JP4737867B2 - 透明複合フィルム、偏光子保護フィルム、偏光フィルムおよび液晶表示装置 - Google Patents

透明複合フィルム、偏光子保護フィルム、偏光フィルムおよび液晶表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は光学特性、および、フィルムの加工適性に優れた、新規な光学フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器はますます小型化し、ノート型パソコン、ワードプロセッサ、携帯電話、携帯情報端末に代表されるように、軽量・コンパクトという特長を生かした液晶表示装置が多く用いられるようになってきている。これら液晶表示装置の用途が広がるにつれ、高温多湿環境に適応することが必要とされ、液晶表示装置を構成する各種フィルムに対しても同様の特性が要求されるようになった。なかでも、偏光フィルムは、高度に延伸されたポリビニルアルコールフィルムにヨウ素や二色性染料を吸着させて作成した偏光子の両面に、透湿性が大きく吸湿寸法安定性に乏しいトリアセチルセルロースを保護フィルムとして接着しているため、高温多湿の雰囲気下で偏光能が低下しやすいなど、性能の安定性に乏しいという問題点を有している。
【0003】
そのため、トリアセチルセルロースと比較し透湿性の小さい、ポリカーボネート系フィルムやアクリル系フィルム、オレフィン系フィルムなどの、新たなフィルムを偏光子保護フィルムとして用いることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
トリアセチルセルロースなどのフィルムは偏光フィルムや液晶表示装置に組み込む際に、粘着剤や接着剤を用いて他の材料と貼合される。特に、偏光子保護フィルムとして用い、延伸したポリビニルアルコール系の偏光子と接着する場合、環境変化に対応した偏光子の収縮変形に伴う応力に対して充分な接着強度を保持する必要がある。従来の偏光フィルムは、トリアセチルセルロースフィルムの表面を鹸化処理し表面を活性化しポリビニルアルコール系の接着剤を用いて強固に接着することによりその特性を維持していた。トリアセチルセルロースに代わって提案されている各種フィルムは、透湿性や複屈折性などの基本特性はトリアセチルセルロースを上回っているものの、独特の接着プロセスに適合することができず、新たな接着性付与のための技術が必要とされている。
【0005】
このような問題点に対して、フィルム表面をコロナ放電処理や火花処理などの電気的処理、低圧または常圧下でのプラズマ処理、オゾンの存在下または非存在下での紫外線照射処理、クロム酸等による酸処理、火焔処理、シラン系やチタン系などのプライマー処理などの表面活性化処理により活性化する方法が試みられている。
【0006】
これらの処理は、それなりの効果を有しているものの、得られるフィルムの上記偏光子との接着性は不十分である。また、初期は充分な接着強度が得られた場合でも、湿熱環境下では接着強度が低下し偏光子が変形したり剥離するという問題点を有している。接着強度が不十分な理由は、用いているフィルムが、上記表面処理の条件下では充分な反応性を示さず、接着剤との親和性が不十分である事に起因する。
【0007】
そのため、特開2000−356714号公報に見られるように、接着剤との親和性が高い親水性の樹脂層を形成することも提案されているが、該樹脂層と接着剤との親和性は高くなるものの、該樹脂層とフィルムとの接着性が不十分であり、所望とする特性を得ることは困難であった。また、得られた偏光フィルムを湿熱環境下に置いた場合、親水性の樹脂層が吸水し接着強度の低下という問題点も抱えている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者等は鋭意研究の結果、透明フィルムの少なくとも一方の表面に、該フィルムと溶解度パラメーターの差の絶対値が2.0MPa0.5以下である樹脂層を存在させた複合フィルムとし、必要により公知の表面処理手段を樹脂層表面に対して施すことにより、上記課題を解決し、容易に良好な接着性を有するフィルムを得ることができること見出し本発明に至った。
【0009】
すなわち、本発明は、透明フィルムの少なくとも一方の表面に、該フィルムとは異なる組成であって、該フィルムとの溶解度パラメーターの差の絶対値が2.0MPa0.5以下である樹脂層を有することを特徴とする、透明複合フィルム、に関する。本発明フィルムは、光線透過率が85%以上で、かつ、ヘーズが2%以下、位相差値が10nm以上1000nm以下である。さらに、本発明フィルムは、光線透過率が85%以上で、かつ、ヘーズが2%以下、位相差値が10nm未満でもある。
【0010】
本発明の複合フィルムは、該透明フィルムが、少なくとも、(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する成分からなる熱可塑性樹脂A、及び、(B)側鎖に少なくとも置換または非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂B、を含有するフィルムであることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の透明複合フィルムは、透明フィルムの少なくとも一方の表面に、該フィルムとは異なる組成であって、該フィルムとの溶解度パラメーターの差の絶対値が2.0MPa0.5以下である樹脂層を有している。
【0012】
本発明に用いることができる透明フィルムは、公知のフィルムを幅広く用いることができる。一般的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースエステル系樹脂またはそれらの誘導体、ポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレンなどのポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリメチルペンテン系、ポリメチルメタクリレート系などの末端オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステルカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ノルボルネン樹脂等のシクロオレフィン系樹脂またはそれらの誘導体、オレフィンマレイミド系樹脂やグルタルイミド系樹脂などのイミド系樹脂を挙げることができる。上記樹脂のなかでも、
分子の配向による複屈折、及び、光弾性係数の比較的小さい、シクロオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂、イミド系樹脂を好ましく用いることができる。これら樹脂の好ましいガラス転移温度は100℃以上であり、より好ましくは120℃、更に好ましくは140℃以上である。好ましい光弾性係数は、その絶対値が30×10-13cm2 /dyn以下であり、より好ましくは10×10-13cm2 /dyn以下であり、更に好ましくは5×10-13cm2 /dyn以下である。光弾性係数がこれより大きいと、偏光子保護フィルムとして用いた際、偏光子の収縮応力により位相差を発現しやすくなり、偏光フィルムの光学特性の低下を招くことがあるため好ましくない。該透明フィルムの位相差は、10nm未満が好ましく、より好ましくは5nm未満であり、更に好ましくは3nm未満である。更に、該透明フィルムの光線透過率は、好ましくは85%以上である。また、該透明フィルムのフィルム厚み方向の位相差も、得られた偏光フィルムの視野角特性を改善するためには重要である。好ましい厚み方向の位相差は、50nm以下であり、より好ましくは30nm以下であり、更に好ましくは10nm以下である。フィルム厚み方向の位相差は、フィルム面内の最大屈折率をnx、nxと直交する方向の屈折率をny、フィルム厚み方向の屈折率をnz、フィルムの厚みをdとしたとき、|(nx+ny)/2−nz)|×dで表される。
【0013】
本発明の別の実施態様では、該透明フィルムの位相差は、10nm以上1000nm以下であることが好ましい。
【0014】
また、本発明フィルムの透湿性は、透湿度で表すことができるが、特に高温での耐久性が必要であり、70℃−90%相対湿度における透湿度の小さいことが重要である。好ましくは、1000g/(m2・24hr)以下、より好ましくは500g/(m2・24hr)以下、更に好ましくは400g/(m2・24hr)以下である。あまりに小さい透湿度は接着剤や偏光子内に残存する水の乾燥を阻害することがあるので好ましくない。一般的には、好ましい透湿度の下限は10g/(m2・24hr)以上であり、より好ましくは50g/(m2・24hr)、更に好ましくは100g/(m2・24hr)以上であるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
本発明の透明フィルムを構成する特に好ましい樹脂は、少なくとも、(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂A、及び、(B)側鎖に少なくとも置換または非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂B、を含有する樹脂組成物である。
【0016】
該樹脂組成物における好ましい熱可塑性樹脂(A)は、少なくとも1種のオレフィン(アルケン)から誘導される繰り返し単位と少なくとも1種の置換あるいは非置換マレイミド構造を有する繰り返し単位とを含有する共重合体(二元もしくはそれ以上の多元共重合体)である。該オレフィン・マレイミド共重合体は公知の方法例えば特開平5−59193号公報、特開平5−195801号公報、特開平6−136058号公報及び特開平9−328523号公報に記載されているように、二種類の単量体を直接共重合したり、一方の重合体にグラフト共重合したり、後述する前駆重合体に対して高分子反応によりイミド結合を導入し、得ることができる。特に好ましくは、熱可塑性樹脂(A)は、下記式(3)で表される少なくとも1種のオレフィン(アルケン)から誘導される繰り返し単位と下記式(4)で表される少なくとも1種の置換あるいは非置換マレイミド構造を有する繰り返し単位を含有する。
【0017】
【化3】
Figure 0004737867
【0018】
(ここで、R5 、R6 およびR7 は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
【0019】
【化4】
Figure 0004737867
【0020】
(ここで、R1は、水素、炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数3〜12のシクロアルキル基を示す。)
好ましいオレフィンとしては、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、1−メチル−1−ヘプテン、1−イソオクテン、2−メチル−1−オクテン、2−エチル−1−ペンテン、2−エチル−2−ブテン、2−メチル−2−ペンテン、2−メチル−2−ヘキセン等のオレフィン系単量体である。また、好ましい置換マレイミドとしては、N置換基が、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、ラウリル、ステアリル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル等のN−置換マレイミドである。
【0021】
これら共重合体には、その他のビニル系単量体を含有していてもかまわない。ビニル系単量体としては、アクリル酸メチルやアクリル酸ブチル等のアクリル酸系単量体や、メタクリル酸メチルやメタクリル酸シクロヘキシル等の、メタクリル酸系単量体、酢酸ビニル等のビニルエステル系単量体、メチルビニルエーテル等のビニルエーテル系単量体、無水マレイン酸の様な不飽和二重結合を有する酸無水物、スチレンやα−メチルスチレン等のスチレン系単量体等、第三の成分を含有していてもかまわない。これらオレフィン系単量体や置換あるいは非置換マレイミド系単量体、第三の成分は、必要によりそれぞれ複数の単量体を併用してもかまわない。第3成分を光学的特性を損なわない程度に含有させることにより、熱可塑性共重合体(A)の耐熱性を向上させたり、機械的強度を増大させたりすることができる。
【0022】
また、該オレフィン・マレイミド共重合体は、マレイン酸、上記オレフィン系単量体、及び、必要により上記第三の成分や該非置換又は置換マレイミドを含む前駆重合体に、アミン化合物を反応させて得ることもできる。好ましいアミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミンn−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン等の、アルキルアミンやアンモニア、ジメチル尿素、ジエチル尿素等を用いることができる。
【0023】
該オレフィン・マレイミド共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、交互共重合体のいずれであってもよいが、交互共重合体であることが好ましい。該オレフィン・マレイミド共重合体は、より好ましくは、マレイミド単位として、式(2)におけるRがメチル基、エチル基、イソプロピル基およびシクロヘキシル基から選ばれたアルキル基である少なくとも1種のマレイミド単位を含有し、オレフィン単位として、式(1)におけるR1 が水素であり、R2 およびR3 がそれぞれメチル基である少なくとも1種のオレフィン単位を含有する共重合体である。さらに好ましくは、該オレフィン・マレイミド共重合体は、マレイミド単位としてN−メチルマレイミド単位を含有し、オレフィン単位としてイソブチレン単位を含有する。本発明の熱可塑性共重合体(A)は、N−置換マレイミドとイソブテンとの交互共重合体であることが特に好ましい。
【0024】
該オレフィン・マレイミド共重合体中の、マレイミド成分の含有量は、共重合体中の総繰り返し単位を基準として、30モル%以上80モル%未満が好ましく、より好ましくは、40モル%以上60モル%以下である。この範囲を超えると、得られるフィルムの耐熱性や機械的強度が損なわれる。第3成分は、これを添加する場合には、その含有率が5モル%以上30モル%以下であることが好ましい。該オレフィン・マレイミド共重合体の残りは、オレフィン単位である。該オレフィン・マレイミド共重合体は、マレイミド単位とオレフィン単位とを主成分(好ましくは、マレイミド単位とオレフィン単位との合計が、熱可塑性共重合体(A)の70モル%以上)として含むことが特に好ましい。
【0025】
必要とされる耐熱性については、ガラス転移温度で80℃以上が好ましく、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは130℃以上である。
【0026】
また、好ましい重量平均分子量の範囲は、1×104以上5×105以下の共重合体が用いられる。
【0027】
該樹脂組成物における、別の好ましい熱可塑性樹脂(A)としては、グルタルイミド系熱可塑性樹脂を用いることができる。該グルタルイミド系樹脂は、特開平2−153904号公報、特開平5−202253号公報、特開平6−500807号公報等に記載されているように、グルタルイミド構造単位とアクリル酸メチル又はメタクリル酸メチル構造単位を有する。
【0028】
好ましいグルタルイミドとしては、下記式(5):
【0029】
【化5】
Figure 0004737867
【0030】
で表されるグルタルイミド単位(但し、式中、R2 、R3 、R4は独立に水素または炭素数1〜12個の非置換のまたは置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基である。)を含有するグルタルイミド系樹脂である。
【0031】
本発明に用いられる該グルタルイミド樹脂を構成する好ましいグルタルイミド単位としては、R2 、R3が水素またはメチル基であり、R4がメチル基またはシクロヘキシル基である。該グルタルイミド単位は、単独でもよく、複数含んでいてもかまわない。
【0032】
該グルタルイミド樹脂を構成する好ましい第二の構成単位としては、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルからなる単位である。好ましいアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル構造単位としてはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等である。また、別の好ましいイミド化可能な単位として、N−メチルメタクリルアミドや、N−エチルメタクリルアミドのような、N−アルキルメタクリルアミドである。これら第二の構成単位は単独でもよく、複数含んでいてもかまわない。
【0033】
該グルタルイミド樹脂中の該グルタルイミド単位の含有量は、該グルタルイミド樹脂中の総繰り返し単位を基準として、20重量%以上である。該グルタルイミド単位の、好ましい含有量は、20重量%から95重量%であり、より好ましくは50〜90重量%、さらに好ましくは、60〜80重量%である。該グルタルイミド単位がこの範囲より小さい場合、得られるフィルムの耐熱性が不足しまた透明性が損なわれることがある。また、この範囲を超えると不必要に耐熱性が上がりフィルム化しにくくなる他、得られるフィルムの機械的強度は極端に脆くなり、また、透明性が損なわれることがある。
【0034】
該グルタルイミド樹脂は、必要に応じ、更に、第三の構成単位が共重合されていてもかまわない。好ましい第三の構成単位の例としては、スチレン、置換スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体、ブチルアクリレートなどのアクリル系単量体、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のニトリル系単量体、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド系単量体を共重合してなる構成単位を用いることができる。これらは該グルタルイミド樹脂中に、該グルタルイミド単位とイミド化可能な単位と直接共重合してあっても良く、また、該グルタルイミド単位とイミド化可能な単位を有する樹脂に対してグラフト共重合してあってもかまわない。第3成分は、これを添加する場合は、該グルタルイミド樹脂中の含有率は5モル%以上、30モル%以下であることが好ましい。
【0035】
該グルタルイミド樹脂は、米国特許3284425号、米国特許4246374号、特開平2−153904号公報等に記載されているように、イミド化可能な単位を有する樹脂としてメタクリル酸メチルエステルなどを主原料として得られる樹脂を用い、該イミド化可能な単位を有する樹脂をアンモニアまたは置換アミンを用いてイミド化することにより得ることができる。また、特開平02−153904号公報にみられるように、主としてN−メチルアクリルアミドとメタクリル酸メチルエステルから成る樹脂を用いてイミド化することにより、該グルタルイミド樹脂を得ることも可能である。
【0036】
該グルタルイミド樹脂を得る際に、反応副生成物としてアクリル酸やメタクリル酸、あるいはその無水物から構成される単位が該グルタルイミド樹脂中に導入される場合がある。このような構成単位、特に酸無水物の存在は、該透明フィルムの全光線透過率やヘーズを低下させるため、好ましくない。アクリル酸やメタクリル酸含量として、樹脂1g当たり0.5ミリ当量以下、好ましくは0.3ミリ当量以下、より好ましくは0.1ミリ当量以下とすることが望ましい。また、該グルタルイミド樹脂は、1×104 ないし5×105 の重量平均分子量を有することが好ましい。
【0037】
該樹脂組成物における好ましい熱可塑性樹脂Bとしては、アクリロニトリル・スチレン系の共重合体を好ましく用いることができる。特に好ましくは、熱可塑性樹脂(B)は、下記式(6)で示される不飽和ニトリル単位と下記式(7)で示されるスチレン系単位を含む。
【0038】
【化6】
Figure 0004737867
【0039】
(ここで、R8およびR9は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
【0040】
【化7】
Figure 0004737867
【0041】
(ここで、R10およびR11は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、R12は、水素、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、水酸基、アルコキシ基またはニトロ基を示す。)。
【0042】
該熱可塑性樹脂Bを構成する不飽和ニトリル化合物の好ましい例を挙げると、アクリロニトリルやメタクリロニトリルのようなα−置換不飽和ニトリル、フマロニトリルのようなα,β−二置換オレフィン性不飽和結合を有するニトリル化合物である。
【0043】
該熱可塑性樹脂Bを構成するスチレン系化合物としては、スチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレンまたはクロロスチレン等の非置換または置換スチレン系化合物や、α−メチルスチレン等のα−置換スチレン系化合物を用いることができる。
【0044】
これらアクリロニトリル・スチレン系の共重合体中には必要に応じ第三成分を含有していてもかまわない。好ましい第三成分の一例としては、ブチルアクリレートなどのアクリル系単量体であり、また、エチレンやプロピレン等のオレフィン系単量体であり、これら単量体を一種または二種以上を共重合させることにより得られたフィルムの可撓性を増すことができる。また、その他の第三成分としては、N−置換マレイミドであり、特に、フェニルマレイミドを共重合成分として用いることにより、該共重合体の耐熱性を向上することができる。
【0045】
該熱可塑性樹脂Bは、これら単量体を直接共重合することにより得られるが、スチレン系または不飽和ニトリル系重合体に、該当する単量体をグラフト共重合させてもかまわない。また、ゴム弾性を有するアクリル系重合体にスチレン系単量体や不飽和ニトリル系単量体をグラフト重合させる事により好ましい共重合体を得ることができる。特に好ましい単量体は、不飽和ニトリル成分がアクリロニトリルであり、スチレン系単量体がスチレンである。また、該熱可塑性樹脂Bは、1×104 ないし5×105 の重量平均分子量を有することが好ましい。これら共重合体はAS樹脂やAAS樹脂として知られている。
【0046】
該熱可塑性樹脂Bにおいて、好ましい共重合体中の不飽和ニトリル系成分の含有量としては20〜60重量%が望ましく、より好ましくは20〜50重量%である。また、スチレン系成分の含有量としては、40〜80重量%が好ましく、より好ましくは50〜80重量%である。特に、前者が20〜30重量%で、後者が70〜80重量%の場合は更に好ましい結果を与える。スチレン系やニトリル系の成分がこの範囲を超えると、該熱可塑性樹脂Aとの相溶性が乏しくなり、得られた透明フィルムのヘーズが大きくなることがあるため好ましくない。
【0047】
第3成分は、これを添加する場合は、該熱可塑性樹脂B中の含有率は5モル%以上、30モル%以下であることが好ましい。ニトリル系やスチレン系の特に好ましい成分は用いる熱可塑性樹脂A及びBにより異なる。
【0048】
また、該熱可塑性樹脂Bは、1×104ないし5×105の重量平均分子量を有することが好ましい。
【0049】
位相差の小さなフィルムを得る場合、該熱可塑性樹脂Aが主として該オレフィン・マレイミド共重合体であり、熱可塑性樹脂Bが主としてアクリロニトリル及びスチレンからなる共重合体である場合は、アクリロニトリル及びスチレンの含有量を、好ましくは20〜50重量%、より好ましくは25〜40重量%とし、また、スチレンの含有量を、好ましくは50〜80重量%、より好ましくは55〜75重量%、とする事により、広い組成範囲で良好な相溶性を示し、フィルムとした場合、全光線透過率85%以上かつヘイズが2%以下のフィルムを得ることができる。特に、アクリロニトリルの含有量を26〜29重量%とし、また、スチレンの含有量を71〜74重量%とする事により、熱可塑性樹脂Bは該熱可塑性樹脂Aと0〜80重量%の組成範囲で良好な相溶性を示し、全光線透過率90%以上かつヘイズ1%以下と極めて透明で、かつ、位相差が5nm以下、好ましくは3nm以下と、極めて位相差の小さなフィルムを得ることができる。また、該組成物から成るフィルムは、延伸しても位相差が極めて発現しにくいという特徴を有しているため、一軸または二軸に延伸を行い、機械的強度のすぐれ、しかもフィルム面内及び厚み方向ともに位相差の小さいフィルムを得ることができるという特徴を有する。延伸は、テンターを用いた横延伸、ロールを用いた縦延伸や、自由端一軸延伸、及びこれらを逐次組み合わせた、逐次二軸延伸や、縦と横を同時に延伸する同時二軸延伸等、公知の延伸法を用いることができる。
【0050】
該熱可塑性樹脂Aが主として該グルタルイミド樹脂であり、該熱可塑性樹脂Bが主としてアクリロニトリル及びスチレンからなる共重合体である場合は、アクリロニトリルの含有量を、好ましくは20〜50重量%、より好ましくは25〜40重量%とし、また、スチレンの含有量を、好ましくは50〜80重量%、より好ましくは55〜75重量%、とする事により、広い組成範囲で良好な相溶性を示し、フィルムとした場合、全光線透過率85%以上かつヘイズが2%以下のフィルムを得ることができる。
【0051】
特に、該グルタルイミド樹脂を用いて位相差の小さなフィルムを得る場合、グルタルイミド単位を60〜80重量%、メタクリル酸メチルエステルからなる単位を20〜40重量%、酸含有量を0.5ミリ当量/g樹脂以下とし、該熱可塑性樹脂B中の、アクリロニトリルの含有量を26〜29重量%、スチレンの含有量を71〜74重量%とする事により、該熱可塑性樹脂Bと該グルタルイミド樹脂とは幅広い組成範囲で良好な相溶性を示し、全光線透過率90%以上かつヘイズ1%以下と極めて透明で、かつ、位相差が5nm以下、好ましくは3nm以下と、極めて位相差の小さなフィルムを得ることができる。また、該組成物から成るフィルムは、延伸しても位相差が極めて発現しにくいという特徴を有しているため、一軸または二軸に延伸を行い、機械的強度のすぐれ、しかもフィルム面内及び厚み方向ともに位相差の小さいフィルムを得ることができるという特徴を有する。延伸は、テンターを用いた横延伸、ロールを用いた縦延伸や、自由端一軸延伸、及びこれらを逐次組み合わせた、逐次二軸延伸や、縦と横を同時に延伸する同時二軸延伸等、公知の延伸法を用いることができる。
【0052】
該透明フィルムは、以上のように単一樹脂あるいは樹脂組成物から構成されるが、該透明フィルムはこれら樹脂あるいは組成物から構成される複数の層からなる複合フィルムであってもかまわない。
【0053】
該透明フィルムは、公知のフィルム化方法により得ることができ、フィルム化方法は特に限定されない。フィルム化に先立ち、用いる樹脂やペレットを予備乾燥しておくことはフィルムの発泡など、欠陥を防ぐ上で有用である。特にイミド系樹脂やシクロオレフィン系樹脂を用いる場合、加工時の分子配向による位相差が出にくいという特徴を有しているため、溶融成形法によるフィルム化も好ましい方法である。溶融成形法でフィルムを成形する場合、Tダイ法やインフレーション法などの溶融押し出し法や、カレンダー法、熱プレス法、射出成型法など、公知の方法を採用できるが、良好な厚み精度を有する幅広のフィルムを得やすいと言う点で、Tダイを用いた溶融成形法が好ましい。また、極めて均一な厚み精度を有するフィルムを得ることができるという点で溶液流延法も好ましい方法である。これらのフィルム化方法により、ダイライン等の欠陥が無く、また、フィルム厚みバラツキが5%以下と小さく、位相差の小さい、光学的に等方な透明フィルムを得ることができる。
【0054】
該透明フィルムはその少なくとも一方の表面に、該フィルムと溶解度パラメータの差の絶対値が2.0MPa0.5以下である樹脂層を有する。該樹脂層としては、公知の樹脂層を用いることができる。好ましい樹脂層としては、一般的には、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースフタレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、及び、セルロースアセテートフタレートなどのセルロースエステル系樹脂、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースなどのアルキルセルロースエーテル系樹脂、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロースエーテル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、またはこれらセルロース系樹脂の誘導体、ポリ酢酸ビニルやポリプロピオン酸ビニルなどのポリビニルエステル系樹脂、及び、その鹸化物、エチレンやプロピレンなどのオレフィンと酢酸ビニルやプロピオン酸ビニルなどのビニルエステルとのオレフィン−ビニルエステル樹脂およびその鹸化物、イソブチレン−無水マレイン酸樹脂及びその加水分解物、アルカリ金属塩、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸樹脂およびそれらとメタクリル酸メチルエステルやアクリル酸メチルエステルなどとの共重合体、カプロラクタムとヘキサメチレンジアミンとアジピン酸とからなる66アミノ酸との共重合ポリアミドなどの共重合ポリアミド系樹脂、メトキシメチル化されたポリアミド6などのポリアミド系誘導体樹脂、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテルなどのポリビニルエーテル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリビニルホルマール系樹脂、ポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレンなどのポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリメチルメタクリレート系などの末端オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステルカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ノルボルネン樹脂等のシクロオレフィン系樹脂またはそれらの誘導体、オレフィン−マレイミド系樹脂やグルタルイミド系樹脂などのイミド系樹脂、スルホン化ポリエステルなどの親水性ポリエステル樹脂を挙げることができる。該樹脂層が、酸またはアルカリによる加水分解で水酸基、アミノ基、カルボキシル基から選ばれる少なくとも1種の官能基を生成可能な化合物を含有することが特に好ましい。このような化合物の具体的な例としては、エステル基、炭酸エステル基、置換または非置換のアミド基、置換または非置換のイミド基、エーテル基、酸無水物基を有する化合物である。
【0055】
これら樹脂の溶解度パラメータは、公知の方法により測定や計算することができる。特に、各原子団の寄与から求めたFedorsの溶解度パラメーター(R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.,vol14,p147,p472,(1974). および、J.Brandrup et al.,”Polymer Handbook”,4th Ed.,John Wiley& Sons,New York,1999,Ch. 7,Table 3.)は各種ポリマーの溶解度パラメーターを容易に求めることができるため、有用である。該透明フィルムと該樹脂層の溶解度パラメータの差の絶対値を好ましくは2.0MPa0.5以下、より好ましくは1.5MPa0.5以下、更に好ましくは1.0MPa0.5以下とすることにより、該樹脂層と該透明フィルムとの密着性に優れた複合フィルムを得ることができる。好ましい該樹脂の溶解度パラメータの値は複合化する該透明フィルムの溶解度パラメーターにより変化するため、溶解度パラメーターを連続的に変えることのできる樹脂系が好ましい。上記、好ましい樹脂の中でも、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースフタレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、及び、セルロースアセテートフタレートなどのセルロースエステル系樹脂、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースなどのアルキルセルロースエーテル系樹脂、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロースエーテル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、またはこれらセルロース系樹脂の誘導体、ポリ酢酸ビニルやポリプロピオン酸ビニルなどのポリビニルエステル系樹脂、及び、その鹸化物、エチレンやプロピレンなどのオレフィンと酢酸ビニルやプロピオン酸ビニルなどのビニルエステルとのオレフィン−ビニルエステル樹脂およびその鹸化物、イソブチレン−無水マレイン酸樹脂及びその加水分解物、アルカリ金属塩、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸樹脂およびそれらとメタクリル酸メチルエステルやアクリル酸メチルエステルなどとの共重合体、カプロラクタムとヘキサメチレンジアミンとアジピン酸とからなる66アミノ酸との共重合ポリアミドなどの共重合ポリアミド系樹脂、メトキシメチル化されたポリアミド6などのポリアミド系誘導体樹脂、は、組成を変えることにより連続的に広い範囲で溶解度パラメーターを変化させることができるために好ましい樹脂である。上記セルロース系樹脂は、セルロースの水酸基が各種置換基に置換されることにより、上記セルロースエステル系樹脂やアルキルセルロースエーテル系樹脂、セルロースエーテル系樹脂などのセルロース誘導体を得ることができるが、これらは、セルロースのアルコール残基の置換の割合を変えることにより溶解度パラメーターを連続的に変えることが可能である。また、ビニルエステル系樹脂は、ビニルエステルの鹸化の割合や、オレフィンとの共重合比率を変えることにより溶解度パラメーターを連続的に変えることが可能である。また、熱または紫外線・電子ビームなどのエネルギー線により硬化する硬化性樹脂層を用いることも可能である。好ましい硬化性樹脂層としては、有機系コーティング層としては、メラミン樹脂系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、アルキド樹脂系、含フッソ系樹脂系であり、また有機−シリコーン複合系としては、ポリエステルポリオールやエーテル化メチロールメラミンにアルキルトリアルコキシシラン、テトラアルコキシシランの部分加水分解物を配合したものが挙げられる。また、アミノシランやエポキシシランの部分加水分解物、シランカップリング剤とアルキルトリアルコキシシラン・テトラアルコキシシランの部分加水分解物、コロイダルシリカとアルキルトリアルコキシシランの加水分解物等のシリコーン系樹脂も好適に用いることができる。
【0056】
該樹脂層の厚みの上限は、好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下、更に好ましくは0.5μm以下である。該樹脂層の厚みの下限は接着性が保持できれば限定されないが、一般には、0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上である。
【0057】
該樹脂層は該透明フィルムと同様に湿度に対する耐久性が必要である。該樹脂層として水に対して溶解性を示す樹脂からなる層を用い本発明透明複合フィルムを形成した後、水系接着剤を用いて偏光子と接着し偏光フィルムとする場合、接着剤が含有する水分を該樹脂層が吸収し粘調な層となるため、偏光フィルムの乾燥が進みにくく接着強度の発現に時間がかかるという問題点を有する。また、得られた偏光フィルムも、乾燥状態では良好な接着性を示すものの、高湿条件下では該樹脂層が吸水し接着剤との接着性を保持できなくなるという問題点を生じる。そのため、該樹脂層は水に可溶な重量分率(水可溶分)が好ましくは50%以下、より好ましくは10%以下である。また、吸水率が好ましくは50%以下であり、より好ましくは30%以下、更に好ましくは10%以下である。
【0058】
該樹脂層を該透明フィルムに積層複合化する方法としては特に限定されない。適当な溶剤や水に分散させた後、該透明フィルムにコーティングする方法や、該樹脂層からなるフィルムを該透明フィルムに熱などによりラミネートする方法、該透明フィルムをフィルム化する際に、共押出によりラミネートする方法など、公知のラミネート法を使用することが可能である。
【0059】
溶剤に該樹脂層を形成する樹脂を溶解または分散させてコーティングする場合、公知のコーティング方法を用いることができる。好ましいコーティング方法を例示すると、バーコーター、ドクターナイフ、メイアバー、ロール、Tダイ、コンマコーターなどである。コーティングには公知の溶剤を用いることができる。一般には、トルエン、キシレンやアニソール等の芳香族系や、ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフランやピラン等の環状エーテル系、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系、アセトン、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトン等のケトン系、炭酸ジメチル等の炭酸エステル系、メチルアルコールやイソプロピルアルコールなどのアルコール系の溶剤が使用可能である。また、塩化メチレンやトリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系、ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミドなどの、極性の高い非ハロゲン系の溶剤も用いることができる。これら溶剤は相互に混合して用いることもでき、低沸点を有する溶剤と高沸点を有する溶剤とを組み合わせて蒸発速度を制御することも、表面性の優れた該樹脂層を得るためには好ましい方法である。溶液の固形分濃度は、塗膜外観や必要とする樹脂層厚さによって適宜調節することが可能であるが、一般には、0.1から50重量%であり、好ましくは、1〜10重量%である。該溶液を該透明フィルムにコーティングの後、乾燥炉で該樹脂層を乾燥させ、必要により、更に加熱あるいは紫外線や電子ビームを照射し該樹脂層を硬化させる。該樹脂層の残存溶剤量は、好ましくは5重量%以下であり、より好ましくは1%以下、更に好ましくは0.1%以下である。
【0060】
該樹脂層は、該透明フィルムと積層するにあたり、必要により、該透明フィルムおよび/または該樹脂層の積層する側の表面を、コロナ放電処理や火花処理などの電気的処理、低圧または常圧下でのプラズマ処理、オゾンの存在下または非存在下での紫外線照射処理、クロム酸等による酸処理、火焔処理、シラン系やチタン系などのプライマー処理などの公知の表面活性化処理を行うことにより、より強固な密着性を得ることができる。
【0061】
本発明複合フィルムは、光線透過率が85%以上、好ましくは90%以上であり、ヘーズは2%以下、好ましくは1%以下である。また、好ましい光弾性係数は、その絶対値が30×10-13cm2 /dyn以下であり、より好ましくは10×10-13cm2 /dyn以下であり、更に好ましくは5×10-13cm2 /dyn以下である。光弾性係数がこれより大きいと、偏光子保護フィルムとして用いた際、偏光子の収縮応力により位相差を発現しやすくなり、偏光フィルムの光学特性の低下を招くことがあるため好ましくない。該透明複合フィルムの位相差は、10nm未満が好ましく、より好ましくは5nm未満であり、更に好ましくは3nm未満である。また、該透明複合フィルムのフィルム厚み方向の位相差も、得られた偏光フィルムの視野角特性を改善するためには重要である。好ましい厚み方向の位相差は、50nm以下であり、より好ましくは30nm以下であり、更に好ましくは10nm以下である。
【0062】
また、本発明の別の実施態様では、該透明複合フィルムの位相差は、10nm以上1000nm以下であることが好ましい。
【0063】
該透明複合フィルムは、必要に応じて少量の可塑剤や熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤等の加工性改良剤、あるいは、フィラーなどの公知の添加剤やその他の重合体を含有していてもかまわない。これら添加剤は、該透明フィルムおよび/または該樹脂層のいずれにも添加することが可能である。
【0064】
好ましい可塑剤を例示すると、フタル酸系可塑剤としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−n−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−n−デシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジ−n−ドデシル、フタル酸ジイソトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、イソフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、脂肪族二塩基酸系可塑剤としては、アジピン酸ジ−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、リン酸エステル系可塑剤としては、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジール、エポキシ系可塑剤としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化トール油脂肪酸−2−エチルヘキシル、脂肪酸エステル系可塑剤としては、ステアリン酸ブチル、オレイン酸ブチル、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸メチル、高分子系添加剤としては、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコール安息香酸エステル、エステル基を含有する高分子化合物(アジピン酸、セバシン酸、フタル酸などの2塩基酸と1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコールなどの重縮合物)などが挙げられる。これら添加剤の中でも、芳香族基を含まない、アジピン酸ジ−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジール、エポキシ化大豆油、エポキシ化トール油脂肪酸−2−エチルヘキシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸ブチル、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸メチル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、あるいはエステル基を含有する高分子化合物(アジピン酸、セバシン酸などの2塩基酸と1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコールなどの重縮合物)などの可塑剤が、得られたフィルムの位相差を悪化させないため好ましい。これらの可塑剤は、これら可塑剤は上記のフィルム100重量部に対して20重量部以下の範囲で添加される。20重量部を超えると、不必要にフィルムの機械的特性や耐熱性が低下するため好ましくない。
【0065】
また、フィルムの滑り性を改善する目的でフィラーを含有させても良い。フィラーとして、無機または有機の微粒子を用いることができる。無機微粒子の例としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物微粒子、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムなどのケイ酸塩微粒子、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、およびリン酸カルシウムなどを用いることが出来る。有機微粒子としては、ポリメタクリル酸エステル系やポリアクリル酸エステル系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ジビニルベンゼン系、ベンゾグアナミン系、有機シリコーン系などの樹脂微粒子を用いることができる。
【0066】
該透明複合フィルムに紫外線吸収剤を含有させることにより本発明フィルムの耐候性を向上する他、本発明フィルムを用いる偏光フィルムや液晶表示装置の耐久性も改善することができ実用上好ましい。紫外線吸収剤としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4,6−ジ−t−ブチルフェノール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールなどのトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤等が挙げられ、また、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系光安定剤やビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等のヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤も使用できる。特に、高温での揮発分が少ないベンゾトリアゾール系を主体とした紫外線吸収剤がフィルム化時の加熱による揮発逸散でフィルム表面や装置の汚染を防止することができ好ましい。
【0067】
本発明透明複合フィルムは、特に、該透明フィルムとしてシクロオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂、イミド系樹脂を用いた場合、接着剤との接着性が改善されており、該樹脂層側と偏光子とを接着剤にて接着し信頼性の高い偏光フィルムを得ることができる。用いることのできる接着剤としては、公知の接着剤を用いることができ、
ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレートなどのポリアクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系接着剤などを用いることができる。これら接着剤は溶剤あるいは水に溶解・分散されて用いられる。
【0068】
また、該複合フィルムの該樹脂層表面を、コロナ放電処理や火花処理などの電気的処理、低圧または常圧下でのプラズマ処理、オゾンの存在下または非存在下での紫外線照射処理、クロム酸等による酸処理、火焔処理、シラン系やチタン系などのプライマー処理などの公知の表面活性化処理を行うことにより、より強固な密着性を得ることができる。表面処理として代表的なコロナ放電処理の程度は、下記式(II)で表される放電量で制御する事ができる。
【0069】
H=P/(LS×M) (II)
ここで、Hは放電量、Pは高周波電力(W)、LSはフィルムの通過速度(m/min)、Mは放電幅(m)である。好ましいコロナ放電処理の条件としては、10〜500W・min/m2である。生産性を考慮すると、放電量のより好ましい上限は、300W・min/m2であり、更に好ましくは、100W・min/m2である。また、好ましいプラズマ処理としては、雰囲気ガスとして水素、炭酸ガス、窒素、アルゴン、ヘリウム、酸素などの単一あるいは混合ガス中での常圧プラズマ処理である。一般には、雰囲気ガスとしては、窒素やヘリウムやアルゴンなどの不活性ガス中に、酸素や空気・炭酸ガスなどの活性ガスの1種または2種以上を1%〜20容量%混合して用いることが好ましい。
【0070】
更に、該樹脂層として加水分解性の樹脂を用いた場合、公知のトリアセチルセルロースと同様の鹸化処理を本発明透明複合フィルムに施すことにより、ポリビニルアルコール系の接着剤をそのまま用いても極めて強固な偏光子との接着性を得ることができる。該樹脂層を形成する加水分解性の樹脂としては、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースエステル系樹脂、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースなどのアルキルセルロースエーテル系樹脂、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロースエーテル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、またはこれらセルロース系樹脂の誘導体、ポリ酢酸ビニルやポリプロピオン酸ビニルなどのポリビニルエステル系樹脂、及び、その鹸化物、エチレンやプロピレンなどのオレフィンと酢酸ビニルやプロピオン酸ビニルなどのビニルエステルとのオレフィン−ビニルエステル樹脂およびその鹸化物、イソブチレン−無水マレイン酸樹脂及びその加水分解物、アルカリ金属塩、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸樹脂およびそれらとメタクリル酸メチルエステルやアクリル酸メチルエステルなどとの共重合体を好適に用いることができる。特に、セルロース系樹脂は、耐熱性が比較的高く、また、幅広い溶解度パラメーターを有する樹脂を得やすいこと、該樹脂層表面の鹸化層が耐水性に優れていることなどから好ましい樹脂である。
【0071】
鹸化処理は、セルローストリアセテートと同様の条件で可能である。鹸化剤としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物や、水酸化テトラメチルアンモニウムなどの水酸化有機アンモニウム塩、などを用いることが可能であり、必要により界面活性剤を添加することができる。また、アルカリ成分として有機アルカリとして知られている、水酸化テトラメチルアンモニウムなどのテトラアルキルアンモニウム水酸化物、水酸化2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムなどのヒドロキシアルキルトリアルキルアンモニウム水酸化物など有機性アンモニウム水酸化物も、好適なアルカリとして用いることができる。これら有機アルカリは水溶液、または、水とメチルアルコールなどとの混合溶液として用いられ、必要に応じポリエチレングリコールなどの非イオン系界面活性剤を併用することも可能である。鹸化は、上記鹸化剤を溶解した水溶液、または、アルコール/水の混合溶液中に、該複合フィルムを加熱下で浸漬することにより実施することができる。好ましい鹸化時間は10秒から10分であり、好ましい鹸化浴の温度は室温から80℃である。鹸化処理を行った本発明透明複合フィルムは、水洗の後、ポリビニルアルコール系の接着剤を用いて偏光子と容易に、かつ、強固に接着することができる。
【0072】
このような、表面活性化処理や鹸化処理を行うことにより、通常その表面エネルギーが以下50dyne/cm以上80dyne/cm以下であり、より好ましくは55dyne/cm以上75dyne/cm以下、更に好ましくは60dyne/cm以上72dyne/cm以下の値を示し、しかも、長期的に安定した表面エネルギーを得ることができる。特に、鹸化処理の場合、表面エネルギーで65dyne/cm以上と水系接着剤と極めて親和性の高い表面を得ることができる。フィルムの表面エネルギーは、公知の方法にて測定することができる。その詳細は、D.K.Owens,Journal of Applied Polymer Science,vol13,1741頁(1969年)などに、記載されている。また、純水接触角は、好ましくは60°以下、より好ましくは、40°以下、更に好ましくは、30°以下である。
【0073】
また、本発明透明複合フィルムの、偏光子と接着させない表面には、必要に応じハードコート層などのコーティング層を形成することができる。また、本発明フィルムは、該コーティング層を介して、または、介さずに、スパッタリング法等によりインジウムスズ酸化物系等の透明導電層を形成しプラスチック液晶表示装置の電極基板やタッチパネルの電極基板として用いたり、反射防止層を形成することもできる。
【0074】
該コーティング層は厚み0.1μmから10μm、好ましくは1μmから5μmの範囲で形成する事が好ましい。
【0075】
好ましいコーティング層を例示すると、有機系コーティング層としては、メラミン樹脂系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、アルキド樹脂系、含フッソ系樹脂系であり、また有機−シリコーン複合系としては、ポリエステルポリオールやエーテル化メチロールメラミンにアルキルトリアルコキシシラン、テトラアルコキシシランの部分加水分解物を配合したものが挙げられる。また、アミノシランやエポキシシランの部分加水分解物、シランカップリング剤とアルキルトリアルコキシシラン・テトラアルコキシシランの部分加水分解物、コロイダルシリカとアルキルトリアルコキシシランの加水分解物等のシリコーン系材料も好適に用いることができる。
【0076】
これらコーティング材料を本発明透明複合フィルムの表面にコーティング後、熱硬化により耐溶剤性皮膜を有するフィルムを得ることが出来る。この時、低温硬化型の触媒を同時に用いることは、好ましくないフィルムの熱変性を抑制するために好ましい方法である。また多官能アクリレート等のモノマーやオリゴマーに光増感剤を添加し、紫外線や電子線により得られる硬化層も好適に用いることが出来る。該コーティング層には、必要により、各種フィラーを添加することができる。フィラーを添加することによりフィルム表面反射によるギラツキを防止したり、他のフィルムを積層した際の光学的干渉によるニュートンリングの発生を防ぐことができる。好ましいフィラーとしては、ポリメタクリル酸エステル系やポリアクリル酸エステル系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ジビニルベンゼン系、ベンゾグアナミン系、有機シリコーン系等の有機系フィラーあるいはシリカやアルミナ、酸化チタン等の無機系フィラーが使用可能である。一方、フィラーの添加により液晶表示装置などの表示部位に用いた場合、表示像のギラツキ感を与える事があり、フィラー形状、コーティング剤やコーティング条件の最適化により、 JIS K 7105の6.6記載の方法で0.125mmの光学くしを用いて測定した透過像像鮮明度を80%以上にすることが望ましい。
【0077】
本発明透明複合フィルムの好ましい用途は、光学等方フィルムであり、他の好ましい用途は、位相差フィルムである。光学等方フィルムは、更に、各種用途に応用される。このような好ましい用途の一つは、偏光子保護フィルムであり、他の好ましい用途は、プラスチック液晶表示装置や抵抗膜式タッチパネルの電極基板である。また、他の好ましい用途は、記録媒体用の支持基板あるいは記録層の保護フィルムである。これらの詳細については、日経マイクロデバイス(日本経済新聞社発行)2000年7月17日号155頁に記載されている。
【0078】
本発明の透明複合フィルムを偏光子保護フィルムとして使用する場合、特に表面活性化処理や鹸化処理を施した本発明複合フィルムは、ポリビニルアルコール系接着剤との接着強度を、50Kg/cm2以上、好ましくは200Kg/cm2以上とすることが可能である。
【0079】
【実施例】
実施例および比較例に示される各物性値の測定方法を以下に示す。
【0080】
<ガラス転移温度> JIS K7121に準拠し、セイコー電子製の示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した。すなわち、試料10mgをDSC装置にセットし、この試料を室温より10℃/分で昇温し、ガラス転移温度を測定した。
【0081】
<光線透過率> JIS K7105−1981の5.5記載の方法により550nmの光を用いて測定した。
【0082】
<ヘイズ> JIS K7105−1981の6.4記載の方法により測定した。
【0083】
<位相差> 顕微偏光分光光度計(オーク製作所:TFM−120AFT)を用い、測定波長514.5nmで測定した。
【0084】
<厚み方向の位相差> 顕微偏光分光光度計(オーク製作所:TFM−120AFT)を用い、514.5nmの測定波長で位相差の角度依存性を測定し、nx、ny、nzを求める。別途フィルムの厚みを測定し、下式を用いて厚み方向の位相差を計算する。
厚み方向の位相差=|(nx+ny)/2−nz|×d
【0085】
<水可溶分>厚さ50μmのフィルムを用い、50℃で24時間乾燥しフィルム重量W1を測定する。このフィルムを、40℃の水中に30分間浸漬した後、50℃で24時間乾燥しフィルム重量W2を測定する。以下の式より水可溶分率を計算する。
水可溶分率(%)=(W1−W2)/W1×100
【0086】
<吸水率>厚さ50μmのフィルムを用い、50℃で24時間乾燥した後冷却しフィルム重量Wdを測定する。このフィルムを23℃の水に24時間浸漬した後、表面に付着している水分をふき取り重量Wwを測定する。以下の式より吸水率を計算する。
吸水率(%)=(Ww−Wd)/Wd×100
【0087】
<光弾性係数>
フィルムの複屈折は顕微偏光分光光度計(オーク製作所製 TFM−120AFT−PC)により測定した。光軸方向に幅1cmの短冊に切断したフィルムの一方を固定し、他方に50g、100g、150gの加重をかけ、単位応力による複屈折率の変化量を算出する。
【0088】
<引裂伝播強度> 島津製作所製のオートグラフを使用してJIS K7128(トラウザー法)に従い測定した。尚、測定は引張速度が200mm/分で行っい、平均厚み50±5μmのフィルムを使用した。
【0089】
<耐揉疲労> 東洋精機製作所社製、MIT耐揉疲労試験機(FOLDINGENDURANCE TESTER)D型を使用し、JIS C5016に準拠して測定した。尚、測定は、幅15mm、長さ200mm、平均厚み50±5μmの形状のサンプルを使用した。
【0090】
<高分子フィルムの透湿度>
JIS Z0208記載の方法に準じて測定した。
【0091】
以下実施例に従って本発明を具体的に説明する。
【0092】
(参考例1)
イソブテンとN−メチルマレイミドから成る交互共重合体(N−メチルマレイミド含量50モル%、ガラス転移温度157℃)100重量部と、アクリロニトリルの含量が28重量%であるアクリロニトリル・スチレン共重合体60重量部(37.5重量%)を、塩化メチレン溶液に固形分濃度15重量%になるように溶解し、ガラス板上に敷いた二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に流延し室温で60分放置した。その後フィルムを剥し、4辺固定治具に挟んで、100℃で10分間、更に140℃で10分間、160℃で30分間の乾燥を行ってフィルムを得た。フィルムの厚みは120μmであり、このフィルムのフィルム平面方向の位相差は2nm、厚み方向の位相差は3nm、光線透過率は92%、ヘーズは0.3%であった。また、ガラス転移温度は141℃、耐揉疲労はMD方向が5回、TD方向が6回、引裂伝播強度は、MD方向が79gf/mm、TD方向が76gf/mmであった。このフィルムを、MD方向に155℃で1.8倍延伸した後に、TD方向に155℃で1.8倍延伸した。このフィルムの厚みは49μm、ヘーズは0.4%、フィルムの平面方向の位相差は1nm、厚み方向の位相差は4nmであり、耐揉疲労はMD方向が161回、TD方向が138回、引裂伝播強度は、MD方向が214gf/mm、TD方向が152gf/mmであった。本フィルムの組成から計算される溶解度パラメーターは23.5MPa0.5であった。
【0093】
(参考例2)
厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルム(日本合成化学工業(株)製:ビニロンフィルム)を縦一軸に4倍延伸し、緊張状態を保ったまま、ヨウ素0.075重量%、ヨウ化カリウム5重量%を含有する水溶液に室温にて1分間浸漬した。更に、ホウ酸7.5重量%、ヨウ化カリウム6重量%を含有する水溶液に70℃にて5分間浸漬させ架橋処理を行い偏光子を得た。
【0094】
(実施例1)
セルロースアセテートプロピオネート(アセチル基置換度0.1、プロピオニル基置換度2.7)を10重量%含有するメチルエチルケトン/トルエン(50/50重量%)混合溶液を用い、ワイヤーバーを用いて参考例1で得られた透明フィルム上にコーティングを行った。得られたフィルムを100℃にて1分間乾燥し、片面に1μmの樹脂層を有する透明複合フィルムを得た。このフィルムの面内位相差は2nm、厚み方向の位相差は3nm、光線透過率は92%、ヘーズは0.5%であった。用いた、セルロースアセテートプロピオネートの吸水率は1.6%であり、水可溶分率は1%以下であった。また、用いたセルロースアセテートプロピオネートの溶解度パラメーターは22.5MPa0.5であり、透明フィルムとの溶解度パラメーターの差の絶対値は1.0MPa0.5であった。また、得られたフィルムの透湿度は、40℃−90%相対湿度では85g/(m2・24hr)、70℃−90%相対湿度では365g/(m2・24hr)であった。
【0095】
10%の水酸化ナトリウム水溶液に、透明複合フィルムを50℃にて3分間浸漬し鹸化処理を行った後、水洗、乾燥を行った。処理前のフィルム樹脂層表面は純水接触角が66°、表面エネルギーは48dyne/cm、樹脂層と反対側表面(樹脂層の設けられていない表面)の純水接触角は70°であった。処理後は、樹脂層表面は、それぞれ、21°、69dyne/cmと極めて大きな表面エネルギーを示したが、樹脂層と反対側の表面は、純水接触角が70°と処理前と変わらなかった。このフィルムは、一ヶ月経過しても樹脂層側の純水接触角は23°、表面エネルギーは68dyne/cmであり、安定した表面エネルギーを示した。
【0096】
処理面を対向させPVA系接着剤の水溶液を介して積層し圧延ロールで密着させた後、70℃で5分間乾燥して、フィルム同志を接着させた。接着強度を測定するためにT型剥離試験を行ったところ、フィルムが裂けて剥離することはできなかった。
【0097】
また、参考例2の偏光子の両面に、表面処理した透明複合フィルムを、表面処理面を偏光子に対向させPVA系接着剤の水溶液を介して積層し、圧延ロールで密着させた後、70℃で5分間乾燥して偏光フィルムを得た。透明複合フィルムと偏光子との間の接着強度をT型剥離試験にて測定したところフィルムが裂け測定することができなかった。また、60℃、90%相対湿度の環境下に500時間放置した後の偏光フィルムの状態を観察した結果、色変化や色抜けがなく、フィルムの浮きや剥がれもみられなかった。
【0098】
(比較例1)
実施例1と同様にして、セルロースジアセテート(アセチル基置換度:2.0)の6重量%酢酸エチル溶液を用いて厚さ1μmの樹脂層を形成させ、樹脂層を同様にアルカリによる鹸化処理を行った。処理面を対向させPVA系接着剤で接着し剥離強度を測定したところ、セルロースジアセテートと透明フィルムとの界面で容易に剥離した。セルロースジアセテートの溶解度パラメーターは26.8MPa0.5であり、用いた透明フィルムの溶解度パラメーターとの差の絶対値は3.3MPa0.5であった。
【0099】
(比較例2)
ポリビニルアルコール(鹸化度90%)を9重量%含有する水/メチルエチルケトン(50/50容積%)混合溶液を用いて厚さ1μmの樹脂層を形成させた以外は、実施例1と同様にして70℃−5分乾燥して積層フィルムを得た。このフィルムは容易に剥離することができ、剥離後の接着面はタックが残っており、接着剤の乾燥が不十分であった。70℃−5分乾燥したフィルムをそのまま、80℃にて30分乾燥したフィルムを剥離テストしたところ、フィルムは容易に剥離することができた。剥離面は乾燥しており、接着剤は乾燥していた。用いたポリビニルアルコールの溶解度パラメーターは37.3MPa0.5であり、その差の絶対値は14.8MPa0.5であった。また、水可溶分を測定したところ可溶分は90%以上であった。
【0100】
(実施例2)
N−メチルグルタルイミドとメチルメタクリレートからなるグルタルイミド共重合体(N−メチルグルタルイミド含量75重量%、酸含量0.01ミリ当量/g以下、ガラス転移温度147℃)65重量%と、アクリロニトリル及びスチレンの含量がそれぞれ28重量%、72重量%であるスチレンとアクリロニトリルからなる共重合体35重量%を、塩化メチレンに固形分濃度15重量%になるように溶解し、ガラス板上に敷いた二軸延伸PETフィルム上に流延し室温で60分放置した。その後フィルムを剥し、4片固定治具に挟んで、100℃で10分間、さらに140℃で10分間乾燥を行って厚さ100μmのフィルムを得た。このフィルムのガラス転移温度は140℃であり、光弾性係数は6×10−13cm2 /dynであった。このフィルムから30cm×10cmのサンプルフィルムを切り取り、延伸試験装置(東洋精機製作所、X4HD−HT)を用いてMD方向に160℃で1.5倍延伸した後に、TD方向に160℃で1.5倍延伸した。このフィルムの厚みは45μm、ヘーズは0.4%、フィルムの面内位相差は2nm、厚み方向の位相差は4nmであり、耐揉疲労はTD方向が210回、MD方向が190回、引き裂き強度は、MD方向が161gf/mm、TD方向が158gf/mmであった。得られたフィルムの溶解度パラメーターは、23.2MPa0.5であった。また、得られたフィルムの透湿度は、40℃−90%相対湿度では43g/(m2・24hr)、70℃−90%相対湿度では182g/(m2・24hr)であった。
【0101】
実施例1と同様にして、透明フィルムの片面にセルロースアセテートプロピオネートからなる1μmの樹脂層を形成させ表面処理を行った。得られたフィルムをPVA系接着剤にて接着し剥離強度を測定したところ、フィルムが引き裂け測定することはできなかった。セルロースアセテートプロピオネートの溶解度パラメーターは22.5MPa0.5であり、その差の絶対値は0.7MPa0.5であった。
【0102】
(比較例3)
実施例2のフィルムを用い、比較例1と同様にして、セルロースジアセテートからなる1μmの樹脂層を形成させ表面処理の後、PVA系の接着剤を用いて接着し、その接着強度を測定したが、フィルムは容易に剥離した。両者の溶解度パラメーターの差の絶対値は3.6MPa0.5であった。
【0103】
(実施例3)
参考例1で用いた。イソブテンとN−メチルマレイミドから成る交互共重合体65重量部とアクリロニトリルの含量が28重量%であるスチレン−アクリロニトリル共重合体35重量部とを用い、溶融混練してえた樹脂組成物を、Tダイ押出機(シリンダー径40mm、L/D24)を用いて溶融押出フィルム化し、厚さ約100μmの原反フィルムを得た。このフィルムをMD方向に160℃で1.5倍延伸した後に、TD方向に160℃で1.5倍延伸した。得られたフィルムの厚みは50μmであり、ヘーズは0.4%、フィルムの面内位相差は1nm、厚み方向の位相差は4nm、耐揉疲労はMD方向が161回、TD方向が133回、引裂伝播強度は、MD方向が151gf/mm、TD方向が148gf/mmであった。また、透湿度は、40℃−90%相対湿度では85g/(m2・24hr)、70℃−90%相対湿度では365g/(m2・24hr)であった。
【0104】
得られたフィルムを、実施例1と同様にして、セルロースアセテートプロピオネート層を形成させ表面処理を行った後、PVA系接着剤で接着し接着強度を評価したところ、フィルムが引き裂け測定することができなかった。
【0105】
(実施例4)
実施例2で用いた、グルタルイミド樹脂65重量%とスチレン−アクリロニトリル共重合体35重量%を、溶融混練しペレットとした。このペレットを用い、Tダイ溶融押出機に供給して、厚さ135μmのフィルムを得た。このフィルムのガラス転移温度は137℃であり、フィルムの光弾性係数は6×10-13 cm2 /dyneであった。このフィルムを、MD方向に160℃で1.7倍延伸した後に、TD方向に160℃で1.8倍延伸した。得られたフィルムの厚みは55μm、ヘーズは0.4%、フィルムの面内位相差は1nm、厚み方向の位相差は3nmであり、耐揉疲労はTD方向が190回、MD方向が215回、引き裂き強度は、MD方向が171gf/mm、TD方向が173gf/mmであった。また、得られたフィルムの透湿度は、40℃−90%相対湿度では43g/(m2・24hr)、70℃−90%相対湿度では182g/(m2・24hr)であった。
【0106】
実施例1と同様にして、透明フィルムの片面にセルロースアセテートプロピオネートからなる1μmの樹脂層を形成させ表面処理を行った。処理前のフィルム樹脂層表面は純水接触角が66°、表面エネルギーは48dyne/cm、樹脂層と反対側表面(樹脂層の設けられていない表面)の純水接触角は72°であった。処理後は、樹脂層表面は、それぞれ、21°、69dyne/cmと極めて小さい表面エネルギーを示したが、樹脂層と反対側の表面は、純水接触角が72°と処理前と変わらなかった。このフィルムは、一ヶ月経過しても樹脂層側の純水接触角は23°、表面エネルギーは68dyne/cmであり、安定した表面エネルギーを示した。
【0107】
得られた表面処理フィルムを、実施例1と同様にしてPVA系接着剤にて接着し剥離強度を測定したところ、フィルムが引き裂け測定することはできなかった。セルロースアセテートプロピオネートの溶解度パラメーターは22.5MPa0.5であり、その差の絶対値は0.7MPa0.5であった。
【0108】
(実施例5)
参考例1と同様にして、イソブテンとN−メチルマレイミドから成る交互共重合体100重量部と、アクリロニトリル・スチレン共重合体25重量部(20重量%)を、塩化メチレン溶液に固形分濃度15重量%になるように溶解し、ガラス板上に敷いた二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に流延・乾燥し厚さ100μmのフィルムを得た。このフィルムを、MD方向に145℃で1.8倍延伸し、位相差値が142nmの位相差フィルムを得た。本フィルムの組成から計算される溶解度パラメーターは23.4MPa0.5であった。このフィルムの一方の表面に、実施例1と同様に、1μm厚のセルロースアセテートプロピオネート樹脂層を形成させ、透明複合フィルムを得た。このフィルムの厚み方向の位相差は145nm、光線透過率は92%、ヘーズは0.5%であった。セルロースアセテートプロピオネートの溶解度パラメーターは22.5MPa0.5であり、透明フィルムとの溶解度パラメーターの差の絶対値は0.9MPa0.5であった。また、得られたフィルムの透湿度は、70℃−90%相対湿度で380g/(m2・24hr)であった。また、鹸化後の樹脂層表面の純水接触角、および、表面エネルギーは、20°、69dyne/cmと極めて大きい表面エネルギーを示したが、樹脂層と反対側の表面は、純水接触角が70°と処理前と変わらなかった。処理面を対向させPVA系接着剤の水溶液を介して積層し圧延ロールで密着させた後、70℃で5分間乾燥して、フィルム同志を接着させた。接着強度を測定するためにT型剥離試験を行ったところ、フィルムが裂けて剥離することはできなかった。
【0109】
【発明の効果】
本発明の透明複合フィルムは、特定の溶解度パラメーターを有する樹脂層を表面に有するため、該樹脂層の密着性が良好であり、かつ、必要に応じ該樹脂層を表面処理することにより、接着剤との接着性が大幅に改善されたフィルムを得ることができる。

Claims (9)

  1. 透明フィルムの少なくとも一方の表面に、該フィルムとは異なる組成であって、該フィルムとの溶解度パラメーターの差の絶対値が2.0MPa0.5以下である樹脂層を有し、当該樹脂層として、加水分解性の樹脂を用い
    当該樹脂は、セルロースエステル系樹脂であり、
    鹸化処理が行われていることを特徴とする、透明複合フィルム。
  2. 上記樹脂層が、酸またはアルカリによる加水分解で、水酸基、アミノ基、およびカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種の官能基を生成可能な化合物を含有することを特徴とする請求項1記載の透明複合フィルム。
  3. 70℃−90%相対湿度における透湿度が、500g/(m ・24hr)以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明複合フィルム。
  4. 光線透過率が85%以上で、かつ、ヘーズが2%以下、面内位相差値が10nm以上1000nm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の透明複合フィルム。
  5. 光線透過率が85%以上で、かつ、ヘーズが2%以下、面内位相差値が10nm未満であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の透明複合フィルム。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載の透明複合フィルムからなることを特徴とする偏光子保護フィルム
  7. 請求項記載の偏光子保護フィルムを用いたことを特徴とする偏光フィルム
  8. 上記偏光子保護フィルムの樹脂層側と、偏光子とを接着剤にて接着してなることを特徴とする請求項7記載の偏光フィルム。
  9. 請求項7または8記載の偏光フィルムを用いたことを特徴とする液晶表示装置
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