JPH09316179A - 水添共重合体 - Google Patents

水添共重合体

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JPH09316179A
JPH09316179A JP16092096A JP16092096A JPH09316179A JP H09316179 A JPH09316179 A JP H09316179A JP 16092096 A JP16092096 A JP 16092096A JP 16092096 A JP16092096 A JP 16092096A JP H09316179 A JPH09316179 A JP H09316179A
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JP
Japan
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polymer
group
dodecene
norbornene
ring
Prior art date
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JP16092096A
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English (en)
Inventor
Toshitaka Otsuki
敏敬 大月
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】透明性、高耐熱性、低吸水性、密着性に優れた
ノルボルネン系開環重合体とその水素化重合体を得る。 【構成】エチリデン基含有ノルボルネン誘導体と極性基
含有ノルボルンネン誘導体を共重合して得られる開環重
合体を水添してなる共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透明性、高耐熱性、低吸
水性、密着性に優れたノルボルネン系開環重合体とその
水素化重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】光学用途に用いられる透明性樹脂として
は従来アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂が用いられ
てきた。しかしながら、アクリル樹脂は耐熱性が不足し
ている上、吸水性が大きく吸湿による屈折率等の変化が
大きいことが欠点であり、ポリカーボネート樹脂は光弾
性係数が大きく複屈折が発生しやすいことが問題点であ
った。最近、これらの問題点を解決しうる高分子材料と
して、ノルボルネン系モノマーの重合体が注目を集めて
いる。これらノルボルネン系モノマーの一種として下記
化1で表される化合物は工業的に入手が容易な鎖状共役
ジエン化合物とシクロペンタジエンのディールス・アル
ダー反応により容易に合成できるため、工業的な価値が
高い。しかしながら、これらの化合物にはメタセシス反
応に対して活性なシクロオレフィン基とアルキリデン基
が共存するために、例えば特開昭63ー97611号公
報に記載の様な通常のメタセシス重合方法では架橋構造
を有するゲル状ポリマーが生成する。この問題を解決す
るために、特開平2−133413号公報において特定
のチーグラー型開環重合触媒を用いることが開示されて
いる。しかし、ここで使用されている触媒はかなり限定
されたモノマーの開環重合にしか使用することができ
ず、例えばエステル基、アルコキシ基、シアノ基等の極
性基を有するモノマーを共重合する場合には、重合活性
が全く無いため使用することができない。従って、生成
する高分子材料は非極性のシクロオレフィンポリマーに
限定される。これらシクロオレフィンポリマーの重要な
用途である光学用途では、ハードコート処理、アンチグ
レア処理、各種金属薄膜のコーティングをして使用され
ることが多く、種々の材料との密着性を有することが要
求されることが非常に多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、透明性、
高耐熱性、低吸水性、および密着性を兼ね備えた高分子
材料を得るべく鋭意検討した結果、本発明のノルボルネ
ン系開環共重合体が優れた特性を有することを見い出し
た。さらに、その製造法として特定の開環重合触媒を用
いることにより、ゲルの生成が無く、成形材料として使
用するに十分な分子量を有する重合体が得られることを
見い出し、本発明に至った。
【0004】すなわち、本発明は、下記一般式1で表さ
れるノルボルネン誘導体(以下、「単量体1」という)
95〜30重量%と下記一般式2で表される極性基含有
ノルボルンネン誘導体(以下、「単量体2」という)5
〜70重量%を共重合して得られる開環重合体を水添し
てなる共重合体。
【0005】
【化3】
【0006】〔式中、R1およびR2は互いに同一または
異なり、水素原子またはアル キル基を示し、mは0〜
2の整数を示す。〕
【0007】
【化4】
【0008】〔式中、AおよびBは水素原子または炭素
数1〜10の炭化水素基であり、XおよびYは水素原子
または一価の有機基であって、XおよびYの少なくとも
1つは水素原子および炭化水素基以外の極性を有する基
を示し、nは0または1である]
【0009】以下、本発明について具体的に説明する。
本発明で単量体として使用される単量体1としての具体
例とていは、5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン、5−プロピリデンビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−ブチリデンビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、8−エチリデンテトラシク
ロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、7
−エチリデン−ヘキサシクロヘプタデセン等を挙げるこ
とができる。これらのノルボルネン誘導体は単独で使用
することもできるし、2種以上を併用して用いることも
できる。これら単量体1の中で、得られる重合体の耐熱
性、光学特性の面から8−エチリデンテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンが最も
好ましい。
【0010】本発明で使用される単量体2の具体例とし
ては、5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]
ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−n−プロピロキ
シカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5−イソプロピロキシカルボニルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−n−ブトキシカルボニ
ルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−イソ
ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エ
トキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−メチル−5−n−プロピロキシカルボニルビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−
5−イソプロピロキシカルボニルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−n−ブトキシ
カルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−イソブトキシカルボニルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシ
カルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シクロヘキシロキシカルボニルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−シアノビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、8−メトキシカルボニルテトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロピ
ロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−イソプロピロキシカルボ
ニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−
メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,1 0]−3−ドデセン、8−メチル
−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,1 0]−3−ドデセン、8−メチル−8−n
−プロピロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2, 5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−イ
ソプロピロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2, 5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n
−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセン 8,9−ジメトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン 8−シクロヘキシロキシカルボニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン 8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン などを挙げることができる。これらのうち得られる共重
合体の耐熱性と光学特性の面から、8−メチル−8−メ
トキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,1 0]−3−ドデセンが最も好ましい。上記の極性基
含有ノルボルネン誘導体は必ずしも単独で用いる必要は
なく、2種以上を用いて開環共重合反応を行うこともで
きる。
【0007】単量体1と単量体2の極性基含有ノルボル
ネン誘導体の共重合比率は重量比で化1/化2=95〜
30/5〜70、好ましくは化1/化2=90〜40/
10〜60、更に好ましくは80〜50/20〜50で
ある。
【0008】本発明においては、単量体1および2以外
の共重合可能なモノマ−、例えばノルボルネン、ジシク
ロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン、テト
ラシクロドデセン等を使用することもできる。
【0009】本発明では、ポリブタジエン、ポリイソプ
レン、スチレンーブタジエン共重合体、エチレン−非共
役ジエン重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−
炭素間二重結合を含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの
存在下に特定単量体を開環重合させてもよい。そして、
この場合に得られる開環共重合体の水素添加物は、耐衝
撃性の大きい樹脂の原料として有用である。
【0010】<開環重合触媒>本発明でにおいては開環
重合触媒として、下記のメタセシス重合触媒が用いられ
る。本発明では、極性基含有モノマーとの共重合を行う
ため、活性の低い四ハロゲン化チタン系の触媒は用いる
ことができない。本発明で用いられるメタセシス触媒と
しては、(a)W、MoおよびReの化合物から選ばれ
た少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表IA族
元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA族元素(例
えばMg、Caなど)、IIB族元素(例えばZn、C
d、Hgなど)、III A族元素(例えばB、Alな
ど)、IVA族元素(例えばSi、Sn、Pbなど)あ
るいはIVB族元素(例えばTi、Zrなど)の化合物で
あって、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは
当該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくと
も1種との組合せからなる触媒である。またこの場合に
触媒の活性を高めるために、後述の添加剤(c)が添加
されたものであってもよい。(a)成分として適当な
W、MoあるいはReの化合物の代表例としては、WC
6 、MoCl5 、ReOCl3 など特開平1−240
517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
(b)成分の具体例としては、n−C49 Li、(C
253 Al 、(C252 AlCl 、(C2
51.5 AlCl1.5 、(C25 )AlCl2、メチ
ルアルモキサン、LiHなど特開平1−240517号
公報に記載の化合物を挙げることができる。添加剤であ
る(c)成分の代表例としては、アルコ−ル類、アルデ
ヒド類、ケトン類、アミン類などが好適に用いることが
できるが、更に特開平1−240517号公報に示され
る化合物を使用することができる。
【0011】メタセシス触媒の使用量としては、上記
(a)成分とノルボルネン誘導体の合計とのモル比で
「(a)成分:ノルボルネン誘導体が、通常1:500
〜1:80000の範囲であり、1:1000〜1:5
0000となる範囲であることが好ましい。(a)成分
と(b)成分との割合は、金属原子比で(a):(b)
が1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30の範
囲とされる。(a)成分と(c)成分との割合は、モル
比で(c):(a)が0.005:1〜15:1、好ま
しくは0.05:1〜7:1の範囲とされる。
【0012】<重合反応用溶媒>開環重合反応において
用いられる溶媒(分子量調節剤溶液を構成する溶媒、特
定単量体および/またはメタセシス触媒の溶媒)として
は、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
ノナン、デカンなどのアルカン類、シクロヘキサン、シ
クロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナ
ンなどのシクロアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素、
クロロブタン、ブロムヘキサン、塩化メチレン、ジクロ
ロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼ
ン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲ
ン化アルカン、アリールなどの化合物、酢酸エチル、酢
酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチ
ル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル
類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキ
シエタンなどのエーテル類などを挙げることができ、こ
れらは単独であるいは混合して用いることができる。こ
れらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。溶媒の使用量
としては、「溶媒:特定単量体(重量比)」が、通常
1:1〜10:1となる量とされ、好ましくは1:1〜
5:1となる量とされる。
【0013】<分子量調節剤>ノルボルネン系重合体の
分子量の調節は重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によ
っても行うことができるが、本発明においては、分子量
調節剤を反応系に共存させることにより調節する。ここ
に、好適な分子量調節剤としては、例えばエチレン、プ
ロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1
−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンな
どのα−オレフィン類およびスチレンを挙げることがで
き、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好
ましい。これらの分子量調節剤は、単独であるいは2種
以上を混合して用いることができる。分子量調節剤の使
用量としては、開環重合反応に供される単量体の合計1
モルに対して0.005〜2.0モル、好ましくは0.
02〜1.0モルとされる。
【0014】本発明で用いられるノルボルネン系共重合
体の分子量は固有粘度(ηinh)で0.2〜5.0の範
囲のものが好適である <水素添加触媒>以上のようにして得られる開環重合体
は、水素添加触媒を用いて水素添加できる。水素添加反
応は、通常の方法、すなわち、開環重合体の溶液に水素
添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましく
は3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましく
は20〜180℃で作用させることによって行われる。
水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水
素添加反応に用いられるものを使用することができる。
この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系
触媒が公知である。不均一系触媒としては、パラジウ
ム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金
属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニア
などの担体に担持させた固体触媒を挙げることができ
る。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/
トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナー
ト/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n
−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルア
ルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス
(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス
(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロ
カルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウ
ム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィ
ン)ルテニウムなどを挙げることができる。触媒の形態
は粉末でも粒状でもよい。ただし、本発明の共重合体の
水素添加においては芳香族環が核水添される水素添加触
媒や条件は使用できない。これらの水素添加触媒は、開
環重合体:水素添加触媒(重量比)が、1:1×10-6
〜1:2となる割合で使用される。このように、水素添
加することにより得られる水素添加重合体は優れた熱安
定性を有するものとなり、成形加工時や製品としての使
用時の加熱によってはその特性が劣化することはない。
ここに、水素添加率は、通常50%以上、好ましく70
%以上、更に好ましくは90%以上である。
【0015】上記の様にして得られた重合体には、公知
の酸化防止剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノ−ル、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−
t−ブチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、テ
トラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン;紫
外線吸収剤、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど
を添加することによって安定化することができる。ま
た、加工性を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加
することもできる。本重合体の用途としては、光ディス
ク、光磁気ディスク、ピックアップレンズ、レ−ザービ
ームプリンター用レンズ、カメラ用レンズ等の光学レン
ズ、メガネレンズ、液晶ディスプレイ用フィルム、光フ
ァイバー、医薬品等の容器、医療用器具、封止材用途等
に使用できる。以下、本発明の実施例について説明する
が、本発明がこれらによって制限されるものではない。
【0016】〔実施例1〕特定単量体として下記化3で
表される8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセン 70g,下記化4で表
される8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシク
ロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン 3
0g、分子量調節剤である1−ヘキセン 34gとトル
エン200gを、窒素置換した反応容器に仕込み、80
℃に加熱した。これに、重合触媒であるトリエチルアル
ミニウム(1.5モル/l)のトルエン溶液 0.17
gと、フェニルホスホン酸ジクロリドおよびメタノール
でWCl6を変性し、フェニルホスホン酸ジクロリド:
メタノール:タングステンのモル比が0.35:0.
3:1であるように調製したWCl6溶液(濃度0.0
5モル/l)1.0gを加え、80℃で3時間加熱攪拌
して、重合体溶液Aを得た。この重合反応における重合
転化率は97%であり、反応生成物中にゲル状物は認め
られなかった。
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】得られた重合体溶液Aの4000gをオー
トクレーブに入れ、これにRuHCl(CO)[P(C
6533の0.48gを加え、水素ガス圧を100K
g/cm2、反応温度165℃の条件で3時間加熱攪拌
して水素添加反応を行った。得られた反応溶液を冷却し
た後、水素ガスを放圧し、水素添加重合体溶液Bを得
た。このポリマー溶液を大量のメタノール中で凝固、乾
燥させてポリマーを単離した。このポリマーのTgは1
63℃、水素添加率は実質上100%であり、GPC
(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)で測定し
たポリスチレン換算の重量平均分子量Mw=61,50
0であった。
【0020】こうして得られたポリマーをペレット化し
た後、射出成形機により、射出成形して試験片を作製
し、諸特性を測定した。測定結果を表1に示す。なお、
得られた重合体と成形した試験片の測定方法は以下の通
りである。重量平均分子量および分子量分布 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を
用い、テロラヒドロフラン中で、ポリスチレン換算の重
量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)を測
定した。ガラス転移温度(Tg) 示差熱量計(DSC)により、窒素雰囲気下、10℃/
minの昇温速度で測定した。飽和吸水率 成形試験片を25℃の水中に浸漬し、平衡吸水状態後の
吸水率をカールフィッシャー法により測定した。接着性 得られた樹脂成形板上にアルミニウムを蒸着し、1mm
×1mmの碁盤目100個をカッターで刻み、セロテー
プ剥離試験を行った。剥離したます目の数が10以下の
ものを「○」、11以上のものを「×」と評価した。
【0021】〔実施例2〕特定単量体として8ーエチリ
デンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10.]ー
3−ドデセン 50gと8−メチル−8−メトキシカル
ボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン 50gを用いた他は実施例と同様の方法
で重合、水素化を行った。このポリマーのTgは165
℃、水素添加率は実質上100%であり、GPC(ゲル
パーミエイションクロマトグラフィー)で測定したポリ
スチレン換算の重量平均分子量Mw=72,000であ
った。こうして得られたポリマーをペレット化した後、
実施例1と同様に射出成形を行い、試験片を成形した。
諸特性の測定結果を表1に示した。
【0022】〔実施例3〕特定単量体として8−エチリ
デンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10.]−
3−ドデセン 80gと化7で表される5−メチル−5
−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン 20g、分子量調節剤として1−ヘキセン
19部を用いた他は実施例1と同様の方法で重合、水素
化を行った。このポリマーのTgは141℃、水素添加
率は実質上100%であり、GPC(ゲルパーミエイシ
ョンクロマトグラフィー)で測定したポリスチレン換算
の重量平均分子量Mw=59,000であった。こうし
て得られたポリマーをペレット化した後、実施例1と同
様に射出成形を行い、試験片を成形した。試験片を用い
て測定した諸特性を表1に示した。
【0023】
【化7】
【0024】〔比較例1〕メタセシス開環重合触媒とし
て四塩化チタン 2.5mmol、トリエチルアルミニ
ウムのトルエン溶液(1.5mol/l) 8.3ml
を用いた他は実施例1と同様の方法で開環重合を行っ
た。重合反応終了後、大量のメタノール中に反応溶液を
注いだが、ポリマーの析出は全く認められず、重合反応
は全く進行していないことが確認された。 〔比較例2〕特定単量体として化3で表される8−エチ
リデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン 100g、分子量調節剤である1−ヘキ
セン0.6gとシクロヘキサン200gを、窒素置換し
た反応容器に仕込み、300℃に加熱した。これに、重
合触媒であるトリエチルアルミニウム 11mmol、
四塩化チタン 2.2mmolおよびトリエチルアミン
11mmolを加え、30℃で攪拌下5時間反応させ
た。反応後、アセトン/イソプロピルアルコール(1/
1)混合溶剤でポリマーを沈殿させた。こうして得られ
た開環重合体100gをシクロヘキサン1000mlに
溶解し、Pd濃度が5%のPd/カーボン触媒20gを
用いて、水素ガス圧60kg/cm2、120℃で8時間反応
させて、水素化率が99%以上の水素化重合体を得た。
得られた水素化重合体溶液からろ過により水素化触媒を
除去後、大量のアセトン/イソプロピルアルコール(1
/1)中に注ぎ、ポリマーを凝固させ、さらに乾燥させ
た。こうして得られたポリマーをペレット化した後、実
施例1と同様に射出成形を行い、試験片を成形した。試
験片を用いて測定した諸特性を表1に示した。
【0025】
【0026】
【発明の効果】本発明の共重合体は、高耐熱性、低吸水
性、密着性に優れた重合体であり、光ディスク、光磁気
ディスク、ピックアップレンズ、レーザービームプリン
ター用レンズ、カメラ用レンズ等の光学レンズ、メガネ
レンズ、液晶ディスプレイ用フィルム、光ファイバー、
医薬品等の容器、医療用器具、封止材用途等に好適に使
用できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式1で表されるノルボルネン誘導
    体95〜30重量%と下記一般式2で表される極性基含
    有ノルボルンネン誘導体5〜70重量%を共重合して得
    られる開環重合体を水添してなる共重合体。 【化1】 〔式中、R1およびR2は互いに同一または異なり、水素
    原子またはアル キル基を示し、mは0〜2の整数を示
    す。〕 【化2】 〔式中、AおよびBは水素原子または炭素数1〜10の
    炭化水素基であり、XおよびYは水素原子または一価の
    有機基であって、XおよびYの少なくとも1つは水素原
    子および炭化水素基以外の極性を有する基を示し、nは
    0または1である]
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003056365A2 (en) * 2001-12-25 2003-07-10 Jsr Corporation Thermoplastic norbornene resin based optical film
KR100476303B1 (ko) * 2001-12-20 2005-03-15 한국과학기술원 노르보넨 공중합체의 제조방법 및 동 방법에 의해 제조한노르보넨 공중합체

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