JP2010231160A - 粘着剤付き偏光板 - Google Patents
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Abstract
【課題】湿熱環境下においても偏光子を湿度から保護する低い透湿度を有しながら、なおかつ湿度の低い高温環境下においても外観変化を起こさず、良好な表示品位が保たれる液晶ディスプレイ用に好適な偏光板を開発する。
【解決手段】偏光子を第一の透明保護フィルム及び第二の透明保護フィルムで挟み込んで、偏光板とする。この第二の透明保護フィルムの偏光子とは反対側に粘着剤層を設けて、粘着剤付き偏光板とする。第一の透明保護フィルムは、温度40℃、相対湿度90%における透湿度が0〜50g/m2・24hrであるようにする。粘着剤層は、樹脂からなり、樹脂中のカルボキシル基を含む構造単位のモル分率が、樹脂中の全構造単位を基準に、0〜2.5%であるようにする。
【選択図】図1
【解決手段】偏光子を第一の透明保護フィルム及び第二の透明保護フィルムで挟み込んで、偏光板とする。この第二の透明保護フィルムの偏光子とは反対側に粘着剤層を設けて、粘着剤付き偏光板とする。第一の透明保護フィルムは、温度40℃、相対湿度90%における透湿度が0〜50g/m2・24hrであるようにする。粘着剤層は、樹脂からなり、樹脂中のカルボキシル基を含む構造単位のモル分率が、樹脂中の全構造単位を基準に、0〜2.5%であるようにする。
【選択図】図1
Description
本発明は、耐久性に優れ、液晶ディスプレイ用に好適な粘着剤付き偏光板に関する。
近年、液晶ディスプレイは、車載用や携帯電話機等に用いられることが多くなり、その高温及び高温高湿下における信頼性が強く要望されている。特に車載用途では、夏場の高温に晒されても性能変化を起こさないなど、非常に過酷な条件での耐久性が求められている。
一般に液晶ディスプレイは、透明電極が形成された2枚の電極基板をその透明電極が対向するように配置し、その間に液晶を封入して液晶セルを構成し、その液晶セルの片側又は両側に偏光板を貼り付けた形で用いられている。この偏光板は、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素又は二色性染料を吸着、延伸配向させて作製された偏光子の両面に、トリアセチルセルロース(TAC)を代表例とするセルロース系樹脂のフィルムを保護層として接着したものが、一般に使用されている。
セルロース系樹脂は、一般的に透湿度が高く、水分を通しやすいという特性を有するために、耐湿熱環境下に晒された際、湿度により偏光子が退色して色相が変化したり、偏光度が低下したりするという問題があった。このような問題を解決するために、偏光板保護フィルムの透湿度を低くすることが行われている。具体的には、保護フィルム自体をセルロース系樹脂よりも透湿度の低い樹脂に変更することや、セルロース系樹脂の露出面に表面処理を施して保護フィルムの透湿度を下げることである。
保護フィルム自体を透湿度の低い樹脂で構成する技術として、特開昭59−159109号公報(特許文献1)には、一軸延伸され、透湿度が10g/m2・日以下の高分子膜、具体的には、一軸延伸された高密度ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムを、含水率が5%以下であるポリビニルアルコール系偏光子の両面に保護フィルムとして配置し、偏光板の耐久性を改善することが記載されており、特開昭60−159704号公報(特許文献2)には、温度80℃、相対湿度95%における透湿度が55g/m2・hr以下、100℃で30分間加熱後の寸法変化率が−0.3%〜0%の透明保護フィルム、具体的には、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルサルホン又はポリカーボネートのフィルムを、ポリビニルアルコール偏光子の少なくとも片面に配置して、やはり偏光板の耐久性を改善することが記載されている。また、特開平7−77608号公報(特許文献3)には、温度80℃、相対湿度90%における透湿度が200g/m2・24hr・100μm以下で、光弾性係数が1×10-11cm2/dyne以下である保護フィルム、具体的には、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂のフィルムを、ポリビニルアルコール系偏光子の少なくとも片面に貼り合わせることにより、やはり偏光板の耐久性を改善することが記載されている。
また、特開2003−183417号公報(特許文献4)には、セルロースエステル中に配合する可塑剤として、ロジン樹脂、エポキシ樹脂、ケトン樹脂又はトルエンスルホンアミド樹脂を用いることにより、温度80±5℃、相対湿度90±10%の雰囲気下で48時間処理した場合の質量変化を0〜2%とし、さらに透湿度を50〜250g/m2・24hrとしたセルロースエステルフィルムが開示されている。
セルロース系樹脂の露出面に表面処理を施すことで、保護フィルムの透湿度を下げる技術として、特開2004−53797号公報(特許文献5)には、プラスチック樹脂基材上に、硬質有機樹脂層、及び屈折率の異なる複数の無機化合物からなる反射防止層の順で積層して反射防止フィルムとすることにより、温度60℃、相対湿度95%における反射防止フィルムの水蒸気透過速度の値が、プラスチック樹脂基材の水蒸気透過速度の1/2以下で、500g/m2/日以下となるようにすることが記載されており、特開2004−341541号公報(特許文献6)には、透明基材フィルム上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法で酸化ケイ素膜を形成することにより、防湿性等に優れた光学機能性フィルムとすることが記載されている。
このような、透湿度の低い保護フィルムをポリビニルアルコール系偏光子の少なくとも片面、特にその最外面に配置すれば、湿熱環境下においては優れた耐久性を示すものの、湿度の低い高温環境下に晒した場合、表面にシワ状の欠陥が発生するなど、外観変化が生じてしまい、液晶ディスプレイの表示に悪影響を及ぼすという問題が生じていた。
例えば、特開2000−321428号公報(特許文献7)には、偏光板の保護フィルム表面に反射防止層を設けた場合、耐熱性が不十分になることがあるところ、その原因が反射防止層を設けたことによる透湿度の低下にあることが指摘されており、そこでこの文献では、反射防止層を有する偏光板としながら、透湿度が10g/m2・24hr以上となるようにしている。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、湿熱環境下においても偏光子を湿度から保護する低い透湿度を有しながら、なおかつ湿度の低い高温環境下においても外観変化を起こさず、良好な表示品位が保たれる液晶ディスプレイ用に好適な偏光板を開発することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、偏光子を第一の透明保護フィルム及び第二の透明保護フィルムで挟み込んでなる偏光板と、その第二の透明保護フィルムの偏光子とは反対側に設けられた粘着剤層とからなる粘着剤付き偏光板であって、第一の透明保護フィルムは、温度40℃、相対湿度90%における透湿度が0〜50g/m2・24hrであり、粘着剤層は、樹脂からなり、樹脂中のカルボキシル基を含む構造単位のモル分率が、樹脂中の全構造単位を基準に、0〜2.5%であることを特徴とする粘着剤付き偏光板を提供する。
本発明の偏光板は、優れた湿度バリア性を有するため、湿熱環境下においても偏光板としての光学特性を損なうことがなく、また偏光板を液晶ディスプレイに装着する際に用いる粘着剤中のカルボキシル基を含む構造単位のモル分率を制御することで、乾燥高温環境下においてもシワ発生などの外観変化を生じない。したがって、この偏光板は、液晶ディスプレイに好適に用いられ、その表示品質及び耐久信頼性の改善に有効である。
本発明の粘着剤付き偏光板の層構成の例を図1に断面模式図で示した。図1の(A)は、基本的な層構成を示すものであって、偏光子1の両面を第一の透明保護フィルム2及び第二の透明保護フィルム3により挟み込むことで、偏光板が構成され、さらにその第二の透明保護フィルム3の偏光子1とは反対側に粘着剤層9を設けることで、粘着剤付き偏光板が構成されている。そして本発明では、偏光子1を挟み込む2枚の透明保護フィルムのうち、第一の透明保護フィルム2は、温度40℃、相対湿度90%における透湿度が0〜50g/m2・24hrとなるようにし、かつ第二の透明保護フィルム3の外側の粘着剤層9は、樹脂からなり、樹脂中のカルボキシル基を含む構造単位のモル分率が、樹脂中の全構造単位を基準に、0〜2.5%となるようにする。
図1の(B)は、同(A)に示す基本的な層構成において、好ましい層を有する例を示すものである。この図に示すように、第一の透明保護フィルム2は、第一の透明基材フィルム2’と、その外側、すなわち偏光子1の反対側に設けられた表面処理層4とから構成されている。また、第二の透明保護フィルム3は、第二の透明基材フィルム3’と、その外側に設けられた光学補償層8とから構成されている。
図1に示した層構成の粘着剤付き偏光板を液晶ディスプレイに適用するときは、第二の透明保護フィルム3が液晶セル側となるように、また第一の透明保護フィルム2が視認側となるように配置される。また粘着剤層9の粘着剤が露出している面には、液晶ディスプレイ等に貼着するまでの間、粘着剤面を保護する目的で、離型フィルム10をあらかじめ備えることができる。以下、図1に示した各層について順に説明を進めていく。
<偏光子>
偏光子1は、所定方向の振動面を持つ直線偏光を透過し、それと直交する方向の振動面を持つ直線偏光を吸収する光学素子である。具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向したフィルムが挙げられる。二色性色素としてヨウ素が吸着配向しているヨウ素系偏光子や、二色性色素として二色性有機染料が吸着配向している染料系偏光子があるが、いずれも用いることができる。偏光子1は、公知の方法で作製することができ、例えば、特開2007−256568号公報に記載の方法で作製することができる。
偏光子1は、所定方向の振動面を持つ直線偏光を透過し、それと直交する方向の振動面を持つ直線偏光を吸収する光学素子である。具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向したフィルムが挙げられる。二色性色素としてヨウ素が吸着配向しているヨウ素系偏光子や、二色性色素として二色性有機染料が吸着配向している染料系偏光子があるが、いずれも用いることができる。偏光子1は、公知の方法で作製することができ、例えば、特開2007−256568号公報に記載の方法で作製することができる。
<第一の透明保護フィルム>
第一の透明保護フィルム2は、温度40℃、相対湿度90%における透湿度が0〜50g/m2・24hrであり、好ましくは0〜10g/m2・24hrである。透湿度が50g/m2・24hrを超えると、湿熱環境化における耐久性が低下し、使用時・輸送時の温度・湿度等の外環境の変化による結露による性能悪化も生じ、好ましくない。透湿度は、JIS Z0208に従って求めることができる。この規格では、25℃又は40℃のいずれかの温度で透湿度を測定する旨規定されているが、本明細書では、40℃の温度を採用する。また、透湿面積は28.3cm3(直径6cm)とし、供試したフィルムの厚みそのものに対する透湿度で表示するものとする。
第一の透明保護フィルム2は、温度40℃、相対湿度90%における透湿度が0〜50g/m2・24hrであり、好ましくは0〜10g/m2・24hrである。透湿度が50g/m2・24hrを超えると、湿熱環境化における耐久性が低下し、使用時・輸送時の温度・湿度等の外環境の変化による結露による性能悪化も生じ、好ましくない。透湿度は、JIS Z0208に従って求めることができる。この規格では、25℃又は40℃のいずれかの温度で透湿度を測定する旨規定されているが、本明細書では、40℃の温度を採用する。また、透湿面積は28.3cm3(直径6cm)とし、供試したフィルムの厚みそのものに対する透湿度で表示するものとする。
第一の透明保護フィルム2の透湿度を0〜50g/m2・24hrとするためには、それ自身の透湿度が低い熱可塑性樹脂フィルム、例えば、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、環状オレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂)などのフィルムを第一の透明保護フィルム2として用いる、あるいは、透湿度が高いフィルムを透明基材フィルム2’として用い、これに表面処理などを施すことにより、表面処理込みの透湿度が本発明で規定する値となるようにした樹脂フィルムを第一の透明保護フィルム2として用いればよい。高い透湿度を有する樹脂フィルムとして、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂のフィルムを挙げることができる。トリアセチルセルロースフィルム自体の透湿度は、種類によって異なるが、厚みが約80μmのもので、300〜550g/m2・24hr程度である。
透明保護フィルムの透湿度を低くするための表面処理手法としては、平滑な、又は表面に凹凸を有するハードコート層を設けるハードコート処理が挙げられる。ハードコート層の形成に用いられる樹脂材料としては、得られるハードコート層の表面硬度向上の観点から、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などの硬化性樹脂材料を使用することが好ましく、生産性の観点から紫外線硬化性樹脂がさらに好ましく使用される。硬化性樹脂材料は特に限定されるものでなく、シリコーン系、アクリル系、ウレタンアクリレート系などの公知の樹脂材料を用いることができ、さらには、硬度向上や屈折率を調整する目的で樹脂中にフィラーが混合されていれもよい。これらのハードコート層は、スピンコート法、マイクログラビアコート法など、公知の方法で塗工し、硬化させることにより設けることができる。本発明におけるハードコート層の厚みは1〜30μm程度であり、好ましくは3〜20μmである。その屈折率は、通常1.65以下、好ましくは1.45〜1.65の範囲である。
上述のハードコート層表面には、反射防止機能を付与する目的で、マイクログラビアコート等の既知の塗布法を用いて、あるいは蒸着やスパッタリングなどの手法を用いて、有機物、金属、金属化合物などの層を設けることもできる。スパッタリングにより金属化合物膜をハードコート層上に成膜する手法は、透湿度を下げる手法としても好適である。
成膜又は塗布に用いる有機物としては、フッ素原子が導入されたポリマーなどを挙げることができる。金属としては、アルミニウム、銀などが好適に使用できる。金属化合物としては、種々の金属の酸化物、硫化物、弗化物などを使用することができる。金属酸化物の例としては、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化インジウム−錫、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化アンチモン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどが挙げられる。金属硫化物の例としては、硫化亜鉛、硫化アンチモンなどが挙げられる。金属弗化物の例としては、弗化アルミニウム、弗化バリウム、弗化カルシウム、弗化セリウム、弗化アルミニウム、弗化ランタン、弗化鉛、弗化リチウム、弗化マグネシウム、弗化ニオブ、弗化サマリウム、弗化ナトリウム、弗化ストロンチウム、弗化イットリウムなどが挙げられる。上述の反射防止層は目的とする表面処理フィルムの光学特性や透湿度に応じて1層からなる場合もあるし、必要に応じて多層としてもよい。
本発明における、好適な表面処理が施された第一の透明保護フィルム2の例としては、セルロース系樹脂などの比較的透湿度の高いフィルム表面に透明なアクリル系樹脂からなるハードコート層を有し、当該ハードコート層上に、金属化合物からなる反射防止層をスパッタリングにより形成したものを挙げることができる。
<第二の透明保護フィルム>
第二の透明保護フィルム3は、透湿度は特に規定されないが、一般には透湿度が比較的高めであるのが好ましく、具体的には、温度40℃、相対湿度90%において50g/m2・24hrを超えるものが好ましい。この透明保護フィルム3は、第一の透明保護フィルム2と同じ材質であっても、異なる材質であっても構わない。
第二の透明保護フィルム3は、透湿度は特に規定されないが、一般には透湿度が比較的高めであるのが好ましく、具体的には、温度40℃、相対湿度90%において50g/m2・24hrを超えるものが好ましい。この透明保護フィルム3は、第一の透明保護フィルム2と同じ材質であっても、異なる材質であっても構わない。
第二の透明保護フィルム3には、偏光板を液晶ディスプレイに搭載したときの光学位相差を補償するための光学補償機能が付与されていてもよい。透明保護フィルム3に光学補償機能を付与する方法としては、透明基材フィルム3’上に光学補償層8を設け、これを透明保護フィルム3として用いる方法、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、環状ポリオレフィン系樹脂などからなる樹脂フィルムを延伸して、面内方向の位相差を発現させたフィルムなどを粘着剤等を介して透明基材フィルム3’に貼り合わせる方法や、厚み方向の位相差を発現する無機層状化合物の塗布層や液晶性化合物の塗布層を透明基材フィルム3’上に設ける方法が例示される。また、前述の延伸フィルムや、前述の無機層状化合物の塗布層を形成して厚み方向の位相差を発現させたフィルム、液晶性化合物の塗布層を形成させた光学補償フィルムを透明保護フィルム3として直接偏光子1に貼り合わせることもできる。
第二の保護フィルム3が面内に位相差を有する場合、それらの光学軸(遅相軸または進相軸)と偏光子1の吸収軸とがなす角度は特に限定されるものでなく、適用される液晶ディスプレイの仕様などに応じて適宜設定される。
第一の透明保護フィルム2及び第二の透明保護フィルム3は、また第一の透明基材フィルム2’及び第二の透明基材フィルム3’は、透明性及び耐熱性の高いフィルムであることが好ましく、透明性は光線透過率で80%以上、好ましくは85%以上である。また、耐熱性はガラス転移温度で100℃以上、好ましくは120℃以上である。透明性や耐熱性の観点で好ましい保護フィルムとして、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)やポリエチレンテレフタラート等の合成樹脂からなるフィルムが挙げられる。
また、第一の透明保護フィルム2及び第二の透明保護フィルム3は、薄肉・軽量化の点から、それぞれ、厚みが20〜110μmであるのが好ましい。
<粘着剤層>
粘着剤層を構成する粘着剤は、ベースの樹脂を必須とし、好ましくは架橋剤を含み、必要に応じてシランカップリング剤その他の成分を含む。ベースの樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルエーテル樹脂が挙げられる。中でも、透明性や耐候性、耐熱性の点からアクリル樹脂が好ましく用いられる。
粘着剤層を構成する粘着剤は、ベースの樹脂を必須とし、好ましくは架橋剤を含み、必要に応じてシランカップリング剤その他の成分を含む。ベースの樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルエーテル樹脂が挙げられる。中でも、透明性や耐候性、耐熱性の点からアクリル樹脂が好ましく用いられる。
アクリル樹脂は、主成分として、(メタ)アクリル酸エステル、典型的には式(A):
(式(A)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は炭素数1〜14のアルキル基又はアラルキル基を表す。R2の水素原子は炭素数1〜10のアルコキシ基又は水酸基によって置換されてで置換されいてもよい。)
で示される化合物を含み、必要に応じて、分子内にカルボキシル基と重合性炭素炭素二重結合とを有する化合物、典型的には、式(B):
(式(B)中、R3は水素原子又はメチル基を表す。)
で示される化合物を含む単量体を重合させてなるものであるのが好ましい。
こうして得られるアクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位、典型的には、式(A)で示される化合物に由来する構造単位として、式(a)
(式(a)中、R1及びR2は前記と同じ意味を表す。)
で示される構造単位を有し、必要に応じて、分子内にカルボキシル基と重合性炭素炭素二重結合とを含む化合物に由来する構造単位、典型的には、式(B)で示される化合物に由来する構造単位として、式(b)
(式(b)中、R3は前記と同じ意味を表す。)
で示される構造単位を有するものとなる。
なお、アクリル樹脂は、前記の(メタ)アクリル酸エステル及び分子内にカルボキシル基と重合性炭素炭素二重結合とを有する化合物以外に、分子内に水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、アルデヒド基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる極性官能基と重合性炭素炭素二重結合とを有する化合物を原料モノマーに含んでいてもよく、これらに由来する極性官能基を含む構造単位を有していてもよい。
アクリル樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、好ましい例として、重量平均分子量が100万〜200万であるアクリル樹脂と、重量平均分子量が5万〜50万であるアクリル樹脂との組み合わせが挙げられる。
そして、本発明では、前記の如き粘着剤を構成する樹脂中のカルボキシル基を含む構造単位のモル分率が、樹脂中の全構造単位を基準に、0〜2.5%、好ましくは0〜2%となるようにする。これにより、高温に晒されたときの外観変化の少ない粘着剤付き偏光板を得ることができる。なお、構造単位とは、上述の説明からも分かるように、樹脂の原料単量体に由来する最小単位であり、連結している場合は繰り返し単位と呼ぶこともある。樹脂中のカルボキシル基を含む構造単位のモル分率を前記所定範囲内とするには、樹脂の単量体組成や、樹脂を2種以上用いる場合の混合割合を調整すればよい。
例えば、樹脂として、カルボキシル基を含む構造単位を有する樹脂(1)と、カルボキシル基を含む構造単位を有しない樹脂(2)とを併用する場合、樹脂中のカルボキシル基を含む構造単位のモル分率xは、次の式により求めることができる。
x = n/(m+n) × α/(α+β) = n × α
m:樹脂(1)中のカルボキシル基を含まない構造単位のモル分率
n:樹脂(1)中のカルボキシル基を含む構造単位のモル分率
m+n=1
α:樹脂中の樹脂(1)の見かけのモル分率
β:樹脂中の樹脂(2)の見かけのモル分率
α+β=1
n:樹脂(1)中のカルボキシル基を含む構造単位のモル分率
m+n=1
α:樹脂中の樹脂(1)の見かけのモル分率
β:樹脂中の樹脂(2)の見かけのモル分率
α+β=1
ここで、樹脂中の樹脂(1)の見かけのモル分率とは、まず、樹脂(1)中の各構造単位の分子量に、対応する各構造単位のモル分率を乗じて、合計し、その合計値を樹脂(1)の見かけの分子量とし、同様に、樹脂(2)中の各構造単位の分子量に、対応する各構造単位のモル分率を乗じて、合計し、その合計値を樹脂(2)の見かけの分子量とし、これら見かけの分子量を使って求めた樹脂中の樹脂(1)のモル分率である〔=[樹脂(1)の重量]/[樹脂(1)の見かけの分子量]/([樹脂(1)の重量]/[樹脂(1)の見かけの分子量]+[樹脂(2)の重量]/[樹脂(2)の見かけの分子量])〕。
架橋剤とは、カルボキシル基や、その他の極性基、例えば、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、アルデヒド基、イソシアネート基と架橋しうる官能基を分子内に2個以上有するものであり、具体的には、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、金属キレート系化合物、アジリジン系化合物が例示される。
イソシアネート系化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートが挙げられる。また、前記イソシアネート化合物とグリセロール、トリメチロールプロパンなどのポリオールとを反応せしめたアダクト体や、前記イソシアネート化合物を2、3量体等にしたものも挙げられる。
エポキシ系化合物としては、例えば、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、エチレングリコールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンが挙げられる。
金属キレート化合物としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロムおよびジルコニウムなどの多価金属に、アセチルアセトンやアセト酢酸エチルが配位した化合物が挙げられる。
アジリジン系化合物としては、例えば、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキサイド)、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、トリエチレンメラミン、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキサイド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネートおよびテトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネートが挙げられる。
中でも、キシリレンジイソシアネートやトリレンジイソシアネート、前記イソシアネート化合物とグリセロール、トリメチロールプロパンなどのポリオールとを反応せしめたアダクト体や前記イソシアネート化合物を2、3量体等にしたものが好ましい。
架橋剤の使用量は、アクリル樹脂100重量部に対し、通常0.001〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。架橋剤が0.01重量部以上であると耐久性が向上する傾向があることから好ましく、10重量部以下であると光学積層体の白抜けが目立たなくなることから好ましい。
本発明の粘着剤付き偏光板は、VAモード、IPSモード、TNモード、ECBモードなど公知の液晶セル用の粘着剤付き偏光板として、使用することができる。本発明の粘着剤付き偏光板を、使用した液晶表示装置は、視認性に優れ、なおかつ耐久性に優れたものとなる。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、使用量ないし濃度を表す「部」ないし「%」は、特に断りのない限り重量基準である。
<透湿度の測定法>
透明保護フィルムから、直径6cmのサイズの円(面積28.3cm3)を切り出し測定サンプルとし、JIS Z0208に従って、温度40℃、相対湿度90%の条件で測定し、供試したフィルムの厚みそのものに対する透湿度で表示した。
透明保護フィルムから、直径6cmのサイズの円(面積28.3cm3)を切り出し測定サンプルとし、JIS Z0208に従って、温度40℃、相対湿度90%の条件で測定し、供試したフィルムの厚みそのものに対する透湿度で表示した。
<粘着剤付き偏光板の耐久性試験方法>
(a)評価サンプルの作製
粘着剤付き偏光板から、30mm×30mmのサイズの正方形と、100mm×100mmのサイズの正方形を切り出し、それぞれ、粘着剤を介してガラスに貼合し、測定サンプルとした。
(a)評価サンプルの作製
粘着剤付き偏光板から、30mm×30mmのサイズの正方形と、100mm×100mmのサイズの正方形を切り出し、それぞれ、粘着剤を介してガラスに貼合し、測定サンプルとした。
(b)湿熱下における粘着剤付き偏光板の耐久性評価
上記(a)で作製した30mm×30mmのサンプルに対し、温度60℃、相対湿度90%の湿熱環境下に750時間放置する耐湿熱試験を行い、試験前後のサンプルの光学特性を測定した。測定には、(株)島津製作所製の紫外可視分光光度計“UV−2450”にオプションアクセサリーである“偏光子付フィルムホルダー”をセットしたものを用い、波長380〜700nmの範囲におけるサンプルの透過方向と吸収方向の透過スペクトルを測定し、上記分光光度計に付属しているソフトウェア“UV−Probe”により、偏光度Pyと、JIS Z8729に準拠する単体透過光の色座標a*及びb*が求まるようにした。
上記(a)で作製した30mm×30mmのサンプルに対し、温度60℃、相対湿度90%の湿熱環境下に750時間放置する耐湿熱試験を行い、試験前後のサンプルの光学特性を測定した。測定には、(株)島津製作所製の紫外可視分光光度計“UV−2450”にオプションアクセサリーである“偏光子付フィルムホルダー”をセットしたものを用い、波長380〜700nmの範囲におけるサンプルの透過方向と吸収方向の透過スペクトルを測定し、上記分光光度計に付属しているソフトウェア“UV−Probe”により、偏光度Pyと、JIS Z8729に準拠する単体透過光の色座標a*及びb*が求まるようにした。
そして、耐湿熱試験後の偏光度Py及び初期(耐湿熱試験前)の偏光度Pyから、下式(I)により偏光度変化ΔPyを、また、耐湿熱試験後のa*及びb*並びに初期(耐湿熱試験前)のa*及びb*から、下式(II)及び(III)により単体色相変化Δa*及びΔb*を求めた。また、試験後の外観変化を観察した。
ΔPy=試験後Py−初期Py (I)
Δa*=試験後a*−初期a* (II)
Δb*=試験後b*−初期b* (III)
(c)乾燥高温環境下における粘着剤付き偏光板の耐久性評価
上記(a)で作製した100mm×100mmのサンプルに対し、温度95℃、乾燥の高温環境下に750時間放置する耐熱試験を行い、上記(b)と同様に、偏光度Pyと色座標a*及びb*を求め、偏光度変化ΔPyと単体色相変化Δa*及びΔb*を求めた。また、試験後の外観変化を観察した。
上記(a)で作製した100mm×100mmのサンプルに対し、温度95℃、乾燥の高温環境下に750時間放置する耐熱試験を行い、上記(b)と同様に、偏光度Pyと色座標a*及びb*を求め、偏光度変化ΔPyと単体色相変化Δa*及びΔb*を求めた。また、試験後の外観変化を観察した。
<粘着剤の製造>
(不揮発分の測定)
JIS K5407に準じて、粘着剤溶液を任意の重量、シャーレにとり、防爆オーブンにて115℃、2時間乾燥させ、残留不揮発分重量を最初に測りとった溶液の重量に対する割合で表した。
(不揮発分の測定)
JIS K5407に準じて、粘着剤溶液を任意の重量、シャーレにとり、防爆オーブンにて115℃、2時間乾燥させ、残留不揮発分重量を最初に測りとった溶液の重量に対する割合で表した。
(粘度の測定)
25℃でブルックフィールド粘度計により測定した。
25℃でブルックフィールド粘度計により測定した。
(重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの測定)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置(GPC)を用いて、次の条件で標準ポリスチレン換算の値を測定した。
試料濃度:5mg/ml。 試料導入量:100μml。
カラム:東ソー(株)製の“TSKgel G6000HXL”を2本、及び東ソー(株)製の“TSKgel G5000HXL”を2本、順次、直列接続。
温度:40℃。 流速:1ml/min。 溶出液:テトラヒドロフラン。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置(GPC)を用いて、次の条件で標準ポリスチレン換算の値を測定した。
試料濃度:5mg/ml。 試料導入量:100μml。
カラム:東ソー(株)製の“TSKgel G6000HXL”を2本、及び東ソー(株)製の“TSKgel G5000HXL”を2本、順次、直列接続。
温度:40℃。 流速:1ml/min。 溶出液:テトラヒドロフラン。
(アクリル樹脂(1)の製造)
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた反応器に、アセトン81.8部、アクリル酸ブチル98.9部、及びアクリル酸1.1部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換し、酸素不含としながら、内温を55℃に昇温した後、アゾビスイソブチロニトリル0.14部をアセトン10部に溶かした溶液を添加した。1時間後、生成したアクリル樹脂の濃度が35%になるように、アセトンを添加速度17.3部/hrで連続的に反応器に添加しながら、内温54〜56℃で12時間保温し、最後に酢酸エチルを添加して、アクリル樹脂の濃度が20%になるように調節した。こうしてアクリル樹脂(1)の溶液を得た。アクリル樹脂(1)のMwは120万、Mw/Mnは3.9であった。また、アクリル樹脂(1)中のアクリル酸に由来する構造単位のモル分率は1.9%であり、アクリル樹脂(1)の見かけの分子量は127.1である。
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた反応器に、アセトン81.8部、アクリル酸ブチル98.9部、及びアクリル酸1.1部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換し、酸素不含としながら、内温を55℃に昇温した後、アゾビスイソブチロニトリル0.14部をアセトン10部に溶かした溶液を添加した。1時間後、生成したアクリル樹脂の濃度が35%になるように、アセトンを添加速度17.3部/hrで連続的に反応器に添加しながら、内温54〜56℃で12時間保温し、最後に酢酸エチルを添加して、アクリル樹脂の濃度が20%になるように調節した。こうしてアクリル樹脂(1)の溶液を得た。アクリル樹脂(1)のMwは120万、Mw/Mnは3.9であった。また、アクリル樹脂(1)中のアクリル酸に由来する構造単位のモル分率は1.9%であり、アクリル樹脂(1)の見かけの分子量は127.1である。
(アクリル樹脂(2)の製造)
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた反応器に、酢酸エチル222部、アクリル酸ブチル35部、メタクリル酸ブチル44部、アクリル酸メチル20部、及びアクリル酸ヒドロキシエチル1部を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換した後、内温を75℃に昇温した。この中に、アゾビスイソブチロニトリル0.55部を酢酸エチル12.5部に溶かした溶液を添加した後、内温を69〜71℃に保ちながら、8時間保温し、反応を完結した。こうしてアクリル樹脂(2)の溶液を得た。アクリル樹脂(2)のMwは9万、Tgは−13℃であった。また、アクリル樹脂(2)の見かけの分子量は121.5である。
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた反応器に、酢酸エチル222部、アクリル酸ブチル35部、メタクリル酸ブチル44部、アクリル酸メチル20部、及びアクリル酸ヒドロキシエチル1部を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換した後、内温を75℃に昇温した。この中に、アゾビスイソブチロニトリル0.55部を酢酸エチル12.5部に溶かした溶液を添加した後、内温を69〜71℃に保ちながら、8時間保温し、反応を完結した。こうしてアクリル樹脂(2)の溶液を得た。アクリル樹脂(2)のMwは9万、Tgは−13℃であった。また、アクリル樹脂(2)の見かけの分子量は121.5である。
(アクリル樹脂(1’)の製造)
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた反応器に、アセトン81.8部、アクリル酸ブチル94部、及びアクリル酸6部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換し、酸素不含としながら、内温を55℃に昇温した後、アゾビスイソブチロニトリル0.14部をアセトン10部に溶かした溶液を添加した。1時間後、生成したアクリル樹脂の濃度が35%になるように、アセトンを添加速度17.3部/hrで連続的に反応器に添加しながら、内温54〜56℃で12時間保温し、最後に酢酸エチルを添加してアクリル樹脂の濃度が20%になるように調節した。こうしてアクリル樹脂(1’)の溶液を得た。アクリル樹脂(1’)のMwは120万、Mw/Mnは3.9であった。また、アクリル樹脂(1’)中のアクリル酸に由来する構造単位のモル分率は10.2%であり、アクリル樹脂(1’)の見かけの分子量は122.5である。
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた反応器に、アセトン81.8部、アクリル酸ブチル94部、及びアクリル酸6部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換し、酸素不含としながら、内温を55℃に昇温した後、アゾビスイソブチロニトリル0.14部をアセトン10部に溶かした溶液を添加した。1時間後、生成したアクリル樹脂の濃度が35%になるように、アセトンを添加速度17.3部/hrで連続的に反応器に添加しながら、内温54〜56℃で12時間保温し、最後に酢酸エチルを添加してアクリル樹脂の濃度が20%になるように調節した。こうしてアクリル樹脂(1’)の溶液を得た。アクリル樹脂(1’)のMwは120万、Mw/Mnは3.9であった。また、アクリル樹脂(1’)中のアクリル酸に由来する構造単位のモル分率は10.2%であり、アクリル樹脂(1’)の見かけの分子量は122.5である。
(粘着剤aの製造)
アクリル樹脂(1)の溶液とアクリル樹脂(2)の溶液とを、アクリル樹脂(1)/アクリル樹脂(2)=80/20の重量比となるように混合し、得られた混合溶液に、その不揮発分100部に対し、架橋剤(日本ポリウレタン(株)製の“コロネートL”(トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト))2部、及びシランカップリング剤(信越シリコーン(株)製の“KBM403”)0.1部を添加し、粘着剤aを得た。このようにして得られた粘着剤aを、アプリケーターを用いて離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック(株)製の“PET3811”)の離型処理面に乾燥後の厚さが25μmになるように塗布し、90℃で1分間乾燥させ、シート状の粘着剤aを得た。この粘着剤aに含まれるアクリル樹脂(アクリル樹脂(1)とアクリル樹脂(2)の混合物)中のアクリル酸に由来する構造単位のモル分率は1.5%である。
アクリル樹脂(1)の溶液とアクリル樹脂(2)の溶液とを、アクリル樹脂(1)/アクリル樹脂(2)=80/20の重量比となるように混合し、得られた混合溶液に、その不揮発分100部に対し、架橋剤(日本ポリウレタン(株)製の“コロネートL”(トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト))2部、及びシランカップリング剤(信越シリコーン(株)製の“KBM403”)0.1部を添加し、粘着剤aを得た。このようにして得られた粘着剤aを、アプリケーターを用いて離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック(株)製の“PET3811”)の離型処理面に乾燥後の厚さが25μmになるように塗布し、90℃で1分間乾燥させ、シート状の粘着剤aを得た。この粘着剤aに含まれるアクリル樹脂(アクリル樹脂(1)とアクリル樹脂(2)の混合物)中のアクリル酸に由来する構造単位のモル分率は1.5%である。
(粘着剤bの製造)
アクリル樹脂(1)の溶液に代えて、アクリル樹脂(1’)の溶液を用いた以外は、粘着剤aと同様にしてシート状の粘着剤bを得た。この粘着剤bに含まれるアクリル樹脂(アクリル樹脂(1’)とアクリル樹脂(2)の混合物)中のアクリル酸に由来する構造単位のモル分率は8.1%である。
アクリル樹脂(1)の溶液に代えて、アクリル樹脂(1’)の溶液を用いた以外は、粘着剤aと同様にしてシート状の粘着剤bを得た。この粘着剤bに含まれるアクリル樹脂(アクリル樹脂(1’)とアクリル樹脂(2)の混合物)中のアクリル酸に由来する構造単位のモル分率は8.1%である。
実施例1
図2は実施例1における粘着剤付き偏光板の作製方法を示す断面模式図である。第一の透明保護フィルム2として、透湿度502g/m2・24hrのトリアセチルセルロースフィルム2’の片面にアクリル系ハードコート層5が設けられ、当該ハードコート層5の表面に、さらにスパッタリング法により金属酸化物膜からなる反射防止層6を設けて、反射防止機能と低い透湿度を発現させたものを使用した。第一の透明保護フィルム2の透湿度は2.40g/m2・24hr、厚みは約85μmであった。
図2は実施例1における粘着剤付き偏光板の作製方法を示す断面模式図である。第一の透明保護フィルム2として、透湿度502g/m2・24hrのトリアセチルセルロースフィルム2’の片面にアクリル系ハードコート層5が設けられ、当該ハードコート層5の表面に、さらにスパッタリング法により金属酸化物膜からなる反射防止層6を設けて、反射防止機能と低い透湿度を発現させたものを使用した。第一の透明保護フィルム2の透湿度は2.40g/m2・24hr、厚みは約85μmであった。
また、第二の透明保護フィルム3として、トリアセチルセルロースフィルム3’の片面にディスコティック液晶の配向塗布層からなる光学補償層8が設けられたもの(富士フィルム(株)製の“WV−SA”)を用いた。第二の保護フィルム3の厚みは約83μmであった。
透明保護フィルム2及び3をそれぞれトリアセチルセルロースフィルム2’,3’側で接着剤を介して偏光子1(厚み:約25μm)に接着し、偏光板を作成した。得られた偏光板における第二の保護フィルム3の光学補償層8側に、シート状の粘着剤aをラミネーターを用いて貼り合せたのち、温度23℃、湿度65%の条件で10日間熟成させて粘着剤層9が設けられた粘着剤付き偏光板を得た。得られた粘着剤付き偏光板の耐久性試験結果を表1に示した。
比較例1
シート状の粘着剤aに代えて、シート状の粘着剤bを用いた他は、実施例1と同様にして、粘着剤付き偏光板を得た。得られた粘着剤付き偏光板の耐久性試験結果を表1に示した。
シート状の粘着剤aに代えて、シート状の粘着剤bを用いた他は、実施例1と同様にして、粘着剤付き偏光板を得た。得られた粘着剤付き偏光板の耐久性試験結果を表1に示した。
1……偏光子、
2……第一の透明保護フィルム、
2’……第一の透明基材フィルム、
3……第二の透明保護フィルム、
3’……第二の透明基材フィルム
4……表面処理層、
5……ハードコート層、
6……反射防止層、
8……光学補償層、
9……粘着剤層、
10……離型フィルム。
2……第一の透明保護フィルム、
2’……第一の透明基材フィルム、
3……第二の透明保護フィルム、
3’……第二の透明基材フィルム
4……表面処理層、
5……ハードコート層、
6……反射防止層、
8……光学補償層、
9……粘着剤層、
10……離型フィルム。
Claims (8)
- 偏光子を第一の透明保護フィルム及び第二の透明保護フィルムで挟み込んでなる偏光板と、その第二の透明保護フィルムの偏光子とは反対側に設けられた粘着剤層とからなる粘着剤付き偏光板であって、
第一の透明保護フィルムは、温度40℃、相対湿度90%における透湿度が0〜50g/m2・24hrであり、
粘着剤層は、樹脂からなり、樹脂中のカルボキシル基を含む構造単位のモル分率が、樹脂中の全構造単位を基準に、0〜2.5%であることを特徴とする粘着剤付き偏光板。 - 第一の透明保護フィルムは、透明基材フィルムと、その偏光子とは反対側に設けられた表面処理層とからなる請求項1に記載の粘着剤付き偏光板。
- 透明基材フィルムは、温度40℃、相対湿度90%における透湿度が50g/m2・24hrを超える請求項2に記載の粘着剤付き偏光板。
- 透明基材フィルムは、セルロース系樹脂からなる請求項2又は3に記載の粘着剤付き偏光板。
- 表面処理層は、スパッタリングによる反射防止層からなる請求項2〜4のいずれかに記載の粘着剤付き偏光板。
- 第二の透明保護フィルムは、透明基材フィルムと、その偏光子とは反対側に設けられた光学補償層とからなる請求項1〜5のいずれかに記載の粘着剤付き偏光板。
- 第一の透明保護フィルムは、厚みが20〜110μmである請求項1〜6のいずれかに記載の粘着剤付き偏光板。
- 第二の透明保護フィルムは、厚みが20〜110μmである請求項1〜7のいずれかに記載の粘着剤付き偏光板。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2009
- 2009-03-30 JP JP2009081639A patent/JP2010231160A/ja active Pending
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