JP4236935B2 - フッ素含有環状オレフィンポリマー、その環状オレフィン系単量体、ポリマーの製造方法およびその用途 - Google Patents

フッ素含有環状オレフィンポリマー、その環状オレフィン系単量体、ポリマーの製造方法およびその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ素含有環状オレフィンポリマー、その環状オレフィン系単量体、ポリマーの製造方法およびその用途に関する。さらに詳しくは、耐熱性、耐光性、光透過性に優れ、真空紫外線を用いた半導体微細加工用材料に好適に用いられるフッ素含有環状オレフィンポリマー、このポリマーの製造用モノマー等として用いられる環状オレフィン系単量体、このポリマーの製造方法に関し、また光学部品、薄膜、被覆材、ペリクル、フォトレジスト組成物、該フォトレジスト組成物を利用するリソグラフィによるパターン形成方法等の上記フッ素含有環状オレフィンポリマーの用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路は集積化が進み大規模集積回路(LSI)や超大規模集積回路(VLSI)が実用化されており、また、これとともに、集積回路の最少パターンはサブミクロン領域におよび、リソグラフィ技術は、今後さらに微細化する傾向にある。微細パターンの形成には、薄膜を形成した被処理基板上をレジストで被覆し、レジストで被覆された基板上に塵等の異物が付着しないようにペリクルを防塵膜として基板上部に備えて、露光を行って所望パターンの潜像を形成した後に、現像してレジストパターンを作り、これをマスクとしてドライエッチングを行い、その後にレジストを除去することにより所望のパターンを得るリソグラフィ技術の使用が必須である。
【0003】
このリソグラフィ技術において使用される露光光源としてg線(波長436nm)、i線(波長365nm)の紫外線光が使用されているが、パターンの微細化に伴い、より波長の短い遠紫外線光、真空紫外線光、電子線(EB)、X線などが光源として使用されるようになってきている。特に最近では、レーザー(波長248nmのKrFエキシマレーザー、波長193nmのArFエキシマレーザー、波長157nmのF2レーザー)が露光光源として注目されており、微細パターンの形成に有効であると期待されている。
【0004】
このような波長の短い紫外線領域、特に157nmのF2レーザー光のような真空紫外(VUV)領域では光を透過するポリマーがなく、材料選定が困難であった。
【0005】
ところでBloomsteinらは、真空紫外領域の光を用いる分野において無機光学材料としてはMgF2およびCaF2が有望な光学材料であると報告している(J.Vac.Sci.Technol.B15,2112,1997)。また、同報告の中で有機高分子材料としてはテフロン(登録商標)がPMMA、PVC、PAAと比較して透過率が良好であり、厚み0.1μmのフィルムで約83%の透過率を示す事を報告している。さらに、シロキサン系のポリマーも高い透過率ではないが、メチルシロキサンは厚み0.1μmのフィルムで約70%の透過率を示すことが報告されている。
【0006】
一方、レジスト材料としては、ビストリフルオロメチルカルビノールを官能基とするノルボルネンとサルフォンのビシクロ構造のコポリマー(ACS Symp.Ser.706,208,1998)、
テトラフルオロエチレンのようなフッ素を含有するエチレン性不飽和化合物モノマーとノルボルネンのような多環状のエチレン性不飽和化合物モノマーとのコポリマー(WO00/17712)、シリコンウエハーとの密着性を向上させるためにビストリフルオロアルキルカルビノール−C(Rf)(Rf')OH(ここで、Rf、Rf’は同じかまたは異なるフルオロアルキル基)の官能基を導入したエチレン性二重結合を有する化合物から得られるフッ素化ポリマー、またはそれとTFEとのコポリマーが(WO00/67072)例示される。
【0007】
しかしながら、OH基はシリコン基盤との密着性を改善する傾向があるが、一方、フッ素原子の近くに存在するOH基は、酸性度が上がり、これによって酸分解によって生成するカルボン酸残基と反応しゲル化を起こす問題がある。
【0008】
また、リソグラフィに用いられるペリクル等の防塵膜は、アルミニウム製などのペリクル枠の一側面にニトロセルロース等の樹脂からなる透明の膜を張設してなるものであり、他側面に粘着剤を塗布する等してマスク上に取り付けられるようになっている。これによれば、外部から回路パターン面への異物の侵入を防ぐことができ、また仮にペリクル膜上に異物が付着するようなことがあっても、露光時には異物の結像が焦点から外れた状態になり、転写されないため問題は生じにくい。
【0009】
上述したように集積回路の最少パターンの微細化に伴う露光光源の短波長化が進められており、これに伴い短波長露光光エネルギーに耐える薄膜の材質の開発が進められている。例えばKrFエキシマレーザーを露光光源として用いる場合には、遠紫外域で比較的吸収の小さい含フッ素ポリマー、例えば市販の含フッ素樹脂サイトップ(CYTOP、商品名:旭硝子社製)や含フッ素樹脂テフロン(登録商標)AF(商品名:米国デュポン社製)等がペリクル膜として使われている(特開平3−39963公報、特開平4−104155公報など)。
【0010】
また、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンなどのフッ素を含有するエチレン性不飽和化合物から合成されるフッ素含有ポリマーの結晶性による光散乱性によって生じる光透過性の問題を解決するために提案されているパーフルオロ2官能性不飽和化合物モノマーのラジカル環化重合、パーフルオロ環状モノマーのラジカル重合によるパーフルオロ脂肪族環状ポリマー(特開昭63−238111号、特開平1−131214号、特開平1−131215号、特開平3−67262号)は、193nmの紫外線に対しては十分な透過性を示す。さらに、4フッ化エチレンと6フッ化プロピレンのコポリマーやシロキサン結合を有するポリマーの薄膜(WO98/36324)が140〜200nmの波長の紫外線を露光光源として用いた場合にペリクル膜として使用することが報告されている。
【0011】
しかしながら、157nmの真空紫外線に対するこれらのパーフルオロ脂肪族環状ポリマーの透過率は比較的良いが、環化重合によって合成するためにモノマーに含まれるフッ素量を多くしなければならず、それによって生ずる溌水性によって基材に対する密着性が悪化する。また、パーフルオロ脂肪族環状ポリマーのフッ素の一部が水素または有機基で置換された二重結合を有する開環メタセシス重合で得られるポリマーは、157nmの真空紫外線に対しては光の透過率は二重結合の光吸収によって悪化し、吸収係数は非常に大きくなる。さらに、157nmでの光の吸収帯が存在することによってその環境下での光分解(光劣化)等の耐候性が悪化し、ポリマーとして使用に耐えないものであった。このため耐候性、密着性の両特性が優れ、157nmの真空紫外領域で光の吸収係数が極めて低いポリマーのさらなる開発が求められている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記問題点を解決するため、優れた光透過性、光学特性、電気特性、耐熱性、基板密着性および耐光性を有し、光学材料、薄膜、レンズ等に用いる光学系被覆材、レジスト材料のベースポリマーとして用いることができるフッ素系ポリマーについて鋭意検討したところ、新規なフッ素含有ポリマーがこれら光学材料、薄膜、レンズ等に用いる光学系被覆材、レジスト材料として要求される諸性能を満足することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は、光学材料、薄膜、レンズ等に用いる光学系被覆剤、レジスト材料に用いられ、193nm以下の真空紫外領域の光、特に157nmの真空紫外線領域での透過性、光学特性、電気特性、耐熱性、基板密着性および耐光性を満足する新規なフッ素含有ポリマーを提供すること、そのようなポリマーの製造に好適に用いられるモノマーおよびそのポリマーの製造方法を提供すること、さらにそのポリマーの用途を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーは、下記式(1)で表される繰返し単位構造を少なくとも有し、かつ、157nmの紫外線に対する吸収係数が3.0μm-1以下であることを特徴としている。
【0015】
【化4】
Figure 0004236935
【0016】
(式(1)中、R1〜R12およびX1のうち少なくとも1つは、下記フッ素またはフッ素を含有する基であって、かつ
1〜R12は、フッ素またはフッ素を含有する炭素数1〜20のアルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のアリール、フッ素を含有する炭素数1〜20のケイ素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のアルコキシ、フッ素を含有する炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、フッ素を含有する炭素数2〜20のアルキルカルボニル、フッ素を含有する炭素数3〜20のエステル基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20の塩素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20の臭素含有アルキルおよびフッ素を含有する炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルから選ばれるフッ素を含有する基であり、
1は、−CRab−、−NRa−または−PRa−(但し、−CRab−はRaおよびRbのうち少なくとも1つ、−NRa−および−PRa−はRaが、フッ素、フッ素を含有する炭素数1〜20のアルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のケイ素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のアルコキシ、フッ素を含有する炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、フッ素を含有する炭素数2〜20のアルキルカルボニル、フッ素を含有する炭素数3〜20のエステル基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20の塩素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20の臭素含有アルキルおよびフッ素を含有する炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルから選ばれる。)から選ばれるフッ素を含有する基であり、
上記式(1)において、フッ素またはフッ素を含有する基であるR1〜R12以外のR1〜R12が、水素、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のケイ素含有アルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、カルボニル、炭素数2〜20のアルキルカルボニル、シアノ、炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル、炭素数3〜20のエステル基含有アルキル、炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル、ヒドロキシカルボニル、炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル、ヒドロキシ、炭素数1〜20のヒドロキシ基含有アルキル、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜20の塩素含有アルキル、炭素数1〜20の臭素含有アルキルおよび炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルから選ばれる基であり、
1がフッ素を含有する基であるとき以外のRaおよびRbが、水素、または炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のケイ素含有アルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、カルボニル、炭素数2〜20のアルキルカルボニル、シアノ、炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル、炭素数3〜20のエステル基含有アルキル、炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル、ヒドロキシカルボニル、炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル、ヒドロキシ、炭素数1〜20のヒドロキシ基含有アルキル、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜20の塩素含有アルキル、炭素数1〜20の臭素含有アルキルおよび炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルから選ばれる基であり、また、X1は、−O−または−S−から選ばれてもよく、
式(1)中、R1、R2、R11およびR12のうち少なくとも2つが、互いに結合して環構造を形成していてもよく、
nは、0または1〜3の整数を示す。)。
【0017】
本発明に係る上記フッ素含有環状オレフィンポリマーの環状オレフィン系単量体は、下記式(2)または下記式(3)で表されることを特徴としている;
【0018】
【化5】
Figure 0004236935
【0019】
【化6】
Figure 0004236935
【0020】
(式(2)において、R1〜R12およびX1のうち少なくとも1つ、式(3)において、R1〜R10およびX1のうち少なくとも1つは、フッ素またはフッ素を含有する基であって、かつ
式(2)中のR1〜R12および式(3)中のR1〜R10は、フッ素またはフッ素を含有する炭素数1〜20のアルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のアリール、フッ素を含有する炭素数1〜20のケイ素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のアルコキシ、フッ素を含有する炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、フッ素を含有する炭素数2〜20のアルキルカルボニル、フッ素を含有する炭素数3〜20のエステル基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20の塩素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20の臭素含有アルキルおよびフッ素を含有する炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルから選ばれるフッ素を含有する基であり、
式(2)および式(3)中X1は、−CRab−、−NRa−または−PRa−(但し、−CRab−はRaおよびRbのうち少なくとも1つ、−NRa−および−PRa−はRaが、フッ素、フッ素を含有する炭素数1〜20のアルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のケイ素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のアルコキシ、フッ素を含有する炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、フッ素を含有する炭素数2〜20のアルキルカルボニル、フッ素を含有する炭素数3〜20のエステル基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20の塩素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20の臭素含有アルキルおよびフッ素を含有する炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルから選ばれる。)から選ばれるフッ素を含有する基であり、
式(2)においてフッ素またはフッ素を含有する基であるR1〜R12以外のR1〜R12および式(3)においてフッ素またはフッ素を含有する基であるR1〜R10以外のR1〜R10は、水素または炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のケイ素含有アルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、カルボニル、炭素数2〜20のアルキルカルボニル、シアノ、炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル、炭素数3〜20のエステル基含有アルキル、炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル、ヒドロキシカルボニル、炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル、ヒドロキシ、炭素数1〜20のヒドロキシ基含有アルキル、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜20の塩素含有アルキル、炭素数1〜20の臭素含有アルキルおよび炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルから選ばれる基であり、
式(2)および(3)においてX1がフッ素を含有する基であるとき以外のRaおよびRbは、水素、または炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のケイ素含有アルキル、
炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、カルボニル、炭素数2〜20のアルキルカルボニル、シアノ、炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル、炭素数3〜20のエステル基含有アルキル、炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル、ヒドロキシカルボニル、炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル、ヒドロキシ、炭素数1〜20のヒドロキシ基含有アルキル、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜20の塩素含有アルキル、炭素数1〜20の臭素含有アルキルおよび炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルから選ばれる基であり、また、X1は、−O−または−S−から選ばれてもよく、
また、式(2)中、R1、R2、R11およびR12が互いに結合して環構造を形成していてもよく、式(3)中、R1およびR2が互いに結合して環構造を形成していてもよく、
nは、0または1〜3の整数を示す。)。
【0021】
本発明に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーの製造方法は、上記式(2)または式(3)で表される少なくとも1種類の環状オレフィン系単量体を開環メタセシス重合し、得られた開環メタセシス重合体を水素添加、フッ化水素添加およびフッ素添加の少なくともいずれか1つをすることを特徴としている。
【0022】
本発明に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーは、上記式(1)で表される繰返し単位構造が、単位構造の両末端にメチルを結合させた分子モデルと、そのフッ素を水素で置換した同じ炭素骨格の分子モデルとの間のHOMO分子軌道エネルギー差が0.2eV〜1.5eVの繰返し単位構造であることを特徴としている。
【0023】
上記環状オレフィン系単量体は、式(2)中のR1〜R12に含まれる全フッ素原子数の総和および式(3)中のR1〜R10に含まれる全フッ素原子数の総和が、3以上であることを特徴としている。
【0024】
本発明に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーは、上記式(2)または式(3)で表され、R1〜R12、R1〜R10、X1およびnの少なくとも1つが互いに異なる2種類以上の環状オレフィン系単量体を原料モノマーとして得られたものであることが好ましく、上記式(2)または式(3)において、X1が、−CRab−である少なくとも1種類の環状オレフィン系単量体と、X1が、−O−である少なくとも1種類の環状オレフィン系単量体とを原料モノマーとして得られたものであることも好ましく、上記式(2)または式(3)で表される環状オレフィン系単量体と、フッ素含有モノシクロオレフィンとを原料モノマーとして得られたものであることを特徴としている。
【0025】
本発明に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、500〜1,000,000の範囲にあることを特徴としている。
【0026】
本発明に係る光学部品、薄膜および被覆剤は、上記フッ素含有環状オレフィンポリマーからなることを特徴としている。本発明に係るペリクルは、上記フッ素含有環状オレフィンポリマーからなる薄膜を用いたことを特徴としている。また、本発明に係るフォトレジスト組成物は、上記フッ素含有環状オレフィンポリマーを含有することを特徴としている。
【0027】
本発明に係るリソグラフィによるパターン形成方法は、上記光学部品、薄膜、被覆剤、ペリクルおよびフォトレジスト組成物のいずれかを利用することを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るフッ素含有環状オレフィンポリマー、その環状オレフィン系単量体、ポリマーの製造方法およびその用途について具体的に説明する。
【0029】
(フッ素含有環状オレフィンポリマー)
本発明に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーは、ポリマーの繰返し単位において少なくとも下記式(1)で表される単位構造を有する。
【0030】
【化7】
Figure 0004236935
【0031】
式(1)中、R1〜R12およびX1のうち少なくとも1つは、フッ素またはフッ素を含有する基である。
1〜R12のうち少なくとも1つが、フッ素またはフッ素を含有する基である場合、R1〜R12は、例えば、
フッ素または
フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロプロピル基、ヘキサフルオロ−2−メチルイソプロピル基、ナノフルオロブチル基、パーフルオロシクロペンチル基等のフッ素を含有する炭素数1〜20のアルキル;
ペンタフルオロフェニル基、ヘプタフルオロナフチル基等のフッ素を含有する炭素数1〜20のアリール;
トリフルオロプロピルジメチルシリル基、トリス(トリフルオロメチル)シリル基、パーフルオロオクチルジ(トリフルオロメチル)シリル基等のフッ素を含有する炭素数1〜20のケイ素含有アルキル;
トリフルオロメトキシ基、トリフルオロエトキシ基、ペンタフルオロプロポキシ基、ペンタフルオロブトキシ基、ヘキサフルオロ−2−メチルイソプロポキシ基、ヘプタフルオロブトキシ基、パーフルオロシクロペントキシ基、テトラフルオロピラン−2−イルオキシ基、パーフルオロフラン−2−イルオキシ基等のフッ素を含有する炭素数1〜20のアルコキシ;
トリフルオロメトキシメチル基、トリフルオロエトキシメチル基、ペンタフルオロプロポキシメチル基、ペンタフルオロブトキシメチル基、ヘキサフルオロ−2−メチルイソプロポキシメチル基、ヘプタフルオロブトキシメチル基、2,2−ジ(トリフルオロメチル)ジオキソランメチル基、テトラフルオロピラン−2−イルオキシメチル基、パーフルオロフラン−2−イルオキシメチル基等のフッ素を含有する炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル;
トリフルオロメトキシカルボニル基、トリフルオロエトキシカルボニル基、ペンタフルオロプロポキシカルボニル基、ペンタフルオロブトキシカルボニル基、ヘキサフルオロ−2−メチルイソプロポキシカルボニル基、ヘプタフルオロブトキシカルボニル基、パーフルオロシクロペントキシカルボニル基、テトラフルオロピラン−2−イルオキシカルボニル基、パーフルオロフラン−2−イルオキシカルボニル基等のフッ素を含有する炭素数2〜20のアルコキシカルボニル;
トリフルオロメチルカルボニル基、トリフルオロエチルカルボニル基、ペンタフルオロプロピルカルボニル基、ペンタフルオロブチルカルボニル基、ヘキサフルオロ−2−メチルイソプロピルカルボニル基、ヘプタフルオロブチルカルボニル基、パーフルオロシクロペンチルカルボニル基、テトラフルオロピラン−2−イルカルボニル基、パーフルオロフラン−2−イルカルボニル基等のフッ素を含有する炭素数2〜20のアルキルカルボニル;
カルボトリフルオロメトキシメチル基、カルボトリフルオロエトキシメチル基、カルボペンタフルオロプロポキシメチル基、カルボペンタフルオロブトキシメチル基、カルボ(ヘキサフルオロ−2−メチルイソプロポキシ)メチル基、カルボヘプタフルオロブトキシメチル基、カルボパーフルオロシクロペントキシメチル基、カルボテトラフルオロピラン−2−イルオキシメチル基またはカルボパーフルオロフラン−2−イルオキシメチル基等のフッ素を含有する炭素数3〜20のエステル基含有アルキル;
カルボキシトリフルオロメチル基、カルボキシテトラフルオロエチル基、カルボキシヘキサフルオロイソプロピル基、カルボキシヘキサフルオロ−2−メチルイソプロピル基、カルボキシパーフルオロシクロペンチル基等のフッ素を含有する炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル;
1−シアノテトラフルオロエチル基、1−シアノヘキサフルオロプロピル基等のフッ素を含有する炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル;
ブロモトリフルオロエチル基、ブロモテトラフルオロエチル基、2−ブロモ−テトラフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ−2−ブロモメチルイソプロピル基等のフッ素を含有する炭素数1〜20の塩素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20の臭素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルなどのフッ素を含有する基から選ばれる。
【0032】
1のうち少なくとも1つが、フッ素を含有する基である場合、X1は、−CRab−、−NRa−、−PRa−などのフッ素を含有する基から選ばれる。
但し、−CRab−はRaおよびRbのうち少なくとも1つ、−NRa−および−PRa−はRaが、フッ素、またはフッ素を含有する炭素数1〜20のアルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のケイ素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のアルコキシ、フッ素を含有する炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、フッ素を含有する炭素数2〜20のアルキルカルボニル、フッ素を含有する炭素数3〜20のエステル基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20の塩素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20の臭素含有アルキルまたはフッ素を含有する炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルから選ばれ、これらの具体例としては、上記R1〜R12と同様のフッ素を含有する基が挙げられる。
【0033】
式(1)において、R1〜R12のうち2つ以上がフッ素またはフッ素を含有する基である場合には、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、X1のうち2つ以上がフッ素を含有する基である場合には、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
【0034】
また、上記式(1)において、フッ素またはフッ素を含有する基であるR1〜R12以外のR1〜R12は、例えば、
水素、塩素、臭素、ヨウ素または
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、メンチル基等の炭素数1〜20のアルキル;
トリメチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、ジメチルシクロペンチルシリル基等の炭素数1〜20のケイ素含有アルキル;
メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、メトキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニル基、テトラヒドロフラン−2−イルオキシカルボニル基、1−エトキシエトキシカルボニル基、1−ブトキシエトキシカルボニル基等の炭素数2〜20のアルコキシカルボニル;
カルボニル基;
メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、tert−ブチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、テトラヒドロピラン−2−イルカルボニル基、テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル基等の炭素数2〜20のアルキルカルボニル;
シアノ基;
シアノメチル基、シアノエチル基、シアノプロピル基、シアノブチル基、シアノヘキシル基等の炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル;
カルボメトキシメチル基、カルボエトキシメチル基、カルボプロポキシメチル基、カルボブトキシメチル基、カルボ(2−メチルイソプロポキシ)メチル基、カルボブトキシメチル基、カルボシクロペントキシメチル基、カルボ(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)メチル基またはカルボ(テトラヒドロフラン−2−イルオキシ)メチル基等の炭素数3〜20のエステル基含有アルキル;
メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、2−メチルイソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、2,2−ジメチルジオキソランメチル基、テトラヒドロピラン−2−イルオキシメチル基、テトラヒドロフラン−2−イルオキシメチル基等の炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル;
ヒドロキシカルボニル;
カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基等の炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル;
ヒドロキシ;
ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシヘキシル基、メントール基、グルコース基等の糖類を含む炭素数1〜20のヒドロキシ基含有アルキル;
クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、ジヨードメチル基、トリクロロメチル、トリブロモメチル、トリヨードメチル基等の、炭素数1〜20の塩素含有アルキル、炭素数1〜20の臭素含有アルキル、炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルなどのフッ素を含有しない基から選ばれる。
【0035】
1がフッ素を含有する基である場合以外のRa、Rbは、例えば水素、塩素、臭素、ヨウ素、または炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のケイ素含有アルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、カルボニル、炭素数2〜20のアルキルカルボニル、シアノ、炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル、炭素数3〜20のエステル基含有アルキル、炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル、ヒドロキシカルボニル、炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル、ヒドロキシ、炭素数1〜20のヒドロキシ基含有アルキル、炭素数1〜20の塩素含有アルキル、炭素数1〜20の臭素含有アルキル、炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルから選ばれ、これらの具体例としては、上記R1〜R12と同様のフッ素を含有しない基が挙げられる。またX1は−O−または−S−でもよい。
【0036】
1がフッ素を含有する基である場合以外のときは、X1は−O−または−CH2−であることが好ましい。
1〜R12およびX1のうち、フッ素またはフッ素を含有する基以外の基が2つ以上ある場合は、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
【0037】
1、R2、R11およびR12のうち少なくとも2つが、互いに結合して環構造を形成していてもよい。
nは、0または1〜3の整数を示し、好ましくは0または1である。
【0038】
本発明に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーは、上記式(1)で表される繰返し単位構造のみから形成されていてもよく、上記式(1)で表される繰返し単位構造以外の繰返し単位構造を含んでいてもよい。
【0039】
本発明に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーは、上記式(1)で表される繰返し単位構造中のR1〜R12に含まれる全フッ素原子数の総和が3以上であることが好ましい。
【0040】
全フッ素原子数の総和が、1または2であるとフッ素の誘起効果による紫外線吸収波長の短波長シフトが十分でなく、したがって、157nmに対する光透過性が改善されず、その吸収係数が3μm-1より大きくなることがある。この全フッ素原子数の総和は、好ましくは、3〜30の範囲である。
【0041】
上記式(1)で表される繰返し単位構造以外の繰返し単位構造としては、後述する式(2)または式(3)で表される少なくとも1種類の環状オレフィンを開環メタセシス重合する際に、式(2)または式(3)で表される環状オレフィンと共に用いられるフッ素を含有またはフッ素を含有しない環状オレフィンから導かれる繰返し単位構造が挙げられる。
【0042】
本発明に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーは、上記式(1)で表される単位構造1種のみからなるものであることも好ましく、上記式(1)においてR1〜R12、X1およびnの少なくとも1つが互いに異なる2種類以上の単位構造からなるものであることも好ましく、上記式(1)においてX1が、−CRab−である少なくとも1種類の単位構造と、上記式(1)においてX1が、−O−である少なくとも1種類の単位構造とからなるものであることも好ましく、上記式(1)で表される単位構造と、フッ素含有モノシクロオレフィンから導かれる単位構造とからなることも好ましい。
【0043】
上記式(1)においてR1〜R12、X1およびnの少なくとも1つが互いに異なる2種類以上の単位構造からなるフッ素含有環状オレフィンポリマー、上記式(1)においてX1が、−CRab−である少なくとも1種類の単位構造と、上記式(1)においてX1が、
−O−である少なくとも1種類の単位構造とからなるフッ素含有環状オレフィンポリマーは、ペリクル膜のような薄膜をアルミニウム製の枠に接着または圧着する場合、金属枠への接着性に優れ、また、フォトレジストのように、シリコンウエハー上に塗布し、露光するような場合、ウエハーに対する密着性に優れる。また、フォトレジストとしての解像性やアルカリ現像液に対する溶解性(現像性)も、上記単位構造の割合を変更することにより任意に設定することができ、レジスト性能を適宜選択することができる。特に、接着性、密着性、現像性を向上するためにはX1が−O−であることが好ましい。
【0044】
このような上記式(1)で表される繰返し単位構造以外の繰返し単位構造は、フッ素含有環状オレフィンポリマー中に、90モル%以下、好ましくは30モル%以下の量で含有されていてもよい。
【0045】
本発明に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、500〜1,000,000、好ましくは3000〜500,000の範囲にある。また、その分子量分布Mw/Mnは、好ましくは、1.0〜3.0である。
【0046】
この重量平均分子量Mwが500以下であると、ポリマーとしての物性が発現せず、耐光性も悪くなることがあり、1,000,000以上であると、流動性の低下による薄膜、被覆材およびレジスト材としての膜成形性またはスピンコート膜塗布性に悪影響を及ぼすことがある。同様に、分子量分布Mw/Mnが3.0以上であると、ペリクル膜等の薄膜、被覆材およびフォトレジスト材としての膜成形性またはスピンコート膜塗布性に悪影響を及ぼすことがある。
【0047】
本発明に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーは、上記式(1)で表される繰返し単位構造が、単位構造の両末端にメチルを結合させた分子モデルとそのフッ素を水素で置換した同じ炭素骨格の分子モデルとの間のHOMO分子軌道エネルギー差が0.2eV〜1.5eVの繰返し単位構造であることが好ましい。
【0048】
ここで、HOMOとは最高被占分子軌道(Highest Occupied Molecular Orbital)であり、HOMOエネルギー差とは、例えば、上記式(1)においてR2がCF3、X1がCH2、その他が水素であり、かつ、nが0である開環メタセシス重合体の水素添加ポリマーの繰返し構造単位の両末端をメチルでキャッピングした分子モデル(化学式(1’))とそのフッ素を水素で置換した分子モデル(化学式(1''))のHOMOエネルギーを半経験的分子軌道法(PM3法)で計算したエネルギー値の差である。
【0049】
【化8】
Figure 0004236935
【0050】
(化学式(1)においてR2がCF3、X1がCH2、その他が水素であり、かつ、nが0である開環メタセシス重合体の水素添加ポリマーの繰返し構造単位の両末端をメチルでキャッピングした分子モデル。)
【0051】
【化9】
Figure 0004236935
【0052】
(化学式(1)においてR2がCF3、X1がCH2、その他が水素であり、かつ、nが0である開環メタセシス重合体の水素添加ポリマーの繰返し構造単位の両末端をメチルでキャッピングし、フッ素を水素に置換した分子モデル。)
このHOMOエネルギー差は0.2eV〜1.5eVの範囲であるとき、該フッ素含有ポリマーは、157nmの真空紫外線に対してその吸収係数が3.0μm-1以下となり、構造単位分子モデルのHOMOエネルギー差は、吸収係数の大きさの程度をよく表現することができる。
【0053】
本発明に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーは、この吸収係数が、真空紫外線の157nmの波長に対して3.0μm-1以下である。この波長での吸収係数が、3.0μm-1を越えると光の吸収エネルギーによって、ポリマーは劣化し、レジストの耐光性悪化やペリクル膜等に使用したときに光エネルギー損失が著しくなり、半導体製造に支障を来すことがある。また、光エネルギー吸収によって損失した光エネルギーは、半導体などの製造で超微細なパターンの形成できる光量に到達出来なくなり、真空紫外線によるリソグラフィ加工に適用できない問題が生じることがある。
【0054】
本発明において吸収係数とは、下式の10基準の対数関係式で表される。
吸収係数(μm-1)=Log10[T0/Ts]/ts …(式1)
式1で、吸収係数の単位は、フィルムまたはCaF2基板にスピンコートした膜の厚みμmの逆数で表され、T0は、ブランクの透過率であり、試料がフィルムの場合は測定雰囲気透過率であり、またはCaF2基板上に塗布した試料の場合は、その未塗布基板の透過率であり、塗布前に測定した透過率ある。Tsは、試料フィルムまたはCaF2基板上に塗布した試料の透過率である。これらの透過率は、真空紫外スペクトル分光器によって測定できる。また、tsは、試料フィルムまたはCaF2基板上に塗布した試料の厚みであり、μmの単位で表される。
【0055】
本発明に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーは、可視光領域から真空紫外線光領域の広範囲にわたって光透過性に優れ、光の屈性率が低い。可視光領域での屈折率は1.50以下を示す。
【0056】
また可視光領域での光透過率は95〜100%を示し、KrFエキシマレーザーまたはArFエキシマレーザーの紫外線領域で光透過率が高く、80〜100%である。
【0057】
さらに、ポリマーの熱的な耐性を示す指標であるガラス転移温度(Tg)は、ポリマーの構造やその分子量に依存するが、100℃以上のTgを有するフッ素含有環状オレフィンポリマーを設計することも可能であり、これらの高いTgのポリマーは、その光学特性と熱特性によって光学部品としての用途展開が可能である。また、環状オレフィンポリマー構造設計に由来して、耐薬品性、耐水性なども付与することも可能である。
【0058】
本発明に係る上記式(1)で表される繰返し単位構造を少なくとも有するフッ素含有環状オレフィンポリマーは、例えば下記式(2)または下記式(3)で表される少なくとも1種類の環状オレフィンを開環メタセシス重合し、水素添加、フッ化水素添加およびフッ素添加の少なくともいずれか1つをすることによって製造される。
【0059】
次に、本発明に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーの合成に好適に用いられる環状オレイン系単量体について説明する。
(環状オレフィン系単量体)
本発明に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーの環状オレフィン系単量体は、下記式(2)または(3)で表される。
【0060】
【化10】
Figure 0004236935
【0061】
【化11】
Figure 0004236935
【0062】
上記式(2)おいてR1〜R12およびX1のうち少なくとも1つ、上記式(3)においてR1〜R10およびX1のうち少なくとも1つは、フッ素またはフッ素を含有する基である。
【0063】
式(2)おいてR1〜R12のうち少なくとも1つ、式(3)においてR1〜R10のうち少なくとも1つが、フッ素またはフッ素を含有する基である場合、R1〜R12およびR1〜R10は、例えば、フッ素または、フッ素を含有する炭素数1〜20のアルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のアリール、フッ素を含有する炭素数1〜20のケイ素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のアルコキシ、フッ素を含有する炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のアルキルカルボニル、炭素数3〜20のエステル基含有アルキル、炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20の塩素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20の臭素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルなどのフッ素を含有する基から選ばれる。これらの具体例としては、上記式(1)におけるR1〜R12が示すフッ素を含有する基と同様の基が挙げられる。
【0064】
式(2)および(3)においてX1のうち少なくとも1つが、フッ素を含有する基である場合、X1は、−CRab−、−NRa−、−PRa−などのフッ素を含有する基から選ばれる。
【0065】
但し、−CRab−はRaおよびRbのうち少なくとも1つ、−NRa−および−PRa−はRaが、フッ素、またはフッ素を含有する炭素数1〜20のアルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のケイ素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のアルコキシ、フッ素を含有する炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、フッ素を含有する炭素数2〜20のアルキルカルボニル、フッ素を含有する炭素数3〜20のエステル基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20の塩素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20の臭素含有アルキルまたはフッ素を含有する炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルから選ばれ、これらの具体例としては、上記式(1)におけるR1〜R12と同様のフッ素を含有する基が挙げられる。
【0066】
式(2)においてR1〜R12のうち2つ以上がフッ素またはフッ素を含有する基である場合には、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、X1のうち2つ以上がフッ素を含有する基である場合には、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。また、式(3)においてR1〜R10のうち2つ以上がフッ素またはフッ素を含有する基である場合には、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、X1のうち2つ以上がフッ素を含有する基である場合には、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
【0067】
また、上記式(2)において、フッ素またはフッ素を含有する基であるR1〜R12以外のR1〜R12および上記式(3)において、フッ素またはフッ素を含有する基であるR1〜R10以外のR1〜R10は、例えば、水素、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のケイ素含有アルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、カルボニル、炭素数2〜20のアルキルカルボニル、シアノ、炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル、炭素数3〜20のエステル基含有アルキル、炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル、ヒドロキシカルボニル、炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル、ヒドロキシ、炭素数1〜20のヒドロキシ基含有アルキル、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜20の塩素含有アルキル、炭素数1〜20の臭素含有アルキル、炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルから選ばれる。これらの具体例としては、上記式(1)におけるR1〜R12と同様のフッ素を含有しない基が挙げられる。
【0068】
式(2)および式(3)において、X1がフッ素を含有する基である場合以外のRa、Rbは、例えば水素、塩素、臭素、ヨウ素、または炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のケイ素含有アルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、カルボニル、炭素数2〜20のアルキルカルボニル、シアノ、炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル、炭素数3〜20のエステル基含有アルキル、炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル、ヒドロキシカルボニル、炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル、ヒドロキシ、炭素数1〜20のヒドロキシ基含有アルキル、炭素数1〜20の塩素含有アルキル、炭素数1〜20の臭素含有アルキル、炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルから選ばれ、これらの具体例としては、上記式(1)におけるR1〜R12と同様のフッ素を含有しない基が挙げられる。
【0069】
またX1は、−O−または−S−から選ばれてもよい。
nは、0または1〜3の整数である。
1がフッ素を含有する基である場合以外のときは、X1は−O−または−CH2−であることが好ましい。
【0070】
式(2)においてR1〜R12のうち、フッ素またはフッ素を含有する基以外の基が2つ以上ある場合は、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、X1のうち、フッ素またはフッ素を含有する基以外の基が2つ以上ある場合は、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。また、式(3)においてR1〜R10のうち、フッ素またはフッ素を含有する基以外の基が2つ以上ある場合は、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、X1のうち、フッ素またはフッ素を含有する基以外の基が2つ以上ある場合は、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
【0071】
また、式(2)中、R1、R2、R11およびR12が互いに結合して環構造を形成していてもよく、式(3)中、R1およびR2が互いに結合して環構造を形成していてもよい。
【0072】
上記式(2)で表される環状オレフィン系単量体の具体例としては、例えば5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−トリフルオロメチル−7−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジフルオロ−5,6−ビストリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジフルオロ−5−トリフルオロメチル−6−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビストリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジフルオロ−5−トリフルオロメチル−6−ヘプタフルオロイソプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6,6,7,7,8,8,9−オクタフルオロトリシクロ[5.2.1.05,9]デカ−2−エン、または5,6−ビス(ナノフルオロブチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンが挙げられ、例えば、次のような構造が挙げられる。
【0073】
【化12】
Figure 0004236935
【0074】
(但し、X=CH2、CF2、C(CF32、OまたはS
R=F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOHまたはCF2CN
*=H、R、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
R、R*はそれぞれ独立)
【0075】
【化13】
Figure 0004236935
【0076】
(但し、X=CH2、CF2、C(CF3)2、O、またはS
R=F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOHまたはCF2CN
R’=R、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
*=HまたはR'
R、R'、R*はそれぞれ独立)
【0077】
【化14】
Figure 0004236935
【0078】
(但し、X=CH2、CF2、C(CF3)2、OまたはS
R=F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOHまたはCF2CN
R’=R、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
*=HまたはR’
R、R'、R*はそれぞれ独立)
【0079】
【化15】
Figure 0004236935
【0080】
(但し、X=CH2、CF2、C(CF3)2、OまたはS
R=F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOHまたはCF2CN
R’=R、またはCH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
R''=R’
*=HまたはR’
R、R’、R''、R* はそれぞれ独立)
【0081】
【化16】
Figure 0004236935
【0082】
(但し、X=CH2、CF2、C(CF3)2、OまたはS
R=F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOHまたはCF2CN
R’=R、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
R''=R’
R'''=R’
*=HまたはR’
R、R’、R''、R'''、R* はそれぞれ独立)
【0083】
【化17】
Figure 0004236935
【0084】
(但し、X=CH2、CF2、C(CF3)2、OまたはS
R=CF2、CFCF、CHCF3、C(CF3)2、(CF2)2、(CF2)3、CHC6F5、Si(CF3)2、CF2OCF2、CFOH、COCF2、CFCOOCF2、CFCOOHまたはCFCN
R’=R、CH2、(CH2)2、(CH2)3、Si(CH3)2、CH2OCH2、CHOH、COOCH2、CHCOOH、CO、CHOCH3、OまたはCHOCOCH3
*=H、F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOH、CF2CN、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
R、R’、R* はそれぞれ独立)
【0085】
【化18】
Figure 0004236935
【0086】
(但し、X=CH2、CF2、C(CF3)2、OまたはS
R=CF2、CFCF、CHCF3、C(CF3)2、(CF2)2、(CF2)3、CHC6F5、Si(CF3)2、CF2OCF2、CFOH、COCF2、CFCOOCF2、CFCOOH、CFCN、CH2、(CH2)2、(CH2)3、Si(CH3)2、CH2OCH2、CHOH、COOCH2、CHCOOH、CO、CHOCH3またはCHOCOCH3
R’=R
R''=F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOH、CF2CN、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
R'''=R''
*=Hまたは R''
R、R’、R''、R'''、R* はそれぞれ独立)
【0087】
【化19】
Figure 0004236935
【0088】
(但し、X=CH2、CF2、C(CF3)2、OまたはS
R=(CF2)2、(CF2)3、(CF2)4、(CF2)5または(CF2)6
R’=RまたはCH2、(CH2)2、(CH2)3、(CH2)4、(CH2)5、(CH2)6
*=HまたはR’
R、R’、R* はそれぞれ独立)
【0089】
【化20】
Figure 0004236935
【0090】
(但し、X=CH2、CF2、C(CF3)2、OまたはS
Y=O、CO、NCF3、NCH3またはNC6F5
R=CF2、CFCF、CHCF3、C(CF3)2、(CF2)2、(CF2)3、CHC6F5、Si(CF3)2、CF2OCF2、CFOH、COCF2、CFCOOCF2、CFCOOHまたはCFCN
R’=R、CH2、(CH2)2、(CH2)3、Si(CH3)2、CH2OCH2、CHOH、COOCH2、CHCOOH、CO、CHOCH3、OまたはCHOCOCH3
*=H、F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOH、CF2CN、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
R、R’、R*はそれぞれ独立)
【0091】
【化21】
Figure 0004236935
【0092】
(但し、X=CH2、CF2、C(CF3)2、OまたはS
R=F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOHまたはCF2CN
R’=R、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
*=HまたはR’
R、R’、R*はそれぞれ独立)
【0093】
【化22】
Figure 0004236935
【0094】
(但し、X=CH2、CF2、C(CF3)2、OまたはS
R=F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOHまたはCF2CN
R’=R、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
*=HまたはR’
R、R’、R*はそれぞれ独立)
【0095】
【化23】
Figure 0004236935
【0096】
(但し、X=CH2、CF2、C(CF3)2、OまたはS
R=F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOHまたはCF2CN
R’=R、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
*=HまたはR’
R、R’、R* はそれぞれ独立)
【0097】
【化24】
Figure 0004236935
【0098】
(但し、X=NまたはP
R=F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOHまたはCF2CN
*=H、R、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
R、R* はそれぞれ独立)
【0099】
【化25】
Figure 0004236935
【0100】
(但し、X=NまたはP
R=F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOH、CF2CN、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
R’=R
*=HまたはR’
R、R’、R* はそれぞれ独立)
【0101】
【化26】
Figure 0004236935
【0102】
(但し、X=NまたはP
R=F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOH、CF2CN、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
R’=R
R''=R’
*=HまたはR’
R、R’、R''、R* はそれぞれ独立)
等が挙げられ、さらに、式(2)においてn=0である、上記で例示したビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン構造の誘導体と同様の置換基を有する、n=1のテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン構造の誘導体、n=2のヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン構造の誘導体、n=3のオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン構造の誘導体が挙げられる。
【0103】
また、上記式(3)で表される環状オレフィン系単量体の具体例としては、5,6−ビストリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン、パーフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエンまたは5,6−ビストリフルオロメチル−7−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエンが挙げられ、さらに、例えば、次のような構造が挙げられる。
【0104】
【化27】
Figure 0004236935
【0105】
(但し、X=CH2、CF2、C(CF3)2、OまたはS
R=F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOHまたはCF2CN
*=H、R、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
R、R* はそれぞれ独立)
【0106】
【化28】
Figure 0004236935
【0107】
(但し、X=CH2、CF2、C(CF3)2、OまたはS
R=F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOHまたはCF2CN
R’=R、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
*=HまたはR’
R、R’、R* はそれぞれ独立)
【0108】
【化29】
Figure 0004236935
【0109】
(但し、X=CH2、CF2、C(CF3)2、OまたはS
R=CF2、CFCF、CHCF3、C(CF3)2、(CF2)2、(CF2)3、CHC6F5、Si(CF3)2、CF2OCF2、CFOH、COCF2、CFCOOCF2、CFCOOHまたはCFCN
R’=R、CH2、(CH2)2、(CH2)3、Si(CH3)2、CH2OCH2、CHOH、COOCH2、CHCOOH、CO、CHOCH3、OまたはCHOCOCH3
*=H、F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOH、CF2CN、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
R、R’、R* はそれぞれ独立)
【0110】
【化30】
Figure 0004236935
【0111】
(但し、X=CH2、CF2、C(CF3)2、OまたはS
Y=O、CO、NCF3、NCH3またはNC6F5
R=CF2、CFCF、CHCF3、C(CF3)2、(CF2)2、(CF2)3、CHC6F5、Si(CF3)2、CF2OCF2、CFOH、COCF2、CFCOOCF2、CFCOOHまたはCFCN
R’=R、CH2、(CH2)2、(CH2)3、Si(CH3)2、CH2OCH2、CHOH、COOCH2、CHCOOH、CO、CHOCH3、OまたはCHOCOCH3
*=H、F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOH、CF2CN、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
R、R’、R* はそれぞれ独立)
【0112】
【化31】
Figure 0004236935
【0113】
(但し、X=CH2、CF2、C(CF3)2、OまたはS
R=F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOHまたはCF2CN
R’=R、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
*=HまたはR’
R、R’、R* はそれぞれ独立)
【0114】
【化32】
Figure 0004236935
【0115】
(但し、X=CH2、CF2、C(CF3)2、OまたはS
R=F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOHまたはCF2CN
R’=R、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
*=HまたはR’
R、R’、R* はそれぞれ独立)
【0116】
【化33】
Figure 0004236935
【0117】
(但し、X=CH2、CF2、C(CF3)2、OまたはS
R=F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOHまたはCF2CN
R’=R、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
*=HまたはR’
R、R’、R* はそれぞれ独立)
【0118】
【化34】
Figure 0004236935
【0119】
(但し、X=NまたはP
R=F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOHまたはCF2CN
*=H、R、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
R、R* はそれぞれ独立)
【0120】
【化35】
Figure 0004236935
【0121】
(但し、X=NまたはP
R=F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOH、CF2CN、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
R’=R
*=HまたはR’
R、R’、R* はそれぞれ独立)
【0122】
【化36】
Figure 0004236935
【0123】
(但し、X=NまたはP
R=F、CF3、CF2CF3、C3F7、C4F9、CF(CF3)2、C(CF3)3、C6F11、C6F5、Si(CF3)3、OCF3、COOCF3、COOCCH3(CF3)2、COOC(CF3)3、COOC2F5(C5H8)、CF2OCF3、CF2OH、CF2OCOCF3、CF2COOH、CF2CN、CH3、C(CH3)3、Si(CH3)3、OCH3、CH2OH、COOCH3、COOC(CH3)3、COOC2H5(C5H8)、CH2OCH3、CH2OCOCH3、COOH、CN、OHまたはBr
R’=R
R''=R’
*=HまたはR’
R、R’、R''、R* はそれぞれ独立)
等が挙げられ、さらに、化学式(3)においてn=0である、上記で例示したビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン構造の誘導体と同様の置換基を有する、n=1のテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3,8−ジエン構造の誘導体、n=2のヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]ヘプタデカ−4,11−ジエン構造の誘導体、n=3のオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]ドコ−5,14−ジエン構造の誘導体が挙げられる。
【0124】
さらに、上記式(2)または式(3)で表される環状オレフィン系単量体としては、パーフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のフッ素含有ビシクロヘプトエン誘導体、パーフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン等のフッ素含有ビシクロヘプタジエン誘導体、パーフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン等のフッ素含有テトラシクロドデセン誘導体などが挙げられる。
【0125】
上記環状オレフィン系単量体では、式(2)中のR1〜R12に含まれる全フッ素原子数の総和および式(3)中のR1〜R10に含まれる全フッ素原子数の総和は、3以上であることが好ましい。
【0126】
上記式(2)または式(3)で表される環状オレフィン系単量体は、フッ素含有オレフィン類をジエノフィルとしてシクロペンタジエン類、フラン類、チオフェン類、ピロール類等と公知のDiels-Alder反応によって付加反応させることによって合成することができる。
【0127】
また、アルコール類、カルボン酸類、エステル類、ケトン類、アルデヒド類、エーテル類、アミド類等の極性基を含有するビシクロオレフィン類;ビシクロジエン類、テトラシクロオレフィン類、テトラシクロジエン類、オクタシクロオレフィン類、オクタシクロジエン類などの環状オレフィン類を、四フッ化硫黄、DASTなどのフッ素化剤を用いてフッ素化する方法、フッ素含有のアルコール化合物類、フッ素含有のカルボン酸化合物、フッ素含有のケイ素化合物、フッ素含有の臭素、ヨウ素等ハロゲン化炭化水素化合物などを公知のカップリング反応、縮合反応または付加反応させる方法などによって環状オレフィン類に導入する方法を用いることにより合成することもできる。
【0128】
(フッ素含有環状オレフィンポリマーの製造方法)
本発明に係る上記式(1)で表される繰返し単位構造を少なくとも有するフッ素含有環状オレフィンポリマーは、例えば上記式(2)または上記式(3)で表される少なくとも1種類の環状オレフィン系単量体を開環メタセシス重合し、水素添加、フッ化水素添加およびフッ素添加の少なくともいずれか1つをすることによって製造される。
【0129】
本発明では、式(2)または式(3)で表され、R1〜R12、R1〜R10、X1およびnの少なくとも1つが互いに異なる2種類以上の環状オレフィン系単量体を開環メタセシス共重合してもよく、また、式(2)または式(3)において、X1が−CRab−である少なくとも1種類の環状オレフィン系単量体と、X1が−O−である少なくとも1種類の環状オレフィン系単量体を共重合してもよい。
【0130】
また、本発明では式(2)または式(3)で表される少なくとも1種類の環状オレフィン系単量体を開環メタセシス重合する際に、式(2)または式(3)で表されるの環状オレフィン系単量体と共に、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−クロロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブロモビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロヘプトエン誘導体;ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエン、5−クロロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエン、5−ブロモビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエン、5−メチル−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエン等のビシクロヘプタジエン誘導体;テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−クロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−ブロモテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン等のテトラシクロドデセン誘導体;ヘキサシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−4−ヘプタデセン、11−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11−エチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン等のヘキサシクロヘプタデセン誘導体;オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、14−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、14−エチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン等のオクタシクロドコセン誘導体などのフッ素を含有しない多環の環状オレフィン、
シクロブテン、パーフルオロシクロブテン等のフッ素含有シクロブテン;シクロペンテン、パーフルオロシクロペンテン等のフッ素含有シクロペンテン;シクロヘプテン、パーフルオロシクロヘプテン等のフッ素含有シクロヘプテン;シクロオクテン、パーフルオロシクロオクテン等のフッ素含有シクロオクテン等のシクロオレフィン類等のフッ素を含有またはフッ素を含有しない単環の環状オレフィンなどと共重合してもよい。
【0131】
これらの環状オレフィンを用いて本発明に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーを合成する際に使用される重合触媒としては、開環メタセシス重合する触媒であれば特に限定されないが、具体的には、例えば
W(N−2,6−Pri 263)(CHBut)(OBut2、W(N−2,6−Pri 263)(CHBut)(OCMe2CF32、W(N−2,6−Pri 263)(CHBut)(OCMe2(CF322、W(N−2,6−Pri 263)(CHCMe2Ph)(OBut2、W(N−2,6−Pri 263)(CHCMe2Ph)(OCMe2CF32、W(N−2,6−Pri 263)(CHCMe2Ph)(OCMe2(CF322、またはW(N−2,6−Me263)(CHCHCMePh)(OBut2(PR3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCMe2)(OBut2(PR3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCPh2)(OBut2(PR3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCMePh)(OCMe2(CF3))2(PR3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCMe2)(OCMe2(CF3))2(PR3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCPh2)(OCMe2(CF3))2(PR3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCMePh)(OCMe(CF322(PR3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCMe2)(OCMe(CF322(PR3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCPh2)(OCMe(CF322(PR3)、W(N−2,6−Pri 263)(CHCHCMePh)(OCMe2(CF3))2(PR3)、W(N−2,6−Pri 263)(CHCHCMePh)(OCMe(CF322(PR3)、W(N−2,6−Pri 263)(CHCHCMePh)(OPh)2(PR3)、またはW(N−2,6−Me263)(CHCHCMePh)(OBut2(Py)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCMe2)(OBut2(Py)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCPh2)(OBut2(Py)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCMePh)(OCMe2(CF3))2(Py)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCMe2)(OCMe2(CF3))2(Py)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCPh2)(OCMe2(CF3))2(Py)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCMe2)(OCMe(CF322(Py)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCPh2)(OCMe(CF322(Py)、W(N−2,6−Pri 263)(CHCHCMePh)(OCMe2(CF3))2(Py)、W(N−2,6−Pri 263)(CHCHCMePh)(OCMe(CF322(Py)、W(N−2,6−Pri 263)(CHCHCMePh)(OPh)2(Py)(但し、式中のPriはiso−プロピル基を示し、Rはメチル基、エチル基等のアルキル基またはメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基を示し、Butはtert−ブチル基を示し、Meはメチル基を示し、Phはフェニル基を示し、Pyはピリジン基を示す。)等のタングステン系アルキリデン触媒;
Mo(N−2,6−Pri 263)(CHBut)(OBut2、Mo(N−2,6−Pri 263)(CHBut)(OCMe2CF32、Mo(N−2,6−Pri 263)(CHBut)(OCMe(CF322、Mo(N−2,6−Pri 263)(CHCMe2Ph)(OBut2(PR3)、Mo(N−2,6−Pri 263)(CHCMe2Ph)(OCMe2CF32(PR3)、Mo(N−2,6−Pri 263)(CHCMe2Ph)(OCMe(CF322(PR3)、Mo(N−2,6−Pri 263)(CHCMe2Ph)(OBut2(Py)、Mo(N−2,6−Pri 263)(CHCMe2Ph)(OCMe2CF32(Py)、Mo(N−2,6−Pri 263)(CHCMe2Ph)(OCMe(CF322(Py)(但し、式中のPriはiso−プロピル基を示し、Rはメチル基、エチル基等のアルキル基またはメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基を示し、Butはtert−ブチル基を示し、Meはメチル基を示し、Phはフェニル基を示し、Pyはピリジン基を示す。)等のモリブデン系アルキリデン触媒;
Re(CBut)(CHBut)(O−2,6−Pri 2632、Re(CBut)(CHBut)(O−2−But6H4)2、Re(CBut)(CHBut)(OCMe2CF32、Re(CBut)(CHBut)(OCMe(CF322、Re(CBut)(CHBut)(O−2,6−Me2632(但し、式中のButはtert−ブチル基を示す。)
等のレニウム系アルキリデン触媒;
Ta[C(Me)C(Me)CHMe3](O−2,6−Pri 2633Py、Ta[C(Ph)C(Ph)CHMe3](O−2,6−Pri 2633Py(但し、式中のMeはメチル基を示し、Phはフェニル基を示し、Pyはピリジン基を示す。)等のタンタル系アルキリデン触媒;
Ru(CHCHCPh2)(PPh32Cl2、Ru(CHCHCPh2)(P(C6H11)32Cl2(但し、式中のPhはフェニル基を示す。)等のルテニウム系アルキリデン触媒やチタナシクロブタン触媒が挙げられる。
【0132】
これらの開環メタセシス触媒は、単独にまたは2種以上混合してもよい。
また、上記開環メタセシス触媒の他に、有機遷移金属錯体、遷移金属ハロゲン化物または遷移金属酸化物と、助触媒としてのルイス酸との組合せによる開環メタセシス触媒系、例えば、モリブデン、タングステン等の遷移金属ハロゲン錯体、遷移金属ハロゲン化物または遷移金属酸化物と、助触媒として有機アルミニウム化合物、有機錫化合物またはリチウム、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛、カドミウム、ホウ素等を含む有機金属化合物とからなる開環メタセシス触媒を用いることもできる。
【0133】
有機遷移金属ハロゲン錯体の具体例としては、W(N−2,6−Pri 263)(thf)(OBut2Cl2、W(N−2,6−Pri 263)(thf)(OCMe2CF32Cl2、W(N−2,6−Pri 263)(thf)(OCMe2(CF322Cl2、W(N−2,6−Pri 263)(thf)(OBut2Cl2、W(N−2,6−Pri 263)(thf)(OCMe2CF32Cl2、W(N−2,6−Pri 263)(thf)(OCMe2(CF322Cl2(但し、式中のPriはiso−プロピル基を示し、Butはtert−ブチル基を示し、Meはメチル基を示し、Phはフェニル基を示し、thfはテトラヒドロフランを示す。)等のタングステン系ハロゲン錯体と有機金属化合物の組合せからなる触媒;
Mo(N−2,6−Pri 263)(thf)(OBut2Cl2、Mo(N−2,6−Pri 263)(thf)(OCMe2CF32Cl2、Mo(N−2,6−Pri 263)(thf)(OCMe(CF322Cl2、Mo(N−2,6−Pri 263)(thf)(OBut2Cl2、Mo(N−2,6−Pri 263)(thf)(OCMe2CF32Cl2、Mo(N−2,6−Pri 263)(thf)(OCMe(CF322Cl2(但し、式中のPriはiso−プロピル基を示し、Butはtert−ブチル基を示し、Meはメチル基を示し、Phはフェニル基を示し、thfはテトラヒドロフランを示す。)等のモリブデン系ハロゲン錯体、または、WCl6、WOCl4、ReCl5、MoCl5、TiCl4、RuCl3、IrCl3等と、有機金属化合物の組合せからなる触媒が挙げられる。
【0134】
助触媒としての有機金属化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジ−n−ブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノブロミド、ジエチルアルミニウムモノイオジド、ジエチルアルミニウムモノヒドリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリド等の有機アルミニウム化合物;テトラメチル錫、ジエチルジメチル錫、テトラエチル錫、ジブチルジエチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、トリオクチル錫フルオリド、トリオクチル錫クロリド、トリオクチル錫ブロミド、トリオクチル錫イオジド、ジブチル錫ジフルオリド、ジブチル錫ジクロリド、ジブチル錫ジブロミド、ジブチル錫ジイオジド、ブチル錫トリフルオリド、ブチル錫トリクロリド、ブチル錫トリブロミド、ブチル錫トリイオジド等の有機錫化合物;n−ブチルリチウム等の有機リチウム化合物;n−ペンチルナトリウム等の有機ナトリウム化合物;メチルマグネシウムイオジド、エチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムブロミド、n−プロピルマグネシウムブロミド、t−ブチルマグネシウムクロリド、アリルマグネシウムクロリド等の有機マグネシウム化合物;ジエチル亜鉛等の有機亜鉛化合物;ジエチルカドミウム等の有機カドミウム化合物;トリメチルホウ素、トリエチルホウ素、トリ−n−ブチルホウ素等の有機ホウ素化合物等が挙げられる。
【0135】
開環メタセシス重合において、環状オレフィンと開環メタセシス触媒とのモル比は、タングステン、モリブデン、レニウム、タンタルまたはルテニウム等の遷移金属アルキリデン触媒やチタナシクロブタン触媒の場合は、環状オレフィンが遷移金属アルキリデン錯体に対してモル比で2〜10000の範囲であり、好ましくは10〜5000の範囲である。
【0136】
また、有機遷移金属ハロゲン錯体、遷移金属ハロゲン化物または遷移金属酸化物と、有機金属化合物からなる開環メタセシス触媒の場合、環状オレフィンが有機遷移金属ハロゲン錯体、遷移金属ハロゲン化物または遷移金属酸化物に対してモル比で2〜10000の範囲、好ましくは10〜5000の範囲であり、助触媒としての有機金属化合物が有機遷移金属ハロゲン錯体または遷移金属ハロゲン化物または遷移金属酸化物に対してモル比で0.1〜10の範囲、好ましくは1〜5の範囲となる範囲である。
【0137】
開環メタセシス重合は無溶媒または溶媒の存在下で行うことができ、使用することのできる溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタンまたはジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンまたはエチルベンゼン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサンまたはヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサンまたはデカリン等の脂肪族環状炭化水素;メチレンジクロライド、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、メタキシレンヘキサフルオリド等のフッ素含有芳香族炭化水素;パーフルオロヘキサン等のフッ素含有脂肪族炭化水素;パーフルオロシクロデカリン等のフッ素含有脂肪族環状炭化水素;パーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン等のフッ素含有エーテル類が挙げられ、これらの2種類以上を混合使用してもよい。
【0138】
また、触媒効率を高めるために連鎖移動剤として用いられるオレフィンを用いてもよく。このようなオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンおよびこれらのα−オレフィンにフッ素が置換したフッ素含有α−オレフィン;ビニルトリメチルシラン、アリルトリメチルシラン、アリルトリエチルシラン、アリルトリイソプロピルシラン等のケイ素含有オレフィンまたはこれらのフッ素含有ケイ素含有オレフィン;1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン等の非共役系ジエンおよびこれらのジエンにフッ素が置換したフッ素含有非共役系ジエンが挙げられる。さらに、これらオレフィン、フッ素含有オレフィン、ジエンまたはフッ素含有ジエンはそれぞれ単独または2種類以上を併用してもよい。
【0139】
共存させるα−オレフィン、フッ素含有α−オレフィン、ジエンまたはフッ素含有ジエンの使用量は、環状オレフィン系単量体の1当量に対して0.001〜1000、好ましくは0.01〜100の範囲である。また、α−オレフィン、フッ素含有α−オレフィン、ジエンまたはフッ素含有ジエンが遷移金属アルキリデン錯体のアルキリデンまたは遷移金属ハロゲン化物の1当量に対して0.1〜1000、好ましくは1〜500の範囲である。
【0140】
開環メタセシス重合では、モノマーの反応性および重合溶媒ヘの溶解性によっても異なるが、モノマー/開環メタセシス触媒と溶媒の濃度は0.1〜100mol/Lの範囲が好ましく、通常−30〜150℃の反応温度で1分〜120時間反応させ、ブチルアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン等のケトン類、メタノール等のアルコール類等、または、これらのフッ素含有化合物の失活剤で反応を停止し、開環メタセシス重合体溶液を得ることができる。
【0141】
本発明に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーは、この開環メタセシス重合体を水素添加、フッ化水素添加およびフッ素添加の少なくともいずれか1つをすることにより得ることができる。
【0142】
水素添加は、公知の水素添加触媒を用いた方法で行うことができ、また、フッ化水素添加およびフッ素添加は、開環メタセシス重合体と、フッ化水素またはフッ素とを公知の方法で接触させることにより行うことができる。
【0143】
開環メタセシス重合体の二重結合を水素添加、フッ化水素添加およびフッ素添加の少なくともいずれか1つをすることによって、真空紫外線(VUV)吸収波長の領域を下げることができる。このことは、波長193nmのArFエキシマレーザー領域でさえも二重結合の吸収帯が存在することからも容易に理解できる。したがって、VUVでの波長157nmのF2レーザー領域に対してはこの領域でのVUV透過率を最大限高めるためには、開環メタセシス重合体の二重結合を水素添加、フッ化水素添加およびフッ素添加の少なくともいずれか1つをすることが必須となる。
【0144】
開環メタセシス重合体に水素添加をする方法についてより具体的に説明する。
水素添加反応の水素添加触媒の具体例として、不均一系触媒ではパラジウム、白金、酸化白金、ロジウム、ルテニウム等の金属触媒;パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウム等の金属を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、ケイソウ土、合成ゼオライト等の担体に担持させた担持型金属触媒、均一系触媒では、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリイソブチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムクロリド、酢酸ロジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,5−シクロオクタジエン)(ピリジン)ヘキサフルオロリン酸イリジウム等が挙げられ、さらに、均一系触媒として水素の存在下に下記式(4)で表される有機金属錯体とアミン化合物からなる水素添加触媒が挙げられる。
【0145】
MHkhpq …(4)
式(4)中、Mはルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、パラジウム、白金またはニッケルを示す。
【0146】
Hは水素を示す。
Qはハロゲンを示し、具体例として、塩素、フッ素、臭素または沃素原子を例示できる。
【0147】
TはCO、NO、トルエン、アセトニトリルまたはテトラヒドロフランをす。
ZはPR'1R'2R'3(Pはリンを示し、R'1、R'2、R'3はそれぞれ同一または異なる直鎖、分岐または環状のアルキル、アルケニル、アリール、アルコキシまたはアリロキシを示す。)で示される有機リン化合物残基を示す。
【0148】
具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリn−プロピルホスフィン、トリt−ブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリn−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、トリo−トリルホスフィン、トリm−トリルホスフィン、トリp−トリルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジクロロ(エチル)ホスフィン、ジクロロ(フェニル)ホスフィン、クロロジフェニルホスフィン、トリメチルホスフィト、トリイソプロピルホスフィト、トリフェニルホスフィトが挙げられる。
【0149】
kは0または1の整数、hは1〜3の整数、pは0または1の整数、qは2〜4の整数を示す。
上記式(4)で表される有機金属錯体の具体例としては、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)オスミウム、ジクロロヒドリドビス(トリフェニルホスフィン)イリジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、トリクロロニトロビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロビス(アセトニトリル)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロビス(テトラヒドロフラン)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリド(トルエン)トリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドカルボニルトリス(ジエチルフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドニトロシルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリメチルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリエチルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリメチルジフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリジメチルフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリo−トリルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(ジクロロエチルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(ジクロロフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリメチルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等が挙げられる。
【0150】
また、アミン化合物の具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、アニリン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノシクロブタン等の一級アミン化合物;ジメチルアミン、メチルイソプロピルアミン、N−メチルアニリン等の二級アミン化合物;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、γ−ピコリン等の三級アミン化合物等を挙げることができ、好ましくは三級アミン化合物が用いられ、特にトリエチルアミンを用いた場合が水素添加率の向上が著しい。
【0151】
これらの有機金属錯体またはアミン化合物は、それぞれ2種以上任意の割合で併用することもできる。
開環メタセシス重合体を水素添加する際に用いられる水素添加触媒は、金属当り、開環メタセシス重合体に対して5ppm〜100重量%であり、好ましくは100ppm〜20重量%となる量である。また、有機金属錯体とアミン化合物からなる水素添加触媒を使用する場合は、有機金属錯体が開環メタセシス重合体に対して5〜50000ppmであり、好ましくは10〜10000ppm、特に好ましくは50〜1000ppmである。また、アミン化合物は使用する有機金属錯体に対して、0.1当量〜1000当量、好ましくは0.5当量〜500当量、特に好ましくは1〜100当量である。
【0152】
有機金属錯体とアミン化合物からなる水素添加触媒は、予め有機金属錯体とアミン化合物を接触処理したものを用いても可能であるが、有機金属錯体とアミン化合物を予め接触処理することなく、それぞれ直接反応系に添加してもよい。
【0153】
開環メタセシス重合体の水素添加反応において用いられる溶媒としては開環メタセシス重合体を溶解し溶媒自体が水素添加されないものであれば特に限定されず、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、デカリンなどの脂肪族環状炭化水素;メチレンジクロリド、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロルベンゼン、トリクロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、メタキシレンヘキサフルオリド等のフッ素含有芳香族炭化水素;パーフルオロヘキサン等のフッ素含有脂肪族炭化水素;パーフルオロシクロデカリン等のフッ素含有脂肪族環状炭化水素;パーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン等のフッ素含有エーテル類等が挙げられ、これらは2種以上混合して使用してもよい。
【0154】
開環メタセシス重合体の水素添加反応は、水素圧力が通常、常圧〜30MPa、好ましくは0.5〜20MPa、特に好ましくは2〜15MPaの範囲で行われ、その反応温度は、通常0〜300℃の温度であり、好ましくは室温〜250℃、特に好ましくは50〜200℃の温度範囲である。
【0155】
開環メタセシス重合体にフッ素添加をする方法についてより具体的に説明する。
フッ化水素添加またはフッ素添加は、開環メタセシス重合体の二重結合にフッ化水素またはフッ素と接触させることにより行うことができる。フッ化水素またはフッ素との接触反応はその反応速度が速いために、気相/固相の反応よりも液相/固相または液相/液相の反応が好ましく、また、高濃度のフッ化水素またはフッ素を使用するよりも、除熱の制約から液媒体の液相中、または、不活性ガスで希釈した気相中で行うことが望ましい。
【0156】
液相の液媒としては、フッ化水素またはフッ素と反応しない溶媒であれば、開環メタセシス重合体を溶解する溶媒であっても懸濁する溶媒であってもよく、特に限定されない。例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、デカリンなどの脂肪族環状炭化水素;メチレンジクロリド、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロルベンゼン、トリクロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、メタキシレンヘキサフルオリド等のフッ素含有芳香族炭化水素;パーフルオロヘキサン等のフッ素含有脂肪族炭化水素;パーフルオロシクロデカリン等のフッ素含有脂肪族環状炭化水素;パーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン等のフッ素含有エーテル類等が挙げられ、これらは2種以上混合して使用してもよい。
【0157】
また、フッ化水素またはフッ素を希釈する不活性ガスは、フッ化水素またはフッ素と反応しないものであれば特に制限は無い。例えば、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスやメタン、エタン、プロパンなどの炭化水素ガスが使用でき、これらの2種以上混合してもよい。
【0158】
フッ化水素またはフッ素と開環メタセシス重合体との接触量比は、二重結合の量に依存し、少なくとも1つの二重結合部分に対して等モル量のフッ化水素またはフッ素を使用する。その使用量は、二重結合部分のモル数に対して1〜100モル当量であり、好ましくは、1〜20モル当量である。
【0159】
開環メタセシス重合体と、フッ化水素またはフッ素と付加反応温度は、通常−100〜200℃の温度であり、好ましくは室温〜150℃、特に好ましくは50〜100℃の温度範囲である。反応圧力は、特に制限は無く、好ましくは常圧〜10MPaであり、好ましくは常圧〜1MPaである。溶媒に溶解する場合の開環メタセシス重合体の濃度は、1〜80重量%、好ましくは、5〜50重量%である。フッ化水素またはフッ素を含む気相と開環メタセシス重合体からなる固相での反応は、流動または攪拌下で行うことが望ましいが、固体を静置で接触させ付加反応を行ってもよい。
【0160】
本発明では、開環メタセシス重合体の二重結合に部分的に水素添加した後、フッ化水素またはフッ素と接触することでさらにフッ素付加反応を行ってもよい。部分的に水素添加される量は、全二重結合モル量に対して95%以下であり、好ましくは90%以下である。さらに、水素添加反応の後、直ちにフッ化水素またはフッ素を水素添加反応溶液に添加し、上記の付加反応を行ってもよく、水素添加反応させた後のポリマー溶液を、貧溶媒と接触させることで、ポリマーを沈殿させた後に、固体状のポリマーとフッ化水素またはフッ素と接触させてもよく、固体状のポリマーを再度溶媒に溶解させてフッ化水素またはフッ素と接触させてもよい。
【0161】
フッ化水素またはフッ素と接触して得られるフッ素含有環状オレフィンポリマーは、公知のアルカリ中和処理を行うことで過剰のフッ化水素またはフッ素を除去することができる。付加反応の後に、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、またはジエチルアミンなどの有機アミン類、またはピリジン類等のアルカリ水溶液またはアルカリ有機溶液と接触させ、中和洗浄することで残留するフッ化水素またはフッ素を除去することができる。このときの温度は常温〜200℃、好ましくは、常温〜100℃であり、攪拌下または流動下で接触させることが望ましいが、特に制限は無い。
【0162】
開環メタセシス重合体の主鎖オレフィン部分の全ての二重結合をフッ素で付加すると、高エネルギー下の真空紫外線である157nmの波長紫外線光では、フッ素原子と炭素原子間の結合において励起エネルギーによってフッ素イオンの解離反応し、ポリマーの主鎖が解裂反応することでポリマーが劣化を起こすことがある。特に、主鎖のフッ素―炭素結合が隣接する炭素原子間では特にこの解離反応が顕著に起こる。一方、水素原子と炭素原子間の結合はこれに比べて解離反応を起こし難く主鎖に一定量の水素−炭素結合を持たせることが重要である。このフッ素イオンの解離反応によるポリマーの劣化を防止するために、フッ化水素を付加させるか、または、オレフィン部分の二重結合を水素添加触媒の存在下で部分的に水素添加した後、フッ素と接触することがポリマーの真空紫外線領域での耐光性を向上させることが好ましい。
【0163】
開環メタセシス重合体を水素添加、フッ化水素添加およびフッ素添加の少なくともいずれか1つをする際には、開環メタセシス重合体溶液から開環メタセシス重合体を単離した後再度溶媒に溶解しても可能であるが、例えば単離することなく、上記不均一系触媒である金属触媒または担持型金属触媒、または均一系触媒である有機金属錯体または有機金属錯体とアミン化合物からなる水素添加触媒を開環メタセシス重合体溶液に加えることにより水素添加反応を行う方法を採用することもできる。このとき開環メタセシス重合または水素添加反応の終了後、公知の方法により重合体に残存する開環メタセシス触媒または水素添加触媒を除去することができる。例えば、濾過、吸着剤による吸着法、良溶媒による溶液に乳酸等の有機酸と貧溶媒と水とを添加し、この系を常温下または加温下において抽出除去する方法、さらには良溶媒による溶液または重合体スラリーを塩基性化合物と酸性化合物で接触処理した後、洗浄除去する方法等が挙げられる。
【0164】
開環メタセシス重合体が水素添加、フッ化水素添加およびフッ素添加の少なくともいずれか1つがされたフッ素含有環状オレフィンポリマー溶液からフッ素含有環状オレフィンポリマーを回収する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、撹拌下の貧溶媒中に反応溶液を排出しフッ素含有環状オレフィンポリマーを凝固させ濾過法、遠心分離法、デカンテーション法等により回収する方法、反応溶液中にスチームを吹き込んでフッ素含有環状オレフィンポリマーを析出させるスチームストリッピング法、反応溶液から溶媒を加熱等により直接除去する方法等が挙げられる。
【0165】
上記のような水素添加法、フッ化水素添加法およびフッ素添加法の少なくともいずれか1つを用いると、水素添加率またはフッ素添加率は90%以上が容易に達成でき、95%以上、特に99%以上とすることが可能である。90%以下の水素添加率またはフッ素添加率である場合は、真空紫外線に対して透過性の低下を来たし、耐光性が期待できない。このように得られる二重結合が90%以上の水素添加、フッ化水素添加またはフッ素添加されたフッ素含有環状オレフィンポリマーは、実用的に真空紫外線に優れた透過性と耐光性を有するフッ素含有環状オレフィンポリマーとなり、F2レーザーなどの真空紫外線で使用できるフッ素含有環状オレフィンポリマーからなる薄膜および被覆剤への用途に適用できる。さらには、F2レーザーなど真空紫外線で使用するレジストポリマーへの用途に適用できる。
【0166】
本発明では開環メタセシス重合体を水素添加、フッ化水素添加およびフッ素添加の少なくともいずれか1つをし、開環メタセシス重合体の水素添加物、フッ化水素添加物またはフッ素添加物とした後に必要に応じて、官能基を部分的に加水分解し、カルボン酸またはアルコールに変換することができる。加水分解される官能基は、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、アルコキシ、アルコキシアルキルである。この加水分解は、硫酸、塩酸、硝酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸または酢酸等の酸性触媒存在下で行う酸性加水分解、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等のアルカリ性触媒存在下で行うアルカリ性加水分解、または酸、アルカリに代えて酢酸ナトリウム、ヨウ化リチウム等を用いる中性加水分解のいずれで行ってもよい。
【0167】
この加水分解によってF2レーザーなどの真空紫外線で使用できるフッ素含有環状オレフィンポリマーからなる薄膜および被覆材の、フレーム基材、レンズ等光学基材への密着性を向上することができる。また、F2レーザーなどの真空紫外線で使用できるフッ素含有環状オレフィンポリマーからなるレジストポリマーのシリコン基板への密着性、またはアルカリ現像液への溶解性の向上を図ることができる。
【0168】
加水分解反応は、水溶媒でも有機溶媒を使用して良いが、特に使用する有機溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類;アセトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;酢酸等のカルボン酸、ニトロメタン等のニトロ化合物、ピリジン、ルチジン等のピリジン類;ジメチルホルムアミド等のホルムアミド類;フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、メタキシレンヘキサフルオリド等のフッ素含有芳香族炭化水素;パーフルオロヘキサン等のフッ素含有脂肪族炭化水素;パーフルオロシクロデカリン等のフッ素含有脂肪族環状炭化水素;パーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン等のフッ素含有エーテル類などが挙げられ、水またはアルコール類と混合しても良く、また有機溶媒のみで使用してもよい。さらに、これらの2種類以上を混合使用しても良い。反応温度は、通常0〜300℃の温度であり、好ましくは室温〜250℃の温度範囲である。
【0169】
また、酸性またはアルカリ性加水分解の後にアルカリまたは酸で適宜、中和処理してもよい。加水分解の後、開環メタセシス重合体の水素添加物、フッ化水素添加物またはフッ素添加物の溶液またはスラリーから、重合体を回収する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、溶液の場合、撹拌下の貧溶媒中に反応溶液を排出し、開環メタセシス重合体の水素添加物、フッ化水素添加物またはフッ素添加物重合体を沈殿させスラリーとし、濾過法、遠心分離法、デカンテーション法等により回収する方法、反応溶液にスチームを吹き込んで重合体を析出させるスチームストリッピング法、反応溶液から溶媒を加熱等により直接除去する方法等が挙げられ、スラリーの場合、そのまま濾過法、遠心分離法、デカンテーション法等により回収する方法等が挙げられる。
【0170】
(用途)
本発明に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーは、可視光領域から真空紫外線光領域の広範囲にわたって光透過性に優れ、光の屈性率が低い。また、耐熱性、耐薬品性、耐水性などを付与することも可能である。
【0171】
このようなフッ素含有環状オレフィンポリマーの性質を活かせる用途としては、光学部品用途、薄膜、ペリクル膜、被覆材などが好適である。
光学部品用途として具体的には、例えば、光磁気ディスク、色素系ディスク、音楽用コンパクトディスク、画像音楽同時録再型ディスクなどの情報ディスク基板;カメラ、VTR、複写機、OHP、プロジェクションTV、プリンターなどに使われる撮像系または投影系のレンズやミラーレンズ;情報ディスクやバーコードなどの情報をピックアップするためのレンズ;自動車ランプやメガネ・ゴーグルのレンズ;光ファイバーやそのコネクターなどの情報転送部品;光カード等ディスク以外の形状の情報記録基板、液晶基板、位相差フィルム、偏光フィルム、導光板、保護防湿フィルムなどの情報記録、情報表示分野のフィルムやシート、高屈折フィルムとの複合二層フィルムなどの反射フィルムなどが挙げられる。
【0172】
被覆材は、本発明に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーを例えば適当な溶剤に溶解して溶液とし、これを適当な基材または基板上に流延後、乾燥して薄膜または被覆膜を形成することにより得られ、薄膜およびペリクル膜は、これらを剥離することにより作製される。
【0173】
溶液調製時の溶剤としては、フッ素含有環状オレフィンポリマーが可溶であれば特に限定されることなく利用が可能であり、具体的には、メタキシレンヘキサフロライド、ベンゾトリフロライド、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、メタキシレンヘキサフルオリド等のフッ素含有芳香族炭化水素;パーフルオロヘキサン等のフッ素含有脂肪族炭化水素;パーフルオロシクロデカリン等のフッ素含有脂肪族環状炭化水素;パーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン等のフッ素含有エーテル類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、デカリンなどの脂肪族環状炭化水素、シクロヘキサノンなどのケトン等を例示することができる。
【0174】
フッ素含有環状オレフィンポリマーを溶解した溶液は、製膜に用いる前に、適当な細孔径をもつフィルタ等にて濾過を行い、微量金属成分や微量コロイド成分等の溶媒に不溶な不純物成分を除去しておくことが望ましい。
【0175】
溶液中のフッ素含有環状オレフィンポリマーの濃度は、一般に1〜20重量%、なかでも2〜10重量%の範囲にあることが好ましい。溶液中のオレフィンポリマー濃度が上記範囲を下回ると、製膜や不純物除去の効率が低下する傾向があり、一方上記範囲を上回ると、溶液の粘度が高くなり、かえって製膜や不純物除去の作業性が低下する傾向がある。
【0176】
フッ素含有環状オレフィンポリマー溶液を利用して薄膜を成形するには、それ自体公知の流延製膜法、例えばスピンコート法、ナイフコート法等により行うことができ、一般にガラス板等の平滑な基体表面にポリマー溶液を流延させて薄膜を形成させるのがよい。形成される薄膜の厚みは、溶液粘度や基板の回転速度などを変化させることにより、容易に制御することができる。また、残存溶媒は、熱風や赤外線照射などの手段によって、基板上に形成された薄膜は乾燥させることにより除去することができる。
【0177】
ペリクル膜用の薄膜の厚みは、一般に0.05〜10μmの範囲で、用いる短波長露光光の波長に対する透過率が高くなるように設定するのがよく、波長157nmのF2レーザーに対しては、通常0.1〜2μmの厚みが適当である。
【0178】
本発明に係る薄膜、被覆材およびペリクル膜は、そのままの状態すなわち単独薄膜または被覆膜で使用することもできるし、膜の一方の面、あるいは両方の面に、それ自体公知の無機或いは有機の反射防止膜を形成させ、多層膜として用いることもできる。
【0179】
リソグラフィによるパターン形成方法に用いるペリクルは、上記の方法で得られる薄膜をペリクル枠の一方の側に張設し、他方の側に粘着剤を塗布する或いは両面テープを貼着する等してマスク上に取り付け可能としたものである。
【0180】
ペリクル枠としては、これに限定されないが、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレススチール等の金属製のものや、合成樹脂製、またはセラミック製のものが使用される。
【0181】
また、薄膜をペリクル枠に張設するには、それ自体公知の接着剤、例えばシリコン樹脂系接着剤やフッ素樹脂系接着剤などが使用される。このようなペリクルの構造によると、外部から内部への異物の侵入を防ぐことができ、また仮に膜上に異物が付着するようなことがあっても露光時には異物の結像が焦点から外れた状態になり、転写されないため問題は生じにくい。
【0182】
このペリクルにおける内部での発塵を防止するために、ペリクル枠の内面や、ペリクル膜の内面にそれ自体公知の粘着性物質層を形成することもできる。すなわち、ペリクル枠またはペリクル膜の内側に粘着層を設けると、ペリクルの内側からの発塵を防ぐとともに、浮遊している塵埃を固定してマスクへの付着を防ぐこともできるという点において優れている。
【0183】
本発明のリソグラフィによるパターン形成方法では、上記方法で製造されるペリクル膜を備えたペリクルを、ガラス板表面にクロム等の蒸着膜で回路パターンを形成したフォトマスクやレチクルに装着し、レジストを塗布したシリコンウエハー上に、極めて短波長の露光光、特に波長が157nmのF2レーザー光を用いて、その回路パターンを露光により転写する。
【0184】
本発明によれば、極めて短波長の露光光、特に波長が157nmのF2レーザー光を露光光源に用いた場合にも、ペリクル膜の光分解による耐久性の低下が少なく、透過率も良好であり、その結果として鮮鋭で微細化されたパターンをリソグラフィにより比較的長期にわたって安定に形成できる。
【0185】
本発明のフォトレジスト組成物は、上記フッ素含有環状オレフィンポリマーをフォトレジスト用ベースポリマーとして利用し、例えば、酸発生剤および溶剤とともにポジ型フォトレジスト組成物としてともに用いられる。
【0186】
ここで酸発生剤とは、エキシマレーザー等の活性化放射線に露光されるとブレンステッド酸またはルイス酸を発生する物質である。この酸発生剤としては特に制限はなく、化学増幅型フォトレジストの酸発生剤として用いられる従来公知のものの中から、任意のものを選択して使用することができる。
【0187】
また、フォトレジスト組成物中には、所望によりフォトレジストに慣用されている添加成分、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、熱安定剤、酸化防止剤、密着性向上剤、着色剤、界面活性剤、ハレーション防止剤、有機カルボン酸およびアミン類などを、フォトレジスト組成物の特性が阻害されない範囲の量で添加含有させることができる。
【0188】
本発明に係るフォトレジスト組成物は、公知のリソグラフィ技術を採用してパターン形成を行うことができる。例えば、該フォトレジスト組成物をシリコンウエハー等の基板表面にスピンコーティング等の常法により膜厚が0.5〜2.0μmとなるように塗布した後、これをホットプレート上で50〜160℃にて1〜20分間、好ましくは80〜120℃で1〜10分間プリベークして溶剤を乾燥除去することによりフォトレジスト膜を形成することができる。次いで、目的のパターンを形成するためのマスクを該フォトレジスト膜上にかざし、遠紫外線、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2レーザー、X線または電子線等の活性光線や放射線をフォトレジスト膜へ照射した後、ホットプレート上で50〜160℃にて1〜20分間、好ましくは80〜120℃で1〜10分間、さらに熱処理(露光後ベーク)を行う。次いで、露光部分を、0.1〜5%、好ましくは1〜3%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ水溶液等の現像液で、1〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬法、パドル法またはスプレー法等の常法により洗い出す事により基板上にレリーフパターンを得る。
【0189】
本発明のフォトレジスト組成物を用いて形成されたレリーフパターンは解像性、コントラストともに極めて良好である。特に本発明のフッ素含有環状オレフィンポリマーは、F2レーザー用フォトレジストベースポリマーとして有用である。さらには、上記のように形成したパターンをマスクとして基板をエッチングすることもできる。
【0190】
【実施例】
以下、実施例にて本発明を詳細に説明するが、本発明がこれらによって限定されるものではない。
【0191】
なお、実施例において得られた重合体の物性値は、以下の方法により測定した。
平均分子量;
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を使用し、得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーをテトラヒドロフランに溶解し、検出器として日本分光製830−RIおよびUVIDEC−100−VI、カラムとしてShodex k−805,804,803,802.5を使用し、室温において流量1.0ml/minでポリスチレンスタンダードによって分子量を較正した。
【0192】
水素添加率;
フッ素含有環状オレフィンポリマーの粉末を重水素化クロロホルム、重水素化テトラヒドロフラン、ヘキサフルオロベンゼンまたは重水素化アセトンに溶解し、270MHz−1H-NMRスペクトルを用いてδ=4.5〜7.0ppmの主鎖の二重結合炭素に結合する水素吸収スペクトルの積分面積または67.5MHz−13C-NMRスペクトルによるδ=90〜160ppmの主鎖二重結合炭素に由来する吸収スペクトルの積分面積を算出した。
【0193】
VUV(真空紫外)吸収スペクトル;
ポリマー溶液をCaF2板にスピンコーターを用いて回転数200〜800rpmで膜厚0.1〜0.8μmの厚みで塗布し、乾燥して、Acton−502または、分光計器製VU−201型真空紫外分光光度計で測定し、また、膜厚は、触針式膜厚計Decktack3030で測定し、157nmでの吸収係数を求めた。
【0194】
屈折率;
5wt%ポリマー溶液(溶媒:メタキシレンヘキサフロライド/シクロヘキサノン=3/1混合溶媒)をスピンコーターで300rpm×60秒にて4インチシリコンウエハー上に滴下して塗布し、窒素中で160℃×10分の乾燥処理を行い、屈折率測定用サンプルとし、薄膜測定装置F20−UV(FILMETICS社製)を用い、反射率分光法にて測定波長350〜850nmで薄膜サンプルの屈折率を測定した。
【0195】
可視〜紫外吸収スペクトル;
ポリマー溶液をCaF2板にスピンコーターを用いて回転数50〜300rpmで膜厚0.8〜1.0μmの厚みで塗布し、乾燥して、島津製作所製UV−3100S型可視紫外分光光度計で測定し、400nmおよび193nmでの透過率を求めた。また、膜厚は、触針式膜厚計Decktack3030で測定した。
【0196】
ガラス転移温度及び5%分解温度;
島津製作所製DSC−50およびTA−50を用いて測定した。
HOMOエネルギー差;
分子軌道法計算ソフトウエアMOPAC93を用い、構造最適化に関するキーワードEF、LET、DDMIN=0およびGNORM=0.3を使用した。
【0197】
【実施例1】
窒素雰囲気下で100mlのフラスコに環状オレフィン系単量体として上述した方法および下記実施例7に準じた方法で合成した5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(5g)を入れテトラヒドロフラン(50ml)(以後「THF」という。)に溶解しマグネチックスターラーバーで攪拌を行った。これに開環メタセシス重合触蝶としてW(N−2,6−Me263)(CHCHCMe2)(OBut2(PMe3)(91mg)を加え室温で16時間反応させた。その後、ブチルアルデヒド(69μl)を加え30分間攪拌し、反応を停止させた。
【0198】
この開環メタセシス重合体溶液をメタノール(500ml)中に加えて開環メタセシス重合体を析出させ、濾過、メタノール洗浄し、真空乾燥して3.5gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
【0199】
その後、200mlのオートクレーブにこの開環メタセシス重合体粉末2gをデカヒドロナフタレン(50ml)に溶解して、水素添加触媒として5%Pd/C(4g)を加え、水素圧10MPa、140℃で24時間水素添加反応を行った後、温度を室温まで戻し水素ガスを放出した。この開環メタセシス重合体水素添加物をろ過し、THFでソックスレイ抽出器を用いてポリマーを抽出し、抽出液をメタノールに加えて開環メタセシス重合体の水素添加物を沈殿させ、濾別分離後真空乾燥を行うことにより白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物(フッ素含有環状オレフィンポリマー)を1.25g得た。得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーの1H−NMRスペクトルから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは55,500、Mw/Mnは1.04であった。
【0200】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーを2重量%のメタキシレンヘキサフルオライド溶液に調製し、CaF2基板上に滴下し、800rpmで塗布した。その後、160℃で乾燥してVUVスペクトルを測定した。スペクトルを図1に示す。このポリマーの157nmでの吸収係数は1.172μm-1であった。
【0201】
【実施例2】
窒素雰囲気下で100mlのフラスコに環状オレフィン系単量体として上述した方法および下記実施例7に準じた方法で合成した5,6−ビストリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン(5g)を入れTHF(50ml)に溶解しマグネチックスララーバーで攪拌を行った。これに開環メタセシス重合触蝶としてW(N−2,6−Me263)(CHCHCMe2)(OBut)2(PMe3)(65mg)を加え室温で16時間反応させた。その後、ブチルアルデヒド(49μl)を加え30分間攪拌し、反応を停止させた。この開環メタセシス重合体溶液をメタノール(500ml)中に加えて開環メタセシス重合体を析出させ、濾過、メタノール洗浄し、真空乾燥して4.9gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
【0202】
その後、200mlのオートクレーブにこの開環メタセシス重合体粉末2gをTHF(50ml)に溶解して、水素添加触媒として5%Pd/C(4g)を加え、水素圧10MPa、140℃で24時間水素添加反応を行った後、温度を室温まで戻し水素ガスを放出した。この開環メタセシス重合体水素添加物をろ過し、Pd/Cを除去した後、ろ液をメタノールに加えて開環メタセシス重合体の水素添加物を沈殿させ、濾別分離後真空乾燥して白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物(フッ素含有環状オレフィンポリマー)を1.25g得た。
【0203】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーの1H−NMRスペクトルと13C−NMRスペクトルから算出した水素添加率は主鎖および5員環炭素中の二重結合に帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは57,500、Mw/Mnは1.04であった。
【0204】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーを実施例1と同様に、CaF2基板上に塗布した。その後、160℃で乾燥してVUVスペクトルを測定した。スペクトルを図1に示す。このポリマーの157nmでの吸収係数は0.190μm-1であった。
【0205】
【実施例3】
窒素雰囲気下で100mlのフラスコに環状オレフィン系単量体として上述した方法および下記実施例7に準じた方法で合成した5,6−ビストリフルオロメチル−7−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン(5g)を入れTHF(50ml)に溶解しマグネチックスターラーバーで攪拌を行った。これに開環メタセシス重合触蝶としてMo(N−2,6−Pri 263)(CHCMe2)(OBut2(113mg)を加え室温で16時間反応させた。その後、ブチルアルデヒド(80μl)を加え30分間攪拌し、反応を停止させた。この開環メタセシス重合体溶液をメタノール中に加えて実施例2と同様に4.6gの開環メタセシス重合体粉末(フッ素含有環状オレフィンポリマー)を得た。
【0206】
その後、200mlのオートクレーブにこの開環メタセシス重合体粉末2gを実施例2と同様にして水素添加反応を行った後、得られた開環メタセシス重合体水素添加物をろ過し、メタノールで開環メタセシス重合体の水素添加物を沈殿させ、乾燥して白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物(フッ素含有環状オレフィンポリマー)を1.6g得た。
【0207】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーの1H−NMRスペクトルと13C−NMRスペクトルから算出した水素添加率は主鎖および5員環炭素中の二重結合に帰属するピークが認められないことから、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは30,750、Mw/Mnは1.10であった。
【0208】
また、得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーを実施例2と同様にしてVUVスペクトルを測定した。この157nmでの吸収係数は0.16μm-1であった。
【0209】
【実施例4】
環状オレフィン系単量体として上述した方法および下記実施例7に準じた方法で合成した5−トリフルオロメチル−7−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(5g)を用いたこと以外は実施例3と同様にして開環メタセシス重合して、3.9gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
【0210】
その後、この開環メタセシス重合体粉末2gを実施例3と同様にして水素添加反応を行った後、得られた開環メタセシス重合体水素添加物をろ過し、メタノールで開環メタセシス重合体の水素添加物を沈殿させ、乾燥して白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物(フッ素含有環状オレフィンポリマー)を1.36g得た。
【0211】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーの1H−NMRスペクトルから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められないことから、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは27,000、Mw/Mnは1.05であった。
【0212】
また、得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーを実施例3と同様にしてVUVスペクトルを測定した。この157nmでの吸収係数は1.082μm-1であった。
【0213】
【実施例5】
実施例1〜4で合成した開環メタセシス重合体の水素添加物の表1に示す分子モデルについてHOMOエネルギー差を分子軌道法計算ソフトウエアMOPAC93を用いて計算した。
【0214】
【表1】
Figure 0004236935
【0215】
【比較例1】
環状オレフィン系単量体として5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(5g)を用いたこと以外は実施例3と同様にして開環メタセシス重合して、4.9gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
【0216】
その後、この開環メタセシス重合体粉末2gを実施例3と同様にして水素添加反応を行った後、得られた開環メタセシス重合体水素添加物をろ過し、メタノールで開環メタセシス重合体の水素添加物を沈殿させ、乾燥して白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を1.89g得た。
【0217】
得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRスペクトルから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められないことから、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは37,000、Mw/Mnは1.09であった。
【0218】
また、得られた開環メタセシス重合体水素添加物を2重量%のメタキシレンヘキサフルオライド溶液に代えて2重量%のシクロヘキサン溶液に調製したこと以外は、実施例3と同様にしてVUVスペクトルを測定した。この157nmでの吸収係数は23.9μm-1であった。
【0219】
【比較例2】
環状オレフィン系単量体として8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(5g)を用いたこと以外は実施例3と同様にして開環メタセシス重合して、4.9gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
【0220】
その後、200mlのオートクレーブ中で、この開環メタセシス重合体粉末2gをTHF(50ml)に溶解して、水素添加触媒として予め調製したジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(2.0mg)とトリエチルアミン(0.8mg)のTHF(30ml)溶液を加え、水素圧8.1MPa、165℃で5時間水素添加反応を行った後、温度を室温まで戻し水素ガスを放出した。この開環メタセシス重合体水素添加物溶液をメタノールに加えて開環メタセシス重合体の水素添加物を沈殿させ、濾別分離後真空乾燥を行うことにより白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物1.79g得た。
【0221】
得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRスペクトルから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められないことから、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは60,000、Mw/Mnは1.08であった。
【0222】
また、得られた開環メタセシス重合体水素添加物を2重量%のメタキシレンヘキサフルオライド溶液に代えて2重量%のTHF溶液に調製したこと以外は、実施例3と同様にしてVUVスペクトルを測定した。この157nmでの吸収係数は32.3μm-1であった。
【0223】
【比較例3】
実施例1で得られた5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの開環メタセシス重合体粉末を水素添加せずに、2重量%のメタキシレンヘキサフルオライド溶液に調製し、CaF2基板上に滴下し、800rpmで塗布した。その後、160℃で乾燥してVUVスペクトルを測定した。このポリマーの157nmでの吸収係数は33μm-1であった。
【0224】
【比較例4】
実施例2で得られた5,6−ビストリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエンの開環メタセシス重合体粉末を水素添加せずに、2wt%のメタキシレンヘキサフルオライド溶液に調製し、CaF2基板上に滴下し、800rpmで塗布した。その後、160℃で乾燥してVUVスペクトルを測定した。このポリマーの157nmでの吸収係数は43μm-1であった。
【0225】
【実施例6】
表2に示す分子モデルについてHOMOエネルギー差を分子軌道法計算ソフトウエアMOPAC93を用いて計算した。
【0226】
【表2】
Figure 0004236935
【0227】
【参考例1】
表3に示す分子モデルについてHOMOエネルギー差を分子軌道法計算ソフトウエアMOPAC93を用いて計算した。
【0228】
【表3】
Figure 0004236935
【0229】
【実施例7】
(a)5,6−ジフルオロ−5−トリフルオロメチル−6−ペンタフルオロエチル−7−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの合成
70mlのオートクレーブにジシクロペンタジエン(6.3g)、ヒドロキノン(150mg)、オクタフルオロ−2−ブテン(20g)を加え、190℃で1時間加熱した後、得られた反応溶液を精密蒸留することで5,6−ジフルオロ−5,6−ビストリフルオロメチル−7−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(6.8g)を得た。
1H−NMR(δinCDCl3) 6.31(2H,s),3.30&3.23(2H,s&s),2.27&2.00(2H,m&m);13C−NMR(δ ppminCDCl3)135.1(dt),134,4(d),133.9(m),122.3(ddq,JCF=282.8Hz),122.0(dq,JCF=282.3Hz),103−100(m),100−97(m),48.6(d),46.9(d),45.0(bs)
(b)5,6−ジフルオロ−5,6−ビストリフルオロメチル−7−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの合成
70mlのオートクレーブにジシクロペンタジエン(6.3g)、ヒドロキノン(150mg)、デカフルオロー2―ペンテン(25g)を加え、室温で5日間攪拌した後、得られた反応溶液を精密蒸留することで5,6−ジフルオロ−5−トリフルオロメチル−6−ペンタフルオロエチル−7−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(8.7g)を得た。
1H−NMR(δinCDCl3) 6.33&6.29(2H,s&s),3.48,3.30&3.22(2H,s,s&s),2.25&1.90(2H, m&d);13C−NMR(δppminCDCl3)135.3(m),135.0(m),134.2(dt),122.0(tq,JCF=281.6Hz),118.8(dq,JCF=287.8Hz),112.0(m),104−101(m),101−98(m),49.5(m),49.2(m), 48.3(d),47.5(quint),47.2(quint),46.6(d),44.7(d),44.7(bs)
(c)5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビストリフルオロメチル−7−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの合成
70mlのオートクレーブにシクロペンタジエン(2.6g)、パーフルオロ−2−メチル−2−ペンテン(20g)を加え、60℃で4時間加熱した後、得られた反応溶液を精密蒸留することで5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビストリフルオロメチル−7−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(7.0g)を得た。
1H−NMR(δinCDCl3) 6.50,6.39&6.29(2H,m,m&m),3.52&3.38(2H,d&s),2.43,2.25&1.84(2H,dd,d&m);13C−NMR(δppminCDCl3)138.9(s),138.0(s),135.2(t),134.2(dd),123.7(dq,JCF=285.8Hz),123.4(tq,JCF=282.9Hz),123.2(qq,JCF=285.0Hz),121.3(mt,JCF=283.9Hz),114−103(m),68.5(m),51.1(m),50.8(m),50.3(m),49.9(m),48.0(s),47.8(d),45.8(bs)
(d)5,6−ジフルオロ−5−トリフルオロメチル−6−ヘプタフルオロイソプロピル−7−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの合成
70mlのオートクレーブにジシクロペンタジエン(6.0g)、ヒドロキノン(150mg)、パーフルオロ−4−メチル−2−ペンテン(30g)を加え、180℃で12時間加熱した後、得られた反応溶液を精密蒸留することで5,6−ジフルオロ−5−トリフルオロメチル−6−ヘプタフルオロイソプロピル−7−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(6.5g)を得た。
1H−NMR(δinCDCl3)6.37,6.30&6.26(2H,s,s&m),3.63,3.40,3.29&3.23(2H,s,s,s&d),2.23&1.94(2H,m&m);13C−NMR(δppminCDCl3)135.8(d),135.3(t),134.8(d),134.7(d),122.5(mq,JCF=281.1Hz),122.0(dq,JCF=282.9Hz),120.9(mq,JCF=286.2Hz),120.3(dq,JCF=287.5Hz),120.2(mq,JCF=287.9Hz),105−89(m),51.1(d),49.6(d),49.5(d),47.8(d),43.9(s)
(e)5,6,6,7,7,8,8,9−オクタフルオロトリシクロ[5.2.1.05,9]デカ−2−エンの合成
磁気撹拌装置を備えた50mlのオートクレーブにシクロペンタジエン(12.27g)とパーフルオロシクロプロペン(39.38g)、ヒドロキノン0.29gを加え、窒素で加圧した。150℃で72時間撹拌した後、得られた反応溶液を精密蒸留することで5,6,6,7,7,8,8,9−オクタフルオロトリシクロ[5.2.1.05,9]デカ−2−エン(18.27g)を得た。
1H−NMR(δinCDCl3)6.46(2H,s),6.11(2H,s),3.38(2H,s),3.23(2H,s),2.44(1H,d),2.19(1H,d),1.80(2H,m)13−CNMR(δinCDCl3)136.6(m),135.1(m),114.1(m,JCF=279.0Hz),113.2(m,JCF=275.8Hz),98.9(m,JCF=223.9Hz),48.9(m),45.1(m),41.4(m)
(f)5,6−ビス−ノナフルオロブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの合成
窒素雰囲気下で50mlの耐圧容器にtrans−5H,6H−オクタデカフルオロ−5−デセン(16.74g)、シクロペンタジエン(7.154g)、ヒドロキノン(0.150g)を入れ、70℃で44時間撹拌した。室温で静置後、2層に分離し、下層を減圧蒸留することにより、5,6−ビス−ノナフルオロブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(9.558g)を得た。
1H−NMR(δinC66)、1.30(1H,d),1.45(1H,d),2.39(1H,d),2.92(1H,m),2.96(1H,d),2.97(1H,m),5.94(2H,m);13C−NMR(δinC6D6)43.19(t),43.46(m)43.46(m)43.89(dd)44.41(m)48.19(d),109.71(t,JCF=267Hz),111.90(m,JCF=264Hz),117.9(tt,JCF=256Hz),118.3(qt,JCF=286Hz)136.1(d),136.4(s)
【0230】
【実施例8】
窒素雰囲気下で100mlのフラスコに実施例7で合成した5,6−ジフルオロ−5−トリフルオロメチル−6−ペンタフルオロエチル−7−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(3g)を入れメタキシレンヘキサフルオライド(24g)に溶解しマグネチックスターラーバーで攪拌を行った。これにMo(N−2,6−Pri 263)(CHBut)(OCMe(CF322(79.2mg)を加え室温で3日間反応させた。その後、ブチルアルデヒド(34mg)を加え30分間攪拌し、反応を停止させた。
【0231】
この開環メタセシス重合体溶液をメタノール(500ml)中に加えて開環メタセシス重合体を析出させ、濾過、メタノール洗浄し、真空乾燥して3.0gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
【0232】
その後、70mlのオートクレーブにこの開環メタセシス重合体粉末1.7gをTHFに溶解して、5%Rh/C(3g)を加え、水素圧10MPa、100℃で178時間水素添加反応を行った後、温度を室温まで戻し水素ガスを放出した。この開環メタセシス重合体水素添加物をろ過し、Rh/Cを除去した後、ろ液をメタノールに加えて開環メタセシス重合体の水素添加物を沈殿させ、濾別分離後真空乾燥して白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物(フッ素含有環状オレフィンポリマー)を1.6g得た。
【0233】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーの1H−NMRスペクトルと13C−NMRスペクトル(スペクトルを図3に示す。)から算出した水素添加率は、主鎖炭素中の二重結合に帰属するピークが認められないことから、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは27,800、Mw/Mnは1.29であった。
【0234】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーを6重量%のメタキシレンヘキサフルオライド溶液に調製し、CaF2基板上に滴下し、500rpmで塗布した。その後、100℃で減圧乾燥してVUVスペクトルを測定した。スペクトルを図2に示す。この157nmでの吸収係数は0.086μm-1であった。
13C−NMR(δ ppminTHF−d8)122.9(dq,JCF=283.5),104−102(m),102−99(m),48.6(d),48.5(d),42.7(d),33.3(bs),29.6(s),27.8(m),27.4(m),26.8(bs),26.3(m)
【0235】
【実施例9】
窒素雰囲気下で100mlのフラスコに実施例7で合成した5,6−ジフルオロ−5,6−ビストリフルオロメチル−7−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(3g)を入れメタキシレンヘキサフルオライド(24g)に溶解しマグネチックスターラーバーで攪拌を行った。これにW(N−2,6−Pri 263)(CHCHCMe2)(OCMe(CF322(P(OMe)3)(103mg)を加え室温で2日間反応させた。その後、ブチルアルデヒド(41mg)を加え30分間攪拌し、反応を停止させた。この開環メタセシス重合体溶液をメタノール中に加えて実施例8と同様の操作を行い3.0gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
【0236】
その後、70mlのオートクレーブにこの開環メタセシス重合体粉末0.5gをTHFに溶解して、5%Rh/C(2g)を加え、140℃で120時間水素添加反応を行い、次いで実施例8と同様操作を行い、白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物(フッ素含有環状オレフィンポリマー)を0.45g得た。
【0237】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーの1H−NMRスペクトルと13C−NMRスペクトル(スペクトルを図4に示す)から算出した水素添加率は主鎖炭素中の二重結合に帰属するピークが認められないことから、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは22,300、Mw/Mnは1.28であった。
【0238】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーを実施例8と同様にしてCaF2基板上に塗布し、VUVスペクトルを測定した。スペクトルを図2に示す。この157nmでの吸収係数は0.169μm-1であった。
13C−NMR(δppminTHF−d8)122.2(dq,JCF=285.7),118.5(tq,JCF=288.2),112.2(mt,JCF=264.2),104−102(m),102−100(m),100−99(m),48.8(m),47.3(bd),41.5(m),32.3(m),28.6(s),28−25(m)
【0239】
【実施例10】
窒素雰囲気下で100mlのフラスコに実施例7で合成した5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビストリフルオロメチル−7−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(4g)を入れメタキシレンヘキサフルオライド(32g)に溶解しマグネチックスターラーバーで攪拌を行った。これにW(N−2,6−Pri 263)(CHCHCMe2)(OCMe(CF322(P(OMe)3)(103mg)を加え室温で3日間反応させた。その後、ブチルアルデヒド(41mg)を加え30分間攪拌し、反応を停止させた。この開環メタセシス重合体溶液をメタノール中に加えて実施例8と同様の操作を行して1.3gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
【0240】
その後、70mlのオートクレーブにこの開環メタセシス重合体粉末1.0gをTHFに溶解して、水素添加触媒として5%Rh/Al23(0.5g)を加え、水素圧12MPa、140℃で86時間水素添加反応を行い、次いで実施例8と同様の操作をして白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物(フッ素含有環状オレフィンポリマー)を0.9g得た。
【0241】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーの1H−NMRスペクトルと13C−NMRスペクトルから算出した水素添加率は主鎖炭素中の二重結合に帰属するピークが認められないことから、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは9,800、Mw/Mnは1.09であった。
【0242】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーを実施例8と同様にしてCaF2基板上に塗布し、VUVスペクトルを測定した。この157nmでの吸収係数は0.223μm-1であった。
【0243】
【実施例11】
窒素雰囲気下で100mlのフラスコに実施例7で合成した5,6−ジフルオロ−5−トリフルオロメチル−6−ヘプタフルオロイソプロピル−7−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(3g)を入れメタキシレンヘキサフルオライド(28g)に溶解しマグネチックスターラーバーで攪拌を行った。これにMo(N−2,6−Pri 263)(CHBut)(OCMe(CF322(79.3mg)を加え室温で3日間反応させた。その後、ブチルアルデヒド(36mg)を加え30分間攪拌し、反応を停止させた。この開環メタセシス重合体溶液をメタノール中に加えて実施例10と同様にして2.5gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
【0244】
その後、70mlのオートクレーブにこの開環メタセシス重合体粉末0.9gをTHFに溶解して、5%Rh/Al23(0.5g)を加え、水素圧11MPa、140℃で66時間水素添加反応を行い、次いで実施例10と同様の操作をして白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物(フッ素含有環状オレフィンポリマー)を0.8g得た。
【0245】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーの1H−NMRスペクトルと13C−NMRスペクトルから算出した水素添加率は、主鎖炭素中の二重結合に帰属するピークが認められないことから、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは15,000、Mw/Mnは1.05であった。
【0246】
得られた開環メタセシス重合体水素添加物を実施例10と同様にしてCaF2基板上に塗布し、VUVスペクトルを測定した。この157nmでの吸収係数は0.187μm-1であった。
【0247】
【実施例12】
窒素雰囲気下で100mlのフラスコに実施例7で合成した5,6,6,7,7,8,8,9−オクタフルオロトリシクロ[5.2.1.05,9]デカ−2−エン(7.042g)を入れメタキシレンヘキサフルオライド(50g)に溶解しマグネチックスターラーバーで攪拌を行った。これにMo(N−2,6−Pri 263)(CHBut)(OCMe(CF322(178mg)を加え室温で64時間反応させた。その後、ブチルアルデヒド(82mg)を加え30分間攪拌し、反応を停止させた。この開環メタセシス重合体溶液を減圧下で溶媒を留去した後、アセトン(20ml)に溶解させ、メタノール水(メタノール:水=1:1)に加えて実施例10と同様にして5.64gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
【0248】
その後、70mlのオートクレーブにこの開環メタセシス重合体粉末2gをTHFに溶解して、5%Rh/Al23をRhブラック(0.7g)に代えたこと以外は実施例10と同様にして水素添加反応を行い、次いで実施例10と同様の操作をして白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物(フッ素含有環状オレフィンポリマー)を1.6g得た。
【0249】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーの1H−NMRスペクトルと13C−NMRスペクトルから算出した水素添加率は主鎖炭素中の二重結合に帰属するピークが認められないことから、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは23,000、Mw/Mnは1.19であった。
【0250】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーを実施例10と同様にしてCaF2基板上に塗布し、VUVスペクトルを測定した。この157nmでの吸収係数は0.126μm-1であった。
【0251】
【実施例13】
窒素雰囲気下で50mlのフラスコに実施例7で合成した5,6−ビス(ノナフルオロブチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(2.1g)を入れトリフルオロメチルベンゼン(18.2g)に溶解しマグネチックスターラーバーで攪拌を行った。これにMo(N−2,6−Pri 263)(CHCMe3)(OCMe(CF322(26.6mg)を加え室温で6時間反応させた。その後、ブチルアルデヒド(14mg)を加え30分間攪拌し、反応を停止させた。この開環メタセシス重合体溶液を、メタノール−1N塩酸混合溶液(メタノール:1N塩酸=100:1)に加えて実施例10と同様にして2.0gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
【0252】
その後、70mlのオートクレーブにこの開環メタセシス重合体粉末2gをTHFに溶解して、実施例10と同様にして水素添加反応を行い、次いで実施例10と同様の操作をして白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物(フッ素含有環状オレフィンポリマー)を1.9g得た。
【0253】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーの1H−NMRスペクトルと13C−NMRスペクトルから算出した水素添加率は主鎖炭素中の二重結合に帰属するピークが認められないことから、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは53,000、Mw/Mnは1.10であった。
【0254】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーを実施例10と同様にしてCaF2基板上に塗布し、VUVスペクトルを測定した。この157nmでの吸収係数は0.091μm-1であった。
【0255】
【実施例14】
実施例8で合成したフッ素含有環状オレフィンポリマーをメタキシレンヘキサフルオライドに5wt%になるように溶解し、テフロン(登録商標)製のメンブレンフィルター(細孔径;1.0μm)で濾過し、塗布溶液を調製し、ガラス基板上にスピンコーターで800rpmの回転速度にて均一な薄膜を塗布した。その後、真空下80℃にて5時間加熱処理をしてガラス基板上に透明な膜を得た。
【0256】
ペリクル枠表面に接着層を塗布した内径2cmのアルミニウム製の枠を加熱し、この膜に圧着した。接着が完了した後ガラス基板からペリクル枠を剥離して膜厚0.8μmの均一な薄膜を得た。
【0257】
得られた薄膜のVUVスペクトルを測定した。スペクトルを図5に示す。この157nmでの吸収係数は0.050μm-1であった。
【0258】
【実施例15】
窒素雰囲気下で100mlのフラスコに5,6−ジフルオロ−5−トリフルオロメチル−6−ペンタフルオロエチル−7−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(3g)とデカフルオロシクロヘキセン(1g)を入れメタキシレンヘキサフルオライド(24g)に溶解しマグネチックスターラーバーで攪拌を行った。これにW(N−2,6−Pri 263)(CHCHCMe2)(OC(CF332(P(OMe)3)(110mg)を加え室温で3日間反応させた。その後、ブチルアルデヒド(34mg)を加え30分間攪拌し、反応を停止させた。
【0259】
この開環メタセシス重合体溶液をメタノール(500ml)中に加えて開環メタセシス重合体を析出させ、濾過、メタノール洗浄し、真空乾燥して3.5gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
【0260】
その後、70mlのオートクレーブにこの開環メタセシス重合体粉末3.0gをTHFに溶解して、5%Rh/C(3g)を加え、水素圧10MPa、100℃で120時間水素添加反応を行い、次いで実施例8と同様の操作をして白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物(フッ素含有環状オレフィンポリマー)を3.0g得た。
【0261】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーの1H−NMRスペクトルと13C−NMRスペクトルから算出した水素添加率は主鎖炭素中の二重結合に帰属するピークが認められないことから、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは35,200、Mw/Mnは1.30であった。
【0262】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーを6wt%のメタキシレンヘキサフルオライド溶液に調製し、CaF2基板上に滴下し、500rpmで塗布した。その後、100℃で減圧乾燥してVUVスペクトルを測定した。この157nmでの吸収係数は0.043μm-1であった。
【0263】
【実施例16】
実施例15においてデカフルオロシクロヘキセン(1g)に代えてパーフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−エン(1.5g)を用いたこと以外は実施例15と同様にして4.3gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
【0264】
その後、70mlのオートクレーブ中でこの開環メタセシス重合体粉末3.0gをTHFに溶解して、実施例15と同様にして水添反応を行い白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物(フッ素含有環状オレフィンポリマー)を3.0g得た。
【0265】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーの1H−NMRスペクトルと13C−NMRスペクトルから算出した水素添加率は主鎖炭素中の二重結合に帰属するピークが認められないことから、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは43,400、Mw/Mnは1.27であった。
【0266】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーを6wt%のメタキシレンヘキサフルオライド溶液に調製し、CaF2基板上に滴下し、500rpmで塗布した。その後、100℃で減圧乾燥してVUVスペクトルを測定した。この157nmでの吸収係数は0.039μm-1であった。
【0267】
【実施例17】
実施例15においてデカフルオロシクロヘキセン(1g)に代えて6−トリフルオロメチル−7−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−カルボン酸−1,1−ビス(トリフルオロメチル)エチルエステル(1.5g)を用いたこと以外実施例15と同様にして4.5gの開環メタセシス重合体粉末を得た。その後、70mlのオートクレーブにこの開環メタセシス重合体粉末3.0gをTHFに溶解して、実施例15と同様にして水添反応を行い白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物(フッ素含有環状オレフィンポリマー)を3.0g得た。
【0268】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーの1H−NMRスペクトルと13C−NMRスペクトルから算出した水素添加率は主鎖炭素中の二重結合に帰属するピークが認められないことから、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは38,900、Mw/Mnは1.35であった。
【0269】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーを6wt%のメタキシレンヘキサフルオライド溶液に調製し、CaF2基板上に滴下し、500rpmで塗布した。その後、100℃で減圧乾燥してVUVスペクトルを測定した。この157nmでの吸収係数は1.23μm-1であった。
【0270】
【実施例18】
実施例17で得たフッ素含有環状オレフィンポリマー2.0gおよびビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート0.04gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート15gに溶解した後、0.1μmのミクロフィルターで濾過してポジ型フォトレジスト溶液を調製した。
【0271】
次いで、このフォトレジスト溶液をスピンコーターでシリコンウエハー上に塗布し、ホットプレート上で110℃にて90秒間乾燥することにより、膜厚0.5μmのポジ型フォトレジスト層を形成した。
【0272】
さらに、ArF露光装置(ニコン社製、NA=0.55)により、ArFエキシマレーザー光(193nm)を選択的に照射したのち、100℃で90秒間加熱処理後、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間現像し、30秒間蒸留水にて水洗して乾燥し、レジストパターンプロファイルを得た。
【0273】
このような操作で形成された0.18μmのラインアンドスペースが1:1に形成される露光時間を感度としてmJ/cm2(エネルギー量)単位で測定したところ、25mJ/cm2であった。
【0274】
さらに、このようにして形成された0.18μmのレジストパターンの断面形状をSEM(走査型電子顕微鏡、日立製作所製、S−4500)写真により観察したところ、基板に対して垂直な矩形のレジストパターンであった。この時にパターン倒れはなかった。
【0275】
以上のように、F2(157nm)の波長において充分な透明性を有し、かつArF露光において良好なパターン形成能を示すことから、本ポリマーはF2レーザー用レジストポリマーとして有用であることが分かった。
【0276】
【実施例19】
実施例8で合成したフッ素含有環状オレフィンポリマーをメタキシレンヘキサフロライドに5wt%になるように溶解し、テフロン(登録商標)製のメンブランフィルタ(細孔径:1.0μm)で濾過して塗布溶液を調製した。
【0277】
この溶液を用い、スピンコーターで800rpmの回転速度にして、ガラス基板(サイズ:200mm×200mm)上に均一に塗布した。
その後、真空下80℃にて5時間の加熱処理により溶媒を乾燥して、ガラス基板上に透明なフッ素含有環状オレフィンポリマー膜を得た。その後、ABS樹脂からなる仮枠(サイズ:外寸220mm角×内寸180mm角)を用いて、本ポリマー膜をガラス基板から剥離し、ポリマー単独の自立膜を作製した。このポリマー膜の膜厚は0.8μmであった。
【0278】
アルミニウム合金製のペリクル枠(サイズ:長辺149mm×短辺124mm×高さ6.3mm、肉厚2mm)の一方の側面にフッ素系接着剤を塗布し、上記仮枠からフッ素含有環状オレフィンポリマー膜を移し取ることにより、ペリクルを作製した。得られたペリクル膜についてVUVスペクトルを測定した。この157nmでの吸収係数は0.050μm-1であった。
【0279】
作製したペリクルをマスクの防塵膜として利用し、実施例18と同様にArF露光装置(ニコン社製、NA=0.55)で0.18μmのレジストパターンを形成したところ、基板に対して垂直な矩形のレジストパターンであった。この時にパターン倒れはなく、F2(157nm)の波長において充分な透明性を有し、かつArF露光において良好なパターン形成能を示すことから、本発明に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーはF2レーザー用ペリクルとして有用であることが分かった。
【0280】
さらに、波長157nmのレーザー光を64mJ/cm2で照射した後にVUVスペクトルを測定した。吸収係数は0.050μm-1であり、変化が認められないことからポリマーの劣化による透明性の悪化はなく、耐光性は良好であることが判った。
【0281】
【実施例20】
実施例15で用いた5,6−ジフルオロ−5−トリフルオロメチル−6−ペンタフルオロエチル−7−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに代えて3−トリフルオロメチル−7−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−3−カルボン酸−tert−ブチルエステルを用い、デカフルオロシクロヘキセンの代えて5,6−ビストリフルオロメチル−7−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエンを用い、さらに触媒として用いたW(N−2,6−Pri 263)(CHCHCMe2)(OC(CF332(P(OMe)3)の量を250mgとした以外は、実施例15と同様に開環メタセシス重合および水添反応を行い、白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物(フッ素含有環状オレフィンポリマー)を2.3g得た。
【0282】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーの1H−NMRスペクトルと13C−NMRスペクトルから算出した水素添加率は主鎖炭素中の二重結合に帰属するピークが認められないことから、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは18,200、Mw/Mnは1.27であった。
【0283】
この得られたフッ素含有環状オレフィンポリマー2.0gを、500mlのフラスコ中でメタキシレンヘキサフロライド200ml、トリフルオロ酢酸0.4mlからなる溶液に加え、70℃で1時間攪拌し、溶媒留去の後、さらにメタキシレンヘキサフロライドに溶解させ、得られた溶液をメタノールに加え、ポリマーを沈殿、濾過し、真空乾燥して白色粉末状の部分的に加水分解した開環メタセシス重合体の水素添加物1.6gを得た。得られた重合体は15モル%のエステル基が加水分解されていた。この部分的に加水分解した開環メタセシス重合体の水素添加物のGPCで測定した数平均分子量Mnは16,900、Mw/Mnは1.29であった。
【0284】
得られた部分的に加水分解した開環メタセシス重合体水素添加物を6wt%のメタキシレンヘキサフルオライド溶液に調製し、CaF2基板上に滴下し、500rpmで塗布した。その後、100℃で減圧乾燥してVUVスペクトルを測定した。この157nmでの吸収係数は1.42μm-1であった。
【0285】
【実施例21】
実施例20で得られたフッ素含有環状オレフィンポリマー2.0gおよびトリフェニルスルホニウムトリフレート0.02gを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート13gに溶解した後、0.1μmのミクロフィルターで濾過してポジ型フォトレジスト溶液を調製した。
【0286】
次いで、このフォトレジスト溶液をスピンコーターでシリコンウエハー上に塗布し、ホットプレート上で110℃にて90秒間乾燥することにより、膜厚0.5μmのポジ型フォトレジスト層を形成した。次いで、ArF露光装置(ニコン社製、NA=0.55)により、ArFエキシマレーザー光(193nm)を選択的に照射したのち、100℃で90秒間加熱処理後、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間現像し、30秒間蒸留水にて水洗して乾燥し、レジストパターンプロファイルを得た。
【0287】
このような操作で形成された0.18μmのラインアンドスペースが1:1に形成される露光時間を感度としてmJ/cm2(エネルギー量)単位で測定したところ、20mJ/cm2であった。
【0288】
さらに、このようにして形成された0.18μmのレジストパターンの断面形状をSEM(走査型電子顕微鏡、日立製作所製、S−4500)写真により観察したところ、基板に対して垂直な矩形のレジストパターンであった。この時にパターン倒れはなかった。
【0289】
以上のように、F2(157nm)の波長において充分な透明性を有し、かつArF露光において良好なパターン形成能を示すことから、本発明に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーはF2レーザー用レジストポリマーとして有用であることが分かった。
【0290】
【実施例22】
実施例8と同様にして5,6−ジフルオロ−5−トリフルオロメチル−6−ペンタフルオロエチル−7−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(3g)をメタキシレンヘキサフルオライド(24g)に溶解し攪拌下でMo(N−2,6−Pri 263)(CHBut)(OCMe(CF322(79.2mg)を加え室温で3日間反応させた。その後、ブチルアルデヒド(34mg)を加え30分間攪拌し、反応を停止させた。この開環メタセシス重合体溶液について実施例8と同様の操作をして開環メタセシス重合体を析出させ、濾過、メタノール洗浄し、真空乾燥して3.0gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
【0291】
その後、100mlのテフロンライニングのオートクレーブにこの開環メタセシス重合体粉末2.7gをメタキシレンヘキサフルオライドに溶解して、フッ化水素ガスを0.35g導入し、窒素で加圧して30℃で100時間付加反応を行った後、温度を室温で窒素置換した後、50℃で残留フッ化水素ガスを窒素置換して放出した。この開環メタセシス重合体フッ化水素添加物をメタノールに加えて沈殿させ、十分な水洗いおよび熱水洗いをして、濾別分離後真空乾燥して白色粉末状の開環メタセシス重合体フッ化水素添加物(フッ素含有環状オレフィンポリマー)を2.8g得た。
【0292】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーの1H−NMRスペクトルと13C−NMRスペクトルから算出した水素添加率は主鎖炭素中の二重結合に帰属するピークが認められないことから、GPCで測定した重量平均分子量Mwは32,700、Mw/Mnは1.39であった。
【0293】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーを実施例8と同様にしてCaF2基板上に塗布した。その後、100℃で減圧乾燥してVUVスペクトルを測定した。この157nmでの吸収係数は0.066μm-1であった。
【0294】
【実施例23】
実施例22と同様に重合した開環メタセシス重合体粉末1.7gを40時間の水素添加反応を行ったこと以外は実施例22と同様にして開環メタセシス重合体水素添加物を1.7g得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRスペクトルから水素添加率は40%であり、部分的に水素添加されている物であった。
【0295】
その後、100mlのテフロンライニングのオートクレーブにこの開環メタセシス重合体水素添加物をメタキシレンヘキサフルオライドに溶解して、フッ素ガスを0.40g導入し、窒素で加圧して30℃で100時間付加反応を行った後、温度を室温で窒素置換した後、50℃で残留フッ素ガスを窒素置換して放出した。この開環メタセシス重合体水素/フッ素添加物をメタノールに加えて沈殿させ、十分な水洗いおよび熱水洗いをして、濾別分離後真空乾燥して白色粉末状の開環メタセシス重合体水素/フッ素添加物(フッ素含有環状オレフィンポリマー)を1.9g得た。
【0296】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーの1H−NMRスペクトルと13C−NMRスペクトルには二重結合に帰属するピークが認められず、GPCで測定した重量平均分子量Mwは31,500、Mw/Mnは1.33であった。
【0297】
得られたフッ素含有環状オレフィンポリマーを実施例22と同様にしてCaF2基板上に塗布した。その後、100℃で減圧乾燥してVUVスペクトルを測定した。この157nmでの吸収係数は0.073μm-1であった。
【0298】
【実施例24】
実施例1〜4および実施例8〜11で合成したフッ素含有環状オレフィンポリマーを表4に示すそれぞれの屈折率、193nmおよびび400nmの波長での光透過率、ガラス転移温度(Tg)および5%分解温度(Td5)を測定した。
【0299】
【表4】
Figure 0004236935
【0300】
【比較例5】
比較例1および2で合成した環状オレフィンポリマーについて、それぞれ表5に示す屈折率、193nmおよび400nmの波長での光透過率、ガラス転移温度(Tg)およびび5%分解温度(Td5)を測定した。
【0301】
【表5】
Figure 0004236935
【0302】
【発明の効果】
本発明のフッ素含有環状オレフィンポリマーは、真空紫外線領域での光の透過性に優れる。また、電気特性、耐熱性、基板密着性および光分解による劣化が少なく、耐光性に優れ、真空紫外線による半導体製造に用いられるペリクルやフォトレジスト材料または光学材料に適した重合体であり、また、フッ素含有環状オレフィン単量体およびポリマーの製造方法は工業的に極めて価値がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例1および実施例2のフッ素含有ポリマーのUVスペクトルを示す。
【図2】 図2は、実施例8および実施例9のフッ素含有環状オレフィンポリマーのVUVスペクトルを示す。
【図3】 図3は、実施例8のフッ素含有環状オレフィンポリマーの13C−NMRスペクトルを示す。
【図4】 図4は、実施例9のフッ素含有環状オレフィンポリマーの13C−NMRスペクトルを示す。
【図5】 図5は、実施例14のフッ素含有環状オレフィンポリマーから製膜したペリクル膜のVUVスペクトルを示す。
【図6】 図6は、ペリクルの簡単な構造図を示す。
【符号の説明】
1: ペリクル膜(Membrane)
2: 膜接着剤(Membrane Adhesive)
3: フレーム(Frame)
4: マスク接着剤(Mask Adhesive)
5: ライナー(Liner)
6: 内壁粘着剤(Tacky Agent)

Claims (11)

  1. 少なくとも下記式〔1〕で表される繰返し単位構造を有するポリマーであり、
    該単位構造の両末端にメチルを結合させた分子モデルと、そのフッ素を水素で置換した同じ炭素骨格の分子モデルとの間のHOMO分子軌道エネルギー差が0.2eV〜1.5eVであり、
    かつ、157nmの紫外線に対する吸収係数が3.0μm-1以下であるフッ素含有環状オレフィンポリマーを用いた
    露光光源波長が157nmであるリソグラフィ用光学部材
    Figure 0004236935
    (式(1)中、R1〜R12およびX1のうち少なくとも1つは、下記フッ素またはフッ素を含有する基であって、かつ
    1〜R12は、フッ素またはフッ素を含有する炭素数1〜20のアルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のアリール、フッ素を含有する炭素数1〜20のケイ素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のアルコキシ、フッ素を含有する炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、フッ素を含有する炭素数2〜20のアルキルカルボニル、フッ素を含有する炭素数3〜20のエステル基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20の塩素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20の臭素含有アルキルおよびフッ素を含有する炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルから選ばれるフッ素を含有する基であり、
    1は、−CRab−、−NRa−および−PRa−(但し、−CRab−はRaおよびRbのうち少なくとも1つ、−NRa−および−PRa−はRaが、フッ素、フッ素を含有する炭素数1〜20のアルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のケイ素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のアルコキシ、フッ素を含有する炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、フッ素を含有する炭素数2〜20のアルキルカルボニル、フッ素を含有する炭素数3〜20のエステル基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20の塩素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20の臭素含有アルキルおよびフッ素を含有する炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルから選ばれる。)から選ばれるフッ素を含有する基であり、
    フッ素またはフッ素を含有する基であるR1〜R12以外のR1〜R12が、水素または炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のケイ素含有アルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、カルボニル、炭素数2〜20のアルキルカルボニル、シアノ、炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル、炭素数3〜20のエステル基含有アルキル、炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル、ヒドロキシカルボニル、炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル、ヒドロキシ、炭素数1〜20のヒドロキシ基含有アルキル、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜20の塩素含有アルキル、炭素数1〜20の臭素含有アルキルおよび炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルから選ばれる基であり、
    1がフッ素を含有する基であるとき以外のRaおよびRbが、水素、または炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のケイ素含有アルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、カルボニル、炭素数2〜20のアルキルカルボニル、シアノ、炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル、炭素数3〜20のエステル基含有アルキル、炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル、ヒドロキシカルボニル、炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル、ヒドロキシ、炭素数1〜20のヒドロキシ基含有アルキル、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜20の塩素含有アルキル、炭素数1〜20の臭素含有アルキルおよび炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルから選ばれる基であり、
    また、X1は、−O−または−S−から選ばれてもよく、
    1、R2、R11およびR12のうち少なくとも2つが、互いに結合して環構造を形成していてもよく、
    nは、0または1〜3の整数を示す。)。
  2. 上記フッ素含有環状オレフィンポリマーが、下記式(2)または下記式(3)で表される少なくとも1種類の環状オレフィン系単量体を重合することによって製造されることを特徴とする請求項1に記載のフッ素含有環状オレフィンポリマーを用いた
    露光光源波長が157nmであるリソグラフィ用光学部材
    Figure 0004236935
    Figure 0004236935
    (式(2)において、R1〜R12およびX1のうち少なくとも1つ、式(3)において、R1〜R10およびX1のうち少なくとも1つは、フッ素またはフッ素を含有する基であって、かつ
    式(2)中のR1〜R12および式(3)中のR1〜R10は、フッ素またはフッ素を含有する炭素数1〜20のアルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のアリール、フッ素を含有する炭素数1〜20のケイ素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のアルコキシ、フッ素を含有する炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、フッ素を含有する炭素数2〜20のアルキルカルボニル、フッ素を含有する炭素数3〜20のエステル基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20の塩素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20の臭素含有アルキルおよびフッ素を含有する炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルから選ばれるフッ素を含有する基であり、
    式(2)および式(3)中X1は、−CRab−、−NRa−および−PRa−(但し、−CRab−はRaおよびRbのうち少なくとも1つ、−NRa−および−PRa−はRaが、フッ素またはフッ素を含有する炭素数1〜20のアルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のケイ素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20のアルコキシ、フッ素を含有する炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、フッ素を含有する炭素数2〜20のアルキルカルボニル、フッ素を含有する炭素数3〜20のエステル基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20の塩素含有アルキル、フッ素を含有する炭素数1〜20の臭素含有アルキルおよびフッ素を含有する炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルから選ばれる。)から選ばれるフッ素を含有する基であり、
    式(2)においてフッ素またはフッ素を含有する基であるR1〜R12以外のR1〜R12および式(3)においてフッ素またはフッ素を含有する基であるR1〜R10以外のR1〜R10は、水素または炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のケイ素含有アルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、カルボニル、炭素数2〜20のアルキルカルボニル、シアノ、炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル、炭素数3〜20のエステル基含有アルキル、炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル、ヒドロキシカルボニル、炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル、ヒドロキシ、炭素数1〜20のヒドロキシ基含有アルキル、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜20の塩素含有アルキル、炭素数1〜20の臭素含有アルキルおよび炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルから選ばれる基であり、
    式(2)および(3)においてX1がフッ素を含有する基であるとき以外のRaおよびRbは、水素、または炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のケイ素含有アルキル、
    炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、カルボニル、炭素数2〜20のアルキルカルボニル、シアノ、炭素数2〜20のシアノ基含有アルキル、炭素数3〜20のエステル基含有アルキル、炭素数2〜20のエーテル基含有アルキル、ヒドロキシカルボニル、炭素数2〜20のカルボキシ基含有アルキル、ヒドロキシ、炭素数1〜20のヒドロキシ基含有アルキル、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜20の塩素含有アルキル、炭素数1〜20の臭素含有アルキルおよび炭素数1〜20のヨウ素含有アルキルから選ばれる基であり、また、X1は、−O−または−S−から選ばれてもよく、
    式(2)中、R1、R2、R11およびR12が互いに結合して環構造を形成していてもよく、式(3)中、R1およびR2が互いに結合して環構造を形成していてもよく、
    nは、0または1〜3の整数を示す。)。
  3. 上記フッ素含有環状オレフィンポリマーが、上記式(2)または式(3)で表される少なくとも1種類の環状オレフィン系単量体を開環メタセシス重合し、得られた開環メタセシス重合体を、水素添加、フッ化水素添加およびフッ素添加の少なくともいずれか1つをすることによって製造されることを特徴とする請求項2に記載のフッ素含有環状オレフィンポリマーを用いた
    露光光源波長が157nmであるリソグラフィ用光学部材
  4. 上記式(2)中のR1〜R12に含まれる全フッ素原子数の総和および式(3)中のR1〜R10に含まれる全フッ素原子数の総和が、3以上であることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載のフッ素含有環状オレフィンポリマーを用いた
    露光光源波長が157nmであるリソグラフィ用光学部材
  5. 上記フッ素含有環状オレフィンポリマーが、上記式(2)または式(3)で表される、R1〜R12、R1〜R10、X1およびnの少なくとも1つが互いに異なる2種類以上の環状オレフィン系単量体から製造されることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のフッ素含有環状オレフィンポリマーを用いた
    露光光源波長が157nmであるリソグラフィ用光学部材
  6. 上記フッ素含有環状オレフィンポリマーが、上記式(2)または式(3)において、X1が、−CRab−である少なくとも1種類の環状オレフィン系単量体と、X1が、−O−である少なくとも1種類の環状オレフィン単量体から製造されることを特徴とする請求項2〜4に記載のフッ素含有環状オレフィンポリマーを用いた
    露光光源波長が157nmであるリソグラフィ用光学部材
  7. 上記フッ素含有環状オレフィンポリマーが、上記式(2)または式(3)で表される環状オレフィン系単量体と、フッ素含有モノシクロオレフィンとから製造されることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のフッ素含有環状オレフィンポリマーを用いた
    露光光源波長が157nmであるリソグラフィ用光学部材
  8. 上記フッ素含有環状オレフィンポリマーの、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、500〜1,000,000の範囲にあることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のフッ素含有環状オレフィンポリマーを用いた
    露光光源波長が157nmであるリソグラフィ用光学部材
  9. 前記光学部部材が、薄膜、被覆材またはペリクルである請求項1〜8のいずれかに記載のフッ素含有環状オレフィンポリマーを用いた
    露光光源波長が157nmであるリソグラフィ用光学部材
  10. 前記光学部材が、フォトレジストである請求項1〜8のいずれかに記載のフッ素含有環状オレフィンポリマーを用いた、
    露光光源波長が157nmであるリソグラフィ用光学部材。
  11. 請求項9または請求項10に記載の、露光光源波長が157nmであるリソグラフィ用光学部材の少なくとも何れか1つを利用することを特徴とするリソグラフィによるパターン形成方法。
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