JP4700219B2 - 偏光子保護フィルムおよび偏光板 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は紫外線吸収能を有する偏光子保護フィルムに関する。および同偏光子保護フィルムを用いた偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
直線偏光板は、特定の振動方向をもつ直線偏光のみを透過させ、その他の直線偏光を遮蔽する光学材料である。直線偏光板は、例えば液晶表示装置の構成部品の一つとして広く使用されている。一般的に使用されている直線偏光板は、偏光子フィルムと偏光子保護フィルムとで構成されている。
【0003】
上述した、特定の振動方向をもつ直線偏光のみを透過させる、という偏光板の機能は、偏光子フィルムにより発揮される。一般的に使用されている偏光子フィルムは、例えば、ポリビニルアルコールフィルムを延伸し、ヨウ素や二色性染料などで染色して得られるフィルムである。
【0004】
偏光子保護フィルムは、偏光子フィルムの保護や、偏光子フィルムを保持して偏光板全体に実用的な強度を付与する機能を担う。例えば、トリアセチルセルロースフィルム(以下、トリアセチルセルロースのことをTACという)が、一般的な偏光子保護フィルムとして使用されている。なお、偏光子保護フィルムのことを業界では支持体あるいは支持体フィルムと呼ぶことがある。
【0005】
保護フィルムには、一般に種々の外的環境から偏光子フィルムを保護する機能が求められる。その一つに紫外線の透過抑制があり、外部からの紫外線による偏光子フィルムの劣化防止や、偏光板と併せて使用される液晶セルなどの劣化防止を狙いとしている。前記TACフィルムにおいても、目的に応じて紫外線吸収剤をフィルム中に含有させて紫外線吸収能を付与したものが用いられている。
【0006】
一方、光学特性について言えば、不要な位相差を持つフィルムは、偏光子保護フィルムとして好ましくない。その理由は、たとえ偏光子フィルムが高精度の直線偏光機能を有するものであっても、偏光子保護フィルムの位相差や光軸のズレは、偏光子フィルムを通過した直線偏光に楕円偏光性を与えてしまうからである。前述のTACフィルムも基本的には位相差が小さい。しかしながら、TACフィルムは、外部応力の作用によって位相差の変化を生じやすいフィルムである。このため、TACフィルムよりも光弾性係数の小さいフィルム素材を偏光子保護フィルムとして用いる試みがなされている。そのような試みは、貼合後の応力負荷による位相差変化を抑制することにより偏光板の性能低下を少なくすることを目的としている。
【0007】
また、偏光子フィルムは、吸湿によって偏光性能が低下しやすい。そのため、偏光子保護フィルムは、偏光子フィルムの吸湿を抑制するためにも用いられている。しかしながら、TACフィルムの高い水分透過率は、吸湿を抑制する目的に対して十分なレベルではない。そこで、TACフィルムよりも水分透過率の小さいフィルム素材を偏光子保護フィルムとして用いることにより、偏光子フィルムの吸湿を抑制し偏光性能の低下を防止する試みがなされている。
【0008】
一例を挙げると、特開平7−77608号公報は、80℃、90%RHの透湿度が200g/mm2・24hr・100μ以下で、かつ光弾性係数が1×10-11cm2/dyne以下である保護フィルムを用いて、偏光板の耐湿熱性を向上させる発明を開示している。
【0009】
また、こうした種々のフィルム素材をフィルム化する方法としては、従来主流となっている溶液キャスト法に代えて、生産性向上や地球環境面等の要請から溶媒を使用する必要のない押出法等の溶融加工法による製法の検討もなされてきている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、種々提案される水分透過率の小さいフィルム素材や光弾性係数の小さい素材に対して、紫外線吸収特性付与のために、紫外線吸収剤を添加しようとしても、必ずしも紫外線吸収剤の良好な分散がえられなかった。
【0011】
さらに、紫外線吸収剤を含有させたフィルムを押出などの溶融加工法によって製造しようとする場合は、従来のキャスト法とは異なり高い加工温度が必要となることから、加工過程で紫外線吸収剤が分解・揮発するなどの現象が生じ、結果としてえられるフィルムの紫外線吸収特性が不充分となりやすかった。
【0012】
そこで本発明者は、従来技術の欠点を改良し、水分透過率や光弾性係数が小さく、さらには溶融加工法などでも好適に製造できる保護フィルムにおいて、紫外線吸収能を付与できる技術について、鋭意検討した。
【0013】
【課題を解決するための手段】
その結果、特定の保護フィルム上に紫外線吸収層を付設することにより、耐久性に優れた偏光板がえられることを見出し、本発明に至った。
【0014】
すなわち、本発明は、偏光子フィルムの片面あるいは両面に積層して使用される偏光子保護フィルムであって、(1)70℃・90%RHにおける透湿度が500g/(m・24hr)以下の基材フィルム層および(2)前記基材フィルム層の少なくとも一方の面上に塗設されるとともに紫外線吸収剤を含有する有機化合物層、を有し、前記有機化合物層の少なくとも一方は、前記偏光子フィルムに接するように積層され、前記有機化合物層の主たる構成成分がセルロースエステルであり、前記有機化合物層の前記偏光子フィルムに接する側の表面は、アルカリ液との接触による加水分解処理がされた偏光子保護フィルムを提供する。
【0016】
前記紫外線吸収剤は、好ましくは、ベンゾフェノン系化合物類、ベンゾトリアゾール系化合物類、サリチル酸系化合物類から選ばれる1種以上である。
【0018】
また、前記基材フィルム層は、好ましくは、200℃以上の加工工程を経て製造されたフィルムである。
【0019】
前記フィルムは、好ましくは、押出フィルムである。
【0020】
また、好ましくは、前記基材フィルム層の位相差値は0から20nm、光線透過率は85%以上、ヘーズは2%以下である。
【0021】
本発明の前記基材フィルム層は、好ましくは、(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂、および(B)側鎖に置換または非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物からなる。
【0022】
(A)の熱可塑性樹脂は、好ましくは、オレフィン成分と側鎖に置換または非置換イミド基を有する成分からなる。
【0023】
本発明のさらに他の側面によれば、偏光子フィルムの少なくとも片面に、前記本発明の偏光子保護フィルムが積層してなる偏光板が提供される。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の偏光子保護フィルムは、(1)70℃・90%RHにおける透湿度が500g/(m2・24hr)以下の基材フィルム層および(2)基材フィルムの少なくとも一方の面上に付設された紫外線吸収層、を有する。
【0025】
前記基材フィルム層の厚さは、通常、20〜300μmであり、好ましくは30〜200μm、さらに好ましくは40〜100μmである。
【0026】
本発明の基材フィルム層の70℃・90%RHにおける透湿度は500g/(m・24hr)以下であることが好ましいが、より好ましくは450g/(m・24hr)以下、更に好ましくは400g/(m・24hr)以下である。また一方で、偏光子保護フィルムの接着には、水系の接着剤が用いられる場合が多く、透湿度が低すぎると水系接着剤の乾燥が遅延するおそれがある。従って、透湿度は50g/(m・24hr)以上が好ましく、より好ましくは100g/(m・24hr)以上、更に好ましくは200g/(m・24hr)以上である。
【0027】
また、本発明の偏光子保護フィルムを用いてえられる偏光板の偏光性能を十分に確保できるという観点から、前記基材フィルムの位相差値は20nm以下が好ましく、10nm以下であることがより好ましい。
【0028】
本発明の偏光子保護フィルムを用いてえられる偏光板の透過光量を十分に確保できるという観点から、前記基材フィルムの光線透過率は85%以上であることが好ましく、ヘーズは2%以下であることが好ましい。
【0029】
光線透過率は100%が理想的であるが、現実的には95%あるいは95%を多少下回っても偏光子保護フィルムとして大きな問題とはならない。しかしながら85%を下回ると偏光板の性能低下を招くおそれがある。従って光線透過率は85%以上が好ましく、より好ましくは87%以上、特に89%以上が好ましい。
【0030】
また、ヘーズは0%が理想的であるが、現実的には、0.1%あるいは0.1%を多少上回っても偏光子保護フィルムとして大きな問題とはならない。しかしながら、2%を越えると偏光が乱れるおそれがある。従ってヘーズは2%以下が好ましく、より好ましくは1.5%以下、特に1%以下が好ましい。
【0031】
上記の位相差値、光線透過率、透湿度を満足するフィルム層の選択は、フィルム組成だけで決まるものではなく、フィルムの厚さやフィルムの作製条件も影響するが、樹脂組成としてはポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ノルボルネン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、あるいは(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂や、(B)側鎖に置換または非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂を例示することができ、これらを単独または混合して用いることができる。
【0032】
より好ましくはノルボルネン系樹脂、(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂、(B)側鎖に置換または非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂が挙げられ、以下に詳述する樹脂組成物は、透湿度の他に、上記した位相差値や光線透過率、ヘーズの特性に優れた基材フィルムを得やすいために特に好ましい。
【0033】
前記した特に好ましい基材フィルムは、(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂、および(B)側鎖に置換または非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物からえることができる。
【0034】
前記熱可塑性樹脂(A)は、側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂である。側鎖に置換または非置換イミド基を有することによって光学特性や耐熱性などの点で好ましい特性バランスを発現できる。前記熱可塑性樹脂(A)は、少なくとも1種のオレフィン(アルケン)から誘導される繰り返し単位と少なくとも1種の置換あるいは非置換マレイミド構造を有する繰り返し単位とを含有するオレフィン−マレイミド共重合体(二元もしくはそれ以上の多元共重合体)であることが好ましい。さらには、前記オレフィン−マレイミド共重合体は、下記式(1)
【0035】
【化1】
Figure 0004700219
【0036】
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
で表される繰り返し単位と、下記式(2)
【0037】
【化2】
Figure 0004700219
【0038】
(式中、Rは、水素、炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、好ましくは、炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数3〜12のシクロアルキル基を示す。)
で表される繰り返し単位を含有することが好ましい。
【0039】
式(1)の繰り返し単位(以下、オレフィン単位という)に対応するオレフィンは、下記式(3):
【0040】
【化3】
Figure 0004700219
【0041】
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
で表される。
【0042】
前記オレフィンの具体例としては、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、2−メチル−1−ヘプテン、1−イソオクテン、2−メチル−1−オクテン、2−エチル−1−ペンテン、2−エチル−2−ブテン、2−メチル−2−ペンテン、2−メチル−2−ヘキセン他が挙げられる。これらのオレフィンは、単独で、あるいは2種以上組合せて用いることができる。
【0043】
前記式(2)の繰り返し単位(以下、マレイミド単位という)に対応するマレイミド化合物は、下記式(4):
【0044】
【化4】
Figure 0004700219
【0045】
(式中、Rは、水素、炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、好ましくは、炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数3〜12のシクロアルキル基を示す。)
で表される。
【0046】
前記マレイミド化合物の具体例としては、マレイミド、並びにN−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−i−プロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−i−ブチルマレイミド、N−s−ブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−n−ペンチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイミド、N−n−ヘプチルマレイミド、N−n−オクチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−シクロヘプチルマレイミド、N−シクロオクチルマレイミド等のN−置換マレイミド他が挙げられる。これらのマレイミド化合物は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。マレイミド化合物としては、N−置換マレイミド(式(4)において、Rが水素以外の基)が特に好ましい。
【0047】
前記熱可塑性樹脂(A)は、上記オレフィンとマレイミド化合物とを既知の重合方法により重合させることにより製造することができる。この重合には、グラフト重合も含まれる。あるいは、熱可塑性樹脂(A)は、上記オレフィンと無水マレイン酸とを常法に従って重合させて前駆重合体とした後、これにアミン化合物を反応させて前駆重合体の無水マレイン酸部位をイミド化させることによっても製造することができる。その場合に使用するアミン化合物としては、前記式(2)のマレイミド単位におけるイミド部位に対応するアミンを用いることができ、具体的には、R−NH2(ただし、Rは、式(2)に同じ。)で表されるアミン化合物、例えばメチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン等のアルキルアミンやアンモニアの他、ジメチル尿素、ジエチル尿素等を好ましく例示することができる。この場合にも、前記オレフィン単位とマレイミド単位を有する共重合体が得られる。
【0048】
前記熱可塑性樹脂(A)は、前記オレフィン単位とマレイミド単位以外の成分として、他の共重合性単量体を共重合成分として含有することができる。他の共重合性単量体を光学的特性を損なわない程度に含有させることにより、熱可塑性樹脂(A)の耐熱性を向上させたり、機械的強度を増大させたりすることができる。前記共重合性単量体の具体例としては、アクリル酸メチルやアクリル酸ブチルのようなアクリル酸エステル単量体、メタクリル酸メチルやメタクリル酸シクロヘキシルのようなメタクリル酸エステル単量体、酢酸ビニル等のビニルエステル単量体、メチルビニルエーテルのようなビニルエーテル単量体等のビニル単量体、並びに無水マレイン酸のような不飽和二重結合を有する酸無水物等が挙げられる。これらの共重合性単量体は、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0049】
前記熱可塑性樹脂(A)は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、交互共重合体のいずれであってもよいが、少なくとも一部が交互共重合体構造であることは好ましい。前記熱可塑性樹脂(A)は、式(1)におけるR1が水素であり、R2およびR3がそれぞれメチル基であるオレフィン単位すなわちイソブチレン単位と、式(2)におけるRがメチル基、エチル基、イソプロピル基およびシクロヘキシル基から選ばれたアルキル基である1種以上のマレイミド単位とを含有する共重合体であることが好ましく、さらには、イソブチレン単位と、N−メチルマレイミド単位とを含有する共重合体であることが好ましい。
【0050】
前記熱可塑性樹脂(A)におけるマレイミド単位の含有量としては、30モル%以上80モル%未満であることが好ましく、より好ましくは、40モル%以上60モル%以下である。マレイミド単位の含有量がこの範囲を逸脱すると、得られる位相差フィルムの耐熱性や機械的強度が損なわれるおそれがある。
【0051】
また、マレイミド単位とオレフィン単位との合計量としては、熱可塑性樹脂(A)の70モル%以上であることが好ましい。
【0052】
前記熱可塑性樹脂(A)の分子量は、1×104以上5×105以下の重量平均分子量であることが好ましい。
【0053】
前記熱可塑性樹脂(A)のガラス転移温度は、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは130℃以上であることが好ましい。
【0054】
前記オレフィン−マレイミド共重合体は、既述のようにそれ自体既知の方法で製造することができ、例えば特開平5−59193号公報、特開平5−195801号公報、特開平6−136058号公報および特開平9−328523号公報に記載されているように、オレフィンとマレイミド化合物とを直接共重合させたり、その一方の重合体に他方をグラフト共重合したり、あるいは前述した前駆重合体に対してアミン化合物を反応させてイミド結合を導入することによって製造することができる。
前記熱可塑性樹脂(B)としては、アクリロニトリル・スチレン系の共重合体を好ましく用いることができる。特に好ましくは、熱可塑性樹脂(B)は、下記式(5)で示される不飽和ニトリル単位と下記式(6)で示されるスチレン系単位を含む。
【0055】
【化5】
Figure 0004700219
【0056】
(式中、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
【0057】
【化6】
Figure 0004700219
【0058】
(式中、R6およびR7は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、R8は、水素、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、水酸基、アルコキシ基またはニトロ基を示す。)
上記の好ましい熱可塑性樹脂(B)を構成する不飽和ニトリル化合物の好ましい例としては、アクリロニトリルやメタクリロニトリルのようなα−置換不飽和ニトリル化合物、フマロニトリルのようなα,β−二置換オレフィン性不飽和結合を有するニトリル化合物などが挙げられる。
【0059】
上記の好ましい熱可塑性樹脂(B)を構成するスチレン系化合物の好ましい例としては、スチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレンまたはクロロスチレン等の非置換または置換スチレン系化合物や、α−メチルスチレン等のα−置換スチレン系化合物などが挙げられる。
【0060】
前記アクリロニトリル・スチレン系の共重合体は、必要に応じて第三成分を含有していてもかまわない。たとえば、フィルムの可撓性を向上させるためにブチルアクリレート等のアクリル系単量体やエチレン、プロピレン等のオレフィン系単量体などを一種または二種以上を共重合させることができる。耐熱性を向上させるために、フェニルマレイミド等のN置換マレイミドなどを共重合成分として用いることができる。
【0061】
前記熱可塑性樹脂(B)は、これら単量体を直接共重合することにより得ることができるが、スチレン系または不飽和ニトリル系重合体に、該当する単量体をグラフト共重合させてもかまわない。また、ゴム弾性を有するアクリル系重合体にスチレン系単量体や不飽和ニトリル系単量体をグラフト重合させる事により好ましい共重合体を得ることができる。特に好ましい単量体は、不飽和ニトリル成分がアクリロニトリルであり、スチレン系単量体がスチレンである。これら共重合体はAS樹脂やAAS樹脂として知られている。
【0062】
前記熱可塑性樹脂(B)は、1×104ないし5×105の重量平均分子量を有することが好ましい。
【0063】
前記熱可塑性樹脂(B)において、好ましい共重合体中の不飽和ニトリル系成分の含有量としては20〜60重量%が望ましく、より好ましくは20〜50重量%である。また、スチレン系成分の含有量としては、40〜80重量%が好ましく、より好ましくは50〜80重量%である。特に、前者が20〜30重量%で、後者が70〜80重量%の場合は更に好ましい結果を与える。スチレン系やニトリル系の成分がこの範囲を超えると、本発明のフィルム中の分子の配向による位相差が大きくなり、本発明の目的を達成できなくなるおそれがある。さらには、熱可塑性樹脂(A)との相溶性が乏しくなり、得られるフィルムのヘーズが大きくなる傾向となる。
【0064】
第3成分は、これを添加する場合は、熱可塑性樹脂(B)中の含有率は5モル%以上、30モル%以下であることが好ましい。ニトリル系やスチレン系の特に好ましい成分は用いる熱可塑性樹脂(A)及び(B)により異なる。
【0065】
熱可塑性樹脂(A)が主としてイソブチレン及びN−メチルマレイミドからなる共重合体であり、熱可塑性樹脂(B)が主としてアクリロニトリル及びスチレンからなる共重合体である場合は、アクリロニトリルの含有量を、好ましくは20〜50重量%、より好ましくは25〜40重量%とし、また、スチレンの含有量を、好ましくは50〜80重量%、より好ましくは60〜75重量%、とする事により、驚くべき事に、広い組成範囲で良好な相溶性を示し、フィルムとした場合、全光線透過率85%以上かつヘーズが2%以下のフィルムを得ることができる。特に、アクリロニトリルの含有量を26〜29重量%とし、また、スチレンの含有量を71〜74重量%とする事により、熱可塑性樹脂Bは該熱可塑性樹脂Aと0〜80重量%の組成範囲で良好な相溶性を示し、驚くべき事に、全光線透過率90%以上かつヘーズ1%以下と極めて透明なフィルムを得ることができる。
【0066】
分子の配向による位相差の小さいフィルムを得るには、該熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)との組成比が重要である。好ましい組成比は、一般的には、該熱可塑性樹脂(A)の含有量は50〜80重量%、より好ましくは、55〜75重量%であり、該熱可塑性樹脂(B)の含有量は20〜50重量%、より好ましくは、25〜45重量%である。熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)は前者55〜70重量%に対して、後者30〜45重量%の割合で配合することが更に好ましく、前者55〜65重量%に対して、後者35〜45重量%の割合が特に好ましい。
【0067】
本発明に用いられる基材フィルムは、必要に応じて、可塑剤、熱安定剤やフィラー等の公知の添加剤やその他の化合物を本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。また、紫外線吸収剤が添加されている基材フィルムでも構わない。
【0068】
本発明に用いられる基材フィルムは、熱可塑性樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)および必要に応じて用いられる前記添加剤やその他の化合物とからなる樹脂組成物を用いて、例えば、溶融押出し法、インフレーション法、溶液流延法等の公知の方法でフィルム化することによってえることができる。従来技術においては、フィルムの厚みムラが小さいフィルムを比較的容易にえることができるという観点から溶液流延法が好ましく用いられる場合があるが、溶剤を使用する必要がなく、生産性や地球環境の観点からは、溶融押出法、インフレーション法などの溶融加工法によることが好ましい。
【0069】
溶融加工法によりフィルム化する場合、加工温度は通常200℃以上とされる。溶融加工法のなかでも、工業的な生産性の観点から、溶融押出法が好ましい。
【0070】
溶融押出法によるフィルム化は、例えば、前記樹脂組成物を押出機に投入し、溶解させた後、Tダイなどを通してフィルム状に押出した後、冷却固化させてフィルムとすることができる。この際、フィルム状に押出した樹脂組成物を平滑な表面を有する支持体上に流延して固化させる、フィルム状に押出した樹脂組成物を平滑な表面を有する支持体で挟み込んで固化させる等の方法を用いることもできる。
【0071】
溶液流延法によりフィルム化する場合、前記樹脂組成物を溶剤に溶解したのち、支持体上に流延した後、乾燥してフィルムとする。好ましい支持体としては、ステンレス鋼のエンドレスベルトや、ポリイミドフィルムや二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム等のようなフィルムを用いることができる。
【0072】
必要に応じて、予備乾燥したフィルムを支持体から剥離し、さらに乾燥することもできる。フィルムの乾燥は、一般には、フロート法や、テンターあるいはロール搬送法が利用できる。フロート法の場合、フィルム自体が複雑な応力を受け、光学的特性の不均一が生じやすい。また、テンター法の場合、フィルム両端を支えているピンあるいはクリップの距離により、溶剤乾燥に伴うフィルムの幅収縮と自重を支えるための張力を均衡させる必要があり、複雑な幅の拡縮制御を行う必要がある。一方、ロール搬送法の場合、安定なフィルム搬送のためのテンションは原則的にフィルムの流れ方向(MD方向)にかかるため、応力の方向を一定にしやすい特徴を有する。従って、フィルムの乾燥は、ロール搬送法によることが最も好ましい。
【0073】
前記溶剤としては、前記樹脂組成物の良溶媒であれば特に制限はなく、周知の種々の溶剤から選択して用いることができる。塩化メチレンやトリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶剤は樹脂材料を溶解しやすく、また沸点も低いため好適な溶剤の一つである。また、ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミド等の極性の高い非ハロゲン系の溶剤も用いることができる。さらに、トルエン、キシレンやアニソール等の芳香族系や、ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフランやピラン等の環状エーテル系、メチルエチルケトン等のケトン系の溶剤も使用可能である。これら溶剤は相互に混合して用いることもでき、また、アルコール等の非溶剤を混合して、溶剤の蒸発速度を制御することも、表面性の優れたフィルムを得るためには好ましい方法である。
【0074】
前記基材フィルム層として用いるフィルムは、例えば強度をより高くするなどの目的に応じて、前述した方法で得られたフィルムを公知の延伸方法によって一軸または多軸延伸して配向処理を行うことが好ましい場合がある。フィルム面内の強度の異方性をできるだけ小さくしたままで強度を高めたいという観点で延伸処理を行う場合、二軸または多軸延伸を行うことが好ましい場合がある。
【0075】
前記フィルム化に際しては、溶融加工法、溶液加工法を問わず、必要に応じて可塑剤、熱安定剤、紫外線安定剤等の添加剤を加えることができる。
【0076】
前記可塑剤の具体例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−n−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−n−デシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジ−n−ドデシル、フタル酸ジイソトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、イソフタル酸ジ−2−エチルヘキシルなどのフタル酸系可塑剤、アジピン酸ジ−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどの脂肪族二塩基酸系可塑剤、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジールなどのリン酸エステル系可塑剤、エポキシ化大豆油、エポキシ化トール油脂肪酸−2−エチルヘキシルなどのエポキシ系可塑剤、ステアリン酸ブチル、オレイン酸ブチル、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸メチルなどの脂肪酸エステル系可塑剤、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコール安息香酸エステル、エステル基を含有する高分子化合物(アジピン酸、セバシン酸、フタル酸等の2塩基酸と1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール等の重縮合物)などの高分子系可塑剤等が挙げられる。これら可塑剤の中でも、芳香族基を含まない可塑剤、例えばアジピン酸ジ−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、エポキシ化大豆油、エポキシ化トール油脂肪酸−2−エチルヘキシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸ブチル、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸メチル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、あるいはエステル基を含有する高分子化合物(アジピン酸、セバシン酸等の二塩基酸と1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール等の重縮合物)等の可塑剤が好ましい。
【0077】
前記可塑剤は、可視領域短波長側に吸収を持たないため、位相差の波長依存性に悪影響を与えないため、特に好ましい添加剤である。前記可塑剤は、基材フィルム100重量部に対して通常2〜20重量部添加される。20重量部を超えると、連続的にロールフィルムを延伸する際の位相差値の安定性が損なわれる傾向となる。
【0078】
前記基材フィルムは、必要に応じてフィルムの片面あるいは両面にコロナ処理、UVオゾン処理、プラズマ処理、アルカリ処理等の表面処理を行うことができる。本発明においては、少なくとも紫外線吸収層を付設する側のフィルムの表面を紫外線吸収層の性質に応じて前記表面処理の方法や条件を選択することによって基材フィルム層と紫外線吸収層との密着性をより高めることもできる。
【0079】
本発明における紫外線吸収層は、主として本発明の保護フィルムにおいて保護フィルムに入射する光のうちの紫外線領域の光が透過するのを抑制する機能を有する。前記紫外線領域の光とはおよそ400nm以下の波長を有する光をいい、前記紫外線吸収層の紫外線吸収能力は、該紫外線吸収層を設けた保護フィルムの紫外線透過率と紫外線吸収層を設けていない基材フィルムのみの場合の紫外線透過率とを比較して前者が後者の90%以下とすることが好ましい。
【0080】
前記紫外線吸収層は、例えば、常温〜100℃で流動性のない層を形成することができる有機化合物または無機化合物からなるマトリクス相と該マトリクス相中に分散させた紫外線吸収剤とから構成することができる。
【0081】
前記紫外線吸収層を形成する方法としては、例えば、紫外線吸収剤と紫外線吸収層のマトリクス相として用いる有機化合物または無機化合物中とを有機溶媒に溶解または分散させた溶液あるいは分散液を、基材フィルム上に塗布後乾燥して層を形成する方法によって形成することができる。
【0082】
前記紫外線吸収剤としては、紫外線領域の光を吸収できるものであればよいが、可視光領域の光を5%以上吸収しないものであることが好ましい。
【0083】
前記紫外線吸収剤の具体例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン等のベンゾフェノン系化合物類、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル))ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチル)フェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系化合物類、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系化合物類、サリチル酸フェニル、サリチル酸メチル等のサリチル酸系化合物類、シアノアクリレート系化合物類、ニッケル錯塩系化合物類等を挙げることができる。なかでも、紫外線吸収効果が良好で、透明性が高く、不要な着色も少ないという観点から、ベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。
【0084】
紫外線吸収剤の使用量としては特に制限はないが、用いる基材フィルムが紫外線吸収性をほとんど有していない場合は、通常、本発明の保護フィルム1m2あたり0.2〜5.0gが好ましく、0.4〜1.5gがさらに好ましく、0.6〜1.0gが特に好ましい。
【0085】
前記有機溶媒としては、紫外線吸収剤およびマトリクス相として用いる化合物を均一に溶解または分散させて流動性の液を生成することができ、基材フィルムに対しては溶解しないかわずかな膨潤性を示す程度の溶解性を有し、基材フィルム上に流延可能な親和性を有し、適度な揮発性を有するものであることが好ましい。
【0086】
前記有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類が挙げられる。これらの中から、紫外線吸収剤、紫外線吸収層のマトリクス相とする化合物および基材フィルムの性質に応じて選択すればよい。
【0087】
前記紫外線吸収層を形成するための溶液または分散液をフィルム上に塗布する方法としては、液状物質を固体表面に塗布するために通常使用される方法、例えばグラビアコート法、ディップコート法、スプレーコート法、流延法などにより基材フィルム上に塗布する方法を用いることができる。
【0088】
通常、前記溶液または分散液を塗布後、室温乾燥または加熱処理してカップリング層を形成する。加熱処理としては、20℃以上フィルムのTg以下の温度範囲で、1分以上10時間以内の処理が通常である。
【0089】
前記紫外線吸収層の厚さは、特に制限はないが、所望の紫外線吸収効果がえられる範囲であればできるだけ薄くすることを妨げる理由はなく、20μm以下であることが好ましい。前記範囲をこえる場合、貼合後の偏光板の厚さが厚くなる点で実用上の不利を招きやすい傾向となる。
【0090】
本発明の偏光子保護フィルムは、通常、公知のヨウ素系あるいは染料系の偏光子フィルムと接着剤を介して積層貼合して偏光板とすることができる。前記接着剤としては、ポリビニルアルコール系の化合物を主成分とする水系接着剤を好適に用いることができる。
【0091】
この場合、保護フィルムと偏光子フィルムとは充分な接着強度を有していることが好ましい。本発明の保護フィルムにおいては、この接着強度を高めるために、紫外線吸収層に易接着性を付与し、紫外線吸収層を有する側の面を偏光子フィルムに向けて、接着剤好ましくは水系接着剤を介して偏光子フィルムと貼合し、所定の乾燥を経て偏光子フィルムとの一体化をなすことによって、保護フィルムと偏光子フィルムとの接着強度をさらに高めることができる。
【0092】
紫外線吸収層に易接着性を付与する方法としては、例えば、紫外線吸収層表面にコロナ処理、UVオゾン処理、プラズマ処理、アルカリ処理等を施して易接着性を付与する、紫外線吸収層を形成するマトリクス相にカップリング剤を含有させて易接着性を付与する等の方法を例示することができる。本発明においては、上記手段等のなかから、基材フィルムや紫外線吸収層のマトリクス相の性質に応じた方法を選択すればよい。
【0093】
例えば、前記マトリクス相として用いる化合物と紫外線吸収剤とを、基材フィルムに対して適度な膨潤性を有する溶媒に溶解した溶液を基材フィルムに塗布・乾燥して紫外線吸収層を形成することにより、基材フィルムと紫外線吸収層との界面接着強度を高めることができ、かつ、該紫外線吸収層の表面をマトリクス相の性質に応じてコロナ処理、UVオゾン処理、プラズマ処理、アルカリ処理等の方法で処理して偏光子フィルムとの接着強度を高めることができる。
紫外線吸収層の表面をアルカリ処理して接着性を付与しようとする場合、前記マトリクス相としてアルカリ液との接触によって加水分解を生じる化合物を用いることが好ましい。
【0094】
このような化合物の好ましい例としては、セルロースエステルが挙げられる。
【0095】
前記セルロースエステルとしては、加水分解性を有するセルロースの脂肪酸エステルであればよいが、セルロースの低級脂肪酸エステルであることが好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。
【0096】
前記セルロースの低級脂肪酸エステルの具体例としては、例えばセルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等の単独脂肪酸エステル、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステル、およびこれらの混合物等が挙げられる。なかでも、セルロースエステルを溶液にしてフィルム上にセルロースエステル層を付設する方法を用いる場合に、選択可能な溶媒が比較的広く、かつ該層付設後の加水分解による表面改質が容易という観点からセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートが好ましい。
【0097】
前記セルロースエステルの重合度としては、層の強度を保つという観点から、セルロースの重合度として100〜400とすることが好ましい。
【0098】
前記セルロースエステルを紫外線吸収層のマトリクス相として用いる場合、層の厚さは、特に制限はないが、0.1〜20μmであることが好ましい。前記範囲未満の場合、貼合後の接着強度が安定してえられにくい傾向となり、前記範囲をこえる場合、基材フィルムが低透湿度であっても偏光板の耐湿熱特性の改善に寄与し難くなったり、貼合後の偏光板の厚さが厚くなる点で実用上の不利を招きやすい傾向となる。
【0099】
セルロースエステルをマトリクス相とする紫外線吸収層を形成する方法としては、例えば、紫外線吸収剤とセルロースエステルとを水または有機溶媒に溶解または分散させた溶液あるいは分散液を、基材フィルム上に塗布後乾燥して層を形成する方法、紫外線吸収剤とセルロースエステルとを他の熱可塑性樹脂とともに水または有機溶媒中に溶解または分散させた溶液あるいは分散液を、基材フィルム上に塗布後乾燥して層を形成する方法、紫外線吸収剤とセルロースエステルとを分散させた熱硬化性樹脂溶液を基材フィルム上に塗布後熱硬化性樹脂を硬化させて層を形成する方法などが挙げられる。なかでも、紫外線吸収剤とセルロースエステルとを有機溶媒に溶解させた溶液を、基材フィルム上に塗布後乾燥して層を形成する方法は、工業的に作り易いという観点から好ましい。
【0100】
本発明の好ましい態様としては、(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂、および(B)側鎖に置換または非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物からなる基材フィルムの上に、紫外線吸収剤およびセルロースアセテートプロピオネートからなる紫外線吸収層をトルエン/メチルエチルケトン混合溶液(重量比1:1)を用いて付設する場合が例示できる。この場合、前記トルエン/メチルエチルケトン混合溶液はセルロースエステルの良溶媒であることに加えて、基材フィルムに対しても適度な膨潤性を有しており、紫外線吸収層と基材フィルムとの界面強度をより高める効果がえられる。
【0101】
【実施例】
以下、本発明を実施例にて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0102】
尚、各特性値は以下のようにして測定した。
【0103】
<基材フィルムの水分透過率(透湿度)>
JIS Z0208記載の方法に準じて測定した。
【0104】
<位相差>
顕微偏光分光光度計(オーク製作所(株)TFM−120AFT)を用い、測定波長515nmで測定した。
【0105】
<光線透過率>
JIS K7105−1981の5.5記載の方法に準じて測定した。
【0106】
<ヘイズ>
JIS K7105−1981の6.4記載の方法に準じて測定した。
【0107】
実施例1
イソブテンとN−メチルマレイミドから成る交互共重合体(N−メチルマレイミド含量50モル%、ガラス転移温度157℃)65重量部と、アクリロニトリル及びスチレンの含量がそれぞれ24重量%、76重量%であるスチレン−アクリロニトリル共重合体35重量部とを溶融混練して樹脂組成物をえた。この樹脂組成物100重量部と2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール 2重量部とを、シリンダー温度260〜270℃のTダイ押出機(シリンダー径40mm、L/D24)を用いて溶融押出フィルム化し、厚さ約170μmの原反フィルム−1を得た。この原反フィルム−1の位相差値は0nm、光線透過率は92%、ヘイズは0.3%であった。
【0108】
この原反フィルム−1を、延伸試験装置(東洋精機製作所、X4HD−HT)を用いて延伸速度10cm/分、延伸倍率1.8倍、延伸温度140℃の条件で自由端縦一軸で延伸し、次いで同様の延伸条件で先の延伸方向とは直交する方向に自由端一軸延伸を行って厚さ50μmの延伸フィルム−1を得た。この延伸フィルム−1の位相差値は2nm、光線透過率は92%、ヘイズは0.4%であり、40℃・90%RHの透湿度は85g/(m2・24hr)、70℃・90%RHの透湿度は365g/(m2・24hr)であった。
【0109】
この延伸フィルム−1を基材フィルムとして用い、該基材フィルム上に、セルロースアセテートプロピオネート(アセチル基置換度0.1、プロピオニル基置換度2.7)100重量部、紫外線吸収剤2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール5重量部および2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール5重量部を、トルエン/メチルエチルケトン混合溶媒(トルエン:メチルエチルケトン(重量比)=1:1)に溶解した溶液(セルロースアセテートプロピオネート濃度10重量%)を流延した後、120℃で60分加熱処理して、厚さ2μmの紫外線吸収層が基材フィルム上に積層された保護フィルムをえた。
【0110】
えられた保護フィルムを、60±5℃に保った水酸化ナトリウムの水溶液(水酸化ナトリウム濃度10重量%)に2分間浸漬した後、充分に水洗して、ケン化処理した保護フィルムをえた。該フィルムの紫外線吸収層表面の純水との接触角は21°であった。
【0111】
PVAフィルムを延伸しヨウ素で染色した偏光子フィルムの両面それぞれに、前記保護フィルムを紫外線吸収層が偏光子フィルム側になるようにしてPVA系接着剤の水溶液(ポバール117、6重量%)を介して積層し、圧延ロールで密着させた後、70℃で10分間乾燥して偏光板をえた。
【0112】
えられた偏光板において、偏光子フィルムと保護フィルムとは強固に接着しており、剥離を試みてもフィルムが破断し、剥離できなかった。
【0113】
また、えられた偏光板を60℃、90%RHの環境下に100時間放置した後の偏光板の状態を観察した結果、色変化や色抜けがなく、フィルムの浮きや剥がれもみられなかった。
【0114】
また、えられた偏光板に、カーボンアーク燈を用いて紫外線を24時間照射後偏光板の状態を観察した結果、色変化や色抜けはみられなかった。
【0115】
実施例2
実施例1で用いた樹脂組成物100重量部を、シリンダー温度260〜270℃のTダイ押出機(シリンダー径40mm、L/D24)を用いて溶融押出フィルム化し、厚さ約170μmの原反フィルム−2を得た。この原反フィルム−2の位相差値は0nm、光線透過率は92%、ヘイズは0.3%であった。
【0116】
この原反フィルム−2を、延伸試験装置(東洋精機製作所、X4HD−HT)を用いて延伸速度10cm/分、延伸倍率1.8倍、延伸温度140℃の条件で自由端縦一軸で延伸し、次いで同様の延伸条件で先の延伸方向とは直交する方向に自由端一軸延伸を行って厚さ50μmの延伸フィルムを得た。この延伸フィルム−2の位相差値は2nm、光線透過率は92%、ヘイズは0.4%であり、40℃・90%RHの透湿度は85g/(m2・24hr)、70℃・90%RHの透湿度は365g/(m2・24hr)であった。
【0117】
この延伸フィルム−2を基材フィルムとして用い、該基材フィルム上に、セルロースアセテートプロピオネート(アセチル基置換度0.1、プロピオニル基置換度2.7)100重量部、紫外線吸収剤2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール5重量部および2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール5重量部を、トルエン/メチルエチルケトン混合溶媒(トルエン:メチルエチルケトン(重量比)=1:1)に溶解した溶液(セルロースアセテートプロピオネート濃度10重量%)を流延した後、120℃で60分加熱処理して、厚さ5μmの紫外線吸収層が基材フィルム上に積層された保護フィルムをえた。
【0118】
えられた保護フィルムを、60±5℃に保った水酸化ナトリウムの水溶液(水酸化ナトリウム濃度10重量%)に2分間浸漬した後、充分に水洗して、ケン化処理した保護フィルムをえた。該フィルムの紫外線吸収層表面の純水との接触角は21°であった。
【0119】
PVAフィルムを延伸しヨウ素で染色した偏光子フィルムの両面それぞれに、前記保護フィルムを紫外線吸収層が偏光子フィルム側になるようにしてPVA系接着剤の水溶液(ポバール117、6重量%)を介して積層し、圧延ロールで密着させた後、70℃で10分間乾燥して偏光板をえた。
【0120】
えられた偏光板において、偏光子フィルムと保護フィルムとは強固に接着しており、剥離を試みてもフィルムが破断し、剥離できなかった。
【0121】
また、えられた偏光板を60℃、90%RHの環境下に100時間放置した後の偏光板の状態を観察した結果、色変化や色抜けがなく、フィルムの浮きや剥がれもみられなかった。
【0122】
また、えられた偏光板に、カーボンアーク燈を用いて紫外線を24時間照射後偏光板の状態を観察した結果、色変化や色抜けはみられなかった。
【0123】
実施例3
ノルボルネン系樹脂フィルム(日本ゼオン(株)製、ゼオノア1420R)を基材フィルムとして用い、該基材フィルム上に、セルロースアセテートプロピオネート(アセチル基置換度0.1、プロピオニル基置換度2.7)100重量部、紫外線吸収剤2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール5重量部および2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール5重量部を、トルエン/メタノール混合溶媒(トルエン:メタノール(重量比)=1:1)に溶解した溶液(セルロースアセテートプロピオネート濃度10重量%)を流延した後、120℃で60分加熱処理して、厚さ5μmの紫外線吸収層が基材フィルム上に積層された保護フィルムをえた。
【0124】
えられた保護フィルムを、60±5℃に保った水酸化ナトリウムの水溶液(水酸化ナトリウム濃度10重量%)に2分間浸漬した後、充分に水洗して、ケン化処理した保護フィルムをえた。該フィルムの紫外線吸収層表面の純水との接触角は21°であった。
【0125】
PVAフィルムを延伸しヨウ素で染色した偏光子フィルムの両面それぞれに、前記保護フィルムを紫外線吸収層が偏光子フィルム側になるようにしてPVA系接着剤の水溶液(ポバール117、6重量%)を介して積層し、圧延ロールで密着させた後、70℃で10分間乾燥して偏光板をえた。
【0126】
えられた偏光板において、偏光子フィルムと保護フィルムとは強固に接着しており、剥離を試みてもフィルムが破断し、剥離できなかった。
【0127】
また、えられた偏光板を60℃、90%RHの環境下に100時間放置した後の偏光板の状態を観察した結果、色変化や色抜けがなく、フィルムの浮きや剥がれもみられなかった。
【0128】
また、えられた偏光板に、カーボンアーク燈を用いて紫外線を24時間照射後偏光板の状態を観察した結果、色変化や色抜けはみられなかった。
【0129】
比較例1
イソブテンとN−メチルマレイミドから成る交互共重合体(N−メチルマレイミド含量50モル%、ガラス転移温度157℃)65重量部と、アクリロニトリル及びスチレンの含量がそれぞれ24重量%、76重量%であるスチレン−アクリロニトリル共重合体35重量部とを溶融混練して樹脂組成物をえた。この樹脂組成物100重量部と紫外線吸収剤2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール2重量部とを、シリンダー温度260〜270℃のTダイ押出機(シリンダー径40mm、L/D24)を用いて溶融押出フィルム化し、厚さ約170μmの原反フィルム−3を得た。この原反フィルム−3の位相差値は0nm、光線透過率は91%、ヘイズは0.4%であった。
【0130】
この原反フィルム−3を、延伸試験装置(東洋精機製作所、X4HD−HT)を用いて延伸速度10cm/分、延伸倍率1.8倍、延伸温度140℃の条件で自由端縦一軸で延伸し、次いで同様の延伸条件で先の延伸方向とは直交する方向に自由端一軸延伸を行って厚さ50μmの延伸フィルム−3を得た。この延伸フィルム−3の位相差値は2nm、光線透過率は91%、ヘイズは0.4%であり、40℃・90%RHの透湿度は85g/(m2・24hr)、70℃・90%RHの透湿度は365g/(m2・24hr)であった。
【0131】
この延伸フィルムを基材フィルムとして用い、該基材フィルム上に、セルロースアセテートプロピオネート(アセチル基置換度0.1、プロピオニル基置換度2.7)をトルエン/メチルエチルケトン混合溶媒(トルエン:メチルエチルケトン(重量比)=1:1)に溶解した溶液(濃度10重量%)を流延した後、120℃で60分加熱処理して、厚さ2μmのセルロースアセテートプロピオネート層が基材フィルム上に積層された保護フィルムをえた。
【0132】
えられた保護フィルムを、60±5℃に保った水酸化ナトリウムの水溶液(水酸化ナトリウム濃度10重量%)に2分間浸漬した後、充分に水洗して、ケン化処理した保護フィルムをえた。該フィルムのセルロースアセテートプロピオネート層表面の純水との接触角は21°であった。
【0133】
PVAフィルムを延伸しヨウ素で染色した偏光子フィルムの両面それぞれに、前記保護フィルムをセルロースアセテートプロピオネート層が偏光子フィルム側になるようにしてPVA系接着剤の水溶液(ポバール117、6重量%)を介して積層し、圧延ロールで密着させた後、70℃で10分間乾燥して偏光板をえた。
【0134】
えられた偏光板において、偏光子フィルムと保護フィルムとは強固に接着しており、剥離を試みてもフィルムが破断し、剥離できなかった。
【0135】
また、えられた偏光板を60℃、90%RHの環境下に100時間放置した後の偏光板の状態を観察した結果、色変化や色抜けがなく、フィルムの浮きや剥がれもみられなかった。
【0136】
また、えられた偏光板に、カーボンアーク燈を用いて紫外線を48時間照射して、偏光板の色変化や色抜けの状態を観察した結果、著しい変色と脱色がみられた。
【0137】
比較例2
PVAフィルムを延伸しヨウ素で染色した偏光子フィルムの両面それぞれに、実施例1と同様の条件でケン化処理したトリアセチルセルロースフィルム(厚さ:80μm、70℃・90%RHにおける透湿度:2700g/(m2・24hr)、表面の純水接触角:18°)をPVA系接着剤の水溶液(ポバール117、6重量%)を介して積層し、圧延ロールで密着させた後、70℃で10分間乾燥して偏光板をえた。
【0138】
えられた偏光板において、偏光子フィルムと保護フィルムとは強固に接着しており、剥離を試みてもフィルムが破断し、剥離できなかった。
【0139】
また、えられた偏光板を60℃、90%RHの環境下に100時間放置した後の偏光板の状態を観察した結果、著しい変色と脱色が生じていた。
【0140】
【発明の効果】
本発明の偏光子保護フィルムは、透湿率が小さい特長を保持しながら、優れた紫外線吸収性を発現することができる。また、優れた偏光子フィルムとの接着加工性・接着強度を発現することができる。
【0141】
本発明の偏光子保護フィルムを用いることにより、耐久性、具体的には耐湿熱性に優れた偏光板を生産性良く製造することができる。

Claims (8)

  1. 偏光子フィルムの片面あるいは両面に積層して使用される偏光子保護フィルムであって、
    (1)70℃・90%RHにおける透湿度が500g/(m・24hr)以下の基材フィルム層および(2)前記基材フィルム層の少なくとも一方の面上に塗設されるとともに紫外線吸収剤を含有する有機化合物層、を有し、
    前記有機化合物層の少なくとも一方は、前記偏光子フィルムに接するように積層され、
    前記有機化合物層の主たる構成成分がセルロースエステルであり、
    前記有機化合物層の前記偏光子フィルムに接する側の表面は、アルカリ液との接触による加水分解処理がされた偏光子保護フィルム。
  2. 前記紫外線吸収剤がベンゾフェノン系化合物類、ベンゾトリアゾール系化合物類、サリチル酸系化合物類から選ばれる1種以上である請求項に記載の偏光子保護フィルム。
  3. 前記基材フィルム層が200℃以上の加工工程を経て製造されたフィルムからなる請求項1または2に記載の偏光子保護フィルム。
  4. 前記フィルムが押出フィルムである請求項に記載の偏光子保護フィルム。
  5. 前記基材フィルム層の位相差値が0から20nm、光線透過率が85%以上、ヘーズが2%以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム。
  6. 前記基材フィルム層が、主たる成分として(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂、および(B)側鎖に置換または非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する請求項に記載の偏光子保護フィルム。
  7. (A)の熱可塑性樹脂が、オレフィン成分と側鎖に置換または非置換イミド基を有する成分からなる請求項に記載の偏光子保護フィルム。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルムと偏光子フィルムとが接着剤層を介して積層されていることを特徴とする偏光板
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