WO2019163461A1 - 反射防止層付偏光板およびその製造方法 - Google Patents

反射防止層付偏光板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

高温高湿環境下に置いても外観不良(黄色ムラ、白化)の発生が抑制された反射防止層付偏光板を提供すること。本発明の反射防止層付偏光板は、偏光子および偏光子の一方の側に設けられた保護層を有する偏光板と、保護層に貼り合わせられた基材と、基材に直接形成された反射防止層と、を備える。この基材および保護層は樹脂を含み、該樹脂とオレイン酸とのハンセン溶解度パラメータに基づく相対エネルギー差REDは1.05以上である。本発明の実施形態においては、この反射防止層付偏光板の透湿度は0.2g/m/24h以下であり、かつ、該基材の透湿度150g/m/24h以下である。

Description

反射防止層付偏光板およびその製造方法
 本発明は、反射防止層付偏光板およびその製造方法に関する。
 画像表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、量子ドット表示装置)には、その画像形成方式に起因して、多くの場合、表示セルの少なくとも一方の側に偏光板が配置されている。画像表示装置の視認側に配置される偏光板には、表示画面への外光の映り込みを防止するため、その視認側に反射防止層が設けられる(反射防止処理が施される)ことが広く知られている。基材に反射防止処理を施して反射防止層を形成する場合、反射防止層の厚みを薄くすることができ、偏光板の薄型化に貢献することができる。この反射防止層では、反射防止層表面にキズがつきやすい。その結果、このような反射防止層を有する偏光板は高温高湿環境下に置かれることにより、キズ付近の部分と他の部分との色相差がムラとして視認される外観不良(黄色ムラ)が発生する場合がある。また、基材上に反射防止層を形成した反射防止層付偏光板では基材の耐薬品性に改善の余地があり、高温高湿環境下において偏光板が白化する外観不良が起こる場合がある。
特開2012-27322号公報
 本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、高温高湿環境下においても外観不良(例えば、黄色ムラおよび白化)の発生が抑制された反射防止層付偏光板を提供することにある。
 本発明の反射防止層付偏光板は、偏光子および該偏光子の一方の側に設けられた保護層を有する偏光板と、該保護層に貼り合わせられた基材と、該基材に直接形成された反射防止層とを備える。上記基材および保護層は樹脂を含む。この樹脂とオレイン酸とのハンセン溶解度パラメータに基づく相対エネルギー差REDは1.05以上である。この反射防止層付偏光板の透湿度は0.2g/m/24h以下であり、該基材の透湿度は150g/m/24h以下である。
 1つの実施形態においては、上記基材および上記保護層は(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、および、ポリエステル系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含む。
 1つの実施形態においては、この反射防止層付偏光板の65℃および90%RHで72時間保持した後の単体色相b値の変化量の差Δは1.0以下であり、かつ、65℃および90%RHで120時間保持した後の単体色相b値の変化量の差Δは0.8以下である。
 本発明の別の局面においては、反射防止層付偏光板の製造方法が提供される。この製造方法は偏光子および保護層を含む偏光子積層体を作製すること、基材に反射防止層を形成し、反射防止積層体を作製すること、および、該偏光子積層体の保護層表面に、該反射防止積層体の基材を貼り合わせることを含む。
 1つの実施形態においては、上記反射防止層はスパッタリングにより形成される。
 本発明によれば、反射防止層の基材および偏光板の保護層として、樹脂とオレイン酸とのハンセン溶解度パラメータに基づく相対エネルギー差REDは1.05以上である樹脂を含むものを用い、かつ、反射防止層付偏光板の透湿度を0.2g/m/24h以下に、反射防止層が形成される基材の透湿度を150g/m/24h以下にすることにより、高温高湿環境下においても外観不良(黄色ムラおよび白化)の発生が抑制された反射防止層付偏光板を実現することができる。さらに、反射防止層付偏光板の光学的信頼性も維持され得る。
本発明の1つの実施形態による反射防止層付偏光板の概略断面図である。
 以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
A.反射防止層付偏光板の全体構成
 図1は、本発明の1つの実施形態による反射防止層付偏光板の概略断面図である。反射防止層付偏光板100は、偏光子11および保護層12を有する偏光板10と、基材20と、反射防止層30とをこの順に備える。基材20は、代表的には、任意の適切な接着層(接着剤層、粘着剤層:図示せず)を介して偏光板20の保護層12に貼り合わせられている。接着層は、代表的には、アクリル系粘着剤層である。反射防止層30は、基材20に直接形成されている。本明細書において「直接」とは接着層が介在しないことを意味する。1つの実施形態においては、基材20は、反射防止層30側の表面にハードコート層および/または密着層(いずれも図示せず)を有していてもよい。この構成も、「反射防止層が基材に直接形成されている」形態に包含される。反射防止層30の表面には、必要に応じて防汚層(図示せず)が設けられてもよい。
 本発明の実施形態においては、上記反射防止層付偏光板の透湿度は0.2g/m/24h以下であり、好ましくは0.15g/m/24h以下であり、より好ましくは0.1g/m/24h以下である。また、反射防止層付偏光板の透湿度は、例えば、0.001g/m/24h以上である。また、上記基材の透湿度は150g/m/24h以下であり、好ましくは100g/m/24h以下であり、より好ましくは10g/m/24h以下である。なお、基材の透湿度は低いほど好ましく、理想的には0g/m/24hである。このように反射防止層が直接形成される基材の透湿度と、得られる反射防止層付偏光板の透湿度とを適切な範囲とすることにより、反射防止層付偏光板を高温高湿環境下に置いた場合であっても黄色ムラのような外観不良の発生を防止し得る。
 図示例では、偏光子11の一方の側のみに保護層12が設けられているが、目的に応じて保護層12と反対側に別の保護層が設けられてもよい。この場合、偏光子の両側に保護層が設けられてもよく、保護層12が省略されて別の保護層のみが設けられてもよい。別の保護層のみが設けられる場合、基材30が視認側保護層として機能し得る。さらに、目的に応じて任意の適切な機能層が設けられてもよい。機能層の代表例としては、位相差層および導電層が挙げられる。機能層の種類、数、組み合わせ、配置位置、特性(例えば、屈折率特性、面内位相差、厚み方向位相差、Nz係数のような光学特性)は、目的に応じて適切に設定され得る。1つの実施形態においては、偏光子11の保護層12と反対側に、nx>ny>nzの屈折率特性を有する第1の位相差層(図示せず)が設けられ得る。この場合、好ましくは、第1の位相差層の偏光子と反対側に、nz>nx>nyの屈折率特性を有する第2の位相差層がさらに設けられ得る。第1の位相差層が、偏光子の視認側と反対側の保護層を兼ねてもよい。位相差層が設けられる場合、位相差層の遅相軸(存在する場合)と偏光子の吸収軸とのなす角度は、目的、位相差層の面内位相差、厚み方向位相差、屈折率特性等に応じて適切に設定され得る。さらに、偏光子11の保護層12と反対側に導電層が設けられてもよい。このような位置に導電層を設けることにより、反射防止層付偏光板は、インナータッチパネル型入力表示装置に好適に用いられ得る。この場合、位相差層は存在してもよく、存在しなくてもよい。
 反射防止層付偏光板100は、好ましくは65℃および90%RHに72時間置いた後のキズがある部分における単体色相b値の変化量とキズがない部分における単体色相b値の変化量の差Δが1.0以下である。さらに、反射防止層付偏光板100は、好ましくは65℃および90%RHに120時間置いた後の単体色相b値の変化量の差Δが0.6以下である。反射防止層付偏光板の単体色相b値の変化量の差Δがこのような範囲であれば、反射防止層にキズがある部分とキズがない部分での色相差が小さく、黄色ムラが視認されることによる外観不良の発生が防止され得る。なお、本明細書において、単体色相b値はナショナルビューローオブスタンダーズ(NBS)による単体色相をいう。また、本明細書において、単体色相b値の変化量とは、初期値(65℃および90%RHの加湿条件に置く前の状態で測定した単体色相b値)と所定の時間65℃および90%RHの加湿条件に置いた後で測定した単体色相b値との差をいう。単体色相b値の変化量および変化量の差Δは実施例に記載の方法により測定した単体色相b値から算出することができる。
 上記偏光板10の保護層12および基材20は樹脂を含み、樹脂とオレイン酸とのハンセン溶解度パラメータに基づく相対エネルギー差REDは1.05以上である。保護層12および基材20がこのような樹脂を含むことにより、反射防止層付偏光板の耐薬品性が向上し、高温高湿環境下での反射防止層付偏光板の白化を防止し得る。REDは好ましくは1.3以上であり、より好ましくは1.5以上である。
 ハンセン溶解度パラメータ(以下、HSP値ともいう)は、ヒルデブランド(Hildebrand)溶解度パラメータを分散力(δ)、永久双極子分子間力(δ)、水素結合力(δ)の3成分に分割し、これらを3次元空間にプロットしたベクトルで表される。このベクトルが似ているもの同士は溶解性が高いと判断することができる。すなわち、互いのHSP値の距離(HSP距離)から溶解性の類似度を判断することができる。ハンセン溶解度パラメータの定義と計算は、Charles M.Hansen著、Hansen Solubility Parameters:A Users Handbook (CRCプレス、2007年)に記載されている。
 HSP値は、様々な樹脂および溶媒について公知の値があり、これらをそのまま用いてもよく、コンピューターソフトであるHSPiP(Hansen Solubility Parameters in Practice)を用いて算出した値を用いてもよい。なお、このHSPiPは樹脂および溶媒のデータベースも備える。本明細書では、ハンセン球法を用いて以下の手順でHSPiPを用いて樹脂フィルムを形成する樹脂のHSP値を算出する。まず、評価対象となる樹脂を溶解度パラメータが既知である溶媒を用いて溶解性評価を行う。本明細書では、良溶媒としてメチルエチルケトン(MEK)を、貧溶媒としてn-ヘキサン、メタノール、トリクロロベンゼン、および、γ―ブチロラクトンをそれぞれ用い、これらの良溶媒と貧溶媒との混合溶媒に対する溶解性を評価する。評価方法の詳細は後述の実施例に記載の通りである。次いで、得られた溶解性評価の結果からHSPiPを用いてδ、δ、δを算出して3次元プロットし、これらの座標からハンセン球を求める。このハンセン球の中心座標が評価対象である樹脂のHSP値であり、ハンセン球の半径が樹脂の相互作用半径Rである。
 樹脂とオレイン酸との相対的エネルギー差REDは式(1)により算出することができる。
相対エネルギー差RED=Ra/R     (1)
(式(1)中、Raは樹脂のHSP値とオレイン酸のHSP値との距離であり、Rは樹脂の相互作用半径である)。
 また、樹脂(HSP値:δDP、δPP、δHP)とオレイン酸(HSP値:δDO、δPO、δHO)とのHSP距離Raは、式(2)により算出することができる。
Ra={4×(δDP-δDO+(δPPPO+(δHPHO1/2   (2)
(式(2)中、δDPは樹脂の分散力、δPPは樹脂の永久双極子分子間力、δHPは樹脂の水素結合力、δDOはオレイン酸の分散力、δPOはオレイン酸の永久双極子分子間力、δHOはオレイン酸の水素結合力をそれぞれ表す)。
 以下、反射防止層付偏光板の構成要素について説明する。
B.偏光板
 本発明の反射防止層付偏光板は、偏光子および該偏光子の一方の側に設けられた保護層を有する。本発明の実施形態においては、偏光板10の水分率は好ましくは0.5重量%以上であり、より好ましくは0.6重量%以上であり、さらに好ましくは0.8重量%以上であり、特に好ましくは1.0重量%以上である。偏光板の水分率は、例えば、1.5重量%以下である。この水分率は、通常の反射防止層付偏光板における偏光板の水分率よりも高い。偏光板がこのような高い水分率を有することにより、高温高湿環境下における偏光板の吸湿膨張が顕著に抑制され得る。その結果、高温高湿環境下における偏光板の寸法変化(特に、偏光子の吸収軸方向の寸法変化)が顕著に抑制され得る。例えば、本発明の実施形態による反射防止層付偏光板は、65℃および90%RHで500時間保持した後の偏光子の吸収軸方向の寸法変化率が、好ましくは0.10%未満であり、より好ましくは0.08%以下であり、さらに好ましくは0.06%以下である。さらに、偏光板がこのような高い水分率を有することにより、本発明の実施形態による反射防止層付偏光板は、高温高湿環境下において仮にカールが発生するとしても、当該カールの向きが通常と逆方向となる。具体的には、本発明の実施形態による反射防止層付偏光板は、65℃および90%RHで500時間保持した後に発生し得るカールが、反射防止層と反対側(視認側と反対側)に凸である。なお、通常の反射防止層付偏光板においては、多くの場合、カールは反射防止層側に凸である。その結果、本発明の実施形態による反射防止層付偏光板は、仮にカールが発生したとしても、画像表示装置に与える悪影響が小さくなり得る。以上のように、偏光板が高い水分率を有することによる寸法変化の抑制とカールの向きとの相乗的な効果により、本発明の実施形態による反射防止層付偏光板は、画像表示装置に適用された場合に、高温高湿環境下における反り、剥がれ、および/または表示特性の低下を顕著に抑制することができる。
B-1.偏光子
 偏光子11は、代表的には、二色性物質を含む樹脂フィルムで構成される。
 樹脂フィルムとしては、偏光子として用いられ得る任意の適切な樹脂フィルムを採用することができる。樹脂フィルムは、代表的には、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」と称する)フィルムである。
 上記PVA系樹脂フィルムを形成するPVA系樹脂としては、任意の適切な樹脂が用いられ得る。例えば、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られる。エチレン-ビニルアルコール共重合体は、エチレン-酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得られる。PVA系樹脂のケン化度は、通常85モル%~100モル%であり、好ましくは95.0モル%~99.95モル%、さらに好ましくは99.0モル%~99.93モル%である。ケン化度は、JIS K 6726-1994に準じて求めることができる。このようなケン化度のPVA系樹脂を用いることによって、耐久性に優れた偏光子を得ることができる。ケン化度が高すぎる場合には、ゲル化してしまうおそれがある。
 PVA系樹脂の平均重合度は、目的に応じて適切に選択され得る。平均重合度は、通常1000~10000であり、好ましくは1200~4500、さらに好ましくは1500~4300である。なお、平均重合度は、JIS K 6726-1994に準じて求めることができる。
 樹脂フィルムに含まれる二色性物質としては、例えば、ヨウ素、有機染料等が挙げられる。これらは、単独で、または、二種以上組み合わせて用いられ得る。好ましくは、ヨウ素が用いられる。
 樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムであってもよく、二層以上の積層体であってもよい。
 単層の樹脂フィルムから構成される偏光子の具体例としては、PVA系樹脂フィルムにヨウ素による染色処理および延伸処理(代表的には、一軸延伸)が施されたものが挙げられる。上記ヨウ素による染色は、例えば、PVA系フィルムをヨウ素水溶液に浸漬することにより行われる。上記一軸延伸の延伸倍率は、好ましくは3~7倍である。延伸は、染色処理後に行ってもよいし、染色しながら行ってもよい。また、延伸してから染色してもよい。必要に応じて、PVA系樹脂フィルムに、膨潤処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が施される。例えば、染色の前にPVA系樹脂フィルムを水に浸漬して水洗することで、PVA系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、PVA系樹脂フィルムを膨潤させて染色ムラなどを防止することができる。
 積層体を用いて得られる偏光子の具体例としては、樹脂基材と当該樹脂基材に積層されたPVA系樹脂層(PVA系樹脂フィルム)との積層体、あるいは、樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子が挙げられる。樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子は、例えば、PVA系樹脂溶液を樹脂基材に塗布し、乾燥させて樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成して、樹脂基材とPVA系樹脂層との積層体を得ること;当該積層体を延伸および染色してPVA系樹脂層を偏光子とすること;により作製され得る。本実施形態においては、延伸は、代表的には積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することを含む。さらに、延伸は、必要に応じて、ホウ酸水溶液中での延伸の前に積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸することをさらに含み得る。得られた樹脂基材/偏光子の積層体はそのまま用いてもよく(すなわち、樹脂基材を偏光子の保護層としてもよく)、樹脂基材/偏光子の積層体から樹脂基材を剥離し、当該剥離面に目的に応じた任意の適切な保護層を積層して用いてもよい。このような偏光子の製造方法の詳細は、例えば特開2012-73580号公報に記載されている。当該公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
 偏光子の厚みは、好ましくは15μm以下であり、より好ましくは1μm~12μmであり、さらに好ましくは3μm~10μmであり、特に好ましくは3μm~8μmである。偏光子の厚みがこのような範囲であれば、偏光子の厚みがこのような範囲であれば、反射防止層付偏光板(結果として、画像表示装置)の薄型化に貢献し得る。さらに、加熱時のカールを良好に抑制することができ、良好な加熱時の外観耐久性が得られる。
 偏光子は、好ましくは、波長380nm~780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光子の単体透過率は、好ましくは43.0%~46.0%であり、より好ましくは44.5%~46.0%である。偏光子の偏光度は、好ましくは97.0%以上であり、より好ましくは99.0%以上であり、さらに好ましくは99.9%以上である。
B-2.保護層
 保護層12としては、樹脂フィルムが用いられる。樹脂フィルムの形成材料としては、樹脂とオレイン酸とのハンセン溶解度パラメータに基づく相対エネルギー差REDが1.05以上である樹脂が用いられる。樹脂とオレイン酸との相対的エネルギー差REDが1.05以上である樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂が挙げられる。アクリル系樹脂を用いる場合、変性骨格を含むアクリル系樹脂を用いることが好ましい。変性骨格としては、ラクトン環構造、無水マレイン酸骨格、アクリロニトリル骨格、スチレン骨格等が挙げられる。これの変性骨格はアクリル系樹脂に樹脂とオレイン酸との相対エネルギー差REDが1.05以上となるよう任意の適切な割合で含まれる。これらの樹脂の具体例は、C項(基材)に記載の通りである。なお、「(メタ)アクリル系樹脂」とは、アクリル系樹脂および/またはメタクリル系樹脂をいう。
 また、反射防止層付偏光板100において、偏光子11の保護層12が積層されていない面に他の保護層が形成されていてもよい。この保護層を形成する樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等のエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、これらの共重合体樹脂等が挙げられる。
 1つの実施形態においては、上記(メタ)アクリル系樹脂として、グルタルイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂が用いられる。グルタルイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂(以下、グルタルイミド樹脂とも称する)は、例えば、特開2006-309033号公報、特開2006-317560号公報、特開2006-328329号公報、特開2006-328334号公報、特開2006-337491号公報、特開2006-337492号公報、特開2006-337493号公報、特開2006-337569号公報、特開2007-009182号公報、特開2009-161744号公報、特開2010-284840号公報に記載されている。これらの記載は、本明細書に参考として援用される。
 保護層12の透湿度は、好ましくは1.0g/m/24h以下であり、より好ましくは0.8g/m/24h以下であり、さらに好ましくは0.6g/m/24h以下であり、特に好ましくは0.4g/m/24h以下である。保護層の透湿度がこのような範囲であれば、高温高湿環境下における寸法変化をさらに抑制することができる。
 保護層の厚みは、代表的には10μm~100μmであり、好ましくは20μm~40μmである。保護層は、代表的には、接着層(具体的には、接着剤層、粘着剤層)を介して偏光子に積層される。接着剤層は、代表的にはPVA系接着剤や活性化エネルギー線硬化型接着剤で形成される。粘着剤層は、代表的にはアクリル系粘着剤で形成される。
C.基材
C-1.基材本体
 基材20は、反射防止層30を形成するために用いられる。後述するように、基材に反射防止層を形成し、基材/反射防止層の積層体を偏光板に貼り合わせることにより、偏光板を反射防止層形成プロセス(代表的には、スパッタリング)に供する必要がなくなる。その結果、偏光板が高温に曝されることがなくなるので、偏光板の水分率を上記所望の範囲に維持することができる。
 上記の通り、基材の透湿度は150g/m/24h以下である。基材の透湿度が150g/m/24h以下であることにより、基材上に直接形成される反射防止層の表面にキズがついた場合であっても、キズ部分から侵入した水蒸気が偏光子に到達することを防止し得る。そのため、キズ部分の直下に位置する偏光子のみ加湿が促進されることを防止し、キズがある部分の直下に位置する偏光子と他の部分(キズがない部分の直下に位置する偏光子)との色相差の発生が抑制され、結果として外観不良(黄色ムラ)の発生を防止し得る。
 基材としては、樹脂フィルムが用いられる。樹脂フィルムを形成する樹脂としては、樹脂とオレイン酸とのハンセン溶解度パラメータに基づく相対エネルギー差REDが1.05以上である樹脂が用いられる。樹脂とオレイン酸との相対的エネルギー差REDが1.05以上である樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂が挙げられる。アクリル系樹脂を用いる場合、変性骨格を含むアクリル系樹脂を用いることが好ましい。変性骨格としては、ラクトン環構造、無水マレイン酸骨格、アクリロニトリル骨格、スチレン骨格等が挙げられる。これの変性骨格はアクリル系樹脂に樹脂とオレイン酸との相対エネルギー差REDが1.05以上となるよう任意の適切な割合で含まれる。基材である樹脂フィルムを形成する樹脂と、上記保護層である樹脂フィルムを形成する樹脂とは同一であってもよく、異なっていてもよい。
 上記(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル-アクリル酸エステル-(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル-スチレン共重合体(MS樹脂など)、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル-メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体など)、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂が挙げられる。
 シクロオレフィン系樹脂としては、ノルボルネン系樹脂を好適に用いることができる。ノルボルネン系樹脂としては、例えば、ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーとエチレン、プロピレン等のα-オレフィンとの共重合体(代表的には、ランダム共重合体)、および、これらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト変性体、ならびに、それらの水素化物が挙げられる。ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、およびそのアルキルおよび/またはアルキリデン置換体、例えば、5-メチル-2-ノルボルネン、5-ジメチル-2-ノルボルネン、5-エチル-2-ノルボルネン、5-ブチル-2-ノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン等、これらのハロゲン等の極性基置換体;ジシクロペンタジエン、2,3-ジヒドロジシクロペンタジエン等;ジメタノオクタヒドロナフタレン、そのアルキルおよび/またはアルキリデン置換体、およびハロゲン等の極性基置換体、例えば、6-メチル-1,4:5,8-ジメタノ-1,4,4a,5,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン、6-エチル-1,4:5,8-ジメタノ-1,4,4a,5,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン、6-エチリデン-1,4:5,8-ジメタノ-1,4,4a,5,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン、6-クロロ-1,4:5,8-ジメタノ-1,4,4a,5,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン、6-シアノ-1,4:5,8-ジメタノ-1,4,4a,5,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン、6-ピリジル-1,4:5,8-ジメタノ-1,4,4a,5,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン、6-メトキシカルボニル-1,4:5,8-ジメタノ-1,4,4a,5,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン等;シクロペンタジエンの3量体~4量体、例えば、4,9:5,8-ジメタノ-3a,4,4a,5,8,8a,9,9a-オクタヒドロ-1H-ベンゾインデン、4,11:5,10:6,9-トリメタノ-3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a,11,11a-ドデカヒドロ-1H-シクロペンタアントラセン等が挙げられる。
 上記ポリエステル系樹脂としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PAR(ポリアリレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、これらの変性物や共重合体、これらと他の樹脂との混合体(ポリマーアロイ)が挙げられる。好ましくはPETが用いられる。
 また、基材として、無機ガラス、または、上記REDが1.05以上である樹脂から形成された樹脂層と無機ガラス層とを有する積層体を用いてもよい。無機ガラスフィルムを構成する無機ガラスとしては、任意の適切な無機ガラスが採用され得る。無機ガラスは、組成による分類によれば、例えば、ソーダ石灰ガラス、ホウ酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、石英ガラスが挙げられる。アルカリ成分による分類によれば、無アルカリガラス、低アルカリガラスが挙げられる。無機ガラスのアルカリ金属成分(例えば、NaO、KO、LiO)の含有量は、好ましくは15重量%以下であり、より好ましくは10重量%以下である。
 無機ガラスフィルムは、市販品をそのまま用いてもよく、市販の無機ガラスフィルムを所望の厚みになるように研磨して用いてもよい。市販品の具体例としては、コーニング社製「Willow Glass」、「7059」、「1737」または「EAGLE2000」、旭硝子社製「AN100」、NHテクノグラス社製「NA-35」、日本電気硝子社製「G-Leaf」または「OA-10」、ショット社製「D263」または「AF45」が挙げられる。
 無機ガラスフィルム、ならびに、樹脂層と無機ガラス層とを有する積層体の詳細については、例えば、特開2010-132526号公報、特開2010-284964号公報、特開2011-016708号公報、特開2011-088789号公報、特開2011-104998号公報、特開2014-000815号公報、特開2015-193227号公報に記載されており、これらの公報の記載は本明細書に参考として援用される。
 基材の厚みは、目的に応じて適切に設定され得る。基材の厚みは、代表的には20μm~200μmであり、好ましくは25μm~100μmである。基材として、無機ガラスフィルムを用いる場合、基材の厚みは、代表的には10μm~100μmである。
C-2.ハードコート層
 上記のとおり、基材の反射防止層側の表面には、ハードコート層が形成されていてもよい。ハードコート層を形成することにより、基材と反射防止層との密着性が向上し得るという利点がある。さらに、ハードコート層と反射防止層との屈折率差を適切に調整することにより、反射率をさらに低下させることができる。
 ハードコート層は、好ましくは、十分な表面硬度、優れた機械的強度、および、優れた光透過性を有する。ハードコート層は、このような所望の特性を有する限り、任意の適切な樹脂から形成され得る。樹脂の具体例としては、熱硬化型樹脂、熱可塑型樹脂、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂、二液混合型樹脂が挙げられる。紫外線硬化型樹脂が好ましい。簡便な操作および高効率でハードコート層を形成することができるからである。
 紫外線硬化型樹脂の具体例としては、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系、アミド系、シリコーン系、エポキシ系の紫外線硬化型樹脂が挙げられる。紫外線硬化型樹脂には、紫外線硬化型のモノマー、オリゴマー、ポリマーが含まれる。好ましい紫外線硬化型樹脂としては、紫外線重合性の官能基を好ましくは2個以上、より好ましくは3個~6個有するアクリル系のモノマー成分またはオリゴマー成分を含む樹脂組成物が挙げられる。代表的には、紫外線硬化型樹脂には、光重合開始剤が配合されている。
 ハードコート層は、任意の適切な方法により形成され得る。例えば、ハードコート層は、基材上にハードコート層形成用樹脂組成物を塗工し、乾燥させ、乾燥した塗工膜に紫外線を照射して硬化させることにより形成され得る。
 ハードコート層の厚みは、例えば、0.5μm~20μm、好ましくは1μm~15μmである。
 ハードコート層、ならびに、ハードコート層と反射防止層との密着構造についての詳細は、例えば特開2016-224443号公報に記載されている。当該公報の記載は、本明細書に参考として援用される。
D.反射防止層
 反射防止層の構成としては、任意の適切な構成が採用され得る。反射防止層の代表的な構成としては、(1)光学膜厚が120nm~140nmである、屈折率1.35~1.55程度の低屈折率層の単一層;(2)基材側から順に中屈折率層と高屈折率層と低屈折率層とを有する積層体;(3)高屈折率層と低屈折率層との交互多層積層体;が挙げられる。
 低屈折率層を形成し得る材料としては、例えば、酸化ケイ素(SiO)、フッ化マグネシウム(MgF)が挙げられる。低屈折率層の屈折率は、代表的には1.35~1.55程度である。高屈折率層を形成し得る材料としては、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(NbまたはNb)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、ZrO-TiOが挙げられる。高屈折率層の屈折率は、代表的には1.60~2.20程度である。中屈折率層を形成し得る材料としては、例えば、酸化チタン(TiO)、低屈折率層を形成し得る材料と高屈折率層を形成し得る材料との混合物(例えば、酸化チタンと酸化ケイ素との混合物)が挙げられる。中屈折率層の屈折率は、代表的には1.50~1.85程度である。低屈折率層、中屈折率層および高屈折率層の厚みは、反射防止層の層構造、所望の反射防止性能等に応じた適切な光学膜厚が実現されるように設定され得る。
 反射防止層は、代表的にはドライプロセスにより形成される。ドライプロセスの具体例としては、PVD(Physical Vapor Deposition)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法が挙げられる。PVD法としては、真空蒸着法、反応性蒸着法、イオンビームアシスト法、スパッタリング法、イオンプレーティング法が挙げられる。CVD法としては、プラズマCVD法が挙げられる。好ましくは、スパッタリング法である。膜厚ムラの小さい、より均一な成膜が可能となるからである。
 反射防止層の厚みは、例えば20nm~300nm程度である。
 反射防止層は、波長400nm~700nmの範囲における最大反射率と最小反射率の差が、好ましくは2.0%以下であり、より好ましくは1.9%以下であり、さらに好ましくは1.8%以下である。最大反射率と最小反射率の差がこのような範囲であれば、反射光の色づきが良好に防止され得る。
 必要に応じて、反射防止層の表面には、防汚層が設けられ得る。防汚層は、例えば、フッ素基含有のシラン系化合物(例えば、パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物)またはフッ素基含有の有機化合物を含む。防汚層は、好ましくは、水接触角が110度以上の撥水性を示す。
E.反射防止層付偏光板の製造方法
 本発明の1つの実施形態による反射防止層付偏光板の製造方法は、偏光子および保護層を含む偏光子積層体を作製すること、基材に反射防止層を形成し、反射防止積層体を作製すること、および、該偏光子積層体の保護層表面に、該反射防止積層体の基材を貼り合わせることを含む。
 偏光子積層体は、任意の適切な方法により作製され得る。単層の樹脂フィルムから構成される偏光子を用いる場合には、偏光子と保護層を構成する樹脂フィルムとを任意の適切な接着層(接着剤層または粘着剤層)を介して貼り合わせればよい。樹脂基材と当該樹脂基材に積層されたPVA系樹脂層(PVA系樹脂フィルム)との積層体を用いる場合には、当該積層体を染色および延伸処理に供してPVA系樹脂層を偏光子とし、この積層体をそのまま偏光子積層体として用いてもよい。あるいは、この積層体の偏光子表面に保護層を構成する樹脂フィルムを貼り合わせて用いてもよい。この場合、樹脂基材は剥離してもよく、剥離しなくてもよい。樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子を用いる場合には、上記B-1項に記載のようにして(例えば、特開2012-73580号公報に記載のようにして)樹脂基材/偏光子の積層体を作製し、この積層体をそのまま偏光子積層体として用いてもよい。あるいは、この積層体の偏光子表面に保護層を構成する樹脂フィルムを貼り合わせて用いてもよい。この場合、樹脂基材は剥離してもよく、剥離しなくてもよい。
 反射防止積層体は、基材に反射防止層を形成することにより作製される。反射防止層を形成する際、必要に応じて、基材にあらかじめ表面処理を施しておいてもよい。表面処理としては、例えば、低圧プラズマ処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理が挙げられる。あるいは、基材表面に例えばSiOxからなる密着層を形成してもよい。反射防止層は、上記のとおり、代表的にはドライプロセス(例えば、スパッタリング)により形成される。例えば、反射防止層が高屈折率層と低屈折率層との交互多層積層体である場合、基材表面にスパッタリングにより例えばNb膜(高屈折率層)、SiO膜(低屈折率層)、Nb膜(高屈折率層)、およびSiO膜(低屈折率層)を順次製膜することにより、反射防止層が形成され得る。
 最後に、偏光子積層体の保護層表面に、任意の適切な接着層(例えば、接着剤層、粘着剤層)を介して反射防止積層体の基材を貼り合わせることにより、反射防止層付偏光板が得られ得る。上記の説明から明らかなように、このような製造方法によれば、偏光板が反射防止層の形成プロセス(ドライプロセス)に供されることがない。したがって、偏光板が高温に曝されることがないので、偏光板の水分率を上記所望の範囲に維持することができる。その結果、得られる反射防止層付偏光板は、高温高湿環境下において寸法変化が抑制され、かつ、仮にカールが発生した場合でも当該カールの向きが視認側と反対側に凸となる。このことにより、反射防止層付偏光板を画像表示装置に適用した場合に、高温高湿環境下における反り、剥がれ、および/または表示特性の低下を顕著に抑制することができる。
F.画像表示装置
 本発明の実施形態による反射防止層付偏光板は、画像表示装置に適用され得る。代表的には、反射防止層付偏光板は、反射防止層が視認側となるようにして画像表示装置の視認側に配置され得る。画像表示装置の代表例としては、液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置、量子ドット表示装置が挙げられる。
 以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各特性の測定方法は以下の通りである。
(1)偏光板の透湿度
 実施例および比較例で用いた偏光板(偏光子積層体)を10cmΦの円状に切り出し、測定試料とした。この測定試料を温度40℃および湿度92%RHの条件下に24時間置いた後、日立製作所社製「MOCON」を用いて、温度40℃および湿度90%RHの試験条件で透湿度を測定した。
(2)基材の透湿度
 実施例および比較例で基材として用いたフィルムについて、JIS Z0208の透湿度試験(カップ法)に準拠して、温度40℃、湿度92%RHの雰囲気中、面積1mの試料を24時間に通過する水蒸気量(g)を測定した。
(3)反射防止層付偏光板の単体色相b値
 実施例および比較例で得られた反射防止層付偏光板(100mm×50mm)に粘着剤(日東電工社製、アクリル系粘着剤)を介して反射防止層が上側となるようにしてガラス板に貼り合わせた。次いで、1kgの重しを載せたサンドペーパー(#1200)を用いて偏光子のMD方向に沿って1往復させ、反射防止層付偏光板の反射防止層の半分(50mm×50mm)の表面を削り、キズをつけた。その後、反射防止層付偏光板を温度65℃および湿度90%RHの環境に置いた。この反射防止層付偏光板の加湿環境投入前(0時間)、投入後72時間、120時間、250時間のNBSによる単体色相b値を、分光光度計(村上色彩技術研究所(株)製 製品名「DOT-3」)を用いて、反射防止層付偏光板の表面のキズをつけた部分(キズ有り)およびキズをつけていない部分(キズ無し)についてそれぞれ測定した。各時間において、各部分で測定した単体色相b値と加湿環境投入前に測定した各部分の単体色相b値(初期値)との差を下記式により算出し、変化量とした。
 
  変化量=(加湿環境投入前の単体色相b値(初期値))-(各時間で測定した単体色相b値)
 
 また、キズをつけた部分の変化量とキズをつけていない部分の変化量との差(変化量の差Δ)を下記式により算出した。
 
  変化量の差Δ=(キズをつけた部分の変化量)-(キズをつけていない部分の変化量)
(4)樹脂とオレイン酸のHSP距離Ra、樹脂の相互作用半径R、および、相対エネルギー差RED
 以下の方法により、実施例1~5および比較例1~4の反射防止層付偏光板の基材、および、保護層を形成する樹脂のHSPが既知である溶媒への溶解性を評価した。
 具体的には、各樹脂0.02重量部をメチルエチルケトン(良溶媒)とn-ヘキサン、メタノール、γブチロラクトンまたはトリクロロベンゼン(貧溶媒)とを、それぞれ100:0、90:10、80:20、70:30、60:40、40:60、20:80、0:100の体積比で混合した混合溶媒に24時間浸漬した。24時間浸漬後の樹脂の様子を(i)溶解、(ii)膨潤、(iii)不溶の3段階の評価で、目視で分類した。得られた各溶媒への溶解度の情報をHSP値計算ソフト(HSPiP Ver.4.1.0.7(Hansen Solubility Parameters in Practice))に入力し、各樹脂のδ、δ、δをそれぞれ算出し、3次元プロットすることにより各樹脂のハンセン溶解球を求めた。得られた溶解球から樹脂の相互作用半径Rを求めた。同様に、オレイン酸(δ:16、δ:2.8、δ:6.2)とのHSP距離Ra、および、相対エネルギー差REDをHSP計算ソフトで算出した。
(5)白化試験
 実施例および比較例で得られた反射防止層付偏光板を5cm×5cmにサンプルカットし、ガラス板に貼り合わせ、オートクレーブに投入した。オートクレーブ処理後、サンプルの側面全体にオレイン酸を塗布し、65℃、90%RHの環境試験オーブンに72時間投入した。次いで、サンプルを取り出し、オレイン酸を塗布した部分の白化の有無を目視で確信した。サンプルの周辺部(オレイン酸を塗布した部分)が白化していないものを〇、白化したものを×として評価した。
<製造例1>アクリル系樹脂フィルム1の作製
 撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を備えた反応釜に、メタクリル酸メチル(MMA)、2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)、トルエンを仕込み、250℃の押出し機内で環化縮合反応と脱揮を行い、透明なラクトン環含有アクリル系樹脂ペレットを得た。得られたペレットとアクリロニトリル-スチレン樹脂を混合し、シリンダー温度240℃で2軸押し出し機を用いて溶融混錬し、再ペレット化した。
 得られたペレットを単軸押出機に投入して溶融混合し、Tダイを通してフィルム形成した。
 得られた押出フィルムを、延伸温度160℃で長さ方向および幅方向にそれぞれ2倍に同時二軸延伸した。得られたフィルムの厚みは40μmであった。得られたフィルムの樹脂組成比をNMRにて確認した結果、MMA61%、ラクトン環26.7%、スチレン7.6%、アクリロニトリル4.7%であった。
<製造例2>アクリル系樹脂フィルム2の作製
 撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を備えた反応釜に、メタクリル酸メチル(MMA)、2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)、トルエン、ポリスチレンを仕込み、250℃の押出し機内で環化縮合反応と脱揮を行い、透明なラクトン環含有アクリル系樹脂ペレットを得た。得られたペレットを単軸押出機に投入して溶融混合し、Tダイを通してフィルム形成した。得られた押出フィルムを、延伸温度160℃で長さ方向および幅方向にそれぞれ2倍に同時二軸延伸した。得られたフィルムの厚みは40μmであった。得られたフィルムの樹脂組成比をNMRにて確認した結果、MMA76%、ラクトン環19%、スチレン5%であった。
<製造例3>ポリカーボネート樹脂フィルムの作製
 市販のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含有するポリカーボネート樹脂(三菱化学(株)製、商品名DURABIO T7450A、Tg:132℃、イソソルビド構造単位62モル%、トリシクロデカンジメタノール構造単位38モル%)を80℃で5時間真空乾燥をした後、単軸押出機(いすず化工機社製、スクリュー径25mm、シリンダー設定温度:250℃)、Tダイ(幅200mm、設定温度:250℃)、チルロール(設定温度:120~130℃)および巻取機を備えたフィルム製膜装置を用いて、厚み160μmのポリカーボネート樹脂フィルムを作製した。作製した樹脂フィルムをさらに延伸し、厚み40μmのフィルムを得た。
<製造例4>アクリル系樹脂フィルム3の作製
 CHIMEI製のアクリル樹脂(製品名:CM-205)を単軸押出機に投入して溶融混合し、Tダイを通してフィルム形成した。得られた押出フィルムを、延伸温度160℃で長さ方向および幅方向にそれぞれ2倍に同時二軸延伸した。得られたフィルムの厚みは40μmであった。得られたフィルムの樹脂組成比をNMRにて確認した結果、MMA73.5%、無水マレイン酸17.6%、スチレン6.9%であった。
[実施例1]
1.偏光板(偏光子積層体)の作製
 樹脂基材として、長尺状で、吸水率0.75%、Tg75℃の非晶質のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(IPA共重合PET)フィルム(厚み:100μm)を用いた。基材の片面に、コロナ処理を施し、このコロナ処理面に、ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(重合度1200、アセトアセチル変性度4.6%、ケン化度99.0モル%以上、日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマーZ200」)を9:1の比で含む水溶液を25℃で塗布および乾燥して、厚み11μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
 得られた積層体を、120℃のオーブン内で周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に2.0倍に自由端一軸延伸した(空中補助延伸)。
 次いで、積層体を、液温30℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
 次いで、液温30℃の染色浴に、偏光板が所定の透過率となるようにヨウ素濃度、浸漬時間を調整しながら浸漬させた。本実施例では、水100重量部に対して、ヨウ素を0.2重量部配合し、ヨウ化カリウムを1.5重量部配合して得られたヨウ素水溶液に60秒間浸漬させた(染色処理)。
 次いで、液温30℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を3重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。
 その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合し、ヨウ化カリウムを5重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸)。
 その後、積層体を液温30℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。
 続いて、積層体のPVA系樹脂層(偏光子)表面に、下記に示す接着剤を硬化後の接着剤層厚みが1.0μmとなるように塗布し、保護層としてメタクリル樹脂フィルム(厚み:40μm、透湿度:100g/m/24h、製造例2で得られたアクリル系樹脂フィルム2)を貼り合わせ、当該メタクリル系樹脂フィルム側からIRヒーターを用いて50℃に加温し、下記の紫外線を照射して接着剤を硬化させた。その後、基材をPVA系樹脂層から剥離し、偏光子積層体(偏光子/保護層の構成を有する偏光板)を得た。なお、偏光子の厚みは5μm、単体透過率は42.3%であった。また、得られた偏光板の水分率は1.0重量%であった。
(接着剤組成)
 N-ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)40重量部とアクリロイルモルホリン(ACMO)60重量部と光開始剤「IRGACURE 819」(BASF社製)3重量部を混合し、硬化前の粘度が40mPa・Sの接着剤を調製した。
(紫外線)
 活性エネルギー線として、紫外線(ガリウム封入メタルハライドランプ、照射装置:Fusion UV Systems,Inc社製のLight HAMMER10、バルブ:Vバルブ、ピーク照度:1600mW/cm、積算照射量1000/mJ/cm(波長380~440nm))を使用した。なお、紫外線の照度は、Solatell社製のSola-Checkシステムを使用して測定した。
2.反射防止積層体の作製
 東洋紡社製のPET系樹脂フィルム(製品名:コスモファイン、厚み:80μm)の片面にハードコート処理によりハードコート(HC)層(厚み:7μm)を形成することにより、HC-PETフィルム(厚み:87μm)を得た。このHC-PETフィルムを反射防止層形成用基材として用いた。基材のHC層表面に、SiOxからなる密着層(厚み:10nm)をスパッタリングにより形成し、さらに、当該密着層上にNb膜(高屈折率層)、SiO膜(低屈折率層)、Nb膜(高屈折率層)、およびSiO膜(低屈折率層)を順次製膜することにより、反射防止層(4層の合計厚み:200nm)を形成した。さらに、反射防止層上にパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物からなる防汚層(厚み:10nm)を形成し、反射防止積層体を作製した。
3.反射防止層付偏光板の作製
 上記偏光子積層体の偏光子表面に、第1の位相差層として環状オレフィン系フィルム(屈折率特性:nx>ny>nz、面内位相差:116nm)、および、第2の位相差層として変性ポリエチレンフィルム(屈折率特性:nz>nx>ny、面内位相差:35nm)を順次貼り合わせた。貼り合わせには上記と同じ紫外線硬化型接着剤を用いた。なお、第1の位相差層の遅相軸が偏光子の吸収軸に対して0°、第2の位相差層の遅相軸が偏光子の吸収軸に対して90°の角度をなすようにして貼り合わせた。さらに、上記偏光子積層体の保護層(メタクリル系樹脂フィルム)表面に、アクリル系粘着剤(厚み:20μm)を介して、反射防止積層体のHC-TACフィルムを貼り合わせ、反射防止層付偏光板を得た。得られた反射防止層付偏光板を上記の評価に供した。結果を表1および表2に示す。
[実施例2]
 製造例1で得られたアクリル系樹脂フィルム1を基材および偏光子積層体の保護層として用いた以外は、実施例1と同様して反射防止層付偏光板を作製した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1および表2に示す。
[実施例3]
 製造例2で得られたアクリル系樹脂フィルム2を基材および偏光子積層体の保護層として用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止層付偏光板を作製した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1および表2に示す。
[実施例4]
 製造例3で得られたポリカーボネート系樹脂フィルムを基材および偏光子積層体の保護層として用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止層付偏光板を作製した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1および表2に示す。
[実施例5]
 製造例4で得られたアクリル系樹脂フィルム3を基材および偏光子積層体の保護層として用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止層付偏光板を作製した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1および表2に示す。
(比較例1)
 基材として、富士フイルム社製のTACフィルム(製品名:フジタック、厚み:100μm)を用いた以外は実施例1と同様にして反射層付偏光板を作製した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1および表2に示す。
(比較例2)
 基材として、富士フイルム社製のTACフィルム(製品名:TD80-UL、厚み:80μm)を用いた以外は実施例1と同様にして反射層付偏光板を作製した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1および表2に示す。
(比較例3)
 基材として、コニカミノルタ社製のTACフィルム(製品名:KC4UY、厚み:40μm)を用いた以外は実施例1と同様にして反射層付偏光板を作製した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1および表2に示す。
(比較例4)
 基材として日東電工社製アクリル系樹脂フィルム(製品名:CATフィルム、厚み:40μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして反射防止層付偏光板を作製した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1および表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表1から明らかなように、反射防止層が形成される基材、および、反射防止層付偏光板の透湿度を適切な値にすることにより、高温高湿環境下における反射防止層付偏光板の外観不良(黄色ムラ)の発生を抑制することができた。また、表2から明らかなように、オレイン酸との相対エネルギー差REDが1.05以上である樹脂を基材および保護層に用いた実施例1~5の反射防止層付偏光板では高温高湿環境下における白化の発生も抑制することができた。
 本発明の反射防止層付偏光板は、液晶表示装置、有機EL表示装置、量子ドット表示装置のような画像表示装置に好適に用いられる。
 10   偏光板
 11   偏光子
 12   保護層
 20   基材
 30   反射防止層
100   反射防止層付偏光板

Claims (5)

  1.  偏光子および該偏光子の一方の側に設けられた保護層を有する偏光板と、該保護層に貼り合わせられた基材と、該基材に直接形成された反射防止層と、を備えた反射防止層付偏光板であって、
     該基材および該保護層が樹脂を含み、
     該樹脂とオレイン酸とのハンセン溶解度パラメータに基づく相対エネルギー差REDが1.05以上であり、
     該反射防止層付偏光板の透湿度が0.2g/m/24h以下であり、かつ、該基材の透湿度が150g/m/24h以下である、反射防止層付偏光板。
  2.  前記基材および保護層が(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、および、ポリエステル系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含む、請求項1に記載の反射防止層付偏光板。
  3.  65℃および90%RHで72時間置いた後の単体色相b値の変化量の差Δが1.0以下であり、かつ、65℃および90%RHで120時間置いた後の単体色相b値の変化量の差Δが0.8以下である、請求項1または2に記載の反射防止層付偏光板。
  4.  請求項1から3のいずれかに記載の反射防止層付偏光板の製造方法であって、
     偏光子および保護層を含む偏光子積層体を作製すること、
     基材に反射防止層を形成し、反射防止積層体を作製すること、および、
     該偏光子積層体の保護層表面に、該反射防止積層体の基材を貼り合わせること
     を含む、製造方法。
  5.  前記反射防止層がスパッタリングにより形成される、請求項4に記載の製造方法。
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