JP4640566B2 - 偏光板 - Google Patents

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本発明は、偏光板に関する。
液晶表示素子、有機EL表示素子、眼鏡等をはじめとする光学素子には、偏光板が用いられている。従来、このような偏光板としては、ポリビニルアルコール系樹脂の一軸延伸フィルムをヨウ素で染色したものを偏光子とし、その強度、耐水性、耐湿性等を向上させるため、偏光子の両面に保護膜を接着剤で貼り合わせたものが一般に使用されている。
ここで、保護膜としては、光学的透明性に優れた酢酸セルロース系樹脂フィルム(TACフィルム)が用いられ、また接着剤としては、偏光子及び保護膜が共に親水性であることを考慮して、親水性のものが用いられている。
しかしながら、このような偏光板では、高温、高湿下での性能低下が起こりやすい。これは、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸フィルムにおいて、ポリヨウ素イオン(I3 -、I5 -等)の発色が偏光能を生じさせるので、偏光子に湿気(水蒸気)が供給されるとポリヨウ素が分解してヨウ素イオン(I-)となり、ポリヨウ素イオンによる発色が減じ、偏光子の光透過率が増大し、偏光子の偏光能が失われて行くためと考えられる。この現象は、高温環境下では更に顕著となる。
また、上述した偏光板では、偏光子、接着剤、保護膜のいずれも親水性であるため、高温、高湿下では変形等も起こりやすい。
そこで、偏光板の保護膜に対し、外部の湿気等の影響から偏光子を保護することが必要とされ、そのために保護膜の厚みを80μm以上にすることが行われている。しかしながら、保護膜の厚みを80μm以上にすると、近年の光学素子の薄膜化により保護膜の厚さを40μm以下にするという要請に応えられない。
この他、偏光板の耐湿性、耐熱性等を向上させるため、エチレン−アクリレートモノマー−無水マレイン酸共重合体とシラン系カップリング剤を配合した光硬化性組成物を偏光子にコーティングした後、紫外線照射することにより硬化させること(特許文献1)、(i)テトラアルコキシシランの加水分解縮合物であるシリケートオリゴマー、(ii)アクリル系樹脂、(iii)シラン系カップリング剤のブレンド物を偏光子に塗工し、加熱硬化させること(特許文献2)などにより、高温、高湿における性能低下を妨げると共に、従前の酢酸セルロース系樹脂フィルムからなる保護膜の積層を省略し、偏光板自体の厚みを薄くすることがなされている。
しかしながら、疎水性のアクリル系樹脂は、偏光子に対する密着性が十分でない場合が多い。そのために、偏光子の上に下塗り層を形成し、その上に硬化性樹脂組成物を塗工し、紫外線照射により硬化させること(特許文献3)などが提案されている。
特開平9−159828号公報 特開平10−138382号公報 特開平11−295522号公報
しかしながら、従来の偏光板は、依然として保護膜の密着性が不十分であり、さらに、下塗り層を設ける態様は、工程数が増え、また、ヨウ素イオンの生成が懸念される溶剤系であるという問題を有している。
これに対し、本発明は、偏光子と保護膜との密着性が高く、湿気等の影響に対して偏光子の光学特性が安定した偏光板を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の重合性化合物とシラン系カップリング剤の加水分解物とからなる硬化性組成物を用いて保護膜を形成することにより、上述の目的を達成できることを見出した。
即ち、本発明は、偏光子の少なくとも片面に、エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなる保護膜が形成された偏光板において、該エネルギー線硬化性組成物が、
(1)有橋炭化水素基、ビスフェノール基、ネオペンチルグリコール基、トリメチロールプロパン基又はペンタエリスリトール基を有するエネルギー線重合性化合物、及び
(2)シラン系カップリング剤の加水分解物
を含有する偏光板を提供し、特に好ましい態様として、シラン系カップリング剤の加水分解物として、トリアルコキシシラン又はジアルコキシシランをホウ酸水を用いて加水分解した処理液を使用する態様を提供する。
また、この偏光板が、液晶パネルの少なくとも片面に設けられた液晶表示素子を提供する。
本発明の偏光板によれば、特定の重合性化合物とシラン系カップリング剤の加水分解物とからなる硬化性組成物を用いて形成した保護膜が偏光子上に設けられているので、この保護膜を40μm以下の薄膜に形成した場合でも、耐湿性、耐熱性が十分に向上したものとなり、外部の湿気等による偏光子の色抜け、変形等が防止され、光学性能や形状が安定したものとなる。また、この保護膜を偏光子の支持体として機能させることも可能となる。
したがって、本発明の偏光板を用いた液晶表示素子においては、偏光子の光学性能の低下や変形による画像品質の低下が防止される。
本発明の偏光板は、偏光子の少なくとも片面に保護膜が形成されたものである。この保護膜は、(1)エネルギー線重合性化合物、及び(2)シラン系カップリング剤の加水分解物、を含有するエネルギー線硬化性組成物を紫外線、電子線等のエネルギー線で硬化させたものであり、この(1)エネルギー線重合性化合物としては、(1-a)有橋炭化水素基を有する化合物、(1-b)ビスフェノール基を有する化合物、(1-c)ネオペンチルグリコール基を有する化合物、(1-d)トリメチロールプロパン基を有する化合物及び(1-e)ペンタエリスリトール基を有する化合物から1又は複数種が選ばれる。このように特定のエネルギー線重合性化合物を使用することにより、偏光板に色抜け等の光学性能の低下が生じることを防止できる。
ここで、(1)エネルギー線重合性化合物のうち(1-a)有橋炭化水素基を有する化合物について、その有橋炭化水素基としては、好ましくはジシクロペンタニル基又はジシクロペンテニル基を挙げることができる。その他、イソボルニル基等も挙げられる。
有橋炭化水素基を有するエネルギー線重合性化合物の重合に寄与する主要部としては、アクロイル基又はメタクロイル基を一部に含む(メタ)アクロイル基が挙げられる。また、(メタ)アクロイル基(CH=CRCO−、ここでRは水素又はメチル基である)は、有橋炭化水素基に対して酸素(−O−)を介して(即ち(メタ)アクロイルオキシ基として)結合してもよく、また、両者の間にオキシアルキレンオキシ基(−O(CH)O−、−O(CH)O−(ここでn及びmはそれぞれ1〜10の整数である))を介して結合してもよい。また、EO(エチレンオキサイド)変性基やPO(プロピレンオキサイド)変性基、あるいはエポキシ変性基、それらを組み合わせた変性基を介して結合してもよい。例えば、(メタ)アクロイル基は、有橋炭化水素基に対して、−O(CHCHO)−、−O(CH(CH)CHO)−、−O(CHCHO)−、又は−O(CH(CH)CHO)−を介して結合してもよい。ここで、n及びmはそれぞれ1〜10の整数である。
したがって、有橋炭化水素基を有するエネルギー線重合性化合物の構造式の例としては、以下の式(1)〜(3)が挙げられる。
Figure 0004640566
(式(1)〜(3)において、Rは水素原子又はメチル基であり、Xは−O−、−O(CH)O− 、−O(CHCHO)− 又は−O(CH(CH)CHO)− であり、Yは−O−、−O(CH)O− 、−O(CHCHO)− 又は−O(CH(CH)CHO)− であり、n及びmはそれぞれ1〜10の整数である。)
有橋炭化水素基を有するエネルギー線重合性化合物の具体例としては、ジシクロペンタニルアクリレート(FA−513A、日立化成工業)、ジシクロペンタニルメタクリレート(FA−513M、日立化成工業)、ジシクロペンテニルアクリレート(FA−511A、日立化成工業)、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート(FA−512A、日立化成工業)、ジシクロペンテニルオキシエチルメタアクリレート(FA−512M、日立化成工業)等が挙げられる。
(1)エネルギー線重合性化合物のうち(1-b)ビスフェノール基を有する化合物について、ビスフェノール基は以下の式で表され、

Figure 0004640566
好ましくはビスフェノールA型基又はビスフェノールF型基を挙げることができる。
Figure 0004640566
ビスフェノール基を有するエネルギー線重合性化合物の重合に寄与する主要部としては、上述の(1-a)有橋炭化水素基を有するエネルギー線重合性化合物と同様に、アクロイル基又はメタクロイル基を一部に含む(メタ)アクロイル基が挙げられる。また、(メタ)アクロイル基(CH=CRCO−、ここでRは水素又はメチル基である)は、ビスフェノール基に対して酸素(−O−)を介して(即ち(メタ)アクロイルオキシ基として)結合してもよく、また、ビスフェノール基に対して結合する際に、それらの基の間にEO(エチレンオキサイド)変性基やPO(プロピレンオキサイド)変性基、あるいはエポキシ変性基、それらを組み合わせた変性基を導入してもよい。例えば、(メタ)アクロイル基は、ビスフェノール基に対して、−O(CHCHO)−、−O(CH(CH)CHO)−、−O(CHCHO)−、又は−O(CH(CH)CHO)−を介して結合してもよい。ここで、n及びmはそれぞれ1〜10の整数である。
したがって、ビスフェノール基を有するエネルギー線重合性化合物の化学構造の例としては、以下の式(4)、(5)が挙げられる。





Figure 0004640566
(式(4)及び(5)において、Rは水素原子又はメチル基であり、Xは−O−、−O(CHCHO)− 又は−O(CH(CH)CHO)− であり、Yは−O−、−O(CHCHO)− 又は−O(CH(CH)CHO)− であり、n及びmは、それぞれ1〜10の整数である。)
ビスフェノール基を有するエネルギー線重合性化合物の具体例としては、EO変性ビスフェノールAジアクリレート(SR−349、サートマー社;R−551、日本化薬)、EO変性ビスフェノールFジアクリレート(R−712、日本化薬)、エポキシ変性ビスフェノールAジメタクリレート(エポキシエステル3002M、共栄社化学)、エポキシ変性ビスフェノールAアクリレート(エポキシエステル3002A、共栄社化学)、 ジグリシジルエーテル変性ビスフェノールAジメタクリレート(エポキシエステル3000M、共栄社化学)、ジグリシジルエーテル変性ビスフェノールAジアクリレート(エポキシエステル3000A、共栄社化学)等が挙げられる。
(1)エネルギー線重合性化合物のうち(1-c)ネオペンチルグリコール基を有する化合物について、そのネオペンチルグリコール基は以下の式(6)で表される。
Figure 0004640566
(1)エネルギー線重合性化合物のうち(1-d)トリメチロールプロパン基を有する化合物について、そのトリメチロールプロパン基は以下の式(7)で表される。








Figure 0004640566
(1)エネルギー線重合性化合物のうち(1-e)ペンタエリスリトール基を有する化合物について、そのペンタエリスリトール基は以下の式(8)で表される。
Figure 0004640566
これら(1-c)〜(1-e)の化合物の重合に寄与する主要部としては、上述の(1-a)有橋炭化水素基を有するエネルギー線重合性化合物と同様に、アクロイル基又はメタクロイル基を一部に含む(メタ)アクロイル基が挙げられる。また、(メタ)アクロイル基(CH=CRCO−、ここでRは水素又はメチル基である)は、ネオペンチルグリコール基、トリメチロールプロパン基又はペンタエリスリトール基に対して、酸素(−O−)を介して(即ち(メタ)アクロイルオキシ基として)結合してもよく、また、両者の間にオキシアルキレンオキシ基(−O(CH)O−、−O(CH)O−(ここでn及びmはそれぞれ1〜10の整数である))を介して結合してもよい。また、EO(エチレンオキサイド)変性基やPO(プロピレンオキサイド)変性基、あるいはエポキシ変性基、それらを組み合わせた変性基を介して結合してもよい。例えば、(メタ)アクロイル基は、ネオペンチルグリコール基、トリメチロールプロパン基又はペンタエリスリトール基に対して、−O(CHCHO)−、−O(CH(CH)CHO)−、−O(CHCHO)−、又は−O(CH(CH)CHO)−を介して結合してもよい。ここで、n及びmはそれぞれ1〜10の整数である。
(1-c)ネオペンチルグリコール基を有するエネルギー線重合性化合物の好ましい例としては、以下の式(9)〜(11)が挙げられる。










Figure 0004640566
(1-d)トリメチロールプロパン基を有するエネルギー線重合性化合物の好ましい例としては、以下の式(12)、(13)が挙げられる。




















Figure 0004640566
(1-e)ペンタエリスリトール基を有するエネルギー線重合性化合物の好ましい例としては、以下の式(14)、(15)が挙げられる。
Figure 0004640566
本発明において、エネルギー線重合性化合物としては、以上の(1-a)〜(1-e)から選ばれる化合物の一種を用いてもよく、複数種を併用していもよい。
本発明において、エネルギー線硬化性組成物には、必要に応じて、上述のエネルギー線重合性化合物(1-a)〜(1-e)に加えて、他のエネルギー線重合性化合物を含有させることができる。そのようなエネルギー線重合性化合物としては、エチレン性不飽和モノマーが挙げられる。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カルビトールアクリレート、ベンジルアクリレート、アリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、スチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、アクリロキシエチルフォスフェート、2−ビニルピリジン、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(#200、#400、#600)ジアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、メチルトリグリコール、アクリロイルモルフォリン、1,9−ノナンジオールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート等が挙げられる。これらのオリゴマーも使用することができる。また、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、イソプレンアクリレート、エポキシアクリレート等も使用することができる。
また、エネルギー線硬化組成物を重合し、硬化させるためには、上述の(1-a)〜(1-e)から選ばれるエネルギー線重合性化合物、又は(1-a)〜(1-e)から選ばれるエネルギー線重合性化合物にこれら以外のエネルギー線重合性化合物を併用する場合、その(1-a)〜(1-e)以外のエネルギー線重合性化合物のうち、いずれかに多官能化合物(例えば、1分子中に2以上の(メタ)アクロイル基を有するもの)を使用することが好ましい。
(1-a)〜(1-e)から選ばれるエネルギー線重合性化合物と、(1-a)〜(1-e)以外のエネルギー線重合性化合物とを併用する場合、(1-a)〜(1-e)以外のエネルギー線重合性化合物の使用量は、種類にもよるが、エネルギー線硬化性組成物中で80重量%以下とすることが好ましく、40重量%以下とすることがより好ましい。多すぎると、相対的に(1-a)〜(1-e)から選ばれるエネルギー線重合性化合物の含有量が減少し過ぎて本発明の効果が得られないことが懸念される。
一方、エネルギー線硬化性組成物に含有させる(2)シラン系カップリング剤の加水分解物としては、以下の式(16)のシラン化合物の加水分解物を使用することができる。
Figure 0004640566
式中、R1 は炭素原子数1〜10のアルキル基、アルケニル基、(メタ)アクリロキシ基、アミノ基又はメルカプト基を有する有機基を表す。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基、シルヘキシル基等があり、アルケニル基としては、ビニル基、スチリル基、アリール基、9−デセニル基、p−ビニルベンジル基等があり、(メタ)アクリロキシ基を有する有機基としては、γ−メタクリルオキシプロピル基、γ−アクリルオキシプロピル基等があり、アミノ基を有する有機基としては、γ−アミノプロピル基、(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル基等があり、メルカプト基を有する有機基としては、γ−メルカプトプロピル基、p−メルカプトメチルフェニルエチル基等がある。中でも、ビニル基、スチリル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、アミノ基、メルカプト基を有する有機基が密着性を向上させる点から好ましい。
2 は、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシアルキル基又はアシル基を表す。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、フェニル基、イソプロペニル基、メトキシエチル基、アセチル基等がある。
aは、1〜3の整数を表す。
式(16)のカップリング剤のa=3の具体例としては、アルケニル基を有するものとして、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等があり、
メタクリロキシ基を有するものとして、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン等があり、
アクリロキシ基を有するものとして、γ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン等があり、
アミノ基を有するものとして、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等があり、
メルカプト基を有するものとして、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等がある。
また、a=2の具体例としては、アルケニル基を有するものとして、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジイソプロペノキシシラン等があり、
メタクリロキシ基を有するものとして、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等があり、
アクリロキシ基を有するものとして、γ−アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等があり、
アミノ基を有するものとして、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等があり、
メルカプト基を有するものとして、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等がある。
これらのシラン化合物は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、シラン化合物の中では、トリアルコキシシラン又はジアルコキシシランが好ましい。なお、テトラアルコキシシランは、アルケニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基等の官能基をもたず、カップリング剤として機能しないため、本発明において、加水分解物として用いるシラン系カップリング剤にはならない。
シラン系カップリング剤の加水分解は、ホウ酸水を用いて行うことが好ましい。ホウ酸水を用いて加水分解をすることにより、光学素子に対する保護膜の接着性を顕著に高めることができる。これに対し、例えば、酢酸を用いてシランカップリング剤を加水分解した加水分解物を用いても保護膜の接着性を十分に高めることができず、外部の湿気等による色抜けの問題を解消することが難しい。シラン系カップリング剤の加水分解にホウ酸水を用いることにより保護膜の接着性を高められる理由は明かではないが、後述するように、偏光子がホウ酸を用いて形成されることとの関連が考えられる。
エネルギー線硬化性組成物の調製に用いるシラン系カップリング剤の加水分解物としては、シラン系カップリング剤とホウ酸水を混合し、20〜80℃で1〜12時間、特に、3〜8時間反応させることにより得られる透明な液状の処理液をそのまま使用することが好ましい。加水分解の反応時間が長すぎると加水分解物の縮合が進んでポリマー化し、沈殿物が生じ、保護膜の接着性を十分に高めることができないので好ましくない。
シラン系カップリング剤の加水分解に用いるホウ酸水の水の量は、加水分解後の水の残量を最小限に抑制するため、シラン系カップリング剤の0.5〜3当量とすることが好ましい。例えば、次のトリアルコキシシランの場合、反応点が3つあるので、シラン系カップリング剤1molに対して水3molが当量となる。
Figure 0004640566
これに対し、水の量が多すぎると、エネルギー線硬化性組成物の中で水が分離し、重合後の透明性が低下するので好ましくない。
加水分解に使用するホウ酸水中のホウ酸濃度は、接着性及び耐湿性の点から、1〜5wt%とすることが好ましい。
加水分解時の好ましいpHは、シラン系カップリング剤の種類に応じて異なるが、例えば、シラン系カップリング剤としてγ−アクリロキシプロピルトリメトキシシランを用いる場合、pH4〜4.5とすることが好ましい。
エネルギー線硬化性組成物を調製するにあたり、シラン系カップリング剤の加水分解物と前述のエネルギー線重合性化合物との配合割合は、エネルギー線重合性化合物100重量部に対して、シラン系カップリング剤の加水分解物を1〜20重量部とすることが好ましい。シラン系カップリング剤の加水分解物の使用量が少なすぎると耐湿性を十分に向上させることができず、多すぎても耐湿性が低下する。
本発明において、エネルギー線硬化性組成物には、エネルギー線重合開始剤を配合することができる。このようなエネルギー線重合開始剤としては、例えば、オクテン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オクテン酸マンガン、ナフテン酸マンガン、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、アントラキノン、ナフトキノン、ヒバロインエチルエーテル、ベンジルケタール、1,1−ジクロロアセトフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、2−クロロチオキサントン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ミヒラーケトン、2,2−ジクロル−4−フェノキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−メチルチオキサントン、フェニルグリオキシレート、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、ジベンゾスパロン、ベンゾフェノン−アミン系(N−メチルジエタノール、トリエチルアミン等)、ベンジルジフェニルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノサルファイト、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォニノ−1−プロパノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンメチルベンゾイルフォルメート等の中から、エネルギー線の種類に応じて適宜選択することができる。
エネルギー線重合開始剤の配合量は特に限定されないが、上述の(1-a)〜(1-e)のエネルギー線重合性化合物と他のエネルギー線重合性化合物との合計の樹脂固形分100重量部に対し、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。
エネルギー線硬化性組成物には、必要に応じて有機溶剤を配合してもよい。有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート等のエステル系溶剤、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族系溶剤、塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン系溶剤、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。
エネルギー線硬化性組成物には、更に、必要に応じて、添加剤として顔料、充填剤、レベリング剤、消泡剤、熱可塑性樹脂等を添加してもよい。
本発明において、保護膜は、上述した成分を混合してエネルギー線硬化性組成物を得、それを公知の塗工方法、例えば、カーテンコーティング法、ロールコーティング法、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ディッピングコーティング法等により、後述する偏光子の少なくとも片面に塗布し、必要に応じて40〜100℃の温度で有機溶剤を蒸発除去した後に、エネルギー線、例えば、遠紫外線、紫外線、近紫外線、X線、γ線等の電磁波、電子線、プロトン線、中性子線等を照射して硬化させることにより形成できる。中でも、皮膜形成(硬化)速度、エネルギー線照射装置の入手のし易さ、価格等から、エネルギー線として紫外線を採用することが有利である。ここで、紫外線とは150〜450nm波長域の光を主体としたもので、ケミカルランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等から発生させることができる。
保護膜の厚さとしては、特に制限はないが、薄膜化という観点からは好ましくは40μm以下、より好ましくは25μm以下である。また、色抜け防止の点から5μm以上とすることが好ましい。
保護膜は、偏光子に直接塗工して形成するだけでなく、剥離シートに塗工し、エネルギー線を照射してフィルム化し、そのフィルムを偏光子に公知の接着剤や粘着剤で貼着させることにより形成してもよい。
一方、本発明の偏光板において、偏光子は特に限定されず、従来より公知の偏光子を使用することができるが、特に、ポリビニルアルコール系樹脂の一軸延伸フィルムをヨウ素で染色したものを好ましく使用することができる。
ここで、ポリビニルアルコール系樹脂は通常、酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して製造されるが、本発明では必ずしもこれに限定されるものではなく、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有していてもよい。ポリビニルアルコール系樹脂における平均ケン化度は好ましくは85〜100モル%、より好ましくは98〜100モル%が実用的である。また、ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度としては任意のものが使用可能である。
また、偏光子の具体的製法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂を、水、有機溶媒(DMSO、グリセリンなどの多価アルコール類、エチレンジアミンなどのアミン類等)又はそれらと有機溶媒との混合溶媒(水分約5〜30重量%)に約5〜20重量%で溶解した原液を製膜してフィルム化し、(a)そのフィルムを延伸した後にヨウ素溶液又は二色性染料溶液に浸漬して染色し、その後でホウ素化合物処理する方法、(b)そのフィルムをヨウ素溶液又は二色性染料溶液に浸漬しながら延伸を行うことにより延伸と染色を同時に行い、その後でホウ素化合物処理する方法、(c)そのフィルムをヨウ素溶液又は二色性染料溶液に浸漬して染色した後に延伸し、その後でホウ素化合物処理する方法、また、(d)そのフィルムをヨウ素溶液又は二色性染料溶液に浸漬し染色した後、ホウ素化合物溶液中で延伸する方法等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂の製膜方法としては、キャスト法、押出法、ゲル製膜法等の公知の方法で製膜することができる。
また、製膜したポリビニルアルコール系樹脂フィルムの延伸は、好ましくは40〜170℃の温度で一軸方向に、一回でもしくは複数回で3〜10倍、好ましくは3.5〜6倍延伸することが望ましい。この際、前記と直角方向にも若干の延伸(幅方向の収縮を防止する程度あるいはそれ以上の延伸)を行ってもよい。
製膜したポリビニルアルコール系樹脂フィルムに対する染色は、そのフィルムにヨウ素溶液あるいは二色性染料を含有する液体を接触させることによって行われる。通常は、ヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液が用いられ、ヨウ素の濃度は0.1〜2g/L、ヨウ化カリウムの濃度は10〜50g/L、ヨウ素/ヨウ化カリウムの重量比は20〜100が適当である。染色時間は30〜500秒程度が実用的である。染色浴の温度は5〜50℃が好ましい。水以外に水と相溶性のある有機溶媒を少量含有させてもよい。接触手段としては浸漬、塗布、噴霧等の任意の手段が適用できる。
染色処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに対するホウ素化合物処理は、ホウ酸、ホウ砂等のホウ素化合物の水溶液又は含水有機溶媒溶液(0.5〜2モル/L程度)を、少量のヨウ化カリウムの共存下、50〜70℃の温度で、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに浸漬、塗布、噴霧などの手段により接触させればよい。必要に応じてホウ素化合物処理中にフィルムの延伸操作を行ってもよい。
本発明の偏光板は、偏光子の少なくとも片面に、前述したように保護膜を形成することにより製造できる。
本発明の偏光板の片面又は両面には、本発明の効果が損なわれない範囲で、従来のTACフィルムを接着剤により貼り合わせてもよいし、必要に応じて公知の透明な感圧性接着剤層を常法により設けてもよい。
感圧性接着剤層としては、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステルと、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、メタクリル酸、クロトン酸等のα−モノオレフィンカルボン酸との共重合物(アクリルニトリル、酢酸ビニル、スチロールの如きビニル単量体を添加したものも含む)を主体とするものが、偏光子の偏光特性を阻害することがないので特に好ましい。その他、透明性を有する粘着剤、例えば、ポリビニルエーテル系、ゴム系等の接着剤を使用することができる。
本発明の偏光板には、必要に応じて、アンチグレア層、ハードコート層、アンチリフレクション層、ハーフリフレクション層、反射層、蓄光層、光拡散層、エレクトロルミネッセンス層等の機能層の1層以上を、粘着剤や接着剤で積層してもよい。
本発明の偏光板は、従来公知の構造の液晶パネルや、有機ELパネル等の表示パネルの少なくとも片面に貼着されるべき偏光板として、あるいはサングラス、視力矯正用メガネ等の眼鏡用レンズの少なくとも片面に貼着されるべき偏光板として好ましく適用できる。
例えば、図1に示すように、液晶パネル1の片面に、偏光子2と保護膜3とからなる偏光板4を、保護膜3の反対面側にλ/2位相差膜5とλ/4位相差膜6とを粘着剤層7を介して積層し、その積層体全体を粘着剤層8で貼り付け、一方、液晶パネル1の他面には、偏光子10の両面に保護膜11が設けられた偏光板12の片面に、λ/2位相差膜13とλ/4位相差膜14と視野角向上膜15を粘着剤層16を介して積層し、その積層体全体を粘着剤層17で貼り付けることにより、薄膜化した偏光板を備えた液晶表示素子9が得られる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
実施例1〜16及び比較例1、2
(1)偏光子の作製
ケン化度99.5モル%のポリビニルアルコールフィルム(75μm厚)を、純水に浸漬して十分に膨潤させた後に、ヨウ素染色液(ヨウ素/ヨウ化カリウム/ホウ酸/純水=0.2g/30g/30g/1L)に35℃で4分間浸漬して染色した。染色したポリビニルアルコールフィルムを延伸用溶液(ヨウ化カリウム/ホウ酸/純水=30g/30g/1L)中で5倍以上に一軸延伸を行った。延伸したポリビニルアルコールフィルムを、固定用溶液(ヨウ化カリウム/ホウ酸/純水=40g/40g/1L)に、40℃で3分間浸漬してポリビニルアルコールフィルム中にヨウ素を固定し、次いで固定用溶液から取り出し、乾燥炉(65℃、5分)中で乾燥することにより偏光子を作製した。
(2)保護膜の形成
表1に示すように、3%ホウ酸水を用いてシラン系カップリング剤を当量の水で60℃で6時間撹拌することにより加水分解し、エネルギー線重合性化合物と混合撹拌し、エネルギー線硬化性組成物を調製した。
このエネルギー線硬化性組成物を、(1)で得た偏光子の両面に、20μm厚となるように塗布し、メタルハライドランプにより400mJ/cmの積算光量で紫外線(波長365nm)を照射して塗膜を硬化させることにより、偏光子上に保護膜を形成した偏光板を得た。
(3)評価
(3-1)光透過率と偏光度の変化
偏光板を60℃で90%RHの湿度環境下に250時間放置というエージング試験を行った。エージング試験の前後で、400〜700nmの波長域における平均光透過率を分光光度計にて測定し、また、偏光度を服屈折位相差測定装置(大塚電子社製、RETS−1100)にて測定した。光透過率について、エージング前に対するエージング後の変化率を求め、また、偏光度についてエージング前後の差を求め、それぞれ、10%未満である場合を良好(○)と判定し、10%以上である場合を不良(×)と判定した。結果を表1に示す。
(3-2)外観
(3-1)のエージング試験後、偏光板の外観を観察し、色抜けの有無を調べ、色抜けのある場合には色抜け領域の偏光板の端部からの広がりの大きさを測定し、色抜けの無い場合を良好(○)、0.5mm未満を可(△)、0.5mm以上あるいは保護膜が剥離していたを不良(×)と判定した。結果を表1に示す。
(3-3)密着性評価
JIS K5400に従い、碁盤目試験を行った。即ち、保護膜にカッターで碁盤目状に縦横1mmの切れ目を入れ、切り傷の状況によりJIS K5400の基準で0〜10に評価した。結果を表1に示す。





























Figure 0004640566
Figure 0004640566
Figure 0004640566
Figure 0004640566
(*1)SR349、サートマー社
(*2)MANDA、日本化薬社
(*3)KS−TMPTA、日本化薬社
(*4)DPHA、日本化薬社
(*5)KBM−1003、信越化学工業社
(*6)KBM−1403、信越化学工業社
(*7)KBM−503、信越化学工業社
(*8)KBM−903、信越化学工業社
(*9)KBM−803、信越化学工業社
(*10)KBM−5103、信越化学工業社
(*11) D1173、チバスベシャリティ社
表1から、エネルギー線硬化性組成物におけるシラン系カップリング剤の加水分解物の添加量は、エネルギー線重合性化合物100重量部に対して、1〜20重量部とすることが好ましく、特に1〜5重量部とすることにより、エージング試験後の透過率や偏光度の劣化を抑制しながら、端部からの色抜けを抑えられることがわかる。また、このシラン系カップリング剤の加水分解物の添加効果は、特定の重合性化合物を用いる限り、その種類を変えても得られることがわかる(実施例6、10〜14)。
これに対し、シラン系カップリング剤の加水分解物を過剰に添加すると、エージング試験後の透過率や偏光度に劣化傾向があること(実施例16)、シラン系カップリング剤の加水分解物を添加しないと保護膜の密着性が極端に劣り、偏光板の製作段階から保護膜が剥がれてしまい、エージング試験後の透過率や偏光度の劣化が著しいこと(比較例1)、また、シラン系カップリング剤を加水分解することなく添加すると、エージング試験後に端部からの色抜けが起こり、保護膜の密着性も高くはならないこと(比較例2)がわかる。
本発明の偏光板によれば、保護膜が薄膜化されているにもかかわらず、外部の湿気等の影響から偏光子が保護されており、高温、高湿の環境下でも偏光能を良好な状態に維持することができる。したがって、液晶表示素子をはじめ、偏光板を用いる種々の光学装置で有用となる。
本発明の偏光板を適用した液晶表示素子の概略断面図である。
符号の説明
1…液晶パネル、2,10…偏光子、3,11…保護膜、4,12…偏光板、9…液晶表示素子

Claims (6)

  1. 偏光子の少なくとも片面に、エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなる保護膜が直接形成され、密着している偏光板において、該エネルギー線硬化性組成物が、(1)ネオペンチルグリコール基を有するエネルギー線重合性化合物、及び(2)シラン系カップリング剤の加水分解物を含有する偏光板。
  2. シラン系カップリング剤が、トリアルコキシシラン又はジアルコキシシランからなる請求項1記載の偏光板。
  3. 偏光子の少なくとも片面に、エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなる保護膜が直接形成され、密着している偏光板の製造方法であって、
    偏光子の少なくとも片面に、(1)ネオペンチルグリコール基を有するエネルギー線重合性化合物、及び(2)シラン系カップリング剤をホウ酸水で処理して得た当該シラン系カップリング剤の加水分解物を含有するエネルギー線硬化性組成物を直接塗工し、エネルギー線を照射して硬化させて保護層とする製造方法。
  4. シラン系カップリング剤の加水分解物が、シラン系カップリング剤の0.5〜3当量のホウ酸水でシラン系カップリング剤を処理した透明液状物である請求項3記載の製造方法。
  5. エネルギー線硬化性組成物中、エネルギー線重合性化合物100重量部に対して、シラン系カップリング剤の加水分解物が1〜20重量部含まれる請求項1又は2記載の偏光板。
  6. 請求項1、2又は記載の偏光板、又は請求項3又は4記載の製造方法により得た偏光板が、液晶パネルの少なくとも片面に設けられた液晶表示素子。
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