JP3314704B2 - 試着状況を示す画像の合成方法および該方法を用いた仮想試着システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、試着状況を示す画
像の合成方法および該方法を用いた仮想試着システムに
関するものであって、人、動物やキャラクターなどの試
着対象物に衣服を試着した際の試着状況を、実際に試着
することなく、その試着状況の画像を仮想的に合成する
ことで、その外観や質感を確認することができるように
したものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の仮想試着システムでは、実際に衣
服を用意し、その衣服を撮像することで衣服の画像を取
り込み、この画像と、予め設定したモデル（試着対象
物）の人物画像とをクロマキー合成法を用いて合成して
モデルへの衣服の試着状況を示す合成画像を仮想的に作
成していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
にして合成画像を作成することで仮想試着を行う場合、
試着したい衣服の種類だけ衣服画像を準備する必要があ
り、必然的にモデルに適合する衣服を実際に作成する必
要がある。しかも、試着対象物を特定のモデルに限定せ
ずに、相互に異なる人物に衣服を試着させる場合には、
それぞれの人物画像を準備するだけでなく、上記したよ
うに各試着人に適合する衣服を作成する必要がある。つ
まり、すべての試着人の人物画像を用意するとともに、
試着人の数と衣服の種類との積で求められる数の衣服を
作成し、各々の衣服画像を用意する必要がある。したが
って、従来の仮想試着システムでは、試着対象物および
／または試着しようとする衣服の種類を広げようとする
と、仮想試着に多大な時間とコストがかかり実用的でな
く、従来の仮想試着システムについては、その実質的な
適用可能範囲は限定されていた。

【０００４】また、従来の仮想試着方法では、クロマキ
ー合成法によって人物画像と衣服画像とを合成し、合成
画像（試着画像）を作成していた。具体的には、ブルー
スクリーンを背景として衣服を撮像し、背景色（ブル
ー）をキーカラーとして人物画像と画一的にクロマキー
合成していた。そのため、衣服の色柄を構成する色成分
にブルースクリーンと同一あるいは近似する色成分が含
まれていると、合成画像において、その色成分の部分が
透けたようになる。当該色成分の部分が比較的少ない場
合には、実質的に問題となるケースは少ないが、衣服の
色柄を構成する色成分のうち、ブルーと同一あるいは近
似する色成分が大部分を占めるケースでは、衣服に大き
な透明部分が生じ、リアルな合成画像が得られないとい
う重大な問題が生じてしまう。したがって、ブルーを主
色成分とする色柄が施された衣服の試着状況を示す画像
を仮想的に作成することは困難であり、仮想試着システ
ムの適用可能範囲が限定されていた。

【０００５】この発明は、上記のような問題に鑑みてな
されたものであり、試着対象物に衣服を試着した際の試
着状況を、実際に試着することなく、仮想的に、しかも
リアルに再現することができる試着状況を示す画像の合
成方法を提供することを第１の目的とする。

【０００６】また、この発明は、実際に試着することな
く、試着対象物に衣服を試着した際の試着状況を示す画
像を、仮想的に、しかもリアルに作成することができる
仮想試着システムを提供することを第２の目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、試着
対象物に衣服を試着した際の試着状況を示す画像を、実
際に試着することなく仮想的に合成する方法であって、
上記第１の目的を達成するため、(a) コンピュータが、
前記試着対象物の画像を記憶する工程と、(b)コンピュ
ータが、前記試着対象物の体型に関する対象物体型情
報、および前記衣服に関する衣服情報を記憶する工程
と、(c) コンピュータが、前記対象物体型情報および前
記衣服情報に基づき、前記試着対象物に前記衣服を着せ
付けて衣服の三次元形状を数値計算により算出すること
により衣服画像を生成する工程と、(d) コンピュータ
が、前記試着対象物の画像と前記衣服画像とを画像合成
して試着状況を示す画像を生成する工程と、を備え、衣
服画像を生成する工程(c)が、(c-1) コンピュータが、
予め基準となる標準モデルの三次元形状に関する標準モ
デル情報を記憶しておくサブ工程と、(c-2) コンピュー
タが、前記標準モデル情報および前記衣服情報に基づ
き、前記標準モデルに衣服を着装させた三次元の着装状
況を数値計算により生成するサブ工程と、(c-3) コンピ
ュータが、前記標準モデルを前記試着対象物の体型およ
び姿勢に変化させ、その時の着装状況の変化を数値計算
して、体型および姿勢の変化が完了した時点の着装状況
において標準モデルが着装している衣服の三次元形状か
ら前記衣服画像を生成するサブ工程と、を備えている。

【０００８】

【０００９】請求項２の発明は、前記工程(d)が、(d-1)
コンピュータが、前記衣服情報に基づき、前記衣服の
色柄を構成する主色成分を求めるサブ工程と、(d-2) コ
ンピュータが、前記主色成分と補色関係にある補色を求
めるサブ工程と、(d-3) コンピュータが、前記補色をキ
ーカラーとして前記試着対象物の画像と前記衣服画像と
をクロマキー合成するサブ工程と、を備えるように構成
している。

【００１０】請求項３の発明は、前記工程(d)が、(d-1)
コンピュータが、前記衣服情報に基づき、前記衣服の
色柄を構成する主色成分を求めるサブ工程と、(d-2) コ
ンピュータが、前記主色成分と補色関係にある補色を求
めるサブ工程と、(d-3) コンピュータが、色空間におけ
る青（ブルー）からの前記主色成分の離れ度合を求め、
当該離れ度合が所定値よりも大きい場合には青を背景色
とする一方、前記所定値以下である場合には前記補色を
背景色として前記試着対象物の画像と前記衣服画像とを
クロマキー合成するサブ工程と、を備えるように構成し
ている。

【００１１】請求項４の発明は、前記衣服情報として、
前記衣服の型紙に関する衣服型紙情報、前記衣服の生地
に関する生地情報、および前記衣服の縫製に関する縫製
情報を含んでいる。

【００１２】請求項５の発明は、試着対象物に衣服を試
着した際の試着状況を示す画像を、実際に試着すること
なく仮想的に合成する仮想試着システムであって、上記
第２の目的を達成するため、前記試着対象物の画像を取
込む画像取込手段と、前記試着対象物の体型に関する対
象物体型情報、および前記衣服に関する衣服情報を入力
する情報入力手段と、前記情報入力手段によって入力さ
れた対象物体型情報および衣服情報に基づき、前記試着
対象物に適合する衣服の三次元形状を数値計算により算
出することにより衣服画像を形成する衣服画像生成手段
と、前記試着対象物の画像と前記衣服画像とを画像合成
して試着状況を示す画像を形成する試着画像生成手段
と、を備え、前記衣服画像生成手段が、予め基準となる
標準モデルの三次元形状に関する標準モデル情報を記憶
しておく標準モデル情報記憶手段と、前記標準モデル情
報および前記衣服情報に基づき、前記標準モデルに衣服
を着装させた三次元の着装状況を数値計算により生成す
る着装状況生成手段と、前記標準モデルを前記試着対象
物の体型および姿勢に変化させ、その時の着装状況の変
化を数値計算して、体型および姿勢の変化が完了した時
点の着装状況において標準モデルが着装している衣服の
三次元形状から前記衣服画像を生成する画像生成手段
と、を備えている。

【００１３】請求項６の発明は、前記試着画像生成手段
によって形成された画像を表示する表示手段を、さらに
備えている。

【００１４】請求項７の発明は、第２の目的を達成する
ため、クライアントからネットワークを介して与えられ
た複数の情報に基づき、試着対象物に衣服を試着した際
の試着状況を示す画像を、実際に試着することなく数値
計算により算出し、その合成画像をネットワークを介し
て前記クライアントに提供するサーバを備え、前記サー
バが、前記クライアントから送信されてくる前記試着対
象物の画像、前記試着対象物の体型に関する対象物体型
情報、および前記衣服に関する衣服情報を受信するとと
もに、前記合成画像を前記クライアントに送信するサー
バ側通信手段と、前記クライアントから送信されてきた
前記対象物体型情報および前記衣服情報に基づき、前記
試着対象物に適合する衣服の三次元形状を数値計算によ
り算出することにより衣服画像を形成する衣服画像生成
手段と、前記試着対象物の画像と前記衣服画像とを画像
合成して試着状況を示す合成画像を形成する試着画像生
成手段と、を備え、前記衣服画像生成手段が、予め基準
となる標準モデルの三次元形状に関する標準モデル情報
を記憶しておく標準モデル情報記憶手段と、前記標準モ
デル情報および前記衣服情報に基づき、前記標準モデル
に衣服を着装させた三次元の着装状況を数値計算により
生成する着装状況生成手段と、前記標準モデルを前記試
着対象物の体型および姿勢に変化させ、その時の着装状
況の変化を数値計算して、体型および姿勢の変化が完了
した時点の着装状況において標準モデルが着装している
衣服の三次元形状から前記衣服画像を生成する画像生成
手段と、を備えている。

【００１５】

【００１６】請求項８の発明は、前記クライアントが、
前記試着対象物の画像を取込む画像取込手段と、前記試
着対象物の体型に関する対象物体型情報、および前記衣
服に関する衣服情報を入力する情報入力手段と、前記試
着対象物の画像、前記対象物体型情報および前記衣服情
報を前記ネットワークを介して前記サーバに送信すると
ともに、前記サーバから送信されてくる合成画像を受信
するクライアント側通信手段と、を備えるように構成し
ている。

【００１７】請求項９の発明は、前記クライアントが、
前記サーバから送信されてきた前記合成画像を表示する
表示手段をさらに備えるように構成している。

【００１８】この発明では、試着対象物の画像と衣服の
画像とを合成して合成画像（試着画像）を作成するのに
あたって、まず対象物体型情報および衣服情報に基づ
き、試着対象物に適合する衣服の三次元形状を数値計算
により算出することにより衣服画像が生成される。そし
て、この衣服画像と、試着対象物の画像とが画像合成さ
れて試着状況を示す合成画像が作成される。

【００１９】

【発明の実施の形態】図１は、この発明にかかる仮想試
着システムの一の実施形態を示すブロック構成図であ
る。この仮想試着システムはスタンドアロン型のシステ
ムであり、後で詳述する画像処理を行うＣＰＵ１を中心
として、このＣＰＵ１に予め計算モデル（プログラム）
や初期データなどが記憶されているＲＯＭ２と、入力情
報や演算結などを一時的に記憶するためのＲＡＭ３とが
電気的に接続されるとともに、画像取込装置４、キーボ
ード５、マウス６、外部記憶装置７、表示装置８および
プリンター９が図示を省略するＩ／Ｏを介して電気的に
接続されている。

【００２０】これらの構成要素のうち、画像取込装置４
は、試着人（試着対象物）の画像を取込む装置であり、
例えばデジタルカメラを用いることができ、このデジタ
ルカメラによって試着人を直接撮像し、その人物画像の
画像データをＣＰＵ１に与えることができる。また、デ
ジタルカメラで試着人を直接撮像する代わりに、試着人
が写っている写真を撮像し、スキャナで人物画像の画像
データを得るようにしてもよい。このように、写真から
試着人の人物画像を得る手段としては、デジタルカメラ
の他、スキャナを用いることができる。さらに、予め人
物画像の画像データが磁気記憶ディスク、光磁気ディス
クやＣＤ−ＲＯＭなどの外部記憶媒体に保存されている
場合には、外部記憶媒体から画像データを読み出し、Ｃ
ＰＵ１に与えるようにしてもよい。このように、人物画
像の取込形態に応じて適切な装置を用いることができ、
画像取込装置４としては、デジタルカメラやスキャナな
どの撮像装置の他、外部記憶媒体に保存されている画像
データを読み出す読出装置が含まれる。

【００２１】また、外部記憶装置７は、種々の情報を書
込および読出可能な装置であり、画像取込装置４やキー
ボード５などを介して入力された種々の情報、例えば人
物画像の画像データ、試着人の体型に関する体型情報、
衣服の型紙に関する衣服型紙情報、衣服の生地に関する
生地情報、および衣服の縫製に関する縫製情報などを記
憶する装置である。

【００２２】また、表示装置８はＣＲＴや液晶ディスプ
レイなどで構成されており、上記した仮想試着状況を示
す画像を作成するために必要な種々の情報（人物画像の
画像データ、体型情報など）を入力するための表示画面
やこれらの情報に基づき作成された合成画像（試着画
像）を表示する。

【００２３】さらに、ＣＰＵ１の機能構成を詳細に説明
すると、同図に示すように、ＣＰＵ１には、試着用とし
て選択された衣服（試着服）に対応する衣服型紙情報を
外部記憶装置７から読出し、一時的に記憶しておくため
のメモリ１１と、標準人体モデルの三次元体型に関する
標準人体情報（標準モデル情報）を外部記憶装置７から
読出して、一時的に記憶しておくためのメモリ１２と、
仮想試着用として選択された人物画像を一時的に記憶し
ておくための画像メモリ１４とが設けられている。そし
て、衣服画像生成部１３がメモリ１１から衣服型紙情報
を、メモリ１２から標準人体情報をそれぞれ読出すとと
もに、キーボード５やマウス６を介して入力された体型
情報、生地情報、および縫製情報をＲＡＭ３から読出
し、試着人に適合する衣服の三次元形状を数値計算によ
り算出することにより衣服画像を生成する。こうして作
成された衣服画像と、試着人の人物画像とが試着画像生
成部１５に与えられ、人物画像と衣服画像とがクロマキ
ー合成されて合成画像（試着画像）が作成されるように
なっている。なお、この実施形態ではクロマキー合成法
を用いているが、人物画像と衣服画像との画像合成方法
については任意の方法を用いることができる。

【００２４】次に、上記のように構成された仮想試着シ
ステムを用いた仮想試着手順について図２を参照しつつ
説明する。なお、仮想試着の態様は多様であるため、こ
こでは、説明の便宜から、オペレータが人物写真をスキ
ャナ（画像取込装置）４を用いて走査撮像し、これによ
って試着人の人物画像を得るとともに、すでに外部記憶
装置７に保存されている種々の衣服情報から試着しよう
とする衣服を選択した後、当該衣服を試着人に試着した
際の試着状況を仮想的に示す合成画像（試着画像）を作
成するまでの手順に絞って説明する。

【００２５】図２は、図１の仮想試着システムにおける
仮想試着手順を示すフローチャートである。この仮想試
着システムでは、まず試着人の体型に関する情報（体型
情報）を入力するための画面が表示装置８に表示され、
この表示内容にしたがってオペレータが試着人の体型情
報をキーボード５および／またはマウス６を用いて入力
する（ステップＳ１）。こうして、入力された体型情報
はＲＡＭ３に一時的に記憶される。

【００２６】体型情報の入力が完了すると、図３に示す
基本画面８１が表示装置８に表示される。この基本画面
８１では、その下方位置に各種の情報を選択入力するた
めのボックス群８２が水平配置されている。このボック
ス群８２は、試着服として選択されている衣服の形状を
示す「服」ボックス８２ａと、同衣服の生地を示す「生
地」ボックス８２ｂと、同衣服の色柄を示す「柄」ボッ
クス８２ｃと、試着人として選択されている人物の人物
画像を示す「写真」ボックス８２ｄと、人物モデルの動
作を設定するための「動作」ボックス８２ｅとで構成さ
れている。ここで、これらのボックス８２ａ〜８２ｅの
ひとつ、例えば「服」ボックス８２ａをマウス６でクリ
ックすると、ポップアップ画面が基本画面８１上に現
れ、外部記憶装置７に記憶されている衣服の形状が複数
個表示される。そして、「服」ボックス８２ａに表示さ
れている以外の衣服を選択入力すると、試着服の衣服形
状が変更される。このように、この実施形態では、マウ
ス６を用いて衣服に関する情報を容易に変更することが
できる（ステップＳ２）。

【００２７】また、試着人についても同様であり、複数
の人物画像が既に外部記憶装置７に保存されている場合
には、マウス６を操作して選択入力することができる
（ステップＳ３）。なお、所望の試着人の人物画像が保
存されていない場合には、画像取込装置４によって人物
写真を走査することで新たな人物画像を外部記憶装置７
に新規保存した後、その人物画像をマウス６を用いて選
択すればよい。また、人物画像としては、例えば水着姿
のように試着人のボディーラインが明確に現れたものが
望ましいが、これに限定されるものではなく、例えば上
着やコードなどの衣服についての仮想試着を行う場合に
は、試着人がシャツやネクタイなどを着用している方が
好適であり、要は試着しようとする衣服との関係で適切
な人物画像を用意すればよい。

【００２８】この基本画面８１（図３）の左手側には、
仮想試着の実行のためのボックス８３ａおよび終了のた
めのボックス８３ｂなどが垂直配置されている。したが
って、上記のようにして各種の試着条件（試着人、衣服
の形状、色柄など）を設定が完了し、ボックス８２ａを
マウス６でクリックすると、メモリ１１、１２、１４の
それぞれに、試着用として選択された衣服（試着服）に
対応する衣服型紙情報、標準人体情報および仮想試着用
として選択された人物画像が記憶されるとともに、「生
地」ボックス８２ｂや「柄」ボックス８２ｃなどで選択
入力された各種の情報がＲＡＭ３に一時的に記憶され、
次のステップＳ４〜Ｓ６が実行されて試着人の体型に対
応した人体モデルおよび当該人体モデルに適合する三次
元の衣服画像が求められ、基本画面８１の右上に位置す
る中間表示部８４に表示されるとともに、さらにステッ
プＳ７〜Ｓ１１が実行されて試着画像が求められ、基本
画面８１の左上に位置する試着表示部８５に表示され
る。

【００２９】すなわち、メモリ１１、１２に記憶されて
いる衣服型紙情報および標準人体情報、またＲＡＭ３に
記憶されている各種の情報に基づき、図４に示すよう
に、標準人体モデルＭst（同図(a)）に適合した衣服Ｃs
tを着装させた着装状況を数値計算により求めて、初期
的な三次元の衣服形状モデル（同図(b)）を求める（ス
テップＳ４）。そして、標準人体モデルＭstの体型サイ
ズを徐々に変化させて最終的に試着人の体型と一致、あ
るいはほぼ一致させる（ステップＳ５）。さらに、こう
して試着人体型に変更された人体モデルの各部を徐々に
動作させて人物画像中の試着人姿勢とほぼ一致させる
（ステップＳ６）。これによって、試着人の体型および
姿勢に対応した人体モデルＭに適合する衣服（衣服形状
モデルＣm）の三次元形状から衣服画像を生成し、人体
モデルＭに衣服形状モデルＣmを着装したモデル画像Ｉm
が基本画面８１の中間表示部８４に表示される（図
３）。なお、ステップＳ４〜Ｓ６で用いる計算モデル
は、すべて従来より公知の技術を用いており、それぞれ
（特開平８−４４７８５号：衣服の立体形状形成方
法）、ＦＦＤ（Free Form Deformation）法、および
「亀田能成，美濃導彦，池田克夫：”シルエット画像か
らの関節物体の姿勢推定法”，電子情報通信学会誌，Ｊ
７９−Ｄ−ＩＩ，１，ｐｐ．２６−３５（１９９６）」
に詳述されているため、ここでは説明を省略する。

【００３０】上記のようにして衣服形状モデルＣmが求
まると、ＲＡＭ３から「柄」ボックス８２ｃで選択入力
された色柄に関する情報を読み出し、この情報に基づき
衣服形状モデルＣmに色柄を付与する（ステップＳ７：
図６(b)参照）。そして、ステップＳ８でクロマキー合
成のための背景色を求める。この実施形態では、色柄が
施された衣服形状モデルＣmの画像を構成する各画素ご
とにＲ成分、Ｇ成分およびＢ成分の強度を階調、例えば
２５６階調で求めた後、図５に示すように、各色成分ご
とに各階調（０〜２５５）を示す画素数のヒストグラム
を求め、さらに各平均値ＡＶR、ＡＶG、ＡＶBをそれぞ
れ求めて色柄を構成する色成分のうち主成分となる色成
分を求める。そして、これらの平均値ＡＶR、ＡＶG、Ａ
ＶBで示される階調を有するＲ成分、Ｇ成分およびＢ成
分からなる色（主色成分）が青（Ｒ、Ｇ成分の階調＝
０；Ｂ成分の階調＝２５５）からどの程度離れているか
を定量的に求め、その離れ度合が所定値よりも大きい場
合には青を背景色とする一方、所定値以下である場合に
は、階調値ＡＶR、ＡＶG、ＡＶBで特定される色と補色
関係にある補色を背景色としている。なお、この実施形
態では、図５の下段に示すように、平均値ＡＶR、ＡＶ
G、ＡＶBを１２６（＝２５６／２）だけシフトし、シフ
ト後の階調値ＡＶR′、ＡＶG′、ＡＶB′で特定される
色を補色としているが、補色を求める方法についてはこ
れに限定されるものではない。

【００３１】こうして背景色が決定されると、図３の画
像Ｉm中の背景および人体モデルＭを背景色にして衣服
画像ＩCLを求める（ステップＳ９：図６(b)参照）。そ
して、画像メモリ１４から人物画像ＩOB（図６(a)）を
読み出し、この人物画像ＩOBと衣服画像ＩCLとをクロマ
キー合成して合成画像（試着画像）Ｉを求める（ステッ
プＳ１０）。その後、合成画像（試着画像）Ｉを基本画
面８１の試着表示部８５に表示出力するとともに、印刷
指令に応じてプリント出力する（ステップＳ１１）。

【００３２】以上のように、この実施形態にかかる仮想
試着システムによれば、試着人の人物画像、試着人の体
型を示す体型情報および試着したい衣服に関する衣服情
報を与えておくだけで、実際に衣服を作成し、その衣服
を試着人に試着させることなく、仮想的に試着状況を画
像化することができる。しかも、そのような仮想試着処
理を計算処理によって行っているため、人物画像、体型
情報および試着したい衣服に関する衣服情報を適宜組み
合わせることで、種々の試着状況を簡単に、しかも迅速
に確認することができる。なお、この実施形態では、１
つのＣＰＵ１によって、種々の計算処理を行っている
が、複数のＣＰＵを設け、並列処理を行うことで仮想試
着処理をより一層高速化することができる。

【００３３】また、試着希望者（本人）の人物画像に基
づき試着画像を作成することも可能であり、従来からあ
る通常のカタログにように本人とは異なるモデルが目的
の衣服を着た画像が作成されているのではなく、本人の
体が目的の衣服を着ている状況を観察することができ、
衣服選定の大きな助けとなる。

【００３４】また、衣服の生地情報などを考慮しながら
標準人体モデルを試着人の体型および姿勢に徐々に変化
させることで着装状況を三次元的に、しかも動的に変化
させ、体型および姿勢の変化が完了した時点の着装状況
における衣服の画像を衣服画像として求めているので、
実際に衣服を試着した場合の試着状況に近いリアルな試
着状況を得ることができる。

【００３５】さらに、この実施形態では、画像合成法と
してクロマキー合成を用いているが、クロマキー合成を
行うに先立って、衣服の色柄を構成する主色成分を求
め、この主色成分と補色関係にある補色を求め、衣服の
色柄を構成する色成分の主成分が青、あるいは近似して
いる場合、補色をキーカラーとしているので、従来のよ
うに色柄に拘わらず画一的に青をキーカラーとしてクロ
マキー合成を行った際に発生する問題、つまり衣服の色
柄に青が多く含まれている場合に当該青部分が透明にな
ってしまうという問題の発生を防止し、常にリアルな試
着状況を仮想的に作成することができる。

【００３６】図７は、この発明にかかる仮想試着システ
ムの他の実施形態を示すブロック構成図である。この仮
想試着システムはネットワーク型のシステムであり、イ
ンターネットやイントラネットなどのネットワークを介
してサーバー２０とクライアント３０とが双方向通信可
能となっている。

【００３７】この実施形態では、サーバー２０は、ネッ
トワークサーバー２１、アプリケーションサーバー２２
およびデータベースサーバー２３で構成されており、ネ
ットワークサーバー２１はクライアント３０との双方向
通信を制御し、データベースサーバー２３は衣服型紙や
標準人体モデルの体型に関する情報などを記憶してい
る。そして、アプリケーションサーバー２２は、クライ
アント３０のアクセスに応じて先の実施形態と同様の基
本画面（図３参照）に関する情報をネットワークサーバ
ー２１を介してクライアント３０に送信するとともに、
この基本画面にしたがってクライアント３０から送られ
てくる各種の情報を受信し、これらの受信情報と、デー
タベースサーバー２３から読み出した各種の情報とに基
づき試着画像を作成するものである。すなわち、このア
プリケーションサーバー２２では、仮想試着用としてク
ライアント３０から送られてきた人物画像を一時的に記
憶しておくための画像メモリ２２１が設けられていると
ともに、衣服画像生成部２２２が設けられ、クライアン
ト３０から与えられた体型情報、クライアント３０によ
って指定された試着用として選択された試着服、生地や
色柄などに応じて生地情報や縫製情報などの衣服情報を
データベースサーバー２３から読み出し、試着人の体型
に適合した衣服を示す衣服画像を作成する。そして、こ
の衣服画像生成部２２２で作成された衣服画像と、試着
人の人物画像とが試着画像生成部２２３に与えられ、人
物画像と衣服画像とがクロマキー合成されて合成画像
（試着画像）が作成されるようになっている。

【００３８】一方、クライアント３０は、ネットワーク
に接続されたユーザー端末３１、ユーザー端末３１に電
気的に接続された表示装置３２および画像取込装置３３
を備えており、上記のようにネットワークを介してサー
バー２０にアクセスすると、サーバー２０から送られて
くる基本画面に関する情報を受信し、基本画面を表示装
置３２に表示し、またこの基本画面にしたがってキーボ
ードやマウス（図示省略）を操作して入力選択した情
報、および画像取込装置３３によって取込んだ試着人の
人物画像をネットワークを介してサーバー２０に送信可
能となっている。

【００３９】次に、上記のように構成された仮想試着シ
ステムを用いた仮想試着手順について図８および図９を
参照しつつ説明する。なお、仮想試着の態様は多様であ
るため、ここでは、説明の便宜から、クライアント３０
側のオペレータ（試着人）が人物写真をスキャナ（画像
取込装置）３３を用いて走査撮像し、これによって試着
人の人物画像を得るとともに、すでにデータベースサー
バー２３に保存されている種々の衣服情報から試着しよ
うとする衣服を選択した後、当該衣服を試着人に試着し
た際の試着状況を仮想的に示す合成画像（試着画像）を
作成し、クライアント３０の表示装置に表示出力するま
での手順に絞って説明する。

【００４０】まず、オペレータがクライアント３０のキ
ーボード（図示省略）を操作してサーバーのホームペー
ジにアクセスする（ステップＳ２１）と、これを受けて
サーバー２０側では試着人の体型に関する情報を入力す
るための画面（体型入力画面）に関する情報がクライア
ント３０に送信される（ステップＳ３１）。

【００４１】クライアント３０側では、この体型入力画
面に関する情報に基づき表示装置３２上に体型入力画面
が表示され、この表示内容にしたがってオペレータが試
着人の体型情報をキーボードおよび／またはマウスを用
いて入力する（ステップＳ２２）。こうして、入力され
た体型情報はネットワークを介してサーバー２０に送信
される。すると、これを受けてサーバー２０側では、体
型情報がアプリケーションサーバーのＲＡＭ（図示省
略）に一時的に記憶されるとともに、図３と同一の基本
画面に関する情報がクライアント３０に送信される（ス
テップＳ３２）。

【００４２】クライアント３０側では、この基本画面に
関する情報に基づき表示装置３２上に基本画面８１（図
３）が表示装置３２に表示される。そして、先の実施形
態（スタンドアロン型）と同様にして試着服、生地、色
柄などの衣服情報が選択入力され（ステップＳ２３）、
スキャナ（画像取込装置）３３によって試着人の人物画
像が取込まれた（ステップＳ２４）後、実行用のボック
ス８２ａ（図３）をマウスでクリックして仮想試着の実
行を指示する（ステップＳ２５）と、上記のようにして
選択入力された各種の情報がサーバー２０に送信される
（ステップＳ２６）。すると、ステップＳ３３でサーバ
ー２０はクライアント３０からの各種の情報を受信し、
先の実施形態のステップＳＳ４〜Ｓ１０に対応する処理
（ステップＳ３４〜Ｓ４０）を実行して試着画像を作成
する。すなわち、ステップＳ３４〜Ｓ３６が実行されて
試着人の体型に対応した人体モデルおよび当該人体モデ
ルに適合する三次元の衣服画像が求められ、さらにステ
ップＳ３７〜Ｓ４０が実行されて試着状況を示す合成画
像（試着画像）が作成される。そして、こうして作成さ
れた合成画像が基本画面８１の試着表示部８５に表示さ
れるように基本画面８１を更新し、その更新画面に関す
る情報がネットワークを介してクライアント３０に送信
される（ステップＳ４１）。

【００４３】クライアント３０側では、サーバー２０か
らの更新画面に関する情報を受信し（ステップＳ２
７）、基本画面を更新表示する。これによって、表示装
置３２に表示された基本画面８１の試着表示部８５に試
着画像が現れ、オペレータは、自分が実際に試着するこ
となく、自分に選択した衣服を試着した状況を確認する
ことができる。

【００４４】以上のように、この実施形態によれば、先
の実施形態と同様に、実際に試着することなく、リアル
な試着状況を仮想的に見ることができ、種々の試着状況
を簡単に、しかも迅速に確認することができる等の効果
に加えて、ネットワークを利用することで種々の場所に
配置された端末（この実施形態では「クライアント」に
相当する）、例えば自宅のパソコンで仮想試着を実現す
ることができる。

【００４５】本発明は、上記の実施形態に限定されるも
のではなく、以下の内容をも包含するものである。

【００４６】（１）上記実施形態では、１人の試着人に
衣服を試着するケースを想定して説明しているが、試着
人の数は任意であり、複数の試着人が写った人物画像に
基づき仮想試着を行うと、試着人間でのファッションの
整合性を確認することができる。特に、男女アベックの
ファッションコーディネートやチーム・団体のユニフォ
ームコーディネートに有効である。

【００４７】（２）上記実施形態では、試着対象物を人
物に限定して説明したが、試着対象物は人物に限定され
るものではなく、犬、猫、馬などの動物、アニメーショ
ンのキャラクターなども含まれる。特に、アニメーショ
ンのキャラクターに衣服を着せ付ける場合、従来におい
ては衣服アニメーションを人手に頼って作成しており、
簡単な衣服であっても作成に数日を要することがあるの
に対し、本発明にかかる仮想試着方法を利用することで
短時間でキャラクターに衣服を着せ付けることができ、
これを利用することでリアルなアニメーションを短時間
で安価に作成することができる。

【００４８】（３）上記実施形態にかかる仮想試着シス
テムについては、衣服をデザインするアパレル産業をは
じめ、織物をデザインするテキスタイル産業、繊維産
業、百貨店やブティック、通信販売における衣服選択、
目的の衣服検索、絞り込みなどの幅広い用途に適用する
ことができるが、システム構成の一部を変更することで
アミューズメント、イベントなどの用途に利用可能であ
る。例えば、図１の仮想試着システムの構成要素のう
ち、画像取込装置としてディジタルカメラを設置し、こ
のディジタルカメラで利用者の人物画像を撮像し、この
利用者に好みの衣服を表示装置８の画面上で選択させた
後、その衣服の試着状況を示す合成画像を作成し、さら
にシールなどにプリントアウトすることも可能である。
また、対戦型戦闘ゲームに本発明にかかる画像の合成方
法を適用することで、キャラクターの動作に応じて衣服
の一部にしわができるなどの衣服に変化を持たせたり、
相手の攻撃で衣服が破れたりすることで、リアルで臨場
感ある画像が得られ、ゲーム性をより一層高めることが
できる。

【００４９】（４）ポルノ写真のような成人向けの画像
は、未成年にとって有害となるため、本発明を用いて画
像中の人物に衣服を着せ付けて、その有害性を完全に隠
蔽することも可能である。

【００５０】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、試着
対象物の画像と衣服の画像とを合成して合成画像（試着
画像）を作成するのにあたって、まず対象物体型情報お
よび衣服情報に基づき、試着対象物に適合する衣服の三
次元形状を数値計算により算出することにより衣服画像
を生成し、試着対象物の画像と画像合成して試着状況を
示す合成画像を作成しているので、試着対象物に衣服を
試着した際の試着状況を、実際に試着することなく、仮
想的に、しかもリアルに再現することができる。

【００５１】また、画像合成としてクロマキー合成を行
うにあたって、衣服の色柄を構成する主色成分を求め、
この主色成分に基づき背景色を決定しており、こうして
決定された背景色を用いてクロマキー合成しているた
め、衣服の青部分が透けるという従来の不具合を解消し
てリアルな試着画像を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明にかかる仮想試着システムの一の実施
形態を示すブロック構成図である。

【図２】図１の仮想試着システムにおける仮想試着手順
を示すフローチャートである。

【図３】基本画面を示す図である。

【図４】試着人の体型および姿勢に対応した人体モデル
に適合する三次元の衣服形状モデル（衣服画像）を作成
する手順を説明する図である。

【図５】クロマキー合成で用いる背景色の決定方法を示
す図である。

【図６】クロマキー合成による試着画像の作成手順を示
す図である。

【図７】この発明にかかる仮想試着システムの他の実施
形態を示すブロック構成図である。

【図８】図７の仮想試着システムにおける仮想試着手順
を示すフローチャートである。

【図９】図７の仮想試着システムにおける仮想試着手順
を示すフローチャートである。

【符号の説明】 １…ＣＰＵ ２…ＲＯＭ ３…ＲＡＭ ４…画像取込装置 ５…キーボード（情報入力手段） ６…マウス（情報入力手段） ７…外部記憶装置 ８…表示装置 ９…プリンター １３、２２２…衣服画像生成部 １５、２２３…試着画像生成部 ２０…サーバー ２１…ネットワークサーバー ２２…アプリケーションサーバー ２３…データベースサーバー ３０…クライアント ３１…ユーザー端末 ３２…表示装置 ３３…画像取込装置 Ｃm…衣服形状モデル Ｃst…衣服 ＩCL…衣服画像 ＩOB…人物画像 Ｉm…モデル画像 Ｍst…標準人体モデル Ｍ…人体モデル

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平６−41805（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−336445（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−273017（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−34952（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−44556（ＪＰ，Ａ) 坂口嘉之ほか，仮想服飾環境ＰＡＲＴ Ｙ −バーチャルリアリティと服飾環境 −，繊維機械学会誌，日本，社団法人日 本繊維機械学会，1996年７月25日，ｖｏ ｌ．49，ｎｏ．７，ｐ360−368 (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G06F 17/50 680 ＪＩＣＳＴファイル（ＪＯＩＳ)

Claims (9)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 試着対象物に衣服を試着した際の試着状
   況を示す画像を、実際に試着することなく仮想的に合成
   する方法であって、 (a) コンピュータが、前記試着対象物の画像を記憶する
   工程と、 (b) コンピュータが、前記試着対象物の体型に関する対
   象物体型情報、および前記衣服に関する衣服情報を記憶
   する工程と、 (c) コンピュータが、前記対象物体型情報および前記衣
   服情報に基づき、前記試着対象物に前記衣服を着せ付け
   て衣服の三次元形状を数値計算により算出することによ
   り衣服画像を生成する工程と、 (d) コンピュータが、前記試着対象物の画像と前記衣服
   画像とを画像合成して試着状況を示す画像を生成する工
   程と、を備え、 衣服画像を生成する工程(c)が、 (c-1) コンピュータが、予め基準となる標準モデルの三
   次元形状に関する標準モデル情報を記憶しておくサブ工
   程と、 (c-2) コンピュータが、前記標準モデル情報および前記
   衣服情報に基づき、前記標準モデルに衣服を着装させた
   三次元の着装状況を数値計算により生成するサブ工程
   と、 (c-3) コンピュータが、前記標準モデルを前記試着対象
   物の体型および姿勢に変化させ、その時の着装状況の変
   化を数値計算して、体型および姿勢の変化が完了した時
   点の着装状況において標準モデルが着装している衣服の
   三次元形状から前記衣服画像を生成するサブ工程と、 を備えたことを特徴とする試着状況を示す画像の合成方
   法。
2. 【請求項２】 前記工程(d)が、 (d-1) コンピュータが、前記衣服情報に基づき、前記衣
   服の色柄を構成する主色成分を求めるサブ工程と、 (d-2) コンピュータが、前記主色成分と補色関係にある
   補色を求めるサブ工程と、 (d-3) コンピュータが、前記補色をキーカラーとして前
   記試着対象物の画像と前記衣服画像とをクロマキー合成
   するサブ工程と、 を備えた請求項１記載の試着状況を示す画像の合成方
   法。
3. 【請求項３】 前記工程(d)が、 (d-1) コンピュータが、前記衣服情報に基づき、前記衣
   服の色柄を構成する主色成分を求めるサブ工程と、 (d-2) コンピュータが、前記主色成分と補色関係にある
   補色を求めるサブ工程と、 (d-3) コンピュータが、色空間における青（ブルー）か
   らの前記主色成分の離れ度合を求め、当該離れ度合が所
   定値よりも大きい場合には青を背景色とする一方、前記
   所定値以下である場合には前記補色を背景色として前記
   試着対象物の画像と前記衣服画像とをクロマキー合成す
   るサブ工程と、 を備えた請求項１記載の試着状況を示す画像の合成方
   法。
4. 【請求項４】 前記衣服情報が、前記衣服の型紙に関す
   る衣服型紙情報、前記衣服の生地に関する生地情報、お
   よび前記衣服の縫製に関する縫製情報を含んだ請求項１
   ないし３のいずれかに記載の試着状況を示す画像の合成
   方法。
5. 【請求項５】 試着対象物に衣服を試着した際の試着状
   況を示す画像を、実際に試着することなく仮想的に合成
   する仮想試着システムであって、 前記試着対象物の画像を取込む画像取込手段と、 前記試着対象物の体型に関する対象物体型情報、および
   前記衣服に関する衣服情報を入力する情報入力手段と、 前記情報入力手段によって入力された対象物体型情報お
   よび衣服情報に基づき、前記試着対象物に適合する衣服
   の三次元形状を数値計算により算出することにより衣服
   画像を形成する衣服画像生成手段と、 前記試着対象物の画像と前記衣服画像とを画像合成して
   試着状況を示す画像を形成する試着画像生成手段と、を備え、 前記衣服画像生成手段が、 予め基準となる標準モデルの三次元形状に関する標準モ
   デル情報を記憶しておく標準モデル情報記憶手段と、 前記標準モデル情報および前記衣服情報に基づき、前記
   標準モデルに衣服を着装させた三次元の着装状況を数値
   計算により生成する着装状況生成手段と、 前記標準モデルを前記試着対象物の体型および姿勢に変
   化させ、その時の着装状況の変化を数値計算して、体型
   および姿勢の変化が完了した時点の着装状況において標
   準モデルが着装している衣服の三次元形状から前記衣服
   画像を生成する画像生成手段と、 を備えたことを特徴とする仮想試着システム。
6. 【請求項６】 前記試着画像生成手段によって形成され
   た画像を表示する表示手段を、さらに備えた請求項５記
   載の仮想試着システム。
7. 【請求項７】 クライアントからネットワークを介して
   与えられた複数の情報に基づき、試着対象物に衣服を試
   着した際の試着状況を示す画像を、実際に試着すること
   なく数値計算により算出し、その合成画像をネットワー
   クを介して前記クライアントに提供するサーバを備え、 前記サーバが、 前記クライアントから送信されてくる前記試着対象物の
   画像、前記試着対象物の体型に関する対象物体型情報、
   および前記衣服に関する衣服情報を受信するとともに、
   前記合成画像を前記クライアントに送信するサーバ側通
   信手段と、 前記クライアントから送信されてきた前記対象物体型情
   報および前記衣服情報に基づき、前記試着対象物に適合
   する衣服の三次元形状を数値計算により算出することに
   より衣服画像を形成する衣服画像生成手段と、 前記試着対象物の画像と前記衣服画像とを画像合成して
   試着状況を示す合成画像を形成する試着画像生成手段
   と、 を備え、 前記衣服画像生成手段が、 予め基準となる標準モデルの三次元形状に関する標準モ
   デル情報を記憶しておく標準モデル情報記憶手段と、 前記標準モデル情報および前記衣服情報に基づき、前記
   標準モデルに衣服を着装させた三次元の着装状況を数値
   計算により生成する着装状況生成手段と、 前記標準モデルを前記試着対象物の体型および姿勢に変
   化させ、その時の着装 状況の変化を数値計算して、体型
   および姿勢の変化が完了した時点の着装状況において標
   準モデルが着装している衣服の三次元形状から前記衣服
   画像を生成する画像生成手段と、 を備えたことを特徴とする仮想試着システム。
8. 【請求項８】 前記クライアントが、 前記試着対象物の画像を取込む画像取込手段と、 前記試着対象物の体型に関する対象物体型情報、および
   前記衣服に関する衣服情報を入力する情報入力手段と、 前記試着対象物の画像、前記対象物体型情報および前記
   衣服情報を前記ネットワークを介して前記サーバに送信
   するとともに、前記サーバから送信されてくる合成画像
   を受信するクライアント側通信手段と、 を備えた請求項７記載の仮想試着システム。
9. 【請求項９】 前記クライアントが、前記サーバから送
   信されてきた前記合成画像を表示する表示手段をさらに
   備えた請求項８記載の仮想試着システム。