JP2002249596A - 液晶表示装置に用いる表面保護板 - Google Patents

液晶表示装置に用いる表面保護板

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JP2002249596A
JP2002249596A JP2001051852A JP2001051852A JP2002249596A JP 2002249596 A JP2002249596 A JP 2002249596A JP 2001051852 A JP2001051852 A JP 2001051852A JP 2001051852 A JP2001051852 A JP 2001051852A JP 2002249596 A JP2002249596 A JP 2002249596A
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JP
Japan
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dodecene
thermoplastic resin
resin
cyclic olefin
hept
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Application number
JP2001051852A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Mizuno
善久 水野
Kazuhiro Nakamura
和洋 中村
Takuhiro Ushino
卓浩 牛野
Kazuo Kasai
和雄 河西
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JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液晶表示装置に使用する、高温下あるいは高湿
度下での寸法安定性に優れた表面保護板を提供するこ
と。 【解決手段】(A)環状オレフィン系樹脂または、
(A)環状オレフィン系樹脂および(B)ポリスチレン
換算重量平均分子量が20000以下で常温で固体の炭
化水素樹脂1〜100重量部からなる熱可塑性樹脂組成
物を成形して液晶表示装置に使用する表面保護板とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に用
いる表面保護板に関し、詳しくは、環状オレフィン系熱
可塑性樹脂または特定の環状オレフィン系熱可塑性樹脂
組成物を使用することにより、耐熱性、耐湿熱性に優れ
た表面保護板を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】携帯電話あるいは携帯情報端末に組み込
まれた液晶表示装置は、外部環境からの保護などを目的
として、その表面を透明な板状の成形品で保護する構造
となっている。従来この液晶表示装置に用いる表面保護
板には、メタクリル樹脂あるいはポリカーボネート樹脂
が用いられていた。しかしながらメタクリル樹脂やポリ
カーボネート樹脂は、高温下あるいは高湿度下での使用
に際しては寸法安定性などが問題になっていた。また、
上述の表面保護板には、必要に応じて反射防止加工等の
二次加工を施すことがあるが、メタクリル樹脂あるいは
ポリカーボネート樹脂の場合、係る二次加工の加工性に
問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題を鑑みなされたもので、高温下あるいは高湿度下
でも寸法安定性に優れた液晶表示装置用の表面保護板を
提供することを目的とする。また、本発明は、さらに反
射防止加工等の二次加工性に優れた液晶表示装置用の表
面保護板を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)環状オ
レフィン系熱可塑性樹脂または、(A)環状オレフィン
系熱可塑性樹脂および(B)ポリスチレン換算重量平均
分子量が20000以下で常温で固体の炭化水素樹脂と
からなる熱可塑性樹脂組成物を成形して液晶表示装置に
用いる表面保護板とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の熱可塑性樹脂組成
物について詳細に説明する。 <環状オレフィン系熱可塑性樹脂>本発明の樹脂組成物
を構成する環状オレフィン系熱可塑性樹脂(以下、
「(A)成分」と記す)としては、下記〜に示す重
合体を挙げることができる。 下記一般式(I)で表される単量体(以下、「特定単
量体」という。)から選ばれた1種以上の特定単量体の
開環(共)重合体 1種以上の特定単量体と共重合性単量体との開環共重
合体 前記、の開環(共)重合体の水素添加重合体 前記、の開環(共)重合体をフリーデルクラフト
反応により環化した後、水素添加した(共)重合体 1種以上の特定単量体と不飽和二重結合含有化合物と
の飽和共重合体
【0006】
【0007】 一般式(I) 〔式中、R1〜R4は、それぞれ水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜10の炭化水素基、またはその他の1価
の有機基であり、それぞれ同一であっても異なっていて
もよい。R1とR2またはR3とR4は、一体化して2価の
炭化水素基を形成してもよく、R1またはR2とR3また
はR4とは互いに結合して、単環または多環構造を形成
してもよい。mは0または正の整数であり、pは0また
は正の整数である。ただし、mが0のときはpも0であ
る。〕 上記の特定単量体を重合して得られる(A)成分は、反
射防止膜の密着性、プリズム形状の転写性等の二次加工
性を向上させる観点から、その分子構造中に1種類以上
の極性基を有していることが好ましい。
【0008】<特定単量体>好ましい特定単量体として
は、上記一般式(I)中、R1およびR3が水素原子また
は炭素数1〜10の炭化水素基であり、R2およびR4
水素原子または一価の有機基であって、R2およびR4
少なくとも一つは水素原子および炭化水素基以外の極性
基を示し、mが0〜3の整数、pが0〜3の整数であ
り、m+pが0〜4、好ましくは0〜2、特に好ましく
は1であるものを挙げることができる。特に、特定単量
体のうち、式−(CH2nCOOR5で表される極性基
を有する特定単量体は、得られる環状オレフィン系熱可
塑性樹脂が高いガラス転移温度と低い吸湿性を有するも
のとなる点で好ましい。極性基にかかる上記の式におい
て、R5は炭素原子数1〜12の炭化水素基、好ましく
はアルキル基である。また、nは通常0〜5であるが、
nの値が小さいものほど、得られる環状オレフィン系熱
可塑性樹脂のガラス転移温度が高くなるので好ましく、
さらにnが0である特定単量体は、その合成が容易であ
る点で好ましい。さらに、上記一般式(I)においてR
1またはR3がアルキル基であることが好ましく、当該ア
ルキル基の炭素数は1〜4であることが好ましく、更に
好ましくは1〜2、特に好ましくは1である。特に、こ
のアルキル基が上記の式−(CH2nCOOR5で表さ
れる極性基が結合した炭素原子と同一の炭素原子に結合
されていることが好ましい。また、一般式(I)におい
てmが1である特定単量体は、ガラス転移温度の高い環
状オレフィン系熱可塑性樹脂が得られる点で好ましい。
【0009】上記一般式(I)で表わされる特定単量体
の具体例としては、次のような化合物が挙げられる。ビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ
[5.2.1.02,6]−8−デセン、テトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、ペン
タシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−
ペンタデセン、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.1
9,12.08,13]−3−ペンタデセン、トリシクロ[4.
4.0.12,5]−3−ウンデセン、5−メチルビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカル
ボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−
メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−シアノビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、8−メトキシカルボニルテトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロポ
キシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、8−イソプロポキシカルボニル
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−
メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17 ,10]−3−ドデセン、8−メチル
−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17 ,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n
−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2, 5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−イソ
プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,
5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n−ブ
トキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、ジメタノオクタヒドロナフタ
レン、 エチルテトラシクロドデセン、6−エチリデン
−2−テトラシクロドデセン、トリメタノオクタヒドロ
ナフタレン、ペンタシクロ[8.4.0.12,5.1
9,12.08,13]−3−ヘキサデセン、ヘプタシクロ
[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.0
11,16]−4−エイコセン、ヘプタシクロ[8.8.
0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5
−ヘンエイコセン、5−エチリデンビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、8−エチリデンテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、5−
フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8
−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、5−フルオロビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−フルオロメチルビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−トリフルオロ
メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−
ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]
ヘプト−2−エン、5,6−ジフルオロビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ビス(トリフルオ
ロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−トリフル
オロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、5,5,6−トリス(フルオロメチル)
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,
6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、5,5,6,6−テトラキス(トリフルオ
ロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチ
ル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6
−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6−
トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−フルオロ−5−ペンタ
フルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ
フルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6
−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジクロ
ロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6−トリフ
ルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5,5,6−トリフルオロ−6
−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン、8−フルオロテトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−フルオロメ
チルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−トリフ
ルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、8−ペンタフルオロエチルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジフルオロテ
トラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシク
ロ[4.4.0.12,5.17 ,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ
[4.4.0.12,5.17 ,10]−3−ドデセン、8−
メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17 ,10]−3−ドデセン、8,8,9
−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、8,8,9−トリス(トリフル
オロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12, 5.1
7,10]−3−ドデセン、8,8,9,9−テトラフルオ
ロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−
ドデセン、8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロ
メチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
−3−ドデセン、8,8−ジフルオロ−9,9−ビス
(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジフルオロ−
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,
8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメト
キシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフ
ルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−フルオロ−8−ペンタフ
ルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テ
トラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso
−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−
クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジ
クロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシ
クロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロ
エトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセンなどを挙げることができ
る。
【0010】これらの特定単量体のうち、8−メチル−
8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.1
2,5.17,10〕−3−ドデセン、8−エチリデンテトラ
シクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−3−ドデセ
ン、8−エチルテトラシクロ〔4.4.0.12,5.1
7,10〕−3−ドデセン、ペンタシクロ〔7.4.0.1
2 ,5.19,12.08,13〕−3−ペンタデセンは、最終的
に得られる環状オレフィン系熱可塑性樹脂が耐熱性に優
れたものとなる点で好ましく、特に、8−メチル−8−
メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.
2,5.17,10〕−3−ドデセンは、後述する(B)成
分との相溶性に優れた環状オレフィン系熱可塑性樹脂が
得られることから好ましい。
【0011】<共重合性単量体>(A)成分を得るため
の開環重合工程においては、上記の特定単量体のみを1
種以上用いて開環(共)重合させてもよいが、当該特定
単量体と共重合性単量体とを開環共重合させてもよい。
この場合に使用される共重合性単量体の具体例として
は、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、
シクロオクテン、トリシクロ[5.2.1.02, 6]−
8−デセン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシ
クロペンタジエンなどのシクロオレフィンを挙げること
ができる。シクロオレフィンの炭素数としては、4〜2
0が好ましく、さらに好ましくは5〜12である。更に
ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノ
ルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重結合を含む不
飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下に特定単量体を開
環重合させてもよい。そして、この場合に得られる開環
重合体の水素添加物は、耐衝撃性の大きい樹脂の原料と
して有用である。
【0012】<開環重合触媒>本発明において、開環重
合反応はメタセシス触媒の存在下に行われる。このメタ
セシス触媒は、(a)W、MoおよびReの化合物から
選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表
IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA族元素
(例えばMg、Caなど)、IIB族元素(例えばZn、
Cd、Hgなど)、IIIB族元素(例えばB、Alな
ど)、IVA族元素(例えばTi、Zrなど)あるいはIV
B族元素(例えばSi、Sn、Pbなど)の化合物であ
って、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは当
該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも
1種との組合せからなる触媒である。またこの場合に触
媒の活性を高めるために、後述の添加剤(c)が添加さ
れたものであってもよい。
【0013】(a)成分として適当なW、Moあるいは
Reの化合物の代表例としては、WCl6、MoCl5
ReOCl3など特開平1−240517号公報に記載
の化合物を挙げることができる。(b)成分の具体例と
しては、n−C49Li、(C253Al、(C25
3AlCl、(C251.5AlCl1.5、(C25)A
lCl2、メチルアルモキサン、LiHなど特開平1−
240517号公報に記載の化合物を挙げることができ
る。添加剤である(c)成分の代表例としては、アルコ
ール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などが好適
に用いることができるが、更に特開平1−240517
号公報に示される化合物を使用することができる。
【0014】メタセシス触媒の使用量としては、上記
(a)成分と特定単量体とのモル比で「(a)成分:特
定単量体」が、通常1:500〜1:50000となる
範囲、好ましくは1:1000〜1:10000となる
範囲とされる。(a)成分と(b)成分との割合は、金
属原子比で「(a):(b)」が1:1〜1:50、好
ましくは1:2〜1:30の範囲とされる。(a)成分
と(c)成分との割合は、モル比で「(c):(a)」
が0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1
〜7:1の範囲とされる。
【0015】<分子量調節剤>開環重合体の分子量の調
節は重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行う
ことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反
応系に共存させることにより調節することが好ましい。
ここに、好適な分子量調節剤としては、例えばエチレ
ン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デ
センなどのα−オレフィン類およびスチレンを挙げるこ
とができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが
特に好ましい。これらの分子量調節剤は、単独であるい
は2種以上を混合して用いることができる。分子量調節
剤の使用量としては、開環重合反応に供される特定単量
体1モルに対して0.005〜0.6モル、好ましくは
0.02〜0.5モルとされる。
【0016】<開環重合反応用溶媒>開環重合反応にお
いて用いられる溶媒(特定単量体、メタセシス触媒およ
び分子量調節剤を溶解する溶媒)としては、例えばペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン
などのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、
シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロ
アルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、
ブロムヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキ
サメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホル
ム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン;
アリールなどの化合物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、
酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシ
エタンなどの飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエ
ーテル類を挙げることができ、これらは単独であるいは
混合して用いることができる。これらのうち、極性基を
有する特定単量体のみを(共)重合する場合は、芳香族
炭化水素が好ましく、極性基を有さない特定単量体のみ
を(共)重合する場合は、シクロアルカン類が好まし
い。溶媒の使用量としては、「溶媒:特定単量体(重量
比)」が、通常1:1〜10:1となる量とされ、好ま
しくは1:1〜5:1となる量とされる。
【0017】<水素添加触媒>以上のようにして得られ
る開環(共)重合体は、そのまま(A)成分として使用
することもできるが、水素添加された水素添加(共)重
合体を(A)成分として使用することが好ましい。水素
添加反応は、通常の方法、すなわち、開環(共)重合体
の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気
圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200
℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによっ
て行われる。水素添加触媒としては、通常のオレフィン
性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用するこ
とができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒
および均一系触媒が公知である。不均一系触媒として
は、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウ
ムなどの貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミ
ナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒を挙げる
ことができる。また、均一系触媒としては、ナフテン酸
ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチル
アセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コ
バルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/
ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、ク
ロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジク
ロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ク
ロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィ
ン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェ
ニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができ
る。触媒の形態は粉末でも粒状でもよい。これらの水素
添加触媒は、「開環(共)重合体:水素添加触媒(重量
比)」が、1:1×10-6〜1:2となる割合で使用さ
れる。このように、水素添加することにより得られる水
素添加(共)重合体は優れた熱安定性を有するものとな
り、成形加工時や製品としての使用時の加熱によっては
その特性が劣化することはない。ここに、水素添加率
は、通常50%以上、好ましく70%以上、更に好まし
くは90%以上である。 <飽和共重合体を構成する不飽和二重結合含有化合物>
飽和共重合体よりなる(A)成分を得るために、特定単
量体との共重合反応に供される不飽和二重結合含有化合
物としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテンなど
炭素数2〜12、好ましくは2〜8のオレフィン系化合
物を挙げることができる。
【0018】<飽和共重合体を得る際に使用する触媒>
特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との共重合反応
に使用される触媒としては、バナジウム化合物と有機ア
ルミニウム化合物とからなる触媒が用いられる。バナジ
ウム化合物としては、一般式VO(OR)abまたはV
(OR)cd(ただし、Rは炭化水素基、0≦a≦3、
0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d≦
4、3≦c+d≦4)で表されるバナジウム化合物、あ
るいはこれらの電子供与体付加物が用いられる。電子供
与体としてはアルコール、フェノール類、ケトン、アル
デヒド、カルボン酸、有機酸または無機酸のエステル、
エーテル、酸アミド、酸無水物、アルコキシシラン等の
含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリル、イ
ソシアナート等の含窒素電子供与体などが挙げられる。
有機アルミニウム化合物触媒成分としては、少なくとも
1つのアルミニウム−炭素結合あるいはアルミニウム−
水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種が用
いられる。触媒成分の比率はバナジウム原子に対するア
ルミニウム原子の比(Al/V)で2以上、好ましくは
2〜50、特に好ましくは3〜20の範囲である。
【0019】<飽和共重合体を得る際に使用する溶媒>
特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との共重合反応
に使用される溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等のアルカン
類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等のシクロ
アルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素およびそのハロゲン誘導体を挙げることがで
き、これらのうち、シクロヘキサンが好ましい。
【0020】本発明で用いられる(A)成分の30℃の
クロロホルム中で測定した固有粘度(ηinh)は、0.
2〜5dl/gであることが好ましく、さらに好ましく
は0.3〜4である。また(A)成分の分子量として
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)で測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(M
n)が8,000〜100,000、重量平均分子量
(Mw)が20,000〜300,000の範囲のもの
が好適である。
【0021】<特定の環状オレフィン系熱可塑性樹脂組
成物>本発明に用いる特定の環状オレフィン系熱可塑性
樹脂組成物とは、例えば特開平9−221577号公
報、特開平10−287732号公報に記載されてい
る、特定の炭化水素樹脂を含んでなる熱可塑性樹脂組成
物であり、<(A成分)>に加えて、下記に記載の<炭
化水素樹脂:(B)成分>を含むものである。この様な
熱可塑性樹脂組成物は、耐熱性と成形加工性のバランス
が良好である。
【0022】<(B)成分>本発明に使用する(B)成
分の炭化水素樹脂としては、ポリスチレン換算重量平均
分子量が20000以下であり、好ましくは100〜2
0000のものであり、さらに好ましくは200〜10
000,特に好ましくは300〜5000のものであ
る。また、常温で固体のものである。その具体例として
はC5樹脂、C9樹脂、C5系/C9系混合樹脂、シクロペ
ンタジエン系樹脂、ビニル置換芳香族系化合物の重合体
系樹脂、オレフィン/ビニル置換芳香族化合物の共重合
体系樹脂、シクロペンタジエン系化合物/ビニル置換芳
香族系化合物の共重合体系樹脂、あるいは前記樹脂の水
素添加物などを挙げることができる。これらの中では、
5樹脂、C9樹脂、C5系/C9系混合樹脂、シクロペン
タジエン系樹脂、ビニル置換芳香族系化合物の重合体系
樹脂、およびこれらの混合物が挙げられる。また、C5
樹脂としては脂肪族系が好ましく、C9樹脂としては脂
環族系が好ましい。これらの中で特に好ましいのは、C
9樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、およびこれらの混
合物が挙げられる。
【0023】これらの炭化水素系樹脂のポリスチレン換
算重量平均分子量が高すぎると、極性基を有する熱可塑
性熱可塑性ノルボルネン系樹脂との相溶性が悪くなり透
明性が低減するので好ましくない。また、常温で液状の
炭化水素化合物を用いると、樹脂の強度を低下させやす
く、しかも樹脂の表面にブリードしやすくなる。炭化水
素樹脂の配合割合は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂10
0重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは1
〜60重量部、さらに好ましくは2〜50重量部,特に
好ましくは5〜45重量部である。本発明に用いる熱可
塑性樹脂組成物の配合方法は、熱可塑性樹脂の加工に用
いる公知の装置、たとえば、二軸押出機、単軸押出機、
連続ニーダー、ロール混練機、加圧ニーダー、バンバリ
ーミキサーや、(A)成分の溶液に炭化水素系樹脂をブ
レンドしてペレット化するなどが、挙げられる。
【0024】本発明の保護板に用いる環状オレフィン系
熱可塑性樹脂または特定の環状オレフィン系熱可塑性樹
脂組成物は、保護板としたときに、画像をふさぎ画像欠
陥となったり、光が反射し異常輝点となるなどの原因と
なる異物が少なく、可能な限り存在しないことが好まし
い。かかる異物の含有量は、本発明の環状オレフィン系
熱可塑性樹脂または特定の環状オレフィン系熱可塑性樹
脂組成物10gあたり50μm以上の異物が0個である
ことが望ましく、好ましくは30μm以上の異物が0個
であり、20μm以上の異物が0個であることが特に好
ましい。異物の量の測定は、試料をトルエンなどの溶媒
に溶解し、フィルターでろ過後、顕微鏡で観察すること
により、大きさと個数とを計数することにより行われ
る。
【0025】本発明の表面保護板に用いる環状オレフィ
ン系熱可塑性樹脂または特定の環状オレフィン系熱可塑
性樹脂組成物には、さらに組成物の透明性・耐熱性を損
なわない範囲で公知の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラスト
マー、ゴム質重合体、有機微粒子、無機微粒子、染料、
顔料などを配合しても良い。
【0026】本発明の表面保護板に用いる環状オレフィ
ン系熱可塑性樹脂または特定の環状オレフィン系熱可塑
性樹脂組成物には、公知の酸化防止剤、例えば2,6−
ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−ジ
オキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチ
ルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]メタン;紫外線吸収剤、例えば2,4
−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノンなどを添加することによって安
定化することができる。また、加工性を向上させる目的
で滑剤などの添加剤を添加することもできる。
【0027】本発明の表面保護板は、液晶表示装置を保
護するという目的の範囲内でその形状は特に規定されな
い。例えば、平板形状、凸平板、凹平板、自由曲面形
状、球面形状、非球面形状でもあって良いし、正方形、
長方形などの多角形、円形、楕円形などの円形状あるい
はこれらの組み合わせや自由な意匠の形状とすることが
できる。また、取り付けあるいは位置決めのための突
起、切り欠きなども同時に成形あるいは成形後の加工で
付与することもできる。
【0028】本発明の表面保護板は公知の方法で表面に
二次加工処理を施すことができる。例えば、プラズマ、
電子線、紫外線などで親水化や架橋化の表面処理を行
う、表面に無機物をPVD,CVDなどの方法で蒸着し反射防
止、耐食性、耐傷性などの機能を付与する、表面に有機
化合物を塗布し必要に応じて熱や電子線、紫外線などに
より塗布した有機化合物を硬化し反射防止、耐食性、耐
傷性などの機能を付与する、金属(酸化物)薄膜を積層
するなどが挙げられる。
【0029】本発明の表面保護板は公知の方法で有機材
料からなるフィルム、シートあるいは平板と積層するこ
とができる。フィルム、シート、平板はその厚みあるい
は表面平滑性などに応じて、溶媒キャスト法、溶融押出
法、射出成形法など公知の方法で作製されたものが使用
できる。また積層の方法は、接着剤・粘着剤を使用する
方法、熱融着法、超音波融着法など公知の方法が使用さ
れる。積層されるフィルム、シートあるいは平板は、公
知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料などを含有
することができる。またその表面を公知の方法で親水化
や硬化させても良く、またその表面に有機あるいは無機
の化合物、さらには透明電極などを公知の方法で塗布あ
るいは蒸着することもできる。
【0030】このように、本発明の表面保護板それ自身
の表面の二次加工やフィルム、シートあるいは平板を積
層することにより、反射防止、着色、偏光、耐傷性、防
汚性、防曇性、耐光性あるいはタッチパネル機能などを
表面保護板に付与することが可能である。
【0031】本発明の表面保護板の製造方法は特に限定
されるものではなく、公知の押出成形法やインフレーシ
ョン成形法などを適用することができるが、通常は射出
成形法により成形される。射出成形機の形式は特に限定
されない。例えば、シリンダー方式として、インライン
式、プリプラ式、型締め方式として直圧式、トグル式、
駆動方式として、油圧式、電動サーボ方式、これらが組
み合わさった方式などが挙げられる。また、金型は公知
の鋼材により製造される。また公知の方法でキャビティ
ー面に表面処理されていても良い。また、ライトガイド
としての機能を付与するためにプリズムを転写あるいは
シボ模様を転写させる場合それらのパターンは、公知の
切削、エッチング、電鋳、サンドブラストなどの方法に
より形成される。これらのパターンは、金型の可動側、
固定側、あるいは双方側に形成されていても良く、スラ
イドコアなど可動部を伴う構造でも良い。ゲート形状
は、ストレート形状、ピンゲート、ファンゲート、フィ
ルムゲート、トンネルゲート、ゲート途中に絞りを入れ
たものなど公知の方法が使用できる。成形品の突き出し
は、ピン突き出し、面付きだしなど公知の方法が使用で
きる。金型の温調用媒体としては通常の水あるいは鉱物
油などが使用できる。成形前の樹脂の乾燥は公知の熱風
式、除湿式あるいは真空式で通常80℃〜120℃で4
〜6時間行われる。また、成形品の色相改良あるいは焼
けなど防止の観点から、ホッパー部より窒素、アルゴン
など不活性ガスの封入や、可塑化部を真空にする装置な
どを使用しても良い。成形条件は特に規定されないが、
通常シリンダー温度が260℃〜320℃、金型温度
は、環状オレフィン系樹脂または特定の環状オレフィン
系樹脂組成物のガラス転移温度:Tg〜Tg−20℃の
範囲で成形することが好ましい。
【0032】本発明の表面保護板は、液晶表示装置に用
いる表面保護板に広く使用することが可能である。
【0033】以下、本発明を、実施例によってさらに具
体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限さ
れるものではない。なお、以下において「部」は「重量
部」を示す。
【0034】
【参考例】<A成分> (A−1〜8)の製造方法を以下に示す。8−メチル−
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17 ,10]−3−ドデセン(特定単量体)250部
と、1−ブテン(分子量調節剤)55部と、トルエン
(開環重合反応用溶媒)750部とを窒素置換した反応
容器内に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次い
で、反応容器内の溶液に、トリエチルアルミニウムのト
ルエン溶液(1.5モル/l)0.62部と、t−ブタ
ノール/メタノールで変性した六塩化タングズテン(t
−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モ
ル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.0
5モル/l)3.7部とを添加し、この系を80℃で3
時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環重
合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は9
8%であった。
【0035】このようにして得られた開環重合体溶液4
000部をオートクレーブに仕込み、この開環重合体溶
液に、RuHCl(CO)[P(C65330.48
部を添加し、水素ガス圧100kg/cm2、反応温度
165℃の条件下で3時間加熱攪拌することにより水素
添加反応させた。得られた反応溶液(水素添加重合体溶
液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。このようにし
て得られた水素添加重合体の1H−NMRで測定した水
素化率は実質上100%であった。また、水素添加重合
体の固有粘度(ηinh)は0.50であった。
【0036】さらに、得られた反応溶液(水素添加重合
体溶液)にメタノールを大量に加えて水素添加重合体を
凝固し、溶媒および触媒を分離した。このようにして得
られた水素添加重合体の凝固物に、酸化防止剤として、
ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ
ターシャリーブチル)−4−ヒドロキシフェニル]プロ
ピオナート0.1部と、離型剤として、ステアリン酸ト
リグリセライド0.1部とを加え、窒素シールした減圧
式押出機(シリンダー径:65mm,L/D=38,減
圧口:3段,出口樹脂温度:330℃,処理量:160
kg/hr)を用いてペレットにした。ストランド出口
付近は、窒素シールされたクラス10000のクリーン
ブースで囲い、異物の混入が無いようにした。得られた
ペレットの残留溶媒、残留モノマーの量は、いずれも1
000ppm以下であった。また、ペレットのガラス転
移温度(Tg)をDSCで測定したところ163℃であ
った。
【0037】1−ブテン(分子量調節剤)を40部とし
たこと以外は(A−1)の製造方法と同様にして(A−
2)を製造した。重合転化率は98%、水素添加率は実
質上100%であった。また、水素添加重合体の固有粘
度(ηinh)は0.62であった。さらに、得られたペ
レットの残留溶媒、残留モノマーの量は、いずれも10
00ppm以下であり、Tgは164℃であった。
【0038】8−メチル−8−メトキシカルボニルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17 ,10]−3−ドデセ
ンの代わりに8−メチル−8−エチリデンテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンを使用
し、1−ブテン(分子量調節剤)を82部とし、重合溶
媒としてシクロヘキサンを使用したこと以外は(A−
1)の製造方法と同様にして(A−3)を製造した。重
合転化率は98%、水素添加率は実質上100%であっ
た。また、水素添加重合体の固有粘度(ηinh)は0.
50であった。さらに、得られたペレットの残留溶媒、
残留モノマーの量は、いずれも1000ppm以下であ
り、Tgは145℃であった。
【0039】1−ブテン(分子量調節剤)を57部とし
たこと以外は(A−3)の製造方法と同様にして(A−
4)を製造した。重合転化率は98%、水素添加率は実
質上100%であった。また、水素添加重合体の固有粘
度(ηinh)は0.62であった。さらに、得られたペ
レットの残留溶媒、残留モノマーの量は、いずれも10
00ppm以下であり、Tgは144℃であった。
【0040】8−メチル−8−メトキシカルボニルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17 ,10]−3−ドデセ
ンを225部とビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ンを25部使用し、1−ブテン(分子量調節剤)を72
部としたこと以外は(A−1)の製造方法と同様にして
(A−5)を製造した。重合転化率は98%、水素添加
率は実質上100%であった。また、水素添加重合体の
固有粘度(ηinh)は0.50であった。さらに、得ら
れたペレットの残留溶媒、残留モノマーの量は、いずれ
も1000ppm以下であり、Tgは141℃であっ
た。
【0041】1−ブテン(分子量調節剤)を50部とし
たこと以外は(A−5)の製造方法と同様にして(A−
6)を製造した。重合転化率は98%、水素添加率は実
質上100%であった。また、水素添加重合体の固有粘
度(ηinh)は0.56であった。さらに、得られたペ
レットの残留溶媒、残留モノマーの量は、いずれも10
00ppm以下であり、Tgは143℃であった。
【0042】8−メチル−8−メトキシカルボニルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17 ,10]−3−ドデセ
ンを217部と5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エンを33部使用し、1−ブテン(分子量調
節剤)を47部としたこと以外は(A−1)の製造方法
と同様にして(A−7)を製造した。重合転化率は98
%、オレフィン性不飽和結合の水素添加率は実質上10
0%であった。なお、芳香環は実質上水素添加されなか
った。また、水素添加重合体の固有粘度(ηin h)は
0.50であった。さらに、得られたペレットの残留溶
媒、残留モノマーの量は、いずれも1000ppm以下
であり、Tgは141℃であった。
【0043】1−ブテン(分子量調節剤)を35部とし
たこと以外は(A−7)の製造方法と同様にして(A−
8)を製造した。重合転化率は98%、オレフィン性不
飽和結合の水素添加率は実質上100%であった。な
お、芳香環は実質上水素添加されなかった。また、水素
添加重合体の固有粘度(ηinh)は0.56であった。
さらに、得られたペレットの残留溶媒、残留モノマーの
量は、いずれも1000ppm以下であり、Tgは14
2℃であった。
【0044】<B成分> (B−1)成分 シクロペンタジエン−ビニル芳香族系石油樹脂 分子量
1130、軟化点125℃ (B−2)成分 ビニル芳香族系石油樹脂 分子量1150、軟化点14
0℃ (B−3)成分 C9/ジシクロペンタジエン系石油樹脂 分子量81
8、軟化点125℃ (B−4)成分 水添C9系石油樹脂 分子量1590、軟化点100℃
【0045】<A成分とB成分の配合>A成分(A−1
〜8)を製造する工程で得られる凝固物に所定量のB成
分(B−1〜4)を添加し、A成分を製造する場合と同
様の方法で窒素シールした減圧式押出機を用いて熱可塑
性樹脂組成物のペレットを得た。
【0046】<その他樹脂> メタクリル樹脂:比重1.19、Tg:108℃、MF
R(260℃、10Kg):154 ポリカーボネート樹脂:比重1.20、Tg:146
℃、MFR(260℃、10Kg):34
【0047】
【実施例1〜12、比較例1〜2】表−1に示した熱可
塑性樹脂(組成物)を使用して下記の条件で試料を作成
し、寸法安定性、色相、全光線透過率、反射防止膜の信
頼性を測定した。結果を表−1に示した。
【0048】・成形品の形状 50×80mm、厚み1.6mmの平板を射出成形にて成
形した。 ・試験片の成形方法 下記の試験で使用するサンプルを射出成形にて行った。
成形機は住友重機製SG75M−Sを用い、成形条件
は、樹脂温度260〜300℃、金型温度80〜140
℃で行った。
【0049】・反射防止膜の作成方法 上記の方法で作成した成形品に反射防止膜を作成する方
法を示す。 <反射防止膜1>成形品表面に、10-4Torrの真空下で
SiOを825nmの膜厚で蒸着した。次にSiO2
130nmの膜厚で蒸着した。さらにZrO2とTiO2
の混合物を130nmの膜厚で蒸着した。さらに最外層
としてSiO2を248nmの膜厚で蒸着して反射防止
コートを行った。 <反射防止膜2>フッ化ビニリデン70部、ヘキサフル
オロプロピレン30部を共重合し、数平均分子量4.5
×104の重合体を得た。この重合体70部とジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート30部を溶剤である
メチルイソブチルケトン2500部に加えて一時間攪拌
混合し、濃度4%の塗料を得た。この塗料を上記成形品
表面にスピンコーターを用いて塗布した後、60℃に加
温して溶剤を十分に蒸発させ、これに電子線照射装置を
用いて3Mradの線量となるように電子線を照射する
ことにより硬化処理し、膜厚0.2μmの反射防止膜を
形成して反射防止コートを行った。
【0050】・寸法安定性 <耐熱性>成形品を100℃のギアオーブン中で300
時間保持し成形板の流れ方向に対してその寸法変化を測
定した。 ○ 寸法変化率±0.2%未満 △ 寸法変化率±0.5〜0.2% × 寸法変化率±0.5%以上 <耐湿熱性>成形品を85℃、85RH%の恒温恒湿槽
で300時間保持し成形板の流れ方向にたいして、その
寸法変化を測定した。 ○ 寸法変化率±0.05%未満 △ 寸法変化率±0.05〜2.00% × 寸法変化率±2.00%以上 ・色相 多光源分光測色計(スガ試験機製)にて黄色度YIを測定
した。 ・全光線透過率 曇価計(スガ試験機製)にて全光線透過率を測定した。 ・反射防止膜の信頼性 反射防止コートを行ったサンプルを85℃のギアオーブ
ン中に300hr放置した。さらに、反射防止膜側を1m
m×1mmのマス目100個をカッターで刻み、セロハ
ンテープ剥離試験をおこない以下の評価基準にしたがっ
て密着性を評価した。 ○:剥離された目の数が0のもの △:剥離された目の数が1〜10個のもの ×:剥離された目の数が10個を超えるもの
【0051】
【表−1】
【0052】表−1に示す結果の比較より、本発明の保
護板は、高温下あるいは高湿度下での寸法安定性および
反射防止膜の信頼性で例示した二次加工性が、比較例で
示したポリカーボネート樹脂やメタクリル樹脂より優れ
ており、実使用の環境下で保護板の変形などの問題が生
じないことがわかる。
【0053】
【発明の効果】本発明の、(A)環状オレフィン系熱可
塑性樹脂または、(A)環状ポリオレフィン系熱可塑性
樹脂および(B)ポリスチレン換算重量平均分子量が2
0000以下で常温で固体の炭化水素樹脂からなる熱可
塑性樹脂とからなる熱可塑性樹脂組成物を成形してなる
液晶表示装置用表面保護板は、高温下あるいは高湿度下
でも優れた寸法安定性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河西 和雄 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアー ル株式会社内 Fターム(参考) 2H089 HA40 QA02 QA06 QA07 TA01 4F071 AA32 AA39 AA50 AA69 AA74 AA81 AF54 AH16 BA01 BB05 BC03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)環状オレフィン系熱可塑性樹脂また
    は(A)環状オレフィン系熱可塑性樹脂および(B)ポ
    リスチレン換算重量平均分子量が20000以下で常温
    で固体の炭化水素樹脂とからなる熱可塑性樹脂組成物を
    成形してなる液晶表示装置に用いる表面保護板
  2. 【請求項2】環状オレフィン系熱可塑性樹脂がその分子
    構造中に1種類以上の極性基を有することを特徴とする
    請求項1に記載の表面保護板
JP2001051852A 2001-02-27 2001-02-27 液晶表示装置に用いる表面保護板 Pending JP2002249596A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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