JP4039194B2 - ノルボルネン系開環重合体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた透明性と低複屈折性を兼ね備えたノルボルネン系開環重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、透明樹脂は自動車部品、照明機器、電気部品など通常の透明性が要求される成形品の材料として用いられ、特に最近においては、光学的性質が重視される光学材料としての応用が進みつつある。かかる用途に好適に用いられる透明樹脂として、ポリカーボネート系樹脂やアクリル系樹脂が知られている。しかし、アクリル系樹脂は透明性に優れているが、耐熱性や耐水性等の点で問題がある。一方、ポリカーボネート系樹脂は、耐熱性や耐水性においてはアクリル系樹脂より優れているが、複屈折率が高いなどの問題がある。
このため、最近では、透明性、耐水性(低吸水性)、低複屈折性、耐熱性などを兼ね備えている環状ポリオレフィン系樹脂が光学材料用の透明樹脂として用いられてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光学機器の機能の高度化に伴い、従来公知の環状ポリオレフィン系樹脂でも、光学材料に求められる特性を十分に満たせない場合が生じてきている。特に、高度化した機能を有する光学機器においては、低複屈折性が非常に重要な物性であり、より優れた低複屈折性を有する透明樹脂の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成すべく成されたものであり、鋭意検討した結果、特定のノルボルネン系開環重合体が、良好な透明性、耐熱性および耐水性を保持しながら優れた低複屈折性を有することを見出し本発明に至った。
【0005】
すなわち、本発明は、かかる課題を解決する手段として、
下記一般式(1):
【0006】
【化9】
[式中、mおよびnは独立に0〜2の整数であり、Xは式:-CH=CH-で表される基または式:-CH2-CH2-で表される基であり、R1〜R4の少なくとも1個は、下記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基および一般式(1−2)で表される芳香環を有する基からなる群から選ばれる基であり、R1、R2、R3およびR4に残余の基が存在する場合にはそれらは独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素、窒素、イオウもしくはケイ素を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基;または1価の極性基を表わし、mおよびnは独立に0〜2の整数である。]
で表される構造単位(1)を含み、複数存在するXは同一または異なるノルボルネン系開環重合体を提供する。
【0007】
【化10】
〔式中、R5〜R13は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素、窒素、イオウもしくはケイ素を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基;または1価の極性基を表し、pおよびqは独立に0〜2の整数であり、ただし、p=q=0の場合は、R6とR9および/またはR13とR9は相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成するか、あるいは、R5、R6、R9、R12およびR13のうち少なくとも一つは置換もしくは非置換の芳香族基である。〕
【0008】
【化11】
〔式中、Z、RA及びRBは、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素、窒素、イオウもしくはケイ素を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基;または1価の極性基を表し、ただし、RA、RBまたはZのうち1個は、式(1−2)中の環構造を構成する炭素原子にカルボニル基側で結合する、式:−C(O)O−で表わされる基であり、sは0または1以上の整数である。〕
また、本発明は、下記の一般式(1m)で表わされるノルボルネン系単量体を含む単量体を開環重合することを特徴とする、上記一般式(1)(但し、Xは式:-CH=CH-で表される基である)で表される構造単位(1)を有するノルボルネン系開環重合体の製造方法を提供する。
【0009】
【化12】
〔式中、m,n,R1,R2,R3およびR4は上記一般式(1)に関して定義のとおりである。〕
さらに、本発明は、上記一般式(1m)で表わされるノルボルネン単量体を含む単量体を開環重合し、さらに、得られたノルボルネン系開環重合体を水素添加することを特徴とする、請求項1に記載の一般式(1)(但し、Xは式:-CH2-CH2-で表される基である)で表される構造単位(1)を有するノルボルネン系開環重合体の製造方法をも提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
−ノルボルネン系開環重合体−
本発明のノルボルネン系開環重合体は前記構造単位(1)を必須の構造単位として含むが、場合により、下記一般式(2)で表される構造単位(2)をさらに有していてもよい。
【0011】
【化13】
[式中、tおよびuは独立に0〜2の整数であり、Yは式:-CH=CH-で表される基または式:-CH2-CH2-で表される基であり、a,b,cおよびdは、各々独立に水素原子;ハロゲン原子;酸素、窒素、イオウもしくはケイ素を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の1価の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または1価の極性基を表し、あるいはaとb、bとc、またはcとdとが相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。]
【0012】
一般式(1)、一般式(2)、一般式(1−1)および一般式(1−2)において、R1〜R4、a〜d、R5〜R13、Z、RAおよびRBより表される、水素原子;ハロゲン原子;酸素、窒素、イオウまたはケイ素を含む連結基を有していてもよい置換または非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;並びに極性基について説明する。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
【0013】
炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチリデン基、プロピリデン基等のアルキリデン基;フェニル基等の芳香族基などが挙げられる。
【0014】
これらの炭化水素基は置換されていてもよく、置換基としては例えばフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、フェニルスルホニル基等が挙げられる。
【0015】
また、上記の置換または非置換の炭化水素基は直接環構造に結合していてもよいし、あるいは連結基(linkage)を介して結合していてもよい。連結基としては、例えば炭素原子数1〜10の2価の炭化水素基(例えば、-(CH2)m-、mは1〜10の整数、で表されるアルキレン基);酸素、窒素、イオウまたはケイ素を含む連結基(例えば、カルボニル基(-CO-)、カルボニルオキシ基(-COO-)、オキシカルボニル基(-OCO-)、スルホニル基(-SO2-)、エーテル結合(-O-)、チオエーテル結合(-S-)、イミノ基(-NH-)、アミド結合(-NHCO-)、シロキサン結合(-Si(R2)O-、Rはメチル、エチル等のアルキル基);あるいはこれらの2種以上が組合さって連なったものが挙げられる。
【0016】
極性基としては、例えば水酸基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、エステル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、シアノ基、アミド基、イミド基、トリオルガノシロキシ基、トリオルガノシリル基、アミノ基、アシル基、アルコキシシリル基、スルホニル基、およびカルボキシル基など挙げられる。さらに具体的には、上記アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基等があげられ;エステル基としては、例えば酢酸エステル基、プロピオン酸エステル基等の脂肪酸エステル基、および安息香酸エステル基等の芳香族エステル基があげられ;アルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等があげられ;アリーロキシカルボニル基としては、例えばフェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、フルオレニルオキシカルボニル基、ビフェニリルオキシカルボニル基等があげられ;トリオルガノシロキシ基としては例えばトリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基等があげられ;トリオルガノシリル基としてはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基等があげられ;アミノ基としては第1級アミノ基があげられ、アルコキシシリル基としては例えばトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等が挙げられる。
【0017】
上述のように、aとb、bとc、cとd、R6とR9、およびR13とR9とは各々対になって相互に結合して、炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。このとき形成される炭素環または複素環は芳香環でもよいし非芳香環でもよい。例えば、一般式(1-1)において、R6とR9が結合してベンゼン環を形成し、R5、R12及びR13が水素原子であると、一般式(1-1)で表される基は、2−ナフタレンカルボニルオキシ基となる。環構造を形成した例を下に部分的に示す。
【0018】
【化14】
【化15】
〔上記の式中、Rは炭素原子数1〜20の炭化水素基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基を示す。〕
【0019】
ノルボルネン系開環重合体が構造単位(1)と構造単位(2)とを含む場合には、構造単位(2)の割合は、95重量%以下が好ましい。さらに具体的には、構造単位(1)/構造単位(2)の比は、重量比で、通常100/0〜5/95、好ましくは100/0〜30/70、さらに好ましくは、100/0〜50/50である。
本発明のノルボルネン系開環重合体は構造単位(1)と構造単位(2)との他にさらに別の構造単位を含むことができる。このような構造単位については、下記の製造方法において任意的に使用できる原料単量体として説明する。
【0020】
−製造方法−
本発明のノルボルネン系開環重合体は、前記一般式(1m)で表されるノルボルネン系単量体(以下、「単量体(1)」という)を、場合により前記一般式(2m)で示されるノルボルネン系単量体(以下、「単量体(2)」という)とともに、開環重合することにより製造方法することができる。
この重合の際の単量体の使用割合は、単量体(1)と単量体(2)との重量比で、通常100/0〜5/95、好ましくは100/0〜30/70、さらに好ましくは、100/0〜50/50である。
【0021】
上記の開環重合により、構造単位(1)を有し、単量体(2)を併用した場合にはさらに構造単位(2)をも有する本発明のノルボルネン系開環重合体が得られる。但し、このとき、構造単位(1)中のXと構造単位(2)中のYはいずれも式:-CH=CH-で表される不飽和基の状態である。
こうして得られたノルボルネン系開環重合体を次に水素添加すると、上記のエチレン性不飽和基が水添されて前記XとYとが式:-CH2-CH2-で表される基に転換される。
【0022】
以下、単量体(1)および(2)について具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明で使用される単量体(1)としては、例えば、ノルボルネンアルコールと芳香族カルボン酸との反応で得られるエステル化合物が挙げられ、より具体的には次の化合物を例示できる。
【0023】
・5−ベンゾイルオキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−ベンゾイルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(1−ナフタレンカルボニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン・5−(1−ナフタレンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(2−ナフタレンカルボニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(2−ナフタレンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
【0024】
・5−(4−ビフェニルカルボニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(4−ビフェニルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(2−ビフェニルカルボニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(2−ビフェニルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(3−ビフェニルカルボニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
【0025】
・5−(3−ビフェニルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(9−フルオレンカルボニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(9−フルオレンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(2−フルオレンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(2−フルオレンカルボニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
【0026】
・5−(9−アントラセンカルボニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(9−アントラセンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・8−ベンゾイルオキシ−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,1 0]−3−ドデセン
・8−ベンゾイルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
【0027】
・8−(1−ナフタレンカルボニルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−(1−ナフタレンカルボニルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−(2−ナフタレンカルボニルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−(2−ナフタレンカルボニルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
【0028】
・8−(4−ビフェニルカルボニルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−(4−ビフェニルカルボニルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−(3−ビフェニルカルボニルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−(3−ビフェニルカルボニルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−(2−ビフェニルカルボニルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
【0029】
・8−(2−ビフェニルカルボニルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−(9−フルオレンカルボニルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−(9−フルオレンカルボニルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−(2−フルオレンカルボニルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
【0030】
・8−(2−フルオレンカルボニルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−(9−アントラセンカルボニルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−(9−アントラセンカルボニルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
これらのノルボルネン系単量体は1種単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。
【0031】
これらのうち、一般式(1m)においてm=1で、nが0であり、かつR1〜R4の何れか3つが水素原子であり、残るR1〜R4の1つが一般式(1−1)もしくは一般式(1−2)で示される基であるノルボルネン系単量体が、得られる重合体の耐熱性が高く、かつ吸水性を低くする上で好ましい。さらに、5−(2−ナフタレンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(4−ビフェニルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンを用いることが、低複屈折性の成形品を得る上で有効である。
【0032】
本発明で使用される単量体(2)の具体例としては、
・ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン、
・テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02.7.09,13]−4−ペンタデセン、
・ペンタシクロ[9.2.1.14 , 7.02 , 10.03 , 8]−5−ペンタデセン、
【0033】
・トリシクロ[4.4.0.12 , 5]−3−ウンデセン、
・5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
【0034】
・8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
【0035】
・8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−(1−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−(2−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
【0036】
・8−〈4−フェニルフェノキシ〉カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17 ,10]−3−ドデセン、
・8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
【0037】
・8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−メチル−8−(1−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
【0038】
・8−メチル−8−(2−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−メチル−8−〈4−フェニルフェノキシ〉カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・ペンタシクロ[9.2.1.14,7.02,10.03,8]−5−ペンタデセン、
・ヘプタシクロ[13.2.1.13,13.16,9.02,14.04,12.05,10]−7−イコセン、
【0039】
・ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ヘンイコセン、
・5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
【0040】
・5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−n-ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−n-ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−n-オクチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−n-デシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−イソプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0041】
・5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−(1−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−(2−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−(2−ナフチル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−(4−ビフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−(4−ビフェニル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0042】
・5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−アミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−トリメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−トリプロポキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−トリブトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0043】
・5−シクロヘセニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0044】
・5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0045】
・5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0046】
・5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0047】
・5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
【0048】
・8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
【0049】
・8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
【0050】
・8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
【0051】
・8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
【0052】
・8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
【0053】
・8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
などを挙げることができる。これらのノルボルネン系単量体は、単量体(1)と組み合わせて、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0054】
これらのうち、得られる共重合体の耐熱性、吸水性および他素材との密着性・接着性等のバランスから、一般式(2)のa〜dのうち少なくとも1つが−(CH2)kCOOR22で表されるカルボン酸エステル残基(ここで、R22は炭素原子数1〜20の炭化水素基、kは0〜10の整数である。)であるノルボルネン系単量体が好ましい。さらに、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンが、その製造方法が容易な点で好ましい。
なお、上記のR22で表される炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基が挙げられる。好ましくは、メチル基、エチル基、フェニル基であり、特に好ましくはメチル基である。
【0055】
単量体(1)と単量体(2)の比率は、重量比で、通常100/0〜5/95、好ましくは100/0〜30/70、さらに好ましくは、100/0〜50/50である。
【0056】
本製造方法では、単量体(1)および単量体(2)以外の共重合可能な単量体、例えばシクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロドデセン等の環状オレフィンや1,5−シクロオクタジエン、シクロドデカトリエン等の非共役環状ポリエンを使用することもできる。
【0057】
本製造方法では、上記の開環重合を、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン、エチレン−非共役ジエン重合体、その他のノルボルネン系単量体の開環(共)重合体の未水添物などの存在下に、行ってもよい。
【0058】
以下、重合条件をさらに説明する。
開環重合触媒:
本発明に用いられる開環重合触媒としては、例えば、下記のメタセシス重合触媒が用いられる。すなわち、(a)W、MoおよびReの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA族元素(例えばMg、Caなど)、IIB族元素(例えばZn、Cd、Hgなど)、IIIB族元素(例えばB、Alなど)、IVA族元素(例えばTi、Zrなど)あるいはIVB族元素(例えばSi、Sn、Pbなど)の化合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは当該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種との組合せからなる触媒である。
またこの場合に触媒の活性を高めるために、後述の添加剤(c)が添加されたものであってもよい。
【0059】
(a)成分として適当なW、MoあるいはReの化合物の代表例としては、WCl6、MoCl5、ReOCl3など特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
(b)成分の具体例としては、n−C4H9Li、(C2H5)3Al、(C2H5)2AlCl、(C2H5)1.5、AlCl1.5、(C2H5)AlCl2、メチルアルモキサン、LiHなど特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
添加剤である(c)成分の代表例としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などが好適に用いることができるが、更に特開平1−240517号公報に示される化合物を使用することができる。
【0060】
メタセシス触媒の使用量としては、上記(a)成分と特定単量体(単量体(1)と単量体(2))とのモル比で「(a)成分:特定単量体」が、通常1:500〜1:50,000となる範囲、好ましくは1:1,000〜1:10,000となる範囲とされる。(a)成分と(b)成分との割合は、金属原子比で「(a):(b)」が1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30の範囲とされる。(a)成分と(c)成分との割合は、モル比で「(c):(a)」が0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲とされる。
【0061】
分子量調節剤:
開環重合体の分子量の調節は重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調節することが好ましい。ここに、好適な分子量調節剤としては、例えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類およびスチレンを挙げることができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。これらの分子量調節剤は、単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。分子量調節剤の使用量としては、開環重合反応に供される特定単量体(1)モルに対して0.005〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルとされる。
【0062】
開環重合反応用溶媒:
開環重合反応において用いられる溶媒(特定単量体、メタセシス触媒および分子量調節剤を溶解する溶媒)としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロムヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン;アリールなどの化合物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類を挙げることができ、これらは単独であるいは混合して用いることができる。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。溶媒の使用量としては、「溶媒:特定単量体(重量比)」が、通常1:1〜10:1となる量とされ、好ましくは1:1〜5:1となる量とされる。
【0063】
水素添加触媒:
以上のようにして得られる開環重合体は、そのまま使用することもできるが、耐熱安定性の観点から、水素添加された水素添加重合体を使用することが好ましい。ただし、本発明でいう水素添加物もしくは水素添加重合体とは、単量体(1)もしくは単量体(1)と単量体(2)を開環重合して得られた重合体の主鎖に存在するオレフィン性不飽和結合に水素添加したものであり、単量体(1)もしくは単量体(2)に基づく側鎖の芳香環は実質的に水素添加されていないものである。
【0064】
水素添加反応は、単量体(1)もしくは単量体(2)に基づく側鎖の芳香環が実質的に水素添加されない条件で行われる必要がある。通常は、開環重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによって行われる。
【0065】
水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒が公知である。不均一系触媒としては、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は粉末でも粒状でもよい。これらの水素添加触媒は、単量体(1)に基づく側鎖の芳香環が実質的に水素添加されないようにするために、その添加量を調製する必要があるが、通常は、「開環重合体:水素添加触媒(重量比)」が、1:1×10-6〜1:2となる割合で使用される。
【0066】
本発明で得られる開環重合体の水素添加物は、開環重合で得られた重合体の主鎖に存在するオレフィン性不飽和結合の99.0%以上が水素添加されており、側鎖の芳香環は実質的に水素添加されていないことが好ましい。
【0067】
本発明の開環重合体またはその水素添加物のウッベローデ型粘度計で測定される固有粘度(ηinh)は、通常0.2〜5.0、好ましくは0.3〜4.0、さらに好ましくは0.35〜2.0である。またゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、テトラヒドロフラン溶媒、ポリスチレン換算)による分子量の測定では数平均分子量(Mn)は、通常1000〜50万、好ましくは2000〜30万、さらに好ましくは3000〜10万であり、重量平均分子量(Mw)は、通常5000〜200万、好ましくは1万〜100万、さらに好ましくは3万〜50万である。ηinhが0.2未満、Mnが1000未満あるいはMwが5000未満であると、成形物の強度が著しく低下する。一方、ηinhが5.0以上、Mnが50万以上あるいはMwが200万以上であると、開環重合体またはその水素添加物の溶融粘度あるいは溶液粘度が高くなりすぎて、所望の成形品を得ることが困難になる場合が生じる。
【0068】
本発明の開環重合体またはその水素添加物には、公知の各種添加剤を添加することができる。例えば2,6−ジーt−ブチル−4−メチルフェノール、2,2−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドキシフェニル)プロピオレート]メタン、4,4−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオレートなどのフェノール系、ヒドロキノン系酸化防止剤、または例えばトリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトなどのりん系酸化防止剤をあげることができ、これらの酸化防止剤の1種または2種以上を添加することにより、開環重合体またはその水素添加物の酸化安定性を向上することができる。また、紫外線吸収剤、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]]などを添加することによって耐光性を向上することができる。また、加工性を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加することもできる。
【0069】
得られる重合体の特徴として低複屈折性および延伸時における位相差の波長依存性が無く、均一である。このことから本重合の用途としては光学、電気電子材料などの分野において有用である。例えば光ディスク、光磁気ディスク、光学レンズ(Fθレンズ、ピックアップレンズ、レーザープリンター用レンズ、カメラ用レンズ等)眼鏡レンズ、光学フィルム(ディスプレイ用フィルム、位相差フィルム、偏光フィルム、透明導電フィルム等)、光学シート、光ファイバー、導光板、光拡散板、光カード、光ミラー、IC・LSI・LED封止材などが挙げられる。
【0070】
【実施例】
以下、実施例をあげ本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例に何ら制限されるものではない。
【0071】
実施例、比較例中の各種測定および評価は以下のとおりに行った。
(ガラス転移温度:Tg)
セイコーインスツルメンツ社製示差走査熱量計を用いて、昇温速度を毎分20℃、窒素気流下で測定を行った。
(重量平均分子量および分子量分布)
東ソー株式会社製HLC-8020ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、テトラヒドロフラン(THF)溶媒を用い、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)を測定した。Mnは数平均分子量。
(レターデーションの測定)
重合で得られたポリマーをペレット化した後に射出成形機(住友重機械工業株式会社製、DISK-3)により樹脂温270℃、金型温度110℃の条件で射出成形を行い、外径130mm、内径15mmの光ディスク基板を成形した。得られた光ディスク基板を使用し、複屈折自動測定装置(日本電子光学株式会社製)で光源波長633nmのダブルパルス法(垂直入射)により、直径130mmのディスクの中心から半径30-60mmの範囲についてレターデーションを測定した。
【0072】
[単量体合成例]
(1)5−(4−ビフェニルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの合成
【0073】
【化16】
滴下ロートを取り付けた500 mLフラスコにノルボルネンアルコールを28g(253.9 m mol)をはかり取り、系内の窒素置換を行った。これにピリジン41 mL(507.8 m mol)を滴下し、スターラーにてよく攪拌し、溶解させた。次に予め脱水THF(テトラヒドロフラン)200 mLに溶解させた4‐フェニルベンゾイルクロリド 50g(230.8 m mol)を氷冷バスで反応系の温度を4±2℃に保ち、十分に攪拌しながら徐々に滴下した。滴下終了後、氷冷バス中で1時間攪拌を継続し、その後、室温で1時間攪拌、更に30分還流を行った。室温に冷却後、生成したピリジン塩を濾紙で濾過し、更に反応混合物を十分に蒸留水で水洗いした。減圧、加温して溶媒を除去し、得られた結晶をn‐ヘキサンで再結晶を繰り返し、白色結晶状の5−(4−ビフェニルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(単量体)63gを得た。得られた結晶をHPLCで分析した結果、純度は 98%であった。
【0074】
(2)5−(1−ナフタレンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの合成
【0075】
【化17】
4‐フェニルベンゾイルクロリドに代えて、1−ナフトイルクロリド 44g(230.8 m mol)用いた以外は、上記(1)と同様にして、透明液体状の5−(1−ナフタレンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 43.8gを得た。得られた単量体をHPLCにて分析した結果、純度は 98%であった。
【0076】
(3)5−(2−ナフタレンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの合成
【0077】
【化18】
4‐フェニルベンゾイルクロリドに代えて、2−ナフトイルクロリド 44g(230.8 m mol)用い、反応物をカラム(充填材;Al2O3、展開溶媒;ヘキサン)にて精製した以外は、上記(1)と同様にして、白色固体状の5−(2−ナフタレンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 46gを得た。得られた単量体をHPLCにて分析した結果、純度は 99%であった。
【0078】
(4)5−(9−アントラセンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの合成
【0079】
【化19】
4‐フェニルベンゾイルクロリドに代えて、9−アントラセンカルボニルクロリド 55.5g(230.8 m mol)用い、反応物をカラム(充填材;Al2O3、展開溶媒;ヘキサン)にて精製後、ヘキサン/塩化メチレン混合溶媒にて再結晶した以外は上記(1)と同様にして、薄黄色固体状の5−(9−アントラセンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 25.9gを得た。得られた単量体をHPLCにて分析した結果、純度は 98%であった。
【0080】
(5)5−(9−フルオレンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの合成
【0081】
【化20】
9−アントラセノイルクロリドに代えて、9−フルオレンカルボニルクロリド52.8g(230.8 m mol)用いた以外は上記(1)と同様にして、黄色固体状の5−(9−フルオレンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 14.0gを得た。得られた単量体をHPLCにて分析した結果、純度は 98%であった。
【0082】
〔実施例1〕
特定単量体として5−(4−ビフェニルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 14g、分子量調節剤として1−へキセン 0.2gおよびトルエン 28gを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。これにトリエチルアルミニウム(0.6モル/L)のトルエン溶液 0.17ml、メタノール変性WCl6トルエン溶液(0.025モル/L) 0.38mlを加え、80℃で3時間反応させることにより重合体を得た。重量平均分子量(Mw)が9.3x104,分子量分布(Mw/Mn)=2.32の重合体が得られた。ここで得られた重合体の溶液をオートクレーブに入れ、さらにトルエンを28g加えた。水素添加触媒であるRuHCl(CO)[P(C6H5)]3を単量体の仕込み量に対して500ppm添加し、水素ガス圧を9−10MPa, 160−165℃、3時間の反応を行った。反応終了後多量のイソプロパノール溶液に沈殿させることにより水素添加物を得た[重量平均分子量(Mw)=10.3x104,分子量分布(Mw/Mn)=2.13、固有粘度(ηinh)=0.58、ガラス転移温度(Tg)=97.5℃]。400MHzの1H-NMR測定によりこの水素添加物の水素添加率を求めたところ、主鎖中のオレフィン性不飽和結合は99.0%以上水素添加されており、また、側鎖の芳香環は実質的に水素添加されていなかった。また、この水素添加物を用いて、上記の「レターデーションの測定」に記載した条件でデイスクを成形し、レターデーションを測定したところ最大2nmであった。
得られた重合体の1H-NMRスペクトルを図1に、また、赤外線(IR)吸収スペクトルを図2に示す。
【0083】
〔実施例2〕
実施例1と同様に特定単量体として5−(1−タフタレンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 14g、分子量調節剤として1−へキセン 0.2g およびトルエン 28gを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。これにトリエチルアルミニウム(0.6モル/L)のトルエン溶液 0.17ml、メタノール変性WCl6トルエン溶液(0.025モル/L) 0.38mlを加え、80℃で3時間反応させることにより重合体を得た。重量平均分子量が17.0x104,Mw/Mn=4.00の重合体が得られた。水素添加反応も実施例1と同様に実施し、対応する水素添加物を得た[重量平均分子量(Mw)=16.1x104,分子量分布(Mw/Mn)=3.20、固有粘度(ηinh)=0.74、ガラス転移温度(Tg)=74.0℃]。400MHzの1H-NMR測定によりこの水素添加物の水素添加率を求めたところ、主鎖中のオレフィン性不飽和結合は99.0%以上水素添加されており、また、側鎖の芳香環は実質的に水素添加されていなかった。また、この水素添加物を用いて、上記の「レターデーションの測定」に記載した条件でデイスクを成形し、レターデーションを測定したところ最大9nmであった。
得られた重合体の1H-NMRスペクトルを図3に、また、赤外線(IR)吸収スペクトルを図4に示す。
【0084】
〔実施例3〕
実施例1と同様に特定単量体として5−(2−ナフタレンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 14g、分子量調節剤として1−へキセン 0.2g およびトルエン 28gを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。これにトリエチルアルミニウム(0.6モル/L)のトルエン溶液 0.17ml、メタノール変性WCl6トルエン溶液(0.025モル/L) 0.38mlを加え、80℃で3時間反応させることにより重合体を得た。重量平均分子量(Mw)=13.0x104,分子量分布(Mw/Mn)=3.25の重合体が得られた。水素添加反応も実施例1と同様に実施し、対応する水素添加物を得た[重量平均分子量(Mw)=11.9x104,分子量分布(Mw/Mn)=2.64、固有粘度(ηinh)=0.66、ガラス転移温度(Tg)=82.4℃]。400MHzの1H-NMR測定によりこの水素添加物の水素添加率を求めたところ、主鎖中のオレフィン性不飽和結合は99.0%以上水素添加されており、また、側鎖の芳香環は実質的に水素添加されていなかった。また、この水素添加物を用いて、上記の「レターデーションの測定」に記載した条件でデイスクを成形し、レターデーションを測定したところ最大3nmであった。
得られた重合体の1H-NMRスペクトルを図5に、また、赤外線(IR)吸収スペクトルを図6に示す。
【0085】
〔実施例4〕
特定単量体として5−(4−ビフェニルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 30g、下式:
【0086】
【化21】
で表される8−メトキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン 20g、分子量調節剤として1−へキセン 1.2g およびトルエン 100gを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。これにトリエチルアルミニウム(0.6モル/L)のトルエン溶液 0.5ml、メタノール変性WCl6トルエン溶液(0.025モル/L) 1.52mlを加え、80℃で3時間反応させることにより重合体が得られた。水素添加反応も実施例1と同様に実施し、対応する水素添加物を得た[重量平均分子量(Mw)=17.4x104,分子量分布(Mw/Mn)=3.21、固有粘度(ηinh)=0.77、ガラス転移温度(Tg)=126℃]。400MHzの1H-NMR測定によりこの水素添加物の水素添加率を求めたところ、主鎖中のオレフィン性不飽和結合は99.0%以上水素添加されており、また、側鎖の芳香環は実質的に水素添加されていなかった。また、この水素添加物を用いて、上記の「レターデーションの測定」に記載した条件でデイスクを成形し、レターデーションを測定したところ最大4nmであった。
得られた重合体の1H-NMRスペクトルを図7に、また、赤外線(IR)吸収スペクトルを図8に示す。
【0087】
〔実施例5〕
特定単量体として5−(9−アントラセンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 6.0g、8−メトキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン 4.4g、分子量調節剤の1−へキセン 0.24g およびトルエン 21gを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。これにトリエチルアルミニウム(0.6モル/L)のトルエン溶液 0.1ml、メタノール変性WCl6トルエン溶液(0.025モル/L) 0.31mlを加え、80℃で3時間反応させることにより重合体を得た。これを実施例1と同様に水素添加反応行い、対応する水添添加物を得た[ガラス転移温度(Tg)=116℃]。400MHzの1H-NMR測定によりこの水素添加物の水素添加率を求めたところ、主鎖中のオレフィン性不飽和結合は99.0%以上水素添加されており、また、側鎖の芳香環は実質的に水素添加されていなかった。また、この水素添加物を用いて、上記の「レターデーションの測定」に記載した条件でデイスクを成形し、レターデーションを測定したところ最大5nmであった。
得られた重合体の赤外線(IR)吸収スペクトルを図9に示す。
【0088】
〔実施例6〕
特定単量体として5−(9−フルオレンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 4.3g、8−メトキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン 3.3g、分子量調節剤の1−へキセン 0.18g およびトルエン 15gを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。これにトリエチルアルミニウム(0.6モル/L)のトルエン溶液 0.07ml、メタノール変性WCl6トルエン溶液(0.025モル/L) 0.23mlを加え、80℃で3時間反応させることにより重合体を得た。水素添加反応も実施例1と同様に実施し、対応する水添添加物を得た[ガラス転移温度(Tg)=103℃]。400MHzの1H-NMR測定によりこの水素添加物の水素添加率を求めたところ、主鎖中のオレフィン性不飽和結合は99.0%以上水素添加されており、また、側鎖の芳香環は実質的に水素添加されていなかった。また、この水素添加物を用いて、上記の「レターデーションの測定」に記載した条件でデイスクを成形し、レターデーションを測定したところ最大5nmであった。
得られた重合体の赤外線(IR)吸収スペクトルを図10に示す。
【0089】
〔比較例1〕
特定単量体として8−メトキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン を50gに分子量調節剤の1−へキセン3.6g およびトルエン 100gを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。これにトリエチルアルミニウム(0.6モル/L)のトルエン溶液0.09ml、メタノール変性WCl6トルエン溶液(0.025モル/L) 0.29mlを加え、80℃で3時間反応させることにより重合体を得た。水素添加反応も実施例1と同様に実施し、対応する水素添加物を得た[ガラス転移温度(Tg)=164℃、重量平均分子量(Mw)=56000、分子量分布(Mw/Mn)=3.2]。400MHzの1H-NMR測定によりこの水素添加物の水素添加率を求めたところ、主鎖中のオレフィン性不飽和結合は99.0%以上水素添加されていた。また、この水素添加物を用いて、上記の「レターデーションの測定」に記載した条件でデイスクを成形し、レターデーションを測定したところ最大20nmであった。
【0090】
実施例1〜8および比較例1のレターデーションの測定結果と水素添加物のガラス転移温度を表1.に示す。
【0091】
【表1】
【発明の効果】
本発明の開環重合体は透明性および低複屈折性を兼ね備え、優れた光学特性を有する。したがって、光ディスク、光磁気ディスク、光学レンズ(Fθレンズ、ピックアップレンズ、レーザープリンター用レンズ、カメラ用レンズ等)眼鏡レンズ、光学フィルム(ディスプレイ用フィルム、位相差フィルム、偏光フィルム、透明導電フィルム等)、光学シート、光ファイバー、導光板、光拡散板、光カード、光ミラー、IC・LSI・LED封止材などに好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた重合体の1H-NMRスペクトルである。
【図2】実施例1で得られた重合体の赤外線(IR)吸収スペクトルである。
【図3】実施例2で得られた重合体の1H-NMRスペクトルである。
【図4】実施例2で得られた重合体の赤外線(IR)吸収スペクトルである。
【図5】実施例3で得られた重合体の1H-NMRスペクトルである。
【図6】実施例3で得られた重合体の赤外線(IR)吸収スペクトル図である。
【図7】実施例4で得られた重合体の1H-NMRスペクトルである
【図8】実施例4で得られた重合体の赤外線(IR)吸収スペクトルである。
【図9】実施例5で得られた重合体の赤外線(IR)吸収スペクトルである。
【図10】実施例6で得られた重合体の赤外線(IR)吸収スペクトルである。
Claims (4)
- 下記一般式(1):
で表される構造単位(1)と、
下記一般式(2):
で表される構造単位 (2) と
を含み、複数存在するXは同一または異なり、複数存在するYは同一または異なるノルボルネン系開環重合体。
- 請求項1に記載のノルボルネン系開環重合体であって、構造単位(1)と構造単位(2)を有し、構造単位(2)の割合が95重量%以下であることを特徴とするノルボルネン系開環重合体。
- 下記一般式(1m)で表わされるノルボルネン系単量体と下記一般式(2m)で表されるノルボルネン系単量体とを含む単量体を開環重合することを特徴とする、請求項1に記載の一般式(1)(但し、Xは式:-CH=CH-で表される基である)で表される構造単位(1)と、請求項1に記載の一般式(2)(但し、Yは式: -CH=CH- で表される基である)で表される構造単位 (2) とを有するノルボルネン系開環重合体の製造方法。
〔式中、m,n,R1,R2,R3およびR4は請求項1に記載の一般式(1)に関して定義のとおりである〕
〔式中、t、uおよびa〜dは、請求項1に記載の一般式(2)に関して定義のとおりである。〕 - 下記一般式(1m)で表わされるノルボルネン単量体と下記一般式(2m)で表されるノルボルネン系単量体とを含む単量体を開環重合し、さらに、得られたノルボルネン系開環重合体を水素添加することを特徴とする、請求項1に記載の一般式(1)(但し、Xは式:-CH2-CH2-で表される基である)で表される構造単位(1)と、請求項1に記載の一般式(2)(但し、Yは式: -CH 2 -CH 2 - で表される基である)で表される構造単位 (2) とを有するノルボルネン系開環重合体の製造方法。
〔式中、m,n,R1,R2,R3およびR4は請求項1に記載の一般式(1)に関して定義のとおりである〕
〔式中、t、u、a、b、cおよびdは、請求項1に記載の一般式(2)に関して定義のとおりである。〕
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