2に表示する。
「部材表」が選択されると,家具設計支援プログラムは,完成家具に用いられているの材料(ユニットに用いられる木材の種類,パーツに用いられる木材の種類等)を完成家具図面表示領域C2に表示する。
「木取り図」が選択されると,家具設計支援プログラムは,完成家具を構成するユニットや引出しなどの製作に必要とされる木材の大きさ(寸法)を算出し,ユニットや引出しなどを構成する天板や側板等を,効率よく(無駄がないように)1枚(または複数枚)の板から切出すための切出し図(木取り図)を,完成家具図面表示領域C2に表示する。
「見積書」が選択されると,家具設計支援プログラムは,完成家具に用いられる木材の種類,構造,大きさ,塗装(仕上げ色)の有無,パーツの値段などにもとづいて,完成家具の製作に必要な経費を算出し,算出された経費が記載された見積書を完成家具図面表示領域C2に表示する。
ユニットおよび仕切板の経費の算出には,基本情報テーブル(第10図)に格納された材料(木材の種類)ごとの単位面積あたりの単価のデータ(第10図において,単価データは図示を省略している)と,ユニット配置テーブル(第16図)に格納された完成家具に含まれるユニットの寸法および材料のデータならびに仕切板配置テーブル(第23図)に格納された仕切板の寸法および材料のデータとが用いられる。ユニットおよび仕切板に用いられる板の面積が材料ごとに算出され,その算出された材料の板の面積に,材料ごとの単位面積あたりの単価が乗算されて,ユニットおよび仕切板の経費が算出される。
基本情報テーブル(第10図)には引出し,扉,脚,引き手等のパーツのそれぞれの単価のデータも格納されている(第10図において図示略)。完成家具に用いられているそれぞれのパーツの数量に単価データを乗算することによって,各パーツに必要な経費が概算される。
見積書には,このようにして算出されたユニット,仕切板およびパーツごとの必要経費が示され,完成家具の全体の必要経費(ユニットおよびパーツの必要経費を足し合わせた値段)が示される。
「寸法変更」ボタンがクリックされると(ステップ107),第55図に示すように,ユニット寸法変更ウインドウW13が表示される(第33図,ステップ121)。ユニット寸法変更ウインドウW13(第55図)は,完成家具の全体の幅,奥行き,高さ,または完成家具に含まれるユニットの幅,奥行き,高さを変更するためのウインドウである。
ユニット寸法変更ウインドウW13は,完成家具表示領域D1,寸法変更表示領域D2および変更サイズ入力領域D3を含んでいる。
ユニット寸法変更ウインドウW13の寸法変更表示領域D2には,完成家具の正面図が表示される。
変更サイズ入力領域D3は変更サイズ入力ボックスを含んでいる。また変更サイズ入力領域D3には,「再表示」,「セル寸法変更」,「キャンセル」および「保存終了」ボタンが設けられている。
完成家具が複数のユニットを含んで構成されている場合には,ユニット単位で寸法を変更することができる。寸法変更表示領域D2に表示されている完成家具の下段のユニット(扉が設けられている部分)の高さ寸法を変更する例を説明する。
寸法変更表示領域D2おいて,完成家具の下段のユニットの部分がマウス13が用いられてクリックされると,変更サイズ入力ボックスには,完成家具の下段のユニットの幅,奥行きおよび高さ寸法が表示される。
変更サイズ入力ボックスにおいて,変更後の寸法をキーボード12を用いて入力する(ステップ122)。
「再表示」ボタンがクリックされると(ステップ123で「再表示」),寸法変更表示領域D2には,変更サイズ入力ボックスに入力された数値に対応する比率に寸法変更された完成家具の正面図が表示される(ステップ124,第56図)。
「保存終了」ボタンがクリックされると(ステップ123で「保存終了」),寸法変更ウインドウW13に代わって,完成家具表示ウインドウW11が表示される。完成家具表示ウインドウW11の完成家具図面表示領域C2には,寸法変更後の完成家具が表示される(ステップ125,図示略)。
「キャンセル」ボタンがクリックされると(ステップ123で「キャンセル」),変更前の寸法の完成家具が,完成家具表示ウインドウW11の完成家具図面表示領域C2に表示される。
完成家具(またはユニット)の寸法が変更されると,仕切板,セルの大きさ等が,完成家具(ユニット)の寸法の変更に伴って変更される。第55図に示す家具を第56図に示す家具に寸法変更する例では,完成家具の寸法変更に伴って,ユニット配置テーブル(第16図)の「全体サイズ」の欄,「部位3(左側板)のサイズ」および「部位4(右側板)のサイズ」の欄のデータが変更される。仕切(セル)情報テーブル(第17図)の「サイズ」の欄および「基準点」の欄のデータも変更される。仕切板配置テーブル(第23図)では仕切板の「基準点」のデータが変更される。もちろん,脚配置テーブル(第22図),引出し配置テーブル(第19図),扉配置テーブル(第20図),引き手配置テーブル(第21図)のそれぞれのテーブルにおいても,「基準点」および「サイズ」の欄のデータが寸法変更後の完成家具に対応するように変更される。
完成家具(またはユニット)の寸法を変更する場合には,ユニットを構成する板の厚さを,再度算出するようにしてもよい。変更後のユニットの寸法に応じた板の厚さが決定される。
ユニット寸法変更ウインドウW13(第55図,第56図)において「セル寸法変更」ボタンがクリックされると(ステップ126),セル寸法変更ウインドウW14(第57図)が表示装置11の表示画面に表示される(第34図,ステップ131)。セル寸法変更ウインドウW14(第57図)は,セル寸法変更表示領域E2およびセル変更サイズ入力領域E3を含んでいる。
セル寸法変更表示領域E2には,ユニットと仕切板のみが表された(引出し,扉等が取り除かれた)家具を表す画像が表示される。
セル寸法変更表示領域E2において,いずれかのセルがクリックされて選択されると,セル変更サイズ入力領域E3の数値入力ボックスには,選択されたセルの幅と高さを表す数値が表示される。数値入力ボックスに表示されている数値を書き換えるように,変更後のセルの幅または高さが数値入力ボックスに入力される(ステップ132)。「再表示」ボタンがクリックされると(ステップ133で「再表示」),選択されたセルが,入力された数値の幅または高さに変更されてセル寸法変更表示領域E2に表示される(ステップ134)。
「保存終了」ボタンがクリックされると(ステップ133で「保存終了」),セル寸法変更ウインドウW14に代わって完成家具表示ウインドウW11が表示される。寸法変更されたセルをもつ完成家具が完成家具図面表示領域C2に表示される(ステップ135)。
セルの幅寸法または高さ寸法が変更されると,仕切(セル)情報テーブル(第17図)において,幅寸法および高さ寸法が変更されたセルに関する「基準点」の欄のデータが,組み立て家具表示領域B2に表示されているサイズ変更後のセルの基準点(前方左下隅の点の3次元座標)に更新され,「サイズ」の欄のデータが変更後のセルの幅,奥行き,高さの寸法を表すデータに変更される。また,幅寸法または高さ寸法が変更されたセルに隣接するセルの幅寸法または高さ寸法も変更されるので,隣接するセルに関する「基準点」の欄のデータおよび「サイズ」の欄のデータもサイズ変更後のセルの基準点,サイズを表すデータに変更される。さらに,セルの幅寸法または高さ寸法を変更すると仕切板等の配置位置も変更されるので,仕切板配置テーブル(第23図)等の「基準点」の欄のデータも,変更後の仕切板等の配置位置を表すデータに更新される。
完成家具表示ウインドウW11(第52図)において「写真表示」ボタンがクリックされると(ステップ105),第58図に示すように,写真表示ウインドウW15が表示される(第35図,ステップ141)。
写真表示ウインドウW15(第58図)は,完成家具表示領域F1,写真拡大表示領域F2および写真表示領域F3を含んでいる。写真拡大表示領域F2は,「選択」ボタンと「終了」ボタンを含む。完成家具表示領域F1には,完成家具表示ウインドウW11(第52図)の完成家具表示領域C1と同じものが表示される。
家具設計支援システムのHDユニット16のHDには,現実の家具の外観を表す写真画像データがあらかじめ記憶されている。写真表示領域F3には,HDに記憶された写真画像データによって表される家具の写真画像が表示される。
写真表示領域F3に表示される家具の写真画像のいずれかがクリックされ(ステップ142),その後,写真拡大表示領域F2の「選択」ボタンがクリックされる(ステップ143で「選択」)。選択された家具の写真画像が,写真拡大表示領域F2に拡大されて表示される(ステップ144)。
写真拡大表示領域F2の「終了」ボタンがクリックされると(ステップ143で「終了」),写真表示ウインドウW14に代わって,完成家具表示ウインドウW11が表示される。
完成家具表示ウインドウW11(第52図)において「印刷」ボタンがクリックされると(ステップ109),第59図に示すように,印刷指定ウインドウW16が表示される(第36図,ステップ151)。
印刷指定ウインドウW16(第59図)において,図面,正面詳細図,部材表,木取り図,見積書の5つの項目のうち,印刷しようとする一または複数の項目がクリックされて選択され(ステップ152),その後「印刷」ボタンがクリックされる(ステップ153で「印刷」)。すると,指定した項目(図面等)がプリンタ17によって紙等に印刷されて出力される(ステップ154)。
たとえば,「図面」をクリックして「印刷」ボタンをクリックすると,プリンタ17から完成家具の設計図面が出力される(第11図,第12図参照)。
「プリンタ設定」ボタンは,出力すべきプリンタを設定する(選択する)場合にクリックされる。
「キャンセル」ボタンがクリックされると(ステップ153で「キャンセル」),印刷しようとする項目の選択に戻る(ステップ152)。
完成家具表示ウインドウW11において「終了」ボタンがクリックされると(ステップ110),図面表示/印刷処理が終了する。完成家具表示ウインドウW11に代わって,メイン・メニュー・ウインドウW1が表示される(ステップ31)。
4 家具設計支援システムにおける処理11(ウインドウを中心に)
家具設計支援システムにおいて表示装置11の表示画面に表示されるウインドウは,第37図〜第39図,第41図〜第49図,第51図〜第59図に示すものに限られるものではない。また,家具設計や家具設計データ(例えば寸法等)の変更などの流れも,上述した例に限定される訳ではない。第60図〜第82図は,表示装置11の表示画面に表示されるウインドウの他の例を示すものである。上述の家具設計システムにおける処理Iにおいて説明したフローチャート(第25図〜第36図)を適宜参照して,家具設計支援システムにおける処理の他の例を説明する。
第60図はメイン・メニュー・ウインドウW1(第37図)において,オペレータまたはユーザによって「ユニット/パーツの定義」ボタンがクリックされると表示画面に現れるユニット/パーツ選択ウインドウの他の例である(第25図のステップ32,ステップ33,第26図のステップ41に対応)。ユニット/パーツ選択ウインドウW21はユニット/パーツ表示領域a1を含み,「次へ」および「終了」ボタンを備えている。
ユニット/パーツ表示領域a1には,ユニット,ひきだし,扉,仕切板/棚板,脚,引き手および鍵の文字が表示されている。マウス13を用いてこれらのいずれかの文字部分がクリックされることによって,ユニットまたはパーツ(ひきだし,扉,仕切板/棚板,脚,引き手,鍵)のいずれかが選択される(ステップ42に対応)。選択されたユニットまたはパーツについて,寸法,材料,材質,塗装等の定義(定義データの作成;ユニット/パーツ定義テーブルへのデータ登録)が行われる。
「ひきだし」がクリックされ,その後に「次へ」ボタンがクリックされた場合(ステップ43で「次へ」に表示画面上に現れるウインドウ(ひきだし定義ウインドウW22)の例が,第61図に示されている。
ひきだし定義ウインドウW22は,種類選択領域a2,寸法定義領域a3,属性定義領域a4および定義済み一覧表示領域a5を含み,「保存」,「名称の変更」,「削除」および「終了」ボタンを備えている。
種類選択領域a2には,あらかじめ基本情報テーブル(第10図)に格納されているデータにもとづいて,引き出しの種類が一覧に表示される。ここでは,標準タイプ(標準),枠付きタイプ(枠)および枠付きでかつ枠内にガラス板がはめ込まれたタイプ(枠ガラス付)の3種類のひきだしのデータがあらかじめ基本情報テーブ(第10図)に格納されており,これらのデータにしたがって画面表示が行われている。
種類選択領域a2において選択されたタイプの引き出し(文字の色が反転する)について,寸法定義領域a3において,引き出し前板(前面板)の板の厚さ(板厚),本体(箱の部分)の板の厚さおよび引き出し前板に取り付けられる引き手の配置位置が定義される。
属性定義領域a4では,引き出しの前板および引き出しの本体に用いられる材料(ナラ,タモ,マホガニーなど),材質(ムクまたは突板)および塗装(ウレタン塗装,ナチュラル色,アンバー色など)が定義される。寸法定義領域a3および属性定義領域a4において選択可能な定義データにも,基本情報テーブル(第10図)にあらかじめ記憶されたデータが用いられる。
引き出しの種類,寸法および属性を決定した後に,「保存」ボタンがクリックされると,名称を入力するための新たなウインドウがひきだし定義ウインドウW22に重ね合わされて表示される(図示略)。入力された名称が定義済み一覧表示領域a5に新たに加えられる(図示略)。
「名称の変更」ボタンは,定義済み一覧表示領域a5に表示されている引き出しの名称を変更する場合にクリックされる。「削除」ボタンは,定義済み一覧表示領域a5に表示されている定義済みデータを削除する場合にクリックされる(ステップ54)。「終了」ボタンは,データ定義を終える場合にクリックされる。「終了」ボタンがクリックされると,定義ウインドウW22が表示画面から消える。
引き出し以外のパーツ(扉,仕切板/棚板,脚,引き手および鍵)やユニットについても,同様にして,定義ウインドウW22を用いて寸法や属性等が定義される。
上述の定義ウインドウW22を用いた処理は,第26図に示すフローチャートとは完全には一致しないが,家具設計支援システムの利用者があらかじめ用意された基本情報テーブルのデータ範囲内において,ユニットおよびパーツについての定義データを定義する(ユニット/パーツ定義テーブルに定義データを格納する)という点で共通している。
第62図はメイン・メニュー・ウインドウW1(第37図)においてオペレータまたはユーザによって「組み立て」ボタンがクリックされる(第25図のステップ32,ステップ34)と表示される組み立てメイン・ウインドウの他の例である(第28図のステップ61)。
組み立てメイン・ウインドウW23は,ユニット/パーツ表示領域b1,組み立て家具表示領域b2および完成家具表示領域b3を含むとともに,「ユニット/パーツ・ロード」,「セル定義」,「寸法変更」,「パーツ削除」,「家具保存」,「家具ロード」,「家具削除」および「終了」ボタンを備えている。ユニット/パーツ種類表示領域b1,組み立て家具表示領域b2および完成家具表示領域b3は,それぞれ別々のウインドウにしてもよい。
ユニット/パーツ表示領域b1の上部には,ユニット/パーツ種類表示ボックスb4が含まれている。表示ボックスb4の右側の三角マークの部分がクリックされると,ユニットまたはパーツの種類が一覧に表示される(第68図参照)。
表示ボックスb4に「ユニット」を表示させると,ユニット/パーツ表示領域b1(表示ボックスb4の下方)には,ユニットの外観(正面)の概略を表す画像が,ユニット名称とともに表示される。
組み立て家具表示領域b2には,ユニットやパーツの組合せ態様が表示される。また,家具(ユニット,パーツ)の幅や高さの基準を表すための基準点(座標)が示される。
完成家具表示領域b3には,完成家具(またはその一部)の名称と画像が表示される。
たとえば,ユニット/パーツ表示領域b1において天地1のユニットをクリックして選択する(第28図のステップ62)。その後「ユニット/パーツ・ロード」ボタンがクリックされると(ステップ63),第63図に示すように,天地1ユニットの前方左下頂点が原点(0,0)に合わせられて,組み立て家具表示領域b2に表示される(第28図のステップ64でNO,ステップ65)。ユニット/パーツ表示領域b1の下部には天地1タイプのユニットの幅,高さおよび奥行きが数値によって示される。
ユニットまたはセルの寸法の変更を,組み立て処理内において実行することができる。
ユニットまたはセルの寸法を変更する場合,「寸法変更」ボタンがクリックされる。「寸法変更」ボタンがクリックされると,第64図に示すように,寸法変更ウインドウW24が組み立てメイン・ウイドウW23に重ね合わされて表示される。
寸法変更ウインドウW24の上部には,組み立てメイン・ウインドウW23の組み立て家具表示領域b2に表示されているユニットの幅,高さ,奥行を表示する欄W24aおよび「変更して終了」ボタンが設けられている。
ユニットの寸法を変更する場合には,幅,高さ,奥行の表示欄W24aに表示されている数値をキーボード12を用いて書き換え,その後「変更して終了」ボタンをクリックする(第33図参照)。すると,第65図に示すように,その後の組み立てメイン・ウインドウW23の組み立て家具表示領域b2には,数値変更後の寸法を持つユニットが表示される。寸法変更ウインドウW24は消える。
ユニットに含まれるセルの寸法を変更する場合にも寸法変更ウインドウW24が用いられる。
寸法変更ウインドウW24(第64図)の下部には,組み立て家具表示領域b2において選択されたセルのセル番号,ユニットに含まれるセル数および選択されたセルの寸法を表示する欄,変更する寸法(新しい寸法)を入力する欄W24b,寸法変更するセルの移動方向を決定する欄ならびに隣接セルへの影響を決定する欄が設けられている。また「リセット」,「変更」,「終了」および「キャンセル」が設けられている。
寸法変更しようとするセルが組み立て家具表示領域b2においてマウス13を用いて選択される。「新しい寸法」の欄W24bに新たなセルの幅または高さが入力される。「移動方向」の欄では,寸法変更するセルを上(右)側に広げる(狭める)(上(右)側)か,下(左)側に広げる(狭める)(下(左)側)かのいずれかが選択される。「移動方向への影響」の欄では,寸法が変更されたセル以外のセルについて,寸法変更されるセルに隣接するセルのみに影響を及ぼすようにするか(隣接セルのみ変更),ユニットに含まれるすべてのセルについて等比率で寸法変更するか(等比率ですべて変更)のいずれかが選択される(セルの寸法の変更について第34図参照)。
「変更」ボタンがクリックされると,セルの寸法が変更されたユニットが組み立て家具表示領域b2に表示される。「リセット」ボタンは変更前の状態に戻す場合に,「終了」ボタンはセルの寸法変更処理を終える場合に,「キャンセル」ボタンは寸法変更処理をキャンセルする場合に,それぞれクリックされる。
組み立てメイン・ウインドウW23において,「セル定義」ボタンは,組み立て家具表示領域b2に表示されているユニットに縦板または横板を設ける場合にクリックされる。
寸法変更ウインドウW24に,ユニットおよびセル以外のパーツの寸法を変更させる機能を備えさせてもよいのはいうまでもない。
「セル定義」ボタンがクリックされると,第66図に示すように,セル定義ウインドウW25が組み立てメイン・ウインドウW23に重合わされて表示される。
セル定義ウインドウW25は,縦板または横板として用いられる仕切板(棚板)の種類(木製またはガラス製)を選択する欄(定義済み領域)W25aおよび板の枚数を入力する欄W25bを含み,「すべてクリア」,「クリア」,「OK」および「キャンセル」ボタンを備えている。
たとえば,第65図の組み立て家具表示領域b2に示すユニットに,7枚の木製の横板を設ける場合には,第66図に示すように,定義済み領域W25aにおいて「木製」を選択し,板の枚数を表示する欄W25bにおいて横板を7枚とし,その後,「OK」ボタンをクリックする。すると,第67図に示すように,組み立てメイン・ウインドウW13の組み立て家具表示領域b2には,7枚の横板が設けられたユニットが表示される。ユニットは寸法の等しい8つのセルを含むようになる。セル定義ウインドウW25は表示画面から消える(「セル定義」の処理は,第28図のステップ70(第29図)の「仕切定義」の処理と対応する)。
「すべてクリア」ボタンは,ユニットに設けられた縦板または横板をすべて消去する場合に,「クリア」ボタンは複数回にわたって縦板または横板を設ける処理が行われた場合に最も最後に設けられた縦板または横板を消去する場合に,「キャンセル」ボタンはセル定義処理をキャンセルする場合に,それぞれクリックされる。
組み立てメイン・ウインドウW23の組み立て家具表示領域b2に表示されているユニットにパーツを取り付ける場合には,第68図に示すように,はじめにユニット/パーツ表示領域b1の上側の表示ボックスb4に,取り付けようとするパーツ名を表示させる。
たとえば,パーツ名として「脚」を選択する(表示ボックスb4に「脚」を文字表示させる)と,第69図に示すようにユニット/パーツ表示領域1bに複数のタイプの脚が表示される(ユニット/パーツ定義テーブル(第18図)にもとづく)。台角4本タイプの脚がマウス13を用いてクリックされて選択され,その後,「ユニット/パーツ・ロード」ボタンがクリックされたときの組み立てメイン・ウインドウW23を,第70図に示す。組み立て家具表示領域b2に,ユニットの下面に柱状の4本の脚と台座とから構成される台角4本タイプの脚が取り付けられた家具が表示される(必ずしも,配置指定のためのウインドウ(第28図のステップ66〜68;第47図,第49図)は表示されない)。
さらに,ユニットに含まれる8つのセルのそれぞれに,パーツの一つであるひきだしを設ける場合には,8つのセルのすべてをマウス13を用いて選択し,その後,表示ボックスb4に「ひきだし」を文字表示させる。ユニット/パーツ表示領域b1には複数のタイプのひきだしの画像が表示される。所望のタイプをマウス13を用いて選択した後,「ユニット/パーツ・ロード」ボタンをクリックする。すると,ひきだしをどのようにセットするかを指定するセット方法選択ウインドウW26が,組み立てメイン・ウインドウW23に重ね合わされて表示される(第71図)(配置指定ウインドウW7(W8)の他の例である)。
セット方法選択ウインドウW26では,▲1▼ひきだしの前板が,セルに設けられた仕切板の前面とほぼ面一になるように引き出しを納めるインセット1(完全),▲2▼天板,地板および側板の前面が引き出しの前板とほぼ面一になり,かつ各仕切板の奥行き方向の寸法を少し短くすることによって引き出しの前板によって各仕切板が見えないように引き出しを納めるインセット▲2▼(仕切板のみを隠す),▲3▼天板,地板,側板および各仕切板がすべて引き出しの前板によって隠れるように引き出しを納めるオーバーセット1(完全),ならびに▲4▼引き出しの前板によって天板および地板以外の側板および各仕切板を隠すように引き出しを納めるオーバーセット2(天地板以外を隠す)の4つのセット方法のうちのいずれかのセット方法が選択される。
いずれかのセット方法が選択され「OK」ボタンがクリックされると,第72図に示すように,セット方法選択ウインドウW26を用いて選択されたセット方法によって引き出しが納められた家具が,組み立て家具表示領域b2に表示される(ここでは,ガラス付き引き出しがオーバーセット2で格納されている)(第28図のステップ66〜ステップ68に対応)。セット方法選択ウインドウW26が消える。
「家具保存」ボタンがクリックされると(ステップ73),家具保存ウインドウW27が表示される(第73図)。完成家具名称の欄W27aに家具を特定する名称をキーボード12を用いて入力し「OK」ボタンをクリックする。第74図に示すように,完成家具表示領域b3に,組み立て家具表示領域b2に表示されている家具の画像が縮小されて表示される(ステップ74)。また上述の家具保存ウインドウW27を用いて入力された名称が縮小画像の上に表示される。
組み立てメイン・ウインドウW23において,「パーツ削除」ボタンは,組み立てられている(取り付けられている)パーツを削除する(取り外す)(データ・テーブルから削除する)場合に,「家具ロード」ボタンは完成家具表示領域b3に表示されている完成家具を組み立て家具表示領域b2に表示する場合に,「家具削除」ボタンは完成家具表示領域b3に表示されている完成家具を削除する(データ・テーブルから削除する)場合に,それぞれクリックされる。「終了」ボタンがクリックされると,組み立てメイン・ウインドウW23が表示画面から消える(第28図のステップ75)。
第75図はメイン・メニュー・ウインドウW1(第37図)において,オペレータまたはユーザによって「図面の表示/印刷」ボタンがクリックされると表示画面に現れる完成家具表示ウインドウの他の例である(第25図のステップ32,35,第31図のステップ101)。完成家具表示ウインドウW31の左側には完成家具表示領域c1が位置し,その右側に完成家具図面表示領域c2が位置する。
完成家具表示ウインドウW31の下側には「家具ロード」,「図面の表示」,「レンダリング」,「寸法変更」,「材質変更」,「図面の印刷」,「家具保存」および「終了」ボタンが表示される。
完成家具表示領域c1においていずれかの完成家具がマウス13を用いて選択され,その後,「家具ロード」ボタンがクリックされると(第31図のステップ102,103),第76図に示すように,完成家具図面表示領域c2には,選択された完成家具の正面図が寸法の記述ととも表示される(ステップ104)。完成家具図面表示領域c2の右側には,完成家具図面表示領域c2に表示されている図面を拡大または縮小して再表示させるためのボタン,完成家具図面表示領域c2に表示されている家具の図面を上下左右のいずれかの方向に移動させて表示するための十字ボタンが新たに表示される。
「図面の表示」ボタンがクリックされると(第31図の「図面選択」(ステップ106)の処理(第32図)に対応),第77図に示すように,完成家具表示ウインドウW31に重ね合わされて図面選択ウインドウW32が表示される。図面選択ウインドウW32では,完成家具図面表示領域c2に表示させる図面の種類等(正面図,平面図等)を選択する。
たとえば,立体図が選択されて(第32図のステップ112),図面選択ウインドウW32の下側の「表示」ボタンがクリックされると,第78図に示すように,完成家具図面表示領域c2には完成家具が立体的に表示される(ステップ114)。
完成家具表示ウインドウW31の下側の「レンダリング」ボタンがクリックされると,第79図に示すように,レンダリング処理された図面が,完成家具図面表示領域c2に表示される。
レンダリング処理には,CAD(Computer Aided Design)プログラム(ソフト)を利用することができる。CADプログラムは家具設計支援プログラムの一部として位置づけてもよいし,家具設計支援プログラムとは別個のプログラムとしてもよい。
CADプログラムは,ユニットおよびパーツに関するデータ・テーブルに格納される基準点データおよび寸法データにもとづいて,完成家具の3次元図形データ(頂点,辺,面の座標やこれらの相互関係を表すデータ)を生成する。完成家具の3次元図形データの生成と出力に必要なデータおよび命令が,家具設計支援プログラムからCADプログラムに受渡される(3Dモデリング命令,3D描画命令,3D印刷命令)。CADプログラムは3次元図形データを生成に必要な関数(モデリング関数)を含み,家具設計支援プログラムから受渡されたデータにもとづいて,2次元画像において3次元のものがどのような形で見えるかを計算(座標変換)し,3次元図形データを生成する(モデリング)。さらにCADプログラムは,隠れて見えない部分の線および面を消去(隠線消去,隠面消去)し,シェーディング処理やレイトレーシング処理等を行って表示画面に描画するための描画関数および印刷のための印刷関数を含む。立体的に表現された2次元画像を,表示装置11の表示画面上に表示し,またはプリンタ17から出力することができる。
完成家具表示ウインドウW31の下側の「図面の印刷」ボタンがクリックされると,第80図に示すように,印刷図面選択ウインドウW33が現れる(第31図のステップ109,第36図に対応)。印刷図面選択ウインドウW33は,「図面」,「立体図」,「部材表」および「見積表」の各文字とそのそれぞれに対応する円形の入力ボックスを含むとともに,「表示」ボタンおよび「キャンセル」ボタンを備えている。
印刷図面選択ウインドウW33において「図面」が選択され,その後「表示」ボタンがクリックされると,第81図に示すように,完成家具図面表示領域c2には完成家具の正面図,側面図,背面図等が寸法とともに表示される。画面右側の領域c4には「プリンタの設定」,「印刷の実行」,「前ページ」および「次ページ」ボタンが現れる。「プリンタの設定」は表示画面に表示されるプリンタの設定(複数のプリンタに出力可能である場合におけるプリント出力すべきプリンタの指定等)を行う場合に,「印刷の実行」はプリントを実行する場合に,「前ページ」は表示画面に表示されている図面が複数のページにわたる場合に前のページを表示させる場合に,「次ページ」は次のページを表示させる場合に,それぞれクリックされる。
印刷図面選択ウインドウW33(第80図)において「立体図」が選択され,「表示」ボタンがクリックされると,立体図が完成家具図面表示領域c2に表示される(第78図参照)。「部材表」が選択されて「表示」ボタンがクリックされると,完成家具図面表示領域c2に表示されている完成家具に用いられている部材(ユニット,パーツ)が一覧に表示される(図示略)。「見積表」が選択されて「表示」ボタンがクリックされると,第82図に示すように,完成家具図面表示領域c2に表示されている完成家具に用いられるユニット,パーツのそれぞれについて,名称,材料,材質,塗装,サイズ,材料単価,塗装単価,数量,合計金額等が一覧に表示される。「印刷の実行」ボタンがクリックされると,完成家具図面表示領域c2に表示されている図面,立体図,部材表,見積表のいずれかがプリンタ17からプリント・アウトされる(第36図のステップ154)。
完成家具表示ウインドウW31において「寸法変更」ボタンは完成家具の寸法またはセルの寸法を変更する場合(第31図のステップ107,第33図のステップ126,第34図に対応)に,「材質変更」ボタンは完成家具に用いられているユニットまたはパーツの材質(材料)を変更する場合に,それぞれクリックされる。寸法または材質が変更された完成家具のデータを保存する場合には「家具保存」ボタンがクリックされる。「終了」ボタンがクリックされると,完成家具表示ウインドウW31が表示画面から消える。
5 加工図作成処理
上述したように,家具設計支援システムを用いて作成された家具設計データ(各種テーブルに格納されたデータ)25にもとづいて,完成家具の正面図,側面図,背面図等を寸法とともに表示画面に表示し,またはプリント・アウトすることができる。家具設計データ25として,完成家具を構成するユニットやパーツごとに,さらに詳細なデータを持たせることによって,完成家具を構成するユニットやパーツの加工のための図面(加工図)を表示し,またはプリント・アウトすることができる。第83図〜第91図は家具の製作に用いられる加工図の一例を示すものである。第83図〜第91図は,第5図に示す家具(完成家具)についての加工図を示している。
第83図Aは完成家具の平面図,第83図Bは完成家具の正面図,第83図Cは完成家具の右側面図をそれぞれ寸法とともに示している(寸法を表す数字は省略されている。他の図面において同じ)。
第84図は完成家具のユニットと仕切板(棚板)とを寸法とともに示すものである。第84図A,B,Cは,それぞれ平面図,正面図,右側面図である。
第85図は天板の加工図を示すものである。第85図Aは天板の平面図(天板を上から見た図),第85図Bは天板の正面図,第85図Cは天板の底面図(裏面;天板をセル側(ユニット内部)から見た図),第85図Dは天板と側板との接合部分を拡大して示す図である。天板の底面(裏面)には,側板および裏板との接合に用いられるダボ穴(黒丸)が示されている。第85図Cに示された矢印の部分について,天板と側板との接合部分が第85図Dに拡大されて示されている。第85図Dにおいて,破線で示す部分がダボ穴に差し込まれるべきダボを示している。
第86図は地板の加工図を示すものである。第86図Aは地板の平面図(地板をセル側(ユニット内部)から見た図),第86図Bは地板の正面図,第86図Cは地板の底面図(地板を下側から見た図),第86図Dは地板と側板との接合部分の拡大図である。
第87図は裏板(背面板)の加工図を示すものである。第87図Aは裏板の平面図,第87図Bは裏板の正面図,第87図Cは裏板の底面図,第87図Dは裏板の右側面図をそれぞれ示している。第87図Eおよび第87図Fは裏板にあけられるダボ穴を正面と側面とからそれぞれ示すものである。
第88図は側板の加工図を示すものである。第88図A〜第88図Eは左側の側板の加工図を,第88図F〜第88図Jは右側の側板の加工図をそれぞれ示している。第88図A(I)は側板の正面図,第88図B(G)は側板の右側面図,第88図C(H)は側板の平面図,第88図D(F)は側板の背面図,第88図E(J)は側板の底面図である。第88図B(G)および第88図D(F)には,側板に取り付けるべき丁番(および丁番の取付のためのダボ穴)が示されている。
第89図は扉と引出しとの間に配置され,ユニット内部(セル)に納められる仕切板の加工図を示すものである。第89図A〜第89図Eは左側の仕切板の加工図を,第89図F〜第89図Jは右側の仕切板の加工図をそれぞれ示している。第89図A(I)は仕切板の正面図,第89図B(G)は引出しの右側面図,第89図C(H)は引出しの平面図,第89図D(F)は引出しの背面図,第89図E(J)は引出しの底面図である。第89図D(F)には引出しをユニット内部に納めるときに用いられるレールが示されている。
第90図は扉の加工図を示すものである。第90図A〜第90図Dは左側の扉の加工図を,第90図E〜第90図Hは右側の扉の加工図をそれぞれ示している。第90図A(G)は扉の平面図,第90図B(H)は扉の正面図,第90図Cは扉の右側面図,第90図Fは扉の左側面図,第90図D(E)は扉の背面図である。第90図D(E)および第90図B(H)には扉をユニットに取り付けるための丁番が示されている。第90図A(G),第90図B(H)および第90図C(F)には扉に取付られた取手が示されている。
第91図は引出しの加工図を示すものである。第91図Aは組み立てられた引出しの平面図である。第91図Bは引出しの前面に取り付けられた前板(前面板)の正面図である。第91図Fは引出しの右側面図である。第91図Gは前板を除く部分の引出しを右側面から見た断面図である。
第91図C〜第91図E,第91図H〜第91図Lは引出しを構成する部材(エレメント)の加工図である。第91図Cは前板の正面図,第91図Dは前板の平面図,第91図Eは前板の背面図である。第91図Cおよび第91図Eには引出しの前板に取り付けられる取手のためのダボ穴が示されている。第91図Hは引出しの箱の部分を構成するエレメントである左側板を,第91図Iは引出しの箱の部分の右側板を,第91図Jは引出しの箱の部分の背面板を,第91図Kは引出しの箱の部分の前板を,第91図Lは引出しの箱の部分の底板をそれぞれ示している。
加工図作成処理では,完成家具を構成するユニットやパーツのそれぞれを構成する部材(エレメント)ごとのデータ(寸法,穴あけ位置,丁番取付位置等を表すデータ)が用いられる。加工図を作成するためのデータが格納されるテーブルを新たにHDに設け,必要であれば,加工図作成のためのデータ・テーブルに格納すべきデータを,あらかじめ基本情報テーブル(第10図)に格納しておけばよい。
加工図作成処理のためのプログラムは,上述した家具設計支援プログラムの機能の一部として位置づけてもよいし,家具設計支援プログラムとは別のプログラムとしてもよい。加工図作成処理のためのプログラムを,上述の家具設計支援プログラムとは別のプログラムとする場合には,加工図作成処理のためのプログラムは,家具設計支援プログラムの処理によって作成された家具設計データと,加工図作成のためのデータを格納したテーブル内のデータにしたがって,加工図を作成する処理を行う。作成された加工図が,表示画面上に表示され,またはプリント・アウトされる。
加工図作成処理によって作成される加工図は,主に,家具の製作所(家具の製作工場)等において,家具設計支援システムが用いられて設計された完成家具を,現実に作成する場合に,家具の製作者(加工者)によって利用される。
加工図の作成のために用いられるデータ(ユニットの寸法,ユニットを構成する部材(エレメント;天板,地板,側板,裏板等)の寸法,エレメントごとのダボ穴をあける位置,丁番を取付ける位置,パーツ(引出し)についての寸法,引出しを構成するエレメント(箱の前面に取付けられる前板,箱の部分の前板,側板,地板,裏板)の寸法,引出しについてのダボ穴の位置,扉についてのダボ穴の位置等のデータ)は,コード化されたデータである。このため,加工図作成のためのデータを,完成家具(または完成家具を構成するユニットやパーツ)の加工のためのCAM(Computer Aided Manufacturing)装置(数値制御工作機械)に読込ませることによって,ユニットを構成するエレメントやパーツを構成するエレメントを,コンピュータ制御のもとに作成することもできる。
家具はユニットおよびパーツによって構成され,ユニットおよびパーツはエレメントによって構成されるので,家具の寸法に応じてユニット,パーツおよびエレメントの寸法が決定する。ユニット,パーツおよびエレメントの寸法に応じて,エレメント同士の組立てに用いられる接合部材の数や接合位置(たとえば,ダボ穴の数や位置,丁番の取付位置等)を変更するようにしてもよい。たとえば,あらかじめ標準的なエレメントの寸法と,接合部材の数や接合部材の配置位置との関係をデータ・テーブルに定めておく。エレメントがしきい値(設定値)を超えた寸法であれば,ダボ穴の数を増やす,またはしきい値より小さい寸法であればダボ穴の数を減らすといった判断を,家具設計支援プログラム(または加工図作成処理のためのプログラム)に行わせればよい。
6 製造工程図作成処理
上述したように,家具設計支援システムによって得られた家具設計データには,完成家具に含まれるユニットおよびパーツのそれぞれの構造(種類),寸法,位置関係等の完成家具の外観画像(レンダリング図)を表示画面に表示したり,設計図をプリントするために必要なデータ等が含まれている。すなわち,家具設計データによって,家具がどのようなユニットおよびパーツの組合せによって構成されるかがあらかじめ分かることになる。さらなる別のデータ(データ・テーブル)を用意することによって,次に示すように,完成家具の製造工程図を作成することができる。
第92図は,製造工程図の作成に用いられる製造工程データを備えた家具設計支援システム(コンピュータ・システム)の電気的構成を示すものである。第9図に示す家具設計支援システムとは,HDユニット16(HD)に,製造工程データが記憶されている点が異なる(符号25Aで示す)。その他のハードウエア構成およびHDに記憶されたプログラムおよびデータは第9図のものと同じであるので,重複した説明を避ける。
第93図は完成家具の一例(引出し付きキャビネット)を示す斜視図である。第94図は,第93図に示す完成家具(引出し付きキャビネット)についての製造工程図の一例を示すものである。
第94図に示す製造工程図は,家具の製作所,工場等において家具の製作作業に用いられるものである。製造工程図に示された製造工程の流れにしたがって,家具製作所等においてユニットおよびパーツが加工され,家具が製作される。
製造工程図では,加工が必要とされるパーツおよびユニットごとに加工ラインが示される。加工ラインごとに,家具に含まれるパーツおよびユニットが加工される。そして最終的に,各加工ラインにおいて加工終了したパーツやユニットが組合わされる(組立てられる,取付けられる)ことによって家具が完成する。第93図に示す家具(引出し付きキャビネット)は,扉,引出し,ユニット(天地被せ式),仕切板(棚板)および台輪を含んでいる。これらが引出し付きキャビネットにおいて加工が必要とされるユニットおよびパーツである。引出しについては加工ラインが前板と箱とに分けられる。
加工ラインには,ユニットやパーツごとにあらかじめ定められた加工工程がならべられる。第94図の製造工程図において,「扉(ムク)」に着目すると,切断,木口貼り,丁番穴あけ,引き手穴あけおよび丁番引き手取付の5つの加工工程がある。家具(完成家具)を構成するユニットおよびパーツのそれぞれについて,このような加工工程があらかじめ定められている。
さらに,後述するように,ユニットやパーツのそれぞれについてあらかじめ定められている加工工程は,工程ごとに,その日程と加工順番についてのデータを持つ。引出し付きキャビネットを構成する「扉(ムク)」に着目すると,第2日目の第1加工工程が「切断」と定められている。
第95図は,家具を構成するユニットやパーツについての加工工程ならびに各工程の日程および順番等を定めたデータが格納された,製造工程情報テーブルの一例を示すものである。製造工程データには,この製造工程情報テーブルに格納されたデータが用いられる。
製造工程情報テーブルには,第95図に示すように,工程区分,ユニット/パーツ,ライン・ナンバ,工程順序,作業内容,結合ラインおよび結合先作業内容に関するデータが格納される。
「工程区分」には,たとえば,完成家具の複雑さや完成家具に含まれるユニット・タイプ等に応じて決められる区分が格納される。工程区分は,「7日」,「30日」のような製造を開始して最終的に納品するまでに必要とされる期間で示される。たとえば,家具に用いられているユニットまたはパーツごとに,あらかじめ工程区分を設定しておく。
家具に含まれる種々のユニットまたはパーツのうち,加工が必要とされるユニットやパーツの名称が項目「ユニット/パーツ」に格納される。各ユニットまたはパーツについて加工ライン(「ライン・ナンバ」)が割振られる(あらかじめ割振っておいてもよい)。たとえば,工程区分が「7日」である「扉(ムク)」は,ライン・ナンバ1の加工ラインが割振られている。
「工程順序」は,次項目の「作業内容」で規定されるユニットまたはパーツの加工工程(作業内容)の日程とその日程中の順番を表す。たとえば,「切断」は2日目の第1工程,「木口貼り」は2日目の第2工程であること表す。
完成家具を最終的に組み立てたり,引出しであれば,前板と箱の部分を組み立てたりするときに,他の加工ラインにユニットまたはパーツ(パーツの一部)を移す必要がある。「結合ライン」には,このような場合において移動先の加工ラインのライン・ナンバが格納される。「結合先作業内容」は,移動先ラインにおける作業内容を表す。ライン結合のタイミングとも言えるデータである。
第96図は製造工程図作成処理の流れを示すフローチャートである。第97図は,第96図に示す製造工程図作成処理において作成されるテンポラリ・ファイルの内容を示すものである。
製造工程図作成処理は,上述した家具設計支援プログラムの機能の一部として位置づけることもできるし,家具設計支援システムによって作成される家具設計データを利用して動作する別個のプログラムの機能として位置づけることもできる。この場合には,製造工程図作成処理のためのプログラムが,あらかじめHDユニット16のHDに記憶(インストール)される。
はじめにスタート処理(たとえば,製造工程図作成出力処理プログラムの実行等)と,製造工程図を作成すべき家具(完成家具)の選択とが行われる(ステップ161)。
製造工程情報テーブルおよび家具設計データにおいて,選択された完成家具についてのデータがアクセスされる。
製造工程情報テーブル(第95図)には,家具設計支援システムを用いて設計された完成家具に含まれる加工が必要なパーツとユニットのそれぞれについて,あらかじめ加工工程(順序(日程と作業順)を含む),加工ライン,結合ライン,結合作業内容等のデータが格納されている。このような製造工程情報テーブルから選択された家具に含まれるパーツおよびユニットについての各加工工程を特定するデータが次々に読み出され,第97図に示すようなテンポラリ・ファイルが作成される(ステップ162)。
テンポラリ・ファイルでは,家具名称,パーツ(ユニット),ライン番号,加工工程(作業終了や結合先も含む)および工程順序がコードによってあらわされる。このテンポラリ・ファイルに格納されたデータが,選択された家具についての製造工程データとなる。テンポラリ・ファイルにもとづいて,第85図に示すような製造工程図が作成される(ステップ163)。作成された製造工程図は表示画面上に表示される,またはプリント・アウトされる。
第94図に示す製造工程図について言えば,この製造工程図は,引出し付きキャビネット(扉(ムク),引出し(前板),引出し(箱),ユニット,仕切/棚板および台輪を含む)を,7日間のうちに製造(製作)を終えて納品まで終了させる場合の予定表として用いることができる(第1日目は,作業進行の確認のために用いられる)。
作成される製造工程図では,異なるユニットやパーツの加工処理に含まれる同一の加工工程(作業内容)(たとえば,「切断」等)が同じ日程(たとえば,第2日目)に行われるように,配置されている。このような製造工程図にもとづいて家具の製造(ユニットやパーツの加工)を行うことによって,家具の製造工場等において,完成家具を効率よく作成することができる。
7 取扱説明書作成処理
第98図は,取扱説明書の作成に用いられる取扱説明書データを備えた家具設計支援システム(コンピュータ・システム)の電気的構成を示すものである。第9図に示す家具設計支援システムとは,HDユニット16(HD)に,取扱説明書データが加えられている点が異なる(符号25Bで示す)。その他のハードウエア構成およびHDに記憶されたプログラムおよびデータは第9図のものと同じである。HDに上述の製造工程データをさらに格納することができるのは言うまでもない。この場合には,コンピュータ・システムは上述の製造工程図作成処理と,次に説明する取扱説明書作成処理の両方を行うことができる。
家具設計支援システムによって得られる家具設計データには,上述のように,家具(完成家具)に含まれるユニットおよびパーツの構造(種類),位置(配置),寸法,材料,家具の名称等のデータが含まれている。取扱説明書作成処理では,次に示す取扱説明書テーブル,テキストデータ・テーブルおよび画像データ・テーブルに記憶されたデータならびに上述の家具設計データが用いられて,家具についての取扱説明書が作成される。取扱説明書作成処理は,基本的には,取扱説明書テーブルに記憶された取扱説明書の基本構成(ひな形)を表すデータにもとづいて,そのひな形の所定の空欄の位置に,テキストデータ・テーブルに記憶されたテキスト・データ,家具設計データ,および画像データ・テーブルに記憶された画像データを挿入する(組込む)ことによって,取扱説明書を作成する処理である。 第99図〜第104図は,家具設計支援システムによって作成された取扱説明書の一例を示すものである。第99図(取扱説明書の表紙)には,テキストデータ・テーブルに記憶されたテキスト・データ,家具設計データおよび画像データ・テーブルに記憶された画像データが取扱説明書の基本構成の空欄の部分に挿入されている(組込まれている)様子が示されている。符号170a〜符号170mによって示す部分(鎖線によって囲まれた部分)が,挿入されたデータによって表される部分である(第100図〜第104図では挿入部分(鎖線)は省略している)。
第105図は取扱説明書テーブルの一例を,第106図はテキストデータ・テーブルの一例を,第107図は画像データ・テーブルの一例を,それぞれ示すものである。これらのテーブルに格納されたデータが用いられて,取扱説明書を表す取扱説明書データが作成される。
取扱説明書テーブル(第105図)には,出力項目,出力条件,パーツ,書式1,書式2,出力データ種別および説明内容に関するデータが記憶されている。
「出力項目」には,取扱説明書における項目(表示,注意事項,使用前注意および使用方法)のいずれかが格納される。出力とは,ここでは,作成する取扱説明書に(取扱説明書データに),家具設計データ,またはテキストデータ・テーブルもしくは画像データ・テーブルに記憶されたデータを用いる(挿入する,組み込む)という意味で用いられている。
「出力条件」には,後述するテキストデータ・テーブルに記憶されているテキスト(テキスト・データ)を,無条件に出力する(取扱説明書に含める)か,家具またはユニットに応じて出力するかどうかを判断するための条件の有無(無条件または条件)が格納される。
「パーツ」には取扱説明が必要とされるパーツ名が格納される。「家具名称」には取扱説明書の作成対象の完成家具の名称が格納される。
「書式1」には改ページ,記載行数等を規定するデータが,「書式2」にはフォント,フォントサイズ,表示スケール等を規定するデータが格納される。
「出力データ種別」には,出力する(取扱説明書に含める)データが,テキスト・データ,画像データ,またはアプリケーション・プログラム(他のソフトウエア,たとえばCADソフトウエア)の出力データ(レンダリング・データ)のいずれであるかが示される。
「説明内容コード」には,説明内容を表すコードが格納される。この取扱内容コードによって,後述するテキストデータ・テーブル(第106図)および画像データ・テーブル(第107図)と,取扱説明書テーブル(第105図)とが互いにリンクする。
テキストデータ・テーブル(第106図)には,コードと,そのコードに対応する取扱説明テキスト・データとが記憶されている。画像データ・テーブル(第107図)には,コードと,そのコードに対応する取扱説明画像データとが記憶されている。
第108図は,取扱説明書作成処理の流れを示すフローチャートである。取扱説明書作成処理は,上述した家具設計支援プログラムの機能の一部として位置づけることもできるし,家具設計支援システムによって作成される家具設計データを利用して動作する別個のプログラムとして位置づけることもできる。この場合には取扱説明書処理のためのプログラムが,あらかじめHDユニット16(HD)に記憶(インストール)される。
はじめに,取扱説明書作成処理のスタート処理(たとえば,取扱説明書作成処理プログラムの実行等)と,取扱説明書を作成すべき家具の選択とが行われる(ステップ171)。
取扱説明書作成処理では,作成すべき取扱説明書が第1ページ(表紙)から順に作成される。はじめに表紙(第1ページ)が作成される。
第99図を参照して,家具の名称が出力(挿入,組み込み)される(ステップ172)。符号170aの部分に家具の名称が入る。用いられる文字のフォント,フォント・サイズ等は,取扱説明書テーブル(第105図)に格納されたデータに従う。
次に,完成家具のレンダング図が出力される(ステップ173)。符号170bおよび符号170cの部分に,家具設計データが用いられてレンダリング図が表される。
表紙定形文が出力される(ステップ174)。符号170dの部分に,テキストデータ・テーブル(第106図)から,取扱説明書テーブル(第105図)の項目「説明内容コード」にしたがって,表紙定形文を表すテキスト・データが読み出されて出力される。
スペック表が出力される(ステップ175)。符号170e〜符号170lの部分に,家具設計データが用いられて,品名(家具名称),生産国,寸法等が表される(家具設計データには,スペック表の作成のためのすべてのデータがあらかじめ格納されるのはいうまでもない)。
製造番号が採番されて,符号170mの部分に出力される(ステップ176)。製造番号は家具ごとに付されるシリアル番号である。
以上の処理によって省スペースクローゼットについての取扱説明書の表紙(第1ページ)を表すデータが完成する。
同じようにして,注意事項ページ(第100図および第101図),使用前注意ページ(第102図),使用方法説明ページ(第103図および第104図)を表すデータが作成されることになる。
注意事項のページについては,定形文が出力されるとともに(ステップ177),取扱説明書の作成対象の家具に含まれているパーツについての注意事項が出力される(ステップ178)。取扱説明書作成処理プログラムは,取扱説明書の作成対象の家具に,注意事項を出力すべきパーツが含まれているかどうかを家具設計データにもとづいて検索し,含まれている場合には,そのパーツについての注意事項をテキストデータ・テーブル(第106図)から読出して出力する。注意事項を出力すべき同じパーツが家具に2つ以上含まれている場合には,そのパーツについての注意事項は1つだけ出力される(2つの同じ注意事項は出力されない)。
使用前注意のページ(第102図)については,定形文が出力されるとともに(ステップ179),レンダリング図が出力される(ステップ180)。出力されたレンダリング図には,主なパーツの名称が引出し線とともに表される(レンダリング図に表されるパーツ名についてのデータも,あらかじめ家具設計データまたは取扱説明書データに含めておく)。
取扱説明書作成処理のためのプログラムは,取扱説明書の作成対象の家具に,使用前注意事項を出力すべきパーツが含まれているかどうかを検索し,含まれている場合には,そのパーツについての使用前注意事項をテキストデータ・テーブル(第106図)から読出して出力し,画像データを画像データ・テーブル(第107図)から読出して出力する(ステップ181)。
使用方法説明のページ(第103図および第104図)についても,説明文または画像を出力すべきパーツが家具に含まれているかどうかが検索され,含まれている場合には,そのパーツについての使用方法説明文のデータがテキストデータ・テーブル(第106図)から読出されて出力され,画像データが画像データ・テーブル(第107図)から読出されて出力される(ステップ182)。説明文または説明画像を出力すべき同じパーツが2つ以上含まれている場合には,そのうちの1つについて説明文または説明画像が出力される。
このように,取扱説明書データにしたがって,家具(完成家具)のための取扱説明書が作成される。家具に含まれているパーツの種類等にしたがって,そのパーツの種類に適合するテキストデータおよび画像データが読出される(出力される)ので,種々の家具について,その家具のための取扱説明書を作成することができる。作成された取扱説明書は表示画面上に表示される,またはプリント・アウトされる。
8 ネットワークを利用した家具設計支援システム
上述した家具設計支援システムでは,コンピュータ・システムにインストールされた家具設計支援プログラムおよび各種のテーブルが用いられて,オペレータまたは顧客が,ユニットおよびパーツを選択し,寸法等を入力することによって完成家具を組み立てている(完成家具を表すデータを作り上げている)。あらかじめ数種類の基本的なタイプの完成家具についてのデータを用意しておき,この基本的なタイプの完成家具についてのデータに対し,顧客にデータ変更を行わせるようにしてもよい。完成家具のレンダリング図の作成を,ネットワークを通じて接続された他のコンピュータに実行させるようにすることもできる。
第108図はネットワークを利用した家具設計支援システムの全体的構成を示している。
この家具設計支援システムは,ネットワーク301を介して相互に接続されたサーバ・コンピュータ302と,複数のクライアント・コンピュータ303とから構成される。この実施例において,サーバ・コンピュータ302は家具設計支援システムの提供者の管理下にあるものとする。クライアント・コンピュータ303は家具設計支援システムの提供者が提供するプログラムやデータを利用するユーザの管理下にあるものとする。
サーバ・コンピュータ302およびクライアント・コンピュータ303は,プログラムやデータ等を記憶する記憶装置やプログラムやデータ等をネットワーク301を介て送受信する送受信装置,データ等を入力するための入力装置,データを表示するための表示装置等を含むコンピュータ・システム(パーソナル・コンピュータ,ワークステーション等)である。ネットワーク301は,これらのコンピュータ・システム間に設けられた公衆回線(インターネットなど)および専用回線のいずれをも含む。これらの回線において用いられる施設や装置(CATV施設,放送衛星,通信衛星等)もネットワーク301に含まれる。サーバ・コンピュータ302およびクライアント・コンピュータ303の記憶装置には,データ等の送受信に用いられる通信プログラムが記憶されている。ネットワーク301がインターネットである場合には,クライアント・コンピュータ303に備えられる通信プログラムとしてブラウザを用いることができる。
クライアント・コンピュータ303には,家具設計支援システムの提供者からあらかじめ配布されたCD−ROM304が備えられている。CD−ROM304に記録されたプログラムおよびデータの内容が第110図に示されている。
CD−ROM304に記録されたプログラムおよびデータは,基本的にはクライアント・コンピュータ303にあらかじめ用意されたブラウザと協動して実行されるものである。CD−ROM304には,起動ウインドウ(HTMLデータ:HyperText Markup Language),家具およびパーツのサンプル画像データ(jpgデータ等),オート・デモンストレーション・プログラム,リンク・データ(URL:Uniform Resource Locator),新規ユーザ登録/認証ウインドウ(HTMLデータ),家具設計支援システムの紹介ウインドウ(HTMLデータ)が記録されている。
CD−ROM304に上述した家具設計支援プログラムの一部または全部を記録しておいてもよい。この場合には,CD−ROM304に記録されている家具設計支援プログラムがクライアント・コンピュータ303にインストールされることによってそのクライアント・コンピュータ303が,スタンドアローン(単体)で,家具設計支援システム(第8図,第92図,第98図)として動作することになる。家具設計支援プログラムの一部が記録されている場合には,クライアント,コンピュータ303は上述の家具設計支援システムの機能の一部のみが実行されることになる(機能の制限)。
ブラウザが起動されたクライアント・コンピュータ303において,CD−ROM304に記録された起動ウインドウ・データ(HTMLデータ)が読込まれたときに表示画面上に表示されるウインドウ(起動ウインドウ)の例が,第111図に示されている。
起動ウインドウW41は,画像表示領域を含む。画像表示領域の左側に複数の完成家具のサンプル画像を表示する領域W41aが含まれている。画像表示領域の右側には,左側の領域W41aにおいて選択された完成家具のサンプル画像を拡大して表示する領域W41bが含まれている。領域W41aおよび領域W41bに表示される完成家具のサンプル画像は,CD−ROM304に記録されている画像データにもとづくものである。さらに起動ウインドウW41の左側には次のボタンが含まれている。
「ホーム」ボタン:家具設計支援システムの提供者についての情報が登録されたページを表示画面上に表示させる場合にクリックされる。URLが記述されている。
「デモ」ボタン:サンプル画像が表す完成家具に,寸法変更,色変更等が行われる様子を,デモンストレーションさせる場合にクリックされる。「デモ」ボタンがクリックされると,CD−ROM304に記録されたオート・デモンストレーション・ブログラムが実行される。
「登録」ボタン:ユーザ登録/認証を行う場合にクリックされる。第112図にユーザ登録/認証ウインドウW42の一例を示す。「登録」ボタンがクリックされると,このユーザ登録/認証ウインドウW42が表示画面上に現れる。
ユーザ登録/認証ウインドウW42にはユーザIDおよびパスワードを入力する領域W42aと,サービスの選択,会社/所属,名前,住所,電話番号,ファックス番号,電子メール・アドレスを入力する領域W42bとを含む。ユーザ登録を行う者(新規登録)は,領域W42bにデータ入力する。入力されたデータはネットワーク301を通じてサーバ・コンピュータ302に送信される。サーバ・コンピュータ302はデータを送信してきたユーザを特定するユーザIDおよびパスワードを発行(生成)して,そのユーザに通知する。以降,ユーザは,クライアント・コンピュータ303をサーバ・コンピュータ302に接続する場合には,通知されたユーザIDおよびパスワードを,領域W42aに入力することになる。
アバウト:家具設計支援システムの機能の紹介を表示画面上に表示する場合にクリックされる。CD−ROM304に記録された紹介データにもとづいて,家具設計支援システムの機能の紹介が文字(文章)および画像によって表示画面上に表示される。
終了:起動ウインドウを表示画面上から消す場合にクリックされる。
クライアント・コンピュータ303のユーザは,サーバ・コンピュータ302を利用することによって,サンプル画像によって表されている完成家具の寸法の変更,色の変更等を行うことができる。第113図は,ネットワーク301を利用した家具設計支援システムにおける,サーバ・コンピュータ302の処理とクライアント・コンピュータ303の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
クライアント・コンピュータ303のユーザは,CD−ROM304を起動してユーザ登録/認証ウインドウW42を表示画面上に表示して,ユーザIDおよびパスワードを入力する(ステップ311)。ユーザIDおよびパスワードがクライアント・コンピュータ303からサーバ・コンピュータ302に送信される。
サーバ・コンピュータ302は受信したユーザIDおよびパスワードにもとづいて,ユーザ認証を行う。認証が成功した場合には,メイン・ページを表すデータをクライアント・コンピュータ303に送信する(ステップ312)。クライアント・コンピュータ303の表示画面上にメイン・ページが表示される(ステップ313,第114図)。
メイン・ページW43は基本的に,上述した起動ウインドウW41(第111図)と同じである。領域W43aに表示されるサンプル画像の数を,CD−ROM304にもとづいて表示されるサンプル画像の数よりも多くしてもよい。
クライアント・コンピュータ303に表示されるメイン・ページW41は,クライアント・コンピュータ303からの送信要求(ユーザIDおよびパスワードの入力)に基づいて,サーバ・コンピュータ302において作成するようにしてもよいし,あらかじめ作成してサーバ・コンピュータ302に保持しておくようにしてもよい。メイン・ページW41はHTMLデータ(HTMLファイル)によって表す(クライアント・コンピュータ303の表示画面に表示する)ことができる。いずれにしても,クライアント・コンピュータ303からのアクセスがあると,サーバ・コンピュータ302は,メイン・ページW41を表示するためのHTMLデータをメモリ内の送信バッファに一時的に格納する。送信バッファに格納されたHTMLデータがクライアント・コンピュータ303によってダウンロードされる。クライアント・コンピュータ303において,ダウンロードされたHTHLデータに基づくウインドウ(メイン・ページW41)が表示される。このことは,後述する他のページについても同様である。
メイン・ページW43の左側には,「ホーム」,「ステップ2」ボタン,「ステップ3」ボタン,「登録」ボタンおよび「アバウト」ボタンが含まれている。「ホーム」,「登録」および「アバウト」ボタンは,起動ウインドウW41のものと同じである。
「ステップ2」ボタンはサンプル画像(完成家具)に寸法の変更,パーツの変更,色の変更を行う場合にクリックされる。「ステップ3」はレンダリング図を表示させる場合にクリックされる。
メイン・ページW43においてサンプル画像(完成家具の画像)のいずれかが選択されると,領域W43bに選択された完成家具の画像が拡大表示される。ここで「ステップ2」ボタンがクリックされると,選択された完成家具についてのカスタム・ページがサーバ・コンピュータ302からクライアント・コンピュータ303に送信される(ステップ315,ステップ316,第115図)。
カスタム・ページW44(第115図)は,選択された完成家具の構造と寸法とを表す図面を表示する領域W44aと,選択された家具の寸法(サイズ)の入力,パーツの選択,色の選択,家具の名称の入力のための領域W44bとが含まれている。
ユーザは,カスタム・ページW44を用いて,選択した完成家具の寸法,パーツ,色を変更することができる(ステップ317)。
「ステップ3」ボタンがクリックされると(ステップ318),変更された値(寸法,パーツ,色)を表すデータ(以下,変更データという)が,クライアント・コンピュータ303からサーバ・コンピュータ302に送信される。変更データを受信したサーバ・コンピュータ302において,クライアント・コンピュータ303に送信するレンダリング・ページの作成処理が行われる(ステップ319)。
第117図はサーバ・コンピュータ302におけるレンダリング・ページの作成のための処理の流れを示すフローチャートである。
サーバ・コンピュータ302は,サンプル画像についての家具設計データを備え(上述の家具設計データ25と同様のデータ),さらにレンダリング・エンジン(プログラム),組み立てエンジン(プログラム)および見積もりエンジン(プログラム)を備えている。変更データにもとづいて,組み立てエンジンが用いられて,家具(家具設計データ)が変更される(ステップ331)。
つづいてレンダリング・エンジンによって変更後の家具設計データにもとづいて,レンダリング処理が行われる(ステップ333)。レンダリング図を表すデータが作成される。
さらに,見積もりエンジンによって,変更後の家具設計データにもとづいて,家具(完成家具)に含まれるパーツと,パーツの寸法とから,家具の値段が算出される(ステップ334)。
サーバ・コンピュータ302は,組み立てエンジンによって得られた家具設計データ,レンダリング・エンジンによって得られたレンダリング図を表すデータ,および見積もりエンジンによって得られた家具の値段を表すデータを含むレンダリング・ページを表すデータを作成し,クライアント・コンピュータ303に送信する(ステップ320)。
レンダリング・ページW45(第116図)には,上述のカスタム・ページW42が用いられて変更された寸法,パーツ,色が反映された家具のレンダリング図が表示される領域W45aを含む。領域W45aの右側上部には変更後の家具の寸法,構造を示す図面(設計図)が,領域w45aの右側下部にはスペック表(日付,寸法,材料,色,塗装,装備,値段)が表示される。
レンダリンダ・ページW45には,「確定」ボタンが含まれている。「確定」ボタンがクリックされると,サーバ・コンピュータ302において,変更データ(変更後の家具設計データ)がデータベースに保存される(ステップ321,ステップ322)。サーバ・コンピュータ302から家具製作所等に向けて,変更後の寸法,パーツ,色を持つ家具についての家具設計データが送信される(図面等が渡すようにしてもよい)。変更後の寸法,パーツ,色を持つ家具が,家具製作所において製作される。
このように,あらかじめ基本的な構造をもつ完成家具の家具設計データ(およびその画像)を用意しておくことによって,その一部に変更を加えるだけで好みの構造,色等を持つ家具を比較的容易に設計することができる。手軽に好みの家具を設計し,注文することができる。また,レンダリング処理を含む家具の画像や図面の作成がサーバ・コンピュータ302側で行われるので,クライアント・コンピュータ303の処理負担は軽い。
上述したネットワークを利用した家具設計支援システムでは,あらかじめ完成家具の家具設計データを用意しておき,この家具設計データの寸法データ等を変更することにより,ユーザの好みの寸法等を持つ家具の家具設計データを作成している。もちろん,あらかじめ用意された完成家具の家具設計データを変更できるようにしたシステムを,スタンドアローンのコンピュータ・システムに実現してもよい。逆に,上述したスタンド・アローンの家具設計支援システム(ユニットの選択から家具設計データを作成するシステム)を,ネットワークを利用して行うようにしてもよい。さらに,ユニットと基本的なパーツが組合わされた状態の家具設計データをあらかじめ用意しておき,これにユーザの好みのパーツをさらに組合わさせる(またはパーツを交換させる)ことによって,家具設計データをユーザに作成させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は天地被せ式ユニットの斜視図を,第1図(B)は(A)のIB−IB線に沿う一部断面図を示す。
第2図(A)は側板被せ式ユニットIの斜視図を,第2図(B)は(A)のIIB−IIB線に沿う一部断面図を示す。
第3図(A)は側板被せ式ユニットIIの斜視図を,(B)は(A)のIIIB−IIIB線に沿う一部断面図を示す。
第4図(A)は留接合式ユニットの斜視図を,第4図(B)は(A)のIVB−IVB線に沿う一部断面図を示す。
第5図(A),第5図(B),第5図(C)および第5図(D)は家具の例を示す斜視図である。
第6図(A),第6図(B),第6図(C)および第6図(D)は家具の例を示す斜視図である。
第7図(A)はインセット式引出しが設けられた家具の例を示す一部破断斜視図,第7図(B)はオーバーセット式引出しが設けられた家具の例を示す一部破断斜視図である。
第8図は,家具設計支援システムの外観を示す斜視図である。
第9図は,家具設計支援システムの電気的構成を示すブロック図である。
第10図は,基本情報テーブル(マスタ)の内容の一部を示す。
第11図は,設計図面(正面)の一例を示す。
第12図は,設計図面(側面)の一例を示す。
第13図(A),第13図(B)および第13図(C)はユニット内のセルと,セル番号と,仕切板のパーツ番号との関係を示す。
第14図は,完成家具テーブルの一例を示す。
第15図は,ユニット番号テーブルの一例を示す。
第16図は,ユニット配置テーブルの一例を示す。
第17図は,仕切(セル)情報テーブルの一例を示す。
第18図は,ユニット/パーツ定義テーブルの一例を示す。
第19図は,引出し配置テーブルの一例を示す。
第20図は,扉配置テーブルの一例を示す。
第21図は,引き手配置テーブルの一例を示す。
第22図は,脚配置テーブルの一例を示す。
第23図は,仕切板配置テーブルの一例を示す。
第24図は,HDに格納された各データ・テーブルの関係を示す。
第25図は,家具設計支援システムの処理の流れを示すフローチャートである。
第26図は,ユニット/パーツ定義処理の流れを示すフローチャートである。
第27図は,板厚の決定処理の流れを示すフローチャートである。
第28図は,組み立て処理の流れを示すフローチャートである。
第29図は,仕切定義処理の流れを示すフローチャートである。
第30図は,色調変更処理の流れを示すフローチャートである。
第31図は,図面表示/印刷処理の流れを示すフローチャートである。
第32図は,表示図面選択処理の流れを示すフローチャートである。
第33図は,ユニット寸法変更処理の流れを示すフローチャートである。
第34図は,セル寸法変更処理の流れを示すフローチャートである。
第35図は,家具写真表示処理の流れを示すフローチャートである。
第36図は,印刷処理の流れを示すフローチャートである。
第37図は,メイン・メニュー・ウインドウの表示例を示す。
第38図は,ユニット/パーツ選択ウインドウの表示例を示す。
第39図は,ユニット寸法入力ウインドウの表示例を示す。
第40図は,ユニットを構成する天板,地板,左側板および右側板の寸法と,セルの寸法と,板厚の寸法との相互の関係を示す。
第41図は,保存名入力ウインドウの表示例を示す。
第42図は,組み立てメイン・ウインドウの表示例を示す。
第43図は,組み立てメイン・ウインドウの表示例を示す。
第44図(A),第44図(B),第44図(C)および第44図(D)は家具の組み立て処理の流れを示す。
第45図(A),(B),(C)および(D)は家具の組み立て処理の流れを示す。
第46図は,家具の組み立て処理の流れを示す。
第47図は,配置変更ウインドウの表示例を示す。
第48図は,仕切定義ウインドウの表示例を示す。
第49図は,配置変更ウインドウの表示例を示す。
第50図は,オフセット寸法が確保された完成家具の一部を破断して示す斜視図である。
第51図は,組み立てメイン・ウインドウの表示例を示す。
第52図は,完成家具表示ウインドウの表示例を示す。
第53図は,完成家具表示ウインドウの表示例を示す。
第54図は,表示図面選択ウインドウの表示例を示す。
第55図は,寸法変更ウインドウの表示例を示す。
第56図は,寸法変更ウインドウの表示例を示す。
第57図は,セル寸法変更ウインドウの表示例を示す。
第58図は,写真表示ウインドウの表示例を示す。
第59図は,印刷指定ウインドウの表示例を示す。
第60図は,ユニット/パーツ選択ウインドウの他の表示例を示す。
第61図は,ひきだし定義ウインドウの表示例を示す。
第62図は,組み立てメイン・ウインドウの他の表示例を示す。
第63図は,組み立てメイン・ウインドウの他の表示例を示す。
第64図は,寸法変更ウインドウの表示例を示す。
第65図は,組み立てメイン・ウインドウの他の表示例を示す。
第66図は,セル定義ウインドウの表示例を示す。
第67図は,組み立てメイン・ウインドウの他の表示例を示す。
第68図は,組み立てメイン・ウインドウの他の表示例を示す。
第69図は,ユニット/パーツ表示領域を拡大して示す。
第70図は,組み立てメイン・ウインドウの他の表示例を示す。
第71図は,ひきだしセット方法選択ウインドウの表示例を示す。
第72図は,組み立てメイン・ウインドウの他の表示例を示す。
第73図は,家具保存ウインドウの表示例を示す。
第74図は,組み立てメイン・ウインドウの他の表示例を示す。
第75図は,完成家具表示ウインドウの他の表示例を示す。
第76図は,完成家具表示ウインドウの他の表示例を示す。
第77図は,図面選択ウインドウの表示例を示す。
第78図は,完成家具表示ウインドウの表示例を示す。
第79図は,完成家具表示ウインドウの表示例を示す。
第80図は,印刷図面選択ウインドウの表示例を示す。
第81図は,完成家具表示ウインドウの表示例を示す。
第82図は,完成家具表示ウインドウの表示例を示す。
第83図は,完成家具の加工図を示す。
第84図は,完成家具のユニットと仕切板との組合せについての加工図を示す。
第85図は,天板の加工図を示す。
第86図は,地板の加工図を示す。
第87図は,裏板(背面板)の加工図を示す。
第88図は,側板の加工図を示す。
第89図は,仕切板の加工図を示す。
第90図は,扉の加工図を示す。
第91図は,引出しの加工図を示す。
第92図は,家具設計支援システムの電気的構成の他の例を示すブロック図である。
第93図は,完成家具の一例を示す斜視図である。
第94図は,製作工程図の一例を示す。
第95図は,製作工程情報テーブルの一例を示す。
第96図は,製作工程図作成処理の流れを示すフローチャートである。
第97図は,テンポラリ・ファイルの一例を示す。
第98図は,家具設計支援システムの電気的構成のさらに他の例を示すブロック図である。
第99図は,取扱説明書の一例を示す。
第100図は,取扱説明書の一例を示す。
第101図は,取扱説明書の一例を示す。
第102図は,取扱説明書の一例を示す。
第103図は,取扱説明書の一例を示す。
第104図は,取扱説明書の一例を示す。
第105図は,取扱説明書テーブルの一例を示す。
第106図は,テキストデータ・テーブルの一例を示す。
第107図は,画像データ・テーブルの一例を示す。
第108図は,取扱説明書作成処理の流れを示すフローチャートである。
第109図は,ネットワークを利用した家具設計支援システムの全体的構成を示すブロック図である。
第110図は,CD−ROMの内容を示す。
第111図は,起動ウインドウの表示例を示す。
第112図は,ユーザ登録/認証ウインドウの表示例を示す。
第113図は,サーバ・コンピュータとクライアント・コンピュータのそれぞれの処理の流れを示すフローチャートである。
第114図は,メイン・ページの表示例を示す。
第115図は,カスタム・ページの表示例を示す。
第116図は,レンダリング・ページの表示例を示す。
第117図は,レンダリング・ページの作成のための処理の流れを示すフローチャートである。
Claims (4)
- 物品およびその構成部材のそれぞれについての空欄が設けられた物品の説明書の基本構成を表わすデータを記憶する第1のデータベース,
1または複数種類の構成部材についての説明書を構成する説明文を表すデータおよび説明画像を表すデータのうち少なくともいずれか一方を記憶する第2のデータベース,
与えられる物品を構成する1または複数種類の構成部材の構造および組合せに関するデータを含む物品設計データに基づいて,上記物品を構成する構成部材についての説明文を表すデータおよび説明画像を表すデータのうち少なくともいずれか一方を,第2のデータベースから取出す取出し手段,ならびに
取出された構成部材についての説明文を表すデータおよび説明画像を表すデータのうち少なくともいずれか一方を,上記第1のデータベースに記憶された説明書の基本構成を表すデータの構成部材についての空欄に組込み,かつ上記与えられる物品設計データから作成される上記物品の画像データを上記物品についての空欄に組込むことによって,上記物品についての説明書を作成して出力する物品説明書作成手段,
を備えた物品の説明書作成システム。 - 上記説明画像を表わすデータは,与えられる複数種類の構成部材を表わすデータおよびそれらの組合せに関するデータにもとづいて作成されるレンダリング図を表わすデータを含む,
請求項1に記載の物品の説明書作成システム。 - 上記第1のデータベースに記憶された上記物品説明書の基本構成を表わすデータは,上記物品の寸法を組込むべき空欄を備え,
上記与えられる物品を構成する1または複数種類の構成部材の組合せに関するデータは上記物品の寸法を表すデータを含み,
上記物品説明書作成手段は,
上記物品の画像に関連付けて,上記物品の寸法を表す数値を上記物品の寸法を組込むべき空欄に組込む,
請求項2に記載の物品の説明書作成システム。 - 物品およびその構成部材のそれぞれについての空欄が設けられた物品の説明書の基本構成を表わすデータを記憶する第1のデータベース,1または複数種類の構成部材についての説明書を構成する説明文を表すデータおよび説明画像を表すデータのうち少なくともいずれか一方を記憶する第2のデータベース,取出し手段ならびに物品説明書作成手段を備えた物品説明書作成システムを制御するプログラムであって,
上記取出し手段が,与えられる物品を構成する1または複数種類の構成部材の構造および組合せに関するデータを含む物品設計データに基づいて,上記物品を構成する構成部材についての説明文を表すデータおよび説明画像を表すデータのうち少なくともいずれか一方を,第2のデータベースから取出し,
上記物品説明書作成手段が,取出された構成部材についての説明文を表すデータおよび説明画像を表すデータのうち少なくともいずれか一方を,上記第1のデータベースに記憶された説明書の基本構成を表すデータの構成部材についての空欄に組込み,かつ上記与えられる物品設計データから作成される上記物品の画像データを上記物品についての空欄に組込むことによって,上記物品についての説明書を作成して出力するように,上記物品説明書作成システムを制御するプログラム,
を記録した記録媒体。
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