JPH06199997A - 重合体の製造法 - Google Patents

重合体の製造法

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JPH06199997A
JPH06199997A JP1669193A JP1669193A JPH06199997A JP H06199997 A JPH06199997 A JP H06199997A JP 1669193 A JP1669193 A JP 1669193A JP 1669193 A JP1669193 A JP 1669193A JP H06199997 A JPH06199997 A JP H06199997A
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JP
Japan
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polymer
dodecene
heptene
group
trifluoromethyl
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Application number
JP1669193A
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English (en)
Inventor
Toshitaka Otsuki
敏敬 大月
Keiichi Yamamoto
圭一 山本
Akira Iio
章 飯尾
Noboru Oshima
昇 大嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】フッ素原子を有する特定のノルボルネン系単量
体をメタセシス開環重合し、さらに水素添加することを
特徴とする。 【効果】低吸水性、耐熱性、耐熱分解性、耐薬品性に優
れ、かつ低誘電率である透明熱可塑性樹脂を得ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学特性、耐熱性、耐
熱分解性、電気特性、耐薬品性等に優れた重合体の製造
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年において、透明樹脂は自動車部品、
照明機器、電気部品など通常の透明性が要求される成形
材料として使用される以外に、光学的性質を重要視する
光学材料としての応用が進みつつある。こうした用途に
好適に用いられる透明樹脂として、ノルボルネン誘導体
よりなる単量体をメタセシス開環重合させて得られる開
環重合体およびその水素添加物が知られており、これら
の開環重合体および水素添加物は透明性、低吸水性、低
複屈折性、高耐熱性を兼ね備えているものである。しか
しながら、これらの樹脂は耐薬品性、電気特性(低誘電
性)等の点で満足すべき物ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は以上のよう
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は光
学特性、耐熱性、耐熱分解性、電気特性、耐薬品性に優
れかつ低誘電率である樹脂の製造法を提供することにあ
る。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、光学特
性、耐熱性、耐熱分解性、電気特性、耐薬品性等に優れ
た樹脂を開発すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のフッ
素系置換基と多環状構造を有する重合体が、従来提案さ
れてきた樹脂材料では得られない低誘電率に加え、低吸
水性、高耐熱性、耐熱分解性、耐薬品性、透明性を兼ね
備えていることを見いだし、本発明に到達した。
【0005】すなわち、本発明は下記一般式1および/
または一般式2で表されるノルボルネン系モノマー(以
下、「特定単量体」という)をメタセシス開環重合触媒
の存在下に重合し、さらに水添することを特徴とする重
合体の製造法を提供するものである。
【化3】
【化4】 (一般式1および一般式2中、Xは水素原子の少なくと
も1つがフッ素原子で置換された炭素数1〜10の炭化
水素基またはフッ素原子であり、A、BおよびYは水素
原子またはハロゲン原子または1価の有機基を示す)
【0006】以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に用いられる特定単量体としては、前記一般式1
および一般式2で表わされる化合物が用いられる。ここ
で、一般式1および2における水素原子の少なくとも一
つがフッ素原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素
基の具体例としては、モノフルオロメチル基、ジフルオ
ロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエ
チル基、ヘプタフルオロイソプロピル基などであり、ハ
ロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子な
どを、1価の有機基としてはメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフ
ルオロエトキシ基、ヘプタフルオロイソプロピル基など
が挙げられる。これら特定化合物の具体例としては、5
−フルオロビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]−2−ヘプ
テン、5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]−2
−ヘプテン、5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.
2.1]−2−ヘプテン、5,5,6,6−テトラフル
オロビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,5,
6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ
[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジフルオロ−
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.
2.1]−2−ヘプテン、5,5−ジフルオロ−6,6
−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]
−2−ヘプテン、5−トリフルオロメチルビシクロ
[2.2.1]−2−ヘプテン、5,5−ビス(トリフ
ルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテ
ン、5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ
[2.2.1]−2−ヘプテン、5,5,6−トリス
(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]−2−
ヘプテン、5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−
6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.
2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジフルオロ−5−ヘ
プタフルオロイソプロピル−6−トリフルオロメチルビ
シクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,5,6,6
−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.
2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジクロロ−5,6−
ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]−
2−ヘプテン、5−クロロ−5,6,6−トリフルオロ
ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−フルオロ
メチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−ペ
ンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプ
テン、5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ
[2.2.1]−2−ヘプテン、5,5,6−トリフル
オロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.
2.1]−2−ヘプテン、5,5,6−トリフルオロ−
6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]−2
−ヘプテン、5−トリフルオロメチルビシクロ[2.
2.1]ヘプタ−2,5−ジエン、2,5−ビス(トリ
フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,
5−ジエン、等が挙げられる。これらの化合物のうち
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビ
シクロ[2.2.1]−2−ヘプテンが、ガラス転移温
度と誘電率のバランスの上から好ましい。
【0007】本願の重合体の製造法において、特定の単
量体には共重合可能な他の単量体を単量体の90重量%
以下共重合することができる。共重合可能な単量体とし
ては、8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]−3−ドデセン、8,8−ジフルオロ
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、、8,8,9−
トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、8,8,9,9−テトラフルオ
ロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−
ドデセン、8−モノフルオロメチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−ジフル
オロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−トリフルオロメチルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,1 0]−3−ドデセン、8,
9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,1 0]−3−ドデセン、8,8,9
−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−フルオ
ロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフ
ルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、8,9−ジフルオロ−8−ヘプ
タフルオロイソプロピル−9−トリフルオロメチルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチ
ル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−
メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,1 0]−3−ドデセン、8,8,9
−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−
クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17 ,1 0]−3−ドデセン、8,9−ジ
フルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロ
メチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
−3−ドデセン、8−クロロ−8,9,9−トリフルオ
ロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17 ,1 0]−3−
ドデセン、8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフル
オロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、8,8,9−トリフルオロ−9
−ヘプタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,8,9−ト
リフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、3−
トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]ドデカ−3,8−ジエン、3,4−ビ
ス(トリフルオロメチル)[4.4.0.12,5.1
7,10]ドデカ−3,8−ジエン、ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、テトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセン、トリシクロ[5.2.
1.02,6]−8−デセン、ペンタシクロ[6.5.
1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、トリ
シクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、5−
カルボキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−メチル−5−カルボキシメチルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−カルボキシメチ
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−
ドデセン、8−カルボキシエチルテトラシクロ[4.
4.0.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシn−
プロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
−3−ドデセン、8−カルボキシイソプロピルテトラシ
クロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−カルボキシn−ブチルテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カ
ルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシエ
チルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシn−プロピル
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17 ,10]−3−ド
デセン、8−メチル−8−カルボキシイソプロピルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17 ,10]−3−ドデセ
ン、8−メチル−8−カルボキシn−ブチルテトラシク
ロ[4.4.0.12,5.17 ,1 0]−3−ドデセン、ノ
ルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−
プロピリデン−2−ノルボルネン、6−エチリデン−2
−テトラシクロドデセン、7−エチリデン−ヘキサシク
ロヘプタデセン、5−ビニルビシクロ[2.2.1]2
−ヘプテン、ジメタノオクタヒドロナフタレン、エチル
テトラシクロドデセン、トリメタノオクタヒドロナフタ
レン、ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.0
8,13]−3−ヘキサデセン、ペンタシクロ[7.4.
0.12,5.19,12.08,13]−3−ペンタデセン、ヘ
プタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15
2,7.011,16]−4−エイコセン、ヘプタシクロ
[8.80.14,7.111,13.11 3,16.03,8.0
12,17]−5−ヘンエイコセン、シクロブテン、シクロ
ペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、トリシク
ロ[5.2.1.02,6]−3−デセン、ジシクロペン
タジエン等が挙げられる。
【0008】さらに、ポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役
ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−
炭素間二重結合を含む不飽和炭化水素系ポリマ−などの
存在下に単量体を開環重合させても良い。そして、この
場合に得られる開環重合体の水素添加物は耐衝撃性の大
きい樹脂の原料として有用である。
【0009】本発明において、開環重合はメタセシス触
媒の存在下に行われる。メタセシス触媒としては、通常
(a)W,Mo,TeおよびReの化合物から選ばれた
少なくとも一種と、(b)デミングの周期律表IA族
(例えば、Li、Na、Kなど)、IIA族(例えば、
Mg、Caなど)、IIB族(例えば、Zn、Cd、H
gなど)、IIIA族(例えば、B、Alなど)、IV
A族(例えば、Si、Sn、Pbなど)、IVB族元素
(例えば、Ti、Zrなど)の化合物で少なくとも一つ
の元素−炭素結合あるいは元素−水素結合を有するもの
から選ばれた少なくとも一種の組み合わせからなる触媒
であるが、触媒活性を高めるために添加剤(c)を加え
てもよい。(a)成分として適当なW、Te、Mo、あ
るいはReの化合物の代表例としては、WCl6、Mo
Cl5、ReOCl3などの、例えば特開平1−2405
17号公報に記載の化合物が挙げられる。(b)成分と
して適当な化合物の具体例としては、n−C45Li、
(C252Zn、(C253Al、(C25)AlC
l、C25AlCl2、(C25)AlH、(C253
Al2Cl3、(C252AlOC25、(iso-C
492AlH、(iso-C493Al、(CH34
a、(CH34Sn、 (n-C494Sn、Ph4
n、メチルアルモキサン、LiHなどの、特開平1−2
40517号公報記載の化合物が挙げられる。これらの
うち、特に好ましい化合物としては、(CH34Sn、
(n-C494Sn、Ph4Snなどである。添加剤
(c)の代表例としては、アルコール類、アルデヒド
類、ケトン類、アミン類などを好適に用いることができ
るが、さらに例えば特開平1−240517号公報に示
される化合物を使用することができる。メタセシス触媒
の使用量としては、前記(a)成分と特定単量体とのモ
ル比で(a)成分:特定単量体が、通常、1:100〜
1:50,000となる範囲、好ましくは1:500〜
1:10,000となる範囲である。また。(a)せい
ぶんがと(b)成分の割合は金属原子比で(a):
(b)が1:1〜1:50好ましくは1:2〜1:30
の範囲で用いられる。さらに、(a)成分と(c)成分
との割合は、モル比で(c):(a)が0.005:1
〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲と
される。
【0011】開環重合反応に用いられる溶媒としては、
例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナ
ン、デカン等のアルカン類、シクロヘキサン、シクロヘ
プタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等の
シクロアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エ
チルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素、クロロブタ
ン、ブロムヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、
ヘキサメチレンジブロミド、クロロホルム、テトラクロ
ロエチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリ
フルオロメチルベンゼン等のハロゲン化アルカン、アリ
ール等の化合物、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i
so−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸
エステル類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジメトキシエタン等のエーテル類などを挙げることがで
き、これらは単独であるいは混合して用いることができ
る。これらのうち、ハロゲン化アリール、飽和カルボン
酸エステルが好ましい。溶媒の使用量としては、「溶
媒:単量体(重量比)」が、通常1:1〜10:1とな
る量とされ、好ましくは1:1〜5:1となる量とされ
る。
【0012】開環重合体の分子量の調節は、重合温度、
触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができる
が、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存さ
せることにより調節する。かかる分子量調節剤として
は、例えば、エチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、
1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類などを
挙げることができ、特に1−ブテン、1−ヘキセンが好
ましい。これらは1種または2種以上を混合して用いる
ことができる。反応系に添加される分子量調節剤の添加
量は、開環重合反応に供される単量体の合計1モルに対
して0.001〜0.4モル、好ましくは0.005〜
0.3モルとされる。
【0013】開環重合工程においては、単量体をメタセ
シス触媒、分子量調節剤、および重合溶媒と共に反応器
に導入し、開環重合反応をおこなわせる。
【0014】ここに、得られる開環重合体の固有粘度
(ηinh)は0.1〜5.0の範囲にあることが好まし
い。また、当該開環重合体のGPC測定によるポリスチ
レン換算の平均分子量(溶媒:テトラヒドロフラン)と
しては、数平均分子量(Mn)が、通常0.5×104
〜1×106、好ましくは1.0×104〜5×105
更に好ましくは1.2×104〜2.0×105、特に好
ましくは1.5×104〜1.0×105の範囲が好適で
ある。分子量が5,000以下では成形材料として用い
ることができず、また、分子量が1,000,000以
上では流動性に乏しく成形が困難となる。
【0015】<水素添加工程>以上のようにして得られ
る開環重合体は、水素添加触媒を用いて水素添加でき
る。水素添加触媒としてはは、通常のオレフィン性化合
物の水素添加反応に用いられるものを使用することがで
きる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および
均一系触媒が公知である。不均一系触媒としては、パラ
ジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウム等の貴
金属触媒物質をカーボン、シリカ、アルミナ、チタニア
などの担体に担持させた固体触媒などを挙げることがで
きる。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル
/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナ
ート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/
n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチル
アルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリ
ス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、トリクロロビ
ストリフェニルホスフィンルテニウム、クロロヒドロカ
ルボニルビストリフェニルホスフィンルテニウムなどを
挙げることができる。触媒の形態は粉末でも粒状でもよ
い。これらの水素添加触媒は、「開環重合体:水素添加
触媒(重量比)」が1:1×10-4〜1:2となる割合
で使用される。水素添加反応は、常圧〜300気圧、好
ましくは3〜150気圧の水素ガス雰囲気下において、
0〜180℃、好ましくは20〜150℃で行うことが
できる。
【0016】また、ヒドラジン、カリウムアゾジカルボ
キシレート、アリールスルホニルヒドラジド等のジイミ
ドの生成を経由する水素添加試薬による水素添加法も使
用することが出来る。これらの水素添加試薬は「開環重
合体:水素添加試薬(重量比)」が1:0.01〜1:
100となる割合で使用される。この様に水素添加する
ことにより、得られる水素添加重合体は優れた熱安定性
を有するものとなり、成形加工時や製品としての使用時
の加熱によってその特性が劣化することがない。水素添
加率は通常50%以上、好ましくは70%以上さらに好
ましくは90%以上である。
【0017】本発明の製造法により製造される重合体に
は、公知の酸化防止剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル
−4−メチルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,
3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルジフェニル
メタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
メタンあるいは紫外線吸収剤、例えば2,4−ジヒドロ
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン等を添加することによって安定化すること
ができる。また、加工性を向上させるために滑剤等の添
加剤を添加することもできる。
【0018】本発明の方法により製造される重合体およ
びその水素添加重合体は種々の公知の成形手段、例え
ば、射出成形、圧縮成形、押出成形法などを用いて成形
品を作製できる。
【0019】また、作製された成形品の表面に、無機化
合物、シランカップリング剤などの有機シリコン化合
物、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、メラミン樹脂、エ
ポキシ樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂等などから
なるハードコート層を形成させることができる。ハード
コート層の形成手段としては熱硬化法、紫外線硬化法、
真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング
法などの公知の方法を挙げることができる。これによっ
て、成形品の耐熱性、光学特性、耐薬品性、耐摩耗性、
透湿性などを向上させることができる。
【0020】本発明の方法により製造される重合体の用
途は特に制限されるものではなく、広い範囲にわたって
使用することができ、例えば、半導体保護膜(α線保護
膜、パッシベーション膜、バッファーコート、層間絶縁
膜)、高周波基板、ペリクル(フォトマスク防塵カバ
ー)、EPROM(紫外線消去及びプログラム可能なR
OM)の保護膜、及び窓材、絶縁材料として、また、光
ファイバー、一般カメラ用レンズ、ビデオカメラ用レン
ズ、望遠鏡レンズ、レーザービーム用レンズ等のレン
ズ、光学式ビデオディスク、オーディオディスク、文書
ファイルディスク、メモリディスク等の光ディスク類、
低反射コート材、眼鏡レンズ、CCDリッドなどの光学
材料やOHPシート、アニメーションのセル画用シー
ト、透明導電性フィルムなどの透明フィルムとして好適
に使用することができる。
【0021】[実施例]以下、本発明について、実施例
および比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこ
れらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以
下において、「部」は「重量部」を示す。
【0022】[実施例1] (1)単量体の合成 攪拌器、温度計を備え付けた5Lオートクレーブ中に1
680部のヘキサフルオロプロペンと740部のジシク
ロペンタジエンを加え、180℃で6時間反応させた。
生成した反応混合物を分溜管を用いた減圧蒸留により精
留を行い、目的物を得た。得られた化合物の構造は下記
の通りであり、純度はガスクロマトグラフィーで99.
95%以上であった。得られた単量体を単量体1と記
す。
【0023】(2)重合体の製造 攪拌器および三方コックを備えたフラスコ内を窒素ガス
で置換し、窒素気流下でテトラメチル錫のクロロベンゼ
ン溶液(1mol/l)0.5部、六塩化タングステン
のクロロベンゼン溶液(0.01mol/l)25部を
加え、約15分間室温で攪拌した。この溶液に上記単量
体1を25部、1−ヘキセンを0.1部、クロロベンゼ
ンを60部を加え、室温で2時間攪拌して反応させた。
重合反応終了後、重合溶液を大量のメタノール中に注
ぎ、重合体を析出させ、これを濾別して回収し、真空乾
燥して収率98%で重合体を得た。この重合体のポリス
チレン換算の数平均分子量(Mn)は32,700であ
り、重量平均分子量(Mw)は81,600であった。
本重合体のDSCで測定したガラス転移温度は176℃
であった。
【0024】(3)重合体の水素添加 攪拌器および三方コックを備えたフラスコ内を窒素ガス
で置換し、窒素気流下で、上記(2)で得られた重合体
8部、p−トルエンスルホニルヒドラジド13部、トリ
−n−プロピルアミン10部およびo−ジクロロベンゼ
ン500部を加え、150℃で6時間反応させた。冷却
後、ポリマー溶液を蒸留水で数回洗浄後、大量のメタノ
ール中に注ぎ、重合体を析出させた。これを、濾別した
回収し、真空乾燥して収率93%で重合体を得た。この
重合体のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は3
3,700であり、重量平均分子量(Mw)は84,1
00であった。本重合体のDSCで測定したガラス転移
温度は138℃であった。
【0025】[実施例2]実施例1において単量体とし
て単量体1を13部、共重合性単量体として8,8,9
−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンを17
部用いた他は実施例1と同様にメタセシス開環重合およ
び水素添加を行い収率95%で重合体を得た。この重合
体のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は30,
500であり、重量平均分子量(Mw)は77,100
であった。本重合体のDSCで測定したガラス転移温度
は164℃であった。
【0026】[比較例1]攪拌器および三方コックを備
えたフラスコ内を窒素ガスで置換し、窒素気流下で6−
エチリデン−2−テトラシクロドデセン12.1部、5
−エチリデン−2−ノルボルネン0.84部、1−ヘキ
セン0.93部、トルエン55部を加えた。さらに続け
て、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(1.25
mol/l)1部、四塩化チタン0.057部および
トリエチルアミン0.15部を加え、25℃で攪拌下4
時間反応させた。重合反応終了後、重合溶液を大量のメ
タノール中に注ぎ、重合体を析出させ、これを濾別して
回収し、真空乾燥した。この重合体3gをシクロヘキサ
ン30mlに溶解したものをパラジウムカーボン0.3
gと共に100mlのオートクレーブ中に入れ、混合
後、オートクレーブ内の空気を水素で置換して水素圧を
50Kg/cm2とし、10℃で30分攪拌した。その
後120℃に昇温して18時間攪拌し、その溶液を1μ
mのフィルターで濾過した後、メタノール中で再沈させ
乾燥、精製した。1H−NMRで計算した水添率は9
9.5%であった。この重合体のポリスチレン換算の数
平均分子量(Mn)は30,100であり重量平均分子
量(Mw)は65,200であった。本重合体のDSC
で測定したガラス転移温度は140℃であり、誘電率
(1MHz)は2.4であった。
【0027】[試験例] 耐溶剤性 5cm×5cmの試験片を溶剤中に浸して、その変化に
より判定した。判定基準は ○:全く変化なし、△:試
験片の一部あるいは全部が失透、×:溶 解した、とし
た。耐溶剤性の検討結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明の製造法により、低吸水性、耐熱
性、耐熱分解性、耐薬品性に優れ、かつ、従来提案され
てきた樹脂材料では得られない低誘電率を兼ね備えた重
合体を製造する事ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大嶋 昇 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式1および/または一般式2で表
    されるノルボルネン系モノマーをメタセシス開環重合触
    媒の存在下に重合し、さらに水添することを特徴とする
    重合体の製造法。 【化1】 【化2】 (一般式1および一般式2中、Xは水素原子の少なくと
    も1つがフッ素原子で置換された炭素数1〜10の炭化
    水素基またはフッ素原子であり、A、BおよびYは水素
    原子またはハロゲン原子または1価の有機基を示す)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007177046A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Mitsui Chemicals Inc フッ素含有環状オレフィンポリマーを用いた光学部品
JP2008239995A (ja) * 2001-04-27 2008-10-09 Mitsui Chemicals Inc フッ素含有環状オレフィンポリマー、その環状オレフィン系単量体および該ポリマーの製造方法

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JP2008239995A (ja) * 2001-04-27 2008-10-09 Mitsui Chemicals Inc フッ素含有環状オレフィンポリマー、その環状オレフィン系単量体および該ポリマーの製造方法
JP2007177046A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Mitsui Chemicals Inc フッ素含有環状オレフィンポリマーを用いた光学部品

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