JPH09120002A - 反射防止フィルム - Google Patents

反射防止フィルム

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JPH09120002A
JPH09120002A JP7299158A JP29915895A JPH09120002A JP H09120002 A JPH09120002 A JP H09120002A JP 7299158 A JP7299158 A JP 7299158A JP 29915895 A JP29915895 A JP 29915895A JP H09120002 A JPH09120002 A JP H09120002A
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film
antireflection film
thermoplastic norbornene
antireflection
norbornene resin
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Hironobu Shinohara
弘信 篠原
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Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性に優れ複屈折が小さくしかも耐熱性に
優れ生産性にも優れた反射防止フィルムを得る。 【解決手段】 熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなるフ
ィルム上に、最外層を屈折率1.45以下の有機化合物
からなる層とする反射防止膜が形成されてなることを特
徴とする反射防止フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性に優れ複屈
折が小さくしかも耐熱性に優れ生産性にも優れた反射防
止フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイなどに用いられる透明
電極基板、保護板、偏光板、防眩フィルムなどの透明性
基材の反射防止の目的で、基材フィルムの表面に無機化
合物または有機化合物からなる反射防止膜を形成するこ
とがある。このような反射防止性フィルムの基材フィル
ムとしてはポリエチレンテレフタレート(PET)やポ
リカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート
(PMMA)などの透明樹脂からなるフィルムが広く用
いられてきている。ところで上記フィルムに形成される
反射防止膜は単層の場合もあれば2層以上の多層構造の
場合もあり、層を多くするにつれて広い波長領域の反射
防止が可能となるが、層を多く形成していくにつれ透明
性が低下するため、基板の透明性が特に求められてい
る。またこれら反射防止フィルムはディスプレイ用途に
用いられることが多いが、複屈折の大きいフィルムであ
ると表示画像が歪んだりするなど良好な画像を得ること
が難しいため、フィルム全面にわたって複屈折のない均
一なフィルムであることが求められている。さらに、反
射防止膜形成時にかかる熱や車載用液晶ディスプレイな
ど用途によっては高温の環境下で使用する場合の熱でソ
リやうねりなどの変形のない高い耐熱性が求められてい
る。また、長時間使用するうちに反射防止膜がフィルム
基板から剥離すると外観が著しく悪くなり、またディス
プレイそのものの性能劣化を引き起こすことがあるの
で、反射防止膜とフィルム基板間の膜密着性が高いこと
も求められている。これらの要求特性のうち一つでも欠
けたフィルムであると、反射防止フィルムとしての信頼
性に著しく欠け、その用途がごく限られるなど不都合が
生じる。これに対し、PETはガラス転移温度が70℃
程度であり、耐熱性が十分でなく反射膜形成時にソリや
うねりが発生する問題があった。また、PETフィルム
はディスプレイ用途として用いるには透明性が不十分で
あるため、反射防止膜を複数の層にわたって形成すると
透明性は低下し、ディスプレイ画像が暗く不鮮明なもの
となる問題があった。またPMMAは透明性には優れて
いるものの、熱変形温度が低く耐熱性に劣るため、反射
防止膜の形成条件やフィルムの用途がごく限られたもの
となる問題があった。PCは上記2つの樹脂に比べて比
較的耐熱性に優れているものの、光弾性係数が大きいた
め複屈折の大きいフィルムとなりやすく、液晶ディスプ
レイ用途に用いると表示画像が歪むなど難点が多く、そ
の用途はごく限られたものとなる問題があった。またP
Cは表面硬度が低いため、反射防止膜形成時やフィルム
取扱時に傷がつきやすく、ハードコート処理が必須にな
るなど不便な点が多かった。またPETやPCは膜密着
性が不充分であり、長時間にわたって使用するにつれて
基板から反射防止膜がはがれることがあるため基板と反
射防止膜との間に接着層を設けることが必須になること
が多く、生産性に劣り得られるフィルムの透明性にも欠
けるなど問題が多かった。そこで上記課題である透明性
および反射防止膜との密着性を改善するために、熱可塑
性ノルボルネン系樹脂からなる光学部品の表面に直接ま
たは酸化ケイ素(SiO2)からなる層を介して金属酸
化物、金属硫化物または金属フッ化物からなる、高屈折
率の層と低屈折率の層を順次積層させて反射防止膜を形
成する技術が特開平3−210501号公報に開示され
ているが、熱可塑性ノルボルネン系樹脂は透明樹脂の中
では高い耐熱性を有し、高温下で使用される光学部品へ
の用途開発が進んでいるため高温下での膜密着性が強く
求められているが、実際には上記技術では反射防止膜の
膜密着性は不充分で高温下で長時間使用すると膜密着性
が低下することが多かった。また、無機化合物からなる
反射防止膜の形成は真空蒸着やスパッタリングなどの方
法によって行われるが、これらの方法では反射防止膜形
成に時間がかかり生産性に劣る問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を同
時に解決するものであり、透明性および耐熱性に優れ、
複屈折が充分に小さくしかも生産性に優れた反射防止フ
ィルムを提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の反射防止フィル
ムは、熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなるフィルムの
表面に形成される反射防止膜が、屈折率1.45以下の
有機化合物からなる層を最外層とするものである。さら
に本発明により、上記樹脂が極性基を有するものである
反射防止フィルムも提供される。本発明の反射防止フィ
ルムの基板材料として用いられる熱可塑性ノルボルネン
系樹脂は、その繰り返し単位中にノルボルナン骨格を有
するものである。例えば、この熱可塑性樹脂としては、
一般式(I)〜(IV)で表されるノルボルナン骨格を
含むものである。
【0005】
【化1】
【0006】
【化2】
【0007】
【化3】
【0008】
【化4】
【0009】(式中、A、B、CおよびDは、水素原子
または1価の有機基を示す。) 本発明で使用されるノルボルナン骨格を有する熱可塑性
樹脂は、十分な強度を得るために、その重量平均分子量
は5,000〜100万、好ましくは8,000〜20
万である。
【0010】本発明において使用することのできるノル
ボルナン骨格を有する熱可塑性樹脂としては、例えば特
開昭60−168708号公報、特開昭62−2524
06号公報、特開昭62−252407号公報、特開平
2−133413号公報、特開昭63−145324号
公報、特開昭63−264626号公報、特開平1−2
40517号公報、特公昭57−8815号公報などに
記載されている樹脂などを挙げることができる。本発明
においては前記一般式(I)〜(IV)でA、B、Cお
よびDのうちに極性基を含むことが、反射防止膜との密
着性、耐熱性の点から好ましい。極性基を全く含まない
ものは耐湿性に優れているが、反射防止膜との密着性に
劣り接着層が必須となるため透明性に欠けたフィルムと
なりやすく用途が限られる場合がある。しかし、上記一
般式で表される繰り返し単位あたりに含む極性基の数が
多すぎると吸水性が大きくなりすぎ、このような樹脂を
フィルム基材とする反射防止フィルムは時間の経過とと
もに周囲の水分を吸収することによって性能劣化をひき
おこしやすく、新たに防湿層を設ける必要がでてくるな
ど生産性に劣る。従って、吸水性と密着性、耐熱性との
バランスを取るためには本発明の熱可塑性樹脂組成物の
飽和吸水率が0.05〜1.0重量%、好ましくは0.
1〜0.5重量%の範囲となるように極性基やその他置
換基の種類や数を選択することが好ましい。この熱可塑
性樹脂の具体例としては、下記一般式(V)で表される
少なくとも1種のテトラシクロドデセン誘導体または該
テトラシクロドデセンと共重合可能な不飽和環状化合物
とをメタセシス重合して得られる重合体を水素添加して
得られる水添重合体を挙げることができる。
【0011】
【化5】
【0012】(式中A〜Dは、前記に同じ。) 上記一般式(V)で表されるテトラシクロドデセン誘導
体が極性基を有する場合、その極性基が−(CH2 n
COOR(ここで、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、
nは0〜10の整数を示す)で表される基であること
が、得られる水添重合体が高いガラス転移温度を有する
ものとなるので好ましい。特に、この−(CH2 n
OORで表される極性置換基は、一般式(V)のテトラ
シクロドデセン誘導体の1分子あたりに1個含有される
ことが好ましい。前記一般式において、Rは炭素数1〜
20の炭化水素基であるが、炭素数が多くなるほど得ら
れる水添重合体の吸湿性が小さくなる点では好ましい
が、得られる水添重合体のガラス転移温度とのバランス
の点から、炭素数1〜4の鎖状アルキル基または炭素数
5以上の(多)環状アルキル基であることが好ましく、
特にメチル基、エチル基、シクロヘキシル基であること
が好ましい。
【0013】さらに、カルボン酸エステル基が結合した
炭素原子に、同時に炭素数1〜10の炭化水素基が置換
基として結合されている一般式(V)のテトラシクロド
デセン誘導体は、吸湿性を低下させるので好ましい。特
に、この置換基がメチル基またはエチル基である一般式
(V)のテトラシクロドデセン誘導体は、その合成が容
易な点で好ましい。具体的には、8−メチル−8−メト
キシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]ドデカ−8−エンが好ましい。これらのテトラシ
クロドデセン誘導体、あるいはこれと共重合可能な不飽
和環状化合物の混合物は、例えば特開平4−77520
号公報第4頁右上欄第12行〜第6頁右下欄第6行に記
載された方法によって、メタセシス重合、水素添加さ
れ、本発明に使用される特定水添重合体とすることがで
きる。また、上記水添重合体の水素添加率は、60MH
z、 1H−NMRで測定した値が50%以上、好ましく
は90%以上、さらに好ましくは98%以上である。水
素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れる。
なお、本発明において、水添重合体は、フィルム表面の
肌あれなどの不良発生防止の面から該水添重合体中に含
まれるゲル含有量が5重量%以下であることが好まし
く、さらに1重量%であることが好ましい。
【0014】本発明において、フィルム基板の材料とし
て用いる熱可塑性ノルボルネン系樹脂には、必要に応
じ、本発明の効果を損ねない範囲で公知の酸化防止剤、
例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノー
ル、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−
5,5’−ジメチルフェニルメタン、テトラキス[メチ
レン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリ
ス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェ
ニル)ブタン、1,3,5ートリメチル−2,4,6−
トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル−ベンゼン、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,
5’−ジエチルフェニルメタン、3,9−ビス[1,1
−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチ
ル]、2,4,8,10−テトラオキスピロ[5,5]
ウンデカン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライ
ルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイ
ト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6
−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイ
ト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフ
ェニル)オクチルホスファイトを添加することができ
る。また、上記の熱可塑性ノルボルネン系樹脂には、上
記のような酸化防止剤の他に、必要に応じて紫外線吸収
剤、例えばp−t−ブチルフェニルサリシレ−ト、2,
2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2’−ジヒドロ
キシ−4’−m−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ール;安定剤、帯電防止剤、難燃剤、耐衝撃性改良用エ
ラストマーなどを添加することができる。また、加工性
を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加することも
できる。
【0015】本発明において、上記熱可塑性ノルボルネ
ン系樹脂は公知の成形方法、例えば射出成形、押出成
形、圧縮成形、溶液流延法などの方法によりフィルムと
することができる。本発明において、熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂からなるフィルムの厚さは特に制限を受ける
ものではないが、通常0.005〜10mm、好ましく
は0.01〜2mmである。
【0016】本発明の反射防止フィルムは、上記のよう
な熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなるフィルムの表面
に最外層が屈折率1.45以下、好ましくは屈折率1.
4以下の有機化合物からなる層である反射防止膜を形成
してなるものである。最外層を形成する有機化合物の屈
折率が1.45より大きいと反射防止性能に劣るものと
なる。ここで、最外層を構成する屈折率1.45以下の
有機化合物としてはフッ化ビニリデン/ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/フッ化
ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン三元共重合体、
パーフルオロアルキルエーテル系重合体、含フッ素メタ
クリレート重合体等の含フッ素重合体などを好適に用い
ることができる。この最外層はフィルム基板に直接積層
されてなるものであってもよく、またフィルム基板と最
外層との間に無機化合物あるいは有機化合物からなる層
を1層から複数層設けてもよい。ここでフィルム基板と
最外層との間に積層される有機化合物としては上記のも
のが好適に用いられる。また、最外層との間に積層され
る無機化合物としては金属;Al23、Bi23、Cr
23、Eu23、Fe23、HfO2、In23、La2
3、Nd23、PbO、Pr611、Sm23、Sb2
3、Sc23、SnO2、TiO、Ti23、Si
2、SiO、ZrO2、TiO2、MgO、CeO2、T
25、Y23、WO3、ZnO、などの金属または半
金属の酸化物;AlF3、BaF2、CaF3、CeF3
LiF、MgF2、LaF3、NdF3、NaF、Pb
2、SmF3、SrF2などの金属または半金属のフッ
化物などが挙げられる。
【0017】これらフィルム基板とと最外層との間に積
層される層は無機物だけあるいは有機物だけで構成され
る層であってもよく、無機化合物からなる層と有機化合
物からなる層を組み合わせたものであってもよい。本発
明の反射防止フィルムの製造方法は公知の方法を用いる
ことができ、例えば上記特定水添重合体からなるフィル
ムの表面に、上記無機化合物あるいは有機化合物からな
る反射防止膜を真空蒸着法、スパッタリング法、イオン
プレーティング法、ディッピング法、スピンコーティン
グ法などの方法によって形成することができる。このと
きの膜厚は最外層だけの単層の場合には0.005〜2
μmであることが好ましく、多層構造の場合には0.0
1〜5μmであることが好ましい。膜厚が薄すぎるとフ
ィルム基材表面を完全にかつ均一にコートすることが難
しく、また膜厚が厚すぎると反射防止膜にわれが生じや
すくなり、またフィルムの透明性が低下する。本発明に
おいて、上記熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなるフィ
ルムの表面に上記反射防止膜を形成する前に、必要に応
じて接着層が形成されていてもよい。このような接着層
としては反射防止フィルムの光線透過率の低減防止など
の点から屈折率差が上記フィルム基材の±5%以内のも
のが好ましく、例えばアクリル系接着剤やシリコーン系
接着剤などの接着剤からなる層が挙げられる。本発明の
反射防止フィルムは液晶ディスプレイ等各種ディスプレ
イ素子用フィルム、保護板、偏光板、防眩フィルム等広
範な用途に用いることができ、特に車載用途など高い耐
熱性が要求される用途にも好適に用いることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明がこれによって限定されるものではない。なお、
実施例中、部および%は、特に断らないかぎり重量基準
である。なお、実施例中の各種の評価は以下のようにお
こなった。フィルムの外観 フィルムを目視で観察し、以下の評価基準に従って傷の
有無などを評価した。 ○;傷が全くないもの △;若干の傷が見られるもの ×;傷が著しく多いもの光線透過率(%) 分光光度計により400〜900nmの範囲について波
長を連続的に変化させて測定し、最小の透過率をそのフ
ィルムの光線透過率とした。複屈折(nm) エリプソメータにより測定した。耐熱性 120℃のエアーオーブンに24時間入れた後のフィル
ムの外観を目視で観察し、以下の評価基準に従って耐熱
性を評価した。 ○:フィルムにソリやうねりがなく、また反射防止膜の
はがれが見られないもの ×:フィルムにソリやうねりなどの変形がみられたり、
また反射防止膜の一部がはがれたりしているもの
【0019】参考例1 8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン10
0g、1,2−ジメトキシエタン60g、シクロヘキサ
ン240g、1−ヘキセン9g、およびジエチルアルミ
ニウムクロライド0.96モル/lのトルエン溶液3.
4mlを、内容積1リットルのオートクレーブに加え
た。一方、別のフラスコに、六塩化タングステンの0.
05モル/lの1,2−ジメトキシエタン溶液20ml
とパラアルデヒドの0.1モル/lの1,2−ジメトキ
シエタン溶液10mlを混合した。この混合溶液4.9
mlを、前記オートクレーブ中の混合物に添加した。密
栓後、混合物を80℃に加熱して4時間攪拌を行った。
得られた重合体溶液に、1,2−ジメトキシエタンとシ
クロヘキサンの2/8(重量比)の混合溶媒を加えて重
合体/溶媒が1/10(重量比)にしたのち、トリエタ
ノールアミン20gを加えて10分間攪拌した。この重
合溶液に、メタノール500gを加えて30分間攪拌し
て静置した。2層に分離した上層を除き、再びメタノー
ルを加えて攪拌、静置後、上層を除いた。同様の操作を
さらに2回行い、得られた下層をシクロヘキサン、1,
2−ジメトキシエタンで適宜希釈し、重合体濃度が10
%のシクロヘキサン−1,2−ジメトキシエタン溶液を
得た。この溶液に20gのパラジウム/シリカマグネシ
ア[日揮化学(株)製、パラジウム量=5%]を加え
て、オートクレーブ中で水素圧40kg/cm2 として
165℃で4時間反応させたのち、水添触媒をろ過によ
って取り除き、水添重合体溶液を得た。また、この水添
重合体溶液に、酸化防止剤であるペンタエリスリチル−
テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]を、水添重合体に対
して0.1%加えてから、360℃で減圧下に脱溶媒を
行なった。次いで溶融した樹脂を窒素下雰囲気で押出機
によりペレット化し、重量平均分子量7.0×104
水添率99.5%、ガラス転移温度168℃の熱可塑性
ノルボルネン系樹脂を得た。
【0020】実施例1 参考例1で製造した熱可塑性ノルボルネン系樹脂の20
重量%トルエン溶液をダイスに通して均一厚みの層に
し、これを200℃で乾燥して厚み0.1mmのキャス
トフィルムを得た。一方、フッ化ビニリデン70部、ヘ
キサフルオロプロピレン30部を共重合し、数平均分子
量4.5×104の重合体を得た。この重合体70部と
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30部を溶
剤であるメチルイソブチルケトン2500部に加えて一
時間攪拌混合し、濃度4%の塗料を得た。この塗料を上
記キャストフィルム表面にスピンコーターを用いて塗布
した後、60℃に加温して溶剤を十分に蒸発させ、これ
に電子戦照射装置を用いて3Mradの線量となるよう
に電子線を照射することにより硬化処理し、膜厚0.2
μmの反射防止膜を形成して反射防止フィルムを得た。
この反射防止フィルムについてフィルムの外観、光線透
過率、複屈折および耐熱性を評価した。評価結果を表1
に示す。
【0021】実施例2 実施例1で用いた熱可塑性熱可塑性ノルボルネン系樹脂
を320℃で押出成形して300mm×210mm×
0.1mmのフィルムを得た。このフィルム上に、実施
例1と同様に反射防止膜を形成し反射防止フィルムを得
た。この反射防止フィルムについて、実施例1と同様の
評価を行なった。評価結果を表1に示す。 比較例1 ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、
厚さ0.1mm)上に実施例1と同様に反射防止膜を形
成し反射防止フィルムを得た。この反射防止フィルムに
ついて、実施例1と同様の評価を行なった。評価結果を
表1に示す。 比較例2 ポリカーボネートフィルム(帝人(株)製、厚さ0.1
mm)上に実施例1と同様に反射防止膜を形成し反射防
止フィルムを得た。この反射防止フィルムについて、実
施例1と同様の評価を行なった。評価結果を表1に示
す。 比較例3 実施例1で使用した熱可塑性ノルボルネン系樹脂からな
るキャストフィルム上にSiO2を10-4Torrの真空下
で0.2μmの膜厚で蒸着し、反射防止フィルムを得
た。このフィルムについて、実施例1と同様の評価を行
った。評価結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明の反射防止フィルムは透明性、低
複屈折、膜密着性および耐熱性ともに優れたフィルムを
基材としているため、透明性に優れ高温環境下で使用さ
れる用途においてもフィルムの変形や反射防止膜の剥離
がなく、ディスプレイ用途に用いた場合は微細な部分ま
で鮮明に表示することのできる極めて信頼性の高いもの
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなるフ
    ィルム上に、最外層を屈折率1.45以下の有機化合物
    からなる層とする反射防止膜が形成されてなることを特
    徴とする反射防止フィルム。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ノルボルネン系樹脂が、極性基
    を有するものであることを特徴とする請求項1記載の反
    射防止フィルム。
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