JP2006259622A - 偏光子保護フィルムおよび偏光板 - Google Patents

偏光子保護フィルムおよび偏光板

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JP2006259622A JP2005080575A JP2005080575A JP2006259622A JP 2006259622 A JP2006259622 A JP 2006259622A JP 2005080575 A JP2005080575 A JP 2005080575A JP 2005080575 A JP2005080575 A JP 2005080575A JP 2006259622 A JP2006259622 A JP 2006259622A
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勲夫 樋口
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    • C08J2323/08Copolymers of ethene

Abstract

【課題】 透明性、耐湿性、耐熱性、高い剛性を有し、光弾性係数が小さく、しかも脆さが改善され、生産ラインでのフィルム搬送性及びフィルム加工性、リワーク性に優れた偏光子保護フィルム及び光学特性、耐久性に優れた偏光板を得る。
【解決手段】 (A)マレイミド構成成分30〜98モル%とオレフィン構成成分70〜2モル%からなり、重量平均分子量が1×10〜5×10であるマレイミド−オレフィン系共重合体0.5〜99.5重量部と、(B)アクリロニトリル成分21〜45重量%を含むアクリロニトリル−スチレン系共重合体0〜99重量部と、(C)上記(A)、(B)の混合共重合体との屈折率差(測定波長589nm)が0.01以内である熱可塑性樹脂80〜0.5重量部とを含む樹脂組成物からなる偏光子保護フィルム。同偏光子保護フィルムを偏光子の少なくとも片面に貼り合わせて得られる偏光版。
【選択図】 なし

Description

本発明は、主として液晶表示装置(以下「LCD」と略す)に用いる偏光板およびこの偏光板の作製に用いる偏光子保護フィルムに関する。
LCDは、卓上電子計算機、電子時計、パソコン、ワープロ、液晶テレビ、自動車、機械類の計器類等に広く使用されている。この種のLCDは、一般に、液晶分子を封入した電極が組み込まれた液晶セルのガラス基板に、位相差フィルムや偏光板が貼り合わされて構成される。
上記偏光板は、通常、延伸配向したポリビニルアルコール(以下「PVA」と略す)のフィルムにヨウ素または二色性染料を吸着させてなる膜状の偏光子の両面に、偏光子を保護するための偏光子保護フィルムがサンドイッチ状に貼り合わされて構成される。
従来、偏光子保護フィルムとしては、セルローストリアセテート(以下「TAC」と略す)樹脂のフィルムが多用されてきた。しかし、TACは透湿性が必要以上に高いため、TACフィルムを用いた偏光板に耐湿耐久試験をすると、偏光板内に水分が侵入して、結果的に偏光子を退色させるという問題がある。また、偏光板に耐熱耐久試験を行うと、偏光板の辺に近い部分が額縁状に光抜け(コントラストが低下)し、視認性などの表示特性が悪化するという問題がある。
耐熱耐久試験で光抜けが起こる理由は、TACフィルムの光弾性係数が大きいためであることが一般に知られている。より詳しくは、プラスチックなどの透明な弾性体に応力が加わると、一時的に光学的異方体となり、光弾性係数×応力で表される光学的位相差が生じる。LCDでは光の偏光状態を制御することでディスプレイとして利用しているため、ディスプレイを構成する材料のうち、特に二枚の偏光子に挟まれた材料に位相差が生じると、上記の光抜けのような現象が起こる。
LCDに加わる外的な応力としては、偏光子の収縮応力が挙げられる。偏光板の耐熱耐久試験を行うと、偏光板中の偏光子に含まれる水分が蒸散して偏光子の体積が収縮する。更に、偏光子は一軸延伸により配向されているため、この配向が緩和することによっても偏光子が収縮する。これらの収縮に伴う応力により、偏光子保護フィルムに複屈折が発生する。
光弾性係数が大きいと収縮応力で発生する複屈折が大きくなるため、光弾性係数は小さいほうがよい。従来、偏光子保護フィルムとして用いられているTACフィルムは、光弾性係数が大きく複屈折が発生しやすいので、光弾性係数のより小さい材料が望まれていた。
これらの問題を解決するために、例えば、環状オレフィン系樹脂のひとつである飽和ノルボルネン系樹脂からなる偏光子保護フィルムを用いた偏光板が提案されている。環状オレフィン系樹脂は、透明性、耐湿性、耐熱性に優れ、かつ光弾性係数が小さいため、LCD用の偏光子保護フィルムや位相差フィルムなどの光学フィルムとして好ましい特性を有する。
しかし、偏光子の両面に上記偏光子保護フィルムを用いた偏光板においては、飽和ノルボルネン系樹脂は弾性率が低いため、表面硬度を高めるためにフィルム表面にハードコートのような表面加飾を行ったとしても、十分に高い表面硬度(鉛筆硬度)は得られない。LCDは液晶テレビへの用途が拡大しており、高い表面硬度が要求されている。そこで、表側に表面高度の高いTACフィルム、裏側に飽和ノルボルネン系樹脂フィルムを用いた偏光板を作製すると、この場合は、飽和ノルボルネン系樹脂の透湿度が低すぎ、また吸水率についてもTACと大きくかけ離れているため、得られる偏光板のカール(円筒状の反り)がひどく、液晶パネルへの貼り合わせ作業が難しくなるという問題がある。
一方、下記特許文献1には、マレイミド−オレフィン系共重合体とアクリロニトリル−スチレン共重合体とを含む樹脂組成物からなる透明フィルムが開示されており、この透明性フィルムの用途として、LCDの偏光フィルムや位相差フィルムが挙げられている。この透明フィルムは、透明性、耐湿性、耐熱性、機械的強度に優れ、光弾性係数が小さく、かつ高い弾性率を有するため、ハードコートのような表面加飾を行った場合に十分な表面硬度が得られる。また、適度な透湿度および吸水率を有するため、仮に表側にTACフィルム、裏側にこの透明フィルムを用いて偏光板を作製した場合でも、カールがほとんど起こらない。
ところが、特許文献1に開示の透明フィルムは、高弾性率で機械的強度が改善されてはいるものの、破断伸度が2〜3%程度しかないマレイミド−オレフィン系共重合体を含有するので非常に脆い。このため、上記樹脂組成物からフィルムを製造する工程やこのフィルムを用いて偏光板を製造する工程で、フィルムを曲げながら引っ張ったり、フィルムのたるみを均一にするために張力をかけて伸ばしたりすると、フィルムが破断することがあり、生産性が悪くなる等の様々な障害が発生するという問題がある。
更に、液晶表示装置の製造においては液晶セルに偏光板を貼り合わせる工程が行われるが、貼り合わせの際に気泡や異物を巻き込んだり、偏光板自体に欠陥があったりすることは不可避である。そこで、液晶セルに偏光板を貼り合わせる工程後に検査を行い、欠陥がある場合には偏光板を剥がして高価な液晶セルを再利用する、リワークと呼ばれる工程が行われている。このような再利用を可能にするためには、剥離時に偏光板を容易に剥離できることが必要であるが、脆いマレイミド系共重合体樹脂フィルムからなる偏光子保護フィルムや位相差フィルムを用いた偏光板では、剥離時にマレイミド系共重合体樹脂フィルムが破断してしまったりしてリワーク性に劣るという問題もあった。
なお、マレイミド−オレフィン系共重合体の脆さを改善する方法として、下記の特許文献2には、マレイミド−オレフィン系共重合体に、この共重合体との屈折率差(ただし測定波長589nm)が0.01以内である靱性に優れる非晶性ナイロンのような熱可塑性樹脂を配合した樹脂組成物からなる透明材料(レンズやガラスなど)が開示されている。しかし、この特許文献2には透明材料の用途としてレンズやガラスなどが記載されているだけで、偏光子保護フィルムのような特殊な用途に関しては、一切記載も示唆もされていない。
特開2000−80240号公報 特開平5−140377号公報
本発明は、上記の問題を解決するものであり、その目的とするところは、透明性、耐湿性、耐熱性、剛性その他の機械特性に優れ、光弾性係数が小さく、しかも脆さが改善され、生産ラインでのフィルム搬送性およびフィルム加工性、リワーク性に優れた偏光子保護フィルムおよび光学性能と耐久性に優れた偏光板を提供することにある。
本発明者は、上記の目的を達成するために鋭意検討の結果、マレイミド−オレフィン系共重合体とアクリロニトリル−スチレン共重合体との混合共重合体に、これと屈折率が0.01以内である熱可塑性樹脂を配合し、これを特に溶融混練して微細かつ均一に微分散させた樹脂組成物からなる透明フィルムが、偏光子保護フィルムとして優れた性能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の偏光子保護フィルムは、(A)下記の一般式(1)で表わされる構成成分30〜98モル%と下記の一般式(2)で表わされる構成成分70〜2モル%とからなり、ポリスチレン換算の重量平均分子量が1×10〜5×10のマレイミド−オレフィン系共重合体0.5〜99.5重量部と、(B)アクリロニトリル構成成分21〜45重量%を含むアクリロニトリル−スチレン系共重合体0〜99重量部と、(C)上記(A)又は(A)、(B)の混合物との屈折率差(ただし測定波長589nm)が0.01以内である熱可塑性樹脂が(A)、又は(A)、(B)の混合物100重量部に対し80〜0.5重量部を含む樹脂組成物からなることを特徴とする。
なお、上記熱可塑性樹脂としては非晶性ナイロンが好適である。
(ここで、Rは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、フェニル基、アルキル置換フェニル基またはハロゲン置換フェニル基を示す。)
(ここで、Rは水素または炭素数1〜8のアルキル基であり、RおよびRは炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
また、本発明の偏光板は、上記本発明の偏光子保護フィルムが偏光子の少なくとも片面に貼り合わされてなることを特徴とする。
本発明に用いるマレイミド−オレフィン系共重合体は、例えば、構成成分(1)を与えるN−置換あるいは非置換マレイミドモノマーと構成成分(2)を与えるオレフィンモノマーとのラジカル共重合反応により製造することができる。重合法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法および乳化重合法のいずれもが採用可能である。
構成成分(1)を与えるN−置換あるいは非置換マレイミドモノマーとしては、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−i−プロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−i−ブチルマレイミド、N−s−ブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−n−ペンチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイミド、N−n−ヘプチルマレイミド、N−n−オクチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(2−エチルフェニル)マレイミド、N−(2−イソプロピルフェニル)マレイミド、N−(3−メチルフェニル)マレイミド、N−(3−エチルフェニル)マレイミド、N−(4−メチルフェニル)マレイミド、N−(4−エチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリメチルフェニル)マレイミド、N−カルボキシフェニルマレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジクロロフェニル)マレイミド、N−(2−ブロモフェニル)マレイミド、N−(パーブロモフェニル)マレイミド、N−(2,4−ジメチルフェニル)マレイミド、パラトリルマレイミド等のN−置換マレイミド類およびマレイミドが用いられる。これらのモノマーのうち、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドが好ましい。これらのモノマーは1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
構成成分(2)を与えるオレフィンモノマーとしては、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、1−メチル−1−ヘプテン、1−イソオクテン、2−メチル−1−オクテン、2−エチル−1−ペンテン、2−メチル−2−ブテン、2−メチル−2−ペンテン、2−メチル−2−ヘキセン等があり、これらのモノマーのうちでは、イソブテンが好ましい。これらのモノマーは1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
構成成分(1)の含有量は、マレイミド−オレフィン系共重合体の30〜98モル%であり、40〜85モル%が好ましく、45〜80モル%がさらに好ましい。構成成分(1)が98モル%を超える場合には生成する共重合体は脆くなり、逆に30モル%未満の場合には生成する共重合体の耐熱性が低下するため好ましくない。
これらのマレイミド−オレフィン系共重合体は、さらに反応性基により変性したものを用いてもよい。反応性基としては、カルボン酸およびその誘導体あるいは金属塩、酸無水物基、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、アルコキシシリル基、イソシアネート基等が挙げられ、反応性基の含量は、マレイミド−オレフィン系共重合体に対して0〜30モル%、好ましくは0〜20モル%、さらに好ましくは0〜5モル%である。反応性基が30モル%を超える場合には、生成するポリマーの熱安定性および機械強度が低下するおそれがある。
これらの変性マレイミド−オレフィン系共重合体は、例えば、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリエトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、アリルアミン等の不飽和化合物とオレフィンモノマーを共重合させることにより製造できる。また、後述するように無水マレイン酸とオレフィン共重合体の後イミド化によりマレイミド−オレフィン系共重合体を得る場合には、イミド化量を調整することにより酸無水物単位を残存させることにより製造できる。
さらに、必要であれば、本発明の目的を損なわない範囲で、上記共重合体に他のビニル系モノマーを共重合させることができる。他のビニル系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、1,3−ブタジエン、イソプレンおよびこれらのハロゲン置換誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸エステル類、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ヘキセンより選ばれる1種類以上のモノマーが用いられる。
上記各種モノマーのラジカル共重合反応に用いる重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物、または、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−ブチロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系開始剤が挙げられる。
溶液重合法において使用可能な溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。重合温度は、開始剤の分解温度に応じて適宜設定することができるが、一般的には40〜150℃の範囲で行うことが好ましい。
また、本発明で用いるマレイミド−オレフィン系共重合体は、無水マレイン酸とオレフィン類との共重合により得られる共重合体を、アルキルアミン等を用いて後イミド化することにより得ることもできる。このような後イミド化反応は、例えば、無水マレイン酸−イソブテン共重合体を、溶融状態あるいはメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール溶媒あるいはベンゼン、トルエンなどの芳香族溶媒等に溶解あるいは分散させ、これをメチルアミンなどの一級アミンと100〜350℃の温度で反応させることにより行なうことができる。
本発明に用いる上記マレイミド−オレフィン系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1×10〜5×10であることが必要であり、1×10〜1×10のものが好ましい。重量平均分子量が5×10を超える場合にはフィルム成形性が悪くなり、逆に1×10未満の場合には、得られる樹脂フィルムが脆くなる傾向にある。ここで、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる。
本発明においては、上記マレイミド−オレフィン系共重合体にアクリロニトリル−スチレン系共重合体を配合した混合共重合体として用いてもよい。マレイミド−オレフィン系共重合体にアクリロニトリル−スチレン系共重合体を配合すると、マレイミド−オレフィン系共重合体の可撓性の乏しさや脆さなどが改善され機械的強度が向上する。この場合は、アクリロニトリル成分が21〜45重量%であるアクリロニトリル−スチレン系共重合体を用いることが必要である。この範囲であれば、マレイミド−オレフィン系共重合体とアクリロニトリル−スチレン系共重合体とが良く相溶し、この配合比を調節することで、後に述べる非晶性ナイロンに代表される熱可塑性樹脂との屈折率を精密に合わせ調整することが可能になる。アクリロニトリル構成成分が21〜45重量%の範囲を外れると、マレイミド−オレフィン系共重合体とアクリロニトリル−スチレン系共重合体との相溶性が低下するため、得られるフィルムは不透明になり、また耐熱性も低下するので好ましくない。
上記マレイミド−オレフィン系共重合体にアクリロニトリル構成成分21〜45重量%を含むアクリロニトリル−スチレン系共重合体を配合した混合共重合体を用いる場合、アクリロニトリル−スチレン系共重合体の配合割合は、アクリロニトリル−スチレン系共重合体が多いと、得られる偏光子保護フィルムや偏光板の耐熱性が低下するため、マレイミド−オレフィン系共重合体0.5〜99.5重量部に対して、アクリロニトリル−スチレン系共重合体99重量部以下が好ましく、特に50重量部以下が好ましい。
本発明においては、上記(A)又は(A)、(B)の混合物との屈折率差(ただし測定波長589nm)が0.01以内である熱可塑性樹脂が(A)、又は(A)、(B)の混合物100重量部に対し80〜0.5重量部が配合される。
上記熱可塑性樹脂の配合量が0.5重量部未満の場合は、得られる樹脂組成物からなるフィルムの剛性や弾性率が低下し、逆に80重量部より多い場合は、得られる樹脂組成物からなるフィルムの光弾性係数が大きくなるので好ましくない。また、上記混合共重合体と熱可塑性樹脂との屈折率差(測定波長589nm)が0.01を超えると、得られる樹脂組成物からなるフィルムは光散乱現象によって乳白色を呈するようになり、透明性(光線透過率)が悪くなるので好ましくない。特に、上記屈折率差は0.005以内が好ましい。
このような屈折率差の条件を満たす熱可塑性樹脂としては、結果的に強靱性が上がれば特に制限はないが、例えば非晶性ナイロンが好適である。非晶性ナイロンは非常に強靱であり、かつ、非晶性ナイロン中のアミド結合がマレイミド−オレフィン系共重合体中のイミド基と親和性が高いため、少量の配合でマレイミド−オレフィン系共重合体の強靱性を改善することができる。この非晶性ナイロンとは、ポリアミド骨格に結晶化を阻害するような構造を有するモノマー成分を導入したナイロン樹脂であり、ナイロン6やナイロン66のような直鎖脂肪族ナイロンとは異なり、ポリマーの結晶化がほとんど起こらないか、あるいは結晶化速度が非常に小さいナイロン樹脂を指している。尚、結晶化しにくいナイロン樹脂である難結晶性ナイロン樹脂も非晶性ナイロン樹脂の概念に含まれる。非晶性ナイロンは結晶性が低いため、透明性が優れており、屈折率を合わせれば、マレイミド−オレフィン系共重合体に配合しても、透明性を維持できる。このような非晶性ナイロンは、公知の方法、例えばジカルボン酸とジアミンの縮重合、ラクタムの開環縮重合等で得ることができる。また、このときに、結晶化を阻害する成分として、イソシアネートが含有されていても良い。なお、これらの非晶性ナイロンの中でも、光弾性係数が小さいものを用いることが好ましい。
ここで、非晶性ナイロンを構成するコモノマーは、酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などのジカルボン酸、ジアミン成分としては1,6−ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、4,4'−ジアミノ−ジシクロ−ヘキシレンメタン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチル−ジシクロ−ヘキシレンメタン、4,4'−ジアミノ−ジシクロ−ヘキシレンプロパン、イソホロンジアミン、ラクタム成分としてカプロラクタム、ラウロラクタム、イソシアネート成分として4,4'−ジフェニルメタン−ジイソシアネートが挙げられる。
これらのモノマーを用いて合成される非晶性ナイロンの例としては、エムスジャパン社製「グリルアミド」、三井・デュポンポリケミカル社製「シーラーPA」、東洋紡績社製 「T−714」、ユニチカ社製「CX−2500」等が挙げられる。
本発明における樹脂組成物において、上記(A)又は(A)、(B)の混合共重合体100部に対し熱可塑性樹脂(C)は80〜0.5重量部であることが必要であり、60〜10重量部、更に好ましくは50〜20重量部である。熱可塑性樹脂(C)が0.5重量部より少ないと、充分な強靱性改善効果が得られず、また熱可塑性樹脂(C)が多くなってこの範囲を外れると光弾性係数が高くなったり、フィルムを均一に成形することが困難になったりするため、好ましくない。
非晶性ナイロンの屈折率は1.53〜1.54である。一方、本発明において用いられる混合共重合体は、マレイミド−オレフィン系共重合体中のマレイミドの種類およびアクリロニトリル−スチレン系共重合体の配合割合に応じて、屈折率を1.50から1.58まで任意に変化させることができる。したがって、両者の屈折率を実質的に一致させることにより、光線透過率が85%以上の高い透明性を有し、かつ耐湿性、耐熱性、高い剛性、その他機械特性に優れ、光弾性係数が小さく、しかも脆さが改善された樹脂組成物が得られ、この樹脂組成物から透明な偏光子保護フィルムを得ることができる。
なお、上記樹脂組成物には、マレイミド−オレフィン系共重合体およびアクリロニトリル−スチレン系共重合体の少なくとも1成分および/または非晶性ナイロンの両者と相溶する第4成分を相溶化剤として添加して用いることもできる。また、マレイミド−オレフィン系共重合体およびアクリロニトリル−スチレン系共重合体の少なくとも1成分と非晶性ナイロンの反応性基と反応可能な第4成分を添加し両者の界面でブロックあるいはグラフト共重合体を生成させることもできる。さらに、マレイミド−オレフィン系共重合体および/または非晶性ナイロンの反応性基を導入した場合、反応を促進する目的で各種触媒を添加することもできる。
また、上記樹脂組成物には、さらに屈折率が実質的に等しい他の熱可塑性あるいは熱硬化性樹脂や固体状あるいは液体状ゴム等を混合することもできる。また、前記マレイミドとオレフィンとの共重合を非晶性ナイロンの存在下で行いグラフト重合体として使用することも可能である。
なお、本発明に用いる樹脂組成物には、必要に応じて、ヒンダードフェノール、有機リン酸エステルのような熱安定剤、ベンゾトリアゾール系あるいはヒンダードアミン系等の紫外線安定剤、帯電防止剤、各種潤滑剤等を添加してもよい。これら添加剤は種々併用して用いることもできる。
本発明に用いる樹脂組成物の調製としては、例えば、粉体あるいはペレット状のマレイミド−オレフィン系共重合体、アクリロニトリル−スチレン系共重合体、非晶性ナイロンおよびその他の添加剤を混合しあるいは混合せずに押出機に供給し溶融混練する方法、溶媒に溶解させて混合したあと、溶媒を除去する方法等が挙げられる
こうして得られる樹脂組成物を用いて偏光子保護フィルムを成形する方法としては、溶融押出成形が好ましい。本発明において、偏光子保護フィルムの破断伸度を上げるためには、樹脂組成物中に熱可塑性樹脂(非晶性ナイロン等)が微細かつ均一に分散されている必要がある。また、このように微細かつ均一に分散されることで、一般に偏光子保護フィルムの透明性も改善される。上記樹脂組成物中に熱可塑性樹脂(非晶性ナイロン等)は本質的に相溶しないが、溶融押出法で製膜することにより、適度な剪断応力がかかり、樹脂組成物中に熱可塑性樹脂(非晶性ナイロン等)が微細かつ均一に分散されている構造を得ることができ、光学特性と物理特性とが両立した本発明の偏光子保護フィルムを得ることができる。
溶融押出法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、樹脂組成物を溶融押出機により溶融混練し溶融押出機の先端に取り付けられたTダイから樹脂組成物をフィルム状に溶融押出し、これを冷却ロールに接触させながら冷却固化し引き取る所謂Tダイ押出成形方法やインフレーション押出成形方法などが挙げられる。樹脂組成物の調製とフィルム成形とは一連の工程で行ってもよいし、樹脂組成物をいったんペレット状に調製した後に、このペレットを用いてフィルム成形してもよい。また、同時に二酸化炭素等のガスを供給することで、押出機中で超臨界状態を作り出すことでも、分散性を上げることができる。
なお、溶液流延(キャスト)法で成形したフィルムは、熱可塑性樹脂(非晶性ナイロン)はもともと相溶性が悪いために、この熱可塑性樹脂(非晶性ナイロン)を微細かつ均一に分散させることが難しく、得られる偏光子保護フィルムの透明性が低下するだけでなく、このフィルムの破断伸度も低くなるので推奨できない。
溶融押出方法により本発明の偏光子保護フィルムを製造する場合、樹脂組成物を溶融押出機により溶融混練してTダイに送り込むまでの樹脂組成物の溶融温度を、マレイミド−オレフィン系共重合体の「ガラス転移温度+135℃」以下とし、かつ、溶融してからTダイに送り込むまでの滞留時間を40分間以下とすることが好ましい。溶融温度がこの温度を超えたり、溶融押出機内での滞留時間が40分間を超えたりすると、熱可塑性樹脂(非晶性ナイロン)の凝集が生じて、得られる偏光子保護フィルムのヘイズが悪化することがある。より好ましい溶融温度はマレイミド−オレフィン系共重合体の「ガラス転移温度+130℃」以下である。また、より好ましい滞留時間は35分間以下、さらに好ましい滞留時間は30分間以下である。
上述のようにマレイミド−オレフィン系共重合体、アクリロニトリル−スチレン系共重合体、熱可塑性樹脂(非晶性ナイロン)の配合比および製造条件を適切に設定することにより、本発明の偏光子保護フィルムを得ることができる。フィルムの厚みは20〜100μmが好ましい。また、フィルムの光弾性係数が1.0×10−7cm/N以下であることが好ましい。光弾性係数は次式により算出されるものであり、外力に対する複屈折率の変化を表す値である。光弾性係数(c)=複屈折率の変化(Δn)/σ(応力)。すなわち、光弾性係数が小さいほど外力による複屈折率の変化量が小さいものになる。光弾性係数が1.0×10−7cm/Nを超えると、外力による変形により光学特性が大きく変化するので好ましくない。
そして、このような本発明の偏光子保護フィルムを、接着剤または粘着剤を用いて偏光子の片面または両面に貼り合わせることにより、本発明の偏光板が得られる。なお、本発明の偏光子保護フィルムが偏光子の片面に貼り合わされる場合は、この偏光子の他面には従来の偏光子保護フィルムや位相差フィルムを貼り合わせてもよい。
上記偏光子としては、偏光子の機能を有するフィルムであれば特に限定されることなく使用できる。例えば、PVAからなるフィルムにヨウ素を吸着させた後、ホウ酸浴中で一軸延伸したPVA・ヨウ素系偏光子、PVAフィルムに二色性の高い直接染料を拡散吸着させた後、一軸延伸したPVA・染料系偏光子などが挙げられる。
上記PVAは、酢酸ビニルのみを重合したポリ酢酸ビニルを鹸化して製造されたものだけでなく、酢酸ビニルに少量の不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩などの共重合可能成分を共重合させたものが鹸化されたものでもよい。
本発明の偏光子保護フィルムを偏光子に貼り合わせる方法としては、特に限定されず、例えば、一般に広く使用されている水性の接着剤を用いるウェットラミネーション法等が採用される。ウェットラミネーション法とは、乾燥後の厚み、塗工の円滑性などを考慮して、接着剤を水により適当な濃度(例えば、0.01〜50重量%)に希釈して塗工液を調製した後、公知の方法(例えば、グラビアコーター、マイクログラビアコーターなど)で偏光子保護フィルム上に塗布するかあるいは滴下した後、対ロールで余分な塗工液をしごきながらラミネートし、熱風などで乾燥することによりフィルムを通して水分を蒸発させ、養生させて接着する方法である。
なお、ウェットラミネーション法で製造する場合には、接着剤に含まれている水分を蒸発させるために、偏光子保護フィルムには適度な透湿性が要求される。すなわち、偏光子保護フィルムは、JIS Z 0280で測定される透湿度が20g/m・24hr以上あるのが好ましい。透湿度が大きすぎると、得られる偏光板の耐湿耐久性が落ちることから、透湿度は300g/m・24hr以下であるのが好ましい。
上記接着剤は、透明性を有するものであれば特に限定されず、例えば、水性ウレタン系接着剤、水性アクリル系接着剤、水性PVA系接着剤などが高い接着性能や耐久性の面から好適である。また、上記偏光子保護フィルムを偏光子に貼り合わせる際に、フィルムの接着力を向上させる目的で、偏光子保護フィルムの接着面にコロナ放電処理、紫外線照射処理、プライマー処理などの一般に使用される表面処理を施すことが好ましい。
こうして得られる本発明の偏光板は、液晶分子を封入した電極が組み込まれた液晶セルのガラス基板に貼り合わせて使用されるが、この際、偏光板を液晶セルに貼り合わせたときに、本発明の偏光子保護フィルムが、少なくとも液晶セルの外側に位置するように、汎用の接着剤または粘着剤を用いて液晶セルの少なくとも片面に貼り合わされる。
なお、本発明の偏光子保護フィルムおよび偏光板の表面には、無機化合物、シランカップリング剤等の有機シリコーン化合物、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、メラニン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂などからなる透明ハードコート層を形成してもよい。上記ハードコート層の形成手段としては、例えば、熱硬化法、紫外線硬化法、電子線硬化法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の公知の方法が挙げられる。このようにハードコート層を形成することにより、偏光子保護フィルムおよび偏光板の耐擦傷性、防眩機能、反射防止機能、耐熱性、耐湿性、耐薬品性などを向上させることができる。
本発明において、マレイミド−オレフィン系共重合体あるいはこのマレイミド−オレフィン系共重合体とアクリロニトリル−スチレン共重合体とを含む混合共重合体から得られるフィルムは、透明性、耐湿性、耐熱性に優れ、光弾性係数が小さく、かつ高い弾性率を有し、ハードコートのような表面加飾を行った場合に十分な硬度が得られる。さらに、上記混合共重合体に、この混合共重合体との屈折率差が0.01以内である熱可塑性樹脂(非晶性ナイロン)が微細かつ均一に分散されていることにより、高い透明性を有し、しかも破断伸び、弾性率、衝撃強度など優れた機械特性が得られる。
それゆえ、本発明によれば、透明性、耐湿性、耐熱性、高い剛性、その他機械特性に優れ、光弾性係数が小さく、しかも脆さが改善さ、生産ラインでのフィルム搬送性およびフィルム加工性、リワーク性に優れた偏光子保護フィルムおよび光学特性、耐久性、生産性に優れた偏光板が得られる。
以下、本発明の具体的な実施例を挙げることにより本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない
(マレイミド−オレフィン系共重合体の合成)
A−1
撹拌機、窒素導入管、温度計および脱気管の付いた30Lのオートクレーブに、N−メチルマレイミド1180g、無水マレイン酸23g、パーブチルネオデカネート8gおよびトルエン/メタノール混合溶媒(1/1重量比)15Lを仕込み、窒素で数回パージした後、液化イソブテン8.5Lを仕込み、60℃で12時間反応を行った。反応により得られた粒子状ポリマーを遠心分離して減圧下60℃で24時間乾燥した。収量は1750gであった。
得られたポリマーの元素分析結果および得られたポリマーの無水マレイン酸部をメチルエステル化したサンプルの元素分析結果およびH−NMR分析結果より、生成ポリマー中のマレイミド成分分率は49モル%、無水マレイン酸成分分率は1モル%、イソブテンの成分分率は50モル%であった。GPCにより求めた重量平均分子量(Mw)は270,000であった。また、屈折率は1.525であった。
(アクリロニトリル−スチレン系共重合体)
B−1
市販のアクリロニトリル−スチレン系共重合体(三菱化成ポリテック社製:サンレックス)を用いた。屈折率は1.570であった。
(非晶性ナイロン)
C−1
市販の非晶性ナイロン(エムスジャパン社製:グリルアミドTR55−LX)を用いた。屈折率は1.529であった。
(実施例1および比較例1〜2)
表1に示す組成で粉体の共重合体およびペレット状の非晶性ナイロンをあらかじめ混合し、同方向二軸押出機(東洋精機社製:ラボプラストミル)により溶融混練を行い樹脂組成物をペレット化した。得られたペレットを押出機により溶融混練し、押出機の先端に取り付けられたTダイから溶融混練された樹脂組成物をフィルム状に溶融押出し、これを冷却ロールに接触させながら冷却固化し引き取ることにより、厚さ60μmの偏光子保護フィルムを作製した。
(比較例3)
日本ゼオン社製ゼオノア1420を押出機により溶融混練し、押出機の先端に取り付けられTダイスから溶融混練された樹脂組成物をフィルム状に溶融押出し、これを冷却ロールに接触させながら冷却固化し引き取ることにより、厚さ60μmの偏光子保護フィルムを作製した。
これらの偏光子保護フィルムの各種物性を測定した。得られた結果を表1に併せて示す。
(1)全光線透過率及びヘイズ値
ヘイズメーター(東京電色社製、TC−HIII DKP)を用い、JIS K 7105に準じて測定を行った。
(2)透湿度
JIS Z 0208に準じて測定した。測定条件は40℃、90%RHで行った。
(3)引張破断伸度
得られたサンプルのMD及びTD方向について、JIS K 7127に準じて、引張試験機(オリエンテック社製、TENSILON)を用いて、下記の条件にて引張破断伸度の測定を行った。
引張温度 :23℃
チャック間距離 :150mm
フィルム幅 :20mm
引張速度 :20mm/分
(偏光板の作製)
以下の方法で偏光子を作製し、上記偏光子保護フィルムをウェットラミして偏光板を得た。
(偏光子の作製)
重合度2400、鹸化度99モル%のPVAからなる厚さ75μmの未延伸PVAフィルムを室温の水で洗浄した後、縦一軸に5倍延伸を行った。このフィルムの緊張状態を保持したまま、染色浴(ヨウ素0.5重量%とヨウ化カリウム5重量%を含有する水溶液)に浸漬し二色性色素を吸着させた。その後、架橋浴(ホウ酸10重量%とヨウ化カリウム10重量%を含有する水溶液)で、50℃で5分間架橋処理を行い、これを70℃で5分間乾燥し、含水率8重量%に調整した膜状の偏光子を作製した。
(偏光板の作製)
上記偏光子保護フィルムの片面にコロナ放電処理を施した。2液混合型水性ウレタン系接着剤(東洋モートン社製:EL−436A/B)のA剤/B剤を10/3(重量比)に混合し、これを固形分が10重量%となるように水で希釈して接着剤溶液を調製した。この接着剤溶液をメイヤーバー#8を用いて上記偏光子保護フィルムのコロナ放電処理面に塗布し、これを偏光子の両面に貼り付けてサンドイッチ状の積層体とした。この積層体を45℃の恒温槽中で72時間保持し、乾燥、養生を行って、偏光板を作製した。
(4)偏光板のリワーク性の評価
上記偏光板を15cm×15cmに切り出し後、再度コロナ処理し、両面粘着シートを用いて無アルカリガラス基板に貼り付けた(180°ピール強度:10N/25mm巾)。偏光板を、コーナー部から中心方向に向かって45°鉛直方向に引きはがし、ガラスに対して糊残りなしに完全に剥がれたものを○、途中で破れが生じたものを×とした。
なお、比較例3のゼオノア1420からなる偏光子保護フィルムを用いた偏光板は、カールがひどく、ガラス基板に貼り合わせる際に偏光子と偏光子保護フィルムの界面で浮きが発生した。
以上の評価結果を表1に示す。

Claims (5)

  1. (A)下記の一般式(1)で表わされる構成成分30〜98モル%と下記の一般式(2)で表わされる構成成分70〜2モル%とからなり、ポリスチレン換算の重量平均分子量が1×10〜5×10のマレイミド−オレフィン系共重合体0.5〜99.5重量部と、(B)アクリロニトリル構成成分21〜45重量%を含むアクリロニトリル−スチレン系共重合体0〜99重量部と、(C)上記(A)又は(A)、(B)の混合物との屈折率差(ただし測定波長589nm)が0.01以内である熱可塑性樹脂が(A)、又は(A)、(B)の混合物100重量部に対し80〜0.5重量部を含む樹脂組成物からなる偏光子保護フィルム。
    (ここで、Rは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、フェニル基、アルキル置換フェニル基またはハロゲン置換フェニル基を示す。)
    (ここで、Rは水素または炭素数1〜8のアルキル基であり、RおよびRは炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
  2. 熱可塑性樹脂が非晶性ナイロンであることを特徴とする請求項1記載の偏光子保護フィルム。
  3. 透湿度が20〜300g/m・24hr以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の偏光子保護フィルム。
  4. 偏光子保護フィルムが溶融押出法で製膜されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルムが偏光子の少なくとも片面に貼り合わされてなる偏光板。
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