JP4379120B2 - シルセスキオキサン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

シルセスキオキサン誘導体およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、電子材料、光学材料、電子光学材料、または触媒担持体として用いるためのシルセスキオキサン誘導体およびその製造方法に関する。このシルセスキオキサン誘導体は、高分子材料の難燃性、耐熱性、耐候性、電気絶縁性、表面特性、硬度、力学的強度、耐薬品性などを向上させるための添加剤としても利用できる。なお、本発明においては、3官能の加水分解性ケイ素化合物を加水分解し、縮合させることにより得られる化合物の総称として、シルセスキオキサンを用いる。また以下の説明においては、シルセスキオキサンを記号PSQで示すことがある。
【0002】
【背景技術】
PSQに関しては、これまで数多くの研究が行われてきた。例えば、BaneyらによるPSQに関する総説が、Chem. Rev. 1995, 95, 1409に記載されている。これによると、ラダー構造、完全縮合型構造、および不完全縮合型構造の他、一定の構造を示さないアモルファス構造などの構造を有するPSQの存在が確認されている。完全縮合型構造は、複数の環状構造からなり、閉じた空間を形成する構造であり、その閉じた空間の形状は限定されていない。不完全縮合型構造は、完全縮合型構造の少なくとも1箇所以上が塞がれておらず、空間が閉じていない構造をさす。
【0003】
Feher等は、シクロペンチルトリクロロシランまたはシクロヘキシルトリクロロシランをアセトン中で加水分解することにより、不完全縮合型構造のPSQを得ている(Organometallics, 1991, 10, 2556)。Shchegolikhina等は、フェニルトリブトキシシランを、ブタノール中で等モルの水酸化ナトリウムと等モルの水とを用いて加水分解することにより、末端がSi−O−Naとなった環状四量体のPSQを合成している。また、フェニルトリクロロシラン加水分解物を、ブタノール中で等モルの水酸化ナトリウムと反応させることによっても、末端がSi−O−Naとなった環状四量体のPSQを合成している(Organometallics, 2000, 19, 1077)。
【0004】
しかし、Shchegolikhina等の方法を用いて、完全縮合型構造または不完全縮合型構造を有するPSQを合成した例は報告されていない。また、完全縮合型構造または不完全縮合型構造構造を有するPSQのうち、容易に合成されて単離されている化合物の種類は限られている。その中で市販されているものの数は、さらに限定されている。最近では、完全縮合型構造または不完全縮合型構造を有するPSQに、種々の官能基が導入されたPSQ誘導体が、ハイブリッドプラスチック社より市販されており、多くの用途が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、市販されているPSQ誘導体の基本骨格は、SiO3/2以外の結合状態の有機ケイ素基を有するものを含めて数種類にすぎない。従って、完全縮合型構造または不完全縮合型構造を有するPSQ誘導体を、広い用途において効果的に活用するためには、新規な骨格を有するPSQ誘導体が提供されることが望ましい。従来と比べてさらに短時間かつ低コストで製造できることも重要である。さらに、既存のPSQ誘導体には、樹脂との相溶性が悪く、そのために均一に混合することができなかったり、塗膜にした場合に白化したり、塗膜からブリードアウトするために添加量に限界があるなどの問題があった。そのために、PSQに期待される特性を十分に付与できないものもあった。従って、樹脂との相溶性が改善されたPSQ誘導体を提供することが、PSQの用途を広げるために望ましい。本発明の課題は、新規なPSQ誘導体およびこれを短時間かつ低コストで製造するための方法を提供することにより、従来のシルセスキオキサンに関するこのような問題点を解決することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、3官能の加水分解性ケイ素化合物の加水分解方法を研究することにより、8個のSiを有するかご型のPSQにNaが結合した、不完全縮合型の新規なPSQ誘導体およびそれを容易に合成する方法を見出した。また、このPSQ誘導体を出発原料とすることにより、官能基等の導入が容易なPSQ誘導体を得た。さらに、重合性を有する官能基を導入した場合には、このPSQ誘導体を構成単位として有するオリゴマーまたはポリマーを合成できることを見出した。即ち、本発明は下記の[1]〜[39]の構成を有する。
【0007】
[1]式(1)で示されるシルセスキオキサン誘導体。
Figure 0004379120
式(1)中のRのそれぞれは、水素、炭素数1〜45のアルキルの群、置換または非置換のアリールの群および置換または非置換のアリールアルキルの群から独立して選択される基であり、Yは式(a)または式(b)で示される基である。
Figure 0004379120
式(a)および式(b)中のXは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、Rと同様に定義される基、または官能基もしくは官能基を有する基であって、この官能基は水素、フッ素、塩素、臭素、−OH、−CF 、パーフルオロアルキル、アルコキシ、−COOH、2−オキサプロパン−1,3−ジオイル、ポリアルキレンオキシ、エステル、エポキシ、オキセタン環、−NH 、−CN、−NCO、アルケニル、シクロアルケニル、−SHおよび−PH から選択される1つであり、Zは−O−、−CH−または単結合である。
但し、炭素数1〜45のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレン、またはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のアリールアルキル中のアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。
【0008】
[2]式(a)および式(b)のそれぞれにおける少なくとも1つのXがRと同様に定義される基である、[1]項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
【0009】
[3]式(1)中のRのそれぞれが炭素数1〜30のアルキルの群および水素から独立して選択される基であり、式(a)および式(b)のそれぞれにおける少なくとも1つのXが炭素数1〜45のアルキルの群、置換または非置換のフェニルの群およびナフチルから選択される基である、[1]項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
但し、炭素数1〜30のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−が−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。炭素数1〜45のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレン、またはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲンまたは炭素数1〜18のアルキルで置き換えられてもよい。そして、この炭素数1〜18のアルキルにおいては、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−またはフェニレンで置き換えられてもよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
【0010】
[4]式(1)中のRのそれぞれが炭素数1〜20のアルケニルの群および炭素数1〜20のアルキル中の任意の−CH−がシクロアルケニレンで置き換えられた基の群から独立して選択される基であり、式(a)および式(b)のそれぞれにおける少なくとも1つのXが[3]項に記載のXと同様に定義される基である、[1]項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
但し、炭素数1〜20のアルケニルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−が−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。炭素数1〜20のアルキル中の任意の−CH−がシクロアルケニレンで置き換えられた基において、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよい。
【0011】
[5]式(1)中のRのそれぞれが置換または非置換のフェニルの群およびナフチルから独立して選択される基であり、式(a)および式(b)のそれぞれにおける少なくとも1つのXが[3]項に記載のXと同様に定義される基である、[1]項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
但し、置換または非置換のフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲンまたは炭素数1〜10のアルキルで置き換えられてもよい。そして、この炭素数1〜10のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
【0012】
[6]式(1)中のRのそれぞれが置換または非置換のフェニルアルキルの群から独立して選択される基であり、式(a)および式(b)のそれぞれにおける少なくとも1つのXが[3]項に記載のXと同様に定義される基である、[1]項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
但し、置換または非置換のフェニルアルキルのフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲンまたは炭素数1〜12のアルキルで置き換えられてもよい。そして、この炭素数1〜12のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのアルキレンにおいて、その炭素数は1〜12であり、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
【0013】
[7]式(1)中のRのそれぞれが置換または非置換のフェニルアルケニルの群から独立して選択される基であり、式(a)および式(b)のそれぞれにおける少なくとも1つのXが[3]項に記載のXと同様に定義される基である、[1]項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
但し、置換または非置換のフェニルアルケニルのフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲンまたは炭素数1〜12のアルキルで置き換えられてもよい。そして、この炭素数1〜12のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルケニルのアルケニレンにおいて、その炭素数は1〜12であり、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
【0014】
[8]式(1)中のRのそれぞれが炭素数1〜8のアルキルの群、置換または非置換のフェニルの群、置換または非置換のフェニルアルキルの群およびナフチルから独立して選択される基であり、式(a)および式(b)のそれぞれにおける少なくとも1つのXが[3]項に記載のXと同様に定義される基である、[1]項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
但し、炭素数1〜8のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲン、メチルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はフッ素、炭素数1〜4のアルキル、エテニルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのアルキレンにおいて、その炭素数は1〜8であり、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
【0015】
[9]式(1)中のRのすべてが炭素数1〜8のアルキルの群、置換または非置換のフェニルの群、置換または非置換のフェニルアルキルの群およびナフチルから選択される同一の基であり、式(a)および式(b)のそれぞれにおける少なくとも1つのXが[3]項に記載のXと同様に定義される基である、[1]項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
但し、炭素数1〜8のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲン、メチルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はフッ素、炭素数1〜4のアルキル、エテニルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのアルキレンにおいて、その炭素数は1〜8であり、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
【0016】
[10]式(1)中のRのすべてが置換または非置換のフェニルの群、置換または非置換のフェニルアルキルの群およびナフチルから選択される同一の基であり、式(a)および式(b)のそれぞれにおける少なくとも1つのXが[3]項に記載のXと同様に定義される基である、[1]項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
但し、置換または非置換のフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲン、メチルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はフッ素、炭素数1〜4のアルキル、エテニルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのアルキレンにおいて、その炭素数は1〜8であり、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
【0017】
[11]式(1)中のRのすべてが非置換のフェニルであり、式(a)および式(b)のそれぞれにおける少なくとも1つのXが[3]項に記載のXと同様に定義される基である、[1]項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
【0018】
[12]式(1)中のRのそれぞれが水素、炭素数1〜45のアルキルの群、置換または非置換のアリールの群および置換または非置換のアリールアルキルの群から独立して選択される基であり、式(a)および式(b)のそれぞれにおける少なくとも1つのXが官能基または官能基を有する基であって、この官能基が水素、フッ素、塩素、臭素、−OH、−CF 、パーフルオロアルキル、アルコキシ、−COOH、2−オキサプロパン−1,3−ジオイル、ポリアルキレンオキシ、エステル、エポキシ、オキセタン環、−NH 、−CN、−NCO、アルケニル、シクロアルケニル、−SHおよび−PH から選択される1つであり、Xの残りがRと同様に定義される基である、[1]項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
但し、炭素数1〜45のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレン、またはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のアリールアルキル中のアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。
【0019】
[13][1]項に記載の式(1)におけるRのそれぞれが水素および炭素数1〜30のアルキルの群から独立して選択される基である、[12]項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
但し、炭素数1〜30のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−が−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。
【0020】
[14][1]項に記載の式(1)におけるRのそれぞれが炭素数〜20のアルケニルの群および炭素数1〜20のアルキルの任意の−CH−がシクロアルケニレンで置き換えられた基の群から独立して選択される基である、[12]項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
但し、炭素数1〜20のアルケニルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−が−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。炭素数1〜20のアルキルの任意の−CH−がシクロアルケニレンで置き換えられた基において、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよい。
【0021】
[15][1]項に記載の式(1)におけるRのそれぞれが置換または非置換のフェニルの群およびナフチルから独立して選択される基である、[12]項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
但し、置換または非置換のフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲンまたは炭素数1〜10のアルキルで置き換えられてもよい。そして、この炭素数1〜10のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
【0022】
[16][1]項に記載の式(1)におけるRのそれぞれが置換または非置換のフェニルアルキルの群から独立して選択される基である、[12]項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
但し、置換または非置換のフェニルアルキルのフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲンまたは炭素数1〜12のアルキルで置き換えられてもよい。そして、この炭素数1〜12のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのアルキレンにおいて、その炭素数は1〜12であり、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
【0023】
[17][1]項に記載の式(1)中のRのそれぞれが置換または非置換のフェニルアルケニルの群から独立して選択される基である、[12]項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
但し、置換または非置換のフェニルアルケニルのフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲンまたは炭素数1〜12のアルキルで置き換えられてもよい。そして、この炭素数1〜12のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルケニルのアルケニレンにおいて、その炭素数は1〜12であり、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
【0024】
[18][1]項に記載の式(1)中のRのそれぞれが炭素数1〜8のアルキルの群、置換または非置換のフェニルの群、置換または非置換のフェニルアルキルの群およびナフチルから独立して選択される基である、[12]項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
但し、炭素数1〜8のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲン、メチルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はフッ素、炭素数1〜4のアルキル、エテニルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのアルキレンにおいて、その炭素数は1〜8であり、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
【0025】
[19][1]項に記載の式(1)中のRのすべてが炭素数1〜8のアルキルの群、置換または非置換のフェニルの群、置換または非置換のフェニルアルキルの群およびナフチルから選択される同一の基である、[12]項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
但し、炭素数1〜8のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲン、メチルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はフッ素、炭素数1〜4のアルキル、エテニルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのアルキレンにおいて、その炭素数は1〜8であり、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
【0026】
[20][1]項に記載の式(1)中のRのすべてが置換または非置換のフェニルの群、置換または非置換のフェニルアルキルの群およびナフチルから選択される同一の基である、[12]項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
但し、置換または非置換のフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲン、メチルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はフッ素、炭素数1〜4のアルキル、エテニルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのアルキレンにおいて、その炭素数は1〜8であり、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
【0027】
[21][1]項に記載の式(1)におけるRのすべてが非置換のフェニルである、[12]項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
【0028】
[22][1]項に記載の式(a)および式(b)のそれぞれにおいて、少なくとも一つのXが重合性を有する基である、[1]〜[21]のいずれか1項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
【0029】
[23]重合性を有する基が重合性の二重結合、エポキシまたはオキセタン環を有する基である、[22]項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
【0030】
[24][1]項に記載の式(a)および式(b)のそれぞれにおいて、少なくとも一つのXが2−オキサプロパン−1,3−ジオイルを有する基である、[12]〜[21]のいずれか1項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
【0031】
[25][1]項に記載の式(a)および式(b)のそれぞれにおいて、少なくとも一つのXがハロゲン化アルキルである、[1]〜[21]のいずれか1項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
【0032】
[26][22]項に記載のシルセスキオキサン誘導体を用いて得られる重合体。
【0033】
[27][23]項に記載のシルセスキオキサン誘導体を用いて得られる重合体。
【0034】
[28][24]項に記載のシルセスキオキサン誘導体を用いて得られる重合体。
【0035】
[29]式(2)で示されるシルセスキオキサン誘導体に少なくとも2つの塩素を有するケイ素化合物を反応させることを特徴とする、[1]項に記載のシルセスキオキサン誘導体の製造方法。
Figure 0004379120
式(2)において、Rは[1]項に記載の式(1)におけるRと同一であり、Mは1価のアルカリ金属原子である。
【0036】
[30]少なくとも2つの塩素を有するケイ素化合物が式(3)で示される化合物である、[29]項に記載の製造方法。
Figure 0004379120
式(3)において、nは0または1、Zは−O−、−CH−または単結合であり、Xのそれぞれは水素、ハロゲン、炭素数1〜45のアルキルの群、置換または非置換のアリールの群および置換または非置換のアリールアルキルの群から独立して選択される基である。
但し、炭素数1〜45のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレン、またはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のアリールアルキル中のアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。
【0037】
[31]少なくとも2つの塩素を有するケイ素化合物が、式(4)で示される化合物である、[29]項に記載の製造方法。
Figure 0004379120
式(4)におけるXは、[30]項に記載の式(3)におけるXと同様に定義される。
【0038】
[32]少なくとも2つの塩素を有するケイ素化合物が、式(5)で示される化合物である、[29]項に記載の製造方法。
Figure 0004379120
式(5)におけるZおよびXは、[30]項に記載の式(3)におけるZおよびXと、それぞれ同様に定義される。
【0039】
[33]式(2)で示されるシルセスキオキサン誘導体。
Figure 0004379120
式(2)において、Rは[1]項に記載の式(1)におけるRと同一であり、Mは1価のアルカリ金属原子である。
【0040】
[34]Rが[2]〜[11]のいずれか1項に記載のRと同様に定義される基である、[33]項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
【0041】
[35]式(6)で示されるケイ素化合物を用いることを特徴とする、[33]項に記載のシルセスキオキサン誘導体の製造方法。
Figure 0004379120
式(6)において、Rは[33]項に記載の式(2)におけるRと同一であり、Aは加水分解性の基である。
【0042】
[36]1価のアルカリ金属水酸化物および水を用いて式(6)で示されるケイ素化合物を加水分解し、縮合させることを特徴とする、[35]項に記載の製造方法。
【0043】
[37]1価のアルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムであり、これと水に加えてアルコール類を存在させることを特徴とする、[36]項に記載の製造方法。
【0044】
[38][35]項に記載の式(6)中のAが塩素または炭素数1〜4のアルキルオキシである、[35]〜[37]のいずれか1項に記載の製造方法。
【0045】
[39]式(6)におけるRが、[2]〜[11]のいずれか1項に記載のRと同様に定義される基である、[35]項に記載の製造方法。
【0046】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる用語は、次のように定義される。アルキルおよびアルキレンは、いずれの場合も直鎖の基であってもよく、分岐された基であってもよい。このことは、これらの基において任意の水素がハロゲンや環式の基などと置き換えられた場合も、任意の−CH−が−O−、−CH=CH−、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、フェニレンなどで置き換えられた場合も同様である。本発明で用いる「任意の」は、位置のみならず個数も任意であることを示す。そして、個数が複数であるときには、それぞれ異なる基で置き換えられてもよい。例えば、アルキルにおいて2個の−CH−が−O−と−CH=CH−で置き換えられる場合には、アルコキシアルケニルまたはアルケニルオキシアルキルを示すことになる。この場合のアルコキシ、アルケニレン、アルケニルおよびアルキレンのいずれの基も、直鎖の基であってもよく、分岐された基であってもよい。但し、任意の−CH−が−O−で置き換えられると記述するときには、連続する複数の−CH−が−O−で置き換えられることはない。なお、特に説明しない場合のハロゲンは、フッ素、塩素、臭素などであり、好ましいハロゲンはフッ素および塩素である。
【0047】
以下の説明では、式(1)で示されるPSQ誘導体をPSQ(1)と表記することがある。式(2)で示されるPSQ誘導体をPSQ(2)と表記することがある。式(3)で示される化合物、式(4)で示される化合物、式(5)で示される化合物および式(6)で示される化合物を、それぞれ化合物(3)、化合物(4)、化合物(5)および化合物(6)と表記することがある。また、テトラクロロシラン、化合物(3)、化合物(4)、および化合物(5)を総称して、塩素化ケイ素化合物と表記することがある。
【0048】
本発明のPSQ誘導体は、式(1)で示される。
Figure 0004379120
【0049】
式(1)において、Rのそれぞれは、水素、炭素数1〜45のアルキルの群、置換または非置換のアリールの群および置換または非置換のアリールアルキルの群から独立して選択される基である。すべてのRが同一の基であることが好ましいが、8個のRが異なる2つ以上の基で構成されていてもよい。8個のRが異なる基で構成される場合の例は、2つ以上のアルキルで構成される場合、2つ以上のアリールで構成される場合、2つ以上のアラルキルで構成される場合、水素と少なくとも1つのアリールとで構成される場合、少なくとも1つのアルキルと少なくとも1つのアリールとで構成される場合、少なくとも1つのアルキルと少なくとも1つのアラルキルとで構成される場合、少なくとも1つのアリールと少なくとも1つのアラルキルとで構成される場合などである。これらの例以外の組み合わせでもよい。少なくとも2つの異なるRを有する化合物(1)は、化合物(2)を製造する際に2つ以上の化合物(6)を用いることにより得ることができる。化合物(2)については後述する。
【0050】
Rがアルキルであるとき、その炭素数は1〜45である。好ましい炭素数は1〜30である。より好ましい炭素数は1〜8である。そして、その任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレン、またはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい。アルキルの好ましい例は、炭素数1〜30の非置換のアルキル、炭素数2〜29のアルコキシアルキル、炭素数1〜8のアルキルにおいて1個の−CH−がシクロアルキレンで置き換えられた基、炭素数2〜20のアルケニル、炭素数2〜20のアルケニルオキシアルキル、炭素数2〜20のアルキルオキシアルケニル、炭素数1〜8のアルキルにおいて1個の−CH−がシクロアルケニレンで置き換えられた基、ここに列挙したそれぞれの基において任意の水素がフッ素で置き換えられた基などである。シクロアルキレンおよびシクロアルケニレンの好ましい炭素数は、3〜8である。
【0051】
炭素数1〜30の非置換のアルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、ヘキシル、1,1,2−トリメチルプロピル、ヘプチル、オクチル、2,4,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコシル、トリアコンチルなどである。炭素数1〜30のフッ素化アルキルの例は、3,3,3−トリフルオロプロピル、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナデカフルオロヘキシル、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル、パーフルオロ−1H,1H,2H,2H−ドデシル、パーフルオロ−1H,1H,2H,2H−テトラデシルなどである。炭素数2〜29のアルコキシアルキルの例は、3−メトキシプロピル、メトキシエトキシウンデシル、3−ヘプタフルオロイソプロポキシプロピルなどである。炭素数1〜8のアルキルにおいて1個の−CH−がシクロアルキレンで置き換えられた基の例は、シクロヘキシルメチル、アダマンタンエチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−ビシクロヘプチル、シクロオクチルなどである。シクロヘキシルは、メチルの−CH−がシクロへキシレンで置き換えられた例である。シクロヘキシルメチルは、エチルの−CH−がシクロへキシレンで置き換えられた例である。
【0052】
炭素数2〜20のアルケニルの例は、エテニル、2−プロペニル、3−ブテニル、5−ヘキセニル、7−オクテニル、10−ウンデセニル、21−ドコセニルなどである。炭素数2〜20のアルケニルオキシアルキルの例は、アリルオキシウンデシルである。炭素数1〜8のアルキルにおいて1個の−CH−がシクロアルケニレンで置き換えられた基の例は、2−(3−シクロヘキセニル)エチル、5−(ビシクロヘプテニル)エチル、2−シクロペンテニル、3−シクロヘキセニル、5−ノルボルネン−2−イル、4−シクロオクテニルなどである。
【0053】
式(1)中のRが置換または非置換のアリールである場合の例は、任意の水素がハロゲンまたは炭素数1〜10のアルキルで置き換えられてもよいフェニル、および非置換のナフチルである。ハロゲンの好ましい例は、フッ素、塩素および臭素である。炭素数1〜10のアルキルにおいては、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、またはフェニレンで置き換えられてもよい。即ち、Rが置換または非置換のアリールである場合の好ましい例は、非置換のフェニル、非置換のナフチル、アルキルフェニル、アルキルオキシフェニル、アルケニルフェニル、炭素数1〜10のアルキルにおいて任意の−CH−がフェニレンで置き換えられた基を置換基として有するフェニル、ここに列挙したそれぞれの基において任意の水素がハロゲンで置き換えられた基などである。
【0054】
ハロゲン化フェニルの例は、ペンタフルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニルなどである。アルキルフェニルの例は、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−プロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−ペンチルフェニル、4−ヘプチルフェニル、4−オクチルフェニル、4−ノニルフェニル、4−デシルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,4,6−トリエチルフェニル、4−(1−メチルエチル)フェニル、4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル、2,4,6−トリス(1−メチルエチル)フェニルなどである。アルキルオキシフェニルの例は、4−メトキシフェニル、4−エトキシフェニル、4−プロポキシフェニル、4−ブトキシフェニル、4−ペンチルオキシフェニル、4−ヘプチルオキシフェニル、4−デシルオキシフェニル、4−オクタデシルオキシフェニル、4−(1−メチルエトキシ)フェニル、4−(2−メチルプロポキシ)フェニル、4−(1,1−ジメチルエトキシ)フェニルなどである。アルケニルフェニルの例は、4−エテニルフェニル、4−(1−メチルエテニル)フェニル、4−(3−ブテニル)フェニルなどである。
【0055】
炭素数1〜10のアルキルにおいて任意の−CH−がフェニレンで置き換えられた基を置換基として有するフェニルの例は、4−(2−フェニルエテニル)フェニル、4−フェニルオキシフェニル、3−フェニルメチルフェニル、ビフェニル、ターフェニルなどである。4−(2−フェニルエテニル)フェニルは、エチルフェニルのエチル基において、1個の−CH−がフェニレンで置き換えられ、もう1個の−CH−が−CH=CH−で置き換えられた例である。
【0056】
ベンゼン環の水素の一部がハロゲンで置き換えられ、さらに他の水素がアルキル、アルキルオキシまたはアルケニルで置き換えられたフェニルの例は、3−クロロ−4−メチルフェニル、2,5−ジクロロ−4−メチルフェニル、3,5−ジクロロ−4−メチルフェニル、2,3,5−トリクロロ−4−メチルフェニル、2,3,6−トリクロロ−4−メチルフェニル、3−ブロモ−4−メチルフェニル、2,5−ジブロモ−4−メチルフェニル、3,5−ジブロモ−4−メチルフェニル、2,3−ジフルオロ−4−メチルフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、3−ブロモ−4−メトキシフェニル、3,5−ジブロモ−4−メトキシフェニル、2,3−ジフルオロ−4−メトキシフェニル、2,3−ジフルオロ−4−エトキシフェニル、2,3−ジフルオロ−4−プロポキシフェニル、4−エテニル−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルなどである。
【0057】
次に、式(1)中のRが置換または非置換のアリールアルキルである場合の例を挙げる。アリールアルキルのアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。アリールアルキルの好ましい例はフェニルアルキルである。このとき、アルキレンの好ましい炭素数は1〜12であり、より好ましい炭素数は1〜8である。非置換のフェニルアルキルの例は、フェニルメチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル、11−フェニルウンデシル、1−フェニルエチル、2−フェニルプロピル、1−メチル−2−フェニルエチル、1−フェニルプロピル、3−フェニルブチル、1−メチル−3−フェニルプロピル、2−フェニルブチル、2−メチル−2−フェニルプロピル、1−フェニルヘキシルなどである。
【0058】
フェニルアルキルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲンまたは炭素数1〜12のアルキルで置き換えられてもよい。この炭素数1〜12のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレン、またはフェニレンで置き換えられてもよい。フェニルの任意の水素がフッ素で置き換えられたフェニルアルキルの例は、4−フルオロフェニルメチル、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルメチル、2−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)エチル、3−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)プロピル、2−(2−フルオロフェニル)プロピル、2−(4−フルオロフェニル)プロピルなどである。
【0059】
ベンゼン環の任意の水素が塩素で置き換えられたフェニルアルキルの例は、4−クロロフェニルメチル、2−クロロフェニルメチル、2,6−ジクロロフェニルメチル、2,4−ジクロロフェニルメチル、2,3,6−トリクロロフェニルメチル、2,4,6−トリクロロフェニルメチル、2,4,5−トリクロロフェニルメチル、2,3,4,6−テトラクロロフェニルメチル、2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニルメチル、2−(2−クロロフェニル)エチル、2−(4−クロロフェニル)エチル、2−(2,4,5−クロロフェニル)エチル、2−(2,3,6−クロロフェニル)エチル、3−(3−クロロフェニル)プロピル、3−(4−クロロフェニル)プロピル、3−(2,4,5−トリクロロフェニル)プロピル、3−(2,3,6−トリクロロフェニル)プロピル、4−(2−クロロフェニル)ブチル、4−(3−クロロフェニル)ブチル、4−(4−クロロフェニル)ブチル、4−(2,3,6−トリクロロフェニル)ブチル、4−(2,4,5−トリクロロフェニル)ブチル、1−(3−クロロフェニル)エチル、1−(4−クロロフェニル)エチル、2−(4−クロロフェニル)プロピル、2−(2−クロロフェニル)プロピル、1−(4−クロロフェニル)ブチルなどである。
【0060】
フェニルの任意の水素が臭素で置き換えられたフェニルアルキルの例は、2−ブロモフェニルメチル、4−ブロモフェニルメチル、2,4−ジブロモフェニルメチル、2,4,6−トリブロモフェニルメチル、2,3,4,5−テトラブロモフェニルメチル、2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニルメチル、2−(4−ブロモフェニル)エチル、3−(4−ブロモフェニル)プロピル、3−(3−ブロモフェニル)プロピル、4−(4−ブロモフェニル)ブチル、1−(4−ブロモフェニル)エチル、2−(2−ブロモフェニル)プロピル、2−(4−ブロモフェニル)プロピルなどである。
【0061】
ベンゼン環の任意の水素が炭素数1〜12のアルキルで置き換えられたフェニルアルキルの例は、2−メチルフェニルメチル、3−メチルフェニルメチル、4−メチルフェニルメチル、4−ドデシルフェニルメチル、(,5−ジメチルフェニルメチル、2−(4−メチルフェニル)エチル、2−(3−メチルフェニル)エチル、2−(2,5ジメチルフェニル)エチル、2−(4−エチルフェニル)エチル、2−(3−エチルフェニル)エチル、1−(4−メチルフェニル)エチル、1−(3−メチルフェニル)エチル、1−(2−メチルフェニル)エチル、2−(4−メチルフェニル)プロピル、2−(2−メチルフェニル)プロピル、2−(4−エチルフェニル)プロピル、2−(2−エチルフェニル)プロピル、2−(2,3−ジメチルフェニル)プロピル、2−(2,5−ジメチルフェニル)プロピル、2−(3,5−ジメチルフェニル)プロピル、2−(2,4−ジメチルフェニル)プロピル、2−(3,4−ジメチルフェニル)プロピル、2−(2,5−ジメチルフェニル)ブチル、4−(1−メチルエチル)フェニルメチル、2−(4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル)エチル、2−(4−(1−メチルエチル)フェニル)プロピル、2−(3−(1−メチルエチル)フェニル)プロピルなどである。
【0062】
ベンゼン環の任意の水素が炭素数1〜12のアルキルで置き換えられたフェニルアルキルであって、このアルキル中の水素がフッ素で置き換えられた場合の例は、3−トリフルオロメチルフェニルメチル、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル、2−(4−ノナフルオロブチルフェニル)エチル、2−(4−トリデカフルオロヘキシルフェニル)エチル、2−(4−ヘプタデカフルオロオクチルフェニル)エチル、1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル、1−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル、1−(4−ノナフルオロブチルフェニル)エチル、1−(4−トリデカフルオロヘキシルフェニル)エチル、1−(4−ヘプタデカフルオロオクチルフェニル)エチル、2−(4−ノナフルオロブチルフェニル)プロピル、1−メチル−1−(4−ノナフルオロブチルフェニル)エチル、2−(4−トリデカフルオロヘキシルフェニル)プロピル、1−メチル−1−(4−トリデカフルオロヘキシルフェニル)エチル、2−(4−ヘプタデカフルオロオクチルフェニル)プロピル、1−メチル−1−(4−ヘプタデカフルオロオクチルフェニル)エチルなどである。
【0063】
ベンゼン環の任意の水素が炭素数1〜12のアルキルで置き換えられたフェニルアルキルであって、このアルキル中の−CH−が−CH=CH−で置き換えられた場合の例は、2−(4−エテニルフェニル)エチル、1−(4−エテニルフェニル)エチル、1−(2−(2−プロペニル)フェニル)エチルなどである。ベンゼン環の任意の水素が炭素数1〜12のアルキルで置き換えられたフェニルアルキルであって、このアルキル中の−CH−が−O−で置き換えられた場合の例は、4−メトキシフェニルメチル、3−メトキシフェニルメチル、4−エトキシフェニルメチル、2−(4−メトキシフェニル)エチル、3−(4−メトキシフェニル)プロピル、3−(2−メトキシフェニル)プロピル、3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピル、11−(4−メトキシフェニル)ウンデシル、1−(4−メトキシフェニル)エチル、(3−メトキシメチルフェニル)エチル、3−(2−ノナデカフルオロデセニルオキシフェニル)プロピルなどである。
【0064】
ベンゼン環の任意の水素が炭素数1〜12のアルキルで置き換えられたフェニルアルキルであって、このアルキル中の−CH−の1つがシクロアルキレンで置き換えられた場合の例は、もう1つの−CH−が−O−で置き換えられた場合も含めて例示すると、シクロペンチルフェニルメチル、シクロペンチルオキシフェニルメチル、シクロヘキシルフェニルメチル、シクロヘキシルフェニルエチル、シクロヘキシルフェニルプロピル、シクロヘキシルオキシフェニルメチルなどである。ベンゼン環の任意の水素が炭素数1〜12のアルキルで置き換えられたフェニルアルキルであって、このアルキル中の−CH−の1つがフェニレンで置き換えられた場合の例は、もう1つの−CH−が−O−で置き換えられた場合も含めて例示すると、2−(4−フェノキシフェニル)エチル、2−(4−フェノキシフェニル)プロピル、2−(2−フェノキシフェニル)プロピル、4−ビフェニリルメチル、3−ビフェニリルエチル、4−ビフェニリルエチル、4−ビフェニリルプロピル、2−(2−ビフェニリル)プロピル、2−(4−ビフェニリル)プロピルなどである。
【0065】
ベンゼン環の少なくとも2つの水素が異なる基で置き換えられたフェニルアルキルの例は、3−(2,5−ジメトキシ−3,4,6−トリメチルフェニル)プロピル、3−クロロ−2−メチルフェニルメチル、4−クロロ−2−メチルフェニルメチル、5−クロロ−2−メチルフェニルメチル、6−クロロ−2−メチルフェニルメチル、2−クロロ−4−メチルフェニルメチル、3−クロロ−4−メチルフェニルメチル、2,3−ジクロロ−4−メチルフェニルメチル、2,5−ジクロロ−4−メチルフェニルメチル、3,5−ジクロロ−4−メチルフェニルメチル、2,3,5−トリクロロ−4−メチルフェニルメチル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチルフェニルメチル、2,3,4,6−テトラクロロ−5−メチルフェニルメチル、2,3,4,5−テトラクロロ−6−メチルフェニルメチル、4−クロロ−3,5−ジメチルフェニルメチル、2−クロロ−3,5−ジメチルフェニルメチル、2,4−ジクロロ−3,5−ジメチルフェニルメチル、2,6−ジクロロ−3,5−ジメチルフェニルメチル、2,4,6−トリクロロ−3,5−ジメチルフェニルメチル、3−ブロモ−2−メチルフェニルメチル、4−ブロモ−2−メチルフェニルメチル、5−ブロモ−2−メチルフェニルメチル、6−ブロモ−2−メチルフェニルメチル、3−ブロモ−4−メチルフェニルメチル、2,3−ジブロモ−4−メチルフェニルメチル、2,3,5−トリブロモ−4−メチルフェニルメチル、2,3,5,6−テトラブロモ−4−メチルフェニルメチル、11−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)ウンデシルなどである。
【0066】
そして、フェニルアルキル中のフェニルの最も好ましい例は、非置換のフェニル、並びに置換基としてフッ素、炭素数1〜4のアルキル、エテニルおよびメトキシの少なくとも1つを有するフェニルである。
【0067】
アルキレンの−CH−が−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられたフェニルアルキルの例は、3−フェノキシプロピル、1−フェニルエテニル、2−フェニルエテニル、3−フェニル−2−プロペニル、4−フェニル−4−ペンテニル、13−フェニル−12−トリデセニル、フェニルシクロヘキシル、フェノキシシクロヘキシルなどである。ベンゼン環の水素がフッ素またはメチルで置き換えられたフェニルアルケニルの例は、4−フルオロフェニルエテニル、2,3−ジフルオロフェニルエテニル、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルエテニル、4−メチルフェニルエテニルなどである。
【0068】
これらの基のうちRの好ましい例は、炭素数1〜8のアルキルの群、置換または非置換のフェニルの群、置換または非置換のフェニルアルキルの群およびナフチルから選択される基である。Rのより好ましい例は、置換または非置換のフェニルの群、置換または非置換のフェニルアルキルの群およびナフチルから選択される基である。但し、炭素数1〜8のアルキルにおいては、任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−が−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい;置換または非置換のフェニルにおいては、任意の水素がハロゲン、メチルまたはメトキシで置き換えられてもよい;置換または非置換のフェニルアルキルにおいては、アルキレンの炭素数は1〜8であり、ベンゼン環の任意の水素はフッ素、炭素数1〜4のアルキル、エテニルまたはメトキシで置き換えられてもよく、アルキレン中の任意の−CH−は−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてよい;これらの基においてフェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。そして、式(1)中のRのすべてが、これらの好ましいRの例から選択される同一の基であることが好ましい。
【0069】
なお、更に好ましいRの具体例は、非置換のフェニル、ハロゲン化フェニル、少なくとも1つのメチルを有するフェニル、メトキシフェニル、ナフチル、フェニルメチル、フェニルエチル、フェニルブチル、2−フェニルプロピル、1−メチル−2−フェニルエチル、ペンタフルオロフェニルプロピル、4−エチルフェニルエチル、3−エチルフェニルエチル、4−(1,1−ジメチルエチル)フェニルエチル、4−エテニルフェニルエチル、1−(4−エテニルフェニル)エチル、4−メトキシフェニルプロピル、およびフェノキシプロピルである。これらの例のうち非置換のフェニルが最も好ましい。
【0070】
式(1)中のYは、式(a)または式(b)で示される基である。
Figure 0004379120
【0071】
式(a)および式(b)中のXは、それぞれ独立して水素、ハロゲンまたは1価の有機基である。式(a)および式(b)のそれぞれにおいて、少なくとも1つのXが1価の有機基であることが好ましい。1価の有機基はRと同様に定義される基および官能基または官能基を有する基からなる。そして好ましい有機基は、官能基または官能基を有する基である。式(b)中のZは、−O−、−CH−または単結合である。好ましいZは−O−である。式(a)または式(b)で示される基は、前記のPSQ(2)に塩素化ケイ素化合物を反応させることによって導入される。
【0072】
本発明のPSQ(1)は、PSQ(2)と塩素化ケイ素化合物とを、有機溶剤中において、塩基の存在下または不存在下で反応させて製造することができる。PSQ(2)は化合物(6)で示されるケイ素化合物を、1価のアルカリ金属水酸化物および水の存在下で加水分解し、縮合させることにより製造することができる。
【0073】
塩素化ケイ素化合物の使用量は、PSQ(2)に対するモル比で2〜400である。好ましいモル比は2〜100である。より好ましいモル比は2〜50である。塩素化ケイ素化合物の理論使用量は、PSQ(2)に対してモル比2なので、反応終了後に未反応の塩素化ケイ素化合物を除去する必要がある。沸点の低い塩素化ケイ素化合物は蒸留によって除去できる。蒸留によって除去できない場合は、加水分解によって塩素化ケイ素化合物を除去する。生成した加水分解物とPSQ(1)とを容易に分離するためには、塩素化ケイ素化合物の使用量をPSQ(2)に対してモル比400以下にすることが好ましい。PSQ(2)とPSQ(1)とを分離するのは非常に困難である。従って、未反応のPSQ(2)を残さないようにするためには、塩素化ケイ素化合物の使用量を、PSQ(2)に対してモル比2以上にすることが好ましい。
【0074】
この反応で用いる好ましい有機溶剤は、PSQ(2)を溶解しにくいかまたは全く溶解しない溶剤である。その例は、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエンなどのなどの炭化水素系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、酢酸エチルなどのエステル系溶剤、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素系溶剤などである。これらの溶剤を混合して用いてもよい。有機溶剤の好ましい使用量は、PSQ(2)の重量に基づいて1〜400倍である。より好ましい使用量は、1〜100倍である。発熱を伴う反応であるため、反応を容易に制御するためには、PSQ(2)の重量に基づいて同量以上の有機溶剤を使用することが好ましい。反応時間を長くしないためには、有機溶剤の使用量を、PSQ(2)の重量に基づいて100倍以下にすることが好ましい。
【0075】
PSQ(2)と塩素化ケイ素化合物との反応は、塩基の存在によって促進される。従って、塩基の存在下でこの反応を実施することが好ましい。好ましい塩基はアミン類である。好ましいアミンの例は、トリエチルアミンなどの3級アミンである。塩基の好ましい使用量は、PSQ(2)に基づいてモル比0.01〜400である。好ましいモル比は0.1〜100である。より好ましいモル比は0.2〜10である。収率よくPSQ(1)を得るためには、PSQ(2)に基づいてモル比0.01以上の塩基を用いることが好ましい。塩基は、塩素化ケイ素化合物の加水分解物を重縮合させる作用をも有する。従って、有機溶剤の使用量が少ないときには、多量の塩基を用いることは避けるべきであるが、有機溶剤の使用量が多いときには、PSQ(2)に基づいてモル比400程度までの塩基を用いてもよい。塩基の使用量がこの範囲内であれば、反応終了後の工程で生成する加水分解物の分離を阻害する可能性は少ない。しかしながら容積効率を考慮すると、塩基の好ましい使用量は、PSQ(2)に基づいてモル比0.01〜100である。
【0076】
反応時間は、使用する塩素化ケイ素化合物の種類や溶剤によって異なるが、通常は数分から数時間である。反応温度については特に制限はなく、通常は室温でよい。このようにして、官能基を有するシルセスキオキサンを合成することができる。
【0077】
塩素化ケイ素化合物の好ましい例は、テトラクロロシラン、および化合物(3)〜化合物(5)である。化合物(3)の例は、アセトキシエチルメチルジクロロシラン、アセトキシプロピルメチルジクロロシラン、(3−アクリロイルオキシプロピル)メチルジクロロシラン、アリル(クロロプロピル)ジクロロシラン、アリル(2−シクロヘキセニルエチル)−ジクロロシラン、アリルジクロロシラン、アリルヘキシルジクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルフェニルジクロロシラン、5−(ビシクロヘプテニル)メチルジクロロシラン、ブテニルメチルジクロロシラン、t−ブチルジクロロシラン、n−ブチルメチルジクロロシラン、t−ブチルメチルジクロロシラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、2−(メトキシカルボニル)エチルメチルジクロロシラン、2−クロロエチルメチルジクロロシラン、クロロメチルメチルジクロロシラン、((クロロメチル)フェネチル)メチルジクロロシラン、2−(クロロメチル)プロピルメチルジクロロシラン、クロロフェニルメチルジクロロシラン、3−クロロプロピルメチルジクロロシラン、3−クロロプロピルフェニルジクロロシラン、(3−シアノブチル)メチルジクロロシラン、2−シアノエチルメチルトリクロロシラン、3−シアノプロピルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルフェニルジクロロシラン、(3−シクロヘキセニルエチル)メチルジクロロシラン、シクロヘキシルメチルジクロロシラン、シクロブテニルジクロロシラン、シクロプロペニルジクロロシラン、n−デシルメチルジクロロシラン、ジアリルジクロロシラン、n−ブチルジクロロシラン、ジ−t−ブチルジクロロシラン、1,1−ジクロロ−3,3−ジメチル−1,3−ジシラブタン、1,3−ジクロロ−1,3−ジフェニル−1,3−ジメチルジシロキサン、(ジクロロメチル)メチルジクロロシラン、1,3−ジクロロテトラメチルジシロキサン、1,3−ジクロロテトラフェニルジシロキサン、ジクロロテトラメチルジシラン、ジシクロヘキシルジクロロシラン、ジシクロペンチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジ−n−ヘキシルジクロロシラン、ジイソプロピルジクロロシラン、ジメシチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジ−n−オクチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ジ(p−トリル)ジクロロシラン、ジビニルジクロロシラン、1,3−ジビニル−1,3−ジメチル−1,3−ジクロロシラン、エチルジクロロシラン、エチルメチルジクロロシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)メチルジクロロシラン、n−ヘプチルメチルジクロロシラン、ヘキシルジクロロシラン、ヘキシルメチルジクロロシラン、イソブチルメチルジクロロシラン、イソプロピルメチルジクロロシラン、メタクリロイルオキシプロピルメチルジクロロシラン、3−(p−メトキシフェニル)プロピルメチルジクロロシラン、メチルペンチルジクロロシラン、p−(メチルフェネチル)メチルジクロロシラン、2−メチル−2−フェニルエチルジクロロシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン、n−オクチルメチルジクロロシラン、フェネチルメチルジクロロシラン、フェニルジクロロシラン、フェニルエチルジクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、(3−フェニルプロピル)メチルジクロロシラン、1−アリルメチルジクロロシラン、プロピルメチルジクロロシラン、p−トリルメチルジクロロシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)メチルジクロロシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルジクロロシラン、ビニルエチルジクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルオクチルジクロロシラン、ビニルフェニルジクロロシラン、メチルジクロロシラン、1,3−ジクロロ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,3−ジクロロ−1,3−ジメチル−1,3−ジビニルジシロキサン、1,3−ジクロロ−1,3−ジフェニルジシロキサンなどである。
【0078】
化合物(4)の例は、アセトキシエチルトリクロロシラン、(3−アクリロイルオキシプロピル)トリクロロシラン、アダマンチルエチルトリクロロシラン、アリルトリクロロシラン、ベンジルトリクロロシラン、5−(ビシクロヘプテニル)トリクロロシラン、2−(ビシクロヘプチル)トリクロロシラン、2−ブロモエチルトリクロロシラン、ブロモフェニルトリクロロシラン、3−ブロモプロピルトリクロロシラン、p−(t−ブチル)フェネチルトリクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、t−ブチルトリクロロシラン、2−(メトキシカルボニル)エチルトリクロロシラン、1−クロロエチルトリクロロシラン、2−クロロエチルトリクロロシラン、2−(クロロメチル)アリルトリクロシラン、(クロロメチル)フェネチルトリクロロシラン、p−(クロロメチル)フェニルトリクロロシラン、クロロメチルトリクロロシラン、クロロフェニルトリクロロシラン、3−クロロプロピルトリクロロシラン、(3−シアノブチル)トリクロロシラン、2−シアノエチルトリクロロシラン、3−シアノプロピルトリクロロシラン、(3−シクロヘキセニル)エチルトリクロロシラン、3−シクロヘキセニルトリクロロシラン、(シクロヘキシルメチル)トリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、(4−シクロオクテニル)トリクロロシラン、シクロオクチルトリクロロシラン、シクロペンチルトリクロロシラン、n−デシルトリクロロシラン、1、2−ジブロモエチルトリクロロシラン、1、2−ジクロロエチルトリクロロシラン、(ジクロロメチル)トリクロロシラン、ジクロロフェニルトリクロロシラン、ドデシルトリクロロシラン、エイコシルトリクロロシラン−ドコシルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2、−テトラヒドロデシル、)トリクロロシラン、(3−ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリクロロシラン、n−ヘプチルトリクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、ヘキサクロロジシロキサン、n−ヘキサデシルトリクロロシラン、5−ヘキセニルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラン、イソブチルトリクロロシラン、イソオクチルトリクロロシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン、3−(p−メトキシフェニル)プロピルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6、−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、ノニルトリクロロシラン、n−オクタデシルトリクロロシラン、7−オクテニルトリクロロシラン、n−オクチルトリクロロシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリクロロシラン、ペンチルトリクロロシラン、フェネチルトリクロロシラン、3−フェノキシプロピルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、p−トリルトリクロロシラン、トリクロロメチルトリクロロシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリクロロシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリクロロシラン、ビニルトリクロロシランなどである。
【0079】
化合物(5)の例は、1,1,3,3−テトラクロロ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラクロロジシロキサン、1,1,3,3−テトラクロロ−1,3−ジフェニルジシロキサンなどである。本発明では、テトラクロロシランおよび化合物(3)〜化合物(5)からなる群から、複数の塩素化ケイ素化合物を選択して用いてもよい。
【0080】
上記に例示した塩素化ケイ素化合物を使用することにより、種々の置換基および官能基を有するPSQ誘導体の製造が可能となる。さらにこれらの誘導体のうち適当な化合物をもちいれば、公知の置換基および官能基の導入方法に準じて、他の置換基および官能基を有するPSQ誘導体を製造することも可能である。例えば、PSQ(2)と塩素化ケイ素化合物とを反応させることにより、実施例(11)で示すような、分子中にSi−Clを有する化合物を合成したのち、この基を利用して、他の官能基または置換基を導入することが可能である。式(a)または式(b)中のXが、脂肪族二重結合を有する基、ハロゲン化フェニルを有する基、水素、ハロゲン化アルキルなどである場合も、他の官能基を導入するために利用できる。従って、さらに様々な官能基を有するPSQ(1)を合成することができる。Xが官能基または官能基を有する基である場合の好ましい官能基の例は、−H、−F、−Cl、−Br、−OH、−CF、パーフルオロアルキル、アルコキシ、−COOH、2−オキサプロパン−1,3−ジオイル、ポリアルキレンオキシ、エステル、エポキシ、オキセタン環、−NH、−CN、−NCO、アルケニル、シクロアルケニル、−SH、−PHなどである。−HはSiに直接結合した官能基である。−OH、ハロゲン、アルコキシ、エステルおよびアルケニルは、Si原子に直接結合してもよいし、後述の2価の基を介してSi原子に結合してもよい。−H、−OH、ハロゲン、アルコキシ、エステルおよびアルケニルを除く他の基は、アルキレン、アルキルシクロアルキレン、アルキルフェニレン、アルキルシクロアルキレン、またはアルキルフェニルアルキレンなどの2価の基を介してSi原子に結合することが好ましい。アルケニルの例はエテニル、プロペニルなどである。シクロアルケニルの例はシクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、ノルボルネニルなどである。Xが官能基を有さない場合のPSQ(1)は、高分子への添加剤などとして使用できる。
【0081】
Xが官能基または官能基を有する基である場合のXの具体例を次に示す。
Figure 0004379120
【0082】
これらの式において、kは0または1である;mは2〜4の整数である;nは0〜15の整数である;Lはハロゲンであり、pは1〜5の整数である;qは2または3の整数であり、rは2〜200の整数である;tは1〜3の整数である;そして、Eは水素または炭素数1〜4のアルキルである。上記の例において、ベンゼン環への−L、−CH−L、−OH、−COOH、−CFおよび−OCFの結合位置はそれぞれ任意である。好ましいハロゲンはFおよびClである。rの好ましい範囲は2〜100であり、より好ましい範囲は2〜20である。
【0083】
重合性の官能基を有するPSQ(1)を用いることにより、本発明のPSQ誘導体を構成単位とする重合体を得ることができる。Xが重合性二重結合を有する基であるPSQ(1)は、他のビニル系モノマーと共重合させることも可能である。適用できる重合法は、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のような過酸化物によるラジカル重合、金属アルキルによるアニオン重合、ルイス酸によるカチオン重合などである。Xが2−オキサプロパン−1,3−ジオイルを有する基であるPSQ(1)は、縮重合体原料として用いることができる。エポキシまたはオキセタン環を有する基であるPSQ(1)も、重合体原料として用いることができる。
【0084】
次に、PSQ(2)の製造方法について説明する。PSQ(2)は、化合物(6)を1価のアルカリ金属水酸化物および水の存在下で加水分解し、縮合させることによって得られる。
Figure 0004379120
【0085】
式(6)において、Rは式(2)における場合と同様に定義され、Aは加水分解性の基である。従って、最も好ましいRの例は、前記のようにフェニル、ハロゲン化フェニル、少なくとも1つのメチルを有するフェニル、メトキシフェニル、ナフチル、フェニルメチル、フェニルエチル、フェニルブチル、2−フェニルプロピル、1−メチル−2−フェニルエチル、ペンタフルオロフェニルプロピル、4−エチルフェニルエチル、3−エチルフェニルエチル、4−(1,1−ジメチルエチル)フェニルエチル、4−エテニルフェニルエチル、1−(4−エテニルフェニル)エチル、4−メトキシフェニルプロピル、およびフェノキシプロピルである。そして、Aの好ましい例は塩素およびアルコキシである。このアルコキシは加水分解によって分離される基であるから、その炭素数の範囲を限定することにはあまり意味がないが、炭素数1〜4のアルコキシを有する化合物を用いればよい。上記のRと加水分解性基とを有する化合物(6)は、市販されているものを入手できるし、一般的な合成方法により得ることもできる。
【0086】
化合物(6)の具体例は、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、p-トリルトリメトキシシラン、p-トリルトリエトキシシラン、クロロフェニルトリクロロシラン、クロロフェニルトリメトキシシラン、クロロフェニルトリエトキシシランなどである。
【0087】
1価のアルカリ金属水酸化物の例は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムなどである。これらのうち、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好ましい。PSQ(2)の製造における、1価のアルカリ金属水酸化物の使用量は、化合物(6)に対するモル比で、0.3〜1.5である。より好ましいモル比は0.4〜0.8である。このモル比の範囲内であれば、環状または直鎖状の低分子量のシロキサン化合物や、高分子量のシロキサン化合物の生成が防止され、構造の規制されたPSQ(2)が得られ易い。
【0088】
添加する水の量は、化合物(6)に対するモル比で1.0〜1.5である。より好ましいモル比は1.1〜1.3である。このモル比の範囲内であれば、加水分解性基の残存、低分子量のシロキサン化合物の生成、構造が規制されていない高分子量のシロキサン化合物の生成などを防止することができる。なお、水の添加時期については特別な制限はない。あらかじめ他の原料と混合してもよいし、後から添加してもよい。
【0089】
さらに、化合物(6)の加水分解反応は、有機溶剤の存在下で実施することが好ましい。有機溶剤の好ましい例はアルコール類である。アルコール類の好ましい例は、直鎖状、分岐状または環状の1価のアルコール類である。直鎖状のアルコール類の例は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノールなどである。分岐状のアルコール類の例は、2−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノールなどである。環状のアルコール類の例は、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロへプタノールなどである。アルコール類は、縮合過程での構造制御に寄与すると推定される。
【0090】
上記のように有機溶剤を使用することは好ましいが、その使用量については特に制限されない。有機溶剤の使用量を決定するための要因は、エネルギー効率や時間効率などの経済的観点、およびPSQ(2)の有機溶剤に対する溶解性が小さいことによる攪拌効率などである。従って厳密に守るべき使用量範囲はないが、上記の要因を考慮して、化合物(6)に対する容量比で0.3〜50倍を目安とすればよい。より好ましい容量比は5〜40倍であろう。原料として用いる化合物(6)に応じて、上記の製造条件の範囲内で最適な条件を採用することが肝要である。
【0091】
PSQ(2)は、有機溶剤に対し難溶であるので、反応が進行するに従い析出し始める。析出するまでに要する時間は、使用した有機溶剤および、使用量などの条件によって異なるが、通常は数分〜数十時間である。そして析出したPSQ(2)は、濾過により簡便に、溶剤と分離することができる。
【0092】
このようにして得られたPSQ(2)は有機溶剤に対する溶解性が低いため、その構造を解析するための分析手法が制限される。従って、結合している1価のアルカリ金属を、トリメチルクロロシランによりトリメチルシリル基に置換することが必要である。このようにして、化合物の溶剤への溶解性を向上させれば、構造解析を行うことができる。
【0093】
【実施例】
実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、実施例中に記載した式においては、Phはフェニルであり、Meはメチルであり、TMSはトリメチルシリルであり、そしてCNはシアノである。
【0094】
実施例1
<PSQ(2)の合成−1>
環流冷却器、温度計、滴下漏斗を取り付けた内容積300mlの4つ口フラスコに、フェニルトリメトキシシラン(24g)、水酸化ナトリウム(3.2g)、水(2.5g)、および2−プロピルアルコール(120ml)を仕込んだ。乾燥窒素でシールし、マグネチックススターラーで撹拌しながら、2−プロピルアルコールが環流するまでオイルバスにて加熱した。還流させながら更に4時間撹拌した後、反応液を室温で1晩静置した。析出した沈殿物を、メンブランフィルター付きの加圧濾過器により反応液から分離した。これを2−プロピルアルコールで1回洗浄した。これを70℃で5時間減圧乾燥して、白色粉末状固体6.0gを得た。これを化合物(2−1)とする。
【0095】
<化合物(2−1)の構造解析>
滴下漏斗、環流冷却器、温度計を取り付けた内容積50mlの4つ口フラスコに、化合物(2−1)(2.3g)、テトラヒドロフラン(20g)、およびトリエチルアミン(3.2g)を仕込み、乾燥窒素にてシールした。マグネチックスターラーで撹拌しながら、室温下でトリメチルクロロシラン(3.4g)を約1分間で滴下し、更に室温で3時間撹拌した。その後、水(10g)を投入して、副成物の塩化ナトリウムを溶解させるとともに、未反応のトリメチルクロロシランを加水分解した。得られた反応混合物を分液して、有機層を得た。この有機層を1Nの塩酸で1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回洗浄し、更にイオン交換水で3回水洗を繰り返した。この有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ロータリーエバポレターで減圧濃縮して、白色粉末状残渣(2.1g)を得た。これをトリメチルシリル化体とする。
【0096】
このトリメチルシリル化体について、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)、H−NMR、29Si−NMR、および赤外吸収分析により構造解析を行った。GPCチャートでは、この白色粉末状残渣は非常にきれいな単分散性を示し、ポリスチレン換算での重量平均分子量(Mw)は1120、数平均分子量(Mn)は1080であった。H−NMRチャートから、フェニル基とトリメチルシリル基が8:4の積分比で存在することが確認された。29Si−NMRチャートから、トリメチルシリル基に由来するピークが−10.6ppmに一本、フェニル基を有するT構造に由来するピークが−78.6ppmと−78.9ppmに1:1の比で2種類、合計3本のピークが確認された。T構造は、Siが3個のOと結合している構造である。H−NMRおよび29Si−NMRは、いずれも重クロロホルムを溶剤にし、テトラメチルシランを基準物質として測定した。KBr錠剤法により測定した赤外吸収スペクトルには、1760〜1960cm−1に置換ベンゼン環の倍振動、1430cm−1および1600cm−1にSi−Phの変角振動、1250cm−1にSi−CHの振動、1130cm−1および1060cm−1にSi−O−Siの伸縮振動にそれぞれ帰属される吸収が確認された。以上により、トリメチルシリル化体の構造は下記の式(7)であると確認された。従って、トリメチルシリル化する前の化合物(2−1)の構造は、下記の式(8)と判断される。
Figure 0004379120
【0097】
Figure 0004379120
以下の実施例においては、この実施例1と全く同様にして製造された式(8)で示されるPSQ誘導体を、化合物(2−1)と表記した。
【0098】
実施例2
<PSQ(2)の合成−2>
フェニルトリメトキシシラン(24g)、水酸化ナトリウム(3.2g)、水(2.7g)、および2−プロピルアルコール(120ml)を仕込んだ以外は、実施例1と同様にして反応を行い、白色粉末状固体6.2gを得た。得られた白色粉末状固体の構造解析を、実施例1に準拠して行ない、同様の結果を得た。
【0099】
実施例3
<PSQ(2)の合成−3>
フェニルトリメトキシシラン(24g)、水酸化ナトリウム(3.6g)、水(2.5g)を仕込んだ以外は、実施例1と同様にして反応を行い、白色粉末状固体5.8gを得た。得られた白色粉末状固体の構造解析を、実施例1に準拠して行ない、同様の結果を得た。
【0100】
実施例4
<PSQ(1)の合成−1:(シアノエチル)メチルシランジイルの導入>
滴下漏斗、還流冷却器、温度計を取り付けた内容積300mlの3つ口フラスコに、化合物(2−1)(11.6g:10mmol)、テトラヒドロフラン(100g)、およびトリエチルアミン(3.0g:30mmol)を仕込み、乾燥窒素にてシールした。マグネチックスターラーで撹拌しながら、室温下で、(シアノエチル)メチルジクロロシラン(5.0g:30mmol)を滴下した。その後、室温で1時間撹拌した。反応液に水(50g)を投入して、生成した塩化ナトリウムを溶解するとともに、未反応のシアノエチルメチルジクロロシランを加水分解した。このようにして得られた反応混合物を分液し、有機層を1Nの塩酸で1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回洗浄し、更にイオン交換水で3回水洗を繰り返した。洗浄後の有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ロータリーエバポレターで減圧濃縮して、7.6gの白色粉末状固体を得た。
【0101】
これについて、GPC、H−NMR、29Si−NMR、およびマススペクトルにより構造解析を行った。GPCチャートから、PSQ(1−1)は単分散であり、その分子量はポリスチレン換算で重量平均分子量920であり、純度99%であることが確認された。H−NMRチャートから、フェニルとシアノエチル中のメチレンとの積分比が40:4で存在することが確認された。29Si−NMRチャートから、(シアノエチル)メチルを有するD構造に由来するピークが−20.83ppmに1本、フェニル基を有するT構造に由来するピークが−78.16ppmと−79.27ppmに1:1の比で確認された。D構造は、Siが2個のOと結合している構造である。そしてマススペクトルから、m/z1259の親イオンピークが確認された。以上を総合すると、この化合物は下記の式(9)の構造を有すると判断される。
【0102】
H−NMR(溶剤:CDCl):δ(ppm);0.38(s,6H)、1.08−1.12(t,4H)、2.32−2.36(t,4H)、7.21−7.50(m,40H).
29Si−NMR(溶剤:CDCl):δ(ppm) −20.83(s,2Si)、−78.16(s,4Si)、−79.27(t,4Si).
Figure 0004379120
【0103】
実施例5
<PSQ(1)の合成−2:(3−メタクリロイルオキシプロピル)メチルシランジイルの導入>
(シアノエチル)メチルジクロロシランの替わりに、(3−メタクリロイルオキシプロピル)メチルジクロロシラン(7.7g:30mmol)を用いた以外は、実施例4と同様にして反応および後処理を行った。そして、減圧濃縮して得られた残渣をアセトンで再結晶し、乾燥して8.4gの白色粉末状固体を得た。この化合物は下記の解析データから、式(10)の構造を有すると判断される。
【0104】
H−NMR(溶剤:CDCl):δ(ppm);0.33(s,6H)、0.76−0.80(m、4H)、1.77−1.84(m,10H)、4.00−4.04(t,4H)、5.42(s,2H)、5.97(s,2H)、7.17−7.55(m,40H).
29Si−NMR(溶剤:CDCl):δ(ppm);−17.88(s,2Si)、−78.58(s,4Si)、−79.52(t,4Si).
Figure 0004379120
【0105】
実施例6
<PSQ(1)の合成−3:メチルシランジイルの導入>
(シアノエチル)メチルジクロロシランの替わりに、メチルジクロロシラン(3.4g:30mmol)を用いた以外は、実施例4と同様にして反応および後処理を行った。そして、減圧濃縮して得られた残渣をメタノールで洗浄し、乾燥して6.9gの白色粉末状固体を得た。この化合物は下記の解析データから、式(11)の構造を有すると判断される。
【0106】
H−NMR(溶剤:CDCl):δ(ppm);0.37(s,6H)、4.99(s、2H)、7.15−7.56(m,40H).
29Si−NMR(溶剤:CDCl):δ(ppm);−32.78(s,2Si)、−77.91(s,4Si)、−79.39(t,4Si).
Figure 0004379120
【0107】
実施例7
<PSQ(1)の合成−4:3−クロロプロピルメチルシランジイルの導入>
(シアノエチル)メチルジクロロシランの替わりに、3−クロロプロピルメチルジクロロシラン(5.7g:30mmol)を用いた以外は、実施例4と同様にして反応および後処理を行った。そして、減圧濃縮して得られた残渣を酢酸エチルで再結晶し、乾燥して7.3gの白色粉末状固体を得た。この化合物は下記の解析データから、式(12)の構造を有すると判断される。
【0108】
H−NMR(溶剤:CDCl):δ(ppm);0.30(s,6H)、0.81−0.85(m、4H)、1.81−1.89(m,4H)、3.36−3.40(t,4H)、7.18−7.53(m,40H).
29Si−NMR(溶剤:CDCl):δ(ppm);−18.35(s,2Si)、−78.61(s,4Si)、−79.55(t,4Si).
Figure 0004379120
【0109】
実施例8
<PSQ(1)の合成−5:メチルビニルシランジイルの導入>
(シアノエチル)メチルジクロロシランの替わりに、メチルビニルジクロロシラン(4.2g:30mmol)を用いた以外は、実施例4と同様にして反応および後処理を行った。そして、減圧濃縮して得られた残渣をメタノールで洗浄し、乾燥して7.2gの白色粉末状固体を得た。この化合物は下記の解析データから、式(13)の構造を有すると判断される。
【0110】
H−NMR(溶剤:CDCl):δ(ppm);0.38(s,6H)、5.91−6.22(m,6H)、7.13−7.53(m,40H).
29Si−NMR(溶剤:CDCl):δ(ppm);−31.38(s,2Si)、−78.41(s,4Si)、−79.57(s,4Si).
Figure 0004379120
【0111】
実施例9
<PSQ(1)の合成−6:(3−アクリロイルオキシプロピル)メチルシランジイルの導入>
実施例1で得られた化合物(2−1)(8.1g:7.04mmol)、トリエチルアミン(1.78g:17.6mmol)、テトラヒドロフラン(150ml)、および(3−アクリロイルオキシプロピル)メチルジクロロシラン(4.0g:17.6mmol)を仕込んだ以外は、実施例4と同様にして反応および後処理を行った。減圧濃縮して得られた残査から、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル:100g、展開溶剤:トルエン/酢酸エチル=9/1)によって不純物を除去し、エタノール/酢酸エチルから再結晶して、2.2gの無色結晶を得た。この化合物は下記の解析データから、式(14)の構造を有すると判断される。
【0112】
H−NMR(溶剤:CDCl):δ(ppm);0.31(s,6H)、0.74−0.78(t,4H)、1.74−1.78(m,4H)、4.00−4.02(t,4H)、5.70(d,2H)、5.98(q,2H)、6.26−6.29(d,2H)、7.17−7.53(m,40H).
29Si−NMR(溶剤:CDCl):δ(ppm);−18.0(d,2Si)、−78.6(s,4Si)、−79.5(t,4Si).
Figure 0004379120
【0113】
実施例10
<PSQ(1)の合成−7:アセトキシプロピルメチルシランジイルの導入>
化合物(2−1)(11.6g:10mmol)、トリエチルアミン(2.54g:25mmol)、テトラヒドロフラン(200ml)、および3−アセトキシプロピルメチルジクロロシラン(5.4g、25mmol)を仕込み、反応時間を3時間とした以外は、実施例4と同様にして反応を行った。反応液にトルエン(200ml)および水(100ml)を加えて攪拌し、分液した。有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層からトルエンを減圧溜去し、更に3.9×10−2MPaの圧力下、90±5℃で30分間加熱して、低沸成分を除去した。得られた残渣をメタノールで洗浄し、エタノール/酢酸エチル(100ml)から再結晶して、6.51gの無色結晶を得た。この化合物は下記の解析データから、式(15)の構造を有すると判断される。
【0114】
H−NMR(溶剤:CDCl):δ(ppm);0.31(s,6H)、0.72−0.75(t,4H)、1.70−1.74(m,4H)、1.88(s,6H)、3.91−3.94(t,4H)、7.18−7.52(m,40H).
29Si−NMR(溶剤:CDCl):δ(ppm);−17.8(d,2Si)、−78.4(s,4Si)、−79.3(t,4Si).
Figure 0004379120
【0115】
実施例11
<PSQ(1)の合成−8:ジクロロシランジイルの導入>
滴下漏斗、還流冷却器、温度計を取り付けた内容積300mlの3つ口フラスコに、化合物(2−1)(11.6g:10mmol)、およびテトラヒドロフラン(100g)を仕込み、乾燥窒素にてシールした。マグネチックスターラーで撹拌しながら、室温でテトラクロロシラン(68g:40mmol)を滴下した。その後、室温で3時間撹拌した。反応混合物から、生成した塩化ナトリウムを濾過によって除去し、減圧下で濃縮して未反応のテトラクロロシランおよびテトラヒドロフランを除去した。得られた残渣をヘキサンで洗浄し、乾燥して7.6gの白色粉末状固体を得た。この化合物は下記の解析データから、式(16)の構造を有すると判断される。
【0116】
29Si−NMR(溶剤:CCD):δ(ppm);−69.70(s,2Si)、−76.75(s,4Si)、−77.50(s,4Si).
マススペクトル(EI:電子衝撃) m/z 1262.
Figure 0004379120
【0117】
実施例12
<PSQ(1)の合成−9:メチルヒドロキシシランジイルの導入>
滴下漏斗、還流冷却器、温度計を取り付けた内容積300mlの3つ口フラスコに、化合物(2−1)(11.6g:10mmol)、テトラヒドロフラン(100g)、およびトリエチルアミン(3.0g:30mmol)を仕込み、乾燥窒素にてシールした。マグネチックスターラーで撹拌しながら、室温でメチルトリクロロシラン(4.5g:30mmol)を滴下した。その後、室温で3時間撹拌した。反応液に水(50g)を投入して、生成した塩化ナトリウムを溶解するとともに、未反応のメチルトリクロロシランを加水分解した。このようにして得られた反応混合物を分液し、有機層を1Nの塩酸で1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回洗浄し、更にイオン交換水で3回水洗を繰り返した。洗浄後の有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ロータリーエバポレターで減圧濃縮して、7.1gの白色粉末状固体を得た。この化合物は下記の解析データから、式(17)の構造を有すると判断される。
【0118】
29Si−NMR(溶剤:CDCl3):δ(ppm);−54.06(s,2Si)、−78.59(s,4Si)、−79.17(s,4Si).
IR(KBr法):3450、3060,3010、1590、1430、1270、1130、1090、910、730cm−1
Figure 0004379120
【0119】
実施例13
<PSQ(1)の合成−10:1,3−ジメチルジシロキサン−1,3−ジイルの導入>
(シアノエチル)メチルジクロロシランの替わりに、1,3―ジクロロ−1,3−ジメチルジシロキサン(5.2g:30mmol)を用いた以外は、実施例4と同様にして反応および後処理を行った。そして、減圧濃縮して得られた残渣をアセトンから再結晶し、乾燥して7.1gの白色粉末状固体を得た。この化合物は下記の解析データから、式(18)の構造を有すると判断される。
【0120】
H−NMR(溶剤:CDCl):δ(ppm);0.19−0.25(m,12H)、4.82−4.86(m,4H)、7.04−7.46(m,40H).
Figure 0004379120
【0121】
実施例14
<PSQ(1)の合成−11:グリシジルオキシプロピルの導入>
還流冷却器、温度計を取り付けた内容積100mlの3つ口フラスコに、実施例6に準じて合成された化合物(11)(10g:8.67mmol)、トルエン(60g)、アリルグリシジルエーテル(3.0g:26.3mmol)を仕込み、乾燥窒素にてシールした。マグネチックスターラーで撹拌しながら、65℃に加温して、Karsted触媒(塩化白金酸と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンの錯体;40μl)をマイクロシリンジで加えた。その後、65℃で1時間攪拌後、サンプリングして赤外吸収スペクトルを調べ、−H(Siに結合した)に由来する吸収ピーク(2170cm−1)が消失していることを確認して反応を終了した。ロータリーエバポレターで減圧濃縮して、11.7gの白色粉末状固体を得た。この化合物は下記の解析データから、式(19)の構造を有すると判断される。
【0122】
29Si−NMR(溶剤:CDCl3):δ(ppm);−17.33(s,2Si)、−78.67(s,4Si)、−79.61(s,4Si).
H−NMR(溶剤:CDCl):δ(ppm);0.30(s,6H)、
0.72−0.77(m,4H)、1.64−1.72(m,4H)、2.42−2.66(m,4H)、2.95−2.98(m,2H)、3.15−3.19(m,2H)、3.31―3.37(m,4H)、3.43−3.47(m,2H)、7.17−7.53(m,40H).
Figure 0004379120
【0123】
実施例15
<PSQ(1)の合成−12:2,4−ジオキソ−3−オキサシクロペンチルプロピルの導入>
還流冷却器、温度計を取り付けた内容積100mlの3つ口フラスコに、実施例6に準じて合成された化合物(11)(50g:43.37mmol)、テトラヒドロフラン(100g)、アリルこはく酸無水物(14.5g:103.57mmol)を仕込み、乾燥窒素にてシールした。マグネチックスターラーで撹拌しながら、還流温度まで加温後、前記のKarsted触媒(320μl)をシリンジで加えた。その後、還流温度下で7時間攪拌後、サンプリングして赤外吸収スペクトルを調べ、−H(Siに結合した)に由来する吸収ピークが消失していることを確認して反応を終了した。ロータリーエバポレターで減圧濃縮して得られた残渣をメタノール(150g)で洗浄し、白色固体55.9gを得た。この化合物は下記の解析データから、式(20)の構造を有すると判断される。
29Si−NMR(溶剤:CDCl3):δ(ppm);−18.12(s,2Si)、−78.55(s,4Si)、−79.6(s,4Si).
【0124】
H−NMR(溶剤:CDCl):δ(ppm);0.32(s,6H)、0.70−0.79(m,4H)、1.32−1.42(m,6H)、1.73−1.79(m,2H)、1.88−1.99(m,2H)、2.23−2.36(m,2H)、2.50−2.60(m,2H)、7.14−7.58(m,40H).
Figure 0004379120
【0125】
【産業上の利用可能性】
式(1)で示される本発明のPSQ誘導体は、電子材料、光学材料、電子光学材料、触媒担持体、高分子原料などとして有用に用いることができる。またこのPSQ誘導体は、高分子材料の難燃性、耐熱性、耐候性、電気絶縁性、表面特性、硬度、力学的強度、耐薬品性などを向上させるための添加剤としても有用に用いることができる。なお、式(2)で示される本発明のPSQ誘導体を出発原料とすることにより、目的に応じて選択した複数の官能基またはその他の基を、PSQ骨格に容易に導入することが可能である。そして、導入される基を適切に選択することにより、樹脂との相溶性が改善されたPSQ誘導体を製造することができる。さらに、導入される官能基が2つの場合には、それぞれの官能基がPSQ骨格の中心について相対する位置に導入されたPSQ誘導体が得られる。これが式(1)で示されるPSQ誘導体である。本発明により、PSQ骨格の中心について相対する位置に官能基を有する化合物を容易に合成する方法が提供された。本発明により、高分子化合物の主鎖に完全縮合型PSQ誘導体が導入することが容易になる。

Claims (39)

  1. 式(1)で示されるシルセスキオキサン誘導体。
    Figure 0004379120
    式(1)中のRのそれぞれは、水素、炭素数1〜45のアルキルの群、置換または非置換のアリールの群および置換または非置換のアリールアルキルの群から独立して選択される基であり、Yは式(a)または式(b)で示される基である。
    Figure 0004379120
    式(a)および式(b)中のXは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、Rと同様に定義される基、または官能基もしくは官能基を有する基であって、この官能基は水素、フッ素、塩素、臭素、−OH、−CF 、パーフルオロアルキル、アルコキシ、−COOH、2−オキサプロパン−1,3−ジオイル、ポリアルキレンオキシ、エステル、エポキシ、オキセタン環、−NH 、−CN、−NCO、アルケニル、シクロアルケニル、−SHおよび−PH から選択される1つであり、Zは−O−、−CH−または単結合である。
    但し、炭素数1〜45のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレン、またはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のアリールアルキル中のアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。
  2. 式(a)および式(b)のそれぞれにおける少なくとも1つのXがRと同様に定義される基である、請求項1に記載のシルセスキオキサン誘導体。
  3. 式(1)中のRのそれぞれが炭素数1〜30のアルキルの群および水素から独立して選択される基であり、式(a)および式(b)のそれぞれにおける少なくとも1つのXが炭素数1〜45のアルキルの群、置換または非置換のフェニルの群およびナフチルから選択される基である、請求項1に記載のシルセスキオキサン誘導体。
    但し、炭素数1〜30のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−が−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。炭素数1〜45のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレン、またはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲンまたは炭素数1〜18のアルキルで置き換えられてもよい。そして、この炭素数1〜18のアルキルにおいては、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−またはフェニレンで置き換えられてもよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
  4. 式(1)中のRのそれぞれが炭素数1〜20のアルケニルの群および炭素数1〜20のアルキル中の任意の−CH−がシクロアルケニレンで置き換えられた基の群から独立して選択される基であり、式(a)および式(b)のそれぞれにおける少なくとも1つのXが請求項3に記載のXと同様に定義される基である、請求項1に記載のシルセスキオキサン誘導体。
    但し、炭素数1〜20のアルケニルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−が−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。炭素数1〜20のアルキル中の任意の−CH−がシクロアルケニレンで置き換えられた基において、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよい。
  5. 式(1)中のRのそれぞれが置換または非置換のフェニルの群およびナフチルから独立して選択される基であり、式(a)および式(b)のそれぞれにおける少なくとも1つのXが請求項3に記載のXと同様に定義される基である、請求項1に記載のシルセスキオキサン誘導体。
    但し、置換または非置換のフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲンまたは炭素数1〜10のアルキルで置き換えられてもよい。そして、この炭素数1〜10のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
  6. 式(1)中のRのそれぞれが置換または非置換のフェニルアルキルの群から独立して選択される基であり、式(a)および式(b)のそれぞれにおける少なくとも1つのXが請求項3に記載のXと同様に定義される基である、請求項1に記載のシルセスキオキサン誘導体。
    但し、置換または非置換のフェニルアルキルのフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲンまたは炭素数1〜12のアルキルで置き換えられてもよい。そして、この炭素数1〜12のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのアルキレンにおいて、その炭素数は1〜12であり、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
  7. 式(1)中のRのそれぞれが置換または非置換のフェニルアルケニルの群から独立して選択される基であり、式(a)および式(b)のそれぞれにおける少なくとも1つのXが請求項3に記載のXと同様に定義される基である、請求項1に記載のシルセスキオキサン誘導体。
    但し、置換または非置換のフェニルアルケニルのフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲンまたは炭素数1〜12のアルキルで置き換えられてもよい。そして、この炭素数1〜12のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルケニルのアルケニレンにおいて、その炭素数は1〜12であり、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
  8. 式(1)中のRのそれぞれが炭素数1〜8のアルキルの群、置換または非置換のフェニルの群、置換または非置換のフェニルアルキルの群およびナフチルから独立して選択される基であり、式(a)および式(b)のそれぞれにおける少なくとも1つのXが請求項3に記載のXと同様に定義される基である、請求項1に記載のシルセスキオキサン誘導体。
    但し、炭素数1〜8のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲン、メチルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はフッ素、炭素数1〜4のアルキル、エテニルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのアルキレンにおいて、その炭素数は1〜8であり、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
  9. 式(1)中のRのすべてが炭素数1〜8のアルキルの群、置換または非置換のフェニルの群、置換または非置換のフェニルアルキルの群およびナフチルから選択される同一の基であり、式(a)および式(b)のそれぞれにおける少なくとも1つのXが請求項3に記載のXと同様に定義される基である、請求項1に記載のシルセスキオキサン誘導体。
    但し、炭素数1〜8のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲン、メチルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はフッ素、炭素数1〜4のアルキル、エテニルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのアルキレンにおいて、その炭素数は1〜8であり、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
  10. 式(1)中のRのすべてが置換または非置換のフェニルの群、置換または非置換のフェニルアルキルの群およびナフチルから選択される同一の基であり、式(a)および式(b)のそれぞれにおける少なくとも1つのXが請求項3に記載のXと同様に定義される基である、請求項1に記載のシルセスキオキサン誘導体。
    但し、置換または非置換のフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲン、メチルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はフッ素、炭素数1〜4のアルキル、エテニルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのアルキレンにおいて、その炭素数は1〜8であり、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
  11. 式(1)中のRのすべてが非置換のフェニルであり、式(a)および式(b)のそれぞれにおける少なくとも1つのXが請求項3に記載のXと同様に定義される基である、請求項1に記載のシルセスキオキサン誘導体。
  12. 式(1)中のRのそれぞれが水素、炭素数1〜45のアルキルの群、置換または非置換のアリールの群および置換または非置換のアリールアルキルの群から独立して選択される基であり、式(a)および式(b)のそれぞれにおける少なくとも1つのXが官能基または官能基を有する基であって、この官能基が水素、フッ素、塩素、臭素、−OH、−CF 、パーフルオロアルキル、アルコキシ、−COOH、2−オキサプロパン−1,3−ジオイル、ポリアルキレンオキシ、エステル、エポキシ、オキセタン環、−NH 、−CN、−NCO、アルケニル、シクロアルケニル、−SHおよび−PH から選択される1つであり、Xの残りがRと同様に定義される基である、請求項1に記載のシルセスキオキサン誘導体。
    但し、炭素数1〜45のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレン、またはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のアリールアルキル中のアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。
  13. 請求項1に記載の式(1)におけるRのそれぞれが水素および炭素数1〜30のアルキルの群から独立して選択される基である、請求項12に記載のシルセスキオキサン誘導体。
    但し、炭素数1〜30のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−が−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。
  14. 請求項1に記載の式(1)におけるRのそれぞれが炭素数〜20のアルケニルの群および炭素数1〜20のアルキルの任意の−CH−がシクロアルケニレンで置き換えられた基の群から独立して選択される基である、請求項12に記載のシルセスキオキサン誘導体。
    但し、炭素数1〜20のアルケニルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−が−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。炭素数1〜20のアルキルの任意の−CH−がシクロアルケニレンで置き換えられた基において、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよい。
  15. 請求項1に記載の式(1)におけるRのそれぞれが置換または非置換のフェニルの群およびナフチルから独立して選択される基である、請求項12に記載のシルセスキオキサン誘導体。
    但し、置換または非置換のフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲンまたは炭素数1〜10のアルキルで置き換えられてもよい。そして、この炭素数1〜10のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
  16. 請求項1に記載の式(1)におけるRのそれぞれが置換または非置換のフェニルアルキルの群から独立して選択される基である、請求項12に記載のシルセスキオキサン誘導体。
    但し、置換または非置換のフェニルアルキルのフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲンまたは炭素数1〜12のアルキルで置き換えられてもよい。そして、この炭素数1〜12のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのアルキレンにおいて、その炭素数は1〜12であり、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
  17. 請求項1に記載の式(1)中のRのそれぞれが置換または非置換のフェニルアルケニルの群から独立して選択される基である、請求項12に記載のシルセスキオキサン誘導体。
    但し、置換または非置換のフェニルアルケニルのフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲンまたは炭素数1〜12のアルキルで置き換えられてもよい。そして、この炭素数1〜12のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルケニルのアルケニレンにおいて、その炭素数は〜12であり、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
  18. 請求項1に記載の式(1)中のRのそれぞれが炭素数1〜8のアルキルの群、置換または非置換のフェニルの群、置換または非置換のフェニルアルキルの群およびナフチルから独立して選択される基である、請求項12に記載のシルセスキオキサン誘導体。
    但し、炭素数1〜8のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲン、メチルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はフッ素、炭素数1〜4のアルキル、エテニルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのアルキレンにおいて、その炭素数は1〜8であり、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
  19. 請求項1に記載の式(1)中のRのすべてが炭素数1〜8のアルキルの群、置換または非置換のフェニルの群、置換または非置換のフェニルアルキルの群およびナフチルから選択される同一の基である、請求項12に記載のシルセスキオキサン誘導体。
    但し、炭素数1〜8のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲン、メチルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はフッ素、炭素数1〜4のアルキル、エテニルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのアルキレンにおいて、その炭素数は1〜8であり、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
  20. 請求項1に記載の式(1)中のRのすべてが置換または非置換のフェニルの群、置換または非置換のフェニルアルキルの群およびナフチルから選択される同一の基である、請求項12に記載のシルセスキオキサン誘導体。
    但し、置換または非置換のフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲン、メチルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのフェニルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はフッ素、炭素数1〜4のアルキル、エテニルまたはメトキシで置き換えられてもよい。置換または非置換のフェニルアルキルのアルキレンにおいて、その炭素数は1〜8であり、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてよい。フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
  21. 請求項1に記載の式(1)におけるRのすべてが非置換のフェニルである、請求項12に記載のシルセスキオキサン誘導体。
  22. 請求項1に記載の式(a)および式(b)のそれぞれにおいて、少なくとも一つのXが重合性を有する基である、請求項1〜21のいずれか1項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
  23. 重合性を有する基が重合性の二重結合、エポキシまたはオキセタン環を有する基である、請求項22に記載のシルセスキオキサン誘導体。
  24. 請求項1に記載の式(a)および式(b)のそれぞれにおいて、少なくとも一つのXが2−オキサプロパン−1,3−ジオイルを有する基である、請求項12〜21のいずれか1項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
  25. 請求項1に記載の式(a)および式(b)のそれぞれにおいて、少なくとも一つのXがハロゲン化アルキルである、請求項1〜21のいずれか1項に記載のシルセスキオキサン誘導体。
  26. 請求項22に記載のシルセスキオキサン誘導体を用いて得られる重合体。
  27. 請求項23に記載のシルセスキオキサン誘導体を用いて得られる重合体。
  28. 請求項24に記載のシルセスキオキサン誘導体を用いて得られる重合体。
  29. 式(2)で示されるシルセスキオキサン誘導体に少なくとも2つの塩素を有するケイ素化合物を反応させることを特徴とする、請求項1に記載のシルセスキオキサン誘導体の製造方法。
    Figure 0004379120
    式(2)において、Rは請求項1に記載の式(1)におけるRと同一であり、Mは1価のアルカリ金属原子である。
  30. 少なくとも2つの塩素を有するケイ素化合物が式(3)で示される化合物である、請求項29に記載の製造方法。
    Figure 0004379120
    式(3)において、nは0または1、Zは−O−、−CH−または単結合であり、Xのそれぞれは水素、ハロゲン、炭素数1〜45のアルキルの群、置換または非置換のアリールの群および置換または非置換のアリールアルキルの群から独立して選択される基である。
    但し、炭素数1〜45のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレン、またはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい。置換または非置換のアリールアルキル中のアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。
  31. 少なくとも2つの塩素を有するケイ素化合物が、式(4)で示される化合物である、請求項29に記載の製造方法。
    Figure 0004379120
    式(4)におけるXは、請求項30に記載の式(3)におけるXと同様に定義される。
  32. 少なくとも2つの塩素を有するケイ素化合物が、式(5)で示される化合物である、請求項29に記載の製造方法。
    Figure 0004379120
    式(5)におけるZおよびXは、請求項30に記載の式(3)におけるZおよびXと、それぞれ同様に定義される。
  33. 式(2)で示されるシルセスキオキサン誘導体。
    Figure 0004379120
    式(2)において、Rは請求項1に記載の式(1)におけるRと同一であり、Mは1価のアルカリ金属原子である。
  34. Rが請求項2〜11のいずれか1項に記載のRと同様に定義される基である、請求項33に記載のシルセスキオキサン誘導体。
  35. 式(6)で示されるケイ素化合物を用いることを特徴とする、請求項33に記載のシルセスキオキサン誘導体の製造方法。
    Figure 0004379120
    式(6)において、Rは請求項33に記載の式(2)におけるRと同一であり、Aは加水分解性の基である。
  36. 1価のアルカリ金属水酸化物および水を用いて式(6)で示されるケイ素化合物を加水分解し、縮合させることを特徴とする、請求項35に記載の製造方法。
  37. 1価のアルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムであり、これと水に加えてアルコール類を存在させることを特徴とする、請求項36に記載の製造方法。
  38. 請求項35に記載の式(6)中のAが塩素または炭素数1〜4のアルキルオキシである、請求項35〜37のいずれか1項に記載の製造方法。
  39. 式(6)におけるRが、請求項2〜11のいずれか1項に記載のRと同様に定義される基である、請求項35に記載の製造方法。
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