JPH01283504A - 導電性皮膜付偏光板およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、フレキシブルプラスチック液晶表示セルなど
に使用される導電皮膜（ＩＴＯ）付偏光板およびその製
造方法に関する。

〔従来の技術〕

一般にフレキシブルプラスチック液晶表示パネルには、
ポリエステルフィルム、ポリエーテルサルホン（ＰＥＳ
）などの耐溶剤性で等方性のあるフィルム又は−軸配光
されたフィルムが検討されているが、通常のガラス液晶
セルの製造プロセスと同様に導電皮膜（ＩＴｏ）処理、
フォトエツチング法又は印刷法によるパターン形成、配
向処理膜の塗布、ラビング、シール印刷、上下フィルム
基板の圧着、液晶封入および封止、さらには偏光板の貼
付工程を経て製造されている。

このように、製造工程が長いこと、さらにプラスチック
液晶セルの完成後に再びその上下に偏光板を貼付ける必
要があるために、二重に工数が嵩み、製造コストアップ
の要因になっている。

一方、偏光板は一般にポリビニルアルコール（ＰＶＡ）
、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタールなどの
高分子基材にヨウ素又は染料等を吸着させて一定方向に
延伸配列することにより偏光素子を形成し、この偏光素
子を挟んで両面に透明基板としてトリアセチルセルロー
ズ、ジアセチルセルローズ、アセテートブチルセルロー
ズなどの繊維素系透明基板を一体に貼合わせて構成され
る。

さらに、この偏光板にはポリエステルフィルム表面にシ
リコンを塗布加工した離型フィルムを用いて、表面に粘
着剤を塗布した偏光板を貼合わせた粘着付偏光板として
形成し、この粘着付偏光板を液晶セルに合わせたサイズ
に切断してプラスチック液晶セルの表裏に貼付していた
。

従って、従来製造および使用している偏光板および偏光
基板は、繊維素系基材を用いているために、導電皮膜（
ＩＴＯ）加工時に含有されている可塑剤の溶出などによ
りＩＴＯ蒸着皮膜が曇ったり、ＩＴＯ皮膜の密着性が悪
いことから使用することがきわめて困難であった。

〔発明が解決しようとする課題〕 本発明はかかる従来技術の有する欠点を解決するために
なされたもので、導電皮膜（ＩＴｏ）の密着性がよく、
耐溶剤性および耐久性にすぐれ、製造が容易な導電皮膜
付偏光板およびその製造方法を提供することを課題とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

図面を参照して説明すると、本発明の導電皮膜付偏光板
は、第１図に示すように、偏光素子１とその両面を保護
する繊維素系透明基板２とからなる偏光板において、少
なくとも一方の繊維素系透明基板２の表面にハードコー
ト皮膜３を形成し、このハードコート皮膜上に導電皮膜
４を蒸着形成したことを特徴とする。

第１図は両面の透明基板２にハードコート皮膜３を形成
し、導電皮膜４を片面だけに設けた例であるが、第２図
のように一方のハードコート皮膜３を省いてもよく、ま
た第３図のように両面に導電皮膜４を形成してもよい。

また、本発明の導電皮膜付偏光板の製造方法は、上記偏
光素子１０両面に繊維素系透明基板２を一体に貼付する
工程と、少なくとも一方の繊維素系透明基板２の表面に
ハードコート層３を形成する工程と、前記ハードコート
層３の上に真空蒸着により導電皮膜４を形成する工程を
含むことを特徴とし、ハードコート７１３および導電皮
膜４の形成は上記透明基Ｆｉ２の偏光素子１への貼付工
程の前後いずれで行ってもよい。

すなわち、製造方法の具体例としては、まずロール状の
繊維素系透明基板（以下、単に透明基板ロールという。

）に耐久性のあるハードコート皮膜を形成させたコート
皮膜付透明基板を製造し、次いで偏光素子を中心にして
両面にコート皮膜付透明基板を該コート皮膜を外面にし
て接着剤を用いて貼着し、乾燥によりコート皮膜付偏光
板ロールを製造する。次いで、この皮膜付偏光板ロール
の片面に真空蒸着装置を用いて低温蒸着法によりインジ
ウム錫酸化物（ＩＴＯ）膜の蒸着を連続的に行うことに
より、蒸着時における可塑剤の溶出や曇りのない、密着
性のよいＴＴＯ付偏光板ロールが得られる（第１図）。

また、別の製造方法として、予め透明基板ロールの片面
にコート皮膜を形成させたコート付透明基板ロールを製
造しておき、そのコート皮膜面に前記ＩＴＯ蒸着を施し
たＩＴＯ付透明基板ロールを製造し、別のコート付透明
基板ロールと共に偏光素子の両面に貼付するようにして
もよい。

耐久性のあるコーテイング液としては、シリコン系又は
シリコン系加水化物と熱硬化性樹脂との混合樹脂溶液が
好適に用いられる。シリコン系では、アミノシラン、エ
ポキシシランなどの部分加水分解物、シランカップリン
グ剤、アルキルトリアルコキシシラン、テトラアルコキ
シシランの部分加水分解物、アルキルトリアルコキシシ
ラン加水分解物、また市販のシリコン系コート剤として
Ｎ５Ｃ−５００（日本錆化）、ダイヤビームＭＲＤ−６
００１（三菱化成）、トスガード５１０゜５２０（東芝
シリコン）などが挙げられる。熱硬化性樹脂としてはメ
ラミン樹脂、尿素樹脂、アセタール樹脂、ウレタン樹脂
などがある。

混合樹脂溶液の調製は、メチルメトキシシラン、メチル
エトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルト
リエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、α−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、α−アミノプロピルトリエトキシシランなどの
シラン物質３０〜５０部と、前記熱硬化性樹脂１０〜５
０部との混合液２０〜３５部をアルコール系またはエー
テルアルコール系溶剤８０〜９５部に溶解し、これに硬
化触媒として塩酸、硫酸、硝酸、酢酸または無機塩類を
０．１〜１．５％添加し、これをコーテイング液とする
。また、シラン物質に代えて前記シリコン系物質を用い
たり、熱硬化性樹脂、溶媒、触媒なども適宜に選択する
ことができる。

これらのコーテイング液は、リバースコータ、グラビア
コータなどの既知の手段を用いて、偏光板もしくはその
透明基板に運転速度０．３〜３ｍ／分で塗布し、９０〜
１００°Ｃの温度で３〜１５分乾燥、硬化することによ
りハードコート皮膜が形成される。

〔作　用〕

本発明による導電皮膜付偏光板は、繊維素系透明基板の
上にハードコート層を介して導電皮膜を形成したので、
導電皮膜の密着性がよく、しかも表面が平滑で光学性能
に冨み、耐溶剤性および耐久性にすぐれている。

また、製造に際しては従来の繊維素系偏光板の製造装置
をそのまま利用し、リバースコータ、真空蒸着装置など
の既知の手段を用いてロール状に容易に製造することが
でき、例えば第１図に示す偏光板はフォトエツチング技
術によりフレキシブル液晶表示体のインライン化が可能
である。また、第２図に示す偏光板は帯電防止性能をも
たせた液晶表示装置に、第３図の偏光板はタッチパネル
付液晶表示体の製造工程の簡略化に役立つ。

〔実施例〕

以下、実施例により本発明を具体的に説明する。

実施例１ トリアセテート基板ロールの片面に、リバースコータ機
を使用して、メチルエトキシシラン（信越化学ＫＫ製）
５０部とへキサメチロールメラミン（住友化学ＫＫ製）
５０部とからなる配合液３０部にエチルアルコール７０
部および硬化触媒として３５％塩酸１．５部を添加した
皮膜コート液を運転速度２．５　ｍ　／分で塗布し、１
００℃で２分間乾燥することにより、表面が硬く密着性
のよいコート付透明基板ロールを製造した。

このコート付透明基板のコート層を外面にして偏光素子
を挟んで接着剤を用いて貼合わせ、透明で表面コートの
皮膜付偏光板ロールを製造することができた。この偏光
板ロールの一方に、真空蒸着装置を用いて低温蒸着方法
によりインジウム錫酸化物（ＩＴＯ膜）を蒸着し、表面
抵抗３Ｘ１０”Ω／ボの導電皮膜付偏光板を得た。

実施例２ 実施例１と同様にトリアセテート基板ロールの片面に、
リバースコータ機を使用してメチルトリメトキシシラン
（信越化学ＫＫ製）４０部とトリメチロールメラミン（
住友化学ＫＫ製）６０部とからなる配合液３０部にエチ
ルアルコール７０部および硬化触媒として３５％塩酸２
部を添加した皮膜コート液を運転速度２．５ｍ／分で塗
布し、１００°Ｃで２分間乾燥することにより、表面が
硬く密着性のよい耐溶剤性のコート付透明基板ロールを
製造した。

このコート付透明基板ロールのコート面に低温蒸着法に
よりＩＴＯ膜を蒸着したＩＴＯ付透明基板と、コート皮
膜付透明基板を外面にして中心に偏光素子を接着剤を介
して貼合わせ、ＩＴＯ付偏光板を製造した。

このＩＴＯ付偏光板は表面が平滑であり、ＩＴＯ膜のク
ロスカットセロハンテープ剥離テストを行ったところ、
密着性が良好であり、さらにフォトエツチング法でパタ
ーンエツチングしたところ、コート皮膜層はエツチング
プロセスに支障がなく、鮮明なＩＴＯのパターンが形成
された。

次表および第４図に実施例１および２で得られた導電皮
膜付偏光板の偏光度と分光特性を示した。

透過率および偏光度 （表中、符号Ａ、Ｂ、Ｃ，Ａ’　　、Ｂ’　　、Ｃ’は
それぞれ第４図における分光特性曲線に対応する。）〔
発明の効果〕 以上説明したように、本発明によれば導電皮膜の密着性
がよ（、表面平滑で光学性能に富み、耐溶剤性および耐
久性にすぐれた導電皮膜付偏光板を容易に製造すること
ができ、広範囲の用途が期待されると共に、その製造方
法を例えばフレキシブル液晶表示体の製造過程などにそ
のままインライン化できるなどの利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明偏光板の代表例を示す断面図、第２図お
よび第３図はそれぞれ本発明偏光板の他の実施例を示す
断面図、 第４図は本発明による偏光板（実施例１，２）の偏光度
および分光特性を示すグラフである。 ■・・・偏光素子、２・・・繊維素系透明板、３・・・
ハードコート皮膜、４・・・導電皮膜。 第２図 ＋００ｊ 皺長（ｎｍ　１ 第４図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）偏光素子とその両面を保護する繊維素系透明基板
   とからなる偏光板において、少なくとも一方の繊維素系
   透明基板の表面にハードコート皮膜を形成し、このハー
   ドコート皮膜上に導電皮膜を蒸着形成したことを特徴と
   する導電皮膜付偏光板。
2. （２）偏光素子の両面に繊維素系透明基板を一体に貼付
   する工程と、少なくとも一方の繊維素系透明基板の表面
   にハードコート皮膜を形成する工程と、前記ハードコー
   ト皮膜上に真空蒸着により導電皮膜を形成する工程とを
   含むことを特徴とする導電皮膜付偏光板の製造方法。