JP3570455B2 - 光学材料用樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂組成物に関し、更に詳しくは、低複屈折性,透明性および流動性に優れた樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、透明樹脂は自動車部品、照明機器、電機部品など通常の透明性が要求される成形品の材料として用いられ、特に最近においては、光学的性質が重視される光学材料としての応用が進みつつある。かかる用途に好適に用いられる透明樹脂として、ポリカーボ
ネート系樹脂やアクリル系樹脂が知られている。しかし、アクリル系樹脂は透明性に優れているが、耐熱性や吸水性等の点で問題があり、一方、ポリカーボネート系樹脂は耐熱性、吸水性はアクリル系樹脂より優れているが、複屈折が大きいなどの問題がある。最近では、透明性、低吸水性、低複屈折性、高耐熱性などを兼ね備えている熱可塑性ノルボルネン系樹脂が光学材料用の透明樹脂として用いられてきている。しかし、技術の進歩に伴い、より低複屈折性を示す光学材料が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような課題を背景になされたもので、従来のノルボルネン系樹脂が持つ特性を保持したままで、低複屈折性かつ高流動性を示す樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の光学材料溶樹脂組成物は、下記一般式(1)で表される単量体から誘導される、極性基を有する熱可塑性ノルボルネン系樹脂、および、ポリスチレン換算重量平均分子量が2×10 4 以下で、かつ常温で固体の炭化水素樹脂を含有してなることを特徴として
いる。
【化2】
(式中、R 1 およびR 2 は、それぞれ炭素数1〜10の炭化水素基を示す。mは0または正の整数である。)
このような本発明の光学材料溶樹脂組成物においては、前記熱可塑性ノルボルネン系樹脂100重量部に対して、前記炭化水素樹脂を5〜50重量部、好ましくは25〜50重量部含有することが望ましい。
以下、本発明について詳細に報告する。本発明に用いられる極性基を有する熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、下記一般式(1)で表される特定単量体から誘導される重合体である。
【0005】
【化
(式中、R1およびR2は、それぞれ炭素数1〜10の炭化水素基を示す。mは0または正の整数である。)
【0006】
上記一般式1で表される特定単量体の具体例としては、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−n−プロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−イソプロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−n−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、などを挙げることができる。これらのうち、得られる重合体の耐熱性と光学特性の面から、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンが好ましい。上記の特定単量体は必ずしも単独で用いる必要はなく、2種以上を用いて開環共重合反応を行うこともできる。極性基がないノルボルネン系樹脂を用いると、炭化水素系樹脂との相溶性が低下し、光線透過率が減少するので好ましくない。
【0007】
〈共重合性単量体〉
ノルボルネン系樹脂は、上記の特定単量体を単独で開環重合させたものであっても良いが、該特定単量体と共重合性単量体とを開環共重合させた共重合体であっても良い。この場合に使用される共重合性単量体の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]−3−デセン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフィンを挙げることができる。さらに、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重結合を含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下に特定単量体を開環重合させてもよい。そして、この場合に得られる開環共重合体の水素添加物は、耐衝撃性の大きいノルボルネン系樹脂の原料として有用である。
【0008】
<不飽和二重結合含有化合物>
さらに、飽和共重合体よりなるノルボルネン系重合体を得るために、前記特定単量体と共に使用される不飽和二重結合含有化合物としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテンなどを挙げることができる。
<開環重合触媒>
本発明において、特定単量体の開環重合体を得るための開環重合反応は、メタセシス触媒の存在下に行われる。このメタセシス触媒は、(a)W、MoおよびReの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA族元素(例えば、Mg、Caなど)、IIB族元素(例えば、Zn、Cd、Hgなど)、IIIA族元素(例えば、B、Alなど)、IVA族元素(例えば、Si、Sn、Pbなど)、あるいはIVB族元素(例えば、Ti、Zrなど)の化合物であって、少なくとも1つの該元素−炭素結合あるいは該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種との組合せからなる触媒である。また、この場合に触媒の活性を高めるために、後述の(c)添加剤が添加されたものであってもよい。
【0009】
(a)成分として適当なW、MoあるいはReの化合物の代表例としては、WCl6 、MoCl5 、ReOCl3 などの特開平1−132626号公報第8頁左下欄第6行〜第8頁右上欄第17行に記載の化合物を挙げることができる。(b)成分の具体例としては、n−C49 Li、(C253 Al 、(C252 AlCl、(C251.5 AlCl1.5 、(C25 )AlCl2、メチルアルモキサン、LiHなど特開平1−1
32626号公報第8頁右上欄第18行〜第8頁右下欄第3行に記載の化合物を挙げることができる。添加剤である(c)成分の代表例としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などが好適に用いることができるが、さらに特開平1−132626号公報第8頁右下欄第16行〜第9頁左上欄第17行に示される化合物を使用することができる。
【0010】
メタセシス触媒の使用量としては、上記(a)成分と特定単量体とのモル比で「(a)
成分:特定単量体」が、通常、1:500〜1:50,000となる範囲、好ましくは1:1,000〜1:10,000となる範囲とされる。(a)成分と(b)成分との割合は、金属原子比で(a):(b)が1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30の範囲とされる。(a)成分と(c)成分との割合は、モル比で(c):(a)が0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲とされる。
【0011】
<重合反応用溶媒>
開環重合反応において用いられる溶媒(分子量調節剤溶液を構成する溶媒、特定単量体および/またはメタセシス触媒の溶媒)としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素、クロロブタン、ブロムヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどの、ハロゲン化アルカン、ハロゲン化アリールなどの化合物、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類などを挙げることができ、これらは単独であるいは混合して用いることができる。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。溶媒の使用量としては、「溶媒:特定単量体(重量比)」が、通常、1:1〜10:1となる量とされ、好ましくは1:1〜5:1となる量とされる。
【0012】
<分子量調節剤>
ノルボルネン系重合体の分子量の調節は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調節する。ここに、好適な分子量調節剤としては、例えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類およびスチレンを挙げることができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。これらの分子量調節剤は、単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。分子量調節剤の使用量としては、開環重合反応に供される特定単量体1モルに対して0.005〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルとされる。本発明で用いられるノルボルネン系重合体の分子量は、固有粘度〔η〕inh で0.2〜5.0の範囲のものが好適である。
【0013】
<水素添加触媒>
以上のようにして得られる開環重合体は、水素添加触媒を用いて水素添加することができる。水素添加反応は、通常の方法、すなわち開環重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによって行われる。水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒が挙げられる。不均一系触媒としては、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は、粉末でも粒状でもよい。これらの水素添加触媒は、開環重合体:水素添加触媒(重量比)が、1:1×10-6〜1:2となる割合で使用される。このように、水素添加することにより得られる水素添加重合体は、優れた熱安定性を有するものとなり、成形加工時や製品としての使用時の加熱によっても、その特性が劣化することはない。ここに、水素添加率は、通常50%以上、好ましく70%以上、さらに好ましくは90%以上である。
【0014】
次に、本発明で使用する炭化水素樹脂としては、ポリスチレン換算重量平均分子量が2×104以下、好ましくは2×104〜100のものであり、かつ常温で固体のものである。具体例としては、C5系樹脂、C9系樹脂、C5系/C9系混合樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、ビニル置換芳香族系化合物の重合体系樹脂、オレフィン/ビニル置換芳香族系化合物の共重合体系樹脂、シクロペンタジエン系化合物/ビニル置換芳香族系化合物の共重合体系樹脂、あるいは前記樹脂の水素添加物等を挙げることができる。これらの炭化水素系樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量が高すぎると、極性基を有する熱可塑性ノルボルネン系樹脂との相溶性が悪くなり透明性が低減するので好ましくない。また、常温で液状の炭化水素化合物を用いると、樹脂の強度を低下させやすく、しかも樹脂の表面にブリードするので好ましくない。炭化水素樹脂の配合割合は、極性基を有する熱可塑性ノルボルネン系樹脂100重量部に対して、通常0.01〜50重量部、好ましくは0.1〜25重量部である。本発明の樹脂組成物の配合方法は、例えば、二軸押出し機、ロール混練機などによる配合や、極性基を有する熱可塑性ノルボルネン系樹脂の溶液に炭化水素樹脂の溶液をブレンドしてペレット化する方法などが挙げられる。
【0015】
本発明の樹脂組成物には、公知の酸化防止剤、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2'−ジオキシ−3,3'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン;紫外線吸収剤、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどを添加することによって安定化することができる。また、加工性を向上させる目的で滑剤等の添加剤を添加することもできる。本発明の樹脂組成物は、公知の成形手段、例えば射出成形、圧縮成形、押出し成形等を用いて成形品を作成することができる。また、キャスト成形法によってもフィルムを製造することができる。また、作製された成形品の表面に、無機化合物、シランカップリング剤などの有機シリコン化合物、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、メラニン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂などからなるハードコート層を形成することができる。ハードコート層の形成手段としては、熱硬化法、紫外線硬化法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの公知の方法を挙げることができる。これによって、成形品の耐熱性、光学特性、耐薬品性、耐磨耗性および透湿性などを向上させることができる。本発明の樹脂組成物の用途は限定されるものでなく、広い範囲にわたって使用することができ、例えば、一般カメラ用レンズ、ビデオカメラ用レンズ、望遠鏡レンズ、眼鏡レンズ、レーザビーム用レンズなどのレンズ類、光学式ビデオディスク、オーディオディスク、文書ファイルディスク、メモリディスクなどの光ディスク類、光ファイバーなどの光学材料、受像転写シートや各種フィルム、シート、封止剤、無機または有機化合物のバインダーとして特に好適に使用することができる。
【0016】
〔合成例1〕
特定単量体として下記構造式(2)で表される8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン250部と分子量調節剤である1−ヘキセン27部とトルエン500部を、窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。これに、重合触媒であるトリエチルアルミニウム(1.5モル/l)のトルエン溶液0.58部と、t−ブタノールおよびメタノールでWCl6 を変性し、t−ブタノールとメタノールおよびタングステンのモル比が0.35:0.3:1とされたWCl6 溶液(濃度0.05モル/l)2.5部を加え、80℃で3時間加熱攪拌して、重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であった。
【0017】
【化
【0018】
得られた重合体溶液4, 000部をオートクレーブに入れ、これにRuHCl(CO)[P(C6533 の0.48部を加え、水素ガス圧を100Kg/cm2 、反応温度165℃の条件で3時間加熱攪拌して水素添加反応を行った。得られた反応溶液を冷却したのち、水素ガスを放圧し、水素添加重合体溶液を得た。このポリマー溶液を大量のメタノール中で凝固、乾燥させてポリマーを単離した。このポリマーのTgは170℃、水素添加率は実質上100%であり、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mw=55,000であった。
【0019】
〔合成例2〕
特定単量体として下記構造式(3) で表される8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセンの300部をシクロヘキサン2, 000部に溶解し、分子量調節剤として1−ヘキセン10部を添加し、内温を30℃に保った。この溶液にトリエチルアルミニウムの15%シクロヘキサン溶液100部、およびトリエチルアミン50部、四塩化チタンの20%シクロヘキサン溶液100部を添加して2時間開環重合反応を行った。この反応の重合転化率は95%であった。得られた開環重合体のシクロヘキサン溶液500部にパラジウム−カーボン1部を添加してオートクレーブ中に投入し、水素圧70kg/cm2 、140℃で3時間水素添加反応を行った。得られた反応溶液を冷却したのち、水素ガスを放圧し、水素添加重合体溶液を得た。このポリマー溶液を大量のメタノール中で凝固、乾燥させてポリマーを単離した。この樹脂のTgは142℃、水素添加率は99.9%以上であり、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mw=59,500であった。
【0020】
【化
【0021】
【実施例1】
合成例1で製造した水素化ノルボルネン系樹脂100重量部に対し、炭化水素樹脂を0〜50部の範囲で配合割合を第1表のとおりに変えて混合した。これらの混合物を二軸押出し機で240〜280℃にてペレット化した。炭化水素樹脂として、シクロペンタジエン系化合物/ビニル置換芳香族系化合物の共重合体系樹脂(出光石油化学(株)社製のアイマーブ)を使用した。この炭化水素樹脂の分子量は650、軟化点100℃で常温で固体であった。前記各ペレットを用い、240〜280℃の条件でプレス成形を行い、長さ55mm、幅10mm,厚み0.5mmの透明板を成形した。この透明板をTg+20℃の油浴中で延伸(延伸倍率:1.3倍、延伸速度:1mm/sec)した。この透明板について、物性を測定し、その結果を第1表に示す。延伸後の透明板のレタデーションは、エリプソメーター(溝尻光学(株)社製、光源:He−Neレーザー)により測定した。
【0022】
【表1】
【0023】
【実施例2】
合成例1で製造した水素化ノルボルネン系樹脂100重量部に対し、炭化水素樹脂として東邦化学工業(株)社製ハイレジン樹脂(分子量850、軟化点100℃、常温で固体)25部を配合した以外は実施例1と同様にして物性の測定を行ったところ、Tgは145℃、レタデーションは>10nm、光線透過率は92%であった。
【実施例3】
合成例1で製造した水素化ノルボルネン系樹脂100重量部に対し、炭化水素樹脂としてトーネックス(株)社製Escorez樹脂(分子量420、軟化点105℃、常温で固体)25部を配合した以外は実施例1と同様にして物性の測定を行ったところ、Tgは143℃、レタデーションは>10nm、光線透過率は92%であった。
【実施例4】
合成例1で製造した水素化ノルボルネン系樹脂100重量部に対し、炭化水素樹脂として日本石油化学(株)社製日石ネオポリマー樹脂(分子量2200、軟化点145℃、常温で固体)25部を配合した以外は実施例1と同様にして物性の測定を行ったところ、Tgは145℃、レタデーションは>10nm、光線透過率は92%であった。
【0024】
【実施例5】
合成例1で製造した水素化ノルボルネン系樹脂100重量部に対し、炭化水素樹脂として荒川化学工業(株)製アルコン樹脂(分子量750、軟化点125℃、常温で固体)25部を配合した以外は実施例1と同様にして物性の測定を行ったところ、Tgは147℃、レタデーションは>10nm、光線透過率は92%であった。
[比較例1]
合成例2で製造した極性基を含有しない水素化ノルボルネン系樹脂100重量部に対し、炭化水素樹脂として出光石油化学(株)社製アイマーブ樹脂(分子量650、軟化点100℃、常温で固体)25部を配合した。この配合物を二軸押し出し機で230℃にてペレット化した。このペレットを用い、230℃の条件でプレス成形を行い、長さ55mm,幅10mm,厚み0.5mmの板を成形したところ、相分離のために白濁した。
【0025】
【発明の効果
本発明の樹脂組成物は、低複屈折性,透明性および流動性に優れる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表される単量体から誘導される、極性基を有する熱可塑性ノルボルネン系樹脂、および、ポリスチレン換算重量平均分子量が2×104以下で、かつ常温で
    固体の炭化水素樹脂を含有してなる光学材料用樹脂組成物
    (式中、R 1 およびR 2 は、それぞれ炭素数1〜10の炭化水素基を示す。mは0または正の整数である。)
  2. 前記熱可塑性ノルボルネン系樹脂100重量部に対して、前記炭化水素樹脂を5〜50重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の光学材料用樹脂組成物。
  3. 前記熱可塑性ノルボルネン系樹脂100重量部に対して、前記炭化水素樹脂を25〜50重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の光学材料用樹脂組成物。
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