JPH08137939A - 製品開発方法 - Google Patents

製品開発方法

Info

Publication number
JPH08137939A
JPH08137939A JP6278792A JP27879294A JPH08137939A JP H08137939 A JPH08137939 A JP H08137939A JP 6278792 A JP6278792 A JP 6278792A JP 27879294 A JP27879294 A JP 27879294A JP H08137939 A JPH08137939 A JP H08137939A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
product
specifications
instruction manual
procedure
operation procedure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6278792A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Shinagawa
哲夫 品川
Kiyomoto Kasuya
清基 糟谷
Atsushi Abe
篤史 阿部
Akio Shinagawa
明生 品川
Fumitaka Ito
文隆 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP6278792A priority Critical patent/JPH08137939A/ja
Publication of JPH08137939A publication Critical patent/JPH08137939A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は,家庭用電器製品,特にパーソナル
ファクシミリを含むパーソナル情報機器の開発方法,及
び,その取扱説明書の作成方法に関する。 【構成】 本発明においては,以下のステップから成る
製品開発方法を特徴としている。(1)製品コンセプト
と製品仕様から開発製品の操作手順仕様書を作成するス
テップ。(2)上記操作手順仕様書に基づいて,コンピ
ュータシミュレーションによって開発製品のソフトモデ
リングを行うステップ。(3)上記ソフトモデリングに
よって,操作手順仕様書を決定するステップ。(4)上
記決定された操作手順仕様書に基づいて,設計仕様書及
び製品取扱説明書を平行して作成するステップ。 【効果】 本発明を製品仕様検討時に適用することで,
製品開発過程において,あらかじめ完成品の使いやすさ
を想定できると供に,製品と整合の取れた取扱説明書を
作成できることで,製品及びその取扱説明書の開発工程
を同時に短縮し,従来より製品の使いやすさ,取扱説明
書の分かりやすさを向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,家庭用電器製品,特に
パーソナルファクシミリを含むパーソナル情報機器の開
発方法,及び,その取扱説明書の作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】製品は,決定した仕様から,設計,試作
され,試作品が完成した時点で使いやすさを検証する。
従って,完成品を使用してみて初めて,使用上の不具合
が検出される場合がある。一方,取扱説明書は,決定し
た製品仕様から作成される。この時点で,表現上の工夫
はあるが,製品本体との整合は検証されない(図2参
照)。
【0003】従って,本来,取扱説明書記載の説明と製
品の動作は整合が取れているべきであるのに,仕様決定
以降は,製品と取扱説明書はそれぞれ独立して開発され
るため,完成して初めて,整合性の不具合が検出される
場合がある。製品と取扱説明書の整合が取れていない場
合,ユーザは「取扱説明書が分かりにくい」という判断
を下すことになる。
【0004】また,近年,家電製品は,高機能化,多機
能化し,同時に操作手順んも複雑化,難解化している。
これに伴い,製品とユーザのインターフェースである取
扱説明書に記載される情報量も必然的に増加し,かつ複
雑な操作説明を強要するため,ユーザにとって分かりに
くいものとなっている。
【0005】このような状況下において,家電製品の機
能や操作方法をユーザに正しく分かりやすく伝えること
の向上のため,「テクニカルコミュニケーション技術」
という研究分野が確立され,取扱説明書の表現技術,取
扱説明書制作工程上の問題点などは改善されつつある。
【0006】しかし,これらの議論はすでに仕様の決ま
った製品に関する情報を取扱説明書という形に仕上げる
ためのものであり,取扱にくさの根本的な要因が製品仕
様そのものであった場合,取扱説明書上の表現技術だけ
では対応しきれない。このような問題に対応するには,
製品規格の段階で,仕様決定の際のひとつの指標として
「分かりやすく説明できるか」ということを検討する必
要がある。
【0007】本発明は,前述した問題点の検討ポイント
として,「分かりやすく,説明しやすい製品仕様=扱い
やすい製品仕様」という考え方に基づいて,分かりやす
く扱いやすい製品を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来の方法にお
いて,製品の使いやすさは,試作品を作成するまで検証
されることはなく,その時点まで不明である。従って,
この時点で致命的な欠陥が判明しない限り,少々使いに
くくとも,仕様が変更されることは少ない。
【0009】一方,取扱説明書は,製品仕様によって分
かりやすく説明しにくい場合があり,結果として,従来
の開発方法では,製品,取扱説明書供に,完成するまで
使いやすさ,分かりやすさは検証できず,検証後もコス
ト,納期などの都合により,不具合があっても改善され
ない場合もある。
【0010】本発明者は,以前より取扱説明書の検討と
して,取扱説明書の表現技術の研究と供に,自社製品取
扱説明書の他社比較評価などを行ってきた。これにより
表現上の問題点を抽出,把握し,改訂の際などに改善効
果を示していた。しかし,改善後の検証などで,改善前
と大差のない評価のものも存在していた。これは,従来
から行われていた開発方法が,完成度という点ではまだ
検討の余地があることを意味している。そこで,取扱説
明書を更に分析,標準化することにより,より効率的な
製品開発ができると考えた。
【0011】本発明では,製品操作性の向上を目指した
開発方法の効率化を検討するにあたり,具体的製品とし
ては,パーソナルファクシミリを対象とした。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明においては,以上
の課題を解決するために,以下のステップから成る製品
開発方法を特徴としている。
【0013】(1)製品コンセプトと製品仕様から開発
製品の操作手順仕様書を作成するステップ。
【0014】(2)操作手順仕様書に基づいて,コンピ
ュータシミュレーションによって開発製品のソフトモデ
リングを行うステップ。
【0015】(3)ソフトモデリングによって,操作手
順仕様書を決定するステップ。
【0016】(4)決定された操作手順仕様書に基づい
て,設計仕様書及び製品取扱説明書を平行して作成する
ステップ。
【0017】さらに本発明においては,開発製品の操作
手順を決定する際に,以下の条件が満足されるようにし
て操作手順を決定することも特徴としている。
【0018】(1)操作の手順が4手順以内であるこ
と。
【0019】(2)操作パネル上で操作をする際に,該
操作手順移行の方向性が一方向性を有すること。
【0020】(3)開発製品の操作説明が一視野内の説
明で完結できること。
【0021】
【作用】製品の操作のしやすさとは,取扱説明書に分か
りやすく表現できることであるという概念から,製品の
仕様を検討する際,あらかじめ取扱説明書の形に表現
し,分かりやすさを検討しながら製品仕様を開発する。
【0022】取扱説明書の分かりやすさとは,操作部分
の全体図が記載されていること,操作手順単位の説明が
独立していること,一機能の操作説明がページをめくる
ことなく完結することである。
【0023】パーソナルファクシミリの各機能の使いや
すいと思われる範囲の操作手順数を以上の概念に沿う範
囲にあらかじめ設定し,その手順数に沿った操作仕様を
開発する。
【0024】この方法により決定した各操作手順から,
操作の流れが一方向になるように操作部の配置を開発す
る。
【0025】以上の方法によって開発された操作仕様
を,製品の操作機能の概念に沿って取扱説明書を表現す
る。
【0026】
【実施例】パーソナルファクシミリを本発明の対象とす
るにあたり,ユーザの持つ現状での問題点を把握する必
要がある。そこで,ユーザの製品及び取扱説明書の利用
状況を把握するため,100名を対象にファクシミリア
ンケート調査を行った。これらの分析から問題点を抽出
し,更に検討を掘り下げるため,実機を用いた使用テス
トを行った。アンケートの有功回答は73名であった。
【0027】結果より使用状況を整理し,ユーザのイメ
ージとして以下の4点を抽出した(表1参照)。
【0028】
【表1】
【0029】表中で(1),(4)は項目通りの質問,
(2),(3)は,機能ごとの使用経験,使用頻度,取
扱説明書参照機会を質問した回答から求めた結果であ
る。
【0030】表1(1)より,取扱説明書がユーザと製
品のインターフェースとして重要であることが伺える。
【0031】表1(2),(3)より,従来機種には重
要な機能と重要でない機能があることが分かる。
【0032】表1(4)より,機能が難しいため,機能
を説明で表現しきれない場合があることが分かる。
【0033】アンケート結果より,製品の扱いにくさの
要素を以下の5点に集約できる。
【0034】(1)製品動作の途中経過が分かりにく
い。
【0035】(2)操作方向に一貫性がなく分散してい
る。
【0036】(3)操作部が明確でない。
【0037】(4)操作ステップが多い。
【0038】(5)ユーザの予想外の操作・動作が存在
する。
【0039】上記の製品の扱いにくさの要素それぞれを
見ると,(5)以外は製品の仕様決めの際,あらかじめ
取扱説明書の形にして,実際に製品化した場合扱いやす
いかどうかを予想するための目安となる。(5)の問題
は,製品がその取扱説明書の形のとおり忠実に具体化で
きたときに解消される議論である。
【0040】以上より,ユーザにとって扱いやすい製品
仕様の条件として, (1)途中経過の明確化 (2)操作方向の一貫性 (3)操作部の明確化 (4)操作ステップ数の適性化の4点が考えられる。
【0041】以下は,従来の製品仕様開発方法上の問題
点を検討することにより,より扱いやすい製品仕様を効
率的に開発できる新しい方法を提案する。
【0042】本発明の製品開発方法は,図2に示す従来
の開発方法と異なり,製品の設計仕様を決定する前に取
扱説明書の形態をした操作手順仕様書を作成し,コンピ
ュータシミュレーションによる使用テスト(ソフトモデ
リング)によって製品の使い勝手をあらかじめ検証する
ことで,インターフェース向上に効果を発揮するもので
ある。
【0043】しかし,開発の途中では, (1)開発方法が充分に確立していなかったため,立ち
上げから完成まで時間がかかった。
【0044】(2)取扱説明書上の分かりやすさには着
目していなかったため,操作手順仕様書作成の際,特に
表現に関する基準を定めていない。
【0045】(3)同様に操作手順仕様書の分かりやす
さを検証していない。
【0046】(4)そのため「操作手順仕様書作成=
取扱説明書作成」といえるには至らなかった。
【0047】という問題が明らかにされた。本発明者
は,これらの問題点を解消するため,現状の問題点から
抽出した取扱説明書上の説明しやすさの条件 (1)途中経過の明確化 (2)操作方向の一貫化 (3)操作部の明確化 (4)操作ステップ数の適正化を基準化し,製品仕様決
定のためのガイドラインとすることで開発を進めた。
【0048】また,定めたガイドラインをもとに作成す
ることによって操作手順仕様書の完成戸を高め,そのま
ま取扱説明書として使用しても十分なものに仕上げると
供に,図1におけるデザインレビューの手間を軽減させ
ることができる。
【0049】取扱説明書上の説明で途中経過が分かりや
すいというユーザの意見には,「説明が手順ごとに枠に
分けられていて分かりやすい」「操作に対する結果が明
確」などがある。逆に不明確であるという意見には,
「ごちゃごちゃしていて分かりにくい」というものがあ
る。これらの機種での取扱説明書表現上の相違点を見る
と,手順ごとの説明に説明ブロックを使用しているかい
ないかという点が異なっている。手順ごとの説明をブロ
ック単位にまとめ,操作に対する結果が各手順説明ブロ
ックに集約されていることが,ユーザに明確に途中経過
を知らせることに結び付いている。従って,「手順単位
でブロック分けし,各手順をブロック内で説明する」こ
とが望ましい。
【0050】操作部が明確であるというユーザの意見に
は,「一目で分かる」「操作手順を一度に見ることがで
きる」「全体図があって分かりやすい」などがある。逆
に,不明確であるという意見には,「操作部説明が操作
手順説明と別ページにある」「どのボタンを押せば良い
のか分かりにくい」などがある。これらの機種での取扱
説明書表現上の相違点を見ると,操作部を明記した製品
の全体図を使用しているかいないかという点が異なって
いる。全体図に機能の操作部を明記することによって,
製品本体のどの位置に操作部があるかということを明確
にしている。また,操作部の説明が操作手順説明と別ペ
ージにあると,操作部を確認しながら手順を参照するた
めにページをめくる作業を必要とするため,扱いにくく
なる。従って,「操作部を明記した製品の全体図を用
い,操作手順説明と同ページに記載する」ことが望まし
いということが分かる。
【0051】「操作の途中経過の明確化」「操作部の明
確化」における条件を満たすためには,手順通りに並べ
た説明ブロックと製品の全体図を同ページ内に納める必
要がある。また,説明ブロックから図に操作部の指示線
を引く必要があり,操作部に方向性がなく分散している
場合,指示線が交差して見にくくなる。従って,「操作
手順方向は左から右へ,あるいは上から下への一方向に
する」ことが望ましい。このことは操作の分かりやすさ
の面からもいえる。
【0052】操作ステップ数は少ない程良く,ユーザが
「使いこなせる」範囲が1〜2手順,「使える」範囲が
3〜10手順という研究事例があり(梶谷,「人にやさ
しい製品開発をめざして」,日本科学技術連盟 第3回
エルノゴミクスシンポジウム,1992年6月),これ
は,前述の「ひとつの機能説明は説明ブロックと製品全
体図を同一ページに記載する」という条件を満たす。
【0053】従来製品の仕様では手順の多いもので10
ステップ以上のものもあり,ファクシミリの操作を全て
1〜2手順に納めることは困難なので,「使える」範囲
である3〜10手順で考えることにする。ひとつの機能
説明を製品全体図と供に1ページ以内に納めるとする
と,仮にその機能の操作数が10ステップとした場合,
製品全体図の他に手順説明ブロックを10並べる必要が
ある。説明ブロックが10並ぶと,かなり窮屈になり,
ごちゃごちゃした印象を与えやすい。また,1ページに
説明ブロックを並べた場合,特にブロックの形状が縦長
の場合などは,5つ以上になると,ブロック内の説明文
が見にくくなってしまう。例えば,A4縦形で縦長横流
れのレイアウトで1ページに説明ブロックを5つ並べた
場合,説明文の文字サイズを9ポイントとすると,一行
あたり7〜8文字程度しか記載できないので見にくくな
る。これを受けて説明ブロックを大きくすると,1ペー
ジに説明が収まらなくなる。前述した「操作部の明確
化」「操作方向」の条件を満たすことを考えると,5手
順以上は説明しにくくなり,結果として使いにくさにつ
ながる。従って,条件を満たすためには「ステップ数を
4以内にする」ことが望ましいことを見出した。
【0054】以上から,以下のような操作手順仕様書作
成の方法が導かれる。
【0055】(1)製品操作時に途中経過を明確化する
ために,操作手順それぞれに説明ブロックを用いる。
【0056】(2)製品の操作部を明確化するために,
操作部を明記した全体図を用い,手順説明と同ページに
記載する(ひとつの項目説明は1ページないし見開き2
ページ以内に)。
【0057】(3)操作部の分散を制限するために,操
作方向は一方向となるようにデザインする。
【0058】(4)操作ステップ数は4以内にする。
【0059】本方法にしたがった取扱説明書の構成例を
図3に示す。
【0060】この方法を図1中の製品開発方法に応用す
る開発手順を図4に示す。具体的には図1中の「操作手
順仕様書」の部分で図4のフローを適用する。
【0061】以下,本発明の製品開発方法を,家庭用フ
ァクシミリ装置の開発に適用して詳細に説明する。
【0062】まず,「できるだけ操作ステップ数を削減
し,かつ覚えやすく使いやすい操作方法」を前提にイン
ターフェースを考える。
【0063】
【表2】
【0064】送信は,従来は受話器の取り置き操作が標
準的な操作法に含まれていたが,受話器関連だけで2手
順要すると,そのため最低5手順要してしまうこと,ま
た,ユーザにとってファクシミリ送信は電話をかけると
いうイメージではないので,受話器関連操作に違和感を
覚える場合があることなどを考えて, 受話器取り−>オンフックボタン 受話器置き−>スタート時に自動オフフック とすることで,手順を4以内に抑え,受話器関連操作を
削除した。
【0065】受信は,相手先が電話の場合もありうるの
で受話器を取ることに違和感は生じないが,受信スター
ト手順後に受話器を置き忘れることがあるため,受話器
置きなしで自動オフフックする「気配り受信」機能を設
ける。
【0066】受信モードは,従来の手動受信モード,電
話優先モード,ファクシミリ優先モードの3モード搭載
に代え,従来の電話優先モードと新たに提案するノンコ
ールモード(自動送信ファクシミリを無鳴動で受信す
る)の2モードとする(表2)。
【0067】従来の手動受信は,不在時のファクシミリ
受信が不可能であった。本開発製品では,製品出荷時の
初期モードを電話優先とし,これを解消した。また,従
来のファクシミリ優先モードでは,相手が自動送信以外
の時は呼出音を鳴らさずに受信できなかった。ノンコー
ルモードは,電話以外は呼出音を鳴らさずに受信でき,
就寝中などのファクシミリ受信に適している。
【0068】ノンコールモードは専用ハードスイッチ
(ノンコールボタン)によって通常モードとの切替えを
行う。
【0069】次に「ユーザに 登録・設定 を意識させな
い操作方法とする」ことを前提にインターフェースを考
える。
【0070】従来機種では登録・設定はメニューから項
目を選択して行う場合が多く,選択項目も10〜20も
あり,ユーザはまず項目選択で煩わしさを感じていた。
また,各項目の登録手順も他の操作に比べて多いため,
ユーザの作業が困難な上,取扱説明書上でも15〜23
%とかなりのページ数を割く必要があった。従って,ユ
ーザに「登録・設定は難しい」という先入観を与えやす
かった。これを解消するため本開発製品の仕様検討では
大幅な見直しを行い,具体的には,以下のような仕様と
した。
【0071】ここにおいては,項目の数を意識させない
ように,製品出荷時に固定可能なものは登録メニューか
ら削除することにし,使用実態から考え,表3のように
設定した。
【0072】このようにすることで,本開発製品の登録
・設定メニュー項目を従来機の12項目から6項目に減少
した。
【0073】
【表3】
【0074】更に登録操作手順を4に抑えることで,説
明量も少なく済み,各項目説明を関連機能の説明ページ
に記載できる。従って,取扱説明書上に「登録・設定」
という項目が不用となり,ユーザに「登録・設定」を意
識させずに済む。
【0075】これらの操作は,使いやすさを考え,入り
口として専用の[登録]ボタンを搭載し,これとテンキ
ーだけで操作できるようにした(表4参照)。
【0076】
【表4】
【0077】「受信モード切替え」「短縮ダイヤル」な
どの使用頻度の高い機能は,専用スイッチを搭載するこ
とが望ましい。また,これらの機能に関する登録作業も
同じスイッチでできると,ユーザが機能を連想しやす
く,分かりやすいと考えた。具体的には「ノンコールタ
イマー時刻(ノンコール受信モードにしておく時間帯を
あらかじめ設定する機能)」「短縮ダイヤル電話番号」
を専用スイッチで設定する。
【0078】なお,操作部を関連機能と共有するため,
誤動作防止を検討する(例:専用スイッチを3秒間押し
続けるなど)。
【0079】さらに,留守番電話機能について,「(留
守)スイッチのみでの操作を基本とし,必要最低限の機
能のみを搭載する」ことを前提にインターフェースを考
える。
【0080】留守番電話は,基本的には,「相手の用件
を録音する」ことと,「録音した用件を再生する」こと
ができれば十分である。また,他に拡張機能があっても
ほとんど使用されないことが多い。これを受けて,以上
の2機能が備わり,これを外出先からでも操作できる仕
様を考えた。
【0081】具体的には,以下のような仕様とする。
【0082】使用するスイッチは,テンキーの他は,
[留守]ボタン,[再生]ボタン,[応答録音]ボタ
ン,[登録]ボタンの4種類とする。
【0083】搭載機能としては,[留守]ボタンで「留
守セット」「用件再生」,[再生]ボタンで「用件聞き
直し再生」,[応答録音]ボタンで「応答メッセージ録
音」,[登録]ボタンで「ポケットベル転送設定」がで
きるようにする。
【0084】外出先から操作可能な機能としては,外出
先からプッシュ式電話で,本体の「留守セット」「用件
再生」「用件聞き直し再生」「暗証番号変更」操作がで
きる。暗証番号は製品出荷時に固定しておき,外出先か
らの操作中に変更する。また,これらの全ての機能は操
作中のメッセージに従いテンキーで暗証番号を入力する
ことで操作する(表5参照)。
【0085】
【表5】
【0086】従来機の外出先からの操作は,外出先電話
機のテンキーで機能別のコード番号を入力して行うのが
通常であり,操作方法を暗記する必要があったが,この
方法では暗証番号さえ覚えれば操作可能である。
【0087】最後に決定した仕様を受けて,できるだけ
操作方向と機能操作時の操作部の分散を軽減し,操作ボ
タンの数を極力減らした操作パネルは,図5に示す。
【0088】このパネルのポイントは,[短縮][登
録][オンフック]など押した後にテンキー操作を要す
るボタンは,テンキーの左に,[スタート/コピー]
[ストップ]などテンキー操作の後に押すボタンはテン
キーの右に配置し,左 から 右への一方向操作となるよ
うにした。従来機種を見ると,テンキーがパネルの左端
に配置されているもの,が多く,操作方向に関する配慮
はされていない。
【0089】以上で提案した方法に基づき,提案した機
能仕様と操作パネルから操作手順仕様書を作成した(図
6〜図10参照)。ここでは,従来機種と比較して仕様
に新しい試みを用いた以下の機能について説明する。
【0090】(1)ファクシミリ送信 (2)ノンコール受信(2種類) (3)発信元情報登録(2種類) ファクシミリ送信は従来機種で最低5手順であったとこ
ろを4手順以内に納めた。
【0091】ノンコール受信においては,ノンコール受
信のタイマー時刻設定は,専用ハードスイッチに関連機
能操作を全て割り当てる方式(1)と,タイマー機能の
み登録設定メニュー内で操作する方式(2)の2つを考
案した。方式(1)は[ノンコール]ボタンの3秒押
下,方式(2)は,[登録]ボタン+テンキー項目番号
押下で時刻設定状態となる。
【0092】発信元情報登録においては,「文字コー
ド」入力方式と文字選択方式の2つを考案した。「文字
コード」方式は,操作の際取扱説明書で文字コード表を
参照する必要がある。但し,ほとんどのユーザは一度し
か操作しない機能と割り切れば問題ない。取扱説明書参
照の際,ページをめくる煩わしさ解消のため,文字コー
ド表を説明ページの右ページに同時記載した(図9参
照)。文字選択方式は,カーソルキーで「文字リストか
らの文字の選択→文字送り」を繰り返す方式である。一
度覚えてしまえば,次回移行の操作時に取扱説明書を参
照する必要はない。
【0093】以上で決定した仕様を受け,製品の扱いや
すさ(操作のしやすさ)と取扱説明書の分かりやすさを
検証するためのソフトモデリングを行う。また,「操作
手順仕様書」の作成ガイドラインより,本開発製品の操
作手順仕様書と,他社製品を含む従来機種との比較を行
った。
【0094】本発明により決定した製品仕様を,パーソ
ナルコンピュータ上の操作パネルで実際に操作できる形
を実現したソフトモデルを作成した。このモデルによ
り,ほぼ完成品に近い形の操作が可能である。
【0095】比較対象機能は,従来より最も操作が難し
いとされていた「発信元名登録」と,パーソナルファク
シミリにおいて,比較的新しい機能である「ノンコール
受信」のタイマー設定を取り上げた。これらの機能につ
いて,本開発製品の他,自社及び他社従来機種の該当機
能を社会人8名に実際に操作させ,「操作のしやすさ」
「取扱説明書(本開発製品については操作手順仕様書)
の分かりやすさ」の2項目を評価させた。
【0096】結果は,「発信元名登録」「ノンコール受
信」のタイマー設定供に,従来と比較して操作ステップ
数が大幅に減少し,各操作ステップにおいて操作の意味
が明確であり,取扱説明書上でも説明が冗長にならず,
比較機の取扱説明書にはない全体図の採用で操作部が明
確であったことから,「操作のしやすさ」「取扱説明書
の分かりやすさ」とも比較機よりかなり高い評価であ
り,本発明による開発方法を適用することで,実際に製
品仕様が分かりやすく,扱いやすくなることが分かっ
た。
【0097】
【発明の効果】本発明を製品仕様検討時に適用すること
で,製品開発過程において,あらかじめ完成品の使いや
すさを想定できると供に,製品と整合の取れた取扱説明
書を作成できることで,製品及びその取扱説明書の開発
工程を同時に短縮し,従来より製品の使いやすさ,取扱
説明書の分かりやすさを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による製品開発工程の流れを示す図であ
る。
【図2】従来の製品開発工程の流れを示す図である。
【図3】本発明による製品開発のための,操作手順仕様
書作成のガイドラインの条件を満たす表現例を示す図で
ある。
【図4】図1における「操作手順仕様書」の作成段階で
の操作手順仕様書作成フローを示す図である。
【図5】本開発製品の操作パネルの構成を示す図であ
る。搭載機能及び各機能の操作方法決定を受け,図4に
おけるフローにおいてデザイン検討したもの。
【図6】本開発製品の操作手順仕様書上の表現例(ファ
クシミリ送信)を示す図である。
【図7】本開発製品の操作手順仕様書上の表現例(ノン
コール受信(1))を示す図である。
【図8】本開発製品の操作手順仕様書上の表現例(ノン
コール受信(2))を示す図である。
【図9】本開発製品の操作手順仕様書上の表現例(発信
元情報登録(1))を示す図である。
【図10】本開発製品の操作手順仕様書上の表現例(発
信元情報登録(2))を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 篤史 東京都江東区新砂一丁目6番27号株式会社 日立製作所公共情報事業部内 (72)発明者 品川 明生 茨城県ひたちなか市稲田1410番地株式会社 日立製作所パーソナルメディア機器事業部 内 (72)発明者 伊藤 文隆 東京都足立区中川五丁目1番34号株式会社 日立製作所家電・情報メディア事業本部生 活ソフト開発センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下のステップから成ることを特徴とした
    製品開発方法。 (1)製品コンセプトと製品仕様から開発製品の操作手
    順仕様書を作成するステップ。 (2)上記操作手順仕様書に基づいて,コンピュータシ
    ミュレーションによって開発製品のソフトモデリングを
    行うステップ。 (3)上記ソフトモデリングによって,操作手順仕様書
    を決定するステップ。 (4)上記決定された操作手順仕様書に基づいて,設計
    仕様書及び製品取扱説明書を平行して作成するステッ
    プ。
  2. 【請求項2】開発製品の操作手順を決定する際に,以下
    の条件が満足されるようにして操作手順を決定する製品
    開発方法。 (1)操作の手順が4手順以内であること。 (2)操作パネル上で操作をする際に,該操作手順移行
    の方向性が一方向性を有すること。 (3)開発製品の操作説明が一視野内の説明で完結でき
    ること。
JP6278792A 1994-11-14 1994-11-14 製品開発方法 Pending JPH08137939A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6278792A JPH08137939A (ja) 1994-11-14 1994-11-14 製品開発方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6278792A JPH08137939A (ja) 1994-11-14 1994-11-14 製品開発方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08137939A true JPH08137939A (ja) 1996-05-31

Family

ID=17602248

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6278792A Pending JPH08137939A (ja) 1994-11-14 1994-11-14 製品開発方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08137939A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001009778A1 (fr) * 1999-08-03 2001-02-08 Kenichi Ninomiya Aide a la conception: systeme, procede et programme de stockage de donnees

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001009778A1 (fr) * 1999-08-03 2001-02-08 Kenichi Ninomiya Aide a la conception: systeme, procede et programme de stockage de donnees
US7016747B1 (en) 1999-08-03 2006-03-21 Kenichi Ninomiya Article design support system and method and medium storing program for article design support
US7454259B2 (en) 1999-08-03 2008-11-18 Kenichi Ninomiya Article design support system and method and medium storing program for article design support
JP4707910B2 (ja) * 1999-08-03 2011-06-22 健一 二宮 物品の設計支援システムおよび方法ならびに物品の設計支援のためのプログラムを格納した媒体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3551044B2 (ja) ファクシミリ装置
US5526422A (en) System and method for cleaning the display screen of a touch screen device
JPH10508397A (ja) 超小型個人用携帯型情報機器
JP2017538327A (ja) 通話処理方法及び装置
JP2003228451A (ja) オンラインマニュアルシステム
JPH08137939A (ja) 製品開発方法
JP3827621B2 (ja) 電子会議用画像情報伝送装置
JPH11215221A (ja) 電話発信を可能とする情報端末と、電話発信方法と、電話発信のためのプログラムを記録した記録媒体
JPH1031635A (ja) 携帯電子メール端末
JP2001045117A (ja) 携帯端末のメニュー表示方法及び携帯端末
JPH11136275A (ja) 情報通信方法、情報通信システム、サーバ装置および携帯情報通信端末
JP3309114B2 (ja) テレビ電話装置
JP3589702B2 (ja) 通信端末装置
JP3545821B2 (ja) ボタン電話装置の機能設定方法
US7660593B2 (en) Method for combining media records in a cellular network terminal device and a cellular network terminal device
US6411690B1 (en) Display object selection system
JPH01140844A (ja) ファクシミリ装置
JP2918967B2 (ja) ディーリング通話システム
JPH05260206A (ja) データ通信機能付電話装置
KR100801651B1 (ko) 통신 단말기의 대기 화면 처리 방법
JP3378894B2 (ja) ページャを使用した呼出返信システム
JP3024594U (ja) 電話回線種別判定回路を備えた情報交換装置
JP3256976B2 (ja) メッセージシーケンス表示装置
JP2753277B2 (ja) ステーションの画面制御方法
JPS6277777A (ja) ビデオテツクス通信システム