JP2019204111A - 位相差層付偏光板および有機el表示装置 - Google Patents

位相差層付偏光板および有機el表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】反射光のムラを抑制し、視認性を改善する。【解決手段】位相差層付偏光板10は、偏光子1と第1位相差層2と第2位相差層3とをこの順に備え、偏光子1と第1位相差層2とが第1接着剤層4を介して貼り合わされ、第1位相差層2と第2位相差層3とが第2接着剤層5を介して貼り合わされ、第1位相差層2および第2位相差層3の厚みが5μm以下であり、第2接着剤層5の平均屈折率は、1.55以上であるとともに、第1位相差層2の平均屈折率との差、第2位相差層3の平均屈折率との差が0.08未満である。【選択図】図1

Description

本発明は、位相差層付偏光板および有機EL表示装置に関する。
表示装置の表示画面における外光反射や背景の映り込みによる視認性不良を改善するために、表示パネルの視認側に円偏光板が配置された表示装置が知られている。特許文献1および2には、黒表示における斜め方向からの入射光の反射を低減し、優れた斜め方向の反射色相を実現した偏光板および上記偏光板を備えた表示装置が提案されている。
特開2015−111236号公報 特開2015−210459号公報
しかしながら、特許文献1および2に記載される偏光板を用いた表示装置は、反射光にムラが生じ、視認性が不十分であるという問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであって、その目的は、反射光のムラを抑制し、視認性を改善し得る位相差層付偏光板および上記位相差層付偏光板を備えた有機EL表示装置を提供することにある。
本発明の位相差層付偏光板は、偏光子と第1位相差層と第2位相差層とをこの順に備え、 前記偏光子と前記第1位相差層とが第1接着剤層を介して貼り合わされ、前記第1位相差層と前記第2位相差層とが第2接着剤層を介して貼り合わされ、前記第1位相差層および前記第2位相差層の厚みが5μm以下であり、前記第2接着剤層の平均屈折率は、1.55以上であるとともに、前記第1位相差層の平均屈折率との差、および前記第2位相差層の平均屈折率との差が0.08未満である。
1つの実施形態においては、前記第1接着剤層の平均屈折率は、前記偏光子の平均屈折率との差、および前記第1位相差層の平均屈折率との差が0.06以下である。
1つの実施形態においては、前記第1接着剤層および前記第2接着剤層の厚みが6μm以下である。
1つの実施形態においては、前記第1位相差層および前記第2位相差層が、それぞれ、液晶化合物の配向固化層である。
1つの実施形態においては、前記第1位相差層がλ/2板であり、前記第2位相差層がλ/4板である。
1つの実施形態においては、前記偏光子の厚みが12μm以下である。
1つの実施形態においては、前記偏光子から前記第2位相差層までの厚みが35μm以下である。
本発明の別の局面によれば、有機EL表示装置が提供される。この有機EL表示装置は、上記位相差層付偏光板を備える。
本発明によれば、反射光のムラを抑制し、視認性を改善し得る位相差層付偏光板および上記位相差層付偏光板を備えた有機EL表示装置を提供することができる。
本発明の1つの実施形態に係る位相差層付偏光板の断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した面内位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re=(nx−ny)×dによって求められる。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差である。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth=(nx−nz)×dによって求められる。
A.位相差層付偏光板
図1は、本発明の1つの実施形態に係る位相差層付偏光板の断面図である。位相差層付偏光板10は、偏光子1と第1位相差層2と第2位相差層3とをこの順に備えている。
第1位相差層2および第2位相差層3の厚みは、それぞれ、5μm以下である。第1位相差層2は代表的にはλ/2板として機能し、第2位相差層3は代表的にはλ/4板として機能する。第1位相差層2は遅相軸を有する。1つの実施形態では、第1位相差層2の遅相軸と偏光子1の吸収軸とのなす角度は、例えば5°〜25°であり、好ましくは10°〜20°であり、より好ましくは10°〜17°であり、さらに好ましくは約15°である。第2位相差層3もまた遅相軸を有する。第2位相差層3の遅相軸と偏光子1の吸収軸とのなす角度は、例えば60°〜90°であり、好ましくは65°〜85°であり、より好ましくは70°〜78°であり、さらに好ましくは約75°である。第1位相差層2の遅相軸と第2位相差層3の遅相軸とのなす角度は、例えば50°〜70°であり、好ましくは52°〜65°であり、より好ましくは55°〜65°であり、さらに好ましくは約60°である。
別の実施形態では、第1位相差層2の遅相軸と偏光子1の吸収軸とのなす角度は、例えば−5°〜−25°であり、好ましくは−10°〜−20°であり、より好ましくは−10°〜−17°であり、さらに好ましくは約−15°である。第2位相差層3もまた遅相軸を有する。第2位相差層3の遅相軸と偏光子1の吸収軸とのなす角度は、例えば−60°〜−90°であり、好ましくは−65°〜−85°であり、より好ましくは−70°〜−78°であり、さらに好ましくは約−75°である。第1位相差層2の遅相軸と第2位相差層3の遅相軸とのなす角度は、例えば50°〜70°であり、好ましくは52°〜65°であり、より好ましくは55°〜65°であり、さらに好ましくは約60°である。
さらに別の実施形態では、第1位相差層2の遅相軸と偏光子1の吸収軸とのなす角度は、例えば60°〜90°であり、好ましくは65°〜85°であり、より好ましくは70°〜78°であり、さらに好ましくは約75°である。第2位相差層3もまた遅相軸を有する。第2位相差層3の遅相軸と偏光子1の吸収軸とのなす角度は、例えば5°〜25°であり、好ましくは10°〜20°であり、より好ましくは10°〜17°であり、さらに好ましくは約15°である。第1位相差層2の遅相軸と第2位相差層3の遅相軸とのなす角度は、例えば50°〜70°であり、好ましくは52°〜65°であり、より好ましくは55°〜65°であり、さらに好ましくは約60°である。
さらに別の実施形態では、第1位相差層2の遅相軸と偏光子1の吸収軸とのなす角度は、例えば−60°〜−90°であり、好ましくは−65°〜−85°であり、より好ましくは−70°〜−78°であり、さらに好ましくは約−75°である。第2位相差層3もまた遅相軸を有する。第2位相差層3の遅相軸と偏光子1の吸収軸とのなす角度は、例えば−5°〜−25°であり、好ましくは−10°〜−20°であり、より好ましくは−10°〜−17°であり、さらに好ましくは約−15°である。第1位相差層2の遅相軸と第2位相差層3の遅相軸とのなす角度は、例えば50°〜70°であり、好ましくは52°〜65°であり、より好ましくは55°〜65°であり、さらに好ましくは約60°である。
偏光子1と第1位相差層2とは第1接着剤層4を介して貼り合わされており、第1位相差層2と第2位相差層3とは第2接着剤層5を介して貼り合わされている。第1接着剤層4および第2接着剤層5の厚みは、それぞれ、代表的には6μm以下である。第1接着剤層4の平均屈折率と、第1接着剤層4に隣接する層(偏光子1および第1位相差層2)の平均屈折率との差は、代表的には0.12未満である。第1接着剤層4の平均屈折率と、上記隣接する層の平均屈折率との差は、好ましくは0.10未満であり、より好ましくは0.08未満であり、さらに好ましくは0.06以下である。第2接着剤層5の平均屈折率は、1.55以上であるとともに、第2接着剤層5に隣接する層(第1位相差層2および第2位相差層3)の平均屈折率との差が0.08未満である。第2接着剤層5の平均屈折率と、上記隣接する層の平均屈折率との差は、好ましくは0.06以下であり、より好ましくは0.01以下である。上記の位相差層付偏光板10を表示装置に用いることによって、表示装置の反射光のムラを抑制し、視認性を改善し得る。なお、位相差層付偏光板10は、偏光子1の第1位相差層2とは反対側に保護フィルム(図示せず)を有していてもよい。
位相差層付偏光板10の厚み(偏光子1/第1接着剤層4/第1位相差層2/第2接着剤層5/第2位相差層3の合計厚み)は、好ましくは4μm〜35μmであり、より好ましくは6μm〜20μmである。
B.偏光子
偏光子1としては、任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、偏光子を形成する樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムであってもよく、二層以上の積層体であってもよい。
単層の樹脂フィルムから構成される偏光子の具体例としては、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質による染色処理および延伸処理が施されたもの、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。好ましくは、光学特性に優れることから、PVA系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸して得られた偏光子が用いられる。
上記ヨウ素による染色は、例えば、PVA系フィルムをヨウ素水溶液に浸漬することにより行われる。上記一軸延伸の延伸倍率は、好ましくは3〜7倍である。延伸は、染色処理後に行ってもよいし、染色しながら行ってもよい。また、延伸してから染色してもよい。必要に応じて、PVA系フィルムに、膨潤処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が施される。例えば、染色の前にPVA系フィルムを水に浸漬して水洗することで、PVA系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、PVA系フィルムを膨潤させて染色ムラなどを防止することができる。
積層体を用いて得られる偏光子の具体例としては、樹脂基材と当該樹脂基材に積層されたPVA系樹脂層(PVA系樹脂フィルム)との積層体、あるいは、樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子が挙げられる。樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子は、例えば、PVA系樹脂溶液を樹脂基材に塗布し、乾燥させて樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成して、樹脂基材とPVA系樹脂層との積層体を得ること;当該積層体を延伸および染色してPVA系樹脂層を偏光子とすること;により作製され得る。本実施形態においては、延伸は、代表的には積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することを含む。さらに、延伸は、必要に応じて、ホウ酸水溶液中での延伸の前に積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸することをさらに含み得る。得られた樹脂基材/偏光子の積層体はそのまま用いてもよく(すなわち、樹脂基材を偏光子の保護層としてもよく)、樹脂基材/偏光子の積層体から樹脂基材を剥離し、当該剥離面に目的に応じた任意の適切な保護層を積層して用いてもよい。このような偏光子の製造方法の詳細は、例えば特開2012−73580号公報に記載されている。当該公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
偏光子1の厚みは、好ましくは12μm以下であり、より好ましくは1μm〜10μmであり、さらに好ましくは3μm〜8μmであり、特に好ましくは3μm〜5μmである。偏光子1の厚みがこのような範囲であれば、位相差層付偏光板10全体を薄型化することができる。樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いることにより、上記のような薄型の偏光子1を作製し得る。
偏光子1は、好ましくは、波長380nm〜780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光子の単体透過率は、好ましくは42.0%〜46.0%であり、より好ましくは44.5%〜46.0%である。偏光子の偏光度は、好ましくは97.0%以上であり、より好ましくは99.0%以上であり、さらに好ましくは99.9%以上である。
偏光子1の平均屈折率は、好ましくは1.48〜1.65であり、代表的には1.55である。偏光子1の平均屈折率が上記範囲内の値であれば、第1接着剤層4の平均屈折率との差の調整が容易である。
C.第1位相差層および第2位相差層
上記のとおり、本発明の1つの実施形態において、第1位相差層2はλ/2板として機能し得、第2位相差層3はλ/4板として機能し得る。第1位相差層2がλ/2板として機能することにより、λ/4板として機能する第2位相差層3との積層後の波長分散特性(特に、位相差がλ/4を外れる波長範囲)について、位相差が適切に調節され得、広い波長範囲での円偏光機能を発揮することができる。
このような第1位相差層2の面内位相差Re(550)は、180nm〜320nmであり、好ましくは200nm〜300nmであり、さらに好ましくは200nm〜280nmである。第1位相差層2は、代表的にはnx>ny=nzまたはnz=nx>nyの屈折率楕円体を有する。また、このような第2位相差層3の面内位相差Re(550)は、80nm〜180nmであり、好ましくは90nm〜170nmであり、さらに好ましくは100nm〜150nmである。第2位相差層3は、代表的にはnx>ny=nzまたはnz=nx>nyの屈折率楕円体を有する。
第1位相差層2の平均屈折率は、好ましくは1.50〜1.70であり、代表的には1.59または1.60である。第1位相差層2の平均屈折率が上記範囲内の値であれば、第1接着剤層4および/または第2接着剤層5の平均屈折率との差を0.12未満(さらには0.06以下)とし得る。第1位相差層2の厚みは、好ましくは1μm〜5μmであり、より好ましくは1μm〜3μmであり、特に好ましくは2μmである。
第2位相差層3の平均屈折率は、好ましくは1.50〜1.70であり、代表的には1.59または1.60である。第2位相差層3の平均屈折率が上記範囲内の値であれば、第2接着剤層5の平均屈折率との差を0.08未満とし得る。第2位相差層3の厚みは、好ましくは1μm〜5μmであり、より好ましくは1μm〜3μmであり、特に好ましくは1μmである。
1つの実施形態においては、第1位相差層2および/または第2位相差層3は、液晶化合物の配向固化層であり得る。液晶化合物を用いることにより、得られる第1位相差層2および/または第2位相差層3のnxとnyとの差を非液晶材料に比べて格段に大きくすることができるので、所望の面内位相差を得るための第1位相差層および/または第2位相差層の厚みを格段に小さくすることができる。その結果、位相差層付偏光板10(最終的には、有機EL表示装置)のさらなる薄型化を実現することができる。本明細書において「配向固化層」とは、液晶化合物が層内で所定の方向に配向し、その配向状態が固定されている層をいう。
1つの実施形態においては、代表的には、棒状の液晶化合物が第1位相差層2(第2位相差層3)の遅相軸方向に並んだ状態で配向している(ホモジニアス配向)。液晶化合物としては、例えば、液晶相がネマチック相である液晶化合物(ネマチック液晶)が挙げられる。上記液晶化合物として、例えば、液晶ポリマーや液晶モノマーが使用可能である。液晶化合物の液晶性の発現機構は、リオトロピックでもサーモトロピックでもどちらでもよい。液晶ポリマーおよび液晶モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、組み合わせてもよい。上記液晶モノマーとしては、任意の適切な液晶モノマーが採用され得る。例えば、特表2002−533742(WO00/37585)、EP358208(US5211877)、EP66137(US4388453)、WO93/22397、EP0261712、DE19504224、DE4408171、およびGB2280445等に記載の重合性メソゲン化合物等が使用できる。このような重合性メソゲン化合物の具体例としては、例えば、BASF社の商品名LC242、Merck社の商品名E7、Wacker−Chem社の商品名LC−Sillicon−CC3767が挙げられる。液晶モノマーとしては、例えばネマチック性液晶モノマーが好ましい。液晶化合物の具体例および配向固化層の形成方法の詳細は、特開2006−163343号公報に記載されている。当該公報の記載は本明細書に参考として援用される。
別の実施形態においては、代表的には、円盤状の液晶化合物が、垂直配向、ハイブリッド配向及び傾斜配向のいずれかの状態で配向している。液晶化合物としては、例えば、ディスコティック液晶性化合物が挙げられる。ディスコティック液晶性化合物は、代表的には、ディスコティック液晶性化合物の円盤面が第1位相差層(第2位相差層)のフィルム面に対して実質的に垂直に配向している。ディスコティック液晶性化合物が実質的に垂直とは、フィルム面とディスコティック液晶性化合物の円盤面とのなす角度の平均値が70°〜90°の範囲内であることを意味する。80°〜90°がより好ましく、85°〜90°が更に好ましい。ディスコティック液晶性化合物としては、例えば、特開2007−108732号や特開2010−244038号に記載のものを好ましく用いることができるが、これらに限定されない。
D.第1接着剤層
上述のとおり、第1接着剤層4の平均屈折率は、第1接着剤層4に隣接する層の平均屈折率との差が0.12未満である。位相差層の厚みが薄い(例えば5μm以下)薄型の位相差層付偏光板を表示装置に用いた場合、位相差層付偏光板を構成する各層の間に屈折率差により、各層の厚みムラや凹凸等が干渉ムラとして視認され得る。これに対して、第1接着剤層4の平均屈折率と、第1接着剤層4に隣接する層の平均屈折率との差が0.12未満であることにより、上記の干渉ムラを抑制し得、その結果、視認性を改善し得る。
第1接着剤層4の平均屈折率は、好ましくは1.52〜1.64であり、より好ましくは1.55〜1.64である。第1接着剤層4の厚みは、好ましくは10nm〜6μm、さらに好ましくは200nm〜2μmである。
第1接着剤層4を構成し得る接着剤は、好ましくは透明性および光学的等方性を有する。接着剤として、代表的には活性エネルギー線硬化型接着剤が用いられ得る。活性エネルギー線硬化型接着剤としては、ラジカル硬化型、カチオン硬化型、アニオン硬化型など必要に応じて選択することができ、例えば、ラジカル硬化型とカチオン硬化型のハイブリッドなど、適宜組み合わせて使用することも可能である。ラジカル硬化型接着剤としては、例えば、硬化成分として、(メタ)アクリレート基や(メタ)アクリルアミド基などのラジカル重合性基を有する化合物(例えば、モノマーおよび/またはオリゴマー)を含有する接着剤が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよび/メタクリルをいう。
活性エネルギー線硬化型接着剤としては、二重結合含有のモノマーおよび/またはオリゴマーや架橋剤等の種類、組み合わせ、および配合割合を調整することにより、所望の特性(例えば、硬化後の屈折率)を有する活性エネルギー線硬化型接着剤を得ることができる。硬化後の屈折率を調整し得る成分としては、例えば、芳香環を有する化合物、ハロゲン原子を有する化合物、および硫黄原子を有する化合物、チタニア、ジルコニア等の無機粒子が挙げられる。芳香環を有する化合物として、ナフタレン骨格、フェノキシベンジル骨格、フルオレン骨格、および9−ビニルカルバゾール骨格を有する化合物が挙げられる。また、希釈剤成分として(メタ)アクリロイル基を含有する化合物、可塑剤としてアクリル系オリゴマー、および、光重合開始剤としてラジカル系光重合開始剤を含み得る。
E.第2接着剤層
第2接着剤層5は、任意の適切な接着剤で構成され得る。上述のとおり、第2接着剤層5の平均屈折率は、第2接着剤層5に隣接する層の平均屈折率との差が0.08未満である。これにより、上記の干渉ムラを抑制し得、その結果、視認性を改善し得る。
第2接着剤層5の平均屈折率は、1.55以上であり、好ましくは1.55〜1.64であり、より好ましくは1.55〜1.63である。第2接着剤層5の厚みは、好ましくは10nm〜6μm、さらに好ましくは200nm〜2μmである。第2接着剤層5を構成し得る接着剤は、D項で第1接着剤層4について説明した接着剤と同様である。
F.保護フィルム
保護フィルムは、偏光子1の保護フィルムとして使用できる任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。
上記(メタ)アクリル系樹脂としては、Tg(ガラス転移温度)が、好ましくは115℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは125℃以上、特に好ましくは130℃以上である。耐久性に優れ得るからである。上記(メタ)アクリル系樹脂のTgの上限値は特に限定されないが、成形性等の観点から、好ましくは170℃以下である。
上記(メタ)アクリル系樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲内で、任意の適切な(メタ)アクリル系樹脂を採用し得る。例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂など)、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体など)が挙げられる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキルが挙げられる。より好ましくは、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂が挙げられる。
上記(メタ)アクリル系樹脂の具体例としては、例えば、三菱レイヨン社製のアクリペットVHやアクリペットVRL20A、特開2004−70296号公報に記載の分子内に環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂、分子内架橋や分子内環化反応により得られる高Tg(メタ)アクリル系樹脂が挙げられる。
上記(メタ)アクリル系樹脂として、高い耐熱性、高い透明性、高い機械的強度を有する点で、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂が特に好ましい。上記ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂としては、特開2000−230016号公報、特開2001−151814号公報、特開2002−120326号公報、特開2002−254544号公報、特開2005−146084号公報などに記載の、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂が挙げられる。
上記ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂は、質量平均分子量(重量平均分子量と称することもある)が、好ましくは1000〜2000000、より好ましくは5000〜1000000、さらに好ましくは10000〜500000、特に好ましくは50000〜500000である。
上記ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂は、Tg(ガラス転移温度)が、好ましくは115℃以上、より好ましくは125℃以上、さらに好ましくは130℃以上、特に好ましくは135℃、最も好ましくは140℃以上である。耐久性に優れ得るからである。上記ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂のTgの上限値は特に限定されないが、成形性等の観点から、好ましくは170℃以下である。なお、本明細書において「(メタ)アクリル系」とは、アクリル系および/またはメタクリル系をいう。
本発明の位相差層付偏光板10は、代表的には画像表示装置の視認側に配置され、保護フィルムは、代表的にはその視認側に配置される。したがって、保護フィルムには、必要に応じて、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、アンチグレア処理等の表面処理が施されていてもよい。
保護フィルムの厚みは、本発明の効果が得られる限りにおいて、任意の適切な厚みが採用され得る。保護フィルムの厚みは、例えば10μm〜100μmであり、好ましくは12μm〜90μmである。なお、表面処理が施されている場合、保護フィルムの厚みは、表面処理層の厚みを含めた厚みである。
G.表示装置
上記A項からF項に記載の位相差層付偏光板は、液晶表示装置および有機EL表示装置などの表示装置に適用され得る。したがって、本発明は、上記位相差層付偏光板を用いた表示装置を包含する。本発明の実施形態による表示装置は、表示素子と、表示素子の視認側に配置された上記A項からF項に記載の位相差層付偏光板を備える。位相差層付偏光板は、第2位相差層3が表示素子側となるように配置されている。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各特性の測定方法は以下の通りである。
1.偏光子の屈折率測定
プリズムカプラーSPA−4000(サイロンテクノロジー製)を用いて、偏光子の面内の屈折率のうち、吸収軸に垂直な方向の屈折率および吸収軸方向の屈折率、並びに厚さ方向の屈折率を測定し、これら平均値を偏光子の平均屈折率とした。測定温度は23℃、測定波長は532nmとした。
2.位相差層の屈折率測定
プリズムカプラーSPA−4000(サイロンテクノロジー製)を用いて、位相差フィルムの面内の屈折率のうち、遅相軸に垂直な方向の屈折率および遅相軸方向の屈折率、並びに厚さ方向の屈折率を測定し、これら平均値を位相差層の平均屈折率とした。測定温度は23℃、測定波長は532nmとした。
3.接着剤層の屈折率測定
プリズムカプラーSPA−4000(サイロンテクノロジー製)を用いて、接着剤層を構成する接着剤の硬化物の面内の屈折率、厚さ方向の屈折率をそれぞれ測定し、これら平均値を接着剤層の平均屈折率とした。測定温度は23℃、測定波長は532nmとした。
4.位相差層の位相差測定
Axoscan(Axometrics社製)を用いて測定した。測定温度は23℃、測定波長は550nmとした。
(偏光子の作製)
樹脂基材として、非晶質ポリエチレンテレフタレート(A−PET)フィルム(三菱樹脂社製、商品名「ノバクリア」、厚み:100μm)を用いた。樹脂基材の片面に、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂(日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセノール(登録商標)NH−26」)の水溶液を60℃で塗布および乾燥して、厚み7μmのPVA系樹脂層を形成した。このようにして得られた積層体を、液温30℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化工程)。次いで、液温30℃の染色浴(水100重量部に対して、ヨウ素を0.2重量部配合し、ヨウ化カリウムを2重量部配合して得られたヨウ素水溶液)に60秒間浸漬させた(染色工程)。次いで、液温30℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を3重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋工程)。その後、積層体を、液温60℃のホウ酸水溶液(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合し、ヨウ化カリウムを5重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に一軸延伸を行った(工程B)。ホウ酸水溶液への浸漬時間は120秒であり、積層体が破断する直前まで延伸した。その後、積層体を洗浄浴(水100重量に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた後、60℃の温風で乾燥させた(洗浄・乾燥工程)。このようにして、樹脂基材上に厚み5μmの偏光子が形成された積層体を得た。次いで、偏光子から樹脂基材を剥離し、偏光子の一方の面に、保護フィルムとして特開2012−3269号公報に記載のアクリル系透明保護フィルムを貼り合せることにより、保護フィルム付き偏光子を得た。上記保護フィルム付偏光子にコロナ処理を施して用いた。
(位相差層を構成する位相差フィルムの作製)
(位相差フィルムA)
配向膜をラビング処理したλ/2配向用透明樹脂基材に、棒状で重合性のネマチック性液晶モノマーを含む塗布液を塗布し、屈折率異方性を保持した状態で固化することにより、透明樹脂基材上に厚み2μmの位相差フィルムAを作製した。位相差フィルムAの面内の屈折率のうち、進相軸方向の屈折率は1.55、遅相軸方向の屈折率は1.68、厚さ方向の屈折率は1.55、これら平均屈折率は1.59であった。位相差フィルムAの面内位相差Re(550)は260nmであった。得られた位相差フィルムにコロナ処理を施して用いた。
(位相差フィルムB)
配向膜をラビング処理したλ/4配向用透明樹脂基材に、棒状で重合性のネマチック性液晶モノマーを含む塗布液を塗布し、屈折率異方性を保持した状態で固化することにより、透明樹脂基材上に厚み1μmの位相差フィルムAを作製した。位相差フィルムBの面内の屈折率のうち、進相軸方向の屈折率は1.55、遅相軸方向の屈折率は1.68、厚さ方向の屈折率は1.55、これら平均屈折率は1.59であった。位相差フィルムBの面内位相差Re(550)は120nmであった。得られた位相差フィルムにコロナ処理を施して用いた。
(位相差フィルムC)
セルロースアシレートからなる透明樹脂基材をアルカリ鹸化処理し、次いで、アルカリ鹸化処理したセルロースアシレートの表面に配向膜塗布液を塗布し乾燥することにより、λ/2配向処理した。次いで、透明支持体の配向処理面に、ディスコティック液晶性化合物を含む塗布液を塗布し、加熱およびUV照射をして液晶化合物の配向を固定化することにより、透明樹脂基材上に厚み2μmの位相差フィルムCを作製した。位相差フィルムCの面内の屈折率のうち、進相軸方向の屈折率は1.53、遅相軸方向の屈折率は1.64、厚さ方向の屈折率は1.64、これら平均屈折率は1.60であった。位相差フィルムCの面内位相差Re(550)は246nmであった。得られた位相差フィルムにコロナ処理を施して用いた。
(位相差フィルムD)
セルロースアシレートからなる透明樹脂基材をアルカリ鹸化処理し、次いで、アルカリ鹸化処理したセルロースアシレートの表面に配向膜塗布液を塗布し乾燥することにより、λ/4配向処理した。次いで、透明支持体の配向処理面に、ディスコティック液晶性化合物を含む塗布液を塗布し、加熱およびUV照射をして液晶化合物の配向を固定化することにより、透明樹脂基材上に厚み1μmの位相差フィルムDを作製した。位相差フィルムDの面内の屈折率のうち、進相軸方向の屈折率は1.53、遅相軸方向の屈折率は1.64、厚さ方向の屈折率は1.64、これら平均屈折率は1.60であった。位相差フィルムDの面内位相差Re(550)は123nmであった。得られた位相差フィルムにコロナ処理を施して用いた。
(接着剤層を構成する接着剤の作製)
(接着剤A)
プラクセルFA1DDM(ダイセル社製)50部、アクリロイルモルホリン(ACMO:登録商標)(興人社製)40部、ARFON UP−1190(東亞合成社製)10部、光重合開始剤(製品名「KAYACURE DETX−S」、日本化薬社製)3部、およびIRGACURE907(BASFジャパン社製)3部を混合し接着剤Aを調整した。得られた接着剤Aを光硬化(300mJ/cm)して得られた硬化物の面内の屈折率は1.52、厚さ方向の屈折率は1.52、これら平均屈折率は1.52であった。
(接着剤B)
ライトアクリレートPOB−A(共栄社化学製)40部、プラクセルFA1DDM(ダイセル社製)10部、アクリロイルモルホリン(ACMO:登録商標)(興人社製)40部、ARFON UP−1190(東亞合成社製)10部、光重合開始剤(製品名「KAYACURE DETX−S」、日本化薬社製)3部、およびIRGACURE907(BASFジャパン社製)3部を混合し接着剤Bを調整した。得られた接着剤Bを光硬化(300mJ/cm)して得られた硬化物の面内の屈折率は1.55、厚さ方向の屈折率は1.55、これら平均屈折率は1.55であった。
(接着剤C)
オグソールEA−F5710(大阪ガスケミカル社製)70部、プラクセルFA1DDM(ダイセル社製)10部、アクリロイルモルホリン(ACMO:登録商標)(興人社製)18部、ARFON UP−1190(東亞合成社製)5部、光重合開始剤(製品名「DAROCUR1173」、BASFジャパン社製)3部を混合し接着剤Cを調整した。得られた接着剤Cを光硬化(300mJ/cm)して得られた硬化物の面内の屈折率は1.60、厚さ方向の屈折率は1.60、これら平均屈折率は1.60であった。
(接着剤D)
9−ビニルカルバゾール(東京化成製)35部、オグソールEA−F5710(大阪ガスケミカル社製)40部、アクリロイルモルホリン(ACMO:登録商標)20部、ARFON UP−1190(東亞合成社製)5部、光重合開始剤(製品名「DAROCUR1173」、BASFジャパン社製)3部を混合し接着剤Dを調整した。得られた接着剤Dを光硬化(300mJ/cm)して得られた硬化物の面内の屈折率は1.64、厚さ方向の屈折率は1.64、これら平均屈折率は1.64であった。
<実施例1>
偏光子に第1接着剤層を構成する接着剤Aを塗工し、接着剤A塗工面に第1位相差層を構成する位相差フィルムAを、偏光子の吸収軸と位相差フィルムAの遅相軸とがなす角度が15°となるように透明樹脂基材から転写し、UV照射(300mJ/cm)して接着剤Aを硬化した。次いで、位相差フィルムAの偏光子と反対側の面に第2接着剤層を構成する接着剤Bを塗工し、接着剤B塗工面に第2位相差層を構成する位相差フィルムDを、偏光子の吸収軸と位相差フィルムDの遅相軸とがなす角度が75°であり、かつ位相差フィルムAの遅相軸と位相差フィルムDの遅相軸とがなす角度が60°となるように透明樹脂基材から転写し、UV照射(300mJ/cm)して接着剤Bを硬化することにより、位相差層付偏光板を得た。硬化した接着剤A(第1接着剤層)の厚みは1μmであり、硬化した接着剤B(第2接着剤層)の厚みは1μmであった。
<実施例2>
第1接着剤層を構成する接着剤として接着剤Bを用いたこと以外は実施例1と同様にして位相差層付偏光板を作製した。
<実施例3>
第2接着剤層を構成する接着剤として接着剤Cを用いたこと以外は実施例2と同様にして位相差層付偏光板を作製した。
<実施例4>
第1接着剤層を構成する接着剤として接着剤Cを用い、第2接着剤層を構成する接着剤として接着剤Dを用いたこと以外は実施例1と同様にして位相差層付偏光板を作製した。
<実施例5>
偏光子に第1接着剤層を構成する接着剤Bを塗工し、接着剤B塗工面に第1位相差層を構成する位相差フィルムCを、偏光子の吸収軸と位相差フィルムCの遅相軸とがなす角度が75°となるように透明樹脂基材から転写し、UV照射(300mJ/cm)して接着剤Bを硬化した。次いで、位相差フィルムCの偏光子と反対側の面に第2接着剤層を構成する接着剤Bを塗工し、接着剤B塗工面に第2位相差層を構成する位相差フィルムBを、偏光子の吸収軸と位相差フィルムBの遅相軸とがなす角度が15°であり、かつ位相差フィルムCの遅相軸と位相差フィルムBの遅相軸とがなす角度が60°となるように透明樹脂基材から転写し、UV照射(300mJ/cm)して接着剤Bを硬化することにより、位相差層付偏光板を得た。硬化した接着剤B(第1接着剤層)の厚みは1μmであり、硬化した接着剤B(第2接着剤層)の厚みは1μmであった。
<実施例6>
第1位相差層を構成する位相差フィルムとして位相差フィルムCを用い、第2位相差層を構成する位相差フィルムとして位相差フィルムDを用いたこと以外は実施例2と同様にして位相差層付偏光板を作製した。
<実施例7>
第2位相差層を構成する位相差フィルムとして位相差フィルムBを用いたこと以外は実施例2と同様にして位相差層付偏光板を作製した。
<比較例1>
第2接着剤層を構成する接着剤として接着剤Aを用いたこと以外は実施例1と同様にして位相差層付偏光板を作製した。
<比較例2>
第1接着剤層を構成する接着剤として接着剤Bを用いたこと以外は比較例1と同様にして偏光板を作製した。
(評価)
各実施例および比較例の位相差層付偏光板を、アクリル系粘着剤を介して反射板に貼り合せ、三波長管下で外観を目視観察した。以下の基準で評価した結果を表1に示す。
ムラが視認されなかった・・・◎
ムラがほとんど視認されなかった(実使用上問題なし)・・・○
ムラが視認された・・・×
Figure 2019204111
本発明の位相差層付偏光板は、例えば、画像表示装置に好適に用いられる。具体的には、液晶テレビ、液晶ディスプレイ、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯ゲーム機、カーナビゲーション、コピー機、プリンター、ファックス、時計、電子レンジ等の液晶パネル、有機ELデバイスの反射防止板等として好適に用いられる。
1 偏光子
2 第1位相差層
3 第2位相差層
4 第1接着剤層
5 第2接着剤層
10 位相差層付偏光板

Claims (1)

  1. 偏光子と第1位相差層と第2位相差層とをこの順に備え、
    前記偏光子と前記第1位相差層とが第1接着剤層を介して貼り合わされ、
    前記第1位相差層と前記第2位相差層とが第2接着剤層を介して貼り合わされ、
    前記第1位相差層および前記第2位相差層の厚みが5μm以下であり、
    前記第2接着剤層の平均屈折率は、1.55以上であるとともに、前記第1位相差層の平均屈折率との差、および前記第2位相差層の平均屈折率との差が0.08未満である、位相差層付偏光板。

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