JP2015210474A - 偏光子保護フィルムおよび偏光板 - Google Patents

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Abstract

【課題】偏光子との密着性に優れた(メタ)アクリル系保護フィルム、特に、架橋弾性体を含む(メタ)アクリル系保護フィルムならびに耐久性に優れた(メタ)アクリル系保護フィルムを用いた偏光板を提供する。
【解決手段】ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂系プライマーを乾燥させてなる易接着層3を有する(メタ)アクリル系樹脂フィルムからなる偏光子保護フィルム4、ならびに、偏光子保護フィルム4と、偏光子1と、接着剤層3とを有する偏光板5。
【選択図】図1

Description

本発明は偏光子との密着性に優れた(メタ)アクリル系偏光子保護フィルムに関する。さらに本発明は(メタ)アクリル系偏光子保護フィルムを用いた偏光板に関する。
液晶表示装置には、通常、液晶セルの両側に二枚の偏光板が配置される。偏光板は偏光子の両側に偏光子保護フィルムを貼合したものが一般的であり、偏光子保護フィルムとしては、通常、セルロース系材料からなるフィルムが使用される。近年、耐久性の向上を目的として、(メタ)アクリル系材料からなる偏光子保護フィルムが提案されている。
一般に(メタ)アクリル系フィルムは、セルロース系フィルムに比較し偏光子との親和性が乏しいことから、接着性を向上させるために(メタ)アクリル系フィルムに親水化処理(コロナ放電処理やプラズマ処理)を施すことや、易接着層を設けることが提案されている(例えば、特許文献1)。
一方、(メタ)アクリル系フィルムは強度が低いことから、強度向上のために二軸延伸などの処理を施されるが、それでも強度が十分ではないとの問題がある。そのため架橋弾性体を含む(メタ)アクリル系樹脂を使用することが検討されている。
特開2007−127893号公報
しかし、架橋弾性体を含む(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、特に偏光子との密着性が問題となることが多く、架橋弾性体を含む(メタ)アクリル系フィルムに適した易接着処理が必要になる。
そこで、本発明の目的は、偏光子との密着性に優れた(メタ)アクリル系保護フィルム、特に、架橋弾性体を含む(メタ)アクリル系保護フィルムを提供することにある。さらに本発明は、耐久性に優れた(メタ)アクリル系保護フィルムを用いた偏光板に関する。
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂系プライマーを乾燥させてなる易接着層を有する(メタ)アクリル系保護フィルムとすることで、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂系プライマーを乾燥させてなる易接着層を有する(メタ)アクリル系樹脂フィルムからなる偏光子保護フィルムに関する。
好ましい実施形態においては、上記(メタ)アクリル系樹脂フィルムが(メタ)アクリル系樹脂と架橋弾性体とを含有する樹脂組成物からなる。
好ましい実施形態においては、上記架橋弾性体がゴム状重合体からなるコア層とガラス状重合体からなるシェル層を有するコアシェル型弾性体である。
好ましい実施形態においては、上記(メタ)アクリル系樹脂フィルムの配向複屈折が、−1.7×10−4から1.7×10−4である。
好ましい実施形態においては、上記(メタ)アクリル系樹脂フィルムの位相差値が、面内位相差Δndが5.0nm以下、厚み方向位相差Rthが20.0nm以下である。
好ましい実施形態においては、上記(メタ)アクリル系樹脂フィルムの光弾性係数が、−10×10−12から10×10−12Pa−1がある。
本発明の別の局面によれば、偏光子と、接着剤層と、ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂系プライマーを乾燥させてなる易接着層を有する(メタ)アクリル系樹脂を含む(メタ)アクリル系保護フィルムとを有する偏光板が提供される。
好ましい実施形態においては、上記接着剤層がポリビニルアルコール樹脂を含む接着剤組成物からなる。
本発明によれば、ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂系プライマーを乾燥させてなる易接着層を有する(メタ)アクリル系保護フィルムとすることにより、偏光子との密着性に優れた(メタ)アクリル系保護フィルムを提供できる。このような易接着層は、特に、(メタ)アクリル系樹脂と架橋弾性体からなる(メタ)アクリル系樹脂フィルムに有効である。
本発明の1つの好ましい実施形態による偏光板の概略断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されるものではない。
A.(メタ)アクリル系樹脂フィルム
(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、(メタ)アクリル系樹脂を含む。
(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、例えば、(メタ)アクリル系樹脂を主成分として含む樹脂成分を溶融押出することにより得られる。
上記(メタ)アクリル系樹脂としては、Tg(ガラス転移温度)が、90℃以上が好ましく、105℃以上がより好ましく、120℃以上がさらに好ましい。Tgが90℃以上である(メタ)アクリル系樹脂を主成分として含むことにより、耐熱性、耐久性に優れたものとなる。
上記(メタ)アクリル系樹脂としては、任意の適切な(メタ)アクリル系樹脂を採用し得る。例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂など)、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体など)が挙げられる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキル(炭素数が1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系樹脂)が挙げられる。より好ましくは、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂が挙げられる。
また、より高い耐熱性を有する(メタ)アクリル系樹脂として、グルタル酸無水物構造を有する(メタ)アクリル系樹脂、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂、グルタルイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂、N−置換マレイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂が挙げられる。
これらの中で、グルタルイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂が特に好ましい。
グルタルイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂としては、特開2006−309033号公報、特開2006−317560号公報、特開2006−328329号公報、特開2006−328334号公報、特開2006−337491号公報、特開2006−337492号公報、特開2006−337493号公報、特開2006−337569号公報、特開2007−009182号公報などに記載の、グルタルイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂フィルム中の上記(メタ)アクリル系樹脂の含有量は、50〜100重量%が好ましく、50〜99重量%がより好ましい。(メタ)アクリル系樹脂フィルム中の(メタ)アクリル系樹脂の含有量が50重量%未満の場合には、耐熱性や透明性が十分でない場合がある。
(メタ)アクリル系樹脂フィルムには、(メタ)アクリル系樹脂の機械的強度を向上するために架橋弾性体を含有してもよい。
架橋弾性体としては、ゴム状重合体からなるコア層とガラス状重合体(硬質重合体)からなるシェル層とを有するコアシェル型弾性体が好ましい。
コア層を構成するゴム状重合体のTgは20℃以下が好ましく、−60〜20℃がより好ましく、−60〜10℃がさらに好ましい。コア層を構成するゴム状重合体のTgが20℃を超えると、(メタ)アクリル系樹脂の機械的強度の向上が十分ではないおそれがある。シェル層を構成するガラス状重合体(硬質重合体)のTgは、50℃以上が好ましく、50〜140℃がより好ましく、60〜130℃がさらに好ましい。シェル層を構成するガラス状重合体のTgが50℃より低いと、(メタ)アクリル系樹脂の耐熱性が低下するおそれがある。
上記コアシェル型弾性体におけるコア層の含有割合は、好ましくは30〜95重量%、より好ましくは50〜90重量%である。上記コアシェル型弾性体中におけるシェル層の含有割合は、好ましくは5〜70重量%、より好ましくは10〜50重量%である。
上記コアシェル型弾性体には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他の成分を含んでいても良い。
上記コア層を構成するゴム状重合体を形成する重合性モノマーとしては、任意の適切な重合性モノマーを使用してもよい。
上記ゴム状重合体を形成する重合性モノマーは、アルキル(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。上記ゴム状重合体を形成する重合性モノマー100重量%中、アルキル(メタ)アクリレートは50重量%以上含まれることが好ましく、50〜99.9重量%含まれることがより好ましく、60〜99.9重量%含まれることがさらに好ましい。
上記アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウロイル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等、アルキル基の炭素数が2〜20のアルキル(メタ)アクリレートを挙げることができる。これらのなかでも、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート等、アルキル基の炭素数が2〜10のアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレートがより好ましい。これらは1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記ゴム状重合体を形成する重合性モノマーは、分子内に2個以上のビニル基を有する多官能性モノマーを含むことが好ましい。上記ゴム状重合体を形成する重合性モノマー中、分子内に2個以上のビニル基を有する多官能性モノマーは0.01〜20重量%含まれることが好ましく、0.1〜20重量%含まれることがより好ましく、0.1〜10重量%含まれることがさらに好ましく、0.2〜5重量%含まれることが特に好ましい。
上記分子内に2個以上のビニル基を有する多官能性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン等の芳香族ジビニルモノマー、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のアルカンポリオールポリ(メタ)アクリレート等や、ウレタンジ(メタ)アクリレート、エポキシジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。また、異なる反応性のビニル基を有する多官能性モノマーとして、例えば、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルイタコネート等を挙げることができる。これらのなかでも、エチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレートが好ましい。これらは1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記ゴム状重合体を形成する重合性モノマーには、上記アルキル(メタ)アクリレートおよび分子内に2個以上のビニル基を有する多官能性モノマーと共重合可能な他の重合性モノマーを含んでも良い。上記ゴム状重合体を形成する重合性モノマー中、他の重合性モノマーは0〜49.9重量%含まれることが好ましく、0〜39.9重量%含まれることがより好ましい。
上記他の重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル、芳香族ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、シアン化ビニリデン、メチルメタクリレート、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート等を挙げることができる。また、他の重合性モノマーとしては、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基等の官能基を有するモノマーでもよい。具体的には、エポキシ基を有するモノマーとして、例えば、グリシジルメタクリレート等を挙げることができ、カルボキシル基を有するモノマーとして、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等を挙げることができ、水酸基を有するモノマーとして、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート等を挙げることができ、アミノ基を有するモノマーとして、例えば、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記シェル層を構成するガラス状重合体を形成する重合性モノマーとしては、任意の適切な重合性モノマーを使用してもよい。
上記ガラス状重合体を形成する重合性モノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレートおよび芳香族ビニルモノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマーを含むことが好ましい。上記ガラス状重合体を形成する重合性モノマー100重量%中、アルキル(メタ)アクリレートおよび芳香族ビニルモノマーから選ばれる少なくとも1種が50〜100重量%含まれることが好ましく、60〜100重量%含まれることがより好ましい。
上記アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等、アルキル基の炭素数が1〜4のものが好ましく、メチルメタクリレートがより好ましい。これらは1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等を挙げることができ、これらのなかでも、スチレンが好ましい。これらは1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記ガラス状重合体を形成する重合性モノマーは、分子内に2個以上のビニル基を有する多官能性モノマーを含んでいても良い。上記ガラス状重合体を形成する重合性モノマー100重量%中、分子内に2個以上のビニル基を有する多官能性モノマーは0〜10重量%含まれることが好ましく、0〜8重量%含まれることがより好ましく、0〜5重量%含まれることがさらに好ましい。
上記分子内に2個以上のビニル基を有する多官能性モノマーの具体例としては、前述したものと同様のものを挙げることができる。
上記ガラス状重合体を形成する重合性モノマーは、上記アルキル(メタ)アクリレートおよび分子内に2個以上のビニル基を有する多官能性モノマーと共重合可能な他の重合性モノマーを含んでいても良い。上記ガラス状重合体を形成する重合性モノマー100重量%中、他の重合性モノマーは0〜50重量%含まれることが好ましく、0〜40重量%含まれることがより好ましい。
上記他の重合性モノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、シアン化ビニリデン、前述したもの以外のアルキル(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート等を挙げることができる。また、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基等の官能基を有するものでもよい。エポキシ基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジルメタクリレート等を挙げることができ、カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等を挙げることができ、水酸基を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシメタクリレート、2−ヒドロキシアクリレート等を挙げることができ、アミノ基を有するモノマーとしては、例えば、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明におけるコアシェル型弾性体の製造方法としては、コアシェル型の粒子を製造し得る任意の適切な方法を採用することができる。
例えば、コア層を構成するゴム状重合体を形成する重合性モノマーを懸濁または乳化重合させて、ゴム状重合体粒子を含む懸濁または乳化分散液を製造し、続いて、該懸濁液または乳化分散液にシェル層を構成するガラス状重合体を形成する重合性モノマーを加えてラジカル重合させ、ゴム状重合体粒子の表面をガラス状重合体が被覆してなる多層構造を有するコアシェル型弾性体を得る方法が挙げられる。ここで、ゴム状重合体を形成する重合性モノマー、および、ガラス状重合体を形成する重合性モノマーは、一段で重合しても良いし、組成比を変更して2段以上で重合してもよい。
本発明の(メタ)アクリル系樹脂フィルム中の、コアシェル型弾性体の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂100重量部に対してコアシェル型弾性体を1〜40重量部含むことが好ましく、より好ましくは2〜35重量部、さらに好ましくは3〜25重量部である。コアシェル型弾性体の含有量が1重量部未満であると、(メタ)アクリル系樹脂の機械的強度の向上が十分ではなく、40重量部を超えると、(メタ)アクリル系樹脂の耐熱性が低下するおそれがある。
上記コアシェル型弾性体の粒子径は、1〜500nmであることが好ましく、10〜400nmであることがより好ましく、50〜300nmであることがさらに好ましく、70〜300nmであることが特に好ましい。上記コアシェル型弾性体の粒子径が1nm未満であると、(メタ)アクリル系樹脂の機械的強度の向上が十分ではなく、500nmよりも大きいと、(メタ)アクリル系樹脂の耐熱性や透明性が損なわれるおそれがある。
本発明の(メタ)アクリル系樹脂フィルムの物性バランスを確保するためには、上記コアシェル型弾性体の構造を適宜制御することが望ましい。
上記コアシェル型弾性体の好ましい構造としては、例えば、(a)軟質の内層および硬質の外層を有し、上記内層が(メタ)アクリル系架橋重合体層を有するもの、(b)硬質の内層、軟質の中間層および硬質の外層を有し、上記内層が少なくとも一種の硬質重合体層からなり、上記中間層が(メタ)アクリル系架橋重合体層からなる軟質重合体を有するものなどが挙げられる。各層のモノマー種を適宜選択することによって、(メタ)アクリル系樹脂の諸物性(機械的特性、光学特性、特に、配向複屈折や光弾性係数)を任意に制御することができる。「軟質」は、重合体のガラス転移温度が20℃未満であることが好ましく、「硬質」は、重合体のガラス転移温度が20℃以上であることが好ましい。
コアシェル型弾性体の更に好ましい構造の具体例としては、例えば、(i)多層構造粒子のシェル層がアルキルアクリレートを0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上含む非架橋のメタクリル樹脂であるもの、(ii)多層構造粒子のシェル層がアルキルアクリレートの含有量の異なる2段以上の多層からなり、トータルでアルキルアクリレートを1重量%以上含む非架橋のメタクリル樹脂であるもの、(iii)多層構造粒子のコア層が、有機過酸化物をレドックス型開始剤として使用して重合した、架橋メタクリル系樹脂からなる最内層粒子のラテックスの存在下に、過酸(過硫酸、過リン酸塩等)を熱分解型開始剤として使用しアクリル酸エステル、多官能性モノマー、適宜その他のモノマーを共重合してなる中間層を形成した多層構造を有するもの、等が例示される。このような構造を有することにより、本発明の(メタ)アクリル系樹脂中でコアシェル型弾性体が良好に分散しやすくなり、フィルムを形成した際に未分散や凝集による欠陥が少なく、強度、靭性、耐熱性、透明性、外観に優れ、さらに温度変化や応力による白化が抑制され、品質の優れたフイルムを得ることが出来る。
本発明の(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、配向複屈折が小さいほどよく、−1.7×10−4から1.7×10−4であることが好ましい。このような樹脂を使用することで、(メタ)アクリル系保護フィルムの位相差値を小さくすることができる。
本発明の(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、光弾性係数が小さいほどよく、−10×10−12から10×10−12Pa−1が好ましく、−4×10−12から4×10−12Pa−1がより好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、上記(メタ)アクリル系樹脂以外に、他の熱可塑性樹脂を含有していてもよい。他の熱可塑性樹脂としては、オレフィン系重合体、ハロゲン化ビニル系重合体、スチレン系重合体、エステル系重合体、アミド系重合体等が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂フィルムにおける他の熱可塑性樹脂の含有割合は、0〜50重量%が好ましく、0〜30重量%がより好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、必要に応じて任意の添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐光安定剤、耐候安定剤、熱安定剤等の安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、充填剤、可塑剤、滑剤等が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法としては、特に制限はないが、例えば、(メタ)アクリル系樹脂と、架橋弾性体やその他の重合体、添加剤等を、任意の適切な方法で混合した上で、フィルムに成形することができる。
上記の混合方法としては、特に制限はないが、上記のフィルム原料を予備混合した後に、押出機にて溶融混練する方法が挙げられる。
上記フィルム成形の方法としては、例えば、溶液流延法、溶融押出法、カレンダー法、圧縮成形法等、任意の適切なフィルム成形法が挙げられる。これらの成形法のうち、コストと性能のバランスから溶融押出法が好ましい。
上記溶融押出法としては、例えば、T型ダイス法、インフレーション法等が挙げられる。成形温度は150〜350℃が好ましく、200〜300℃がより好ましい。
上記T型ダイス法でフィルム成形する場合は、単軸押出機や二軸押出機の先端部にT型ダイスを取り付け、フィルム状に押出されたフィルムを巻取って、ロール状のフィルムを製造することができる。
(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、押出フィルム(未延伸フィルム)でもよいし、延伸フィルムでもよい。延伸フィルムとしては、1軸延伸フィルムまたは2軸延伸フィルムのいずれでもよい。2軸延伸フィルムである場合は、同時2軸延伸フィルムまたは逐次2軸延伸フィルムのいずれでもよい。
延伸温度は、フィルム原料である熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度近傍であることが好ましく、具体的には(Tg−20℃)〜(Tg+100℃)が好ましく、(Tg)〜(Tg+50℃)がより好ましい。延伸温度が、(Tg−20℃)未満であるとフィルムが破断しやすく延伸が十分に行なえない可能性があり、(Tg+100℃)超えると、フィルムの溶融等が起こる可能性がある。
延伸の倍率には特に制限はないが、1.1〜10倍が好ましく、1.4〜5倍がより好ましい。延伸倍率が1.1倍未満であると、延伸による強度向上効果が十分ではない。
(メタ)アクリル系樹脂フィルムが、(メタ)アクリル系樹脂に架橋弾性体を含有する樹脂からなるフィルムである場合は、フィルムの機械的強度に優れることから、未延伸フィルム、1軸延伸フィルム、2軸延伸フィルムのいずれでも好適に使用できる。
(メタ)アクリル系樹脂フィルムの位相差値は小さいほどよく、面内位相差Δndが5.0nm以下、厚み方向位相差Rthが20.0nm以下が好ましく、Δndが2.0nm以下、Rthが5.0nm以下がより好ましく、Δndが1.0nm以下、Rthが3.0nm以下がさらに好ましい。位相差の値がこれらの値以上となると、光学的特性が低下するおそれがある。
(メタ)アクリル系樹脂フィルムの厚さは、5〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。厚さが5μm未満であると、十分な強度が得られず、厚さが200μmを超えると、透明性の低下や接着剤の溶剤(水等)の乾燥が遅くなるとともに、偏光板の厚さが厚くなってしまうとの場合がある。
(メタ)アクリル系樹脂フィルムの表面の濡れ張力は、40mN/m以上が好ましく、50mN/m以上がより好ましい。表面の濡れ張力が少なくとも40mN/m以下であると、(メタ)アクリル系保護フィルムと偏光子との接着強度が低下する場合がある。
表面の濡れ張力を高めるために、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、紫外線照射、火炎処理、化学薬品処理等を施してもよい。これらの中で、コロナ放電処理、プラズマ処理が好ましい。
B.易接着層
易接着層は、(メタ)アクリル系樹脂フィルムに、ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂系プライマーを塗布後、乾燥することで形成される。
ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂系プライマーとは、ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂を水や有機溶媒に分散・溶解させたもので、通常は、フィルムコーティングやグラビアインキ、接着剤として使用されているものである。
上記ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂系プライマーを、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの偏光子との接着面に塗布、乾燥させることにより、偏光子との密着性が大幅に向上する。
上記ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂系プライマーには、水系のものと有機系のものがあるが、環境面や作業性の観点から、水系の易接着組成物が好ましいが、分散性や溶解性の観点から、少量の有機溶媒を含有してもよい。
上記ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂系プライマーには一液型と二液型があり、どちらも好適に使用できる。
上記ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂の濃度は、易接着層形成時の作業性の観点から、10〜50重量%が好ましく、20〜45重量%がさらに好ましい。
上記易接着層の厚みは、任意の適切な値に設定できる。好ましくは0.1〜10μm、さらに好ましくは0.1〜5μm、特に好ましくは0.2〜1.5μmである。このような範囲に設定することにより、優れた偏光子と(メタ)アクリル系樹脂フィルムとの密着性を発現できる。
上記ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂系プライマーの塗布前に、あらかじめ(メタ)アクリル系樹脂フィルムの表面をコロナ放電処理、プラズマ処理しておくことが好ましい。
上記ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂系プライマーの塗布方法としては、任意の適切な方法が採用できる。例えば、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、スロットオリフィスコート法、カーテンコート法、ファウンテンコート法等が挙げられる。
上記ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂系プライマーの乾燥温度としては50℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。
上記ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂系プライマーには、任意の適切な添加剤をさらに含有しても良い。添加剤としては、例えば、ブロッキング防止剤、分散安定剤、揺変剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、触媒、フィラー、滑剤、帯電防止剤等が挙げられる。
C.偏光板の全体構成
図1は、本発明の好ましい実施形態による偏光板の概略断面図である。
偏光板5は、偏光子1と、接着剤層2と、易接着層3と、(メタ)アクリル系樹脂フィルム4の順に積層したものである。
C−1.偏光子
上記偏光子1としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム等の親水性フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させ、一軸延伸したものが好適に使用される。これら偏光子の厚さに特に制限はないが、1〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着させて一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素水溶液に浸漬後、延伸することで作製される。
ポリビニルアルコール系フィルムは必要に応じて染色の前に水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することで、染色ムラの発生を防止できる。
延伸はヨウ素で染色した後に行ってもよいし、染色しながら延伸してもよいし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。
C−2.接着剤層
上記接着剤層2を形成する接着剤としては、任意の適切な接着剤を使用できる。偏光子との親和性から、ポリビニルアルコール系樹脂を含む接着剤組成物が好ましく、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール樹脂が特に好ましい。アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール樹脂を含む接着剤組成物を用いることで、偏光子と(メタ)アクリル系樹脂フィルムとの密着性がさらに向上する。
上記ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度に特に制限はないが、好ましくは100〜5000程度、さらに好ましくは1000〜4000である。
上記の接着剤組成物には必要に応じて架橋剤を含有してもよい。架橋剤としては、上記のポリビニルアルコール系樹脂と反応性を有する官能基を有するものが好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂と反応性を有する官能基としては、アミン基、イソシアネート基、エポキシ基、アルデヒド基、メチロール基等が挙げられる。中でもメチロール基を有する化合物が好ましく、メチロールメラミンが特に好ましい。
上記架橋剤の配合量は、特に制限はないが、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、10〜60重量部程度、好ましくは20〜50重量部である。
上記接着剤組成物には、更に接着性を向上させるために、各種のカップリング剤や粘着付与剤を添加してよい。カップリング剤としては、シランカップリング剤が好ましい。その他、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐加水分解安定剤などを添加してもよい。
上記接着剤組成物は、通常水溶液として使用される。樹脂の濃度は、塗工性と安定性のバランスから、0.1〜15重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましい。
上記接着剤組成物から形成された接着剤層の厚みは、接着剤組成物の組成等に応じて設定される。10〜300nmが好ましく、接着性の観点から、特に20〜150nmが好ましい。
C−3.易接着層
上記易接着層3は、上述のとおり、ウレタン樹脂又はアクリル樹脂系プライマーを塗布乾燥させることで形成される。
C−4.(メタ)アクリル系樹脂フィルム
上記(メタ)アクリル系樹脂フィルム4は、上述のとおり、(メタ)アクリル系樹脂を主成分として含む樹脂成分を溶融押出することにより得られる。
C−5.その他
第2の保護フィルムとしては、任意の適切な系保護フィルムを使用できる。第2の保護フィルムを形成する材料の代表例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、シクロオレフィン系ポリマーが挙げられる。第2の保護フィルムは、上記の(メタ)アクリル系樹脂フィルムと同様の材料で形成されていてもよい。第2の保護フィルムと偏光子は、任意の適切な接着剤で貼合される。
D.製造方法
本発明の偏光板の製造方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。以下、一つの実施形態について説明する。上記偏光子と上記(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、易接着層を介して積層される。例えば、易接着層は、予め、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの片側に形成される。易接着層は、特定のポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂系プライマーを(メタ)アクリル系樹脂フィルムの片側に塗布して、乾燥させることにより形成される。上記ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂系プライマーの塗布方法としては、上述の任意の適切な方法を採用し得る。
上述のように、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの少なくとも片側(上記偏光子が配置されている側)には、表面処理が施され得る。この場合、易接着層を形成する前に、上述の表面処理を施す。表面処理としては、好ましくは、コロナ放電処理、プラズマ処理である。コロナ放電処理を施すことにより、偏光子と(メタ)アクリル系樹脂フィルムとの接着性および密着性がさらに向上し得る。コロナ放電処理は、任意の適切な条件で施される。例えば、コロナ放電電子照射量は、好ましくは50〜150W/m2/min、さらに好ましくは70〜100W/m2/minである。
上記偏光子と上記(メタ)アクリル系樹脂フィルムとは、接着剤層を介して積層される。具体的には、偏光子または(メタ)アクリル系樹脂フィルムのいずれか一方の片側に上記接着剤組成物を塗布した後、偏光子と(メタ)アクリル系樹脂フィルムとを貼り合わせて乾燥させる方法が挙げられる。接着剤組成物の塗布方法としては、例えば、ロール法、噴霧法、浸漬法等が挙げられる。乾燥温度は、代表的には5〜150℃、好ましくは30〜120℃である。乾燥時間は、代表的には120秒以上、好ましくは300秒以上である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。また、以下で「部」および「%」は、特記がない限り、「重量部」および「重量%」を意味する。なお、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの評価方法は以下の通りである。
<光学特性>
面内位相差Δndおよび厚み方向位相差Rthは、王子計測器社製KOBRA−WRを用いて測定した。可視光透過率(全光線透過率)は、日本電色工業社製ヘイズメーター(HAZE METER)を用いて測定した。
(製造例1)
<架橋弾性体の製造>
以下の組成の混合物をガラス製反応器に仕込み、窒素気流中で撹拌しながら80℃に昇温したのち、メタクリル酸メチル25部、メタクリル酸アリル1部からなる単量体混合物とt−ブチルハイドロパーオキサイド0.1部との混合液のうち25%を一括して仕込み、45分間の重合を行なった。
脱イオン水 220部
ホウ酸 0.3部
炭酸ナトリウム 0.03部
N−ラウロイルサルコシン酸ナトリウム 0.09部
ソディウムホルムアルデヒドスルフォキシレ−ト 0.09部
エチレンジアミン四酢酸−2−ナトリウム 0.006部
硫酸第1鉄 0.002部
続いてこの混合液の残り75%を1時間にわたって連続添加した。添加終了後、同温度で2時間保持し重合を完結させた。また、この間に0.2部のN−ラウロイルサルコシン酸ナトリウムを追加した。得られた最内層架橋メタクリル系重合体ラテックスの重合転化率(重合生成量/モノマー仕込量)は98%であった。
得られた最内層重合体ラテックスを窒素気流中で80℃に保ち、過硫酸カリウム0.1部を添加したのち、アクリル酸n−ブチル41部、スチレン9部、メタクリル酸アリル1部からなる単量体混合物を5時間にわたって連続添加した。この間にオレイン酸カリウム0.1部を3回に分けて添加した。モノマー混合液の添加終了後、重合を完結させるためにさらに過硫酸カリウムを0.05部添加し2時間保持した。得られたゴム粒子の重合転化率は99%、粒径は225nmであった。
得られたゴム粒子ラテックスを80℃に保ち、過硫酸カリウム0.02部を添加したのちメタクリル酸メチル14部、アクリル酸n−ブチル1部の単量体混合物を1時間にわたって連続添加した。モノマー混合液の追加終了後1時間保持しグラフト共重合体ラテックスを得た。重合転化率は99%であった。
得られたグラフト共重合体ラテックスを80℃に保ち、メタクリル酸メチル5部、アクリル酸n−ブチル5部の単量体混合物を0.5時間にわたって連続添加した。モノマー混合液の追加終了後1時間保持しゴム含有グラフト共重合体ラテックスを得た。重合転化率は99%であった。得られたゴム含有グラフト共重合体ラテックスを塩化カルシウムで塩析凝固、熱処理、乾燥を行ない、白色粉末状の架橋弾性体を得た。
((メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造)
パラペットHR−S{共重合モノマー重量比=メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル=99/1}90重量部と製造例1で得られた架橋弾性体10重量部とのペレットを二軸押し出し機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出しして、厚さ100μmのフィルムを得た。この未延伸フィルムを、130℃の温度条件下、縦1.6倍、横1.6倍に延伸して(メタ)アクリル系樹脂フィルム(厚さ40μm、面内位相差Δnd0.8nm、厚み方向位相差Rth1.5nm)を得た。
(コロナ放電処理)
上記で得られた(メタ)アクリル系樹脂フィルムの片側に、コロナ放電処理(コロナ放電電子照射量:77W/m2/min)を施した。
(易接着層の形成)
一液型水系ウレタン樹脂プライマー(荒川化学製、商品名:ユリアーノW321、固形分:34%)100重量部に対して純水を250重量部加え、コロナ放電処理を施した(メタ)アクリル系保護フィルムのコロナ放電処理面に、バーコーター(#3)で塗布し、塗膜を形成した。その後、(メタ)アクリル系樹脂フィルムを熱風乾燥機(80℃)に投入し、塗膜を約5分乾燥させて、易接着層(0.2〜0.4μm)を形成し、(メタ)アクリル系保護フィルムを得た。
(接着剤組成物の調製)
アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(平均重合度:1200、ケン化度:98.5モル%,アセトアセチル基変性度:5モル%)100重量部に対し、メチロールメラミン20重量部を70℃の温度条件下で純水に溶解し、固形分濃度1.0%の水溶液を得た。得られた水溶液を接着剤組成物として、25℃の温度条件下で用いた。
(PVAと(メタ)アクリル系保護フィルムとの貼合)
(メタ)アクリル系保護フィルムの易接着層側に、乾燥後の厚みが50nmとなるように接着剤組成物を塗布した。その後、接着剤組成物を介して、日本合成化学製ポリビニルアルコールフィルム ボブロンーEX(膜厚12μm)と(メタ)アクリル系保護フィルムを積層し、熱風乾燥機(100℃)に投入して5分間乾燥させて、積層体を得た。
一液型水系ウレタン樹脂プライマー(荒川化学製、商品名:ユリアーノW321、固形分:34%)100重量部に対して純水を120重量部加えるようにした以外は、実施例1と同様にしてポリビニルアルコールフィルムと(メタ)アクリル系保護フィルムを貼合した。
アクリル樹脂系プライマーとして、一液型水系アクリル樹脂プライマー(荒川化学製、商品名:アラコートDA210N、固形分:20%)100重量部に対して純水を100重量部加えるようにした以外は、実施例1と同様にしてポリビニルアルコールフィルムと(メタ)アクリル系保護フィルムを貼合した。
(比較例1)
易接着層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてポリビニルアルコールフィルムと(メタ)アクリル系保護フィルムを貼合した。
<剥離強度>
実施例1〜3および比較例1で作製された積層体に対して、JIS K 6854に準じ、T型剥離試験を実施した。
Figure 2015210474
表1から明らかなように、実施例で作製された積層体は密着性に優れていたが、比較例で作製した積層体は密着性が劣っていた。このことから、易接着層をウレタン樹脂又はアクリル樹脂で形成することにより、偏光子との密着性に優れた(メタ)アクリル系保護フィルムが得られることが明らかである。
本発明の偏光子保護フィルムおよび偏光板は、液晶表示装置や自発光型表示装置などの画像表示装置に好適に使用され得る。
1 偏光子
2 接着剤層
3 易接着層
4 (メタ)アクリル系樹脂フィルム
5 偏光板

Claims (8)

  1. ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂系プライマーを乾燥させてなる易接着層を有する(メタ)アクリル系樹脂フィルムからなる偏光子保護フィルム。
  2. 前記(メタ)アクリル系樹脂フィルムが架橋弾性体を含有する、請求項1記載の偏光子保護フィルム。
  3. 前記架橋弾性体が、ゴム状重合体からなるコア層とガラス状重合体からなるシェル層とを有するコアシェル型弾性体である、請求項2記載の偏光子保護フィルム。
  4. 前記(メタ)アクリル系樹脂フィルムの配向複屈折が、−1.7×10−4から1.7×10−4である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の偏光子保護フィルム。
  5. 前記(メタ)アクリル系保護フィルムの位相差値が、面内位相差Δndが5.0nm以下、厚み方向位相差Rthが20.0nm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の偏光子保護フィルム。
  6. 前記(メタ)アクリル系樹脂フィルムの光弾性係数が、−10×10−12から10×10−12Pa−1がある、請求項1〜5のいずれか一項に記載の偏光子保護フィルム。
  7. 偏光子と、接着剤層と、請求項1〜6のいずれか一項に記載の偏光子保護フィルムとを有する偏光板。
  8. 前記接着剤層がポリビニルアルコール樹脂を含む接着剤組成物からなる、請求項7に記載の偏光板。
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